JPH04352815A - 着色ポリアミド系多成分繊維 - Google Patents

着色ポリアミド系多成分繊維

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JPH04352815A
JPH04352815A JP14998391A JP14998391A JPH04352815A JP H04352815 A JPH04352815 A JP H04352815A JP 14998391 A JP14998391 A JP 14998391A JP 14998391 A JP14998391 A JP 14998391A JP H04352815 A JPH04352815 A JP H04352815A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、染料および/または顔
料により着色されたポリアミドを一成分とする着色ポリ
アミド系極細繊維発生型多成分繊維に関するものである
【0002】
【従来の技術】従来、ポリアミドを極細繊維成分とする
不織布と弾性ポリマーからなる皮革様シート状物は、ポ
リエステルを極細繊維成分とする不織布または通常デニ
ール繊維の不織布からなるものに比較して、より柔軟で
折れシボ感に優れるなど天然皮革に類似した風合いをも
つ素材として高く評価されてきた。この様なポリアミド
を極細繊維成分とした皮革様シート状物を製造する方法
としては、海島型または分割型のポリアミド極細繊維発
生型繊維の不織布に弾性ポリマーを含浸する前または含
浸した後に、溶剤または薬品などで処理して繊維成分の
1成分を溶解または分解除去してポリアミド極細繊維と
弾性ポリマーからなる繊維質シートとする方法が広く行
われてきた。一方、ポリアミド極細繊維発生型繊維の1
成分に弾性ポリマーを用い、弾性ポリマーの溶剤や溶液
を含浸し弾性ポリマーを溶解後、抽出除去することなく
そのまま不織布中で多孔質に凝固させて繊維質シートを
製造することも数多く提案されている。
【0003】一般に、極細繊維は通常デニールの繊維に
比較して染色性が劣るため、極細繊維からなるスエード
素材などを染色し、濃色の色目を出そうとした場合には
大量の染料を必要とし、耐光堅牢度、染色堅牢度等の品
質面、およびコスト面などの問題がある。これらの対策
として極細繊維を原料着色(原着と言う)し、耐光堅牢
度、染色堅牢度等の品質を向上しようとすることも多数
提案されている。例えば島成分のポリエチレンテレフタ
レートにカーボンブラックを1%添加した高分子相互配
列体繊維が特公昭48−11925号公報に、赤色顔料
を5%添加した6−ナイロンを島成分とする混合紡糸繊
維が特公昭55−504号公報に、カーボンブラックを
5%添加した6−ナイロンを島成分とする混合紡糸繊維
が特公昭59−12785号公報に、カーボンブラック
を主成分とする顔料を5%添加して重合したポリエステ
ルとポリアミドがサイドバイサイドに並んだ多層中空貼
り合せ繊維が特公昭59−44416号公報に、芯鞘型
の極細繊維を含む3成分繊維が特公昭62−37152
号公報に、さらに着色ポリウレタン系多成分繊維が特開
平1−52820号公報にそれぞれ提案されている。
【0004】しかしながら、ポリアミド極細繊維の場合
には、極細であり、発色を充分にさせるためには、染顔
料を相当多く(1〜10%)添加しなければならず、染
顔料の添加による溶融粘度の上昇のため、紡糸時の糸切
れ、孔詰まり、フィルター詰まりなどによる紡糸性の悪
化、繊維物性の低下を余儀無くされていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の問題点を解決するためになされたものであって、染料
および/または顔料により着色されたポリアミドを一成
分とする多成分繊維を得るに当たり、ポリアミド中に特
定の構造を有する化合物を存在させることにより、染顔
料添加による溶融粘度の上昇を極力押さえ、着色ポリア
ミド系極細繊維発生型繊維を安定に製造することである
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
、本発明は次のような構成を採用した。すなわち、本発
明においては、染料および/または顔料を配合した着色
ポリアミドを一成分とする多成分繊維において、全ポリ
アミド重量に対して、下記一般式化4で表わされる化合
物および/または下記一般式化6で表わされる化合物を
0.1〜10%含有していることを特徴としている。
【0007】
【化4】 (式中、R1は炭素数1〜21のアルキル基、R2は炭
素数2〜4のアルキレン基またはスチレン残基、m,n
はm+nが1〜4となる整数、kは0または1、Aは化
5、−S−、−SO2−、−O−のうちのいずれかであ
る。なお、ここでR3、R4はHまたは炭素数4以下の
アルキル基を示す。)
【化5】
【0008】
【化6】 (式中、Rは炭素数12〜40のアルキル基を示す。)
【0009】
【作用】本発明に係わる化4の化合物においてR1の炭
素数およびアルキレンオキサイドの付加モル数m+nは
上記範囲内において任意に選ぶことができる。R1の炭
素数が21を越えると樹脂との相溶性が悪いため効果が
不十分であるし、アルキレンオキサイドの付加モル数が
4を越えると樹脂の重合度低下が著しくなる。
【0010】本発明に係わる化4で表される化合物は、
化7で表されるビスフェノールに対し、酸化エチレン、
酸化プロピレン、スチレンオキシド等を付加した後、炭
素数2〜22の脂肪酸でアシル化することにより容易に
得られる。
【化7】
【0011】本発明に係わる一般式化4で表される化合
物の具体例は次のようなものである。
【化8】 (m+n=2,以下本発明化合物(I−1)と略記する
。)
【化9】 (m+n=2,以下本発明化合物(I−2)と略記する
。)
【化10】 (m+n=4,以下本発明化合物(I−3)と略記する
。)
【化11】 (m+n=4,以下本発明化合物(I−4)と略記する
。)
【0012】一方、本発明に係わる化6の化合物におい
てRの炭素数は上記範囲内において任意に選ぶことがで
きる。Rの炭素数が12未満では分子量が低すぎてポリ
アミドの溶融温度で沸騰して気泡を生じ、繊維に悪影響
を及ぼすし、また40を越えると樹脂との相溶性が悪く
なるため効果が不十分である。Rは具体的にはn−ドデ
シル基、n−ヘキサデシル基、n−オクタデシル基、n
−ドコシル基、n−トリアコシル基などの直鎖アルキル
基や2−ヘキサデシル基、2−デシルテトラデシル基、
メチル分岐オクタデシル基などの分岐アルキル基などで
ある。
【0013】本発明に係わる一般式化6で表される化合
物は無水フタル酸1モルに対し炭素数12〜40の等モ
ルのアルキルアミンを反応させてモノカルボン酸モノア
ミド化合物とした後、脱水縮合することにより容易に得
られる。
【0014】本発明に係わる一般式化6で表される化合
物の具体例は次のようなものである。
【化12】 (以下本発明化合物(II−1)と略記する。)
【化1
3】 (以下本発明化合物(II−2)と略記する。)
【化1
4】 (以下本発明化合物(II−3)と略記する。)
【化1
5】 (以下本発明化合物(II−4)と略記する。)
【00
15】一般式化4および化6で表される化合物はポリア
ミド樹脂に添加され、紡糸時の高温にさらされても発煙
したり、着色したりすることはほとんどなく、耐熱性に
優れており、ポリアミド樹脂の溶融粘度を低下させかつ
ポリアミド樹脂の重合度を本質的に低下させない特徴を
有する。従って、染顔料の添加により上昇したポリアミ
ドの溶融粘度を未添加の水準まで低下させることができ
、未添加のポリアミド系多成分繊維と同様に紡糸するこ
とが可能になり、紡糸性、糸品質などの良好なポリアミ
ド系多成分繊維を製造できる。
【0016】一般式化4および化6で表される化合物は
その目的とする性能を発揮させるためにはポリアミド樹
脂100部に対し0.1〜10部、好ましくは0.5〜
5部添加することが必要である。染顔料の種類添加量な
どに応じて変える必要があるが、0.1部未満ではその
効果は殆ど期待できないし、10部を越えると樹脂物性
、紡糸性に悪影響が現れる。また、該化合物をポリアミ
ド樹脂に添加する方法は、樹脂製造時あるいは製造後適
当な工程で添加しても良いし、また紡糸時に樹脂ペレッ
トに混合添加しても良い。本発明においては染顔料添加
ポリアミドをマスターバッチとして使用するのが好まし
いので、該マスターバッチ中に一般式化4および化6で
表される化合物を添加してもよい。
【0017】本発明に使用される極細繊維発生型多成分
繊維は、例えば1成分を他成分間に放射状に介在せしめ
た菊花状断面の繊維、あるいは多層バイメタル型繊維、
あるいはドーナツ状断面の多層バイメタル型繊維、ある
いは2成分以上の成分を溶融混合して紡糸した海島型の
混合紡糸繊維、あるいは繊維軸方向に連続した極細繊維
が多数配列集合し他の成分で結合および/または一部結
合され1本の繊維を形成した高分子配列体繊維などであ
り、これらの2種以上の繊維を混合あるいは組合わせて
使用してもよい。また、少なくとも1成分を溶解除去し
たとき、0.5デニール以下好ましくは0.1デニール
以下の極細繊維を主体とする繊維の束が得られる多成分
からなる極細繊維発生型多成分繊維は、スエード調素材
として良好な風合い、外観が得られるため、特に好まし
く用いられる。
【0018】本発明に係わる多成分繊維の繊維中で一成
分を構成する好ましいポリアミドは、ナイロン4、ナイ
ロン6、ナイロン7、ナイロン11、ナイロン12、ナ
イロン66、ナイロン6/10共重合ナイロンなどから
選ばれた脂肪族ポリアミドおよび芳香族ポリアミドが挙
げられ、ポリウレタンを他の構成成分とする場合には、
脂肪族カルボン酸で末端を封鎖した末端アミノ基濃度3
×10−5eq/g以下、より好ましくは1.5×10
−5eq/g以下の脂肪族ポリアミドが挙げられる。
【0019】本発明のポリアミドの原着に用いられる着
色剤としては、カーボンブラック、鉛丹、黄鉛、群青、
紺青、酸化鉄、モリブデン赤、カドミウム黄、ギネー緑
、コバルト青、酸化チタンなどの無機顔料、アゾ系、染
色キレート系、フタロシアニン系、キナクドリン系など
の有機染顔料、および各種染顔料が挙げられる。着色剤
の使用量は、目的とする色調、濃度、後処理の染色との
兼ね合いで決定されるが、0.5〜10%である。
【0020】一方、本発明に係わるポリアミドと共に使
用され多成分繊維を構成する好ましいポリマーは、溶融
紡糸温度における溶融流動係数(以下MFRという)が
ポリアミドより大きい熱可塑性ポリマーである。溶解除
去成分としては、例えばポリエチレン、ポリスチレン、
溶融重合法により得られたポリウレタン、ポリビニルア
ルコール、アルカリ溶液に易溶出型の共重合ポリエチレ
ンテレフタレート、共重合ポリビニルアルコール、スチ
レン−アクリロニトリル共重合体、スチレンとアクリル
酸の高級アルコールエステルおよび/またはメタクリル
酸の高級アルコールエステルとの共重合体などが用いら
れる。特に中でも、紡糸のしやすさ、多成分繊維として
の不織布加工性、ポリウレタンの含浸加工性などから低
密度ポリエチレンが好ましく用いられる。また、ポリウ
レタンを分散媒成分として使用した多成分繊維を用いた
場合には、溶解後のポリウレタンをそのままシート中に
とどめ非溶剤中で凝固してシート物とする方法も好まし
く使用される。
【0021】かかる極細繊維発生型多成分繊維の繊度は
特に限定されるものではないが紡糸における安定性、生
産性、カードの通過性などのシート形成のしやすさなど
から1〜10デニールのものが好ましい。
【0022】また、原着ポリアミド成分と他のポリマー
成分との組成比は、繊維相の安定性、繊維の用途指向お
よび得られるシート物の物性上から決められるが、原着
ポリアミド成分が40〜90%の範囲である。この範囲
外では、90%を越えると紡糸性が不安定になり、40
%未満では皮革様製品を指向した繊維質シート物の品質
を低下させたり、風合い的に好ましくない結果となった
り、溶解除去成分が多くなりコスト的にも無駄が多くな
る。
【0023】通常、この多成分繊維は湿熱延伸あるいは
乾熱延伸により1.5〜10倍に延伸し、必要に応じて
熱固定および機械捲縮をかけて使用繊維とする。得られ
た多成分繊維は単独または他の繊維と混綿されてクロス
ラップウエブまたはランダムウエブとし、目的とする製
品指向に応じて必要な重量とするが、通常100〜20
00g/m2のウエブとする。ついでニードルパンチン
グまたは液体あるいは気体の噴出により繊維絡合不織布
とする。また織布または編布あるいはそれらの布帛の起
毛布としてもよい。これらの繊維集合体を作った後、多
成分繊維中の分散媒成分を除去する前か後に、ポリウレ
タンに着色剤、活性剤、充填剤、その他添加剤などを必
要に応じて添加した溶液で含浸処理して、ポリウレタン
の非溶媒中で凝固させた後、多成分繊維中の分散媒成分
を除去してないものについては、除去操作を行い、繊維
質シート物とする。また、ポリウレタンを分散媒とする
多成分繊維から得られる不織布については、多成分繊維
を構成しているポリウレタンの一部または全部を溶解し
、その溶解物を繊維集合体中にとどめ、湿式凝固させる
ことによって繊維質シート物とする。
【0024】本発明においては、染料および/または顔
料を配合してなるポリアミドを分散成分とする着色ポリ
アミド系極細繊維発生型多成分繊維を製造するに際しポ
リアミド中に特定の化合物を添加し、ポリアミドの溶融
粘度を低下させることにより、染顔料の添加によるポリ
アミドの溶融粘度の上昇を極力押さえ、紡糸性、糸物性
、繊維断面形状の良好なポリアミド系多成分繊維を安定
に製造できる。
【0025】
【実施例】次に、本発明の実施態様を具体的な実施例で
説明する。なお、実施例中の部および%はことわりのな
い限り、重量に関するものである。
【0026】本発明における製品の測定方法は以下の方
法による。 (1)ポリアミドの相対粘度(ηr):JISK681
0に準拠し、98%硫酸溶媒、試料濃度1.00W/V
溶液とし、自動粘度測定装置を用い温度25.0±0.
1℃にて測定する。
【0027】(2)溶融流動係数(MFR):東洋精機
製メルトインデクサーを用い、ASTM−D−1238
Qに基づき、所定の測定温度で、荷重325gにおける
直径2mm、長さ8mmのオリフィスから10分間に押
し出される溶融樹脂量として測定する。
【0028】(3)繊維の強伸度:オリエンテック(株
)製テンシロンを用い、試料長10cm、引張り速度1
0cm/分で測定した。
【0029】(4)紡糸安定性:紡糸および延伸の状態
を観察し、3段階に評価した。 ○…良好に紡糸、延伸ができる。 △…融着糸、ビスが少し発生する。 ×…ビス断糸、糸切れ多数、延伸性不良。
【0030】実施例−1〜3、比較例−1〜2、参考例
相対粘度ηr=2.60、温度285℃で測定した溶融
粘度MFR=18.0のナイロン−6(ポリマーA)に
粒子径16mμのカーボンブラックを20部加え、溶融
押出し機にて溶融混合し、得られたストランドを水冷後
カッティングしポリアミド着色紡糸用マスターペレット
(■)を得た。一方、ナイロン−6(ポリマーA)に粒
子径16mμのカーボンブラックを20部、および表1
に示す化4または化6の化合物を加え、同様に溶融混合
しポリアミド着色紡糸用マスターペレット(■〜■)を
得た。
【0031】相対粘度ηr=3.17、温度285℃で
測定した溶融粘度MFR=6.0のナチュラルペレット
のナイロン−6(ポリマーB)40部と得られたマスタ
ーペレット(■〜■)10部と温度285℃で測定した
溶融粘度MFR=34の低密度ポリエチレン(ポリマー
C)50部をチップで混合してエクストルーダーに供給
し、溶融部およびスクリュー先端部温度を285℃、紡
糸頭および紡糸口金部温度290℃で、孔径0.3mm
の吐出孔を1000個有する口金を装着して混合溶融紡
糸を行い、9.0デニールのカーボンブラックで原着さ
れたナイロン−6を島成分とする海島型多成分繊維を製
造した。一方、混合時の溶融粘度を下げるためMFRの
高いナイロン−6(ポリマーA)40部と化4または化
6の化合物を加えていないマスターペレット(■)10
部と低密度ポリエチレン(ポリマーC)50部をチップ
で混合して同様に混合溶融紡糸を行い、9.0デニール
のナイロン−6を島成分とする海島型多成分繊維を製造
した。さらに、ナイロン−6(ポリマーB)50部と低
密度ポリエチレン(ポリマーC)50部をチップで混合
して同様に混合溶融紡糸を行い、9.0デニールのカー
ボンフラックを含まないナイロン−6を島成分とする海
島型多成分繊維を参考例として製造した。得られたそれ
ぞれの未延伸繊維トウを82℃の温水浴中で2.5倍延
伸した。
【0032】化4または化6の化合物を加えたマスター
ペレットを使用した海島型多成分繊維は、カーボンブラ
ックを含まない海島型多成分繊維並みの良好な紡糸性、
延伸性、糸物性を示したが、化4または化6の化合物を
加えない場合には、増粘によるノズルパック圧の上昇お
よびメルトフラクチャーが発生し、海島構造が乱れ、紡
糸調子が著しく不良で評価に耐え得る紡糸原糸が採取で
きなかった。また、MFRの高いナイロン−6(ポリマ
ーA)を使用した海島型多成分繊維は、良好な紡糸性、
延伸性、海島構造を示したが、ポリアミドの粘度が低す
ぎるため繊維物性が不良であった。それぞれの繊維の紡
糸安定性、繊維相の状態、糸物性を表1に示した。
【0033】
【表1】
【0034】実施例−4〜7、比較例−3実施例−1の
ナイロン−6(ポリマーA)に、化6の化合物を5部お
よび表2に示す各種の染顔料を4〜20部加え、溶融押
出し機にて溶融混合し、得られたストランドを水冷後カ
ッティングしポリアミド着色紡糸用マスターペレット(
■〜■)を得た。一方、ナイロン−6(ポリマーA)に
実施例−7で使用した顔料である群青を20部加え、同
様に溶融混合しポリアミド着色紡糸用マスターペレット
(■)を得た。
【0035】ナチュラルペレットのナイロン−6(ポリ
マーB)と得られたマスターペレット(■〜■)を染顔
料分がポリアミド重量に対して1%となるように混合し
たもの50部と低密度ポリエチレン(ポリマーC)50
部とをチップで混合して、実施例−1と同様に溶融紡糸
を行い、原着されたナイロン−6を島成分とする海島型
多成分繊維を製造した。得られたそれぞれの未延伸繊維
トウを82℃の温水浴中で2.5倍延伸した。(II−
2)の化合物を加えることによりノズルパック圧の上昇
およびメルトフラクチャーの発生もなく、海島構造が均
一であり、紡糸調子が良好であり、染顔料を含まない海
島型多成分繊維並みの良好な紡糸性、延伸性、糸物性を
示したが、(II−2)の化合物を加えない場合には、
増粘によるノズルパック圧の上昇およびメルトフラクチ
ャーが発生し、海島構造が乱れ、紡糸調子が著しく不良
で評価に耐え得る紡糸原糸が採取できなかった。それぞ
れの繊維の紡糸安定性、繊維相の状態、糸物性を表2に
示した。
【0036】
【表2】
【0037】実施例−8〜11、比較例−43−メチル
−1,5ペンタンジオールとアジピン酸から得られた平
均分子量が1500のポリエステルジオール573部、
1,4−ブタンジオール88部および、4,4´−ジフ
ェニルメタンジイソシアネート339部を反応させて得
たイソシアネート基にもとづく窒素含有率3.8%、2
50℃でのMFRが70g/10分である熱可塑性ポリ
ウレタンのペレット(ポリマーD)を得た。
【0038】末端アミノ基を酢酸により封鎖し末端アミ
ノ基濃度を1.1×10−5eq/gに変成し、相対粘
度ηr=2.36の6−ナイロンのペレット(ポリマー
E)を得た。得られた重合後のペレット(ポリマーE)
に、表3に示す化4または化6の化合物を5重量%添加
し、押出し機にて溶融混合し、得られたストランドを水
冷後カッティングし試料ペレット(ポリマーF〜I)と
した。
【0039】得られた熱可塑性ポリウレタンのペレット
(ポリマーD)、6−ナイロンのペレット(E〜I)お
よび比較例−1で得られた、化4または化6の化合物を
加えないポリアミド着色紡糸用マスターペレット(■)
を紡糸原料として、2基のエクストルーダー溶融系で溶
融したポリマー流を紡糸頭部で合流させ、分割−統合を
繰り返す静的混合方式で混合流を形成し、溶融紡糸する
複合繊維の製造装置を用い、乾燥窒素ガス雰囲気で、一
方の溶融系に該ポリウレタンを仕込み、溶融帯温度23
0℃で溶融し、他方の溶融系に6−ナイロンを仕込み、
溶融帯温度240℃で溶融し、それぞれの溶融流を計量
ポンプで計量し、6−ナイロン(E〜H)57部にマス
ターペレット(■)3部を混合したポリマー流60部、
ポリウレタン流を40部の割合で紡糸頭で合流させ、紡
糸温度240℃、巻取速度700m/分で紡糸し、10
デニールの多成分繊維を製造した。得られたそれぞれの
未延伸繊維トウを80℃の温水浴中で2.8倍延伸した
。化4または化6の化合物を添加した6−ナイロンを使
用した多成分繊維は良好な紡糸性、延伸性、糸物性を示
したが、無添加の6−ナイロンを使用した場合には溶融
粘度が高すぎるため、紡糸性、糸物性共に不良であった
。それぞれの繊維の紡糸安定性、繊維相の状態、糸物性
を表3に示した。
【0040】
【表3】
【0041】得られた多成分繊維は80℃の熱水中で2
.8倍に延伸し、油剤を付与した後、機械捲縮を掛けて
、繊維長51mmに切断して繊度4.1デニールのステ
ープル繊維とし、カード、クロスラッパー、ニードルパ
ンチの各工程を通し、見掛密度0.160g/cm3の
不織布を得た。該不織布にポリビニルアルコール12%
水溶液を含浸し、目標絞り率150%で絞液し、乾燥し
て形態の安定な不織布シートとした。
【0042】微多孔化剤として水溶性シリコーンを3部
添加したDMF溶液を調整し、前記の不織布シートに含
浸率300%で含浸し、温度約55℃の雰囲気で2分間
処理し繊維中のポリウレタンを溶解した。次いで、DM
F30%を含んだ水溶液中に浸漬してポリウレタンを凝
固し、95℃の熱水中で処理し、溶剤およびポリビニル
アルコールを除去し、見掛密度が0.35g/cm3の
繊維質シートを得た。
【0043】該シートを厚さ1.0mmにスライスし、
凝固時の表面側をサンドペーパーでバフがけして立毛処
理した後、含金染料を用いて染色し、揉みおよびブラシ
がけ処理して厚さ0.8mmのスエード調シートに仕上
げた。得られた製品を分析するとカーボンブラックを1
%含有したナイロンの極細繊維が60%、カーボンブラ
ックを1%含有したポリウレタンスポンジが40%で構
成されており、走査型電子顕微鏡写真で観察すると、実
施例の複合繊維を使用した製品はナイロンの極細繊維と
ポリウレタンスポンジがよく分離しており、風合い、外
観が良好であったが、比較例の複合繊維を使用した製品
はナイロンの極細繊維とポリウレタンスポンジの分離状
態が不充分であり、風合い、外観が不良であった。
【0044】
【発明の効果】本発明に係わる特定の化合物を染料およ
び/または顔料を含むポリアミド樹脂に添加することに
より、染顔料の添加によるポリアミド樹脂の溶融粘度の
上昇を押さえることができ、染顔料で原着されたポリア
ミドを一成分とする多成分系繊維の溶融紡糸において、
高重合度のポリアミドが使用可能となり、非原着品と同
様の品質を有した着色ポリアミド系極細繊維発生型多成
分繊維を安定な紡糸条件で製造できる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  染料および/または顔料を配合した着
    色ポリアミドを一成分とする多成分繊維において、全ポ
    リアミド重量に対して、下記一般式化1で表わされる化
    合物および/または下記一般式化3で表わされる化合物
    を0.1〜10%含有していることを特徴とするポリア
    ミド系多成分繊維。 【化1】 (式中、R1は炭素数1〜21のアルキル基、R2は炭
    素数2〜4のアルキレン基またはスチレン残基、m,n
    はm+nが1〜4となる整数、kは0または1、Aは化
    2、−S−、−SO2−、−O−のうちのいずれかであ
    る。なお、ここでR3、R4はHまたは炭素数4以下の
    アルキル基を示す。) 【化2】 【化3】 (式中、Rは炭素数12〜40のアルキル基を示す。)
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20020096229A (ko) * 2001-06-19 2002-12-31 주식회사 효성 고휘도, 내마모성 및 우수한 강도를 갖는 해도형 축광복합사의 제조방법 및 그 해도형 축광 복합사
JP2008184725A (ja) * 2007-01-31 2008-08-14 Teijin Cordley Ltd 原着不織布

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