JPWO2011145354A1 - 2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートの精製方法 - Google Patents

2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートの精製方法 Download PDF

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Abstract

2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートに、重合禁止剤を入れて蒸留し、前記蒸留した2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートに、アルコール系溶媒を添加して晶析する、2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートの精製方法。

Description

本発明は、2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートの精製方法に関する。
2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートは特にArF用半導体用フォトレジスト向けのモノマーとして有用な基材で、半導体加工の微細化に伴い、より高純度のものが要望されている。アルキル基が炭素数1〜3のものは蒸留精製できることから金属分の除去を目的として蒸留精製が行なわれている。これらは重合性の物質であることから、単蒸留又は薄膜蒸留が採用される。しかしながら、レジスト向けの高純度モノマーとして、重合性不純物のみならず非重合性不純物や重質成分が少ないことがさらに要求されている。
特許文献1では、2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートを蒸留して精製しているが、蒸留だけでは沸点の近い成分を除去できず、高純度とすることが困難である。
特許文献2は、アルキルアダマンチル(メタ)アクリレートの蒸留を2回行なうことにより高純度品を得る製造方法を開示するが、蒸留操作を2度行なうことから、高温にさらされて重質分が多く生成する危険性が大きい。
特許文献3は、加熱温度、時間を調整して薄膜蒸留を実施する方法を開示している。
特許文献4は、複素環化合物、塩基性化合物の存在下で蒸留を行い、高純度品を得る方法を開示している。複素環化合物や塩基性化合物が混入する恐れがある。
特許文献5は、分解抑制剤及び重合抑制剤として2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン等を添加させて精製する。
特開2003−55301号公報 特開2008−297242号公報 特開2002−3448号公報 特開2001−328967号公報 特開2005−120018号公報
本発明の目的は、不純物が少ない2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートの精製方法を提供することである。
本発明によれば、以下の精製方法が提供される。
1.2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートに、重合禁止剤を入れて蒸留し、
前記蒸留した2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートに、アルコール系溶媒を添加して晶析する、
2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートの精製方法。
2.前記2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートのアルキルの炭素数が1〜3である1記載の精製方法。
3.前記重合禁止剤がメトキノンである1又は2記載の精製方法。
4.前記アルコール系溶媒がメタノール、エタノール、n−プロパノール又はイソプロパノールである1〜3のいずれか記載の精製方法。
本発明によれば、不純物が少ない2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートの精製方法が提供できる。
本発明の2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートの精製方法は、以下の2工程を行う。
1)2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートに重合禁止剤を入れて蒸留する(蒸留工程)。
2)蒸留した2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートに、アルコール系溶媒を添加して晶析する(晶析工程)。
蒸留工程に重合禁止剤を加えることにより、不純物である重合体の生成を抑制できる。重合禁止剤は、晶析工程で除去できる。従って、蒸留工程において使用できる重合禁止剤の種類、量や運転条件の選択幅が広くなる。
晶析で製品を仕上げるため、最終製品の熱履歴を緩和することができ、重質分等不純物の副生を抑えることができる。また、晶析を行うことにより、沸点の近い不純物の除去が可能となり純度を高めることができる。
熱履歴の緩和の観点から、蒸留は、好ましくは1回である。本発明では、晶析と組み合わせることにより1回の蒸留でも高純度の製品が得られる。蒸留は単蒸留又は薄膜蒸留でもよいが、単蒸留が好ましい。
本発明の方法では、融点が常温以上の化合物は結晶粉末として容易に取り扱うことができる。これにより製品モノマーを使用する際の加熱溶融等の操作が不要になり、モノマー品質の維持や取り扱い作業の簡略化が実現できる。
2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートは、以下の式(10)で表わされる。
Figure 2011145354
式中、R11はアルキル基である。R12は水素原子又はメチル基である。
2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートは、例えば以下の方法により製造できる。
式(1)で示される金属2−アルキル−2−アダマンチルアルコラートと、(メタ)アクリル酸又はその誘導体であるエステル化剤を反応させる。
Figure 2011145354
11はアルキル基である。メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等の炭素数1〜3のアルキル基は、半導体用レジスト材料の原料としての有用性が高い。
MはLi原子又は−MgXを表す。Xはハロゲン原子を表し、金属化合物の入手の容易さから塩素原子又は臭素原子が好ましく、反応性の観点から臭素原子が最も好ましい。
式(1)の金属化合物のうち、ハロゲン化マグネシウム2−アルキル−2−アダマンチルアルコラートの具体例としては、塩化マグネシウム2−メチル−2−アダマンチルアルコラート、臭化マグネシウム2−メチル−2−アダマンチルアルコラート、塩化マグネシウム2−エチル−2−アダマンチルアルコラート、臭化マグネシウム2−エチル−2−アダマンチルアルコラート等が挙げられ、製造のし易さの観点から、臭化マグネシウム2−メチル−2−アダマンチルアルコラートが好ましい。
ハロゲン化マグネシウム2−アルキル−2−アダマンチルアルコラートは、2−アダマンタノンとグリニアール試薬から簡単に製造できる。
式(1)で示される金属化合物のうち、リチウム2−アルキル−2−アダマンチルアルコラートは、2−アダマンタノンとアルキルリチウムから公知の方法で製造できる。
例えば、2−アダマンタノン及びハロゲン化アルキルを含有する溶液又は懸濁液(以下、有機原料液ともいう。)と金属リチウムを混合して直接反応させて得られる。
ハロゲン化アルキルは、特に限定されず、アルキルブロマイド、アルキルアイオダイド、アルキルクロライド等が使用できる。原料の入手が容易なことから、炭素数1〜6のアルキル基を有するアルキルクロライド又はアルキルブロマイドが好ましい。具体的には、2−塩化プロパン、塩化ブチル、塩化ペンチル、塩化ヘキシル、臭化メチル、臭化エチル、臭化ブチル、よう化メチル、よう化エチル等が例示できる。
ハロゲン化アルキルの使用量は、2−アダマンタノンの転化率の高さの点を考慮すると、モル比で2−アダマンタノン:ハロゲン化アルキル=1:1〜1:2が望ましい。
上記2−アダマンタノン及びハロゲン化アルキルを溶解又は分散させる溶媒又は分散媒としては、金属リチウム、アルキルリチウム及びリチウムアルコキシドに対して安定な有機溶媒が使用できる。このような有機溶媒としては、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、ヘキサン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素系溶媒、及びこれらの混合溶媒等が挙げられる。
尚、後述するエステル化反応を引続き行う場合には、上記反応終了後の反応液中に金属リチウムが殆ど残らないようにすることが好ましい。このため金属リチウムの添加量は2−アダマンタノン1モルに対して3モル以下、特に1.5〜2.5モルとすることが好ましい。
上記アルキル化反応の反応時間は、金属リチウムの添加速度や、反応熱の除去効率等によって異なるが、通常0.5時間〜48時間である。また、金属リチウムの失活を防ぐため、アルゴン等の不活性雰囲気下で反応を行うことが望ましい。
エステル化剤として、(メタ)アクリル酸ハライド、下記式(4)で示される(メタ)アクリル酸無水物、又は下記式(5)で示されるα,β位に二重結合を有する炭素数2〜8のアルコール又はフェノール類と、(メタ)アクリル酸とのエステル化合物を用いることができる。
Figure 2011145354
式(4)、(5)中、R20は水素原子又はメチル基を表す。R30、R40及びR50は水素原子、アルキル基又は置換基を有してもよいアリール基を表し、R30とR40又はR40とR50が互いに繋がって環状となってもよい。R30、R40、R50の炭素数の合計は0〜6である。
式(5)で表される化合物としては、(メタ)アクリル酸ビニル、(メタ)アクリル酸イソプロペニル、(メタ)アクリル酸1−シクロヘキセニル、(メタ)アクリル酸2,6−ジメチル−1−シクロヘキセニル、(メタ)アクリル酸1−フェニルエテニル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸4−ニトロフェニル等を例示できる。
上記式(1)の金属化合物と上記のエステル化剤を反応させて、式(10)の2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートを製造できる。この反応は上記化合物を混合することにより行う。反応溶媒の使用により作業性が向上し、さらに反応温度の制御が容易になる。
反応に用いる溶媒としては、金属化合物及びエステル化剤と反応を起さないものであれば任意の溶媒を利用できる。具体的には、エチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン等のエーテル系溶媒、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒、ジクロロメタン等のハロゲン系溶媒等を例示できる。
溶媒中の金属化合物の濃度は、0.01〜10mol/lが好ましい。
反応に使用するエステル化剤の量は、金属化合物1モルに対し、0.9〜1.3モルが好ましい。
金属化合物溶液にエステル化剤又はその溶液を加える場合、反応温度を制御しながら、比較的時間をかけて、少量ずつ、連続的又は間欠的に金属化合物溶液を滴下することが好ましい。
反応時間は滴下時間の長短によっても異なるが、通常滴下終了後0.5〜6時間とすることが好ましい。エステル化反応温度は、−20〜100℃が好ましい。エステル化剤や金属化合物の失活を防ぐ観点から、反応は窒素やアルゴンのような不活性雰囲気下で行うことが望ましい。
さらに、エステル化反応の際に反応系に3級アミン化合物を加えることにより、より高い転化率でエステル化合物を得ることができる。3級アミン化合物は、特に限定されないが、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N−メチルピベリジン、N−メチルモルホリン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,7−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−6−エン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン等の環状、又は非環状の脂肪族3級アミンや、ジメチルアニリン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン等の芳香族3級アミンを用いることができる。3級アミン化合物の添加量は、金属2−アルキル−2−アダマンチルアルコラートに対して通常0.01当量〜0.5当量で十分である。
本発明の精製方法では、粗2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートに重合禁止剤を加え、蒸留する。重合禁止剤としては、例えばメトキノン、ヒドロキノン、フェノチアジン、メトキシフェノチアジンが挙げられる。重合禁止剤の添加量は粗2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートに対して例えば、10〜10000wtppmである。
アダマンタン系化合物は、昇華性物質として知られている。また、アルキルアダマンチル(メタ)アクリレートは、重合性官能基を有し、熱的に不安定な化合物でもある。従って、蒸留精製工程における蒸留操作は減圧下にできるだけ低温で行うのが好ましい。
蒸留操作を減圧下で行う際の真空度は、通常は2kPa以下、好ましくは1kPa以下、さらに好ましくは100Pa以下である。また、下限は低すぎなければ特に問題はないが、通常は蒸留設備の気密性や真空ポンプの性能のため限界がある。真空度は、好ましくは、蒸留温度が以下の範囲内になるように制御することが好ましい。
蒸留温度は、通常は170℃以下、好ましくは150℃以下であり、特に130℃以下が好ましい。下限は通常20℃以上である。この温度が高すぎると、目的物の安定性に問題が発生する可能性がある。また、低すぎるとコンデンサーの温度設定を非常に低温にする必要があり、工業的に有利な操作にならない。
コンデンサーの冷却温度は任意に選択することができるが、通常は40℃以下、好ましくは30℃以下である。冷却温度の下限は−20℃以上、好ましくは−10℃以上である。この冷却温度が高すぎると、留出液として捕集しきれずコールドトラップまで揮発する量が増加し、装置的に不利であり、低すぎると目的物の粘度が上昇するために留出液が流れないといったトラブルを生じる傾向がある。
蒸留操作は、バッチ蒸留でも、連続蒸留でも実施可能である。本発明の目的化合物は熱的に不安定な化合物であり、連続蒸留は加熱部での滞留時間が短くなる点や、生産性の面で好ましい。連続蒸留としては、フラッシュ蒸留、分子蒸留等が例示される。
工業的な装置としては、熱的に不安定な化合物の蒸留に一般的に使用される薄膜蒸留装置を使用することが好ましい。
次に、蒸留した2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートにアルコール系溶媒を添加し、晶析する。
アルコール系溶剤は、上記重合禁止剤を溶解するものが好ましい。例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール又はイソプロパノールであり、メタノールが好ましい。
晶析は、アルコール系溶媒を添加した溶液を冷却して一定時間保持し、結晶を析出させて行う。晶析条件は用いる重合禁止剤、溶媒等によって異なるが、晶析の温度は例えば−20℃〜20℃である。晶析時間は例えば0.5〜24時間である。
晶析後の液部を例えばデカンテーションにより抜き出して、晶析を複数回行ってもよい。また、溶液に少量の種晶を加えて晶析を行ってもよい。晶析は1回又は2回以上実施してもよい。
合成例1
窒素雰囲気下で2−アダマンタノン150g(1.0mol)にテトラヒドロフラン(THF)450gを加えて溶解した。ここに、メチルマグネシウムブロマイドのTHF溶液(1.0mol/l)1100ml(1.1mol)を反応液温度が40℃を超えないように滴下した。滴下終了後1時間攪拌し、臭化マグネシウム2−メチル−2−アダマンチルアルコラートのTHF溶液を得た。これにメタクリル酸クロライド125g(0.24mol)を反応液温度が40℃を超えないように滴下した。滴下終了後、4時間室温で攪拌した。次に、液温度を10℃以下に保ちながらメタノール50gと10%水酸化ナトリウム水溶液80gを加えて1時間攪拌し、その後有機層を分離した。有機層をさらに10%水酸化ナトリウム水溶液で洗浄した後、溶媒を減圧留去し、粗2−メチル−2−アダマンチルメタクリレートを115g得た(粗収率49%)(粗体モノマーA)。
実施例1
合成例1で得た粗2−メチル−2−アダマンチルメタクリレートに重合禁止剤としてメトキノンを0.2%添加して、0.3mmHgの減圧下、85℃〜90℃で単蒸留し、蒸留精製2−メチル−2−アダマンチルメタクリレート101g(回収率88%)(GC(ガスクロマトグラフィー)純度99.0%)を得た。
上記の蒸留精製した2−メチル−2−アダマンチルメタクリレート200gに、メタノール200gを加えて溶液とした後、−10℃に冷却して、少量の種晶を加えて−10℃で2時間保持して晶析を行なった。デカンテーションして液部200gを抜き出し、これにメタノール200gを加えて20℃で溶解した後、−10℃に冷却して、少量の種晶を加えて−10℃で2時間保持して2度目の晶析を行なった。液部を抜き出した後、結晶を室温に戻して溶解させて、乾燥空気をキャピラリーよりバブリングしながら20℃で減圧濃縮を行ない、高純度2−メチル−2−アダマンチルメタクリレート134.0g(GC純度99.9%、回収率67%)を得た(精製モノマーA)。この高純度2−メチル−2−アダマンチルメタクリレートは融点12.6〜13.1℃(示差走査熱量測定(DSC))であった。
合成例2
窒素雰囲気下でTHF200ml中にLi3.05g(0.44mol)を加え、1時間攪拌した。この中に、2−アダマンタノン30g(0.2mol)、2−クロロプロパン25.8g(0.33mol)をTHF100mlに溶解した液を、20℃以下を保つように冷却しながら30分かけて滴下した。滴下後、20℃で90分間攪拌して、リチウム2−イソプロピル−2−アダマンチルアルコラートのTHF溶液を得た。これに無水メタクリル酸36.2g(0.24mol)を、20℃以下を保つように冷却しながら15分かけて滴下し、滴下後20℃で60分攪拌を行い、2−イソプロピル−2−アダマンチルメタクリレートを合成した。反応後、ジエチルエーテル400mlを添加後、0.2N NaOH200mlを加えて20℃で60分攪拌し、水相を除去した後、純水200mlで2回洗浄を行なった。これを25℃で溶媒を減圧留去し、粗体2−イソプロピル−2−アダマンチルメタクリレートを52.7g(粗収率101%,GC純度83.0%,GPC純度83.0%)を得た(粗体モノマーD)。
実施例2
合成例2で得た粗2−イソプロピル−2−アダマンチルメタクリレートに重合禁止剤としてメトキノン0.07gを添加し、乾燥空気をキャピラリよりバブリングしながら0.1kPa,100〜120℃で単蒸留し、蒸留精製2−イソプロピル−2−アダマンチルメタクリレートを36.9g(0.14mol、GC純度86.9%、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)純度97.1%、メトキノン含有量0.2%)を得た。
上記の蒸留精製した2−イソプロピル−2−アダマンチルメタクリレート36.9gに、メタノール79mlを加えて溶解した後0℃に冷却して、少量の種晶を加えて0℃で12時間保持して晶析を行った。これをろ過、回収して25℃で減圧乾燥し、高純度2−イソプロピル−2−アダマンチルメタクリレート32.1g(0.12mol、晶析回収率87%、GC純度99.5%、GPC純度99.9%)を得た(精製モノマーD)。合成例2も含めたトータル収率は61%であった。この高純度2−イソプロピル−2−アダマンチルメタクリレートは融点37.7〜40.6℃(DSC)であった。
参考例1
メチルイソブチルケトンに、2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル/合成例1の粗体モノマーA/モノマーB/モノマーCを重量比0.1/1.0/1.0/1.0で仕込み、加熱還流下、2時間撹拌した。その後、反応液を大量のメタノールと水の混合溶媒に注いで沈殿させる動作を3回行い精製した。その結果、粗体モノマーA:モノマーB:モノマーCの共重合組成(mol)=23:44:33,重量平均分子量(Mw)が8800,分散度(Mw/Mn)2.47の共重合体P1を得た。結果を表1に示す。
Figure 2011145354
参考例2
参考例1において、粗体モノマーAを実施例1の精製モノマーAに変更した以外は同様に反応を行った。その結果、精製モノマーA:モノマーB:モノマーCの共重合組成(mol)=25:46:29,重量平均分子量(Mw)が7900,分散度(Mw/Mn)2.41の共重合体P2を得た。結果を表1に示す。
参考例3
参考例1において、粗体モノマーAを合成例2で合成した粗体モノマーDに変更した以外は同様に反応を行った。その結果、合成例2の粗体モノマーD:モノマーB:モノマーCの共重合組成(mol)=20:47:33,重量平均分子量(Mw)が8600,分散度(Mw/Mn)2.51の共重合体P3を得た。結果を表1に示す。
Figure 2011145354
参考例4
参考例1において、粗体モノマーAを実施例2の精製モノマーDに変更した以外は同様に反応を行った。その結果、精製モノマーD:モノマーB:モノマーCの共重合組成(mol)=21:46:33、重量平均分子量(Mw)が7800、分散度(Mw/Mn)2.45の共重合体P4を得た。結果を表1に示す。
Figure 2011145354
評価例1
上記の共重合体(P1)に対し、光酸発生剤としてトリフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート 5wt%加え、これらが10wt%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで溶解し、レジスト組成物R1を調製した。シリコンウエハー上に、調製したレジスト組成物を塗布し、110℃で、60秒間ベークを行い、レジスト膜を形成した。同様の方法で、共重合体(P2)からレジスト組成物R2を、共重合体(P3)からレジスト組成物R3を、共重合体(P4)からレジスト組成物R4を調製し、それぞれのレジスト膜を形成した。
これらのレジスト膜を、それぞれ、HMDS(ヘキサメチルジシラザン)処理を施したシリコンウェハ上にスピンコートし、100℃で180秒加熱することにより薄膜を形成させた。次いで、この薄膜を有する基板に対して電子線描画装置(加速電圧50kV)を用いて描画し、100℃で60秒ベークした後、濃度が2.38重量%のテトラブチルアンモニウム水溶液で60秒間現像処理し、純水にて60秒洗浄し、その後、窒素気流により乾燥することにより、いずれも100nmのラインアンドスペースパターンを作製した。得られたそれぞれのパターンを走査型電子顕微鏡にて観察したところ、レジスト組成物R2,R4においては、解け残り等の欠陥が一切観測できなかったが、レジスト組成物R1,R3においては、解け残り等の欠陥が観測された。
本発明の方法によって得られた2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートは、半導体用フォトレジスト、光半導体用封止剤、光学電子部材(光導波路、光通信用レンズ及び光学フィルム等)及びこれらの接着剤として使用できる。
上記に本発明の実施形態及び/又は実施例を幾つか詳細に説明したが、当業者は、本発明の新規な教示及び効果から実質的に離れることなく、これら例示である実施形態及び/又は実施例に多くの変更を加えることが容易である。従って、これらの多くの変更は本発明の範囲に含まれる。
この明細書に記載の文献の内容を全てここに援用する。

Claims (4)

  1. 2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートに、重合禁止剤を入れて蒸留し、
    前記蒸留した2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートに、アルコール系溶媒を添加して晶析する、
    2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートの精製方法。
  2. 前記2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートのアルキルの炭素数が1〜3である請求項1記載の精製方法。
  3. 前記重合禁止剤がメトキノンである請求項1又は2記載の精製方法。
  4. 前記アルコール系溶媒がメタノール、エタノール、n−プロパノール又はイソプロパノールである請求項1〜3のいずれか記載の精製方法。
JP2012515765A 2010-05-21 2011-05-20 2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートの精製方法 Pending JPWO2011145354A1 (ja)

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