JPH06295968A - デジタル素子のリード配列修正方法および修正装置 - Google Patents

デジタル素子のリード配列修正方法および修正装置

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JPH06295968A
JPH06295968A JP34803691A JP34803691A JPH06295968A JP H06295968 A JPH06295968 A JP H06295968A JP 34803691 A JP34803691 A JP 34803691A JP 34803691 A JP34803691 A JP 34803691A JP H06295968 A JPH06295968 A JP H06295968A
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JP34803691A
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Masaaki Murakami
村上正明
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MEIRITSU KIKAI KOGYO KK
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MEIRITSU KIKAI KOGYO KK
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Abstract

(57)【要約】 【構成】デジタル素子100のパッケージ部101を保
持し(a,b)、リード103の配列面の上側または下
側から、リードの隙間に櫛状工具6の歯7をリードと平
行になるように挿入する(e,f)。ついでその櫛状工
具をリード103の列方向(左右方向)に往復移動させ
てリードを撓めるような修正圧力を加える(g)。さら
に前記往復移動の最後の撓み方向とは逆向きにわずかに
撓め(h)、そのまま櫛状工具をリードの先端方向に抜
き取る(i)。 【効果】曲がっているリードもそうでないリードも一律
に修正処理を行なうので、1本ずつピンセットで曲がり
修正をしていた従来の方法に比して、はるかに効率的
で、しかも製品ごとのバラつきが少ない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はデジタル素子のリード配
列修正方法およびその方法に用いる装置に関する。なお
ここにいうデジタル素子とは、たとえば図14に示すよ
うな、半導体集積回路チップをパッケージ部101に封
入し、対向する2辺ないし周囲の4辺102からそれぞ
れ金属製の多数のリード(ピン)103が突設されてい
るものを意味する。
【0002】
【従来の技術】デジタル素子は図14に示すように、パ
ッケージ部101の周辺102に多数のリード103を
備えているが、それらのリード103はデジタル素子の
搬送中に符号104で示すように曲げられることがあ
る。とくにデジタル素子のコーナ部105に近いもの
は、他のデジタル素子や搬送用ケースの内壁とぶつかっ
て内向きに曲げられやすい。かかる場合はリード103
のピッチPが狂い、プリント基板などへの自動挿入がで
きなくなる。さらにプリント基板への挿入時にかえって
リードが大きく曲げられて、ヒビが入ったり、リード同
士が短絡して集積回路を破損することもある。またリー
ド103の上下方向の角度の狂いは、通常、プレス装置
および修正金型によって修正するが、その場合にリード
に「寄り(横向きの角度ずれ)」を生ずることもある。
【0003】従来はかかるリードの配列面内における横
曲げないし寄りを、作業者が1本ずつ、ピンセットによ
り正しい方向に修正している。たとえばデジタル素子を
支持台の上に載置し、顕微鏡下で配列状態をチェック
し、ピンセットにより曲がっているリードを根元部近辺
から正しい向きに曲げるのである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の手作業によ
るリードの修正は、1個のデジタル素子について1〜2
本程度であればそれほど困難でない。しかしどの程度の
曲がりについて修正すべきか、どの程度修正すればよい
かについての判断やそれに基づく修正作業はそれぞれ個
々の作業者が行うので、修正後の製品のバラツキが大き
い。さらに1個のデジタル素子ごとに数本ものリードを
修正する場合、その作業はきわめて煩雑であり、バラツ
キも一層大きくなるという問題がある。
【0005】本発明は修正すべきリードの本数が多い場
合でも、簡単にリード配列状態の修正を行うことがで
き、かつ製品のバラツキが少ないリード配列修正方法お
よび修正装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の修正方法は、
デジタル素子のパッケージ部を保持し、リードの配列面
の上側または下側から、修正すべきリードの隙間に、そ
の隙間と対応する櫛状の工具の歯をリードと平行となる
ように挿入し、該工具をリードの列方向に往復横移動さ
せながらリードに修正圧力を加えてリードの配列方向の
曲がりを矯正し、ついで工具を抜き取ることを特徴とし
ている。
【0007】請求項2の修正方法は、前記修正方法にお
いて、さらに前記工具を抜き取る前に工具を前記往復横
移動の最終の移動方向とは逆向きにいくらか移動させ、
リードをスプリングバックによる戻り分だけ撓ませなが
ら工具をリードの先端側に向かって抜き取ることを特徴
としている。
【0008】請求項3の方法は、前記パッケージ部を保
持するとき、あわせてリードに対応するスリットを備え
た枠部材の前記スリットに各リードの基部を挿入し、往
復横移動時におけるリードの列方向の傾きによる損傷を
防止することを特徴としている。
【0009】請求項4のデジタル素子のリード配列修正
装置は、デジタル素子のパッケージ部の片面を嵌入しう
る受け具を備えた受け具支持装置と、パッケージ部の他
面を挟圧する押え具および該押え具を受け具から離れた
位置とパッケージ部を挟圧する位置との間で往復駆動す
る機構を備えた押え具駆動装置と、各リードの隙間に挿
入される歯を備えた櫛状の工具、該工具を保持するホル
ダー、前記ホルダーを上下方向に駆動するための上下駆
動機構、前記ホルダーをリードの列方向に往復駆動する
ための左右駆動機構および前記ホルダーをリードの前後
方向に駆動するための前後駆動機構を備えた工具駆動装
置と、前記押え具駆動装置および工具駆動装置の動作順
序を制御する制御装置とから構成されている。
【0010】
【作用】請求項1の方法においては、基本的に、修正を
要するリードもそうでないリードも一律に修正処理を行
う。したがってどのリードが曲がっているか、およびそ
の曲がりの程度も検出する必要がない。また修正を要す
るリードが何本あっても、それらを同時に修正すること
ができるので、作業が迅速である。さらに多数並んでい
るリードの上面側または下面側から櫛状の工具の歯を挿
入するので、リードに余分な曲げを加えることなく、ス
ムーズに挿入しうる。一旦挿入された工具の歯は、工具
の往復の横移動に伴って隣接する両側のリードをそれぞ
れ左右交互に横向きに押す。その場合、曲がりが大きい
リードについては、大きい力で曲げ修正し、修正が不要
なものについてはわずかに同じ方向に曲げることにな
る。またこのように一斉に同じ方向に曲げを加えるた
め、ピッチ間隔が均一に整えられる。
【0011】請求項2の方法では、工具を抜き取るとき
に、一律に揃えられたリードを、さらに最終の移動方向
とは逆向きにいくらか撓ませるようにしている。そのた
め往復横移動の矯正時に残るわずかな曲がりを修正して
リード全体をパッケージに対してほぼ直角に揃えること
ができる。また工具を抜き取る方向がリードの先端に向
かう方向であるので、リードの根元部に加わる力を次第
に減少させながらスムーズに抜き取ることができる。さ
らにリードが縦方向にL字状またはZ字状などに曲がっ
ている場合でも、リードに歯が引掛ったりすることがな
い。
【0012】請求項3の方法においては、パッケージ部
を保持した後、リードの列方向の傾きを拘束するので、
工具の往復横移動のときにリードの根元部に大きい曲げ
力が加わるのを防ぐことができる。
【0013】前記の方法はいずれも一列のリード全体を
同時に修正するものであるが、修正すべきリードが部分
的(たとえばコーナ部)に偏在していることが明らかで
あれば、その部分のみ修正する歯を備えた工具を用いる
こともできる。またデジタル素子の対向する2辺または
4辺を同時に修正してもよい。ただしいずれの方法も、
手作業により行うことは一般的にはかえって無駄が多く
なる。そのため以下の修正装置を用いるのが好ましい。
【0014】請求項4の装置は前記請求項1〜2の方法
を正確な順序で自動的に実施するようにしたものであ
る。かかる装置により前記方法は実用的レベルで実施し
うる。
【0015】請求項5の装置では、一辺のリード列を修
正した後、押え具で押えたままデジタル素子を180度
回転させ、反対側のリード列を修正しうる。そのためデ
ジタル素子の両側(ないし四周)に対称的に設けられる
リード列を同一の工具で修正することができ、また1個
ずつ手でデジタル素子の向きを変える必要がない。
【0016】請求項6記載のデジタル素子支持装置にお
いては、枠部材の内部にデジタル素子を載置して位置決
めした後、枠部材を上昇させて枠部材のスリットにリー
ドを挿入する。そのためリードの曲げ修正などの作業中
にリードの基部を保護することができ、ヒビが入るなど
の不測の損傷を防止しうる。また枠部材が支持バネを介
して駆動機構に連結されているので、リードがスリット
にうまく入らない場合でも、支持バネによって枠部材が
下向きに逃げることができる。そのためリードの上下方
向の折損などの損傷を防止しうる。
【0017】
【実施例】つぎに図面を参照しながら本発明の方法およ
び装置を説明する。
【0018】図1〜2はそれぞれ本発明の方法における
主要工程の一実施例を示す斜視図および部分拡大平面
図、図3〜5はそれぞれ本発明の装置の一実施例を示す
概略斜視図、平面図および立面図、図6は本発明のデジ
タル素子支持装置の一実施例を示す断面図、図7は図6
のVII-VII 線断面図、図8は本発明にかかわる押え具駆
動装置の一実施例を示す側面図、図9は図7の受け具お
よび図8の押え具の配置関係を示す平面図、図10〜1
3はそれぞれ本発明にかかわる櫛状工具駆動装置の一実
施例を示す正面図、左側面図、右側面図および平面図で
ある。
【0019】まず図1および図2を参照して本発明の修
正方法を説明する。
【0020】図1に示すように、デジタル素子100は
裏返しの状態で受け具1内に挿入する。このようにする
と下向きに曲がっているリード103も受け具1と干渉
しない。受け具1はデジタル素子100と同じ平面形状
を備えたコア部材2と、そのコア部材2の外周に設けら
れる枠部材3とからなる。枠部材3の上端面3aは外側
に向かって下るように傾斜しており、その上端には一列
分のリード103に対応する多数のスリット4が形成さ
れている。櫛状工具6の歯7の寸法は、たとえばリード
103のピッチが0.65mm、幅W1が0.3mm 、厚さ(高
さ)が0.2mm の場合、歯7の幅W2を0.2mm 、高さを2
mm程度とするのが好ましい。
【0021】つぎに載置したデジタル素子100を押え
具5によつて下方に押しつける。押え具5は後述する駆
動機構などにより、前進させ(矢印a)、さらに下降さ
せて(矢印b)デジタル素子100を固定する。
【0022】つぎに櫛状工具6を前進させ(矢印e)、
下降させることにより(矢印f)、櫛状工具6の歯7を
リード103の隙間に交互に挿入する。その場合、工具
6の各歯7の先端に下向きの突起8を設けておくのが好
ましい。各リード103は根元部(基部)ではピッチが
変わっておらず、挿入しやすいからである。また突起8
を三角形状にしておくと、歯7の下降に伴って、突起8
の斜辺9が曲がっているリード103を弾力的に正しい
位置に撓ませる。したがってリード103が大きく曲が
っている場合でも、スムーズに挿入していくことができ
る。
【0023】ついで図2に示すように、工具6を左右に
往復移動させる(矢印g)。このときリード103の弾
性限界を超えるまで撓ませ、いくらかの塑性変形を残す
ようにする。それにより右に曲がっているリード103
は工具6を左に移動するときに修正することができ、左
に曲がっているリード103は工具6を右に移動すると
きに修正することができる。
【0024】修正を終えると工具6をリード103の隙
間から抜きとる。かかる修正処理により、すべてのリー
ド103を互いに平行にし、ピッチを揃えることができ
る。
【0025】さらに前記修正操作の後、工具6を左右の
中心で止めず、往復移動の最終の戻り方向と同じ方向に
進め、リード103を逆向きにわずかに撓ませ(矢印
h)、そのまま各歯7を隣接するリード103の側面に
当接させながらリードの先端側に向かって引き抜く(矢
印i)のが好ましい。このようにすると前記左右の往復
移動の最終段階でわずかに残った撓みもほぼ修正するこ
とができ、パッケージ部101の辺102に対する各リ
ード103の直角度を一層正確にすることができる。
【0026】このようにして一列分のリード103の修
正が完了する。図1の実施例の場合は、デジタル素子1
00が4辺102にリード103を備えているので、前
記の場合と同じようにして第2の櫛状工具6bにより短
辺102b側のリード103bの修正を行う。
【0027】2辺のリードの修正が終了すると、受け具
1を180度回転させて(矢印k)、前述と同じように
して残る2辺102c、102dのリード103の修正
を行う。
【0028】すべてのリードの修正が完了すると、デジ
タル素子を交換するために押え具5を待機位置N1に戻
す(矢印c、矢印d)。なおつぎの修正操作に備えて工
具6、6bも待機位置N2に戻しておく。
【0029】前記方法において、始めに枠部材3を所定
位置よりいくらか(たとえば2〜4mm)下げておき、デ
ジタル素子100をコア部材2上に載置した後に上昇さ
せるのが好ましい。その場合、リード103の根元部で
はピッチが大きく変化していないため、デジタル素子1
00の自重で、枠部材3の多数のスリット4にリード1
03が自然と挿入される。
【0030】枠部材3とそれを上下に駆動する機構との
間には、支持バネを介在させておくのが好ましい。その
場合、仮にリード103がスリット4内に入っていなく
ても、押え具5でデジタル素子100を押えつけたとき
に枠部材3が下に逃げるので、リード103を損傷しな
い。なおリード103の根元部のピッチは正確であるの
で、リード103が枠部材3の先端に乗るときには、ほ
ぼすべてのリード103が乗ることになる。またリード
103の根元部は曲げ剛性が大きい。そのため支持バネ
の付勢力に充分に対抗することができる。
【0031】図1の方法では直角方向に2基の工具6、
6bを配置しているが、対向する2辺のリードを同時に
修正するように配置してもよく、また4辺のリードを同
時に修正するよう4基の工具を用いることもできる。さ
らに1基の工具のみを用い、デジタル素子100を90
度ずつ回転させて4辺のリードを順に修正するようにし
てもよい。
【0032】つぎに図3〜13を参照して、前記修正方
法を実施する装置の好ましい実施例を説明する。
【0033】図3において、11はフレームであり、こ
のフレーム11上に受け具駆動装置12、押え具駆動装
置13および第1の工具駆動装置14がそれぞれ配置さ
れている。図3では省略されているが、図4および図5
に示すように、第2の工具駆動装置15が前記第1の工
具駆動装置13と直角方向に配置されている。さらに図
2〜4では受け具駆動装置12の昇降機構を省略してい
る。
【0034】図4および図5のプレス装置はデジタル素
子のリードの上下方向および前後方向の曲がりを矯正す
るためのものである。図4のレイアウトではプレス装置
16はリード配列修正装置の前工程に相当する。
【0035】プレス装置16で矯正したデジタル素子
は、直接受け具1に載置してもよく、一旦、トレーTな
どに保管しておき、そこから1個ずつ受け具1に載せる
ようにしてもよい。また押え具駆動装置13の位置に、
垂直軸まわりに180度回転する回転駆動機構およびワ
ーク吸着盤などを備え、かつ押え具駆動装置の機能をあ
わせ備えたハンドリングロボットを設置し、プレス工程
とリード配列修正工程とを1ラインに結合することもで
きる。
【0036】つぎに図6、図7および図9を参照して、
受け具駆動装置の好ましい実施例を説明する。
【0037】図6の受け具駆動装置12は、フレーム1
1に固定されたベアリング受け21およびその内部に保
持されるベアリング22によって垂直軸まわりに回転自
在に支持される回転軸23を有する。回転軸23の下端
は、180度反転形のエア駆動式ロータリアクチュエー
タ24の駆動軸25に対し、カップリング26により結
合されている。ロータリアクチュエータ24の本体は図
示しないブラケットによってフレーム11に固定されて
いる。回転軸23の上端には、円柱状のピン25が設け
られており、そのピン25に前述した直方体状のコア部
材2が着脱自在に嵌合されている。コア部材2はセット
ビス(図示されていない)などによって、回転軸23に
対して回転しないように取りつけられている。さらにコ
ア部材2の外周には枠部材3が上下に摺動自在に設けら
れている。
【0038】本実施例では、枠部材3の下部に、枠部材
3の昇降機構と連結するための環状溝26が形成されて
いる。
【0039】さらに前記フレーム11上には、前記回転
軸23と平行にガイド28およびブッシュ29が設けら
れ、ブッシュ29内に昇降ロッド30が摺動自在に挿入
されている。昇降ロッド30の上端には図9に示すよう
にC字状のブラケット31が取りつけられており、その
ブラケット31の上端に、前記枠部材3の環状溝26と
係合する一対のカムフォロア32が取りつけられてい
る。さらに昇降ロッド30の下部には、上部バネ受け3
3の一端が固定されており、その下方には下部バネ受け
34の一端が軸方向摺動自在に取りつけられている。上
部および下部バネ受け33、34のそれぞれの他端は、
フレーム11に下向きに立設したガイドロッド35上を
摺動するようにしている。それにより上部および下部バ
ネ受け33、34の方向が定まる。上部および下部バネ
受け33、34の間には、支持バネ36がほぼ自由長の
状態で挿入されている。なおガイドロッド35および昇
降ロッド30の下端には、それぞれ抜け止め用のセット
カラー37が取りつけられている。
【0040】下部バネ受け34にはカムフォロア38が
取りつけられており、そのカムフォロア38は水平方向
の軸まわりに回転する偏心カム39によって上下に駆動
される。偏心カム39はモータ40の駆動軸41に取り
つけられている。さらに駆動軸41と同心に角度位置検
出用の円板42が取りつけられており、その円板42に
は、図7に詳示する透過形の光電スイッチ43により検
出されるスリット44が形成されている。なお図6の4
5は上部バネ受け33の上限を定める調節自在のストッ
パである。
【0041】かかる受け具駆動装置12において、モー
タ40の駆動軸41が180度回転すると、カムフォロ
ア38および下部バネ受け34が上向きに駆動され、あ
るいは自重で下降する。それに伴って支持バネ36を介
して上部バネ受け33、昇降ロッド30およびブラケッ
ト31が上下する。それにより枠部材3が上昇し、ある
いは下降する。その昇降ストロークは前記ストッパ45
により調節される。
【0042】しかし枠部材3は常時支持バネ36で支え
られているので、前述のようにリード103が枠部材3
のスリットに入らず、上端に乗っている状態で押え具5
が下降しても、枠部材3は下方に逃げる。
【0043】図8の51はガイド52とスライダ53と
からなるスライドユニットであり、ガイド52はフレー
ム11上に固定されている。スライダ53はそれ自体に
エアシリンダを内蔵しており、ガイド52上を往復摺動
することができる。スライダ53上にはベースプレート
54を介してエアシリンダ55およびリニアブッシュ5
6が所定の間隔で取り付けられている。エアシリンダ5
5は押え具5を保持するバー57を昇降させるものであ
り、リニアブッシュ56はバー57の方向を定めるもの
である。前記受け具駆動装置12と押え具駆動装置13
とは、図9に示すように互いに直角に配置されている。
受け具駆動装置の昇降機構は調節しやすいように、また
工具駆動装置14の邪魔にならないように、操作盤側
(図3の下側)に配置している。
【0044】つぎに図10〜13を参照して工具駆動装
置を説明する。図10および図11に示すように、この
装置は上部構造全体を受け具駆動装置側に近付けたり遠
ざけたりするための前後スライドユニット61を備えて
いる。この前後スライドユニット61は前記押え具駆動
装置13のスライドユニット51と同じ構成のものであ
り、スライダ62内にエアシリンダを内蔵している。
【0045】前記スライダ62の上部には、前後スライ
ドユニット61と直交する方向に第1ベースプレート6
3および第1左右スライドユニット64が設けられてい
る。第1スライドユニット64の2個のスライダ65上
には第2ベースプレート66が取り付けられており、そ
の第2ベースプレート66は第1ベースプレート63の
一端に取り付けられた第1偏心カム機構67によって往
復駆動される。第1偏心カム機構67は第2ベースプレ
ート66に取り付けられたカムフォロア68と、第1ベ
ースプレート63に取り付けられた偏心カム69および
モータ(たとえばシンクロナスモータ)70とからな
る。偏心カム69は偏心ブッシュ71、72を介してモ
ータ70の軸に固定されている。
【0046】さらに第2ベースプレート66上には第2
左右スライドユニット73が第1左右スライドユニット
64と同じ方向に取り付けられている。この第2左右ス
ライドユニット73の上部に第3ベースプレート74が
取りつけられている。
【0047】他方、前記第2ベースプレート66の端部
には、L型ブラケット75を介して第2偏心カム機構が
取り付けられている。この第2偏心カム機構は、第3ベ
ースプレート70にL型ブラケット77を介して取り付
けられたカムフォロア78と係合する偏心カム79およ
びこれを駆動するモータ80を備えており、第3ベース
プレート74を左右に往復動させるものである。
【0048】図11に示すように第3ベースプレート7
4上には上下に長いブラケット81が立設されており、
その前面に上下スライドユニット82が設けられてい
る。
【0049】この上下スライドユニット82のスライダ
83に取り付けられた前面プレート84の下端に、櫛状
工具6を着脱自在に保持するためのホルダー85が取り
付けられている。前面プレート84はスライダ83に内
蔵されたエアシリンダによって上下駆動される。
【0050】すなわち図10〜11の櫛状工具駆動装置
は、前後方向に1個、左右方向に2個、上下方向に1個
のスライドユニットを有し、全部で4自由度を備えてい
る。左右方向のスライドユニットのうち下側の第1左右
スライドユニット64は櫛状工具6をデジタル素子のリ
ード間に挿入するのに先立って、櫛状工具6の歯7とリ
ードの隙間とを合わせるためのものである。また上側の
第2左右スライドユニット72は、櫛状工具6を左右に
振動させてリード配列を修正するためのものである。
【0051】本実施例においては、偏心カム69、79
として円板の表面に環状溝を有する溝カムを用いてお
り、相手部材に取り付けたカムフォロア68、78を偏
心量の2倍だけストロークさせるようにしている。この
ような溝カムを用いることにより、1〜2mm程度の微小
な振幅(片振幅)であっても安定して駆動させうる。
【0052】なお図10の86は櫛状工具の位置決めセ
ンサであり、櫛状工具6を下降させる前に、その歯7が
リードの間に正確にきていることを検出するために用い
る。位置決めセンサ86としては、たとえば反射光を検
出するレーザ式光電スイッチなどを用いることができ
る。
【0053】すなわち位置決めセンサ86は、左右の振
動の中心位置にある櫛状工具6の歯7がリードの間にき
たときに信号を出し、第1偏心カム69を駆動するモー
タ70を停止させ、第1左右スライドユニット64を停
止させるのである。
【0054】一方、図12に示すように、第2左右スラ
イドユニット72の駆動用のモータ80の軸87にはロ
ータリエンコーダ88が連結されている。このロータリ
エンコーダ88は、図2に示すように櫛状工具6に左右
の振動(片振幅S)を与えてリード配列を修正した後、
いくらか逆方向に撓めるとき(図2の矢印h)にその方
向の押し量ΔSを正確に再現するために用いる。
【0055】これにより、特定のデジタル素子のリード
に対する適切な押し量をあらかじめ測定しておき、その
測定値を設定しておけば、自動的にその押し量だけ逆方
向に撓めることができる。なお逆方向に撓める場合で
も、偏心カム79の回転方向は同じ方向でよい。
【0056】図12の89は第1偏心カム69に取り付
けられた基準位置を示すためのタブであり、90はその
タブ89の有無を検出する光電スイッチである。また図
13の91は第2偏心カム79のタブであり、92はそ
れを検出するための光電スイッチである。図10の93
および94はそれぞれ位置決めセンサ86および櫛状工
具6の微調整用のマイクロメータ付きねじである。
【0057】以上のとおり構成される工具駆動装置の一
連の動作は以下のとおりである。まず図5に示すよう
に、押え具駆動装置13が退避した後(矢印d)、前後
スライドユニット61が前進動作し(矢印e)、位置決
めセンサ86の指示のもとに第1左右スライドユニット
64が作動して工具の歯7をリードの隙間に合わせ、つ
いで上下スライドユニット82が下降して工具の歯7を
リードの間に挿入する(矢印f)。さらに第2左右スラ
イドユニット72が作動して工具6を左右に振動させて
リードの曲がりを修正し(矢印g)、適正な戻し量だけ
リードを撓ませながら(矢印h)前後スライドユニット
61によって後退する。最後に上下スライドユニット8
2によって工具が上昇し、第2左右スライドユニットが
工具をもとの中心位置に戻す。
【0058】以上のごとく図10〜13に示す工具駆動
装置は、高い精度を要しない前後方向および上下方向の
動きをエアシリンダで駆動し、高精度が要求される左右
の動きを偏心カム機構により駆動しているので、全体の
運動がスムーズで、コストパフォーマンスも高い。
【0059】
【発明の効果】本発明の方法は、デジタル素子の一列分
のリードを一律に修正処理するので、曲がっているリー
ドの検出の手間が不要で自動化に適する。本発明の装置
および工具により、前記方法を迅速かつ正確に実施する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法における主要工程の一実施例を示
す一部切り欠き斜視図。
【図2】図1の方法における要部拡大平面図。
【図3】本発明の装置の一実施例を示す概略斜視図。
【図4】図3の装置の平面図。
【図5】図3の装置の立面図。
【図6】本発明の受け具駆動装置の一実施例を示す断面
図。
【図7】図6のVII-VII 線断面図。
【図8】本発明の装置における押え具駆動装置の一実施
例を示す立面図。
【図9】本発明にかかわる受け具駆動装置と押え具駆動
装置の位置関係の実施例を示す平面図。
【図10】本発明にかかわる工具駆動装置の一実施例を
示す正面図。
【図11】図10の装置の左側面図。
【図12】図10の装置の右側面図。
【図13】図10の装置の平面図。
【図14】本発明が対象とするデジタル素子の一例を示
す斜視図。
【符号の説明】
100 デジタル素子 101 パッケージ部 103 リード 1 受け具 2 コア部材 3 枠部材 4 スリット 5 押え具 6 櫛状工具 7 歯 12 受け具駆動装置 13 押え具駆動装置 14 第1の工具駆動装置 15 第2の工具駆動装置 61 前後スライドユニット 64 第1左右スライドユニット 72 第2左右スライドユニット 82 上下スライドユニット a,b,c,d 押え具の動き e,f,g,h,i,j 櫛状工具の動き S 振幅 ΔS 戻り量

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 デジタル素子のパッケージ部を保持し、
    リードの配列面の上側または下側から、修正すべきリー
    ドの隙間に、その隙間と対応する櫛状の工具の歯をリー
    ドと平行になるように挿入し、該工具をリードの列方向
    に往復横移動させながらリードに修正圧力を加えてリー
    ドの配列方向の曲がりを矯正し、ついで工具を抜き取る
    デジタル素子のリード配列修正方法。
  2. 【請求項2】 前記工具を抜き取る前に、工具を前記往
    復横移動の最終の移動方向とは逆向きにいくらか移動さ
    せ、スプリングバックによる戻り分を撓ませながら工具
    をリードの先端側に向かって抜き取る請求項1記載の方
    法。
  3. 【請求項3】 前記パッケージ部を保持するとき、あわ
    せてリードに対応するスリットを備えた外枠部材の前記
    スリットに各リードの基部を挿入しておき、往復横移動
    時におけるリードの列方向の傾きによる損傷を防止する
    請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 請求項1の方法を実施するための装置で
    あって、デジタル素子のパッケージ部の片面を嵌入しう
    る受け具を備えた受け具支持装置と、パッケージ部の他
    面を挟圧する押え具および該押え具を受け具から離れた
    位置とパッケージ部を挟圧する位置との間で往復駆動す
    る機構を備えた押え具駆動装置と、各リードの隙間に挿
    入される歯を備えた櫛状の工具、該工具を保持するホル
    ダー、前記ホルダーを上下方向に駆動するための上下駆
    動機構、前記ホルダーをリードの列方向に往復駆動する
    ための左右駆動機構および前記ホルダーをリードの前後
    方向に駆動するための前後駆動機構とを備えた工具駆動
    装置と、前記押え具駆動装置および工具駆動装置の動作
    順序を制御する制御装置とからなるデジタル素子のリー
    ド配列修正装置。
  5. 【請求項5】 前記受け具支持装置が、受け具をパッケ
    ージ部の面内で180度ずつ回転させる回転機構を備え
    ている請求項4記載の装置。
  6. 【請求項6】 前記左右駆動機構が、前後駆動機構によ
    って前後に往復スライドさせられる第1ベースと、該第
    1ベース上を左右に往復横移動する第2ベースと、該第
    2ベース上をさらに左右に往復横移動すると共に前記上
    下駆動機構を支持する第3ベースを有し、第2ベース上
    に回転自在に設けた偏心カムと第3ベースに設けたカム
    フォロアとによって第3ベースを左右に駆動し、かつ第
    2ベースの第1ベースに対する左右方向の位置を調節す
    ることにより第3ベースの往復横移動の中心位置を調節
    するように構成されている請求項4記載の装置。
  7. 【請求項7】 デジタル素子のパッケージ部の片面を支
    持するコア部材と、該コア部材の周囲から立ち上がると
    共にコア部材に対して上下に駆動される枠部材とを備え
    た受け具を有し、前記枠部材の上端面が外側に向かって
    下るように傾斜すると共に枠部材の上端にデジタル素子
    のリードの基部を挿入するためのスリットを有し、かつ
    前記枠部材をリードの厚さ分またはそれよりわずかに大
    きい寸法だけ上下駆動するための駆動機構を備えてお
    り、前記枠部材が該駆動機構に対して支持バネを介して
    結合されているデジタル素子の支持装置。
  8. 【請求項8】 デジタル素子のリードの間に挿入しうる
    多数の櫛状の歯を有し、各歯の先端に、工具を挿入する
    向きに突出する突起が設けられてなるデジタル素子のリ
    ード配列修正用の櫛状工具。
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