JPWO2011145354A1 - 2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートの精製方法 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献2は、アルキルアダマンチル(メタ)アクリレートの蒸留を2回行なうことにより高純度品を得る製造方法を開示するが、蒸留操作を2度行なうことから、高温にさらされて重質分が多く生成する危険性が大きい。
特許文献4は、複素環化合物、塩基性化合物の存在下で蒸留を行い、高純度品を得る方法を開示している。複素環化合物や塩基性化合物が混入する恐れがある。
特許文献5は、分解抑制剤及び重合抑制剤として2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン等を添加させて精製する。
1.2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートに、重合禁止剤を入れて蒸留し、
前記蒸留した2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートに、アルコール系溶媒を添加して晶析する、
2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートの精製方法。
2.前記2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートのアルキルの炭素数が1〜3である1記載の精製方法。
3.前記重合禁止剤がメトキノンである1又は2記載の精製方法。
4.前記アルコール系溶媒がメタノール、エタノール、n−プロパノール又はイソプロパノールである1〜3のいずれか記載の精製方法。
1)2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートに重合禁止剤を入れて蒸留する(蒸留工程)。
2)蒸留した2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートに、アルコール系溶媒を添加して晶析する(晶析工程)。
晶析で製品を仕上げるため、最終製品の熱履歴を緩和することができ、重質分等不純物の副生を抑えることができる。また、晶析を行うことにより、沸点の近い不純物の除去が可能となり純度を高めることができる。
熱履歴の緩和の観点から、蒸留は、好ましくは1回である。本発明では、晶析と組み合わせることにより1回の蒸留でも高純度の製品が得られる。蒸留は単蒸留又は薄膜蒸留でもよいが、単蒸留が好ましい。
式(1)で示される金属2−アルキル−2−アダマンチルアルコラートと、(メタ)アクリル酸又はその誘導体であるエステル化剤を反応させる。
ハロゲン化アルキルの使用量は、2−アダマンタノンの転化率の高さの点を考慮すると、モル比で2−アダマンタノン:ハロゲン化アルキル=1:1〜1:2が望ましい。
溶媒中の金属化合物の濃度は、0.01〜10mol/lが好ましい。
反応に使用するエステル化剤の量は、金属化合物1モルに対し、0.9〜1.3モルが好ましい。
蒸留操作を減圧下で行う際の真空度は、通常は2kPa以下、好ましくは1kPa以下、さらに好ましくは100Pa以下である。また、下限は低すぎなければ特に問題はないが、通常は蒸留設備の気密性や真空ポンプの性能のため限界がある。真空度は、好ましくは、蒸留温度が以下の範囲内になるように制御することが好ましい。
コンデンサーの冷却温度は任意に選択することができるが、通常は40℃以下、好ましくは30℃以下である。冷却温度の下限は−20℃以上、好ましくは−10℃以上である。この冷却温度が高すぎると、留出液として捕集しきれずコールドトラップまで揮発する量が増加し、装置的に不利であり、低すぎると目的物の粘度が上昇するために留出液が流れないといったトラブルを生じる傾向がある。
工業的な装置としては、熱的に不安定な化合物の蒸留に一般的に使用される薄膜蒸留装置を使用することが好ましい。
アルコール系溶剤は、上記重合禁止剤を溶解するものが好ましい。例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール又はイソプロパノールであり、メタノールが好ましい。
晶析後の液部を例えばデカンテーションにより抜き出して、晶析を複数回行ってもよい。また、溶液に少量の種晶を加えて晶析を行ってもよい。晶析は1回又は2回以上実施してもよい。
窒素雰囲気下で2−アダマンタノン150g(1.0mol)にテトラヒドロフラン(THF)450gを加えて溶解した。ここに、メチルマグネシウムブロマイドのTHF溶液(1.0mol/l)1100ml(1.1mol)を反応液温度が40℃を超えないように滴下した。滴下終了後1時間攪拌し、臭化マグネシウム2−メチル−2−アダマンチルアルコラートのTHF溶液を得た。これにメタクリル酸クロライド125g(0.24mol)を反応液温度が40℃を超えないように滴下した。滴下終了後、4時間室温で攪拌した。次に、液温度を10℃以下に保ちながらメタノール50gと10%水酸化ナトリウム水溶液80gを加えて1時間攪拌し、その後有機層を分離した。有機層をさらに10%水酸化ナトリウム水溶液で洗浄した後、溶媒を減圧留去し、粗2−メチル−2−アダマンチルメタクリレートを115g得た(粗収率49%)(粗体モノマーA)。
合成例1で得た粗2−メチル−2−アダマンチルメタクリレートに重合禁止剤としてメトキノンを0.2%添加して、0.3mmHgの減圧下、85℃〜90℃で単蒸留し、蒸留精製2−メチル−2−アダマンチルメタクリレート101g(回収率88%)(GC(ガスクロマトグラフィー)純度99.0%)を得た。
上記の蒸留精製した2−メチル−2−アダマンチルメタクリレート200gに、メタノール200gを加えて溶液とした後、−10℃に冷却して、少量の種晶を加えて−10℃で2時間保持して晶析を行なった。デカンテーションして液部200gを抜き出し、これにメタノール200gを加えて20℃で溶解した後、−10℃に冷却して、少量の種晶を加えて−10℃で2時間保持して2度目の晶析を行なった。液部を抜き出した後、結晶を室温に戻して溶解させて、乾燥空気をキャピラリーよりバブリングしながら20℃で減圧濃縮を行ない、高純度2−メチル−2−アダマンチルメタクリレート134.0g(GC純度99.9%、回収率67%)を得た(精製モノマーA)。この高純度2−メチル−2−アダマンチルメタクリレートは融点12.6〜13.1℃(示差走査熱量測定(DSC))であった。
窒素雰囲気下でTHF200ml中にLi3.05g(0.44mol)を加え、1時間攪拌した。この中に、2−アダマンタノン30g(0.2mol)、2−クロロプロパン25.8g(0.33mol)をTHF100mlに溶解した液を、20℃以下を保つように冷却しながら30分かけて滴下した。滴下後、20℃で90分間攪拌して、リチウム2−イソプロピル−2−アダマンチルアルコラートのTHF溶液を得た。これに無水メタクリル酸36.2g(0.24mol)を、20℃以下を保つように冷却しながら15分かけて滴下し、滴下後20℃で60分攪拌を行い、2−イソプロピル−2−アダマンチルメタクリレートを合成した。反応後、ジエチルエーテル400mlを添加後、0.2N NaOH200mlを加えて20℃で60分攪拌し、水相を除去した後、純水200mlで2回洗浄を行なった。これを25℃で溶媒を減圧留去し、粗体2−イソプロピル−2−アダマンチルメタクリレートを52.7g(粗収率101%,GC純度83.0%,GPC純度83.0%)を得た(粗体モノマーD)。
合成例2で得た粗2−イソプロピル−2−アダマンチルメタクリレートに重合禁止剤としてメトキノン0.07gを添加し、乾燥空気をキャピラリよりバブリングしながら0.1kPa,100〜120℃で単蒸留し、蒸留精製2−イソプロピル−2−アダマンチルメタクリレートを36.9g(0.14mol、GC純度86.9%、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)純度97.1%、メトキノン含有量0.2%)を得た。
メチルイソブチルケトンに、2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル/合成例1の粗体モノマーA/モノマーB/モノマーCを重量比0.1/1.0/1.0/1.0で仕込み、加熱還流下、2時間撹拌した。その後、反応液を大量のメタノールと水の混合溶媒に注いで沈殿させる動作を3回行い精製した。その結果、粗体モノマーA:モノマーB:モノマーCの共重合組成(mol)=23:44:33,重量平均分子量(Mw)が8800,分散度(Mw/Mn)2.47の共重合体P1を得た。結果を表1に示す。
参考例1において、粗体モノマーAを実施例1の精製モノマーAに変更した以外は同様に反応を行った。その結果、精製モノマーA:モノマーB:モノマーCの共重合組成(mol)=25:46:29,重量平均分子量(Mw)が7900,分散度(Mw/Mn)2.41の共重合体P2を得た。結果を表1に示す。
参考例1において、粗体モノマーAを合成例2で合成した粗体モノマーDに変更した以外は同様に反応を行った。その結果、合成例2の粗体モノマーD:モノマーB:モノマーCの共重合組成(mol)=20:47:33,重量平均分子量(Mw)が8600,分散度(Mw/Mn)2.51の共重合体P3を得た。結果を表1に示す。
参考例1において、粗体モノマーAを実施例2の精製モノマーDに変更した以外は同様に反応を行った。その結果、精製モノマーD:モノマーB:モノマーCの共重合組成(mol)=21:46:33、重量平均分子量(Mw)が7800、分散度(Mw/Mn)2.45の共重合体P4を得た。結果を表1に示す。
上記の共重合体(P1)に対し、光酸発生剤としてトリフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート 5wt%加え、これらが10wt%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで溶解し、レジスト組成物R1を調製した。シリコンウエハー上に、調製したレジスト組成物を塗布し、110℃で、60秒間ベークを行い、レジスト膜を形成した。同様の方法で、共重合体(P2)からレジスト組成物R2を、共重合体(P3)からレジスト組成物R3を、共重合体(P4)からレジスト組成物R4を調製し、それぞれのレジスト膜を形成した。
この明細書に記載の文献の内容を全てここに援用する。
Claims (4)
- 2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートに、重合禁止剤を入れて蒸留し、
前記蒸留した2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートに、アルコール系溶媒を添加して晶析する、
2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートの精製方法。 - 前記2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートのアルキルの炭素数が1〜3である請求項1記載の精製方法。
- 前記重合禁止剤がメトキノンである請求項1又は2記載の精製方法。
- 前記アルコール系溶媒がメタノール、エタノール、n−プロパノール又はイソプロパノールである請求項1〜3のいずれか記載の精製方法。
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