JP2002141046A - 非水電解液電池用セパレータ及び非水電解液電池 - Google Patents
非水電解液電池用セパレータ及び非水電解液電池Info
- Publication number
- JP2002141046A JP2002141046A JP2000336894A JP2000336894A JP2002141046A JP 2002141046 A JP2002141046 A JP 2002141046A JP 2000336894 A JP2000336894 A JP 2000336894A JP 2000336894 A JP2000336894 A JP 2000336894A JP 2002141046 A JP2002141046 A JP 2002141046A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- aqueous electrolyte
- separator
- electrolyte battery
- weight
- porous film
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
Landscapes
- Cell Separators (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 非水電解液に対する濡れ性が良好で、保液性
にも優れる非水電解液電池用セパレータ、及びそれを用
いた非水電解液電池を提供する。 【解決手段】 ポリオレフィン系重合体と二重結合を有
する重合体とが架橋してなる架橋物を含有し、BET法
(吸着法)により測定した比表面積が40m2 /g以上
である多孔質フィルムよりなる非水電解液電池用セパレ
ータ。
にも優れる非水電解液電池用セパレータ、及びそれを用
いた非水電解液電池を提供する。 【解決手段】 ポリオレフィン系重合体と二重結合を有
する重合体とが架橋してなる架橋物を含有し、BET法
(吸着法)により測定した比表面積が40m2 /g以上
である多孔質フィルムよりなる非水電解液電池用セパレ
ータ。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリオレフィン系
重合体と二重結合を有する重合体とが架橋してなる架橋
物を含有する多孔質フィルムを用いた非水電解液電池用
セパレータ及び非水電解液電池に関する。
重合体と二重結合を有する重合体とが架橋してなる架橋
物を含有する多孔質フィルムを用いた非水電解液電池用
セパレータ及び非水電解液電池に関する。
【0002】
【従来の技術】リチウムなどの軽金属を電極とする非水
電解液電池は、エネルギー密度が高く自己放電も少ない
ため、電子機器の高性能化、小型化などを背景として利
用範囲を大きく広げてきている。このような非水電解液
電池の電極としては、帯状の正極、負極、およびセパレ
ータを積層し捲回して構成することにより、広い有効電
極面積を確保した渦巻状捲回体が用いられている。電極
間に介在するセパレータは、基本的には両極の短絡を防
止するとともに、その多孔質構造によりイオンを透過さ
せて電池反応を可能とするものである。そして、誤接続
などにより異常電流が発生した場合、電池内部温度の上
昇に伴い樹脂が熱変形して微多孔を塞ぐことで、電池反
応を停止させるいわゆるシャットダウン機能(SD機
能)を有するものが安全性向上の観点から採用されてい
る。
電解液電池は、エネルギー密度が高く自己放電も少ない
ため、電子機器の高性能化、小型化などを背景として利
用範囲を大きく広げてきている。このような非水電解液
電池の電極としては、帯状の正極、負極、およびセパレ
ータを積層し捲回して構成することにより、広い有効電
極面積を確保した渦巻状捲回体が用いられている。電極
間に介在するセパレータは、基本的には両極の短絡を防
止するとともに、その多孔質構造によりイオンを透過さ
せて電池反応を可能とするものである。そして、誤接続
などにより異常電流が発生した場合、電池内部温度の上
昇に伴い樹脂が熱変形して微多孔を塞ぐことで、電池反
応を停止させるいわゆるシャットダウン機能(SD機
能)を有するものが安全性向上の観点から採用されてい
る。
【0003】このようなSD機能を有するセパレータと
しては、例えば、ポリエチレン製微多孔膜やポリエチレ
ンとポリプロピレンとの多層構造の微多孔膜などが知ら
れている。また、ポリオレフィン系重合体の他にさらに
ゴム等を含有した多孔質フィルムが提案されている(例
えば特公平1−18091号公報、特開平6−1630
23号公報)。
しては、例えば、ポリエチレン製微多孔膜やポリエチレ
ンとポリプロピレンとの多層構造の微多孔膜などが知ら
れている。また、ポリオレフィン系重合体の他にさらに
ゴム等を含有した多孔質フィルムが提案されている(例
えば特公平1−18091号公報、特開平6−1630
23号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
多孔質フィルムを非水電解液電池のセパレータとして使
用すると、非水電解液の種類にもよるが、特にリチウム
二次電池用の電解液に対しては、濡れ性が悪くなる場合
が多い。電解液に対する濡れ性が低下すると、セパレー
タとして使用出来なくなったり、電池性能が低下するな
どの問題が生じる。また、濡れ性が悪いと、電池製造工
程で電解液の注液工程に多大な時間を費やす。更に、電
解液の保液性も悪くなり、電池充放電を繰り返すサイク
ル特性で徐々に放電容量の劣化を伴い易い。
多孔質フィルムを非水電解液電池のセパレータとして使
用すると、非水電解液の種類にもよるが、特にリチウム
二次電池用の電解液に対しては、濡れ性が悪くなる場合
が多い。電解液に対する濡れ性が低下すると、セパレー
タとして使用出来なくなったり、電池性能が低下するな
どの問題が生じる。また、濡れ性が悪いと、電池製造工
程で電解液の注液工程に多大な時間を費やす。更に、電
解液の保液性も悪くなり、電池充放電を繰り返すサイク
ル特性で徐々に放電容量の劣化を伴い易い。
【0005】そこで、本発明の目的は、非水電解液に対
する濡れ性が良好で、保液性にも優れる非水電解液電池
用セパレータ及びこれを用いた非水電解液電池を提供す
ることにある。
する濡れ性が良好で、保液性にも優れる非水電解液電池
用セパレータ及びこれを用いた非水電解液電池を提供す
ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく、セパレータを構成する多孔質フィルムの
各種物性、材質等について鋭意研究したところ、ポリオ
レフィン系重合体と二重結合を有する重合体とが架橋し
てなる架橋物を含有し、比表面積が40m2 /g以上で
ある多孔質フィルムが、非水電解液に対する濡れ性が良
好で、保液性にも優れることを見出し、本発明を完成す
るに至った。
を達成すべく、セパレータを構成する多孔質フィルムの
各種物性、材質等について鋭意研究したところ、ポリオ
レフィン系重合体と二重結合を有する重合体とが架橋し
てなる架橋物を含有し、比表面積が40m2 /g以上で
ある多孔質フィルムが、非水電解液に対する濡れ性が良
好で、保液性にも優れることを見出し、本発明を完成す
るに至った。
【0007】即ち、本発明の非水電解液電池用セパレー
タは、ポリオレフィン系重合体と二重結合を有する重合
体とが架橋してなる架橋物を含有し、BET法(吸着
法)により測定した比表面積が40m2 以上である多孔
質フィルムよりなる。
タは、ポリオレフィン系重合体と二重結合を有する重合
体とが架橋してなる架橋物を含有し、BET法(吸着
法)により測定した比表面積が40m2 以上である多孔
質フィルムよりなる。
【0008】上記において、前記ポリオレフィン系重合
体が重量平均分子量50万以上のポリエチレンであるこ
とが好ましい。
体が重量平均分子量50万以上のポリエチレンであるこ
とが好ましい。
【0009】また、赤外吸収スペクトクルにおけるカル
ボニルに基づく1720cm-1の吸光度D1とポリエチ
レンに基づく1462cm-1の吸光度D2の強度比(D
1/D2)が、0.05以上であることが好ましい。
ボニルに基づく1720cm-1の吸光度D1とポリエチ
レンに基づく1462cm-1の吸光度D2の強度比(D
1/D2)が、0.05以上であることが好ましい。
【0010】更に、熱可塑性エラストマーを1〜35重
量%含有することが好ましい。
量%含有することが好ましい。
【0011】一方、本発明の非水電解液電池は、上記い
ずれかに記載の非水電解液電池用セパレータを用いてな
ることを特徴とする。
ずれかに記載の非水電解液電池用セパレータを用いてな
ることを特徴とする。
【0012】[作用効果]本発明の非水電解液電池用セ
パレータによると、実施例の結果が示すように、非水電
解液に対する濡れ性が良好で、保液性にも優れるように
なる。その理由の詳細は不明であるが、ポリオレフィン
系重合体と二重結合を有する重合体とが架橋してなる架
橋物を含有する多孔質フィルムでは、架橋反応時にカル
ボニルや水酸基が生成し易いことが確認されており、こ
れが濡れ性の向上に寄与すると共に、比表面積が一定以
上であることと相まって、濡れ性が良好になったものと
と推定される。
パレータによると、実施例の結果が示すように、非水電
解液に対する濡れ性が良好で、保液性にも優れるように
なる。その理由の詳細は不明であるが、ポリオレフィン
系重合体と二重結合を有する重合体とが架橋してなる架
橋物を含有する多孔質フィルムでは、架橋反応時にカル
ボニルや水酸基が生成し易いことが確認されており、こ
れが濡れ性の向上に寄与すると共に、比表面積が一定以
上であることと相まって、濡れ性が良好になったものと
と推定される。
【0013】前記ポリオレフィン系重合体が重量平均分
子量50万以上のポリエチレンである場合、このような
高分子量のポリエチレンは、多孔質構造の形成の際に延
伸配向によりセパレータとしての機械特性を発現させ易
く、また二重結合を有する重合体との架橋反応も生じ易
いため、濡れ性の改善効果もより高くなる。
子量50万以上のポリエチレンである場合、このような
高分子量のポリエチレンは、多孔質構造の形成の際に延
伸配向によりセパレータとしての機械特性を発現させ易
く、また二重結合を有する重合体との架橋反応も生じ易
いため、濡れ性の改善効果もより高くなる。
【0014】赤外吸収スペクトクルにおける上記の強度
比(D1/D2)が、0.05以上である場合、カルボ
ニルの生成量が高くなり、より確実に濡れ性の改善効果
が得られるようになる。
比(D1/D2)が、0.05以上である場合、カルボ
ニルの生成量が高くなり、より確実に濡れ性の改善効果
が得られるようになる。
【0015】熱可塑性エラストマーを1〜35重量%含
有する場合、濡れ性を良好に維持しつつ、シャットダウ
ン機能を好適に付与することができるようになる。
有する場合、濡れ性を良好に維持しつつ、シャットダウ
ン機能を好適に付与することができるようになる。
【0016】一方、本発明の非水電解液電池によると、
上記いずれかに記載の非水電解液電池用セパレータを用
いるため、セパレータの非水電解液に対する濡れ性が良
好で、保液性にも優れるため、非水電解液電池の本来の
電池性能を十分発現することができ、製造性も良好にな
る。
上記いずれかに記載の非水電解液電池用セパレータを用
いるため、セパレータの非水電解液に対する濡れ性が良
好で、保液性にも優れるため、非水電解液電池の本来の
電池性能を十分発現することができ、製造性も良好にな
る。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。
て説明する。
【0018】本発明の非水電解液電池用セパレータは、
BET法(吸着法)により測定した比表面積が40m2
/g以上である多孔質フィルムからなり、特に比表面積
が50〜150m2 /gが好ましい。比表面積が40m
2 /g未満では、非水電解液に対する濡れ性が低下し、
保液性も悪くなる。また、比表面積が150m2 /gを
超えると、多孔質構造の組織が小さくなり過ぎて、通気
性が低下する、あるいは曲路率が増大しイオン透過性が
低下する傾向がある。
BET法(吸着法)により測定した比表面積が40m2
/g以上である多孔質フィルムからなり、特に比表面積
が50〜150m2 /gが好ましい。比表面積が40m
2 /g未満では、非水電解液に対する濡れ性が低下し、
保液性も悪くなる。また、比表面積が150m2 /gを
超えると、多孔質構造の組織が小さくなり過ぎて、通気
性が低下する、あるいは曲路率が増大しイオン透過性が
低下する傾向がある。
【0019】本発明における多孔質フィルムは、ポリオ
レフィン系重合体と二重結合を有する重合体とが架橋し
てなる架橋物を含有するものである。当該架橋物は、例
えばポリオレフィン系重合体と二重結合を有する重合体
とを含有する樹脂組成物を、酸素、オゾン、酸素化合物
等の存在下で加熱架橋等することで得ることが出来る。
このため、本発明における多孔質フィルムには、部分的
に残存するポリオレフィン系重合体や二重結合を有する
重合体などを同時に含有してもよい。
レフィン系重合体と二重結合を有する重合体とが架橋し
てなる架橋物を含有するものである。当該架橋物は、例
えばポリオレフィン系重合体と二重結合を有する重合体
とを含有する樹脂組成物を、酸素、オゾン、酸素化合物
等の存在下で加熱架橋等することで得ることが出来る。
このため、本発明における多孔質フィルムには、部分的
に残存するポリオレフィン系重合体や二重結合を有する
重合体などを同時に含有してもよい。
【0020】ポリオレフィン系重合体としては、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリブチレンなどが挙げられ
るが、ポリエチレン、ポリプロピレンが好ましい。ポリ
エチレンとしては、超高分子量ポリエチレン、高密度ポ
リエチレン、低密度ポリエチレンなどが挙げられるが、
重量平均分子量50万以上のポリエチレン、特に重量平
均分子量100万以上のポリエチレンが好ましい。ま
た、ポリプロピレンとしては、アイソタクチッタポリプ
ロピレン、シンジオタクチックポリプロピレンなどが好
ましく、中でも多孔質構造を形成しやすいため、結晶性
の高いアイソタクチックポリプロピレンが好ましい。
チレン、ポリプロピレン、ポリブチレンなどが挙げられ
るが、ポリエチレン、ポリプロピレンが好ましい。ポリ
エチレンとしては、超高分子量ポリエチレン、高密度ポ
リエチレン、低密度ポリエチレンなどが挙げられるが、
重量平均分子量50万以上のポリエチレン、特に重量平
均分子量100万以上のポリエチレンが好ましい。ま
た、ポリプロピレンとしては、アイソタクチッタポリプ
ロピレン、シンジオタクチックポリプロピレンなどが好
ましく、中でも多孔質構造を形成しやすいため、結晶性
の高いアイソタクチックポリプロピレンが好ましい。
【0021】二重結合を有する重合体としては、ポリブ
タジエン、ポリノルボルネン、ポリイソプレン、その他
の架橋性ゴムの未加硫物などが挙げられるが、特にポリ
ノルボルネンが好ましい。これらの重合体としては重量
平均分子量50万以上のものが好ましい。
タジエン、ポリノルボルネン、ポリイソプレン、その他
の架橋性ゴムの未加硫物などが挙げられるが、特にポリ
ノルボルネンが好ましい。これらの重合体としては重量
平均分子量50万以上のものが好ましい。
【0022】二重結合を有する重合体は、多孔質フィル
ム中に1〜40重量%、特に5〜35重量%含有される
のが好ましい。含有量が1重量%未満では、架橋が十分
進行しにくく、濡れ性の改善効果が小さくなる傾向があ
る。また、含有量が40重量%を超えると、得られる多
孔質フィルムの機械特性が低下する傾向がある。
ム中に1〜40重量%、特に5〜35重量%含有される
のが好ましい。含有量が1重量%未満では、架橋が十分
進行しにくく、濡れ性の改善効果が小さくなる傾向があ
る。また、含有量が40重量%を超えると、得られる多
孔質フィルムの機械特性が低下する傾向がある。
【0023】また、セパレータのシャットダウン温度を
下げ、安全性を高める目的で、上記の樹脂成分のうち、
融点の比較的低いものを併用してもよく、また、熱可塑
性エラストマー、グラフトコポリマーを併用してもよ
い。熱可塑性エラストマーとしては、ポリスチレン系
や、ポリオレフィン系、ポリジエン系、塩化ビニル系、
ポリエステル系等の熱可塑性エラストマーが挙げられ
る。グラフトコポリマーとしては、主鎖にポリオレフィ
ン、側鎖に非相溶性基を有するビニル系ポリマーを側鎖
としたグラフトコポリマーが挙げられるが、ポリアクリ
ル類、ポリメタクリル類、ポリスチレン、ポリアクリト
ニトリル、ポリオキシアルキレン類が好ましい。なお、
ここで非相溶性基とは、ポリオレフィンに対して非相溶
性基を意味し、例えば、ビニル系ポリマーに由来する基
などが挙げられる。これらのSD成分の含有量は、多孔
質フィルム中に1〜35重量%、特に2〜25重量%が
好ましい。
下げ、安全性を高める目的で、上記の樹脂成分のうち、
融点の比較的低いものを併用してもよく、また、熱可塑
性エラストマー、グラフトコポリマーを併用してもよ
い。熱可塑性エラストマーとしては、ポリスチレン系
や、ポリオレフィン系、ポリジエン系、塩化ビニル系、
ポリエステル系等の熱可塑性エラストマーが挙げられ
る。グラフトコポリマーとしては、主鎖にポリオレフィ
ン、側鎖に非相溶性基を有するビニル系ポリマーを側鎖
としたグラフトコポリマーが挙げられるが、ポリアクリ
ル類、ポリメタクリル類、ポリスチレン、ポリアクリト
ニトリル、ポリオキシアルキレン類が好ましい。なお、
ここで非相溶性基とは、ポリオレフィンに対して非相溶
性基を意味し、例えば、ビニル系ポリマーに由来する基
などが挙げられる。これらのSD成分の含有量は、多孔
質フィルム中に1〜35重量%、特に2〜25重量%が
好ましい。
【0024】本発明の非水電解液電池用セパレータの厚
みは、5〜100μmが好ましい。空孔率は20〜80
%が好ましく、また、平均孔径は0.01〜0.5μm
が好ましい。これらによる総合的な特性として、JIS
P8117に準拠する通気度は、100〜1000s
ec/100mlが好ましい。
みは、5〜100μmが好ましい。空孔率は20〜80
%が好ましく、また、平均孔径は0.01〜0.5μm
が好ましい。これらによる総合的な特性として、JIS
P8117に準拠する通気度は、100〜1000s
ec/100mlが好ましい。
【0025】次に、本発明における多孔質フィルムの製
造方法について説明する。当該多孔質フィルムの製造に
は、乾式成膜法、湿式成膜法など公知の方法を利用する
ことができる。たとえば、前記樹脂組成物を溶媒と混合
し、混練、加熱溶解しながらシート状に押出し、冷却し
てゲル化(固化)させた後、加熱下で圧延や延伸により
一軸方向以上に延伸し、溶媒を抽出除去することにより
製造することができる。混練、加熱溶解の際に酸化反応
が進行しないように、酸化防止剤を使用するのが好まし
い。
造方法について説明する。当該多孔質フィルムの製造に
は、乾式成膜法、湿式成膜法など公知の方法を利用する
ことができる。たとえば、前記樹脂組成物を溶媒と混合
し、混練、加熱溶解しながらシート状に押出し、冷却し
てゲル化(固化)させた後、加熱下で圧延や延伸により
一軸方向以上に延伸し、溶媒を抽出除去することにより
製造することができる。混練、加熱溶解の際に酸化反応
が進行しないように、酸化防止剤を使用するのが好まし
い。
【0026】ポリオレフィン系重合体と二重結合を有す
る重合体との架橋は、抽出除去後に行うのが好ましく、
多孔質フィルムに対し、熱、紫外線、電子線等の架橋処
理することにより、両者が延伸配向された状態で架橋し
てなる架橋物を得ることができる。その際、カルボニル
や水酸基が生成し易いことが確認されており、これが濡
れ性の向上に寄与すると考えられる。
る重合体との架橋は、抽出除去後に行うのが好ましく、
多孔質フィルムに対し、熱、紫外線、電子線等の架橋処
理することにより、両者が延伸配向された状態で架橋し
てなる架橋物を得ることができる。その際、カルボニル
や水酸基が生成し易いことが確認されており、これが濡
れ性の向上に寄与すると考えられる。
【0027】従って、本発明では、赤外吸収スペクトク
ルにおけるカルボニルに基づく1720cm-1の吸光度
D1とポリエチレンに基づく1462cm-1の吸光度D
2の強度比(D1/D2)が、0.05以上であること
が好ましく、0.08以上であることがより好ましい。
強度比(D1/D2)が、0.05未満では、カルボニ
ルや水酸基の生成量が少なくなり、非水電解液に対する
十分な濡れ性が得られにくい傾向がある。
ルにおけるカルボニルに基づく1720cm-1の吸光度
D1とポリエチレンに基づく1462cm-1の吸光度D
2の強度比(D1/D2)が、0.05以上であること
が好ましく、0.08以上であることがより好ましい。
強度比(D1/D2)が、0.05未満では、カルボニ
ルや水酸基の生成量が少なくなり、非水電解液に対する
十分な濡れ性が得られにくい傾向がある。
【0028】上記のごときカルボニル等の生成が生じる
部位は明らかではないが、前記の架橋物又は未架橋成分
の少なくとも何れかに生成していればよい。
部位は明らかではないが、前記の架橋物又は未架橋成分
の少なくとも何れかに生成していればよい。
【0029】本発明における比表面積の調整は、上記ゲ
ル化時の冷却速度、熱処理条件、延伸条件等を変更する
ことにより行うことができる。また、強度比(D1/D
2)は、二重結合を有する重合体の含有量、架橋条件等
により調整することができる。
ル化時の冷却速度、熱処理条件、延伸条件等を変更する
ことにより行うことができる。また、強度比(D1/D
2)は、二重結合を有する重合体の含有量、架橋条件等
により調整することができる。
【0030】次に本発明の非水電解液電池について説明
する。当該非水電解液電池は、以上の如き本発明のセパ
レータを用いてなり、その構造は、例えば帯状の負極、
正極およびセパレータを積層捲回して得た捲回型電極体
を電池缶に収納し、これに電解液を注入し、さらに電池
上下の絶縁板など必要な部材を市販の電池に準じて適宜
配して構成したものである。
する。当該非水電解液電池は、以上の如き本発明のセパ
レータを用いてなり、その構造は、例えば帯状の負極、
正極およびセパレータを積層捲回して得た捲回型電極体
を電池缶に収納し、これに電解液を注入し、さらに電池
上下の絶縁板など必要な部材を市販の電池に準じて適宜
配して構成したものである。
【0031】電解液としては、例えば、リチウム塩を電
解液とし、これを有機溶媒に溶解した電解液が用いられ
る。有機溶媒としては、特に限定されるものではない
が、たとえば、プロピレンカーボネート、エチレンカー
ボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチロラクト
ン、γ−バレロラクトン、ジメチルカーボネート、プロ
ピオン酸メチル、酢酸ブチルなどのエステル類、アセト
ニトリル等のニトリル類、1,2−ジメトキシエタン、
1,2−ジメトキシメタン、ジメトキシプロパン、1,
3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、2−メチルテ
トラヒドロフラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン
などのエーテル類、さらにはスルフォランなどの単独、
もしくは二種類以上の混合溶媒が使用できる。
解液とし、これを有機溶媒に溶解した電解液が用いられ
る。有機溶媒としては、特に限定されるものではない
が、たとえば、プロピレンカーボネート、エチレンカー
ボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチロラクト
ン、γ−バレロラクトン、ジメチルカーボネート、プロ
ピオン酸メチル、酢酸ブチルなどのエステル類、アセト
ニトリル等のニトリル類、1,2−ジメトキシエタン、
1,2−ジメトキシメタン、ジメトキシプロパン、1,
3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、2−メチルテ
トラヒドロフラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン
などのエーテル類、さらにはスルフォランなどの単独、
もしくは二種類以上の混合溶媒が使用できる。
【0032】負極としてはアルカリ金属またはアルカリ
金属を含む化合物をステンレス鋼製網などの集電材料と
一体化したものが用いられる。その際のアルカリ金属と
して、たとえばリチウム、ナトリウム、カリウムなどが
挙げられ、アルカリ金属を含む化合物としては、たとえ
ばアルカリ金属とアルミニウム、鉛、インジウム、カリ
ウム、カドミウム、スズ、マグネシウムなどの合金、さ
らにはアルカリ金属と炭素材料との化合物、低電位のア
ルカリ金属と金属酸化物、硫化物との化合物などが挙げ
られる。負極に炭素材料を用いる場合、炭素材料として
は、リチウムイオンをドープ、脱ドープできるものであ
ればよく、たとえば、黒鉛、熱分解炭素類、コークス
類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物の焼成体、メソ
カーボンマイクロビーズ、炭素繊維、活性炭などを用い
ることができる。
金属を含む化合物をステンレス鋼製網などの集電材料と
一体化したものが用いられる。その際のアルカリ金属と
して、たとえばリチウム、ナトリウム、カリウムなどが
挙げられ、アルカリ金属を含む化合物としては、たとえ
ばアルカリ金属とアルミニウム、鉛、インジウム、カリ
ウム、カドミウム、スズ、マグネシウムなどの合金、さ
らにはアルカリ金属と炭素材料との化合物、低電位のア
ルカリ金属と金属酸化物、硫化物との化合物などが挙げ
られる。負極に炭素材料を用いる場合、炭素材料として
は、リチウムイオンをドープ、脱ドープできるものであ
ればよく、たとえば、黒鉛、熱分解炭素類、コークス
類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物の焼成体、メソ
カーボンマイクロビーズ、炭素繊維、活性炭などを用い
ることができる。
【0033】正極としては、たとえばリチウムコバルト
酸化物、リチウムニッケル酸化物、リチウムマンガン酸
化物、二酸化マンガン、五酸化バナジウム、クロム酸化
物、などの金属酸化物、二硫化モリブデンなどの金属窒
化物などが活物質として用いられ、これらの正極活物質
に導電助剤やポリテトラフルオロエチレンなどの結着剤
などを適宜添加した合剤を、ステンレス鋼製網などの集
電材料を芯材として成形体に仕上げたものが用いられ
る。
酸化物、リチウムニッケル酸化物、リチウムマンガン酸
化物、二酸化マンガン、五酸化バナジウム、クロム酸化
物、などの金属酸化物、二硫化モリブデンなどの金属窒
化物などが活物質として用いられ、これらの正極活物質
に導電助剤やポリテトラフルオロエチレンなどの結着剤
などを適宜添加した合剤を、ステンレス鋼製網などの集
電材料を芯材として成形体に仕上げたものが用いられ
る。
【0034】
【実施例】以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実
施例等について説明する。なお、実施例における試験方
法は次の通りである。
施例等について説明する。なお、実施例における試験方
法は次の通りである。
【0035】(フィルムの膜厚)1/10000シック
ネスゲージおよび多孔質フィルムの断面の走査型電子顕
微鏡により測定した。
ネスゲージおよび多孔質フィルムの断面の走査型電子顕
微鏡により測定した。
【0036】(空孔率)厚み(t)、重量(W)、樹脂
密度(d)、面積(S)より以下の式 空効率(%)=(1−W/(S×d×t))×100 により測定した。
密度(d)、面積(S)より以下の式 空効率(%)=(1−W/(S×d×t))×100 により測定した。
【0037】(透気度)JIS P8117に準拠して
ガーレ値を測定した。
ガーレ値を測定した。
【0038】(カルボニル強度比)日本分光(株)製の
赤外吸光分析計(FT/IR−230)を用いて、積算
回数16回で測定したIRスペクトクルにより、カルボ
ニルに基づく1720cm -1の吸光度D1とポリエチレ
ンに基づく1462cm-1の吸光度D2の強度比(D1
/D2)を求めて、カルボニル強度比とした。
赤外吸光分析計(FT/IR−230)を用いて、積算
回数16回で測定したIRスペクトクルにより、カルボ
ニルに基づく1720cm -1の吸光度D1とポリエチレ
ンに基づく1462cm-1の吸光度D2の強度比(D1
/D2)を求めて、カルボニル強度比とした。
【0039】(BET比表面積)(株)島津製作所製の
窒素の吸脱着方式による比表面積・細孔分布測定器AS
AP2010を用いてBET比表面積を測定した。
窒素の吸脱着方式による比表面積・細孔分布測定器AS
AP2010を用いてBET比表面積を測定した。
【0040】(架橋構造の確認)IRスペクトル中のC
=C二重結合に由来する吸収ピーク(960cm-1)の
消失を確認した。また、10mm角の試料を金属メッシ
ュに挟んで熱キシレン(255℃)中で溶解させ、残存
する成分の比率をゲル分率として測定し、熱処理前の多
孔質フィルムのゲル分率(通常は0%)と比較した。
=C二重結合に由来する吸収ピーク(960cm-1)の
消失を確認した。また、10mm角の試料を金属メッシ
ュに挟んで熱キシレン(255℃)中で溶解させ、残存
する成分の比率をゲル分率として測定し、熱処理前の多
孔質フィルムのゲル分率(通常は0%)と比較した。
【0041】(電解液の濡れ性)電解液として1MのL
iBF4 が溶解したγ−ブチロラクトンを用い、その電
解液を測定容器の中に入れる。多孔質フィルムを直径1
cmの穴の開いた隔板2枚で挟み、その隔板を電解液に
浸漬して容器を仕切ることにより、多孔質フィルム以外
で電解液が移動できない状態とする。隔板を電解液に浸
漬した直後から、多孔質フィルムの近傍に配置した1対
のメッシュ電極間の抵抗値の経時変化を測定した。
iBF4 が溶解したγ−ブチロラクトンを用い、その電
解液を測定容器の中に入れる。多孔質フィルムを直径1
cmの穴の開いた隔板2枚で挟み、その隔板を電解液に
浸漬して容器を仕切ることにより、多孔質フィルム以外
で電解液が移動できない状態とする。隔板を電解液に浸
漬した直後から、多孔質フィルムの近傍に配置した1対
のメッシュ電極間の抵抗値の経時変化を測定した。
【0042】[実施例1]重量平均分子量100万の超
高分子量ポリエチレン13.5重量部、熱可塑性エラス
トマー(TPE821、住友化学製)1.5重量部、及
びポリノルボルネン樹脂(ノーソレックスNB、重量平
均分子量200万以上、日本ゼオン(株)製)0.79
重量部からなるポリオレフィン組成物と流動パラフィン
85重量部、酸化防止剤としてイルガノックス1010
及びBHTを、ポリエチレンに対してそれぞれ0.5重
量%、0.3重量%をさらに添加してスラリー状に均一
に混合し、160℃の温度で二軸混練り機を用い溶解混
練りした。その後これらの混練物を0℃に冷却された金
属板に挟み込み5mmのシート状に急冷した。
高分子量ポリエチレン13.5重量部、熱可塑性エラス
トマー(TPE821、住友化学製)1.5重量部、及
びポリノルボルネン樹脂(ノーソレックスNB、重量平
均分子量200万以上、日本ゼオン(株)製)0.79
重量部からなるポリオレフィン組成物と流動パラフィン
85重量部、酸化防止剤としてイルガノックス1010
及びBHTを、ポリエチレンに対してそれぞれ0.5重
量%、0.3重量%をさらに添加してスラリー状に均一
に混合し、160℃の温度で二軸混練り機を用い溶解混
練りした。その後これらの混練物を0℃に冷却された金
属板に挟み込み5mmのシート状に急冷した。
【0043】これらの急冷シートを115℃の温度でシ
ート厚が0.7mmになるまでヒートプレスし、120
℃の温度で3×3倍に縦横同時に二軸延伸し、へプタン
を使用して脱溶媒処理を行なった。脱溶媒後、85℃×
6h+115℃×2hで空気中で熱処理を行ない、多孔
質フィルムを得た。この多孔質フィルムはIRとゲル分
率との測定から架橋構造が確認され、膜厚30μm、空
孔率49%、ガーレ値284sec/100cc、カル
ボニル強度比0.19、比表面積47.3m2/gであ
った。
ート厚が0.7mmになるまでヒートプレスし、120
℃の温度で3×3倍に縦横同時に二軸延伸し、へプタン
を使用して脱溶媒処理を行なった。脱溶媒後、85℃×
6h+115℃×2hで空気中で熱処理を行ない、多孔
質フィルムを得た。この多孔質フィルムはIRとゲル分
率との測定から架橋構造が確認され、膜厚30μm、空
孔率49%、ガーレ値284sec/100cc、カル
ボニル強度比0.19、比表面積47.3m2/gであ
った。
【0044】[比較例1]ポリノルボルネン樹脂を添加
しないこと以外は実施例1と同様にして、多孔質フィル
ムを得た。この多孔質フィルムはIRとゲル分率との測
定から架橋構造がほとんど認められず、膜厚29μm、
空孔率47%、ガーレ値267sec/100cc、カ
ルボニル強度比0.01、比表面積45.1m2 /gで
あった。
しないこと以外は実施例1と同様にして、多孔質フィル
ムを得た。この多孔質フィルムはIRとゲル分率との測
定から架橋構造がほとんど認められず、膜厚29μm、
空孔率47%、ガーレ値267sec/100cc、カ
ルボニル強度比0.01、比表面積45.1m2 /gで
あった。
【0045】[濡れ性評価結果]実施例1及び比較例1
で得られた多孔質フィルムを用いて、前述の方法により
電解液の濡れ性を評価した結果を図1に示す。この図か
ら明らかなように、架橋によりカルボニルの生成量の多
い実施例1では、抵抗値の低下速度が早いため濡れ性が
良好で、また、低下後の抵抗値が低いため保液性にも優
れることがわかる。これに対し、カルボニルの生成量が
少ない比較例1では、抵抗値の低下速度が遅いため濡れ
性が悪く、また、低下後の抵抗値が高いため保液性も不
十分になる。
で得られた多孔質フィルムを用いて、前述の方法により
電解液の濡れ性を評価した結果を図1に示す。この図か
ら明らかなように、架橋によりカルボニルの生成量の多
い実施例1では、抵抗値の低下速度が早いため濡れ性が
良好で、また、低下後の抵抗値が低いため保液性にも優
れることがわかる。これに対し、カルボニルの生成量が
少ない比較例1では、抵抗値の低下速度が遅いため濡れ
性が悪く、また、低下後の抵抗値が高いため保液性も不
十分になる。
【0046】[実施例2]重量平均分子量100万の超
高分子量ポリエチレン13重量部と、熱可塑性エラスト
マー(TPE821、住友化学製)2重量部、及びポリ
ノルボルネン樹脂(ノーソレックスNB、重量平均分子
量200万以上、日本ゼオン(株)製)1.22重量部
からなるポリオレフィン組成物を15重量%と流動パラ
フィン84.2重量%、酸化防止剤としてイルガノック
ス1010及びBHTを、ポリエチレンに対してそれぞ
れ0.5重量%、0.3重量%をさらに添加スラリー状
に均一に混合し、160℃の温度で二軸混練り機を用い
溶解混練りした。
高分子量ポリエチレン13重量部と、熱可塑性エラスト
マー(TPE821、住友化学製)2重量部、及びポリ
ノルボルネン樹脂(ノーソレックスNB、重量平均分子
量200万以上、日本ゼオン(株)製)1.22重量部
からなるポリオレフィン組成物を15重量%と流動パラ
フィン84.2重量%、酸化防止剤としてイルガノック
ス1010及びBHTを、ポリエチレンに対してそれぞ
れ0.5重量%、0.3重量%をさらに添加スラリー状
に均一に混合し、160℃の温度で二軸混練り機を用い
溶解混練りした。
【0047】その後この混練物を0℃に冷却された金属
板に挟み込み5mmのシート状に急冷した。この急冷シ
ートを115℃の温度でシート厚が0.7mmなるまで
ヒートプレスし、125℃の温度で3.5×3.5倍に
縦横同時に二軸延伸し、へプタンを使用して脱溶媒処理
を行なった。脱溶媒後、85℃×6h+118℃×2h
で空気中で熱処理を行ない、多孔質フィルムを得た。こ
の多孔質フィルムはIRとゲル分率との測定から架橋構
造が確認され、膜厚17μm、空孔率38%、ガーレ値
333sec/100cc、カルボニル強度比0.2
6、比表面積45.9m2 /gであった。
板に挟み込み5mmのシート状に急冷した。この急冷シ
ートを115℃の温度でシート厚が0.7mmなるまで
ヒートプレスし、125℃の温度で3.5×3.5倍に
縦横同時に二軸延伸し、へプタンを使用して脱溶媒処理
を行なった。脱溶媒後、85℃×6h+118℃×2h
で空気中で熱処理を行ない、多孔質フィルムを得た。こ
の多孔質フィルムはIRとゲル分率との測定から架橋構
造が確認され、膜厚17μm、空孔率38%、ガーレ値
333sec/100cc、カルボニル強度比0.2
6、比表面積45.9m2 /gであった。
【0048】[実施例3]ポリオレフィン組成物を25
重量%、流動パラフィンを75重量%にした以外は、実
施例2と同様にして、多孔質フィルムを得た。この多孔
質フィルムはIRとゲル分率との測定から架橋構造が確
認され、膜厚36μm、空孔率43%、ガーレ値313
sec/100cc、カルボニル強度比0.25、比表
面積61.0m2 /gであった。
重量%、流動パラフィンを75重量%にした以外は、実
施例2と同様にして、多孔質フィルムを得た。この多孔
質フィルムはIRとゲル分率との測定から架橋構造が確
認され、膜厚36μm、空孔率43%、ガーレ値313
sec/100cc、カルボニル強度比0.25、比表
面積61.0m2 /gであった。
【0049】[比較例2]実施例2と同様にして脱溶媒
処理までを行った後、85×12h+123℃×2hの
熱処理を行ったこと以外は、実施例2と同様にして、多
孔質フィルムを得た。この多孔質フィルムはIRとゲル
分率との測定から架橋構造が確認され、膜厚14μm、
空孔率25%、ガーレ値600sec/100cc、カ
ルボニル強度比0.28、比表面積22.3m2 /gで
あった。
処理までを行った後、85×12h+123℃×2hの
熱処理を行ったこと以外は、実施例2と同様にして、多
孔質フィルムを得た。この多孔質フィルムはIRとゲル
分率との測定から架橋構造が確認され、膜厚14μm、
空孔率25%、ガーレ値600sec/100cc、カ
ルボニル強度比0.28、比表面積22.3m2 /gで
あった。
【0050】[濡れ性評価結果]実施例2〜3及び比較
例2で得られた多孔質フィルムを用いて、前述の方法に
より電解液の濡れ性を評価した結果を図2に示す。この
図から明らかなように、架橋によりカルボニルの生成量
の多く、かつ比表面積が十分な実施例2〜3では、抵抗
値の低下速度が早いため濡れ性が良好で、また、低下後
の抵抗値が低いため保液性にも優れることがわかる。こ
れに対し、比表面積が不十分である比較例2では、抵抗
値の低下が殆どなく濡れ性や保液性が不十分になる。
例2で得られた多孔質フィルムを用いて、前述の方法に
より電解液の濡れ性を評価した結果を図2に示す。この
図から明らかなように、架橋によりカルボニルの生成量
の多く、かつ比表面積が十分な実施例2〜3では、抵抗
値の低下速度が早いため濡れ性が良好で、また、低下後
の抵抗値が低いため保液性にも優れることがわかる。こ
れに対し、比表面積が不十分である比較例2では、抵抗
値の低下が殆どなく濡れ性や保液性が不十分になる。
【0051】[電池の実施例]リチウムコバルト酸化物
(LiCoO2 )に導電助剤としてリン状黒鉛を重量比
90:5で加えて混合し、この混合物と、ポリフッ化ビ
ニリデンをN−メチルピロリドンに溶解させた溶液とを
混合してスラリーにした。この正極合剤スラリーを70
メッシュの網を通過させて大きなものを取り除いた後、
厚さ20μmのアルミニウム箔からなる正極集電体の両
面に均一に塗布して乾燥し、その後、ローラプレス機に
より圧縮成形した後、切断し、リード体を溶接して、帯
状の正極を作製した。
(LiCoO2 )に導電助剤としてリン状黒鉛を重量比
90:5で加えて混合し、この混合物と、ポリフッ化ビ
ニリデンをN−メチルピロリドンに溶解させた溶液とを
混合してスラリーにした。この正極合剤スラリーを70
メッシュの網を通過させて大きなものを取り除いた後、
厚さ20μmのアルミニウム箔からなる正極集電体の両
面に均一に塗布して乾燥し、その後、ローラプレス機に
より圧縮成形した後、切断し、リード体を溶接して、帯
状の正極を作製した。
【0052】つぎに平均粒径10μmの炭素材料を、フ
ッ化ビニリデンをN−メチルピロリドンに溶解させた溶
液と混合してスラリーにした。この負極合剤スラリーを
70メッシュの網を通過させて大きなものを取り除いた
後、厚さ18μmの帯状の銅箔からなる負極集電体の両
面に均一に塗布して乾燥し、その後ローラプレス機によ
り圧縮成形し切断した後、リード体を溶接して帯状負極
を作製した。
ッ化ビニリデンをN−メチルピロリドンに溶解させた溶
液と混合してスラリーにした。この負極合剤スラリーを
70メッシュの網を通過させて大きなものを取り除いた
後、厚さ18μmの帯状の銅箔からなる負極集電体の両
面に均一に塗布して乾燥し、その後ローラプレス機によ
り圧縮成形し切断した後、リード体を溶接して帯状負極
を作製した。
【0053】セパレータは実施例1で得られた多孔質フ
ィルムを用いた。これらの正極、負極およびセパレータ
を両極がセパレータを介して互いに重なるように、渦巻
き状に捲回して渦巻状捲回電極体として巻き止めテープ
で外側を止めて捲回体とし、外径18mmの有底円筒状
の電池ケース内に充填し、正極及び負極のリード体の溶
接を行った。
ィルムを用いた。これらの正極、負極およびセパレータ
を両極がセパレータを介して互いに重なるように、渦巻
き状に捲回して渦巻状捲回電極体として巻き止めテープ
で外側を止めて捲回体とし、外径18mmの有底円筒状
の電池ケース内に充填し、正極及び負極のリード体の溶
接を行った。
【0054】つぎに電解液としてエチレンカーボネート
が1重量部に対してメチルエチルカーボネートを2重量
部の混合溶媒中にLiPF6を1.4モル/リットルの
割合で溶解した電解液を調製した。これを、電池ケース
内に注入し、電解液がセパレータなどに十分に浸透した
後、封口し、予備充電、エージングを行い、筒型の二次
電池を作製した。
が1重量部に対してメチルエチルカーボネートを2重量
部の混合溶媒中にLiPF6を1.4モル/リットルの
割合で溶解した電解液を調製した。これを、電池ケース
内に注入し、電解液がセパレータなどに十分に浸透した
後、封口し、予備充電、エージングを行い、筒型の二次
電池を作製した。
【0055】この非水電解液二次電池について、上限電
圧4.2Vで0.2C定電流充電を行い、5時間行い、
その後0.2C放電を行った。このときの放電容量を初
期放電容量とした。この充・放電サイクルを400回繰
り返したところ、200回目以降のサイクルにおいて、
殆ど放電容量の低下が認められなかった。
圧4.2Vで0.2C定電流充電を行い、5時間行い、
その後0.2C放電を行った。このときの放電容量を初
期放電容量とした。この充・放電サイクルを400回繰
り返したところ、200回目以降のサイクルにおいて、
殆ど放電容量の低下が認められなかった。
【図1】濡れ性評価試験で得られた抵抗値の経時変化を
示すグラフ
示すグラフ
【図2】濡れ性評価試験で得られた抵抗値の経時変化を
示すグラフ
示すグラフ
Claims (5)
- 【請求項1】 ポリオレフィン系重合体と二重結合を有
する重合体とが架橋してなる架橋物を含有し、BET法
(吸着法)により測定した比表面積が40m 2 /g以上
である多孔質フィルムよりなる非水電解液電池用セパレ
ータ。 - 【請求項2】 前記ポリオレフィン系重合体が重量平均
分子量50万以上のポリエチレンである請求項1記載の
非水電解液電池用セパレータ。 - 【請求項3】 赤外吸収スペクトクルにおけるカルボニ
ルに基づく1720cm-1の吸光度D1とポリエチレン
に基づく1462cm-1の吸光度D2の強度比(D1/
D2)が、0.05以上である請求項2に記載の非水電
解液電池用セパレータ。 - 【請求項4】 熱可塑性エラストマーを1〜35重量%
含有する請求項1〜3いずれかに記載の非水電解液電池
用セパレータ。 - 【請求項5】 請求項1〜4いずれかに記載の非水電解
液電池用セパレータを用いてなる非水電解液電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000336894A JP2002141046A (ja) | 2000-11-06 | 2000-11-06 | 非水電解液電池用セパレータ及び非水電解液電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000336894A JP2002141046A (ja) | 2000-11-06 | 2000-11-06 | 非水電解液電池用セパレータ及び非水電解液電池 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002141046A true JP2002141046A (ja) | 2002-05-17 |
Family
ID=18812365
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000336894A Pending JP2002141046A (ja) | 2000-11-06 | 2000-11-06 | 非水電解液電池用セパレータ及び非水電解液電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002141046A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003168629A (ja) * | 2001-08-30 | 2003-06-13 | Mitsubishi Paper Mills Ltd | キャパシタ用セパレーター |
WO2012172785A1 (ja) * | 2011-06-13 | 2012-12-20 | 日東電工株式会社 | 非水電解質蓄電デバイス及びその製造方法 |
-
2000
- 2000-11-06 JP JP2000336894A patent/JP2002141046A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003168629A (ja) * | 2001-08-30 | 2003-06-13 | Mitsubishi Paper Mills Ltd | キャパシタ用セパレーター |
WO2012172785A1 (ja) * | 2011-06-13 | 2012-12-20 | 日東電工株式会社 | 非水電解質蓄電デバイス及びその製造方法 |
CN103620816A (zh) * | 2011-06-13 | 2014-03-05 | 日东电工株式会社 | 非水电解质蓄电装置及其制造方法 |
EP2720292A4 (en) * | 2011-06-13 | 2015-05-06 | Nitto Denko Corp | NONAQUEOUS ELECTROLYTIC ELECTRICITY STORAGE DEVICE AND PRODUCTION METHOD THEREOF |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP2819215B1 (en) | Method of manufacturing porous separator comprising elastic material, porous separator manufactured by the method, and secondary battery comprising the separator | |
KR102404990B1 (ko) | 전기화학소자용 분리막 및 이를 포함하는 전기화학소자 | |
KR101378074B1 (ko) | 전기화학소자용 전극 및 이를 구비한 전기화학소자 | |
KR100477885B1 (ko) | 리튬이온 고분자 전해질 및 이를 포함하는 전지의 제조방법 | |
JP2002025531A (ja) | 電池用セパレータ及びそれを用いたリチウム二次電池 | |
JP3831017B2 (ja) | 非水電解液電池並びに非水電解液電池用セパレータ | |
US11581519B2 (en) | Post-treatment method of lithium secondary battery | |
US20220384910A1 (en) | Separation Membrane for Electrochemical Device, Electrochemical Device Comprising Same Separation Membrane, and Method for Manufacturing Same Separation Membrane | |
KR101942640B1 (ko) | 축전 디바이스용 세퍼레이터 | |
JP4189961B2 (ja) | 多孔質フィルム | |
JP2002134091A (ja) | 非水電解液電池用セパレータ及び非水電解液電池 | |
JP2007227301A (ja) | リチウムポリマー電池 | |
JP2002141046A (ja) | 非水電解液電池用セパレータ及び非水電解液電池 | |
JP4582675B2 (ja) | 非水電解液電池用セパレータ及び非水電解液電池 | |
JP4260982B2 (ja) | 非水電解液電池 | |
JP2003147109A (ja) | 多孔質フィルム、非水電解液電池用セパレータ及び非水電解液電池 | |
KR101803526B1 (ko) | 전기화학소자용 분리막 및 이를 포함하는 전기화학소자 | |
JP2002141049A (ja) | 非水電解液電池用セパレータ及び非水電解液電池 | |
KR20180025555A (ko) | 리튬-황 전지의 제조방법 및 이에 따라 제조된 리튬-황 전지 | |
JP2007087958A (ja) | 固体電解質電池 | |
CN112385076A (zh) | 用于电化学装置的隔板和制造该隔板的方法 | |
KR20210015549A (ko) | 전기화학소자용 분리막 및 이를 제조하는 방법 | |
JP2006190507A (ja) | リチウム二次電池 | |
KR102563504B1 (ko) | 전기화학소자용 폴리올레핀 분리막 및 이를 구비한 전기화학소자 | |
KR102629834B1 (ko) | 전기화학소자용 전극 조립체의 제조 방법, 상기 방법에 의해서 수득된 전극 조립체 및 전기화학소자의 제조 방법 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20061225 |