JP2002140985A - 表示パネルおよびその製造方法 - Google Patents
表示パネルおよびその製造方法Info
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Abstract
抑えて、表示特性の良好なパネルを製造する。 【解決手段】 封着用シール材の外側にパネル内の気密
保持層を形成することによって、封着工程中に封着部材
の軟化温度よりも低い温度からパネル内に乾燥ガスを導
入する。
Description
ラズマディスプレイパネルおよびその製造方法に関する
ものである。
パネルについて図面を参照しながら説明する。図9は交
流型(AC型)のプラズマディスプレイパネルの概略を
示す断面図である。
り、この前面ガラス基板41上に表示電極42が形成さ
れている。さらに、表示電極42は、誘電体ガラス層4
3及び酸化マグネシウム(MgO)誘電体保護層44に
より覆われている。
背面ガラス基板45上には、アドレス電極46および隔
壁47、蛍光体層(50〜52)が設けられており、4
9が放電ガスを封入する放電空間となっている。前記蛍
光体層はカラー表示のために、赤50、緑51、青52
の3色の蛍光体層が順に配置されている。上記の各蛍光
体層(50〜52)は、放電によって発生する波長の短
い真空紫外線(波長147nm)により励起発光する。
ては、一般的に以下の材料が用いられている。
u 「緑色蛍光体」:Zn2SiO4:MnまたはBaAl12
O19:Mn 「赤色蛍光体」:Y2O3:Euまたは(YxGd1−
x)BO3:Eu 各色蛍光体は以下のようにして作製できる。
は、まず炭酸バリウム(BaCO3)、炭酸マグネシウ
ム(MgCO3)、酸化アルミニウム(α−Al2O3)
をBa、Mg、Alの原子比で1対1対10になるよう
に配合する。次にこの混合物に対して所定量の酸化ユー
ロピウム(Eu2O3)を添加する。
aCl2)と共にボールミルで混合し、1400℃〜1
650℃で所定時間(例えば、0.5時間)、還元雰囲
気(H 2、N2中)で焼成して得る。
て水酸化イットリウムY2(OH)3と硼酸(H3BO3)と
Y、Bの原子比1対1になるように配合する。次に、こ
の混合物に対して所定量の酸化ユーロピウム(Eu
2O3)を添加し、適量のフラックスと共にボールミルで
混合し、空気中1200℃〜1450℃で所定時間(例
えば1時間)焼成して得る。
料として酸化亜鉛(ZnO)、酸化珪素(SiO2)をZ
n、Siの原子比2対1になるように配合する。次にこ
の混合物に所定量の酸化マンガン(Mn2O3)を添加
し、ボールミルで混合後、空気中1200℃〜1350
℃で所定時間(例えば0.5時間)して得る。
ふるい分けすることにより、所定の粒径分布を有する蛍
光体材料を得る。
する。
電極を形成し、その上に誘電体ガラスからなる可視光反
射層と、ガラス製の隔壁を所定のピッチで作成する。
蛍光体、緑色蛍光体、青色蛍光体を含む各色蛍光体ペー
ストをそれぞれ配設することによって蛍光体層を形成
し、形成後500℃程度で蛍光体層を焼成し、ペースト
内の樹脂成分等を除去する(蛍光体焼成工程)。
封着用シール材として低融点ガラスペーストを塗布し、
低融点ガラスペースト内の樹脂成分等を除去するために
350℃程度で焼成する(低融点ガラスペースト脱バイ
ンダ工程)。
保護層を順次形成した前面板と、前記背面板を隔壁を介
して表示電極とアドレス電極が直交するよう対向配置
し、450℃程度で焼成し、低融点ガラスによって、周
囲を密封する(封着工程)。
ネル内を真空ポンプなどで排気し(排気工程)、終了後
に放電ガスを所定の圧力だけ導入する。
レイパネルの製造方法においては、前記のように基板加
熱を要する工程がいくつか存在する。
している蛍光体が熱劣化するという問題があり、特に封
着工程において、青色蛍光体の劣化が大きかった。これ
は青色蛍光体として使用しているBaMgAl10O17:
Euが封着工程で熱劣化し、発光強度低下および発光色
度の劣化を起こす原因となっていると考えられている。
に乾燥ガスを導入し、青色劣化を抑える封着方法(特願
平11−168995号)が考えられている。
されたパネル封着用シール材が軟化する温度(例えば4
00℃程度)を越えてパネル内の気密が保持された後
に、乾燥ガスを流さなければならない。パネル周辺がシ
ールされるよりも前に乾燥ガスを導入したとしても、両
基板外周部の隙間からパネル内に導入した乾燥ガスが流
出してしまい、パネル面内に均一に乾燥ガスが行き渡ら
ないため面内不均一性を生じるからである。また、封着
用シール材に軟化温度が低い材料(例えば350℃以
下)を選択することは次工程である排気工程において封
着用シール材の再軟化によるリークの原因となるため不
可能である。以上のようにパネル内への乾燥ガス導入開
始温度は次工程である真空排気工程のパネル温度によっ
て決定されることになる。
温から封着用シール材の軟化温度までの昇温中にも前面
基板および背面基板から水や炭酸ガスなど基板に吸着し
ていたガスが脱離して両基板間に充満する。この間に充
満したガスはその後、パネル間に乾燥ガスを流したとし
ても全てパネル外へと押し流されて排出されるとは限ら
ず、封着工程終了後にパネル内に残留しやすい。
て、パネル封着工程において、より低い温度からパネル
内にガスを流すことを可能とし、蛍光体の熱劣化がほと
んど発生しない表示パネルを提供することを目的とす
る。
め、本発明の表示パネルはパネルの気密を保持すること
を目的とした基板周辺の封着シール層の他にあらかじめ
対向配置された両基板間の気密を保持するパネル気密保
持層を有することを特徴とする。そして、封着シール層
が軟化するよりも早い時刻からパネルの内部空間にガス
を導入することによって、パネル内に残留するガスをよ
り少なくし、蛍光体の熱劣化を防止することができる。
るプラズマディスプレイパネルの製造方法について説明
する。図10は、本発明の一実施の形態における交流面
放電型プラズマディスプレイパネルの概略を示す断面図
である。
示電極22と誘電体ガラス層23、保護層(MgO)2
4が配された前面板と、背面ガラス基板25上にアドレ
ス電極26、隔壁28および蛍光体層29が配された背
面板とを張り合わせ、前面板と背面板間に形成される放
電空間30内に放電ガスが封入された構成となってい
る。
ては、一般的にPDPの蛍光体層に使用されているもの
を用いることができる。その具体例としては、 「青色蛍光体」:BaMgAl10O17:Eu 「緑色蛍光体」:Zn2SiO4:Mn 「赤色蛍光体」:(Y、Gd)BO3:Eu を挙げることができる。
が配置された本実施の形態における工程について説明す
る。
形態を実現する装置構成および封着前のパネルを示す。
加熱炉12の内部に、前面板1と背面板2およびその外
周辺部に封着部材3が設けられ、その更に外周辺部にパ
ネル気密保持部材14が形成されてある封着前パネルが
配置されている。パネル気密保持部材14は封着部材3
よりもその厚さが大きくなるように形成されてある。背
面板2には排気装置4および乾燥ガス導入装置6に接続
された第1のガラス管5および第2のガラス管7が形成
されている。乾燥ガス導入および排気はバルブ10、8
の開閉で行われる。なお、本実施の形態では封着部材3
として低融点ガラスを用いた。
離する水の化学吸着成分の脱離温度が300℃程度であ
ることから、真空排気工程においては350℃程度まで
パネルの加熱が行われる。そこでパネルの封着に適用さ
れる封着部材3には軟化温度が400℃程度である材料
を選択するのが通例である。
持部材14には軟化温度が300℃程度の低融点ガラス
材料を適用することにする。以下に本実施の形態におけ
るプロセスを順を追って説明する。
ロファイルで封着部材3の低融点ガラスの軟化点温度以
上まで加熱することにより封着する。
気密保持部材14が軟化することにより前面基板1と背
面基板2が気密保持される。この際、クリップ17等で
両基板を押圧することにより、パネル気密保持部材は押
し拡げられ、両基板間の距離は封着部材3の高さで規制
される。ここで、バルブ8を開き、第1のガラス管5を
通してパネル内の排気を開始、バルブ10を開き、第2
のガラス管7を通してパネル内への乾燥ガス導入を開始
した。
したとき、封着部材3が軟化する。クリップ17等で押
圧されることによって前面基板1および背面基板2は封
着部材3によってシールされ、パネル内の気密を保持
し、冷却工程を経てパネル封着工程が完了する。
50℃程度まで加熱されることになる。パネル気密保持
部材14は300℃程度で再軟化するが、封着部材3は
軟化温度に達していないため再軟化せず、パネルのリー
クの心配はない。
い温度からパネル内に乾燥ガスを導入することができ、
前面基板1および背面基板2から脱離するガスのパネル
内への残留をより小さくすることが可能となる。
材に軟化温度300℃程度の材料を例に挙げたが、先に
述べたように水の化学吸着成分の脱離温度が300℃程
度であることから、この温度よりも低い軟化温度の材料
をパネル気密保持部材14に適用し、パネル内への乾燥
ガスの導入を300℃以下で開始することができるなら
ば、ガスの排出効果はより大きくなる。
形態の封着工程の温度プロファイルを示す。封着前パネ
ルおよび装置構成を図4に示す。
材には常温で硬化する材料を選択する。ここでパネル気
密保持部材14に紫外線照射によって硬化する材料を選
択しても良い。図4のように前面基板1と背面基板2と
を位置合わせをした後に対向配置してパネル気密保持部
材14によって仮固定する。パネル気密保持部材14は
封着部材3の厚さ以上になるように形成し、この段階で
パネル内部空間の気密は保持される。
より、バルブ8を開き、第1のガラス管5を通してパネ
ル内の排気を開始、バルブ10を開き、第2のガラス管
7を通してパネル内への乾燥ガス導入を開始する。
達したあたりでパネル気密保持部材14は軟化または熱
分解する。クリップ17等で前面基板1と背面基板2は
押圧されているため、封着部材3は押し拡げられてパネ
ルを気密シールし、冷却工程を経てパネル封着工程が完
了する。
期段階からパネル内に乾燥ガスを流すことが可能とな
り、前面基板1および背面基板2から脱離するガスのパ
ネル内への残留をより小さくすることが可能となり、蛍
光体の熱劣化の少ないパネルが提供される。当然のこと
ながら次工程の真空排気工程で封着部材3が軟化するこ
とはない。
よび第2の実施の形態では、あらかじめパネル内排気用
の第1のガラス管5および乾燥ガス導入用の第2のガラ
ス管7がパネルに固着されている場合について述べた。
本実施の形態においては封着工程時に第1および第2の
ガラス管5、7を固着させる場合について説明する。図
5または図6に第1のガラス管5を例に挙げてその概略
図を示す。
にガラス管5を位置合わせした後、配管固着部材19を
配置することによってパネルとガラス管5を仮固定す
る。通常、この配管固着部材は加熱によって軟化し、冷
却後に気密を保持する材料(例えば低融点ガラスなど)
を使用することから、本段階においては気密保持してい
ないため、ガラス管5を通してのパネル内の排気やパネ
ル内へのガス導入は不可能である。また、真空排気工程
において軟化しない材料を選択する必要がある。
うようにパネル気密保持部材14を形成する。このよう
にすることで配管固着部材の軟化温度よりも低い温度で
パネル内部空間への乾燥ガス導入を開始することが可能
となる。
形態を実現する構成の一例を示す。
材14によってパネル内部空間の気密が保持されるまで
は、バルブ8〜11はすべて閉じた状態であり、パネル
内部空間の気密が保持されてから、バルブ8および10
を開き、第1のガラス管5を通して、パネル内の排気を
開始、および第2のガラス管7を通して乾燥ガスの導入
を開始した。
を閉じ、バルブ9および11を開き、第2のガラス管7
を通して、パネル内の排気し、および第1のガラス管5
を通して乾燥ガスを導入した。この操作により、パネル
内の乾燥ガスの流れ方向が逆になる。
とで、パネル面内での湿度に面内偏りが無くなり、青色
の発光特性を面内で均一にすることができる。
ように、PDPに各ドライバ及びパネル駆動回路100
を接続して、点灯させようとするセルの走査電極101
aとアドレス電極102間に印加してアドレス放電を行
った後に、表示電極101a、101b間にパルス電圧
を印加して維持放電を行う。そして、当該セルで放電に
伴って紫外線を発光し、蛍光体層で可視光に変換する。
このようにしてセルが点灯することによって、画像が表
示される。
電型のPDPを例示したが、対向放電型のPDPやFE
Dなど、封着するための熱工程が必要な表示パネルすべ
てに適用することができる。
工程の際のパネルピーク温度によって選択される封着シ
ール材料の軟化温度よりも低い温度から封着工程時にパ
ネル内に乾燥ガスを流し始めることが可能となる。これ
によって前面基板、背面基板から脱離するガスのパネル
内残留を更に少なくすることが可能となり、その結果、
発光強度および発光効率が高く、色再現域の広い表示パ
ネルが実現できる。
面板と背面板を張り合わせたパネルおよび装置構成を示
す図
示した図
示した図
面板と背面板を張り合わせたパネルおよび装置構成を示
す図
略図
面板と背面板を張り合わせたパネルおよび装置構成を示
す図
DP表示装置を示す図
ルの概略断面斜視図
プラズマディスプレイパネルの概略断面図
Claims (25)
- 【請求項1】 対向配置された2枚の基板のうち、少な
くとも一方の基板の外周辺部に封着部材とパネル気密保
持部材を形成し、パネルの内部空間にガスを流すことを
特徴とする表示パネルの製造方法。 - 【請求項2】 対向配置された2枚の基板のうち、少な
くとも一方の基板の外周辺部に形成された封着部材の外
側にパネル気密保持部材を形成し、パネルの内部空間に
ガスを流すことを特徴とする請求項1に記載の表示パネ
ルの製造方法。 - 【請求項3】 対向配置された2枚の基板のうち、少な
くとも一方の基板の外周辺部に封着部材とパネル気密保
持部材を形成し、前記パネル気密保持部材によってパネ
ルの内部空間の気密が保たれた時刻からパネルの内部空
間にガスを流すことを特徴とする請求項1に記載の表示
パネルの製造方法。 - 【請求項4】 対向配置された2枚の基板のうち、少な
くとも一方の基板に設けられた貫通孔に配置される配管
に配管固着部材とパネル気密保持部材が形成されてある
ことを特徴とする表示パネルの製造方法。 - 【請求項5】 対向配置された2枚の基板のうち、少な
くとも一方の基板に設けられた貫通孔に配置される配管
の配管固着部材を覆うようにパネル気密保持部材が形成
されてあることを特徴とする請求項4に記載の表示パネ
ルの製造方法。 - 【請求項6】 前記パネル気密保持部材は前記封着部材
または前記配管固着部材が軟化する時刻よりも前の時刻
で軟化することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに
記載の表示パネルの製造方法。 - 【請求項7】 前記パネル気密保持部材は300℃以下
で軟化することを特徴とする請求項6に記載の表示パネ
ルの製造方法。 - 【請求項8】 前記パネル気密保持部材は硬化した後、
再軟化することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに
記載の表示パネルの製造方法。 - 【請求項9】 前記パネル気密保持部材は常温で硬化し
た後、再軟化することを特徴とする請求項8に記載の表
示パネルの製造方法。 - 【請求項10】 前記パネル気密保持部材は常温で硬化
し、かつ前記封着部材が軟化する時刻付近で再軟化する
ことを特徴とする請求項9に記載の表示パネルの製造方
法。 - 【請求項11】 前記パネル気密保持部材は硬化した
後、分解することを特徴とする請求項1〜3のいずれか
に記載の表示パネルの製造方法。 - 【請求項12】 前記パネル気密保持部材は常温で硬化
した後、分解することを特徴とする請求項11に記載の
表示パネルの製造方法。 - 【請求項13】 前記パネル気密保持部材は常温で硬化
し、かつ前記封着部材が軟化する時刻付近で分解するこ
とを特徴とする請求項12に記載の表示パネルの製造方
法。 - 【請求項14】 前記パネル気密保持部材が常温で硬化
することを特徴とする請求項4または5に記載の表示パ
ネルの製造方法。 - 【請求項15】 前記パネル気密保持部材の硬化が紫外
線の照射によることを特徴とする請求項8〜14のいず
れかに記載の表示パネルの製造方法。 - 【請求項16】 前記パネル内導入ガスが乾燥ガスであ
ることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の表
示パネルの製造方法。 - 【請求項17】 前記パネル内導入ガスを流す方向を切
り替えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記
載の表示パネルの製造方法。 - 【請求項18】 前記パネル内導入ガスを流す方向を少
なくとも2回以上切り替えることを特徴とする請求項1
7に記載の表示パネルの製造方法。 - 【請求項19】 対向配置された2枚の基板のうち、少
なくとも一方の基板の外周辺部に封着部材とパネル気密
保持部材を有することを特徴とする表示パネル。 - 【請求項20】 対向配置された2枚の基板のうち、少
なくとも一方の基板に設けられた貫通孔に配置される配
管に配管固着部材とパネル気密保持部材が形成されてあ
ることを特徴とする表示パネル。 - 【請求項21】 対向配置された2枚の基板のうち、少
なくとも一方の基板に設けられた貫通孔に配置される配
管の配管固着部材を覆うようにパネル気密保持部材が形
成されてあることを特徴とする請求項20に記載の表示
パネル。 - 【請求項22】 前記パネル気密保持部材は前記封着部
材または前記配管固着部材が軟化する時刻よりも前の時
刻で軟化することを特徴とする表示パネル。 - 【請求項23】 前記パネル気密保持部材は300℃以
下で軟化することを特徴とする請求項22に記載の表示
パネル。 - 【請求項24】 前記表示パネルがプラズマディスプレ
イパネルまたはフィールドエミッションディスプレイで
あることを特徴とする請求項1〜23に記載の表示パネ
ル。 - 【請求項25】 表示パネルと前記表示パネルを駆動す
る駆動回路とを備えた表示装置であって、前記表示パネ
ルが請求項24に記載の表示パネルであることを特徴と
する表示装置。
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