JP2002180329A - 皮革様シート用複合繊維 - Google Patents
皮革様シート用複合繊維Info
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Abstract
(57)【要約】
【目的】外観、風合いが良好で、かつ発色性、表面物性
に優れた皮革様シートをが得られる複合繊維を提供す
る。 【構成】性質の異なる少なくとも2種類の熱可塑性ポリ
マーからなる複合繊維の横断面構造が、少なくとも1種
類のポリマーが分散媒成分、他の少なくとも1種類のポ
リマーが分散成分を形成し、該分散成分の大きさが、外
周から半径の1/4以内に存在する分散成分の繊度D
s、中心から半径の2/3以内に存在する分散成分の繊
度Dcとして、DsとDcの関係が3.0Dc≦Dsを
満足する繊維構造であることを特徴とする皮革様シート
用複合繊維。
に優れた皮革様シートをが得られる複合繊維を提供す
る。 【構成】性質の異なる少なくとも2種類の熱可塑性ポリ
マーからなる複合繊維の横断面構造が、少なくとも1種
類のポリマーが分散媒成分、他の少なくとも1種類のポ
リマーが分散成分を形成し、該分散成分の大きさが、外
周から半径の1/4以内に存在する分散成分の繊度D
s、中心から半径の2/3以内に存在する分散成分の繊
度Dcとして、DsとDcの関係が3.0Dc≦Dsを
満足する繊維構造であることを特徴とする皮革様シート
用複合繊維。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、性質の異なる少な
くとも2種類の熱可塑性ポリマーからなる複合紡糸によ
って得られる繊維であって、皮革様シートに用いる繊維
に関するものである。さらに詳しくは該複合繊維から得
られる皮革様シートは、従来品に比べて発色性と柔軟性
に優れ、かつ表面物性にも優れたものとなる複合繊維に
関する。
くとも2種類の熱可塑性ポリマーからなる複合紡糸によ
って得られる繊維であって、皮革様シートに用いる繊維
に関するものである。さらに詳しくは該複合繊維から得
られる皮革様シートは、従来品に比べて発色性と柔軟性
に優れ、かつ表面物性にも優れたものとなる複合繊維に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、複合紡糸繊維は、繊維性質の改
良、繊維構成成分の一成分を除去して特殊形状繊維とし
て利用するものなど広く使用されている。この中でも複
合紡糸繊維からなる不織布と高分子弾性体から製造され
る皮革様シートに関して多数提案されており、天然皮革
に匹敵する風合いを有し、かつ天然皮革にない機能を付
与した皮革様シートが多く市販されている。このような
皮革様シートはこれを形成する繊維が細ければ細いほど
表面が滑らかかつ柔軟性に優れた風合いを呈する。ま
た、近年、複合紡糸を作る口金、パック、ポリマー分配
機構装置の進歩は著しく、高度に制御された糸断面を形
成することができるようになってきている。そして、こ
のような複雑な断面構造を有する複合紡糸繊維から一成
分を除去して得られる極細繊維不織布と高分子弾性体か
らなる皮革様シートも多数提案されてきている。
良、繊維構成成分の一成分を除去して特殊形状繊維とし
て利用するものなど広く使用されている。この中でも複
合紡糸繊維からなる不織布と高分子弾性体から製造され
る皮革様シートに関して多数提案されており、天然皮革
に匹敵する風合いを有し、かつ天然皮革にない機能を付
与した皮革様シートが多く市販されている。このような
皮革様シートはこれを形成する繊維が細ければ細いほど
表面が滑らかかつ柔軟性に優れた風合いを呈する。ま
た、近年、複合紡糸を作る口金、パック、ポリマー分配
機構装置の進歩は著しく、高度に制御された糸断面を形
成することができるようになってきている。そして、こ
のような複雑な断面構造を有する複合紡糸繊維から一成
分を除去して得られる極細繊維不織布と高分子弾性体か
らなる皮革様シートも多数提案されてきている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】極細繊維からなる皮革
様シートの欠点として、繊維が細くなるほど光の反射が
大きくなり、くすんだ白っぽい色になり発色性が悪くな
るという大きな問題点があり、この問題を解決するため
の多くの試みがなされている。例えば繊維の表面をプ
ラズマ処理を行うなどして繊維表面に凹凸を与えて深色
化する、屈折率の低い化合物であるシリコーン化合物
やフッ素化合物で繊維をコートするなどがあり、実際に
そのような処理は実用化されている。しかし繊維が細く
なればなるほどの方法では凹凸を与えるまでに繊維直
径が太くないため用いることができない、の方法では
実際には束状に存在する極細繊維を1本ずつ屈折率の低
い化合物で被覆することができないため、結果として繊
維束全体をコートしてしまいその風合いを損なうなどの
問題がある。また特公昭55−506号公報には、繊
維立毛シートの表面に易染性樹脂を付与して染色するこ
とが提案されているが、発色性は改良されるものの繊維
立毛面の外観や触感、風合いは低下してしまうという欠
点が生じる。
様シートの欠点として、繊維が細くなるほど光の反射が
大きくなり、くすんだ白っぽい色になり発色性が悪くな
るという大きな問題点があり、この問題を解決するため
の多くの試みがなされている。例えば繊維の表面をプ
ラズマ処理を行うなどして繊維表面に凹凸を与えて深色
化する、屈折率の低い化合物であるシリコーン化合物
やフッ素化合物で繊維をコートするなどがあり、実際に
そのような処理は実用化されている。しかし繊維が細く
なればなるほどの方法では凹凸を与えるまでに繊維直
径が太くないため用いることができない、の方法では
実際には束状に存在する極細繊維を1本ずつ屈折率の低
い化合物で被覆することができないため、結果として繊
維束全体をコートしてしまいその風合いを損なうなどの
問題がある。また特公昭55−506号公報には、繊
維立毛シートの表面に易染性樹脂を付与して染色するこ
とが提案されているが、発色性は改良されるものの繊維
立毛面の外観や触感、風合いは低下してしまうという欠
点が生じる。
【0004】このように、極細繊維によってもたらされ
る風合いと深色化、濃色化の両立は現在でも大きな課題
となっている。しかし、天然皮革のもつ柔軟性、滑らか
なタッチ感を発現するためには極細繊維の使用は必須で
あるため、高級な皮革様シートは極細繊維からなる不織
布と高分子弾性体から製造されており、従って、現在で
も濃色の極細繊維からなる柔軟性に優れた皮革様シート
を得る場合は、極細化処理をしない通常繊度の繊維や多
層張り合わせ型や花弁型や中空花弁型の複合紡糸繊維を
分割してなる中細繊維からなる皮革様シートに比べて多
量の染料を使用しているのが現状である。また繊維の繊
度を細くすれば細くするほど、通常繊度の繊維や中細繊
維に比べ表面の強度、とりわけ剥離強力、耐摩耗性が低
くなる、耐ピリング性が悪化するなどの物性面での欠点
も生じる。
る風合いと深色化、濃色化の両立は現在でも大きな課題
となっている。しかし、天然皮革のもつ柔軟性、滑らか
なタッチ感を発現するためには極細繊維の使用は必須で
あるため、高級な皮革様シートは極細繊維からなる不織
布と高分子弾性体から製造されており、従って、現在で
も濃色の極細繊維からなる柔軟性に優れた皮革様シート
を得る場合は、極細化処理をしない通常繊度の繊維や多
層張り合わせ型や花弁型や中空花弁型の複合紡糸繊維を
分割してなる中細繊維からなる皮革様シートに比べて多
量の染料を使用しているのが現状である。また繊維の繊
度を細くすれば細くするほど、通常繊度の繊維や中細繊
維に比べ表面の強度、とりわけ剥離強力、耐摩耗性が低
くなる、耐ピリング性が悪化するなどの物性面での欠点
も生じる。
【0005】近年、極細繊維の発色性を改良する方法と
して、繊度の異なる極細繊維の混在した極細繊維束を
使用することが提案されている。例えば特開昭63−2
4331号公報には、混合紡糸繊維において島成分の大
きさの分布が外周から1/4以内に存在する島成分の繊
度Dsと中心から半径のの2/3以内に存在する島成分
の繊度DcがDc≧1.5Dsを満足させる繊維構造が
提案されているが、この方法では、島成分の極細繊維の
繊度差を任意に極端に大きくできないため外観と発色性
を高度に両立することが困難であった。
して、繊度の異なる極細繊維の混在した極細繊維束を
使用することが提案されている。例えば特開昭63−2
4331号公報には、混合紡糸繊維において島成分の大
きさの分布が外周から1/4以内に存在する島成分の繊
度Dsと中心から半径のの2/3以内に存在する島成分
の繊度DcがDc≧1.5Dsを満足させる繊維構造が
提案されているが、この方法では、島成分の極細繊維の
繊度差を任意に極端に大きくできないため外観と発色性
を高度に両立することが困難であった。
【0006】また特開平3−260150号公報には、
極細繊維束状繊維の束の内部にポリウレタンが含有され
ており、かつ該束の内部および周辺に極細ポリオレフィ
ン繊維が分散されている繊維質シートが、さらに特開平
5−156579号公報には、島成分として0.02〜
0.2デニールの細繊維と0.001〜0.01デニー
ルの極細繊維が混合分散したポリアミド極細繊維発生型
繊維およびこの繊維から得られるスエード調人工皮革
が、さらに特開平7−173778号公報には、島成分
として0.02〜0.2デニールの細繊維と細繊維の1
/5以下で0.02デニール未満の極細繊維が繊維束横
断面においてほぼ均一に混合・分散しており、その本数
の比が2/1〜2/3であってかつ繊維束の内部に実質
的に弾性重合体が含有されておらず、かつ立毛を構成し
ている繊維の本数比を規定したスエード調人工皮革が、
そして特開平11−269775号公報には、島成分と
して0.02〜0.2デニールの非弾性ポリマーからな
る細繊維と細繊維の1/5以下で0.02デニール未満
の弾性ポリマーからなる極細繊維が繊維束横断面におい
てほぼ均一に混合・分散しており、その本数の比が2/
1〜2/3であってかつ繊維側の内部に弾性重合体が含
有されており、かつ立毛を構成している繊維の本数比を
規定したスエード調人工皮革がそれぞれ記載されている
が、これらの場合には、横断面構造において繊度の異な
る繊維がほぼ均一に分散しているために、特開昭63−
24331号公報に記載されている技術と比較して深色
化、濃色化の効果は劣り、かつ極細繊維が繊維束の表面
にも多数露出しているため、表面の剥離物性や耐ピリン
グ性といった物性面においても不利である。立毛表面を
毛羽立てる際の条件として過酷な条件を採用することに
より立毛表面の極細繊維を選択的に除去して発色性を高
めることは可能であるが、この場合は細繊維の側も同時
に損傷したり、切断されたりして外観に悪影響を与える
し、脱落させる繊維量も多くなり収率が下がる、廃棄物
量が増えるなどの問題点がある
極細繊維束状繊維の束の内部にポリウレタンが含有され
ており、かつ該束の内部および周辺に極細ポリオレフィ
ン繊維が分散されている繊維質シートが、さらに特開平
5−156579号公報には、島成分として0.02〜
0.2デニールの細繊維と0.001〜0.01デニー
ルの極細繊維が混合分散したポリアミド極細繊維発生型
繊維およびこの繊維から得られるスエード調人工皮革
が、さらに特開平7−173778号公報には、島成分
として0.02〜0.2デニールの細繊維と細繊維の1
/5以下で0.02デニール未満の極細繊維が繊維束横
断面においてほぼ均一に混合・分散しており、その本数
の比が2/1〜2/3であってかつ繊維束の内部に実質
的に弾性重合体が含有されておらず、かつ立毛を構成し
ている繊維の本数比を規定したスエード調人工皮革が、
そして特開平11−269775号公報には、島成分と
して0.02〜0.2デニールの非弾性ポリマーからな
る細繊維と細繊維の1/5以下で0.02デニール未満
の弾性ポリマーからなる極細繊維が繊維束横断面におい
てほぼ均一に混合・分散しており、その本数の比が2/
1〜2/3であってかつ繊維側の内部に弾性重合体が含
有されており、かつ立毛を構成している繊維の本数比を
規定したスエード調人工皮革がそれぞれ記載されている
が、これらの場合には、横断面構造において繊度の異な
る繊維がほぼ均一に分散しているために、特開昭63−
24331号公報に記載されている技術と比較して深色
化、濃色化の効果は劣り、かつ極細繊維が繊維束の表面
にも多数露出しているため、表面の剥離物性や耐ピリン
グ性といった物性面においても不利である。立毛表面を
毛羽立てる際の条件として過酷な条件を採用することに
より立毛表面の極細繊維を選択的に除去して発色性を高
めることは可能であるが、この場合は細繊維の側も同時
に損傷したり、切断されたりして外観に悪影響を与える
し、脱落させる繊維量も多くなり収率が下がる、廃棄物
量が増えるなどの問題点がある
【0007】
【問題を解決するための手段】本発明者らは、上記の天
然皮革並の風合いを呈し、かつ従来よりも少ない染料使
用量によって従来と同程度の深色化、濃色化が可能か、
あるいは従来と同量かあるいはそれよりも少ない量の染
料使用量で従来品以上に深色化、濃色化が可能で、か
つ、剥離強力や耐摩耗性、耐ピリング性といった表面物
性にも優れる皮革様シートを得ることを課題とし、鋭意
検討した結果、 性質の異なる少なくとも2種類の熱可
塑性ポリマーからなる複合繊維の横断面構造が、少なく
とも1種類のポリマーが分散媒成分、他の少なくとも1
種類のポリマーが分散成分を形成し、該分散成分の大き
さが、外周から半径の1/4以内に存在する分散成分の
繊度Ds、中心から半径の2/3以内に存在する分散成
分の繊度Dcとして、DsとDcの関係が3.0Dc≦
Dsを満足する繊維構造であることを特徴とする皮革様
シート用複合繊維が上記の課題を達成することを見出し
た。
然皮革並の風合いを呈し、かつ従来よりも少ない染料使
用量によって従来と同程度の深色化、濃色化が可能か、
あるいは従来と同量かあるいはそれよりも少ない量の染
料使用量で従来品以上に深色化、濃色化が可能で、か
つ、剥離強力や耐摩耗性、耐ピリング性といった表面物
性にも優れる皮革様シートを得ることを課題とし、鋭意
検討した結果、 性質の異なる少なくとも2種類の熱可
塑性ポリマーからなる複合繊維の横断面構造が、少なく
とも1種類のポリマーが分散媒成分、他の少なくとも1
種類のポリマーが分散成分を形成し、該分散成分の大き
さが、外周から半径の1/4以内に存在する分散成分の
繊度Ds、中心から半径の2/3以内に存在する分散成
分の繊度Dcとして、DsとDcの関係が3.0Dc≦
Dsを満足する繊維構造であることを特徴とする皮革様
シート用複合繊維が上記の課題を達成することを見出し
た。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の複合繊維を用いて皮革様
シートを製造する方法としては、例えば以下の工程
(a)〜(f)を順次行うことにより得ることができ
る。但し工程(c)と工程(d)は順序を逆にしてもよ
い。 (a)性質の異なる少なくとも2種類の熱可塑性ポリマ
ーからなる複合繊維の横断面構造が、少なくとも1種類
のポリマーが分散媒成分(A)、他の少なくとも1種類
のポリマーが分散成分(B)を形成し、該分散成分
(A)の大きさが、外周から半径の1/4以内に存在す
る分散成分(B1)の繊度Ds、中心から半径の2/3
以内に存在する分散成分(B2)の繊度Dcとして(B
1とB2は同一または異なるポリマーでもよい)、Ds
とDcの関係が3.0Dc≦Dsを満足する繊維構造で
ある複合繊維[以下極細繊維発生型繊維(C)または繊
維(C)と称する]を製造する工程、(b)該繊維
(C)からなる絡合繊維不織布を製造する工程、(c)
該絡合繊維不織布に弾性重合体溶液またはエマルジョン
を含浸し湿式または乾式凝固または乾燥して弾性重合体
を絡合不織布に付与する工程、(d)該繊維(C)を構
成している分散媒成分(A)を除去して、分散成分
(B)からなる繊維束に変成する工程、(e)少なくと
も一面に立毛を形成する工程、(f)得られた繊維立毛
シートを染色する工程、
シートを製造する方法としては、例えば以下の工程
(a)〜(f)を順次行うことにより得ることができ
る。但し工程(c)と工程(d)は順序を逆にしてもよ
い。 (a)性質の異なる少なくとも2種類の熱可塑性ポリマ
ーからなる複合繊維の横断面構造が、少なくとも1種類
のポリマーが分散媒成分(A)、他の少なくとも1種類
のポリマーが分散成分(B)を形成し、該分散成分
(A)の大きさが、外周から半径の1/4以内に存在す
る分散成分(B1)の繊度Ds、中心から半径の2/3
以内に存在する分散成分(B2)の繊度Dcとして(B
1とB2は同一または異なるポリマーでもよい)、Ds
とDcの関係が3.0Dc≦Dsを満足する繊維構造で
ある複合繊維[以下極細繊維発生型繊維(C)または繊
維(C)と称する]を製造する工程、(b)該繊維
(C)からなる絡合繊維不織布を製造する工程、(c)
該絡合繊維不織布に弾性重合体溶液またはエマルジョン
を含浸し湿式または乾式凝固または乾燥して弾性重合体
を絡合不織布に付与する工程、(d)該繊維(C)を構
成している分散媒成分(A)を除去して、分散成分
(B)からなる繊維束に変成する工程、(e)少なくと
も一面に立毛を形成する工程、(f)得られた繊維立毛
シートを染色する工程、
【0009】本発明で規定する条件を満足する複合紡糸
繊維の繊維横断面の形状のモデルを図1に示す。図1に
おいて、Aは分散媒成分、Bは分散成分、特に外周から
1/4以内に存在する分散成分をB1、中心から半径の
2/3以内に存在する分散成分をB2で示し、分散成分
の繊度が内部は小さく、外周から1/4以内は上記した
ような条件を満足するような大きいものからなってい
る。B1とB2は同一のポリマーからなっていても、ま
た異なる種類のポリマーからなっていてもよい。本発明
において、外周から半径の1/4以内に存在する主体分
散の繊度Ds、中心から半径の2/3以内に存在する主
体分散成分の繊度Dcとして、DsとDcの関係が3.
0Dc≦Dsを満足することが重要である。また好まし
くは4.0Dc≦Ds、さらに好ましくは5.0Dc≦
Dsである。3.0Dc>Dsでは発色性の改善効果は
小さく、また、表面物性の改善効果も小さい。
繊維の繊維横断面の形状のモデルを図1に示す。図1に
おいて、Aは分散媒成分、Bは分散成分、特に外周から
1/4以内に存在する分散成分をB1、中心から半径の
2/3以内に存在する分散成分をB2で示し、分散成分
の繊度が内部は小さく、外周から1/4以内は上記した
ような条件を満足するような大きいものからなってい
る。B1とB2は同一のポリマーからなっていても、ま
た異なる種類のポリマーからなっていてもよい。本発明
において、外周から半径の1/4以内に存在する主体分
散の繊度Ds、中心から半径の2/3以内に存在する主
体分散成分の繊度Dcとして、DsとDcの関係が3.
0Dc≦Dsを満足することが重要である。また好まし
くは4.0Dc≦Ds、さらに好ましくは5.0Dc≦
Dsである。3.0Dc>Dsでは発色性の改善効果は
小さく、また、表面物性の改善効果も小さい。
【0010】このような極細繊維発生型繊維(C)を製
造する方法の代表例としては、分散媒成分(A1)と
外周から半径の1/4以内に存在させる分散成分(B
1)を所定の混合比で混合して、同一溶解系で溶融し、
これと別の系で溶融した分散媒成分(A2)と中心から
半径の2/3以内に存在させる分散成分(B2)を所定
の混合比で混合して同一溶解系で溶融し、これを、紡糸
口金部で目的とする配置になるように紡出量を制御して
合流させ複合紡糸する方法を挙げることができる。ま
た、分散媒成分(A1)と外周から半径の1/4以内
に存在させる分散成分(B1)を所定の複合比で複合紡
糸し、これとは別の系で分散媒成分(A2)と中心から
半径の2/3以内に存在させる分散成分(B2)を所定
の複合比で複合紡糸し、これを、紡糸口金部で目的とす
る配置になるように紡出量を制御して合流させ複合紡糸
する方法もある。さらに、分散媒成分(A1)と外周
から半径の1/4以内に存在させる分散成分(B1)を
所定の複合比で複合し、これと、別の系で溶融した分散
媒成分(A2)と中心から半径の2/3以内に存在させ
る分散成分(B2)を所定の混合比で混合して同一溶解
系で溶融した混合物を、紡糸口金部で目的とする配置に
なるように紡出量を制御して合流させ複合紡糸する方法
や、分散媒成分(A)と中心から半径の2/3以内に
存在させる分散成分(B2)を所定の混合比で混合し
て、同一溶解系で溶融しノズルを内側に配置し、これと
別の系で溶融した外周から半径の1/4以内に存在させ
る分散成分(B1)が外周を取り囲むように配置して接
合して複合紡糸する方法なども挙げることができる。こ
れらの方法において、A1およびA2は同じ成分であっ
てもよいし、また同一又は異なる薬剤で溶解または分解
可能な異なる成分であってもよい。
造する方法の代表例としては、分散媒成分(A1)と
外周から半径の1/4以内に存在させる分散成分(B
1)を所定の混合比で混合して、同一溶解系で溶融し、
これと別の系で溶融した分散媒成分(A2)と中心から
半径の2/3以内に存在させる分散成分(B2)を所定
の混合比で混合して同一溶解系で溶融し、これを、紡糸
口金部で目的とする配置になるように紡出量を制御して
合流させ複合紡糸する方法を挙げることができる。ま
た、分散媒成分(A1)と外周から半径の1/4以内
に存在させる分散成分(B1)を所定の複合比で複合紡
糸し、これとは別の系で分散媒成分(A2)と中心から
半径の2/3以内に存在させる分散成分(B2)を所定
の複合比で複合紡糸し、これを、紡糸口金部で目的とす
る配置になるように紡出量を制御して合流させ複合紡糸
する方法もある。さらに、分散媒成分(A1)と外周
から半径の1/4以内に存在させる分散成分(B1)を
所定の複合比で複合し、これと、別の系で溶融した分散
媒成分(A2)と中心から半径の2/3以内に存在させ
る分散成分(B2)を所定の混合比で混合して同一溶解
系で溶融した混合物を、紡糸口金部で目的とする配置に
なるように紡出量を制御して合流させ複合紡糸する方法
や、分散媒成分(A)と中心から半径の2/3以内に
存在させる分散成分(B2)を所定の混合比で混合し
て、同一溶解系で溶融しノズルを内側に配置し、これと
別の系で溶融した外周から半径の1/4以内に存在させ
る分散成分(B1)が外周を取り囲むように配置して接
合して複合紡糸する方法なども挙げることができる。こ
れらの方法において、A1およびA2は同じ成分であっ
てもよいし、また同一又は異なる薬剤で溶解または分解
可能な異なる成分であってもよい。
【0011】分散成分(B1およびB2)を所望の繊度
にするための具体的方法は、製造方法により異なる。
(a)混合紡糸により分散成分の繊度を制御する場合に
は、分散成分と分散媒成分の溶解度パラメーター(SP
値)と粘度比、具体的には紡糸温度におけるメルトフロ
ーレートを変えることにより達成できる。具体的には外
周から半径の1/4以内に存在させる分散成分(B1)
と分散媒成分(A)の粘度比を中心から半径の2/3以
内に存在させる分散成分(B2)と分散媒成分(A)の
粘度比よりも所望する繊度比になるように大きくとるこ
とで達成できる。このような混合紡糸方式を採用すれば
0.0001〜0.06デシテックスの範囲の繊度の分
散成分を形成することができる。複合紡糸により分散成
分の繊度を制御するには、(b)ニードルパイプ方式の
場合は外周から半径の1/4以内に存在させる分散成分
(B1)のパイプ径を中心から半径の2/3以内に存在
させる分散成分(B2)のパイプ径に対して所望する繊
度比になるように大きくすることによって得られるし、
(c)貼り合わせ方式の場合は外周から半径の1/4以
内に存在させる分散成分(B1)の層流の幅を中心から
半径の2/3以内に存在させる分散成分(B2)の幅よ
りも所望する繊度比になるように大きくすることで達成
できる。このような複合紡糸方式を採用すれば0.01
〜0.5デシテックスの範囲の繊度の分散成分を形成す
ることができる。上記の(a)、(b)、(c)の方式
から目的とする皮革様シートに応じて、必要とされる外
周から半径の1/4以内に存在させる分散成分(B1)
および中心から半径の2/3以内に存在させる分散成分
(B2)の繊度になるように適宜組み合わせて使用する
ことができる。
にするための具体的方法は、製造方法により異なる。
(a)混合紡糸により分散成分の繊度を制御する場合に
は、分散成分と分散媒成分の溶解度パラメーター(SP
値)と粘度比、具体的には紡糸温度におけるメルトフロ
ーレートを変えることにより達成できる。具体的には外
周から半径の1/4以内に存在させる分散成分(B1)
と分散媒成分(A)の粘度比を中心から半径の2/3以
内に存在させる分散成分(B2)と分散媒成分(A)の
粘度比よりも所望する繊度比になるように大きくとるこ
とで達成できる。このような混合紡糸方式を採用すれば
0.0001〜0.06デシテックスの範囲の繊度の分
散成分を形成することができる。複合紡糸により分散成
分の繊度を制御するには、(b)ニードルパイプ方式の
場合は外周から半径の1/4以内に存在させる分散成分
(B1)のパイプ径を中心から半径の2/3以内に存在
させる分散成分(B2)のパイプ径に対して所望する繊
度比になるように大きくすることによって得られるし、
(c)貼り合わせ方式の場合は外周から半径の1/4以
内に存在させる分散成分(B1)の層流の幅を中心から
半径の2/3以内に存在させる分散成分(B2)の幅よ
りも所望する繊度比になるように大きくすることで達成
できる。このような複合紡糸方式を採用すれば0.01
〜0.5デシテックスの範囲の繊度の分散成分を形成す
ることができる。上記の(a)、(b)、(c)の方式
から目的とする皮革様シートに応じて、必要とされる外
周から半径の1/4以内に存在させる分散成分(B1)
および中心から半径の2/3以内に存在させる分散成分
(B2)の繊度になるように適宜組み合わせて使用する
ことができる。
【0012】外周から半径の1/4以内に存在する分散
成分(B1)の繊度(Ds)と中心から半径の2/3以
内に存在する分散成分(B2)の繊度(Dc)は3.0
Dc≦Dsを満足する限り、従来、皮革様シートに使用
されている繊度の範囲内であれば特に限定されるもので
はないが、外周から半径の1/4以内に存在する分散成
分(B1)の繊度は0.0002〜0.8デシテック
ス、好ましくは0.005〜0.5デシテックスの範囲
である。外周から半径の1/4以内に存在する分散成分
の繊度が0.0002デシテックス未満では発色性が低
い傾向にあり、0.8デシテックスよりも大きくなると
得られる皮革様シートの表面タッチに代表される風合い
が悪くなる傾向がある。中心から半径の2/3以内に存
在する分散成分(B2)の繊度は0.25デシテックス
未満が好ましく、さらに好ましくは0.1デシテックス
未満である。中心から半径の2/3以内に存在する分散
成分の繊度が0.25デシテックスより大きくなると得
られる皮革様シートの表面タッチに代表される風合い、
および皮革様シートとしての柔軟性、腰感が悪くなる傾
向がある。また本発明の複合繊維において、その繊維断
面に存在する分散成分(B1)の本数としては6〜20
0本、また分散成分(B2)の本数としては8〜400
本が本発明の目的を達成する上で好ましい。
成分(B1)の繊度(Ds)と中心から半径の2/3以
内に存在する分散成分(B2)の繊度(Dc)は3.0
Dc≦Dsを満足する限り、従来、皮革様シートに使用
されている繊度の範囲内であれば特に限定されるもので
はないが、外周から半径の1/4以内に存在する分散成
分(B1)の繊度は0.0002〜0.8デシテック
ス、好ましくは0.005〜0.5デシテックスの範囲
である。外周から半径の1/4以内に存在する分散成分
の繊度が0.0002デシテックス未満では発色性が低
い傾向にあり、0.8デシテックスよりも大きくなると
得られる皮革様シートの表面タッチに代表される風合い
が悪くなる傾向がある。中心から半径の2/3以内に存
在する分散成分(B2)の繊度は0.25デシテックス
未満が好ましく、さらに好ましくは0.1デシテックス
未満である。中心から半径の2/3以内に存在する分散
成分の繊度が0.25デシテックスより大きくなると得
られる皮革様シートの表面タッチに代表される風合い、
および皮革様シートとしての柔軟性、腰感が悪くなる傾
向がある。また本発明の複合繊維において、その繊維断
面に存在する分散成分(B1)の本数としては6〜20
0本、また分散成分(B2)の本数としては8〜400
本が本発明の目的を達成する上で好ましい。
【0013】本発明の分散媒成分(A)に用いる熱可塑
性ポリマーは、複合紡糸が可能で、分散成分(B)と溶
剤または分解剤に対する溶解性または分解性を異にし
(分散媒成分を構成するポリマーの方が溶解性または分
解性が大きい)、分散成分との親和性の小さいポリマー
であって、かつ紡糸条件下で分散成分の溶融粘度より小
さい溶融粘度であるか、あるいは表面張力の小さいポリ
マーであり、例えば、ポリエチレン、ポリスチレン、変
成ポリスチレン、エチレンプロピレン共重合体などの易
溶解性のポリマーや、スルホイソフタル酸ナトリウムや
ポリエチレングリコールなどで変性したポリエチレンテ
レフタレートなどの易分解性のポリマーから選ばれた少
なくとも1種類のポリマーを適宜選択して使用すること
ができる。
性ポリマーは、複合紡糸が可能で、分散成分(B)と溶
剤または分解剤に対する溶解性または分解性を異にし
(分散媒成分を構成するポリマーの方が溶解性または分
解性が大きい)、分散成分との親和性の小さいポリマー
であって、かつ紡糸条件下で分散成分の溶融粘度より小
さい溶融粘度であるか、あるいは表面張力の小さいポリ
マーであり、例えば、ポリエチレン、ポリスチレン、変
成ポリスチレン、エチレンプロピレン共重合体などの易
溶解性のポリマーや、スルホイソフタル酸ナトリウムや
ポリエチレングリコールなどで変性したポリエチレンテ
レフタレートなどの易分解性のポリマーから選ばれた少
なくとも1種類のポリマーを適宜選択して使用すること
ができる。
【0014】本発明の分散成分(B)に用いる熱可塑性
ポリマーとしては、複合紡糸に従来から使用されている
ポリマーであればいずれでもよく、限定されるものでは
ないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート、エチレ
ンテレフタレート単位を80モル%以上含む共重合ポリ
エチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系
化合物、ナイロン−6、ナイロン−66、ナイロン−6
10、ナイロン−11、ナイロン−12、それらの共重
合体などのポリアミド系化合物、ポリプロピレンなどの
ポリオレフィン系化合物、ポリウレタンエラストマー、
ポリエステルエラストマー、ポリアミドエラストマーな
どのエラストマー、ビニルアルコール−エチレン共重合
体などから1種または2種以上から目的とする皮革様シ
ートの風合い、性能に応じて任意に選択することができ
る。前述のように分散成分(B)を構成する外周から1
/4以内に存在する分散成分B1と中心から半径の2/
3以内に存在する分散成分B2は同一ポリマーであって
もよいし、異なるポリマーであってもよい。また、分散
成分にはカーボンブラック、酸化チタン、酸化アルミニ
ウム、酸化ケイ素、炭酸カルシウム、マイカ、金属微粉
末、有機顔料、無機顔料などから選ばれた少なくとも1
種類を添加すると着色を目的とする以外にも分散成分の
溶融時の粘度を高めたり或いは低める効果も付与できて
繊維断面構造の調節にも有効である。また、酸化防止
剤、紫外線吸収剤、耐光安定剤、顔料、染料、難燃剤な
どの公知の各種添加剤を加えてもよい。本発明の複合繊
維の太さとしては、1〜20デシテックスが風合いに優
れた皮革様シートが得られる点で好ましい。また本発明
の繊維において、分散媒成分と分散成分との重量比とし
ては70/30〜20/80が同様の理由から好まし
い。
ポリマーとしては、複合紡糸に従来から使用されている
ポリマーであればいずれでもよく、限定されるものでは
ないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート、エチレ
ンテレフタレート単位を80モル%以上含む共重合ポリ
エチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系
化合物、ナイロン−6、ナイロン−66、ナイロン−6
10、ナイロン−11、ナイロン−12、それらの共重
合体などのポリアミド系化合物、ポリプロピレンなどの
ポリオレフィン系化合物、ポリウレタンエラストマー、
ポリエステルエラストマー、ポリアミドエラストマーな
どのエラストマー、ビニルアルコール−エチレン共重合
体などから1種または2種以上から目的とする皮革様シ
ートの風合い、性能に応じて任意に選択することができ
る。前述のように分散成分(B)を構成する外周から1
/4以内に存在する分散成分B1と中心から半径の2/
3以内に存在する分散成分B2は同一ポリマーであって
もよいし、異なるポリマーであってもよい。また、分散
成分にはカーボンブラック、酸化チタン、酸化アルミニ
ウム、酸化ケイ素、炭酸カルシウム、マイカ、金属微粉
末、有機顔料、無機顔料などから選ばれた少なくとも1
種類を添加すると着色を目的とする以外にも分散成分の
溶融時の粘度を高めたり或いは低める効果も付与できて
繊維断面構造の調節にも有効である。また、酸化防止
剤、紫外線吸収剤、耐光安定剤、顔料、染料、難燃剤な
どの公知の各種添加剤を加えてもよい。本発明の複合繊
維の太さとしては、1〜20デシテックスが風合いに優
れた皮革様シートが得られる点で好ましい。また本発明
の繊維において、分散媒成分と分散成分との重量比とし
ては70/30〜20/80が同様の理由から好まし
い。
【0015】以上の方法により得た複合紡糸繊維から以
下のようにしてウェブを作り、ニードルパンチングおよ
び/または流体噴出処理により繊維絡合不織布とし、そ
れに弾性重合体を含有させ、そしてその含有させる前ま
たはその後で分散媒成分を溶解除去することによって皮
革様シートを得ることができる。
下のようにしてウェブを作り、ニードルパンチングおよ
び/または流体噴出処理により繊維絡合不織布とし、そ
れに弾性重合体を含有させ、そしてその含有させる前ま
たはその後で分散媒成分を溶解除去することによって皮
革様シートを得ることができる。
【0016】極細繊維発生型繊維(C)をカードで解繊
し、ウェバーを通してランダムウエブまたはクロスラッ
パーウェブを形成し、得られた繊維ウェブを所望の厚
さ、重量に積層する。ついで、ニードルパンチ、高速流
体流パンチなどの公知の方法で絡合処理を行って不織布
とする。不織布化する際に必要により、上記極細繊維発
生型繊維(C)以外の繊維を少量添加してもよい。また
必要に応じて、不織布に溶解除去可能な樹脂、例えばポ
リビニルアルコール系樹脂を付与して、不織布を仮固定
してもよい。絡合不織布の目付けとしては100〜10
00g/m2が好ましい。
し、ウェバーを通してランダムウエブまたはクロスラッ
パーウェブを形成し、得られた繊維ウェブを所望の厚
さ、重量に積層する。ついで、ニードルパンチ、高速流
体流パンチなどの公知の方法で絡合処理を行って不織布
とする。不織布化する際に必要により、上記極細繊維発
生型繊維(C)以外の繊維を少量添加してもよい。また
必要に応じて、不織布に溶解除去可能な樹脂、例えばポ
リビニルアルコール系樹脂を付与して、不織布を仮固定
してもよい。絡合不織布の目付けとしては100〜10
00g/m2が好ましい。
【0017】次に繊維絡合不織布に弾性重合体を含浸、
凝固または乾燥して付与する。繊維絡合不織布に含浸す
る弾性重合体としては、ポリウレタン系樹脂、アクリル
系樹脂、合成ゴム類などを挙げることができる。なかで
も、得られる皮革様シートの風合いが優れることからポ
リウレタン系樹脂が好適に使用できる。このようなポリ
ウレタン系樹脂は、例えば、ポリエステルジオール、ポ
リエーテルジオール、ポリエーテルエステルジオール、
ポリカーボネートジオール、ポリラクトンジオールなど
から選ばれた少なくとも1種類の平均分子量500〜3
000のポリマージオールと、4,4’−ジフェニルメ
タンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、
ヘキサメチレンジイソシアネート、トリレンジイソシア
ネートなどの芳香族系、脂環族系、脂肪族系のジイソシ
アネートなどから選ばれた少なくとも1種のジイソシア
ネートと、エチレングリコール、エチレンジアミン等の
2個以上の活性水素原子を有する少なくとも1種の低分
子化合物とを所定のモル比で反応させて得たポリウレタ
ンが挙げられる。このようなポリウレタンは溶液型、水
分散型いずれでもよい。ポリウレタンは必要に応じて合
成ゴム、ポリエステルエラストマーなどの重合体を添加
した重合体組成物として使用してもよい。
凝固または乾燥して付与する。繊維絡合不織布に含浸す
る弾性重合体としては、ポリウレタン系樹脂、アクリル
系樹脂、合成ゴム類などを挙げることができる。なかで
も、得られる皮革様シートの風合いが優れることからポ
リウレタン系樹脂が好適に使用できる。このようなポリ
ウレタン系樹脂は、例えば、ポリエステルジオール、ポ
リエーテルジオール、ポリエーテルエステルジオール、
ポリカーボネートジオール、ポリラクトンジオールなど
から選ばれた少なくとも1種類の平均分子量500〜3
000のポリマージオールと、4,4’−ジフェニルメ
タンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、
ヘキサメチレンジイソシアネート、トリレンジイソシア
ネートなどの芳香族系、脂環族系、脂肪族系のジイソシ
アネートなどから選ばれた少なくとも1種のジイソシア
ネートと、エチレングリコール、エチレンジアミン等の
2個以上の活性水素原子を有する少なくとも1種の低分
子化合物とを所定のモル比で反応させて得たポリウレタ
ンが挙げられる。このようなポリウレタンは溶液型、水
分散型いずれでもよい。ポリウレタンは必要に応じて合
成ゴム、ポリエステルエラストマーなどの重合体を添加
した重合体組成物として使用してもよい。
【0018】ポリウレタンを主体とした重合体を溶剤に
溶解あるいは水など非溶剤中に分散させて重合体液とし
た後、繊維絡合不織布に含浸し、重合体の非溶剤で処理
して湿式凝固させるかあるいは熱乾燥処理や熱水処理や
スチーム処理をして乾式凝固し繊維質基体とする。重合
体液には必要に応じて着色剤、凝固調節剤、感熱ゲル化
剤、酸化防止剤のような添加剤を配合してもよい。繊維
質基体中に占めるポリウレタンあるいはポリウレタン組
成物の量は固形分として重量で2〜60%、好ましくは
10〜50%である。2%より少ない場合は、腰が弱く
皮革様の風合いを呈さない傾向にあり、60%を超える
場合は硬い風合いとなって皮革様の風合いを呈さない傾
向にある。
溶解あるいは水など非溶剤中に分散させて重合体液とし
た後、繊維絡合不織布に含浸し、重合体の非溶剤で処理
して湿式凝固させるかあるいは熱乾燥処理や熱水処理や
スチーム処理をして乾式凝固し繊維質基体とする。重合
体液には必要に応じて着色剤、凝固調節剤、感熱ゲル化
剤、酸化防止剤のような添加剤を配合してもよい。繊維
質基体中に占めるポリウレタンあるいはポリウレタン組
成物の量は固形分として重量で2〜60%、好ましくは
10〜50%である。2%より少ない場合は、腰が弱く
皮革様の風合いを呈さない傾向にあり、60%を超える
場合は硬い風合いとなって皮革様の風合いを呈さない傾
向にある。
【0019】上記のようにして弾性重合体を付与した繊
維質基体を分散成分(B)の非溶剤であり、かつ分散媒
成分(A)の溶剤または分解剤である液体で処理する。
例えば、分散成分(B)がナイロンやポリエチレンテレ
フタレートで分散媒成分(A)がポリエチレン、ポリス
チレンである場合はトルエンやパークレンが使用できる
し、分散媒成分(A)が易アルカリ分解性ポリエステル
である場合は苛性ソーダ水溶液などを使用することがで
きる。
維質基体を分散成分(B)の非溶剤であり、かつ分散媒
成分(A)の溶剤または分解剤である液体で処理する。
例えば、分散成分(B)がナイロンやポリエチレンテレ
フタレートで分散媒成分(A)がポリエチレン、ポリス
チレンである場合はトルエンやパークレンが使用できる
し、分散媒成分(A)が易アルカリ分解性ポリエステル
である場合は苛性ソーダ水溶液などを使用することがで
きる。
【0020】次に、この基体を必要により厚さ方向にス
ライスした後、その表面の少なくとも一面を起毛処理し
て極細繊維を主体とした繊維立毛面を形成させる。繊維
立毛面を形成させる方法は、サンドペーパーなどによる
バフィング等の公知の方法を用いる。
ライスした後、その表面の少なくとも一面を起毛処理し
て極細繊維を主体とした繊維立毛面を形成させる。繊維
立毛面を形成させる方法は、サンドペーパーなどによる
バフィング等の公知の方法を用いる。
【0021】次いで、得られたスエード調繊維質基体を
染色するが、染色は繊維の種類に応じて酸性染料、金属
錯塩染料、分散染料などを主体とした染料を用いて、通
常の染色方法により染色を行う。染色したスエード調繊
維質基体は、必要に応じて、もみ、柔軟化処理、ブラッ
シングなどの仕上げ処理を行って、スエード調人工皮革
の製品とすることができる。
染色するが、染色は繊維の種類に応じて酸性染料、金属
錯塩染料、分散染料などを主体とした染料を用いて、通
常の染色方法により染色を行う。染色したスエード調繊
維質基体は、必要に応じて、もみ、柔軟化処理、ブラッ
シングなどの仕上げ処理を行って、スエード調人工皮革
の製品とすることができる。
【0022】本発明で得られた皮革様シートは外観、風
合いが良好で、かつ発色性、表面物性に優れた皮革様シ
ートである。
合いが良好で、かつ発色性、表面物性に優れた皮革様シ
ートである。
【0023】
【実施例】次に、本発明の実施態様を具体的な実施例で
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。なお、実施例中の部および%はことわりのな
い限り重量に関するものである。
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。なお、実施例中の部および%はことわりのな
い限り重量に関するものである。
【0024】[繊維束中のDs、Dcの測定]繊維の断
面を走査型電子顕微鏡で2000倍に拡大した写真を撮
り、その写真をさらに拡大して、その中で断面が明確で
かつ本発明で規定する断面場所に存在する繊維からそれ
ぞれ任意の50本を選び出し、その断面積をもとめ、そ
の平均から計算した。
面を走査型電子顕微鏡で2000倍に拡大した写真を撮
り、その写真をさらに拡大して、その中で断面が明確で
かつ本発明で規定する断面場所に存在する繊維からそれ
ぞれ任意の50本を選び出し、その断面積をもとめ、そ
の平均から計算した。
【0025】[メルトフローレートの測定]メルトフロ
ーレート(以下、MFRと記す)はJIS−K7210
に準じて、メルトインデクサーを用い2mmφのオリフ
ィス口径で325gの荷重をかけたときの紡糸温度にお
ける10分あたりの吐出重量で測定した。
ーレート(以下、MFRと記す)はJIS−K7210
に準じて、メルトインデクサーを用い2mmφのオリフ
ィス口径で325gの荷重をかけたときの紡糸温度にお
ける10分あたりの吐出重量で測定した。
【0026】[発色性の測定]表面の反射率Rより、K
/S=(1/R)2/2Rの式から算出した。
/S=(1/R)2/2Rの式から算出した。
【0027】[外観と風合い評価]任意に選出した20
人のパネラーによる官能試験により外観と風合いを評価
した。評価結果は、○=良好、△=やや不良、×=不良
を表す。
人のパネラーによる官能試験により外観と風合いを評価
した。評価結果は、○=良好、△=やや不良、×=不良
を表す。
【0028】[剥離強力の測定]得られた皮革様シート
を幅2.5cm×長さ25cmの試験片とし、ゴム板と
接着剤で張り合わせ、オートグラフを用いて180℃剥
離強力を測定した。
を幅2.5cm×長さ25cmの試験片とし、ゴム板と
接着剤で張り合わせ、オートグラフを用いて180℃剥
離強力を測定した。
【0029】[耐ピリング性評価]ピリングテスターを
用いて、20時間処理後の結果を級判定した。
用いて、20時間処理後の結果を級判定した。
【0030】実施例1 紡糸温度285℃で分散成分(B1)として6−ナイロ
ン(MFR=6.0g/10min)50部を用い、分
散媒成分(A)としてポリエチレン(MFR=32)5
0部を同一溶融系で外側に、分散成分(B2)として6
−ナイロン(MFR=17g/10min)50部を用
い、分散媒成分(A)としてポリエチレン(MFR=3
2)50部を同一溶融系で内側に同心円状にノズルを配
置した口金から溶出量44/56の比で複合紡糸し、繊
度12デシテックスの極細繊維発生型繊維(C)を得
た。得られた繊維(C)を50℃の温水浴中で3.0倍
に延伸した。このとき繊維(C)の断面を走査型電子顕
微鏡で観察すると本発明の要件を満たす外側の分散成分
(B1)と内側の分散成分(B2)の繊度となる図1の
形状の繊維形状となっており、Dsは0.007デシテ
ックス、Dcは0.002デシテックスであった(Ds
=3.5Dc)。この繊維に捲縮を付与した後、繊維長
51mmに切断し、カードで解繊した後、クロスラップ
ウェバーでウェブとした。次にニードルパンチにより、
目付け650g/cm2の繊維絡合不織布とした。この
繊維絡合不織布にポリエーテル系ポリウレタンを主体と
するポリウレタン組成物13部、ジメチルホルムアミド
87部の組成液を含浸し、凝固、水洗の後、極細繊維発
生型繊維(C)中のポリエチレンをトルエン中で抽出除
去した。この海成分除去処理により2種の繊度を有する
ナイロン−6の束状繊維と含浸ポリウレタンとからなる
厚さ約1.3mmの繊維質基体を得た。この基体の一面
をバフィングして厚さ1.2mmに厚み合わせを行った
後、他の面をエメリーバフ機で処理して極細繊維立毛面
を形成し、さらにIrgalan Red2GL(Ch
iba Geigy)を用いて、3%owfの濃度で染
色した。仕上げ処理をしてスエード調の皮革様シートを
得た。得られた皮革様シートは外観、風合いに優れたも
のであった。得られたスエード調皮革様シートの物性試
験を含めた試験結果を表1に示す。
ン(MFR=6.0g/10min)50部を用い、分
散媒成分(A)としてポリエチレン(MFR=32)5
0部を同一溶融系で外側に、分散成分(B2)として6
−ナイロン(MFR=17g/10min)50部を用
い、分散媒成分(A)としてポリエチレン(MFR=3
2)50部を同一溶融系で内側に同心円状にノズルを配
置した口金から溶出量44/56の比で複合紡糸し、繊
度12デシテックスの極細繊維発生型繊維(C)を得
た。得られた繊維(C)を50℃の温水浴中で3.0倍
に延伸した。このとき繊維(C)の断面を走査型電子顕
微鏡で観察すると本発明の要件を満たす外側の分散成分
(B1)と内側の分散成分(B2)の繊度となる図1の
形状の繊維形状となっており、Dsは0.007デシテ
ックス、Dcは0.002デシテックスであった(Ds
=3.5Dc)。この繊維に捲縮を付与した後、繊維長
51mmに切断し、カードで解繊した後、クロスラップ
ウェバーでウェブとした。次にニードルパンチにより、
目付け650g/cm2の繊維絡合不織布とした。この
繊維絡合不織布にポリエーテル系ポリウレタンを主体と
するポリウレタン組成物13部、ジメチルホルムアミド
87部の組成液を含浸し、凝固、水洗の後、極細繊維発
生型繊維(C)中のポリエチレンをトルエン中で抽出除
去した。この海成分除去処理により2種の繊度を有する
ナイロン−6の束状繊維と含浸ポリウレタンとからなる
厚さ約1.3mmの繊維質基体を得た。この基体の一面
をバフィングして厚さ1.2mmに厚み合わせを行った
後、他の面をエメリーバフ機で処理して極細繊維立毛面
を形成し、さらにIrgalan Red2GL(Ch
iba Geigy)を用いて、3%owfの濃度で染
色した。仕上げ処理をしてスエード調の皮革様シートを
得た。得られた皮革様シートは外観、風合いに優れたも
のであった。得られたスエード調皮革様シートの物性試
験を含めた試験結果を表1に示す。
【0031】実施例2 紡糸温度285℃で分散成分(B1)としてポリエチレ
ンテレフタレート70部を用い、分散媒成分(A)とし
てポリエチレン30部をニードルパイプ径を分散成分の
紡出時の繊度が0.17デシテックスになるように設定
して外側に、分散成分(B2)としてポリエチレンテレ
フタレート70部を用い、分散媒成分(A)としてポリ
エチレン30部をニードルパイプ径を分散成分の紡出時
の繊度が0.04デシテックスになるように設定して内
側に同心円状にノズルを配置した口金から溶出量45/
55の比で複合紡糸し、繊度12デシテックスの極細繊
維発生型繊維(C)を得た。得られた繊維(C)を50
℃の温水浴中で3.0倍に延伸した。このとき繊維
(C)の断面を走査型電子顕微鏡で観察すると本発明の
要件を満たす外側の分散成分(B1)と内側の分散成分
(B2)の繊度となる図1の形状の繊維形状となってい
た。すなわち、Dsは0.072デシテックス、Dcは
0.014デシテックスであった(Ds=5.1D
c)。この繊維に捲縮を付与した後、繊維長51mmに
切断し、カードで解繊した後、クロスラップウェバーで
ウェブとした。次にニードルパンチにより、目付け55
0g/cm2の繊維絡合不織布とした。この繊維絡合不
織布に大日本インキ化学工業製ポリウレタンエマルジョ
ンボンディック1310NSを含浸し、乾燥の後、極細
繊維発生型繊維(C)中のポリエチレンをトルエン中で
抽出除去した。この海成分除去処理により2種の繊度を
有するポリエチレンテレフタレートからなる束状繊維と
ポリウレタン樹脂とからなる厚さ約1.2mmの繊維質
基体を得た。この基体の一面をバフィングして厚み合わ
せを行った後、他の面をエメリーバフ機で処理して極細
繊維立毛面を形成し、さらにResolin Blue
2BRSを用いて、2%owfの濃度で染色し、仕上げ
処理をしてスエード調の皮革様シートを得た。得られた
皮革様シートは外観、風合いに優れたものであった。得
られたスエード調皮革様シートの物性試験を含めた試験
結果を表1に示す。
ンテレフタレート70部を用い、分散媒成分(A)とし
てポリエチレン30部をニードルパイプ径を分散成分の
紡出時の繊度が0.17デシテックスになるように設定
して外側に、分散成分(B2)としてポリエチレンテレ
フタレート70部を用い、分散媒成分(A)としてポリ
エチレン30部をニードルパイプ径を分散成分の紡出時
の繊度が0.04デシテックスになるように設定して内
側に同心円状にノズルを配置した口金から溶出量45/
55の比で複合紡糸し、繊度12デシテックスの極細繊
維発生型繊維(C)を得た。得られた繊維(C)を50
℃の温水浴中で3.0倍に延伸した。このとき繊維
(C)の断面を走査型電子顕微鏡で観察すると本発明の
要件を満たす外側の分散成分(B1)と内側の分散成分
(B2)の繊度となる図1の形状の繊維形状となってい
た。すなわち、Dsは0.072デシテックス、Dcは
0.014デシテックスであった(Ds=5.1D
c)。この繊維に捲縮を付与した後、繊維長51mmに
切断し、カードで解繊した後、クロスラップウェバーで
ウェブとした。次にニードルパンチにより、目付け55
0g/cm2の繊維絡合不織布とした。この繊維絡合不
織布に大日本インキ化学工業製ポリウレタンエマルジョ
ンボンディック1310NSを含浸し、乾燥の後、極細
繊維発生型繊維(C)中のポリエチレンをトルエン中で
抽出除去した。この海成分除去処理により2種の繊度を
有するポリエチレンテレフタレートからなる束状繊維と
ポリウレタン樹脂とからなる厚さ約1.2mmの繊維質
基体を得た。この基体の一面をバフィングして厚み合わ
せを行った後、他の面をエメリーバフ機で処理して極細
繊維立毛面を形成し、さらにResolin Blue
2BRSを用いて、2%owfの濃度で染色し、仕上げ
処理をしてスエード調の皮革様シートを得た。得られた
皮革様シートは外観、風合いに優れたものであった。得
られたスエード調皮革様シートの物性試験を含めた試験
結果を表1に示す。
【0032】比較例1 紡糸温度285℃で分散成分(B1)として6−ナイロ
ン(MFR=17g/10min)50部を用い、分散
媒成分(A)としてポリエチレン(MFR=32)50
部を同一溶融系で外側に、分散成分(B2)としてB1
と同じ6−ナイロン(MFR=17g/10min)5
0部を用い、分散媒成分(A)としてポリエチレン(M
FR=32)50部を同一溶融系で内側に同心円状にノ
ズルを配置した口金から溶出量44/56の比で混合紡
糸し、繊度12デシテックスの極細繊維発生型繊維
(C)を得た。得られた繊維(C)を50℃の温水浴中
で3.0倍に延伸した。このとき繊維(C)の断面を走
査型電子顕微鏡で観察すると外側の分散成分(B1)と
内側の分散成分(B2)の繊度はB1がやや大きい程度
であった。得られた繊維を3.0倍に延伸した。この繊
維に捲縮を付与した後、繊維長51mmに切断し、カー
ドで解繊した後、クロスラップウェバーでウェブとし
た。次にニードルパンチにより、目付け650g/cm
2の繊維絡合不織布とした。以下、実施例1と全く同様
にしてスエード調の皮革様シートを得た。得られた皮革
様シートは外観、風合いに優れたものであったが、実施
例1に比べ明らかに発色性が劣っていた。得られたスエ
ード調皮革様シートの物性試験を含めた試験結果を表1
に示す。
ン(MFR=17g/10min)50部を用い、分散
媒成分(A)としてポリエチレン(MFR=32)50
部を同一溶融系で外側に、分散成分(B2)としてB1
と同じ6−ナイロン(MFR=17g/10min)5
0部を用い、分散媒成分(A)としてポリエチレン(M
FR=32)50部を同一溶融系で内側に同心円状にノ
ズルを配置した口金から溶出量44/56の比で混合紡
糸し、繊度12デシテックスの極細繊維発生型繊維
(C)を得た。得られた繊維(C)を50℃の温水浴中
で3.0倍に延伸した。このとき繊維(C)の断面を走
査型電子顕微鏡で観察すると外側の分散成分(B1)と
内側の分散成分(B2)の繊度はB1がやや大きい程度
であった。得られた繊維を3.0倍に延伸した。この繊
維に捲縮を付与した後、繊維長51mmに切断し、カー
ドで解繊した後、クロスラップウェバーでウェブとし
た。次にニードルパンチにより、目付け650g/cm
2の繊維絡合不織布とした。以下、実施例1と全く同様
にしてスエード調の皮革様シートを得た。得られた皮革
様シートは外観、風合いに優れたものであったが、実施
例1に比べ明らかに発色性が劣っていた。得られたスエ
ード調皮革様シートの物性試験を含めた試験結果を表1
に示す。
【0033】比較例2 紡糸温度285℃で分散成分(B1)として6−ナイロ
ン(MFR=6.0g/10min)50部を用い、分
散媒成分(A)としてポリエチレン(MFR=32)5
0部を同一溶融系で外側に、分散成分(B2)としてB
1と同じ6−ナイロン(MFR=6.0g/10mi
n)50部を用い、分散媒成分(A)としてポリエチレ
ン(MFR=32)50部を同一溶融系で内側に同心円
状にノズルを配置した口金から溶出量44/56の比で
混合紡糸し、繊度12デシテックスの極細繊維発生型繊
維(C)を得た。得られた繊維(C)を50℃の温水浴
中で3.0倍に延伸した。このとき繊維(C)の断面を
走査型電子顕微鏡で観察すると外側の分散成分(B1)
と内側の分散成分(B2)の繊度はB1がB2よりやや
大きい程度であった。以下は上記実施例と全く同様にし
てスエード調の皮革様シートを得た。得られた皮革様シ
ートは外観に優れていたが、風合いにおいては実施例1
よりも劣るシートとなった。得られたスエード調皮革様
シートの物性試験を含めた試験結果を表1に示す。
ン(MFR=6.0g/10min)50部を用い、分
散媒成分(A)としてポリエチレン(MFR=32)5
0部を同一溶融系で外側に、分散成分(B2)としてB
1と同じ6−ナイロン(MFR=6.0g/10mi
n)50部を用い、分散媒成分(A)としてポリエチレ
ン(MFR=32)50部を同一溶融系で内側に同心円
状にノズルを配置した口金から溶出量44/56の比で
混合紡糸し、繊度12デシテックスの極細繊維発生型繊
維(C)を得た。得られた繊維(C)を50℃の温水浴
中で3.0倍に延伸した。このとき繊維(C)の断面を
走査型電子顕微鏡で観察すると外側の分散成分(B1)
と内側の分散成分(B2)の繊度はB1がB2よりやや
大きい程度であった。以下は上記実施例と全く同様にし
てスエード調の皮革様シートを得た。得られた皮革様シ
ートは外観に優れていたが、風合いにおいては実施例1
よりも劣るシートとなった。得られたスエード調皮革様
シートの物性試験を含めた試験結果を表1に示す。
【0034】比較例3 紡糸温度285℃で分散成分(B1)としてポリエチレ
ンテレフタレート70部を用い、分散媒成分(A)とし
てポリエチレン30部をニードルパイプ径を分散成分の
紡出時の繊度が0.014デシテックスになるように設
定して外側に、分散成分(B2)としてポリエチレンテ
レフタレート70部を用い、分散媒成分(A)としてポ
リエチレン30部をニードルパイプ径を分散成分の紡出
時の繊度が0.014デシテックスになるように設定し
て内側に同心円状にノズルを配置した口金から溶出量4
5/55の比で複合紡糸し、繊度12デシテックスの極
細繊維発生型繊維(C)を得た。得られた繊維(C)を
50℃の温水浴中で3.0倍に延伸した。このとき繊維
(C)の断面を走査型電子顕微鏡で観察すると外側の分
散成分(B1)と内側の分散成分(B2)はほぼ同じ繊
度となっていた。この繊維に捲縮を付与した後、繊維長
51mmに切断し、カードで解繊した後、クロスラップ
ウェバーでウェブとした。次にニードルパンチにより、
目付け535g/cm2の繊維絡合不織布とした。以
下、実施例2と全く同じ処理をして皮革様シートを得
た。得られた皮革様シートは外観、風合いに優れたもの
であったが、発色性は実施例2に比べ明らかに劣ってい
た。得られたスエード調皮革様シートの物性試験を含め
た試験結果を表1に示す。
ンテレフタレート70部を用い、分散媒成分(A)とし
てポリエチレン30部をニードルパイプ径を分散成分の
紡出時の繊度が0.014デシテックスになるように設
定して外側に、分散成分(B2)としてポリエチレンテ
レフタレート70部を用い、分散媒成分(A)としてポ
リエチレン30部をニードルパイプ径を分散成分の紡出
時の繊度が0.014デシテックスになるように設定し
て内側に同心円状にノズルを配置した口金から溶出量4
5/55の比で複合紡糸し、繊度12デシテックスの極
細繊維発生型繊維(C)を得た。得られた繊維(C)を
50℃の温水浴中で3.0倍に延伸した。このとき繊維
(C)の断面を走査型電子顕微鏡で観察すると外側の分
散成分(B1)と内側の分散成分(B2)はほぼ同じ繊
度となっていた。この繊維に捲縮を付与した後、繊維長
51mmに切断し、カードで解繊した後、クロスラップ
ウェバーでウェブとした。次にニードルパンチにより、
目付け535g/cm2の繊維絡合不織布とした。以
下、実施例2と全く同じ処理をして皮革様シートを得
た。得られた皮革様シートは外観、風合いに優れたもの
であったが、発色性は実施例2に比べ明らかに劣ってい
た。得られたスエード調皮革様シートの物性試験を含め
た試験結果を表1に示す。
【0035】比較例4 紡糸温度285℃で分散成分(B1)としてポリエチレ
ンテレフタレート70部を用い、分散媒成分(A)とし
てポリエチレン30部をニードルパイプ径を分散成分の
紡出時の繊度が0.17デシテックスになるように設定
して外側に、分散成分(B2)としてポリエチレンテレ
フタレート70部を用い、分散媒成分(A)としてポリ
エチレン30部をニードルパイプ径を分散成分の紡出時
の繊度が0.085デシテックスになるように設定して
内側に同心円状にノズルを配置した口金から溶出量45
/55の比で複合紡糸し、繊度12デシテックスの極細
繊維発生型繊維(C)を得た。得られた繊維(C)を5
0℃の温水浴中で3.0倍に延伸した。このとき繊維
(C)の断面を走査型電子顕微鏡で観察すると外側の分
散成分(B1)が内側の分散成分(B2)よりやや大き
い繊度となっていた(Ds=2.0Dc)。この繊維に
捲縮を付与した後、繊維長51mmに切断し、カードで
解繊した後、クロスラップウェバーでウェブとした。次
にニードルパンチにより、目付け545g/cm2の繊
維絡合不織布とした。以下、実施例と全く同じ処理をし
て皮革様シートを得た。得られた皮革様シートは実施例
2に比べ外観、風合いの面で劣るものであった。発色性
は良好であった。得られたスエード調皮革様シートの物
性試験を含めた試験結果を表1に示す。
ンテレフタレート70部を用い、分散媒成分(A)とし
てポリエチレン30部をニードルパイプ径を分散成分の
紡出時の繊度が0.17デシテックスになるように設定
して外側に、分散成分(B2)としてポリエチレンテレ
フタレート70部を用い、分散媒成分(A)としてポリ
エチレン30部をニードルパイプ径を分散成分の紡出時
の繊度が0.085デシテックスになるように設定して
内側に同心円状にノズルを配置した口金から溶出量45
/55の比で複合紡糸し、繊度12デシテックスの極細
繊維発生型繊維(C)を得た。得られた繊維(C)を5
0℃の温水浴中で3.0倍に延伸した。このとき繊維
(C)の断面を走査型電子顕微鏡で観察すると外側の分
散成分(B1)が内側の分散成分(B2)よりやや大き
い繊度となっていた(Ds=2.0Dc)。この繊維に
捲縮を付与した後、繊維長51mmに切断し、カードで
解繊した後、クロスラップウェバーでウェブとした。次
にニードルパンチにより、目付け545g/cm2の繊
維絡合不織布とした。以下、実施例と全く同じ処理をし
て皮革様シートを得た。得られた皮革様シートは実施例
2に比べ外観、風合いの面で劣るものであった。発色性
は良好であった。得られたスエード調皮革様シートの物
性試験を含めた試験結果を表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】
【発明の効果】本発明の繊維により、外観、風合いが良
好で、かつ発色性、表面物性に優れた皮革様シートが得
られ、この皮革様シートは衣料用、靴、鞄、袋物用、手
袋などに利用できる。
好で、かつ発色性、表面物性に優れた皮革様シートが得
られ、この皮革様シートは衣料用、靴、鞄、袋物用、手
袋などに利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の複合繊維の一例の断面図である。
A:分散媒成分 B1:外周から半径の1/4以内に存在する分散成分 B2:中心から半径の2/3以内に存在する分散成分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D06C 11/00 D06C 11/00 Z D06N 3/00 DAA D06N 3/00 DAA D06P 3/00 D06P 3/00 M 3/82 3/82 E Fターム(参考) 3B154 AA07 AA08 AA09 AA17 AB22 BA25 BB58 BB59 BF07 BF29 DA09 DA13 DA19 4F055 AA02 BA07 DA07 DA09 EA04 EA05 EA12 EA14 EA24 EA30 EA31 FA18 GA02 GA03 HA04 HA22 4H057 AA02 DA01 DA31 DA32 4L041 AA07 AA20 BA04 BA05 BA14 BA17 BA24 BA49 BA59 BD11 BD15 CA06 CA21 CA36 DD01 DD11 DD14 EE07 EE16 4L047 AA27 AB08 BA03 CC01 DA00 EA02
Claims (2)
- 【請求項1】 性質の異なる少なくとも2種類の熱可塑
性ポリマーからなる複合繊維の横断面構造が、少なくと
も1種類のポリマーが分散媒成分、他の少なくとも1種
類のポリマーが分散成分を形成し、該分散成分の大きさ
が、外周から半径の1/4以内に存在する分散成分の繊
度Ds、中心から半径の2/3以内に存在する分散成分
の繊度Dcとして、DsとDcの関係が3.0Dc≦D
sを満足する繊維構造であることを特徴とする皮革様シ
ート用複合繊維。 - 【請求項2】以下の工程(a)〜(f)を順次行うこと
を特徴とする皮革様シートの製造方法。但し、工程
(c)と(d)は順序を逆にしてもよい。 (a)性質の異なる少なくとも2種類の熱可塑性ポリマ
ーからなる複合繊維の横断面構造が、少なくとも1種類
のポリマーが分散媒成分(A)、他の少なくとも1種類
のポリマーが分散成分(B)を形成し、該分散成分
(A)の大きさが、外周から半径の1/4以内に存在す
る分散成分(B1)の繊度Ds、中心から半径の2/3
以内に存在する分散成分(B2)の繊度Dcとして、D
sとDcの関係が3.0Dc≦Dsを満足する繊維構造
である繊維(C)を製造する工程、(b)該繊維(C)
からなる絡合繊維不織布を製造する工程、(c)該絡合
繊維不織布に弾性重合体溶液またはエマルジョンを含浸
し湿式または乾式凝固または乾燥して弾性重合体を絡合
不織布に付与する工程、(d)該繊維(C)を構成して
いる分散媒成分(A)を除去して、分散成分(B)から
なる繊維束に変成する工程、(e)少なくとも一面に立
毛を形成する工程、(f)得られた繊維立毛シートを染
色する工程、
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000378289A JP2002180329A (ja) | 2000-12-13 | 2000-12-13 | 皮革様シート用複合繊維 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000378289A JP2002180329A (ja) | 2000-12-13 | 2000-12-13 | 皮革様シート用複合繊維 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002180329A true JP2002180329A (ja) | 2002-06-26 |
Family
ID=18846885
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000378289A Pending JP2002180329A (ja) | 2000-12-13 | 2000-12-13 | 皮革様シート用複合繊維 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002180329A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012245084A (ja) * | 2011-05-26 | 2012-12-13 | Pilot Ink Co Ltd | 玩具用毛髪 |
WO2013021809A1 (ja) * | 2011-08-11 | 2013-02-14 | 東レ株式会社 | 海島繊維 |
JP2013185291A (ja) * | 2012-03-12 | 2013-09-19 | Toray Ind Inc | 混繊糸 |
-
2000
- 2000-12-13 JP JP2000378289A patent/JP2002180329A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012245084A (ja) * | 2011-05-26 | 2012-12-13 | Pilot Ink Co Ltd | 玩具用毛髪 |
WO2013021809A1 (ja) * | 2011-08-11 | 2013-02-14 | 東レ株式会社 | 海島繊維 |
JPWO2013021809A1 (ja) * | 2011-08-11 | 2015-03-05 | 東レ株式会社 | 海島繊維 |
US9447524B2 (en) | 2011-08-11 | 2016-09-20 | Toray Industries, Inc. | Sea islands fiber |
JP2013185291A (ja) * | 2012-03-12 | 2013-09-19 | Toray Ind Inc | 混繊糸 |
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