JP2002145811A - 高純度パーフルオロアルキル−ジ(エチルアイオダイド)の製造方法および着色のないパーフルオロアルキルジエチレンの製造方法 - Google Patents

高純度パーフルオロアルキル−ジ(エチルアイオダイド)の製造方法および着色のないパーフルオロアルキルジエチレンの製造方法

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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来技術では製造不可能であった、光学分野
等で利用可能な、高純度で着色のない二官能性パーフル
オロアルキルジエチレンを高収率で得るための改良され
た方法を提供する。 【解決手段】 一般式(1) I(Cn2n)I (1) (式中、nは4ないし10の整数を表す)で示されるパ
ーフルオロアルキレンジアイオダイドとエチレンを反応
させ、一般式(2) ICH2CH2(Cn2n)CH2CH2I (2) (式中、nは前記定義に同じ)で表されるパーフルオロ
アルキル−ジ(エチルアイオダイド)を製造する方法に
おいて、反応温度90℃以上130℃以下、触媒として
ジ−tert−ブチルパーオキサイドを用いて製造した
高純度パーフルオロアルキル−ジ(エチルアイオダイ
ド)を、溶融状態でメタノール中に導き、微細な結晶と
して晶析分散させ、次に水酸化カリウムと反応させるこ
とを特徴とする、着色のない一般式(3) CH2=CH(Cn2n)CH=CH2 (3) (式中、nは前記定義に同じ)で表されるパーフルオロ
アルキルジエチレンの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、光学用コーティン
グ剤や撥水撥油剤の原料として有用な二官能性パーフル
オロアルキルジエチレン(以後、RfdVと略記する)
の製造法に関するものである。
【0002】更に詳しくは、第1工程としてパーフルオ
ロアルキレンジアイオダイド(以後、RfdIと略記す
る)とエチレンを反応させ、パーフルオロアルキル−ジ
(エチルアイオダイド)(以後、RfdEIと略記す
る)を製造し、次に第2工程として、第1工程で製造し
たRfdEIと水酸化カリウムと反応させ、高純度かつ
着色のないRfdVを製造する改良された方法を提供す
るものである。
【0003】
【従来の技術】含フッ素有機化合物は、フッ素原子の特
徴を利用して、耐候性に優れた塗料、撥水撥油性のある
エラストマー、衣類の防護剤、シリコン誘導体などに用
いられてきた。最近、エレクトロニクス分野の著しい進
歩に伴ない、含フッ素有機化合物は、光ファイバー、レ
ンズ、ブラウン管、液晶分野などに使用され始めてい
る。この新しい用途分野は、従来では全く問題とならな
かった光学的に高度な性能が必要とされている。
【0004】本発明のRfdVは、含フッ素有機化合物
であり、その分子構造は、パーフルオロアルキル基の両
末端にビニル基を有する2官能性モノマーである。Rf
dVは、その分子構造から光学機器や部材に用途が拡大
すると期待されている。しかし、この光学分野では、機
器や部材の光学的な機能や性能が極めて重要であり、原
料として使われるRfdVの僅かな着色や経時変化が全
く許されない。即ち、光学用途のRfdVは、高純度で
あること、着色がないこと、着色を起こさないことが必
須の条件である。この性能がないRfdVは、光学分野
には利用できず、殆ど価値がないと言ってよい。
【0005】これまで、RfdVの製造方法としては、
第1工程としてRfdIとエチレンを反応させRfdE
Iを製造し、次に第2工程として、前述のRfdEIと
水酸化カリウムと反応させRfdVを製造する方法が公
知である。
【0006】第1工程のエチレン挿入反応は、触媒、例
えば、微粉末金属、金属錯体、またはラジカル開始剤を
存在させて反応を行う方法が知られている。
【0007】例えば、米国特許第4,058,573号は、ラジ
カル開始剤、例えば、アゾビスイソブチルニトリルや有
機過酸化物、を触媒として行なう方法を開示している。
本引例では、有機過酸化物としてベンゾイルパーオキサ
イドを使用し、RfdIとエチレンを温度90〜95℃
で、23時間反応している。このとき生成したRfdE
Iには、2つの微量な不純物が含まれ、ヘキサン溶媒か
ら再結晶している。この引例のような不純物は、微量で
あってもRfdVの着色原因となるほか、再結晶による
精製が必要となり、光学用途としては満足できるもので
はない。
【0008】また、Manseriらは、ヨウ化銅を触媒とし
て、アセトニトリル中でRfdIとアルケンと反応させ
る方法を開示している(Journal of Fluorine Chemistr
y, p151-158, vol73(1995))。しかし、本引例では、使
用した触媒を除くため複雑な工程が必要となり、褐色に
着色したRfdEIをヘキサン溶媒から晶析している。
また、本引例は、触媒として様々なラジカル開始剤を使
用する例も開示している。その中に、ラジカル開始剤と
してジ−tert−ブチルパーオキサイド(以後、DT
BPと略記する)を用いて、135℃で反応した例が開
示されている。本発明者らは、本引例に基づき注意深く
追試を行なった結果、RfdEIに、さらにエチレンが
片側に1個以上挿入したテロマーがかなり生成している
ことが判明した。このテロマーは、第2工程での脱HI
が容易ではなく、蒸留による分離も難しいため、ヨウ素
源が残り着色してしまうといった欠点を有している。
【0009】また、Ruなどの金属を触媒として、Rf
dIとエチレンを反応させる方法が開示されている(特
開昭60−106533号公報)。本引例では、反応率
98.5%、収率97.8%と高収率が得られている。
しかし、未だ少量の原料や中間体が残っており、反応温
度が170℃と高く、さらに反応時間が33時間と長い
ことも相俟って、生成物に着色が見られるほか、触媒の
分離操作が必要といった欠点を有している。
【0010】さらに、(Ph3P)2Ni(CO)2などの金属錯体を
触媒として、RfdIとエチレンを反応させる方法が開
示されている(DE 3,338,299)。本引例では、反応率1
00%、選択率97.3%と高収率が得られている。し
かし、この錯体系触媒は、工業的に入手し難い化合物で
あるほか、反応系に溶解しており、反応後に、蒸留工程
などによる分離が必要となる。そのため、プロセスが長
くなるとか、蒸留による錯体化合物の分解などが発生し
着色の原因となる。
【0011】一方、第2工程のRfdEIからRfdV
の製造方法としては、アルコール溶媒中、RfdEIと
水酸化カリウムを反応させる方法や活性亜鉛で処理する
方法が公知である。
【0012】例えば、前述のManseriらは、RfdEI
のアルコール溶液を、KOHのアルコール溶液に加え、
加温して反応を行っている(Journal of Fluorine Chem
istry, p151-158, vol73(1995))。この工程では、アル
コールに溶解したRfdEIとKOHの反応は容易に進
行し、対応するRfdVを生成する。しかし、第1工程
で生成したRfdEIにRfdEIのテロマーやRfd
Iにエチレンが1個だけ挿入した不純物が含まれると、
これらは、KOHと反応が遅かったり、反応が進行しな
かったりする。そのため、これら有機ヨード化合物は残
存し、着色を起こす原因となる。例えば、特開平4−2
97425号公報には、RfdV中の残存ヨウ素を還元
剤としてアルカリ金属またはアルカリ土類金属を使用
し、紫外線照射下に除去する方法が開示されている。
【0013】しかし、この引例の方法では、反応工程が
一段長くなり、工業的に複雑であり、エネルギー的にも
工業的な製法としては満足できない。さらに、第1工程
から第2工程で取り扱うRfdEI化合物は、悪臭がひ
どく、蒸留、晶析、粉砕または溶解などの操作を行う工
程では、良好な作業環境を確保することが重要な課題と
なっている。
【0014】このように、従来の方法では、光学用途に
向けた、着色がなく、高純度のRfdVを製造するに
は、第1工程、第2工程ともにそれぞれ問題があり、プ
ロセス全体としても着色を防止するための製造技術が求
められていた。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、従来技術では製造不可能であった、光学分
野等で利用可能な、高純度で着色のないRfdVを高収
率で得るための改良された方法および高純度で着色のな
いRfdVを製造するのに適したRfdEIの製造方法
を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
RfdIとエチレンを反応させ、RfdEIを製造する
第1工程について検討した。その結果、従来の方法で
は、未反応の原料が残ったり、エチレンが片側だけに1
個入った化合物、エチレンが片側に2個以上挿入した不
純物が生成することが解った。これらの未反応の原料や
不純物は、第2工程において、脱HIが起こらず、蒸留
などの精製でも取り除くのは困難であるためヨウ素が残
り、目的生成物であるRfdVが着色すること、第1工
程で使用される極性溶媒が着色の原因となり易いこと、
使用する触媒によってはRfdVに着色を起こすこと、
第1工程で生成したRfdEIを大気中に暴露すると着
色し易いことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0017】即ち、本発明は、一般式(1) I(Cn2n)I (1) (式中、nは4ないし10の整数を表す)で表されるR
fdIとエチレンを無溶媒下に、触媒として所定量のD
TBPを用い、90℃以上130℃以下で反応させるこ
とを特徴とする一般式(2) ICH2CH2(Cn2n)CH2CH2I (2) (式中、nは前記定義に同じ)で表される高純度Rfd
EIの製造方法、および得られた一般式(2)で表され
る高純度RfdEIを、そのまま溶融状態でメタノール
中に導き微細な結晶として晶析分散させ、次に水酸化カ
リウムと反応させることを特徴とする、着色のない一般
式(3) CH2=CH(Cn2n)CH=CH2 (3) (式中、nは前記定義に同じ)で表されるRfdV製造
方法に関するものである。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明について更に詳しく
説明する。
【0019】本発明において使用される原料は、Rfd
I、エチレン、DTBP、メタノールおよび水酸化カリ
ウムである。
【0020】本発明によれば、RfdIとは、前記一般
式(1)で示される化合物である。パーフルオロアルキ
レン基は炭素数が4〜10の弗素化されたアルキレン基
である。一般式(1)で表されるRfdIの具体例とし
ては、例えばパーフルオロブチレンジアイオダイド(以
後、C4dIと略記する)、パーフルオロヘキシレンジ
アイオダイド(以後、C6dIと略記する)、1,4−
ジアイオダイド−2,2−ビストリフルオロメチル−パ
ーフルオロブタン等が挙げられる。RfdIの純度に特
に制限はないが、望ましくは95%以上のものを用いる
のが好ましい。これらRfdIは、通常液体もしくは固
体であるが、望ましくはそのまま溶融し、無溶媒下に反
応に使用する。
【0021】原料のエチレン、DTBP、メタノールお
よび水酸化カリウムは、通常の市販品が使用できる。
【0022】本発明における目的物であるRfdEI
は、前記一般式(2)で示される化合物であるが、前記
RfdIに対応するジエチル化された化合物であって、
具体的には、パーフルオロブチル−ジ(エチルアイオダ
イド)(以後、C4dEIと略記する)、パーフルオロ
ヘキシル−ジ(エチルアイオダイド)、1,8−ジアイ
オダイド−4,4−ビストリフルオロメチル−3,3,
5,5,6,6−ヘキサフルオロオクタンパーフルオロ
ブタン等が挙げられる。
【0023】さらに、RfdVとしては、前記一般式
(3)で示される化合物であるが、前記RfdIに対応
するジエチレン化された化合物であって、具体的には、
パーフルオロブチルジエチレン(以後、C4dVと略記
する)、パーフルオロヘキシルジエチレン、1,8−ジ
ビニル−4,4−ビストリフルオロメチル−パーフルオ
ロブタン等が挙げられる。
【0024】次に、これらの原料を用いて反応を行な
う。第1工程の反応は、例えば、撹拌機および温度計を
備えた加圧容器を用いて行なう。まず加圧容器にRfd
IとDTBPを仕込む。次に加圧容器を閉じ、空隙の空
気を反応に対して不活性ガスで十分に置換する。ここで
使用する不活性ガスは、例えば、窒素、エチレン、アル
ゴン、炭酸ガス等が挙げられる。その後、加圧容器を昇
温し、RfdIの融点以上になったら撹拌する。所定温
度に達したらエチレンの送入を開始する。
【0025】本発明方法において、触媒として使用する
DTBP量は、原料のRfdIに対して2.5mol%
以上15mol%以下であり、好ましくは2.5mol
%以上10mol%以下である。2.5mol%以下で
は反応率が低下する。一方、15mol%を越えるとD
TBPが必要以上となり、経済性が損なわれる。
【0026】本発明方法における反応温度は、90℃以
上130℃以下であり、好ましくは90℃以上125℃
以下である。90℃以下では反応率が低下する。一方、
130℃を越えるとエチレンが多く入った不純物が生成
し、選択率が低下し、高純度のRfdEIが得られない
ばかりか、着色の原因となる。
【0027】本反応における反応圧力は特に制限はない
が、0.3MPa以上1.5MPa以下が好ましい。
0.3MPa以下では、吸収速度が遅く反応時間が長く
なる。一方1.5MPaを越えると加圧容器に掛かる設
備費が増大し、好ましくない。
【0028】撹拌速度は加圧容器の大きさや形状に応じ
て異なるが、撹拌が十分にできる速度を選択すればよ
い。
【0029】本発明方法における反応時間は1時間から
8時間で行ない、RfdIの転化率を100%にする。
反応時間が短すぎると、未反応の原料が残るとか、エチ
レンが片方に入った副生成物が生成する。また、反応時
間が長すぎると触媒が失活したり、エチレンが片側に2
個以上挿入された副生物が副生成する。
【0030】本発明によれば、本反応終了後、加圧容器
を冷却し、未反応のエチレンを不活性ガスでパージす
る。しかる後に加圧容器から所望の高純度RfdEIを
得る。
【0031】一方、第2工程の反応は、例えば撹拌機、
温度計、冷却器および滴下装置を備えた反応容器を用い
て行う。まず反応容器にメタノールを仕込む。その後、
前工程で得られた高純度RfdEIを、溶融したままメ
タノール中に導き、微細な結晶として晶析分散させ攪拌
する。この際、空気に曝されると着色の原因になるの
で、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気で実施するの
が望ましい。そこにメタノールに溶解した水酸化カリウ
ムを滴下して反応を行なう。本発明における反応雰囲気
は特に限定されないが、窒素、アルゴンなどの不活性ガ
ス雰囲気で実施するのが望ましい。
【0032】本発明方法において、分散剤および除熱剤
として使用するメタノールの量は原料の高純度RfdE
Iに対して1倍量(重量)以上10倍量(重量)以下で
あり、好ましくは1倍量(重量)以上5倍量(重量)で
ある。1倍量(重量)以下では除熱するのが難しく、収
率が低下するので好ましくない。一方10倍量(重量)
を越えると反応器が大きくなり経済性が失われ工業的に
好ましくない。
【0033】本発明方法における反応温度は20℃以上
50℃以下であり、好ましくは20℃以上40℃以下で
ある。反応温度が20℃未満では反応の進行が遅くな
る。一方40℃を越えると不純物が生成し、RfdVの
選択率が低下するため実用的ではなくなる。
【0034】本発明方法において、原料の水酸化カリウ
ムはメタノールに溶解させ撹拌下に逐次添加し反応させ
る。添加する速度は反応温度が20℃以上50℃以下に
なるように行なえばよい。添加する水酸化カリウムのモ
ル比は、高純度RfdEIに対して2.1以上4.0以
下、好ましくは2.5以上3.0以下である。2.0未
満では必要量以下となり収率が著しく低下する。一方
4.0を越えると水酸化カリウムが必要以上となり、経
済性が損なわれる。
【0035】撹拌速度は加圧容器の大きさや形状に応じ
て異なるが、撹拌が十分にできる速度を選択すればよ
い。
【0036】本発明によれば本反応終了後、反応液に水
を加え、撹拌、静置すると下層の粗RfdV相と上層の
メタノール−水溶液相の2層に分離できる。この時使用
する水の量はメタノールに対し0.5倍量以上10倍量
以下であり、好ましくは1倍量以上5倍量以下である。
水量が0.5倍量未満ではメタノールを十分に抽出でき
ない。一方10倍量を越えるとメタノールを回収する水
量が多くなり経済性が損なわれる。得られた粗RfdV
は、硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧蒸留により着色
のない高純度RfdVを得ることができる。
【0037】
【実施例】以下、本発明を具体的に実施例にて説明する
が、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものでな
い。
【0038】実施例1 撹拌機および温度計を備えた5L加圧容器に、2000
g(4.41モル)のC4dI(純度99.5%)と2
0.0g(0.13モル)のDTBP(純度99.3
%)を仕込んだ。次に加圧容器を閉じ、空隙の空気を窒
素で十分に置換した。その後800rpmで撹拌しなが
ら115℃まで昇温した。そこへ反応温度を115℃か
ら125℃に保ちながらエチレンを徐々にフィードし
た。発熱がおさまった後徐々に圧力を上げ、1.2MP
aに保ち、1時間熟成を行なった。熟成終了後、加圧容
器を室温まで冷却し、未反応のエチレンを窒素置換し高
純度C4dEI 2244g得た。ガスクロマトグラフ
による反応率は100%、選択率は99.9%であっ
た。
【0039】実施例2 撹拌機、温度計、冷却器および滴下装置を備えた5L四
口フラスコに、実施例1で得られた高純度C4dEI5
00g(0.98モル)を溶融したまま600g(1
8.8モル)のメタノールに分注し、分散晶析させ、窒
素雰囲気下に、800rpmで撹拌しながら溶液の温度
を25℃まで冷却した。そこへ反応温度を30℃から4
0℃に保ちながら、メタノール600g(18.8モ
ル)に170g(3.03モル)の水酸化カリウムを溶
解したメタノール溶液を滴下した。滴下終了後5時間熟
成を行なった。熟成終了後、2Lの水を加え、30分撹
拌した後、30分間静置し2層分離させた。下層の粗C
4dV相を取り出し、硫酸ナトリウムで乾燥させたとこ
ろ247gのC4dVを得た。ガスクロマトグラフによ
る反応率は100%、選択率は99.6%であった。こ
れを減圧で蒸留し、着色のない純度99.8%のC4d
V 235.7gを得た。色相(APHA)は#5以下
で、着色はなかった。
【0040】実施例3 実施例1と同一の容器に、1900g(3.43モル)
のC6dI(純度99.3%)と20.0g(0.14
モル)のDTBPをとり、実施例1と同一の反応条件下
で反応を行なった。その結果、高純度のC6dEIを2
074g得た。ガスクロマトグラフによる反応率は10
0%、選択率は99.9%であった。
【0041】実施例4 実施例2と同一の容器に、実施例3で得られた高純度C
6dEI500g(0.82モル)を溶融したまま60
0g(18.8モル)のメタノールに分注し、分散晶析
させ、窒素雰囲気下に、800rpmで撹拌しながら溶
液の温度を25℃まで冷却した。ここへ反応温度を30
℃から40℃に保ちながら、メタノール600g(1
8.8モル)に140g(3.03モル)の水酸化カリ
ウムを溶解したメタノール溶液を滴下した。滴下終了後
6時間熟成を行なった。熟成終了後、実施例2と全く同
様の操作を行ない、291gのC6dVを得た。ガスク
ロマトグラフによる反応率は100%、選択率は99.
7%であった。これを減圧で蒸留し、着色のない純度9
9.9%のC6dVを267.1g得た。色相(APH
A)は#5以下で、着色はなかった。
【0042】比較例1 実施例1のDTBPの代わりに32.2g(0.14モ
ル)の2,2’ −アゾビスメチルイソイブチレートを
用いた以外は、実施例1と同一の反応条件下で反応を行
った。その結果、C4dEIを233g得た。ガスクロ
マトグラフによる反応率は23.0%、選択率は10.
4%であった。
【0043】比較例2 実施例1のDTBPの代わりに33.9g(0.14モ
ル)のベンゾイルパーオキサイドを用いた以外は、実施
例1と同一の反応条件下で反応を行った。その結果、C
4dEIを1034g得た。ガスクロマトグラフによる
反応率は60.5%、選択率は46.0%であった。
【0044】比較例3 反応温度135℃で、実施例3と同一の反応条件下で反
応を行なった。その結果、C6dEIを1704g得
た。ガスクロマトグラフによる反応率は89.6%、選
択率は91.0%であった。また、さらにエチレンが1
個挿入されたものが7.5%生成していた。
【0045】比較例4 反応温度を80℃に保った以外は、実施例3と同一の反
応条件下で反応を行なったが、全く反応せず、C6dE
Iは得られなかった。
【0046】比較例5 比較例3で得られた低純度のC6dEI500g(0.
82モル)を実施例4と同一の条件下で反応を行なっ
た。その結果、C6dV 268.3gを得た。ガスク
ロマトグラフによる反応率は100%、選択率は96.
3%であった。これを減圧で蒸留し、純度97.9%の
C6dVを253.3g得たが、色相(APHA)は#
50以下で、着色していた。
【0047】比較例6 実施例2と同一の容器に、実施例3で得られた高純度C
6dEI500g(0.82モル)を冷却し固体のまま
600g(18.8モル)のメタノールに投入した後、
実施例2と全く同様の操作を行なった。その結果、28
6gのC6dVを得た。ガスクロマトグラフによる反応
率は98.3%、選択率は97.1%であった。これを
減圧で蒸留し、純度98.9%のC6dVを266.1
g得たが、色相(APHA)は#30以下で、着色して
いた。
【0048】
【発明の効果】本発明により、RfdVの製造法におい
て、高収率で目的とする生成物を得るのみならず、従来
技術では不可能であった高純度な着色のない生成物を得
ることが可能となり、光学用原料として利用することが
可能となった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) I(Cn2n)I (1) (式中、nは4ないし10の整数を表す)で示されるパ
    ーフルオロアルキレンジアイオダイドとエチレンを反応
    させ、一般式(2) ICH2CH2(Cn2n)CH2CH2I (2) (式中、nは前記定義に同じ)で表されるパーフルオロ
    アルキル−ジ(エチルアイオダイド)を製造する方法に
    おいて、反応温度90℃以上130℃以下、触媒として
    ジ−tert−ブチルパーオキサイドを用いることを特
    徴とする高純度パーフルオロアルキル−ジ(エチルアイ
    オダイド)の製造方法。
  2. 【請求項2】 触媒として用いるジ−tert−ブチル
    パーオキサイドの量がパーフルオロアルキレンジアイオ
    ダイドに対して2.5mol%以上15mol%以下で
    ある請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 無溶媒下反応させることを特徴とする請
    求項1または2記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 パーフルオロアルキル−ジ(エチルアイ
    オダイド)がパーフルオロヘキシル−ジ(エチルアイオ
    ダイド)である請求項1ないし3のいずれか1項に記載
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項3のいずれか1項
    に記載の方法で製造した、前記一般式(2)で表される
    高純度パーフルオロアルキル−ジ(エチルアイオダイ
    ド)を、溶融状態でメタノール中に導き、微細な結晶と
    して晶析分散させ、次に水酸化カリウムと反応させるこ
    とを特徴とする、着色のない一般式(3) CH2=CH(Cn2n)CH=CH2 (3) (式中、nは前記定義に同じ)で表されるパーフルオロ
    アルキルジエチレンの製造方法。
  6. 【請求項6】 パーフルオロアルキルジエチレンが、パ
    ーフルオロヘキシルジエチレンである請求項5に記載の
    製造方法。
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