JP2002144186A - 自動加工機械、および、その運転方法、ならびに、自動加工機械用ロボットハンド - Google Patents

自動加工機械、および、その運転方法、ならびに、自動加工機械用ロボットハンド

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JP2002144186A
JP2002144186A JP2000340784A JP2000340784A JP2002144186A JP 2002144186 A JP2002144186 A JP 2002144186A JP 2000340784 A JP2000340784 A JP 2000340784A JP 2000340784 A JP2000340784 A JP 2000340784A JP 2002144186 A JP2002144186 A JP 2002144186A
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robot hand
magazine
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processing machine
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JP2000340784A
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English (en)
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Kuniaki Morimoto
邦明 森元
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Seiko Epson Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】加工に要するサイクルタイムを短縮することが
でき、生産性の向上が容易に図れるようになる自動加工
機械、および、その運転方法、ならびに、自動加工機械
用のロボットハンドの提供。 【解決手段】加工装置4と二つの加工テーブル70とを相
対的に移動可能に設け、一の加工テーブル70に設置され
た被加工部材2について加工装置4が加工を完了する前
に、他の加工テーブル70に設置された被加工部材2を、
別の被加工部材2に交換する交換作業を搬送装置6で行
うようにし、加工装置4による加工と、搬送装置6によ
る搬送動作とを同時に並行して行い、一つの被加工部材
2の加工に要するサイクルタイムを短縮し、生産性の向
上を図る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被加工部材の加工
を行う加工装置に対して、被加工部材の供給および除去
を自動的に行うための自動加工機械、および、その運転
方法、ならびに、自動加工機械用ロボットハンドに関す
る。
【0002】
【背景技術】従来より、腕時計には、時針が示す時刻を
表す数字が記された文字板が設けられている。このよう
な文字板としては、数字が印刷されたものの他、普及品
に比べて価格の高い中級あるいは高級腕時計の文字板と
しては、時刻を示す数字として、細長い棒状の多面体か
らなる略字が設けられたものがある。このような略字
は、文字板の所定部分をプレス加工で絞り出す一体式の
もの、および、予め製作しておいた植字を植え込む植設
式のものとが、文字板に利用されている。また、文字板
が腕時計の顔となる部分であり、また、略字が文字板を
装飾する装飾物にもなるので、略字には、意匠的に優れ
た外観を付与する必要がある。このため、多面体からな
る略字は、その各面が鏡面仕上げとなるとともに、各面
の境界線がシャープに表れる切削方法であるダイヤカッ
トが施される。
【0003】植設式の略字にダイヤカットを施すにあた
り、文字板に植え込む前に、旋盤用の治具である円筒状
のドラムに多数の植字を固定し、このドラムを旋盤にか
けて、これらの植字にまとめてダイヤカット加工を施し
ている。この際、旋盤のダイヤモンドバイトに対して所
定の角度をなすように、植字をドラムに固定して切削を
行い、ダイヤカットによるダイヤカット面を各植字に一
面ずつ形成している。そして、植字に形成すべきダイヤ
カット面の数だけ、ドラムへの固定作業および切削作業
を繰り返し行い、必要な数のダイヤカット面を形成して
いる。このような植字式の略字は、切削作業を何回も繰
り返す必要があるので、製造に手間がかかるが、文字板
に大きな凹凸を形成できるうえ、大きく豪華なダイヤカ
ット面が形成できるので、文字板に立体感や高級感を付
与でき、腕時計のうちでも、高級品に利用されている。
【0004】一体式の略字は、最初から文字板と一体化
されているので、文字板をプレス加工して略字を絞り出
した後、文字板を専用の切削装置にかけて、ダイヤカッ
ト加工を施している。ここで、切削装置に設けられたダ
イヤモンドバイトに対して角度位置が変更可能な回転テ
ーブルを当該切削装置に設け、この回転テーブルの上に
文字板を載置し、文字板の1時から12時までの複数の
略字のうち、一の略字が切削されるように、回転テーブ
ルの角度位置を合わせて当該略字の切削を行い、この
後、回転テーブルの角度位置を変更し、他の略字につい
ても順次切削を行うようにすれば、一度切削装置にセッ
トした文字板は、取り外すことなく、すべての略字にダ
イヤカットが施されるので、ダイヤカット作業の自動化
が実現できる。また、上述のような回転テーブルを備え
た切削装置を利用すれば、文字板と同程度の寸法に形成
された円盤状治具を用意し、ダイヤカットすべき複数の
植字を円盤状治具に取り付けた後、当該円盤状治具を上
述の回転テーブルにセットしてダイヤカット加工を行う
ことにより、植設式の略字でも、ダイヤカット作業の自
動化が実現できる。そして、上述のような回転テーブル
を備えた切削装置に対し、加工前の文字板が挿入される
複数のスロットが形成されたマガジンを備えるととも
に、このマガジンから文字板を取り出し、取り出した文
字板を切削装置に供給する給材装置と、複数のスロット
が形成されたマガジンを備えるとともに、加工後の文字
板を切削装置から取り除き、取り除いた文字板をマガジ
ンのスロットに挿入してストックする除材装置とを付加
すれば、多数の文字板を製作するにあたり、文字板のダ
イヤカット加工を自動的かつ連続的に行う自動加工機械
が実現できるものと考えられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
ような切削装置、給材装置および除材装置を単に組み合
わせただけでは、切削加工を切削装置が行っている間
は、被加工部材が加工中となるので、給材装置は、新た
な被加工部材を供給できないうえ、除材装置は、加工を
終えた被加工部材を切削装置から取り除くこともでき
ず、給材装置および除材装置が停止状態にとなる。この
ため、高速動作が可能な切削装置、給材装置および除材
装置を採用しても、一つの被加工部材の加工に要するサ
イクルタイムが長くなり、生産性を向上させるのが難し
いという問題がある。このような問題は、切削を行う切
削装置だけでなく、研磨加工やプレス加工等の他の加工
を行う際にも課題となることから、加工装置に係る普遍
的な問題となっている。
【0006】また、文字板のような薄板状の被加工部材
をマガジンのスロットに挿入するにあたり、切削装置か
ら取り除いてきた被加工部材をマガジンのスロットに応
じた位置に正確に停止させなければ、当該スロットに被
加工部材を挿入できないばかりか、スロットの周辺部分
に被加工部材が衝突して破損するおそれがある。このた
め、寸法精度に優れたマガジンを採用し、被加工部材を
切削装置からマガジンのスロットまで搬送するにあた
り、被加工部材の位置検出を精度良く行う必要があり、
特に、スロットの近傍では、位置検出を高精度に行う必
要があり、被加工部材を素早くスロットに挿入するのが
困難となり、この点からも、被加工部材の加工に要する
サイクルタイムが長くなり、生産性の向上が難しいとい
う問題がある。
【0007】本発明の目的は、加工に要するサイクルタ
イムを短縮することができ、生産性の向上が容易に図れ
るようになる自動加工機械、および、その運転方法、な
らびに、自動加工機械用のロボットハンドを提供するこ
とにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の第1発明は、加
工前の被加工部材を複数ストックする第1マガジンと、
前記被加工部材の加工を行う加工装置と、加工後の被加
工部材を複数ストックする第2マガジンと、前記第1マ
ガジンから前記加工装置への被加工部材の搬送および前
記加工装置から前記第2マガジンへの被加工部材の搬送
を行う搬送装置とを備えた自動加工機械であって、前記
被加工部材が設置されるとともに、その上で当該被加工
部材の加工が行われる加工テーブルが複数設けられ、前
記複数の加工テーブルのうち、一の加工テーブルに設置
された被加工部材について前記加工装置が加工を完了す
る前に、他の加工テーブルに設置された被加工部材を、
別の被加工部材に交換する交換作業を前記搬送装置で行
うために、前記加工装置と前記加工テーブルとが相対的
に移動可能に設けられていることを特徴とする。
【0009】このような本第1発明では、一の加工テー
ブルにセットされた被加工部材に対して加工装置が加工
を完了する前に、他の加工テーブルに未加工の被加工部
材をセットしておくことができるので、一の被加工部材
が完了したら、直ちに加工装置および加工テーブルを相
対移動させることで、次の被加工部材に対する加工を速
やかに開始できるようになる。そして、次の被加工部材
に対する加工を開始してから完了するまでの間に、搬送
装置で、加工済の被加工部材を加工テーブルから除去し
て第2マガジンへ搬送するとともに、第1マガジンか
ら、これから加工を行うべき別の被加工部材を空きとな
っている加工テーブルまで搬送することができる。これ
により、加工装置による加工と、搬送装置による搬送動
作とが同時に並行して行えるようになるので、加工装置
および搬送装置が停止状態にとなることがなく、一つの
被加工部材についての加工作業が連続的に行われるよう
になり、被加工部材の加工に要するサイクルタイムが短
縮され、生産性の向上が容易に図れるようになる。
【0010】以上のような自動加工機械において、相対
的に移動可能に設けられている前記加工装置および前記
加工テーブルのうち、前記加工装置が水平に移動可能と
され、前記加工テーブルが所定の平面位置に固定されて
いることが望ましい。このように加工装置を水平方向に
移動可能とすれば、加工テーブルにセットした被加工部
材は、どの平面位置に対しても加工が行えるようになる
うえ、加工テーブルを所定の平面位置に固定すれば、搬
送装置が給材および除材を行う位置が固定され、給材作
業および除材作業における搬送装置の制御が容易とな
り、給材作業および除材作業が迅速に行えるようにな
る。
【0011】また、前述の自動加工機械において、前記
第1マガジンには、当該第1マガジンから被加工部材を
取り出す取出装置が設けられ、前記第2マガジンには、
加工後の被加工部材を当該第2マガジンに格納する格納
装置が設けられ、前記取出装置と前記搬送装置との間に
は、前記第1マガジンから取り出した被加工部材が一時
的に載置される第1アイドルテーブルが設けられ、前記
格納装置と前記搬送装置との間には、前記搬送装置が搬
送してきた加工後の被加工部材が一時的に載置される第
2アイドルテーブルが設けられていることが好ましい。
【0012】このようにすれば、取出装置は、第1アイ
ドルテーブルに被加工部材を載置してしまえば、搬送装
置に被加工部材を直接渡す必要がなく、搬送装置の到着
を待つことなく次の取出作業に取りかかれるようにな
る。そして、第1アイドルテーブルに被加工部材が載置
されていれば、搬送装置は、取出装置を待つ必要がな
く、直ちに、第1アイドルテーブル上の被加工部材を加
工装置まで搬送する搬送作業を開始できる。一方、搬送
装置は、第2アイドルテーブルに被加工部材を載置して
しまえば、格納装置に被加工部材を直接渡す必要がな
く、格納装置の到着を待つことなく次の搬送作業に取り
かかれるようになる。そして、第2アイドルテーブルに
被加工部材が載置されていれば、格納装置は、搬送装置
を待つ必要がなく、直ちに、第2アイドルテーブル上の
被加工部材を第2マガジンに格納する格納作業を開始で
きる。従って、被加工部材1個当たりの取出作業時間、
搬送作業時間、および、格納作業時間を等しく設定する
ことにより、取出作業、搬送作業および格納作業が同時
に行え、取出装置、搬送装置および格納装置の無駄な待
機時間が解消され、取出装置、搬送装置および格納装置
による加工装置に対する給材作業および除材作業が迅速
に行えるようになり、ひいては、被加工部材の加工に要
するサイクルタイムが短縮され、生産性の向上が容易に
図れるようになる。
【0013】さらに、前述の自動加工機械において、前
記搬送装置は、被加工部材を把持する搬送用ロボットハ
ンドを備え、かつ、前記搬送装置には、前記搬送用ロボ
ットハンドとして、前記加工テーブルから加工後の被加
工部材を取り除く除材ハンドと、前記加工テーブルに加
工前の被加工部材を供給する給材ハンドとが近接して設
けられていることが望ましい。
【0014】このように除材ハンドおよび給材ハンドを
設ければ、給材ハンドに被加工部材を保持させたまま、
除材ハンドで被加工部材を加工テーブルから取り除くこ
とができるうえ、除材を終えた加工テーブルに対して、
直ちに、給材ハンドで被加工部材を加工テーブルに供給
できる。また、除材ハンドと給材ハンドとが近接して設
けられているので、前述の除材作業および給材作業にお
いて、除材ハンドおよび給材ハンドが移動する距離は、
最低限の距離となる。これらにより、加工テーブルから
被加工部材を取り除く除材作業および加工テーブルに被
加工部材を供給する給材作業が短時間で行うことが可能
となり、搬送装置による加工装置への給材作業および除
材作業が迅速に行える。
【0015】この際、前記被加工部材は、厚さの薄い平
板状のものとされ、前記搬送用ロボットハンドには、被
加工部材の端縁から裏側の面まで回り込むように延びる
とともに、互いに近接離隔可能に設けられた一対の支持
爪と、これらの支持爪に向かって付勢された状態で配置
されるとともに、前記支持爪との間に挟み込むことによ
り、前記被加工部材を把持する押圧部材とが設けられる
ことが好ましい。
【0016】このような搬送用ロボットハンドによれ
ば、加工テーブルおよび第1テーブル等のテーブルに載
置された被加工部材を把持するにあたり、一対の支持爪
を離隔させてから、搬送用ロボットハンドを降下させ、
押圧部材をテーブルに押し付け、この状態で、一対の支
持爪を近接させた後、搬送用ロボットハンドを上昇させ
れば、付勢された押圧部材が支持爪との間に被加工部材
を挟み込んで、当該被加工部材が押圧部材と支持爪とに
把持されるようになる。ここで、押圧部材は、付勢され
ているので、被加工部材との当接高さ位置を選ばないこ
とから、厚さが異なる複数種類の被加工部材が混在して
いても、搬送用ロボットハンドを降下させる際に、当該
搬送用ロボットハンドを被加工部材の厚さに応じた高さ
位置に停止させる必要がなく、被加工部材の厚さによら
ず、所定の高さレベルに停止させ、再度上昇させれるこ
とにより、搬送用ロボットハンドで被加工部材を把持す
ることができる。一方、把持している被加工部材をテー
ブルにセットする際には、把持するときの動作を単に逆
に行えば、送用ロボットハンドで被加工部材をテーブル
にセットすることができる。これにより、搬送用ロボッ
トハンドで給材作業および除材作業を行うにあたり、搬
送用ロボットハンドの昇降をリミットスイッチ等の簡単
な制御手段で制御することができ、搬送用ロボットハン
ドの高さ位置検出を高精度に行う必要がなく、搬送用ロ
ボットハンドの送り制御が容易となり、搬送用ロボット
ハンドによる給材作業および除材作業が迅速に行えるよ
うになる。
【0017】ここで、前記搬送装置には、前記搬送用ロ
ボットハンドを互いに直交する三方向に沿って移動させ
る搬送用移動機構が設けられ、当該ロボットハンドは、
前記搬送用移動機構に装着された連結部材を介して当該
搬送用移動機構に取り付けられ、前記連結部材は、前記
搬送用移動機構側に接合される第1接合部と、当該搬送
用ロボットハンドが接合される第2接合部とを備え、前
記第1接合部と前記第2接合部との位置関係が所定の範
囲で変位自在なフリー状態、ならびに、前記第1接合部
と前記第2接合部とが所定の位置関係に固定される固定
状態の二つの状態の一方から他方へ切換可能なコンプラ
イアンスモジュールとされ、かつ、前記搬送用ロボット
ハンドには、前記加工テーブルに形成された位置決め孔
に挿通させる位置決めピンが設けられていることが望ま
しい。
【0018】このように、その位置決めピンを加工テー
ブルの位置決め孔に挿通させることで、搬送用ロボット
ハンドの位置決めを行うようにしたので、搬送用ロボッ
トハンドの加工テーブルに対する位置決めが正確に行え
る。また、前述のようなコンプライアンスモジュールを
介して搬送用ロボットハンドを搬送用移動機構に取り付
けたので、搬送用ロボットハンドの位置決めピンと、加
工テーブルの位置決め孔との中心軸が多少ずれていて
も、搬送用ロボットハンドは、位置が変位自在となるの
で、位置決めピンの先端部分あるいは位置決め孔の開口
部分をテーパー状に形成する等により、搬送用ロボット
ハンドの位置が自動的に修正され、搬送用ロボットハン
ドの位置修正のために搬送用移動機構を駆動する必要が
なくなる。このため、搬送用ロボットハンドで加工テー
ブルへの給材を行うために、搬送用移動機構が搬送用ロ
ボットハンドを移動させるにあたり、搬送用ロボットハ
ンドの加工テーブルに対する位置ずれが許容されるの
で、搬送用ロボットハンドの平面位置検出を高精度に行
う必要がなく、搬送用ロボットハンドの送り制御が容易
となり、搬送用ロボットハンドによる給材作業が迅速に
行えるようになる。
【0019】そして、前述の自動加工機械において、前
記被加工部材は、厚さの薄い平板状のものとされ、前記
第1マガジンには、前記被加工部材が挿入される複数の
スロットが形成されるとともに、当該第1マガジンから
被加工部材を取り出す取出装置が設けられ、この取出装
置には、前記被加工部材の端縁を両側から挟む一対の挟
持指を備えた取出用ロボットハンドと、前記スロットに
挿入されている被加工部材に当接することにより、当該
被加工部材を前記一対の挟持指で挟持できる姿勢に矯正
する姿勢矯正部材とが設けられていることが望ましい。
【0020】このように、第1マガジンに被加工部材が
挿入される複数のスロットを設ければ、厚さの薄い平板
状の被加工部材を厚さ方向に複数配列できるようになる
ので、第1マガジンに多数の被加工部材が格納可能とな
る。また、前述のように、取出用ロボットハンドに被加
工部材の端縁を両側から挟む一対の挟持指を設ければ、
スロット同士の間隔を小さく設定し、被加工部材を厚さ
方向に多数配列するようにしても、被加工部材の列の両
側には、一対の挟持指が移動する空間が確保されるの
で、第1マガジンに格納された被加工部材の一つを取り
出すにあたり、挟持指を開いても、挟持指が他の被加工
部材に触れることがなく、他の被加工部材に触れて損傷
させたり、二つ被加工部材を取り出したりすることな
く、一つの被加工部材の取出作業が確実に行える。ここ
で、スロットの幅寸法に比べて、平板状の被加工部材の
厚さ寸法が小さいと、第1マガジンに格納された被加工
部材がスロットに対して斜めになり、被加工部材の両端
縁の一方が、挟持指で挟持できる範囲から外れる場合が
ある。このような場合、前述のように被加工部材に当接
する姿勢矯正部材を設ければ、取出用ロボットハンドで
被加工部材を取り出すにあたり、取出用ロボットハンド
を降下させて、挟持指を被加工部材の近傍に移動する際
に、被加工部材の厚さ方向に沿って取出用ロボットハン
ドを移動すると、被加工部材が姿勢矯正部材に押され、
被加工部材の姿勢がスロットに対して平行となり、被加
工部材の端縁が両方とも挟持指で挟持できる範囲内に入
り、挟持指により被加工部材が確実に取り出せるように
なる。
【0021】この際、前記一対の挟持指の少なくとも先
端部分には、前記被加工部材の端縁と当接する当接部が
設けられ、この当接部には、前記被加工部材の端縁に沿
って延びる断面V字形の溝が設けられていることが好ま
しい。
【0022】このようにすれば、挟持指が被加工部材を
挟持すると、断面V字形の溝に案内されて、被加工部材
が挟持指の長手方向に平行とされ、被加工部材の姿勢が
整えられるので、挟持指を第1アイドルテーブルに対し
て平行にすると、被加工部材も第1アイドルテーブルに
対して平行となり、第1アイドルテーブルに立設された
位置決め用のパイロットピンを被加工部材のパイロット
孔に挿通させる位置決め構造を採用しても、第1アイド
ルテーブルに載置する際に、被加工部材が第1アイドル
テーブルに対して傾斜することがなく、被加工部材の第
1アイドルテーブルへの載置が容易となる。
【0023】また、前記取出装置には、前記取出用ロボ
ットハンドを互いに直交する三方向に沿って移動させる
取出用移動機構が設けられ、前記取出用ロボットハンド
は、前記取出用移動機構に装着された連結部材を介して
当該取出用移動機構に取り付けられ、前記連結部材は、
前記取出用移動機構側に接合される第1接合部と、当該
取出用ロボットハンドが接合される第2接合部とを備
え、前記第1接合部と前記第2接合部との位置関係が所
定の範囲で変位自在なフリー状態、ならびに、前記第1
接合部と前記第2接合部とが所定の位置関係に固定され
る固定状態の二つの状態の一方から他方へ切換可能なコ
ンプライアンスモジュールとされていることが望まし
い。
【0024】ここで、第1マガジンのスロットの成形精
度や寸法精度が充分でなく、姿勢矯正部材に押された被
加工部材が、一対の挟持指の間から逸脱し、そのままで
は、挟持指で被加工部材を挟持できない場合がある。こ
のような場合、前述のようにコンプライアンスモジュー
ルを介して取出用ロボットハンドを取出用移動機構に装
着し、挟持指で被加工部材を挟持する際に、取出用ロボ
ットハンドを変位自在なフリー状態とすれば、被加工部
材を押圧する姿勢矯正部材の反力等により、取出用ロボ
ットハンドの位置が修正され、一対の挟持指が、その間
に被加工部材を挟んだ位置に配置され、複雑な位置検出
装置や制御手段を設けなくとも、挟持指で被加工部材の
挟持が可能となる。
【0025】そして、前述の自動加工機械において、前
記被加工部材は、厚さの薄い平板状のものとされ、前記
第2マガジンには、前記被加工部材が挿入される複数の
スロットが等間隔で形成されるとともに、当該第2マガ
ジンの前記スロットに被加工部材を挿入する格納装置が
設けられ、この格納装置には、前記被加工部材の端縁を
両側から挟む一対の挟持指を備えた格納用ロボットハン
ドと、前記被加工部材を挿入すべき目標のスロットの隣
のスロットに挿入されるとともに、前記隣のスロットと
係合して当該ロボットハンドの位置を決めるパイロット
爪とが設けられていることが好ましい。
【0026】このように、被加工部材が挿入されるスロ
ットの隣のスロットに挿入されるパイロット爪を設けれ
ば、薄い平板状の被加工部材をスロットに挿入するにあ
たり、目標のスロットの隣のスロットにパイロット爪を
挿入すると、パイロット爪は、スロットに案内されて、
格納用ロボットハンドのスロットに対する位置を正確に
決めるようになるので、スロットの幅が狭くとも、スロ
ット周囲の側壁に衝突させることなく、被加工部材をス
ロットに容易に挿入でき、しかも、被加工部材をスロッ
ト周囲の側壁に衝突させないので、薄い被加工部材の変
形を未然に防止できる。しかも、パイロット爪で正確に
位置決めが行えるので、被加工部材をスロットまで搬送
する格納用ロボットハンドを制御するにあたり、被加工
部材を挿入すべきスロットと、格納用ロボットハンドと
の位置関係を高精度に割り出す必要がなく、簡単な制御
手段で格納用ロボットハンドを制御することができ、被
加工部材の第2マガジンへの格納作業が迅速に行われる
ようになる。また、多数配列されたスロットのピッチの
精度が不十分なため、基準点から遠いスロットの位置が
ピッチから大きくずれていても、被加工部材を挿入すべ
きスロットの隣のスロットが基準となるので、被加工部
材の第2マガジンへの格納作業には何ら問題がないう
え、第2マガジン側には、位置決め用の孔等を別途設け
る必要がなく、他の用途に使用されている汎用性のある
通常のマガジンを第2マガジンとして採用することがで
きる。
【0027】この際、前記一対の挟持指の少なくとも先
端部分には、前記被加工部材の端縁と当接する当接部が
設けられ、この当接部には、前記被加工部材の端縁に沿
って延びる断面V字形の溝が設けられていることが望ま
しい。
【0028】このようにすれば、前述の取出用ロボット
ハンドと同様に、挟持指が被加工部材を挟持すると、断
面V字形の溝に案内されて、被加工部材が挟持指の長手
方向に平行とされ、被加工部材の姿勢が整えられるの
で、挟持指を第2アイドルテーブルに対して平行にする
と、被加工部材も第2アイドルテーブルに対して平行と
なり、第2アイドルテーブルに立設された位置決め用の
パイロットピンを被加工部材のパイロット孔に挿通させ
る位置決め構造を採用しても、第2アイドルテーブルに
載置する際に、被加工部材が第2アイドルテーブルに対
して傾斜することがなく、被加工部材の第2アイドルテ
ーブルへの載置が容易となる。
【0029】また、前記格納装置には、前記格納用ロボ
ットハンドを互いに直交する三方向に沿って移動させる
格納用移動機構が設けられ、前記格納用ロボットハンド
は、前記格納用移動機構に装着された連結部材を介して
当該格納用移動機構に取り付けられ、前記連結部材は、
前記格納用移動機構側に接合される第1接合部と、当該
格納用ロボットハンドが接合される第2接合部とを備
え、前記第1接合部と前記第2接合部との位置関係が所
定の範囲で変位自在なフリー状態、ならびに、前記第1
接合部と前記第2接合部とが所定の位置関係に固定され
る固定状態の二つの状態の一方から他方へ切換可能なコ
ンプライアンスモジュールとされていることが好まし
い。
【0030】このようにコンプライアンスモジュールを
介して格納用ロボットハンドを格納用移動機構に取り付
けたので、第2マガジンの被加工部材を挿入すべきスロ
ットの真上に格納用ロボットハンドが到達した後、被加
工部材を挿入するにあたり、格納用ロボットハンドのパ
イロット爪と、被加工部材を挿入すべきスロットとの位
置が多少ずれていても、格納用ロボットハンドは、位置
が変位自在となるので、パイロット爪の先端部分あるい
はスロットの開口部分をテーパー状に形成する等によ
り、格納用ロボットハンドの位置が自動的に修正され、
格納用ロボットハンドの位置修正のために格納用移動機
構を駆動する必要がなくなる。このため、格納用ロボッ
トハンドで被加工部材を第2マガジンに格納するため
に、格納用移動機構を駆動して格納用ロボットハンドを
移動させるにあたり、格納用ロボットハンドのスロット
に対する位置ずれが許容されるので、格納用ロボットハ
ンドの平面位置検出を高精度に行う必要がなく、格納用
ロボットハンドの送り制御が容易となり、格納用ロボッ
トハンドによる格納作業が迅速に行えるようになる。
【0031】以上のような自動加工機械においては、一
の加工テーブルに設置された被加工部材について前記加
工装置が加工を完了する前に、他の加工テーブルに設置
された被加工部材を別の被加工部材に交換する交換作業
を前記搬送装置で行うようにするのが望ましい。
【0032】このようにすれば、加工装置による加工
と、搬送装置による搬送動作とが同時に並行して行える
ようになるので、加工装置および搬送装置が停止状態に
となることがなく、一つの被加工部材についての加工作
業が連続的に行われるようになり、被加工部材の加工に
要するサイクルタイムが短縮され、生産性の向上が容易
に図れるようになる。
【0033】ここで、前記加工装置が一つの被加工部材
の加工に要するサイクルタイムと、前記搬送装置が被加
工部材を交換する交換作業に要するサイクルタイムとを
等しく設定することが好ましい。
【0034】このようにすれば、加工処理および搬送作
業が同時に行えるうえ、加工装置および搬送装置が待機
している待機時間が解消され、加工装置の加工処理およ
び搬送装置の搬送作業が無駄なく行われるようになり、
一つの被加工部材の加工に要するサイクルタイムが短縮
され、生産性の向上が容易に図れるようになる。
【0035】本発明の第2発明は、薄板状の被加工部材
を加工する自動加工機械に設けられるとともに、前記被
加工部材が挿入される複数のスロットを備えたマガジン
に前記被加工部材を挿入するロボットハンドであって、
前記マガジンには、前記複数のスロットが等間隔で設け
られ、当該ロボットハンドには、前記被加工部材を挿入
すべき目標のスロットの隣のスロットに挿入されるとと
もに、前記隣のスロットと係合して当該ロボットハンド
の位置を決めるパイロット爪が設けられていることを特
徴とする。
【0036】このような本第2発明では、前述したよう
に、被加工部材が挿入されるスロットの隣のスロットに
挿入されるパイロット爪により、格納用ロボットハンド
のスロットに対する位置が正確に決められるので、スロ
ットの幅が狭くとも、スロット周囲の側壁に衝突させる
ことなく、被加工部材をスロットに容易に挿入でき、し
かも、被加工部材をスロット周囲の側壁に衝突させない
ので、薄い被加工部材の変形を未然に防止できる。この
ため、薄板状の被加工部材を加工する自動加工機械であ
れば、本第2発明を容易に適用でき、薄板状の被加工部
材に対し切断、切削、研磨およびプレス等の様々な加工
を行う自動加工機械のロボットハンドの制御を容易に
し、被加工部材の格納作業を迅速に行えるようにする。
【0037】以上のようなロボットハンドにおいて、前
記自動加工機械には、当該ロボットハンドを互いに直交
する三方向に沿って移動させる移動機構と、この移動機
構に回動可能に支持されるロボットアームとが設けら
れ、当該ロボットハンドは、前記ロボットアームの先端
に装着された連結部材を介して当該ロボットアームに取
り付けられ、前記連結部材は、前記ロボットアームに接
合される第1接合部と、当該ロボットハンドが接合され
る第2接合部との位置関係が所定の範囲で変位自在なフ
リー状態、ならびに、前記第1接合部と前記第2接合部
とが所定の位置関係に固定される固定状態の二つの状態
の一方から他方へ切換可能なコンプライアンスモジュー
ルとなっていることが好ましい。
【0038】このようにコンプライアンスモジュールを
介してロボットハンドを移動機構に取り付ければ、前述
のように、被加工部材を挿入するにあたり、ロボットハ
ンドのパイロット爪と、被加工部材を挿入すべきスロッ
トとの位置が多少ずれていても、ロボットハンドは、位
置が変位自在となるので、パイロット爪の先端部分ある
いはスロットの開口部分をテーパー状に形成する等によ
り、ロボットハンドの位置が自動的に修正され、ロボッ
トハンドの位置修正のために移動機構を駆動する必要が
なくなる。このため、ロボットハンドで被加工部材をマ
ガジンに格納する際におけるロボットハンドの平面位置
検出を高精度に行う必要がなく、ロボットハンドの送り
制御が容易となり、ロボットハンドによる格納作業が迅
速に行えるようになる。
【0039】また、前述のようなロボットハンドにおい
て、前記被加工部材の端縁を両側から挟む一対の挟持指
が設けられ、これらの挟持指の少なくとも先端部分に
は、前記被加工部材の端縁と当接する当接部が設けら
れ、この当接部には、前記被加工部材の端縁に沿って延
びる断面V字形の溝が設けられていることが望ましい。
【0040】このようにすれば、前述のように、挟持指
が被加工部材を挟持すると、断面V字形の溝に案内され
て、被加工部材が挟持指の長手方向に平行とされ、被加
工部材の姿勢が整えられるので、マガジンにおいては、
被加工部材を立てて格納する一方、加工テーブルにおい
ては、被加工部材を寝かせてセットする場合でも、マガ
ジンから被加工部材を引き抜いた挟持指を加工テーブル
に対して平行にすることにより、被加工部材も加工テー
ブルに対して平行となり、加工テーブルに立設された位
置決め用のパイロットピンを被加工部材のパイロット孔
に挿通させる位置決め構造を採用しても、被加工部材が
加工テーブルに対して傾斜することがないことから、被
加工部材を加工テーブルに容易に載置できる。
【0041】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の一形態を図
面に基づいて説明する。図1および図2には、本実施形
態に係る自動加工機械1が示されている。まずこの自動
加工機械1全体の概要について説明し、次いで、自動加
工機械1の各部について順次説明する。
【0042】[全体概要]図1および図2において、自
動加工機械1は、腕時計に用いられる文字板が被加工部
材2としてセットされ、当該文字板の略字にダイヤカッ
トを施す切削加工機械である。この自動加工機械1に
は、加工前の被加工部材2を複数ストックする第1マガ
ジン3と、被加工部材2の切削を行う加工装置4と、加
工後の被加工部材2を複数ストックする第2マガジン5
と、第1マガジン3から加工装置4への被加工部材2の
搬送および加工装置4から第2マガジン5への被加工部
材2の搬送を行う搬送装置6と、被加工部材2が設置さ
れるとともに、その上で当該被加工部材2の加工が行わ
れる二つの加工テーブル装置7とが設けられている。な
お、自動加工機械1を構成している前述の構成物3〜7
は、デスク状の基台1Aに支持されている。
【0043】第1マガジン3には、当該第1マガジン3
から被加工部材2を取り出すための取出装置30が設けら
れている。この取出装置30は、被加工部材2を把持する
取出用ロボットハンド31と、取出用ロボットハンド31を
互いに直交する三方向、具体的には、X軸、Y軸および
Z軸に沿って移動させる取出用移動機構32とを備えたも
のとなっている。第2マガジン5には、当該第2マガジ
ン5に被加工部材2を格納するための格納装置50が設け
られている。この格納装置50は、被加工部材2を把持す
る格納用ロボットハンド51と、格納用ロボットハンド51
を互いに直交する三方向、すなわち、X軸、Y軸および
Z軸に沿って移動させる格納用移動機構52とを備えたも
のとなっている。
【0044】搬送装置6は、被加工部材を把持する二つ
の搬送用ロボットハンド61と、搬送用ロボットハンド61
を互いに直交する三方向、すなわち、X軸、Y軸および
Z軸に沿って移動させる搬送用移動機構62とを備えたも
のとなっている。搬送装置6の搬送用ロボットハンド61
としては、加工テーブル装置7に加工前の被加工部材2
を供給する給材ハンド61A と、加工テーブル装置7から
加工後の被加工部材2を取り除く除材ハンド61B とが近
接して設けられている。
【0045】ここで、第1マガジン3から加工装置4を
経由して第2マガジン5に至る被加工部材2の搬送経路
において、取出装置30と搬送装置6との間には、第1マ
ガジン3から取り出した被加工部材2が一時的に載置さ
れる第1アイドルテーブル8が設けられ、格納装置50と
搬送装置6との間には、搬送装置6が搬送してきた加工
後の被加工部材2が一時的に載置される第2アイドルテ
ーブル9が設けられている。また、加工テーブル装置7
の加工テーブル70、第1アイドルテーブル8および第2
アイドルテーブル9の各々には、図示されてはいない
が、先端が尖った円錐状に形成された位置決め用のパイ
ロットピンが立設されている。一方、被加工部材2に
は、やはり図示されてはいないが、加工テーブル70、第
1アイドルテーブル8および第2アイドルテーブル9の
各パイロットピンを挿通させる位置決め用のパイロット
孔が設けられている。被加工部材2のパイロット孔にパ
イロットピンを挿通させることにより、加工テーブル7
0、第1アイドルテーブル8および第2アイドルテーブ
ル9の各々の所定位置に被加工部材2が正確にセットさ
れるようになっている。
【0046】以下に自動加工機械1の加工装置4、加工
テーブル装置7、第1マガジン3、第2マガジン5およ
び搬送装置6について順次説明する。 [加工装置]図3には、加工装置4が拡大されて示され
ている。図3において、加工装置4は、図示しないダイ
ヤモンドバイトで略字を切削する切削機構40と、この切
削機構40を互いに直交する二方向、すなわち、X軸およ
びY軸に沿って移動させる移動機構41とを備えたものと
なっている。
【0047】切削機構40には、所定の角度をおいて複数
のダイヤモンドバイトが取り付けられた切削用回転板42
と、切削用回転板42を回転駆動する電動機43と、切削用
回転板42の回転軸を受ける軸受部44と、電動機43の回転
駆動力を減速して切削用回転板42の回転軸に伝達する減
速機45とが設けられている。移動機構41には、自動加工
機械1の基台1Aに敷設されるとともにY軸方向に延びる
一対のY軸レール46と、これらのY軸レール46に沿って
摺動するY軸スライダ47と、X軸方向に延びるとともに
Y軸スライダ47の上に敷設された一対のX軸レール48
(一方のみ図示)と、これらのX軸レール48に沿って摺
動するX軸スライダ49とが設けられている。なお、移動
機構41には、図3には示されていないが、Y軸スライダ
47を駆動するために、基台1A側に取り付けられた送りね
じ装置および電動機と、X軸スライダ49を駆動するため
に、Y軸スライダ47に取り付けられた送りねじ装置およ
び電動機とが設けられている。このような移動機構41に
より、加工装置4の切削機構40は、X軸およびY軸に沿
って移動可能とされ、移動機構41で移動することによ
り、Y軸に沿った所定位置、換言すると、所定の高さレ
ベルにおいて、X軸およびY軸を含む水平面の任意の箇
所に対して切削加工が行えるようになっている。
【0048】[加工テーブル装置]図4および図5に
は、加工テーブル装置7が拡大されて示されている。こ
の加工テーブル装置7は、加工テーブル70の上に載置さ
れた被加工部材2を、加工装置4の切削用回転板42に向
かって上昇させ、回転する切削用回転板42に被加工部材
2を接触させることにより、加工装置4に被加工部材2
の切削を行わせるものとなっている。このために、加工
テーブル装置7には、加工テーブル70を加工装置4の切
削用回転板42に向かって上昇させる上昇駆動機構71(図
5にのみ示す)が設けられている。また、加工テーブル
装置7には、加工装置4の切削用回転板42に対する加工
テーブル70の角度位置θを任意に設定するための角度調
節機構72と、被加工部材2の切削を行うために上昇する
にあたり、加工テーブル70が上昇を開始する高さレベル
を任意に設定するための上昇始点設定機構73(図5にの
み示す)とが設けられている。
【0049】具体的に説明すると、図4に示されるよう
に、加工テーブル装置7の下方には、自動加工機械1の
基台1Aに固定された下部筐体74が設けられている。この
下部筐体74の上面には、Z軸方向に延びる図示しない複
数のZ軸レールと、図5に示されるように、送りねじ装
置75とが立設されている。下部筐体74の上方には、Z軸
レールに沿って摺動可能となったZ軸スライダ76が設け
られている。下部筐体74の内部には、送りねじ装置75を
駆動するサーボモータ77が設けられている。これらの送
りねじ装置75およびサーボモータ77を含んで、加工テー
ブル70を昇降させる上昇始点設定機構73が形成されてい
る。
【0050】Z軸スライダ76の内部には、加工テーブル
70を回転自在に支持する側面コ字形状の昇降基部711
と、この昇降基部711 をZ軸方向に沿って案内するZ軸
レール712 と、昇降基部711 を昇降駆動するためのサー
ボモータ713 と、昇降基部711およびサーボモータ713
の間を水平に仕切る仕切部714Aを備えた断面L字形のブ
ラケット714 とが設けられている。サーボモータ713 の
出力軸713Aには、カム715 が設けられ、昇降基部711 に
は、仕切部714Aを貫通してサーボモータ713 のカム715
に達するプッシュロッド716 が設けられている。プッシ
ュロッド716 の先端には、カム715 に接触する車輪716A
が回転自在に設けられ、プッシュロッド716 の中間部分
には、径方向に広がる鍔部716Bが設けられている。鍔部
716Bと仕切部714Aとの間には、コイルスプリング717 が
介装されている。コイルスプリング717 は、プッシュロ
ッド716 の先端の車輪716Aが常にカム715 に接触するよ
うに、プッシュロッド716 をカム715 に向かって付勢す
るものである。これにより、サーボモータ713 がカム71
5 を回転駆動すると、カム715 のプロフィールに追従し
てプッシュロッドが駆動され、加工テーブル70が昇降す
るようになっている。これらの部品711 〜717 を含ん
で、加工テーブル70を上昇させる上昇駆動機構71が形成
されている。なお、カム715 としては、例えば、アルキ
メデスカムが採用できる。ここで、カム715 を回転駆動
するサーボモータ713 の回転速度は、被加工部材2の材
質などに応じて、図示しない制御装置により制御され、
これにより、加工テーブル70の上昇速度等が可変とさ
れ、同一プロフィールのカム715 により、様々な加工条
件で切削加工が行えるようになっている。
【0051】側面コ字形状の昇降基部711 の上面には、
ボールベアリング721 を介して加工テーブル70が載置さ
れ、昇降基部711 の内部には、加工テーブル70を回転駆
動するとともに、加工テーブル70の角度位置θを割り出
すサーボモータ722 が設けられている。このサーボモー
タ722 により、加工テーブル70は、その回転角度位置が
任意の角度位置θにセットできるようになっており、こ
れらのボールベアリング721 およびサーボモータ722 を
含んで角度調節機構72が形成されている。ここで、角度
調節機構72には、サーボモータ722 によって角度位置θ
にセットされた加工テーブル70を、その回転角度位置に
固定するロック機構78が設けられている。すなわち、加
工テーブル70は、中間部分に縮径された縮径部781 を有
する円柱状の部材となっている。縮径部781 の上方は、
被加工部材2を載置させる加工ステージ70A を備えた円
盤部70B となっており、縮径部781 の下方は、Z軸スラ
イダ76の内部に隠蔽された基部782 となっている。基部
782 の周囲には、当該基部782 を囲む筒状の制動部材78
3 が設けられている。制動部材783 の図中上方の端部に
は、円盤部70B と基部782 との間を通って縮径部781 の
側面近傍まで延びる制動鍔部784 が設けられている。制
動部材783の図中下方の端部には、Z軸スライダ76の側
壁76A に向かって延びる鍔部785 が設けられている。一
方、Z軸スライダ76には、側壁76A の図中上方の端部か
ら制動部材783 に向かって延びる鍔部786 が設けられて
いる。この鍔部785 とZ軸スライダ76の鍔部786 との間
には、コイルスプリング787 が介装されている。このコ
イルスプリング787 により、制動部材783 は、図中下方
へ付勢されている。また、制動部材783 は、図中下方の
端部がブラケット714 の上端部に掛止されることで、そ
れよりも下方へ移動することが不可能となっている。そ
して、角度調節機構72が加工テーブル70の回転角度位置
を角度位置θにセットし、上昇駆動機構71が加工テーブ
ル70を上昇させると、図6に示されるように、加工テー
ブル70に形成された基部782 の上面が制動部材783 に形
成された制動鍔部784 の下面に押し当てられ、加工テー
ブル70の回転角度位置が角度位置θに固定されるように
なっている。これらの部品781 〜787 を含んで、加工テ
ーブル70の回転角度位置をロックするロック機構78が形
成されている。ここにおいて、平面位置に固定されてい
る加工テーブル70に対して加工装置4が水平に移動可能
とされ、これにより、加工装置4および加工テーブル70
が相対的に移動可能に設けられている。
【0052】[第1マガジン]図7には、第1マガジン
3および取出装置30が拡大されて示されている。このう
ち、第1マガジン3は、厚さの薄い平板状の被加工部材
2を、その厚さ方向に多数配列させて格納するものとな
っている。すなわち、図8(A)に示されるように、第
1マガジン3は、複数配列された被加工部材2の両側に
立設された複数の側壁部301 を備えたものである。これ
らの側壁部301 の互いに対向する側面には、それぞれに
被加工部材2を挿通させる複数の挿通溝302 が所定のピ
ッチで設けられている。これらの挿通溝302 は、互いに
対向するもの同士が、被加工部材2を挿入させるスロッ
ト303 の一つひとつを形成するものとなっている。
【0053】また、複数の側壁部301 の図中左右(左側
のみ図示する)には、一対の連結用側壁部304 が対向配
置されている。これらの連結用側壁部304 により、複数
の側壁部301 の端部同士が相互に連結されている。ま
た、対向は位置された連結用側壁部304 の底部同士は、
図8(B)に示されるように、平板状の底面材305 によ
り相互に連結されている。これにより、第1マガジン3
は、全体が箱状に形成されている。なお、箱状に形成さ
れた第1マガジン3の深さ寸法Dは、縦に起こされた被
加工部材2の高さ寸法Hとほぼ等しく寸法であるが、底
面材305 の上に嵩上げ部材306 が設けられている。これ
により、被加工部材2を取り出す際に、取出用ロボット
ハンド31が被加工部材2を把持しやすいように、被加工
部材2の上端縁が第1マガジン3の上端縁よりも上方へ
突出するようになっている。
【0054】また、挿通溝302 の上端部分には、上方に
開いたのテーパー部302Aが設けられている。テーパー部
302Aの下方は、挿通溝302 の両端縁が平行となったスト
レート部302Bとなっている。このテーパー部302Aによ
り、被加工部材2をスロット303 に挿入する際に、被加
工部材2の中心軸とスロット303 の中心軸とが多少ずれ
ていても、被加工部材2の下端縁がテーパー部302Aに案
内されるので、被加工部材2の挿入が容易に行えるよう
になっている。
【0055】図7に戻って、取出装置30の取出用移動機
構32は、第1マガジン3から被加工部材2を取り出すた
めの取出用ロボットハンド31を支持するロボットアーム
311と、このロボットアーム311 を回動可能に支持する
Z軸スライダ312 と、このZ軸スライダ312 をZ軸方向
に沿って摺動可能に支持するZ軸送りねじ装置313 と、
このZ軸送りねじ装置313 をY軸方向に沿って摺動可能
に支持するY軸送りねじ装置314 と、このY軸送りねじ
装置314 をX軸方向に沿って摺動可能に支持するX軸送
りねじ装置315 とを備えたものとなっている。ここで、
取出用ロボットハンド31は、ロボットアーム311 の回動
により、把持した被加工部材2が鉛直となる鉛直位置P
と、把持した被加工部材2が水平となる水平位置Qとの
二位置間を揺動可能となっている。
【0056】また、取出用ロボットハンド31は、図9に
示されるように、ロボットアーム311 に接合される第1
接合部33A と、取出用ロボットハンド31が接合される第
2接合部33B とを有する連結部材33を介して、ロボット
アーム311 に取り付けられている。連結部材33は、第1
接合部33A と第2接合部33B との位置関係が所定の範囲
で変位自在なフリー状態、ならびに、第1接合部33A と
第2接合部33B とが所定の位置関係に固定される固定状
態の二つの状態の一方から他方へ切換可能なコンプライ
アンスモジュールとされている。なお、コンプライアン
スモジュールとしては、圧搾空気で作動するSMC株式
会社製の型番XT355−35等が採用できる。そし
て、連結部材33がフリー状態となっている場合には、取
出用ロボットハンド31は、X軸およびY軸の両方向に沿
って所定の範囲内で移動自在とされ、かつ、当該取出用
ロボットハンド31の中心線に沿った軸Rを中心にして、
所定の範囲内で回転自在となっている。一方、連結部材
33がフリー状態から固定状態に移行すると、取出用ロボ
ットハンド31は、その軸Rの位置がX軸およびY軸を含
む平面における所定位置に戻されて固定されるととも
に、回転角度位置も所定の位置に戻されて固定されるよ
うになっている。
【0057】取出用ロボットハンド31には、被加工部材
2の端縁を両側から挟む一対の挟持指34が設けられてい
る。これらの挟持指34の各々は、開いた位置Aおよび閉
じた位置Bの二位置間を移動可能となっている。挟持指
34の互いに対向する面は、全体が被加工部材2の端縁と
当接する当接部34A とされている。ただし、挟持指34が
被加工部材2と当接する寸法は、被加工部材2の第1マ
ガジン3からの突出量、すなわち、被加工部材2の高さ
寸法Hによって異なっている。各当接部34A には、被加
工部材2の端縁に沿って延びる断面V字形の溝34B が設
けられている。
【0058】このような挟持指34の近傍には、スロット
303 に挿入されている被加工部材2に当接することによ
り、当該被加工部材2を一対の挟持指34で挟持できる姿
勢に矯正する姿勢矯正部材である板バネ35が設けられて
いる。板バネ35は、クランク状に折れ曲がった側面形状
を有するものであり、基端35A が一対の挟持指34に挟ま
れる領域から外れた位置に設けられている。板バネ35の
先端には、被加工部材2の両端縁近傍に当接させる一対
の当接部35B が設けられている。これらの当接部35B
は、一対の挟持指34に挟まれる領域の内側の位置に設け
られている。
【0059】以下に、取出用ロボットハンド3 1の取出
動作を簡単に説明する。連結部材33を固定状態にした
後、図10(A)に示されるように、第1マガジン3の
スロット303 に挿入されている被加工部材2に対し、取
出用ロボットハンド31をY軸のプラス方向から近づけ、
さらに、取出用ロボットハンド31をY軸のマイナス方向
へ進ませ、板バネ35の当接部35B を被加工部材2の両端
縁近傍に当接させ、図10(B)に示されるように、被
加工部材2の姿勢を矯正する。これにより、図10
(A)の如く、被加工部材2がスロット303 に対して斜
めに挿入されていても、図10(B)の如く、板バネ35
により、被加工部材2の姿勢がスロット303 に沿うよう
に矯正される。ここで、第1マガジン3のスロット303
の成形精度や寸法精度が充分でないために、一対の挟持
指34に挟まれる領域の外側に被加工部材2がずれていて
も、連結部材33をフリー状態にすると、板バネ35の弾性
力による反力で、取出用ロボットハンド31の位置が修正
され、一対の挟持指34に挟まれる領域の内側に被加工部
材2が完全に納まる。
【0060】この状態で、一対の挟持指34を接近させ、
図10(C)に示されるように、これらの挟持指34に被
加工部材2を挟持させる。
【0061】この後、取出用ロボットハンド31を上昇さ
せ、スロット303 から被加工部材2を抜き出す。この
際、連結部材33がフリー状態となっているので、抜き出
される被加工部材2の位置が自由に変位し、被加工部材
2が第1マガジン3の側壁部301 と強く擦れ合うことが
なく、被加工部材2に傷が付くことがない。被加工部材
2をスロット303 から完全に抜き出した後、連結部材33
を再度固定状態にし、この状態で、被加工部材2を第1
アイドルテーブル8まで運び、取出用ロボットハンド31
の取出動作が完了する。
【0062】[第2マガジン]図11には、第2マガジ
ン5および格納装置50が拡大されて示されている。この
うち、第2マガジン5は、前述の第1マガジン3から嵩
上げ部材306 を省略したものであり、これ以外は、第1
マガジン3と同一構造であるので、その説明を省略す
る。格納装置50の格納用移動機構52は、第2マガジン5
に被加工部材2を格納するための格納用ロボットハンド
51を支持するロボットアーム511 と、このロボットアー
ム511 を回動可能に支持するZ軸スライダ512 と、この
Z軸スライダ512 をZ軸方向に沿って摺動可能に支持す
るZ軸送りねじ装置513 と、このZ軸送りねじ装置513
をY軸方向に沿って摺動可能に支持するY軸送りねじ装
置514 と、このY軸送りねじ装置514 をX軸方向に沿っ
て摺動可能に支持するX軸送りねじ装置515 とを備えた
ものとなっている。ここで、格納用ロボットハンド51
は、ロボットアーム511 の回動により、把持した被加工
部材2が鉛直となる鉛直位置Pと、把持した被加工部材
2が水平となる水平位置Qとの二位置間を揺動可能とな
っている。
【0063】また、格納用ロボットハンド51は、図12
に示されるように、ロボットアーム511 に接合される第
1接合部53A と、格納用ロボットハンド51が接合される
第2接合部53B とを有する連結部材53を介して、ロボッ
トアーム511 に取り付けられている。連結部材53は、前
述の連結部材33と同様に、第1接合部53A と第2接合部
53Bとの位置関係が所定の範囲で変位自在なフリー状
態、ならびに、第1接合部53Aと第2接合部53B とが所
定の位置関係に固定される固定状態の二つの状態の一方
から他方へ切換可能なコンプライアンスモジュールとさ
れている。そして、連結部材53がフリー状態となってい
る場合には、格納用ロボットハンド51は、X軸およびY
軸の両方向に沿って所定の範囲内で移動自在とされ、か
つ、当該格納用ロボットハンド51の中心線に沿った軸R
を中心にして、所定の範囲内で回転自在となっている。
一方、連結部材53がフリー状態から固定状態に移行する
と、格納用ロボットハンド51は、その軸Rの位置がX軸
およびY軸を含む平面における所定位置に戻されて固定
されるとともに、回転角度位置も所定の位置に戻されて
固定されるようになっている。
【0064】格納用ロボットハンド51には、被加工部材
2の端縁を両側から挟む一対の挟持指54が設けられてい
る。これらの挟持指54の各々は、開いた位置Aおよび閉
じた位置Bの二位置間を移動可能となっている。挟持指
54の互いに対向する面は、全体が被加工部材2の端縁と
当接する当接部54A とされている。そして、各当接部54
A には、被加工部材2の端縁に沿って延びる断面V字形
の溝54B が設けられている。
【0065】このような挟持指54の下方には、被加工部
材2を挿入すべきスロット303 の隣のスロット303 に挿
入されるとともに、隣のスロット303 と係合して格納用
ロボットハンド51の位置を決める一対のパイロット爪55
が設けられている。これらのパイロット爪55の各々は、
閉じた位置Cおよび開いた位置Dの二位置間を移動可能
となっている。ここで、各パイロット爪55の平断面形状
は、図13(C)に示されるように、第2マガジン5の
挿通溝302 の平面形状に応じるとともに、挿通溝302 側
に等辺がなす頂点を有する二等辺三角形状となってい
る。
【0066】また、パイロット爪55の各々は、側面形状
が台形状に形成された一対のブラケット55A にそれぞれ
固定され、これらのブラケット55A は、格納用ロボット
ハンド51の筐体51A に接合された箱状フレーム55B の底
面に摺動可能に支持されている。これにより、挟持指54
およびパイロット爪55の水平方向における位置関係が、
被加工部材2を挿入すべきスロット303 と、その隣のス
ロット303 との位置関係、すなわち、スロット303 のピ
ッチに対応したものとなっている。
【0067】以下に、格納用ロボットハンド51の格納動
作を簡単に説明する。連結部材53を固定状態にし、この
状態で、第2アイドルテーブル9に載置された被加工部
材2を把持し、第2アイドルテーブル9から被加工部材
2を持ち上げた後、格納用ロボットハンド51を第2マガ
ジン5に移動させる。格納用ロボットハンド51が被加工
部材2を挿入すべきスロット303 の真上に到達したら、
格納用ロボットハンド51を停止させる。この際、図13
(A)の如く、被加工部材2を挿入すべきスロット303
の隣のスロット303 の中心線とパイロット爪55の中心線
とが多少ずれていてもよい。この後、図13(B)に示
されるように、パイロット爪55がスロット303 の上端よ
りも低い高さレベルとなる位置まで、格納用ロボットハ
ンド51を降下させる。この状態では、図13(C)に示
されるように、一対のパイロット爪55は、閉じた状態に
あり、スロット303 とは係合していない。
【0068】次いで、連結部材53をフリー状態にし、一
対のパイロット爪55を開いてスロット303 に係合させ
る。すると、図14(D)に示されるように、格納用ロ
ボットハンド51の位置が修正され、格納用ロボットハン
ド51の挟持指54に挟持された被加工部材2が、挿入すべ
きスロット303 の直上の位置に配置される。この状態
で、格納用ロボットハンド51の挟持指54を開くと、被加
工部材2は、図14(E)に示されるように、挿入すべ
きスロット303 に向かって落下し、当該スロット303 に
挿入される。この後、パイロット爪55を閉じて格納用ロ
ボットハンド51を上昇させると、格納用ロボットハンド
51の格納動作が完了する。
【0069】[搬送装置]図15には、搬送装置6が拡
大されて示されている。搬送装置6の搬送用移動機構62
は、加工テーブル70に対して給材および除材のそれぞれ
を行う給材ハンド61A および除材ハンド61B を支持する
とともにZ軸送りねじ装置を内蔵したZ軸スライダ611
と、このZ軸スライダ611 をZ軸方向に沿って案内する
Z軸レール612 を有するX軸スライダ613 と、このX軸
スライダ613 をX軸方向に沿って摺動可能に支持するX
軸送りねじ装置614 と、このX軸送りねじ装置614 をY
軸方向に沿って摺動可能に支持するY軸送りねじ装置61
5 とを備えたものとなっている。ここで、Z軸スライダ
611 の上部には、給材ハンド61A および除材ハンド61B
を支持するための上部構面材610 が設けられている。そ
して、給材ハンド61A および除材ハンド61B としての搬
送用ロボットハンド61は、図16に示されるように、上
部構面材610 に接合される第1接合部63A と、搬送用ロ
ボットハンド61が接合される第2接合部63B とを有する
連結部材63を介して、Z軸スライダ611 に取り付けられ
ている。連結部材63は、前述の連結部材33, 53と同様
に、第1接合部63A と第2接合部63B との位置関係が所
定の範囲で変位自在なフリー状態、ならびに、第1接合
部63A と第2接合部63B とが所定の位置関係に固定され
る固定状態の二つの状態の一方から他方へ切換可能なコ
ンプライアンスモジュールとされている。そして、連結
部材63がフリー状態となっている場合には、搬送用ロボ
ットハンド61は、X軸およびY軸の両方向に沿って所定
の範囲内で移動自在とされ、かつ、当該搬送用ロボット
ハンド61の中心線に沿った回転軸を中心にして、所定の
範囲内で回転自在となっている。一方、連結部材63がフ
リー状態から固定状態に移行すると、搬送用ロボットハ
ンド61は、その回転軸の位置がX軸およびY軸を含む平
面における所定位置に戻されて固定されるとともに、回
転角度位置も所定の位置に戻されて固定されるようにな
っている。
【0070】また、搬送用ロボットハンド61は、底部が
開口された筐体611Aと、この筐体611Aに支持される駆動
部611Bと、この駆動部611Bの両端縁部分から下方に延び
る一対の固定指611Cとを備えたものとなっている。この
うち、固定指611Cは、加工テーブル70、第1アイドルテ
ーブル8および第2アイドルテーブル9に形成された位
置決め孔64の位置に応じて搬送用ロボットハンド61に設
けられ、その底面には、位置決め孔64に挿通させる位置
決めピン65が設けられている。この位置決めピン65の先
端部分には、先端側ほど外径が小さくなったテーパー部
65A が形成されている。
【0071】また、固定指611Cの内部には、テーブル7
0,8,9に載置された被加工部材2の端縁から裏側の面
まで回り込むように延びる鉤型に形成されるとともに、
互いに近接離隔可能に設けられた一対の支持爪66と、こ
れらの支持爪66に向かって付勢された状態で配置される
とともに、支持爪66との間に挟み込むことにより、被加
工部材2を把持する押圧部材67とが設けられている。具
体的には、支持爪66は、全体が略J字型の爪部材66A の
一部であり、この爪部材66A が駆動部611Bに内蔵された
図示しないアクチュエータによって駆動されることによ
り、開いた位置Aおよび閉じた位置Bの二位置間を移動
可能となっている。
【0072】押圧部材67は、被加工部材2と接触する面
とは反対側の面から駆動部611Bに向かって延びる三本の
ロッド68を備えたものである。これらのロッド68は、駆
動部611Bを図中上下に貫通する貫通孔68C に挿通されて
いる。このうち、両端に配置されたロッド68A は、貫通
孔68C の内周面と係合することにより、押圧部材67が直
線的に移動するように案内するガイドロッドとなってい
る。中央に配置されたロッド68B は、駆動部611Bおよび
押圧部材67の間に介装されたコイルスプリング69の内部
に挿通されている。コイルスプリング69により、支持爪
66に向かって押圧部材67が付勢されるようになってい
る。ロッド68B の図中上端には、当該ロッド68B が貫通
孔68C から抜けないように、貫通孔68C の内径よりも大
きな外径を有する抜止部69A が設けられている。
【0073】以下に、搬送用ロボットハンド61による、
加工テーブル70および第1アイドルテーブル8からの除
材動作を簡単に説明する。図17(A)に示されるよう
に、搬送用ロボットハンド61がテーブル70, 8の直上に
到達したら、搬送用ロボットハンド61を下降させ、図1
7(B)に示されるように、搬送用ロボットハンド61の
位置決めピン65をテーブル70, 8の位置決め孔64に挿通
させる。この際、位置決めピン65の位置と位置決め孔64
の位置とがずれていると、位置決めピン65を位置決め孔
64に挿通できない場合がある。この場合には、連結部材
63をフリー状態にし、搬送用ロボットハンド61をさらに
下降させると、位置決めピン65の先端部分に設けたテー
パー部65A が案内することにより、搬送用ロボットハン
ド61の位置が修正され、位置決めピン65が位置決め孔64
に挿通される。ここで、搬送用ロボットハンド61の下降
開始からの経過時間を計測する時限装置と、搬送用ロボ
ットハンド61が所定の高さレベルまで下降したことを検
出するリミットスイッチ等の位置検出装置とを設けれ
ば、所定時間が経過しても、位置決めピン65が位置決め
孔64に挿通されず、搬送用ロボットハンド61が所定の高
さレベルまで下降しないことが検出可能となり、これに
より、連結部材63のフリー状態への切換動作が自動的に
行えるようになる。
【0074】この後、押圧部材67を被加工部材2に押し
付け、コイルスプリング69の弾性力に抗して、さらに、
搬送用ロボットハンド61を下降させ、支持爪66がテーブ
ル70, 8の上面よりも低い位置に達したら、一対の支持
爪66を近接させた後、搬送用ロボットハンド61をゆっく
りと上昇させる。すると、図17(C)に示されるよう
に、コイルスプリング69に付勢された押圧部材67が支持
爪66との間に被加工部材2を挟持したまま上昇する。こ
れにより、搬送用ロボットハンド61は、被加工部材2を
把持した状態でテーブル70, 8から持ち上げ、連結部材
63を固定状態にさせると、テーブル70, 8から被加工部
材2を取り除く除材作業が完了する。
【0075】なお、搬送用ロボットハンド61による、加
工テーブル70および第2アイドルテーブル9への給材動
作は、以上の除材動作とは逆の動作となる。すなわち、
搬送用ロボットハンド61がテーブル70, 9の直上に到達
したら、搬送用ロボットハンド61を下降させ、搬送用ロ
ボットハンド61の位置決めピン65をテーブル70, 8の位
置決め孔64に挿通させる。この際、位置決めピン65が位
置決め孔64に挿通されないときには、連結部材63がフリ
ー状態となり、搬送用ロボットハンド61がさらに下降
し、位置決めピン65のテーパー部65A の作用により、搬
送用ロボットハンド61の位置を修正させ、位置決めピン
65の位置決め孔64への挿通を可能とする。
【0076】そして、位置決めピン65が位置決め孔64に
挿通されたら、押圧部材67を被加工部材2に押し付け、
コイルスプリング69の弾性力に抗して、さらに、搬送用
ロボットハンド61を下降させ、支持爪66がテーブル70,
9の上面よりも低い位置に達したら、一対の支持爪66を
離隔させた後、搬送用ロボットハンド61をゆっくりと上
昇させる。すると、支持爪66が離隔状態にあるので、被
加工部材2は、テーブル70, 9に載置されたまま残り、
搬送用ロボットハンド61は、何も把持しない状態でテー
ブル70, 9から離れて上昇する。この後、連結部材63を
固定状態にさせると、テーブル70, 9に被加工部材2を
載置する給材作業が完了する。
【0077】[全体の動作]次に、本実施形態の自動加
工機械1全体の動作を簡単に説明する。図18(A)に
示されるように、自動加工機械1の加工装置4は、図中
左側の加工テーブル70の被加工部材2に対しての加工を
完了すると、X軸をプラス方向へ移動し、加工テーブル
70から離れる。加工テーブル70から加工装置4が完全に
離脱すると、搬送装置6の除材ハンド61B がX軸をプラ
ス方向へ移動し、加工テーブル70の直上に到達し、加工
を終えた被加工部材2を加工テーブル70から取り除く。
【0078】次いで、図18(B)に示されるように、
搬送装置6の除材ハンド61B が加工テーブル70から離れ
るとともに、除材ハンド61B に近接設置された給材ハン
ド61A が加工テーブル70の直上に到達し、未加工の被加
工部材2を加工テーブル70に載置する。この後、除材ハ
ンド61B および給材ハンド61A は、X軸をマイナス方向
へ移動して加工テーブル70から離れ、さらに、Y軸をプ
ラス方向へ移動し、除材ハンド61B のY軸に沿った位置
が、図18(C)に示されるように、第2アイドルテー
ブル9と同じ位置に達すると、移動方向をX軸のプラス
方向に変える。この頃までには、加工装置4は、図中右
側の加工テーブル70の直上に達し、加工テーブル70の上
に載置された被加工部材2に対して加工を行っている。
そして、図18(D)に示されるように、除材ハンド61
B が第2アイドルテーブル9の直上に達したら、除材ハ
ンド61B は、第2アイドルテーブル9の上に加工を終え
た被加工部材2を載置する。
【0079】第2アイドルテーブル9への被加工部材2
の載置が完了し、除材ハンド61B がX軸をマイナス方向
へ移動し、第2アイドルテーブル9から完全に離れる
と、第2マガジン5の格納装置50は、次に除材ハンド61
B が第2アイドルテーブル9に到達する前までに、第2
アイドルテーブル9から加工を終えた被加工部材2を取
り除き、取り除いた被加工部材2を第2マガジン5に格
納する。
【0080】一方、第2アイドルテーブル9から離れた
除材ハンド61B および給材ハンド61A は、Y軸をマイナ
ス方向へ移動し、給材ハンド61A のY軸に沿った位置
が、図19(E)に示されるように、第1アイドルテー
ブル8と同じ位置に達すると、移動方向をX軸のプラス
方向に変える。そして、図19(F)に示されるよう
に、給材ハンド61A が第1アイドルテーブル8の直上に
達したら、給材ハンド61A は、第1アイドルテーブル8
の上に載置してある未加工の被加工部材2を把持する。
第1アイドルテーブル8の被加工部材2を把持したら、
給材ハンド61A は、X軸をマイナス方向へ移動し、給材
ハンド61A が第1アイドルテーブル8から完全に離れる
と、第1マガジン3の取出装置30は、次に給材ハンド61
A が第1アイドルテーブル8に到達する前までに、次の
被加工部材2を第1マガジン3から取り出し、取り出し
た被加工部材2を第1アイドルテーブル8に載置する。
【0081】一方、第1アイドルテーブル8から離れた
除材ハンド61B および給材ハンド61A は、Y軸をプラス
方向へ移動し、除材ハンド61B のY軸に沿った位置が、
図19(G)に示されるように、図中右側の加工テーブ
ル70と同じ位置に達する頃までには、加工装置4は、図
中右側の加工テーブル70に載置された被加工部材2に対
する加工を完了している。
【0082】加工装置4は、図19(H)に示されるよ
うに、図中右側の加工テーブル70の被加工部材2に対す
る加工を完了すると、X軸をプラス方向へ移動し、加工
テーブル70から離れる。加工テーブル70から加工装置4
が完全に離脱すると、除材ハンド61B がX軸をプラス方
向へ移動し、加工テーブル70の直上に到達し、加工を終
えた被加工部材2を加工テーブル70から取り除く。
【0083】このように、自動加工機械1は、二つの加
工テーブルに対して、被加工部材2の給除材作業および
加工処理とを交互に繰り返し行うものとなっている。こ
こで、加工装置4が一つの被加工部材2の加工に要する
サイクルタイム、搬送装置6が被加工部材2を交換する
交換作業に要するサイクルタイム、取出装置30が第1マ
ガジン3から取り出した被加工部材2を第1アイドルテ
ーブル8に載置するサイクルタイム、および、格納装置
50が第2アイドルテーブル9に載置された被加工部材2
を第2マガジン5に格納するサイクルタイムは、ほぼ同
じとされ、加工装置4、搬送装置6、取出装置30および
格納装置50の待ち時間が殆どないように設定されてい
る。
【0084】前述のような本実施形態によれば、次のよ
うな効果が得られる。すなわち、加工装置4と二つの加
工テーブル70とを相対的に移動可能に設け、一の加工テ
ーブル70に設置された被加工部材2について加工装置4
が加工を完了する前に、他の加工テーブル70に設置され
た被加工部材2を、別の被加工部材2に交換する交換作
業を搬送装置6で行うようにしたので、加工装置4によ
る加工と、搬送装置6による搬送動作とが同時に並行し
て行えるようになり、加工装置4および搬送装置6が停
止状態にとなることがなく、一つの被加工部材2につい
ての加工作業が連続的に行われるようになり、被加工部
材2の加工に要するサイクルタイムを短縮でき、生産性
を向上することができる。
【0085】また、加工テーブル70にセットした被加工
部材2のどの平面位置に対しても加工が行えるように、
加工装置4を水平方向に移動可能とし、加工テーブル70
を所定の平面位置に固定したので、搬送装置6が給材お
よび除材を行う位置が固定され、給材作業および除材作
業における搬送装置6の制御が容易となり、給材作業お
よび除材作業を迅速に行うことができる。
【0086】さらに、未加工の被加工部材2をストック
する第1マガジン3に、当該第1マガジン3から被加工
部材2を取り出す取出装置30を設け、取出装置30と搬送
装置6との間に、第1マガジン3から取り出した被加工
部材2が一時的に載置される第1アイドルテーブル8を
設けたので、取出装置30が第1アイドルテーブル8に被
加工部材2を載置してしまえば、取出装置30は、搬送装
置6に被加工部材2を直接渡す必要がなく、搬送装置の
到着を待つことなく次の取出作業に取りかかれるように
なり、かつ、搬送装置6は、取出装置30を待たずに、直
ちに、第1アイドルテーブル8上の被加工部材2を加工
装置4まで搬送する搬送作業を開始できるようになる。
そして、加工済の被加工部材2をストックする第2マガ
ジン5に、加工後の被加工部材2を当該第2マガジン5
に格納する格納装置50を設け、格納装置50と搬送装置6
との間に、搬送装置6が搬送してきた加工後の被加工部
材2が一時的に載置される第2アイドルテーブル9を設
けたので、搬送装置6は、第2アイドルテーブル9に被
加工部材を2載置してしまえば、格納装置50に被加工部
材2を直接渡す必要がなく、格納装置50の到着を待つこ
となく次の搬送作業に取りかかれるようになり、かつ、
第2アイドルテーブル9に被加工部材2が載置されてい
れば、格納装置50は、搬送装置6を待つ必要がなく、直
ちに、第2アイドルテーブル9上の被加工部材2を第2
マガジン5に格納する格納作業を開始できる。ここで、
被加工部材2の1個当たりの取出作業時間、搬送作業時
間、および、格納作業時間を等しく設定しているので、
取出作業、搬送作業および格納作業が同時に行え、取出
装置30、搬送装置6および格納装置50の無駄な待機時間
が解消され、取出装置30、搬送装置6および格納装置50
による加工装置4に対する給材作業および除材作業を迅
速に行うことができ、ひいては、被加工部材2の加工に
要するサイクルタイムを短縮でき、生産性を一層向上す
ることができる。
【0087】さらに、搬送装置6に、加工テーブル70か
ら加工後の被加工部材2を取り除く除材ハンド61B と、
加工テーブル70に加工前の被加工部材2を供給する給材
ハンド61A とを近接して設けたので、給材ハンド61A に
被加工部材2を保持させたまま、除材ハンド61B で被加
工部材2を加工テーブル70から取り除くことが可能とな
るうえ、除材を終えた加工テーブル70に対して、直ち
に、給材ハンド61A で被加工部材2を加工テーブル70に
供給でき、加工装置4への給材作業および除材作業を迅
速に行うことができる。
【0088】また、給材ハンド61A および除材ハンド61
B としての搬送用ロボットハンド61に、被加工部材2の
端縁から裏側の面まで回り込むように延びるとともに、
互いに近接離隔可能に設けられた一対の支持爪66と、こ
れらの支持爪66に向かって付勢された状態で配置される
とともに、支持爪66との間に挟み込むことにより、被加
工部材2を把持する押圧部材67とを設け、搬送用ロボッ
トハンド61を所定の高さレベルに停止させ、再度上昇さ
せれることにより、搬送用ロボットハンド61が被加工部
材2を把持するようにしたので、厚さが異なる複数種類
の被加工部材2が混在していても、搬送用ロボットハン
ド61を被加工部材2の厚さに応じた高さ位置に停止させ
る必要がなく、搬送用ロボットハンド61の送り制御が容
易となり、この点からも、搬送用ロボットハンド61によ
る給材作業および除材作業を迅速に行うことができる。
【0089】ここで、搬送用ロボットハンド61を三次元
方向に移動させる搬送用移動機構62を設け、コンプライ
アンスモジュールからなる連結部材63を介して、搬送用
移動機構62に搬送用ロボットハンド61を取り付けたの
で、搬送用ロボットハンド61に設けた位置決めピン65
を、加工テーブル70に形成された位置決め孔64に挿通さ
せることで、搬送用ロボットハンド61の位置決めを行う
にあたり、位置決めピン65と位置決め孔64との中心軸が
多少ずれていても、搬送用ロボットハンド61の位置が変
位自在となり、位置決めピン65のテーパー部65A が位置
決め孔64に案内され、搬送用ロボットハンド61の位置を
自動的に修正し、搬送用ロボットハンド61の位置修正の
ために搬送用移動機構62を駆動する必要がなく、搬送用
ロボットハンド61の送り制御が容易となり、搬送用ロボ
ットハンド61による給材作業を一層迅速に行うことがで
きる。
【0090】さらに、第1マガジン3から被加工部材2
を取り出す取出装置30に、被加工部材2の端縁を両側か
ら挟む一対の挟持指34を備えた取出用ロボットハンド31
と、第1マガジン3のスロット303 に挿入されている被
加工部材2に当接することにより、被加工部材2の姿勢
に矯正する板バネ35とを設け、第1マガジン3に格納さ
れた被加工部材2がスロット303 に対して斜めになり、
被加工部材2の両端縁の一方が、挟持指34で挟持できる
範囲から外れていても、板バネ35で被加工部材2の姿勢
をスロット303 に対して平行とし、被加工部材2の端縁
が両方とも挟持指34で挟持できる範囲内に入るようにし
たので、挟持指34により被加工部材2を確実かつ迅速に
取り出すことができる。
【0091】また、取出装置30に取出用ロボットハンド
31を三次元方向に移動させる取出用移動機構32を設け、
ハンドコンプライアンスモジュールからなる連結部材33
を介して、取出用移動機構32に取出用ロボットハンド31
を取り付けたので、第1マガジン3のスロット303 の成
形精度や寸法精度が充分でなく、板バネ35に押された被
加工部材2が、一対の挟持指34の間から逸脱し、そのま
までは、挟持指34で被加工部材2を挟持できない場合が
あっても、連結部材33をフリー状態にすれば、板バネ35
の反力で取出用ロボットハンド31の位置が修正され、一
対の挟持指34が、その間に被加工部材2を挟んだ位置に
配置され、複雑な位置検出装置や制御手段を設けなくと
も、挟持指34で被加工部材2を確実に挟持することがで
きる。
【0092】さらに、第2マガジン5のスロット303 に
被加工部材2を挿入する格納装置50を設け、この格納装
置50に被加工部材2の端縁を両側から挟む一対の挟持指
54を備えた格納用ロボットハンド51と、被加工部材2を
挿入すべき目標のスロット303 の隣のスロット303 に挿
入されるとともに、当該隣のスロット303 と係合して当
該格納用ロボットハンド51の位置を決めるパイロット爪
55とを設け、このパイロット爪を隣のスロット303 に案
内させて、格納用ロボットハンド51の目標スロット303
に対する位置を正確に決めさせるようにしたので、スロ
ット303 の幅が狭くとも、スロット303 周囲の側壁部30
1 に衝突させることなく、被加工部材2を目標スロット
303 に容易に挿入できるうえ、被加工部材2がスロット
303 周囲の側壁部301 に衝突しないので、被加工部材2
の変形を未然に防止できる。
【0093】しかも、パイロット爪55で正確に位置決め
が行えるので、被加工部材2をスロット303 まで搬送す
る格納用ロボットハンド51を制御するにあたり、被加工
部材2を挿入すべきスロット303 と、格納用ロボットハ
ンド51との位置関係を高精度に割り出す必要がなく、簡
単な制御手段で格納用ロボットハンド51を制御すること
ができ、被加工部材2の第2マガジン5への格納作業を
迅速に行うことができる。
【0094】また、多数配列されたスロット303 のピッ
チの精度が不十分なため、基準点から遠いスロット303
の位置が所定のピッチからずれていても、あるいは、多
数用意された第2マガジン5の加工精度にばらつきがあ
るため、スロット303 の位置が所定のピッチからずれて
いても、被加工部材2を挿入すべきスロット303 の隣の
スロット303 が基準となるので、被加工部材2の第2マ
ガジン5への格納作業には何ら問題がないうえ、第2マ
ガジン5側には、位置決め用の孔等を別途設ける必要が
なく、他の用途に使用されている汎用性のある通常のマ
ガジンを第2マガジン5として採用することができるう
え、自動加工機械1に対して多数の第2マガジン5を交
互に交換して使用することもできる。
【0095】さらに、格納装置50に格納用ロボットハン
ド51を三次元方向に移動させる格納用移動機構52を設
け、ハンドコンプライアンスモジュールからなる連結部
材53を介して、格納用移動機構52に格納用ロボットハン
ド51を取り付けたので、第2マガジン5のスロット303
の成形精度や寸法精度が充分でなく、パイロット爪55と
スロット303 との位置が相互にずれていても、被加工部
材2をスロット303 に挿入する際には、連結部材53がフ
リー状態となり、格納用ロボットハンド51が変位自在と
なり、パイロット爪55がスロット303 に案内され、パイ
ロット爪55で格納用ロボットハンド51の位置決めを高精
度に行うことができる。
【0096】また、取出用ロボットハンド31および格納
用ロボットハンド51の挟持指34,54の各当接部34A, 54A
に、被加工部材2の端縁に沿って延びる断面V字形の溝
34B,54Bを設け、挟持指34,54が被加工部材2を挟持す
ると、断面V字形の溝34B, 54Bに案内されて、被加工部
材2の姿勢が挟持指34,54の長手方向と平行になるよう
に整えられるので、挟持指34,54をアイドルテーブル
8,9に対して平行にすると、被加工部材2もアイドル
テーブル8,9に対して平行となり、傾斜することがな
く、被加工部材2の第1アイドルテーブル8への載置お
よび被加工部材2の第2アイドルテーブル9からの取り
外しを容易に行うことができる。
【0097】以上、本発明について好適な実施形態を挙
げて説明したが、本発明は、この実施形態に限られるも
のでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々
の改良並びに設計の変更が可能である。例えば、加工テ
ーブル装置の上昇駆動機構としては、サーボモータの回
転速度を調節して、被加工部材の材質等に応じた加工条
件で切削加工を行うものに限らず、プロフィールの異な
る多数種類のカムを用意し、切削加工を行う被加工部材
の材質等に応じたプロフィールのカムを選択し、これに
より、様々な加工条件で切削加工を行うようにしたもの
でもよい。
【0098】また、ロボットハンドの位置を決める一対
のパイロット爪としては、閉じた位置および開いた位置
の二位置間を移動可能とされ、開いた状態でマガジンの
スロットと係合してロボットハンドの位置を決めを行う
ものに限らず、図20に示されるように、ロボットハン
ド51側に設けられた箱状フレーム55B の底面に固定され
たブラケット56A を介して、当該ロボットハンド51に固
定された一対のパイロット爪56でもよい。このパイロッ
ト爪56の各々は、外側に向かって先細りにされるととも
に、下方に向かっても先細りにされた形状のものであ
り、図21(A)の如く、被加工部材2を挿入すべきス
ロット303 の隣のスロット303 の中心線とパイロット爪
56の中心線とが多少ずれていても、ロボットハンド51を
下降させると、マガジン5のスロット303 に設けられた
テーパー部302Aに案内されて、スロット303 と係合する
位置に設けられたものとなっている。そして、パイロッ
ト爪56は、ロボットハンド51の下降により、図21
(B)の如く、当該ロボットハンド51の位置を修正し、
図21(C)の如く、被加工部材2を適切にスロット30
3 に挿入できる位置に、ロボットハンド51を位置決めす
るものとなっている。要するに、パイロット爪として
は、マガジンのスロットと係合してロボットハンドの位
置を決めが正確に行えるものであればよく、パイロット
爪の具体的形状や支持構造は、実施にあたり適宜選択で
きる。
【0099】さらに、被加工部材としては、腕時計の文
字板に限らず、LSIプロセスや半導体製造装置におけ
るシリコンウェーハ、あるいは、自動半田付装置におけ
るプリント基板でもよい。特に、マガジンのスロットに
被加工部材を挿入するための格納用ロボットハンドは、
切削、切断および研磨等の機械加工、ならびに、フォト
リソグラフィ技術や電子ビームリソグラフィ技術を応用
したパターン形成加工等における搬送装置に適用するこ
とができ、要するに、本発明は、薄い平板状の被加工部
材を取り扱う機械であれば、種類を問わず適用すること
ができる。
【0100】
【発明の効果】上述のように本発明によれば、加工に要
するサイクルタイムを短縮することができ、生産性の向
上を容易に図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施の一形態の全体を示す斜視図
である。
【図2】前記実施形態の全体を示す平面図である。
【図3】前記実施形態の加工装置を示す斜視図である。
【図4】前記実施形態の加工テーブル装置を示す斜視図
である。
【図5】前記実施形態の加工テーブル装置を示す断面図
である。
【図6】前記実施形態の加工テーブル装置の異なる状態
を示す断面図である。
【図7】前記実施形態の第1マガジンの全体を示す斜視
図である。
【図8】前記実施形態の第1マガジンの要部を示す平面
図および縦断面図である。
【図9】前記実施形態の取出用ロボットハンドを示す斜
視図である。
【図10】前記実施形態の取出用ロボットハンドの動作
を説明するための図である。
【図11】前記実施形態の第2マガジンの全体を示す斜
視図である。
【図12】前記実施形態の格納用ロボットハンドを示す
斜視図である。
【図13】前記実施形態の格納用ロボットハンドの動作
を説明するための図である。
【図14】前記実施形態の図13に続く動作を説明する
ための図である。
【図15】前記実施形態の搬送装置の全体を示す斜視図
である。
【図16】前記実施形態の搬送用ロボットハンドを示す
一部破断した正面図である。
【図17】前記実施形態の搬送用ロボットハンドの動作
を説明するための図である。
【図18】前記実施形態の全体の動作を説明するための
図である。
【図19】前記実施形態の図18に続く動作を説明する
ための図である。
【図20】本発明の変形例に係る格納用ロボットハンド
を示す斜視図である。
【図21】前記変形例の格納用ロボットハンドの動作を
説明するための図である。
【符号の説明】
1 自動加工機械 2 被加工部材 3 第1マガジン 4 加工装置 5 第2マガジン 6 搬送装置 8 第1アイドルテーブル 9 第2アイドルテーブル 30 取出装置 31 取出用ロボットハンド 32 取出用移動機構 33,53,63 連結部材 33A,53A,63A 第1接合部 33B,53B,63B 第2接合部 34, 54 挟持指 34A, 54A 当接部 34B, 54B 断面V字形の溝 35 姿勢矯正部材としての板バネ 50 格納装置 51 格納用ロボットハンド 52 格納用移動機構 55, 56 パイロット爪 61 搬送用ロボットハンド 61A 給材ハンド 61B 除材ハンド 62 搬送用移動機構 64 位置決め孔 65 位置決めピン 66 支持爪 67 押圧部材 70 加工テーブル 303 スロット

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加工前の被加工部材を複数ストックする
    第1マガジンと、前記被加工部材の加工を行う加工装置
    と、加工後の被加工部材を複数ストックする第2マガジ
    ンと、前記第1マガジンから前記加工装置への被加工部
    材の搬送および前記加工装置から前記第2マガジンへの
    被加工部材の搬送を行う搬送装置とを備えた自動加工機
    械であって、 前記被加工部材が設置されるとともに、その上で当該被
    加工部材の加工が行われる加工テーブルが複数設けら
    れ、前記複数の加工テーブルのうち、一の加工テーブル
    に設置された被加工部材について前記加工装置が加工を
    完了する前に、他の加工テーブルに設置された被加工部
    材を、別の被加工部材に交換する交換作業を前記搬送装
    置で行うために、前記加工装置と前記加工テーブルとが
    相対的に移動可能に設けられていることを特徴とする自
    動加工機械。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の自動加工機械におい
    て、相対的に移動可能に設けられている前記加工装置お
    よび前記加工テーブルのうち、前記加工装置が水平に移
    動可能とされ、前記加工テーブルが所定の平面位置に固
    定されていることを特徴とする自動加工機械。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の自動加
    工機械において、前記第1マガジンには、当該第1マガ
    ジンから被加工部材を取り出す取出装置が設けられ、前
    記第2マガジンには、加工後の被加工部材を当該第2マ
    ガジンに格納する格納装置が設けられ、前記取出装置と
    前記搬送装置との間には、前記第1マガジンから取り出
    した被加工部材が一時的に載置される第1アイドルテー
    ブルが設けられ、前記格納装置と前記搬送装置との間に
    は、前記搬送装置が搬送してきた加工後の被加工部材が
    一時的に載置される第2アイドルテーブルが設けられて
    いることを特徴とする自動加工機械。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3のいずれかに記
    載の自動加工機械において、前記搬送装置は、被加工部
    材を把持する搬送用ロボットハンドを備え、かつ、前記
    搬送装置には、前記搬送用ロボットハンドとして、前記
    加工テーブルから加工後の被加工部材を取り除く除材ハ
    ンドと、前記加工テーブルに加工前の被加工部材を供給
    する給材ハンドとが近接して設けられていることを特徴
    とする自動加工機械。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の自動加工機械におい
    て、前記被加工部材は、厚さの薄い平板状のものとさ
    れ、前記搬送用ロボットハンドには、被加工部材の端縁
    から裏側の面まで回り込むように延びるとともに、互い
    に近接離隔可能に設けられた一対の支持爪と、これらの
    支持爪に向かって付勢された状態で配置されるととも
    に、前記支持爪との間に挟み込むことにより、前記被加
    工部材を把持する押圧部材とが設けられていることを特
    徴とする自動加工機械。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の自動加工機械におい
    て、前記搬送装置には、前記搬送用ロボットハンドを互
    いに直交する三方向に沿って移動させる搬送用移動機構
    が設けられ、当該搬送用ロボットハンドは、前記搬送用
    移動機構に装着された連結部材を介して当該搬送用移動
    機構に取り付けられ、前記連結部材は、前記搬送用移動
    機構側に接合される第1接合部と、当該搬送用ロボット
    ハンドが接合される第2接合部とを備え、前記第1接合
    部と前記第2接合部との位置関係が所定の範囲で変位自
    在なフリー状態、ならびに、前記第1接合部と前記第2
    接合部とが所定の位置関係に固定される固定状態の二つ
    の状態の一方から他方へ切換可能なコンプライアンスモ
    ジュールとされ、かつ、前記搬送用ロボットハンドに
    は、前記加工テーブルに形成された位置決め孔に挿通さ
    せる位置決めピンが設けられていることを特徴とする自
    動加工機械。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし請求項6のいずれかに記
    載の自動加工機械において、前記被加工部材は、厚さの
    薄い平板状のものとされ、前記第1マガジンには、前記
    被加工部材が挿入される複数のスロットが形成されると
    ともに、当該第1マガジンから被加工部材を取り出す取
    出装置が設けられ、この取出装置には、前記被加工部材
    の端縁を両側から挟む一対の挟持指を備えた取出用ロボ
    ットハンドと、前記スロットに挿入されている被加工部
    材に当接することにより、当該被加工部材を前記一対の
    挟持指で挟持できる姿勢に矯正する姿勢矯正部材とが設
    けられていることを特徴とする自動加工機械。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の自動加工機械におい
    て、前記一対の挟持指の少なくとも先端部分には、前記
    被加工部材の端縁と当接する当接部が設けられ、この当
    接部には、前記被加工部材の端縁に沿って延びる断面V
    字形の溝が設けられていることを特徴とする自動加工機
    械。
  9. 【請求項9】 請求項7または請求項8に記載の自動加
    工機械において、前記取出装置には、前記取出用ロボッ
    トハンドを互いに直交する三方向に沿って移動させる取
    出用移動機構が設けられ、前記取出用ロボットハンド
    は、前記取出用移動機構に装着された連結部材を介して
    当該取出用移動機構に取り付けられ、前記連結部材は、
    前記取出用移動機構側に接合される第1接合部と、当該
    取出用ロボットハンドが接合される第2接合部とを備
    え、前記第1接合部と前記第2接合部との位置関係が所
    定の範囲で変位自在なフリー状態、ならびに、前記第1
    接合部と前記第2接合部とが所定の位置関係に固定され
    る固定状態の二つの状態の一方から他方へ切換可能なコ
    ンプライアンスモジュールとされていることを特徴とす
    る自動加工機械。
  10. 【請求項10】請求項1ないし請求項9のいずれかに記
    載の自動加工機械において、前記被加工部材は、厚さの
    薄い平板状のものとされ、前記第2マガジンには、前記
    被加工部材が挿入される複数のスロットが等間隔で形成
    されるとともに、当該第2マガジンの前記スロットに被
    加工部材を挿入する格納装置が設けられ、この格納装置
    には、前記被加工部材の端縁を両側から挟む一対の挟持
    指を備えた格納用ロボットハンドと、前記被加工部材を
    挿入すべき目標のスロットの隣のスロットに挿入される
    とともに、前記隣のスロットと係合して当該ロボットハ
    ンドの位置を決めるパイロット爪とが設けられているこ
    とを特徴とする自動加工機械。
  11. 【請求項11】請求項10に記載の自動加工機械におい
    て、前記一対の挟持指の少なくとも先端部分には、前記
    被加工部材の端縁と当接する当接部が設けられ、この当
    接部には、前記被加工部材の端縁に沿って延びる断面V
    字形の溝が設けられていることを特徴とするする自動加
    工機械。
  12. 【請求項12】請求項10または請求項11に記載の自
    動加工機械において、前記格納装置には、前記格納用ロ
    ボットハンドを互いに直交する三方向に沿って移動させ
    る格納用移動機構が設けられ、前記格納用ロボットハン
    ドは、前記格納用移動機構に装着された連結部材を介し
    て当該格納用移動機構に取り付けられ、前記連結部材
    は、前記格納用移動機構側に接合される第1接合部と、
    当該格納用ロボットハンドが接合される第2接合部とを
    備え、前記第1接合部と前記第2接合部との位置関係が
    所定の範囲で変位自在なフリー状態、ならびに、前記第
    1接合部と前記第2接合部とが所定の位置関係に固定さ
    れる固定状態の二つの状態の一方から他方へ切換可能な
    コンプライアンスモジュールとされていることを特徴と
    する自動加工機械。
  13. 【請求項13】加工前の被加工部材を複数ストックする
    第1マガジンと、前記被加工部材の加工を行う加工装置
    と、加工後の被加工部材を複数ストックする第2マガジ
    ンと、前記第1マガジンから前記加工装置への被加工部
    材の搬送および前記加工装置から前記第2マガジンへの
    被加工部材の搬送を行う搬送装置を備えた自動加工機械
    の運転方法であって、 前記自動加工機械には、その上に前記被加工部材を設置
    させて当該被加工部材の加工を行うための加工テーブル
    が複数設けられ、前記加工装置と前記加工テーブルとが
    相対的に移動可能に設けられ、前記複数の加工テーブル
    のうち、一の加工テーブルに設置された被加工部材につ
    いて前記加工装置が加工を完了する前に、他の加工テー
    ブルに設置された被加工部材を別の被加工部材に交換す
    る交換作業を前記搬送装置が行うことを特徴とする自動
    加工機械の運転方法。
  14. 【請求項14】請求項13に記載の自動加工機械の運転
    方法において、前記加工装置が一つの被加工部材の加工
    に要するサイクルタイムと、前記搬送装置が被加工部材
    を交換する交換作業に要するサイクルタイムとが等しく
    設定されていることを特徴とする自動加工機械の運転方
    法。
  15. 【請求項15】薄板状の被加工部材を加工する自動加工
    機械に設けられるとともに、前記被加工部材が挿入され
    る複数のスロットを備えたマガジンに前記被加工部材を
    挿入する自動加工機械用ロボットハンドであって、 前記マガジンには、前記複数のスロットが等間隔で設け
    られ、当該ロボットハンドには、前記被加工部材を挿入
    すべき目標のスロットの隣のスロットに挿入されるとと
    もに、前記隣のスロットと係合して当該ロボットハンド
    の位置を決めるパイロット爪が設けられていることを特
    徴とする自動加工機械用ロボットハンド。
  16. 【請求項16】請求項15に記載の自動加工機械用ロボ
    ットハンドにおいて、前記自動加工機械には、当該ロボ
    ットハンドを互いに直交する三方向に沿って移動させる
    移動機構と、この移動機構に回動可能に支持されるロボ
    ットアームとが設けられ、当該ロボットハンドは、前記
    ロボットアームの先端に装着された連結部材を介して当
    該ロボットアームに取り付けられ、前記連結部材は、前
    記ロボットアームに接合される第1接合部と、当該ロボ
    ットハンドが接合される第2接合部との位置関係が所定
    の範囲で変位自在なフリー状態、ならびに、前記第1接
    合部と前記第2接合部とが所定の位置関係に固定される
    固定状態の二つの状態の一方から他方へ切換可能なコン
    プライアンスモジュールとなっていることを特徴とする
    自動加工機械用ロボットハンド。
  17. 【請求項17】請求項15または請求項16に記載の自
    動加工機械用ロボットハンドにおいて、前記被加工部材
    の端縁を両側から挟む一対の挟持指が設けられ、これら
    の挟持指の少なくとも先端部分には、前記被加工部材の
    端縁と当接する当接部が設けられ、この当接部には、前
    記被加工部材の端縁に沿って延びる断面V字形の溝が設
    けられていることを特徴とする自動加工機械用ロボット
    ハンド。
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