JP2002139180A - 可撓性ホース - Google Patents
可撓性ホースInfo
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Abstract
保持しつつ軽量で脱PVCを実現し、しかもTPUの短
所を改善した可撓性ホースを提供する。 【解決手段】 軟質合成樹脂よりなるホース壁に
硬質螺旋補強体を接合してホースを保形する。ホース壁
の主体層をTPUにより形成し、主体層の外周面にTP
Uとポリオレフィン系樹脂および相溶化剤を含む樹脂組
成物よりなる外層を被着する。
Description
可撓性に優れた合成樹脂製ホース、特に電気掃除機用ホ
ースに関するものである。
性に優れ製造コストが安い点から塩化ビニル樹脂(PV
C)を主体に形成されたものが汎用されており、例え
ば、硬鋼線をPVCにより被覆した樹脂被覆補強線材を
マンドレルの外周に螺旋状に捲回し、この樹脂被覆補強
線材の外側に、軟質PVCよりなるチューブを被覆した
り、軟質PVCよりなるテープを螺旋状に捲回してホー
ス壁を形成するとともに、マンドレルから抜き取って成
形される、ホース壁と樹脂被覆補強線材を接着一体化し
た構造のものが知られている。
地球環境問題において、PVCの廃棄燃焼物が有毒ガス
を発生させたり、酸性雨の原因とされたり、PVC自体
が発癌性物質視されたりして、その使用に制限が加えら
れる傾向にあるほか、PVC製のホースは重量も比較的
重く取扱い難い問題があった。そこで、軽量で脱PVC
を実現するものとして、機械的強度や耐摩耗性が良好な
ポリウレタン系熱可塑性エラストマー(TPU)を主体に
ホース壁を形成したホースが提案されたが、TPUは動
摩擦係数および静摩擦係数が高いため、ホース表面の滑
り性が悪く手触りがよくないなど品質上の問題があっ
た。
VC製ホースと同等の柔軟性を保持しつつ軽量で脱PV
Cを実現し、しかもTPUの短所を改善した可撓性ホー
スを提供することを課題とする。
は、軟質合成樹脂よりなるホース壁に硬質螺旋補強体を
接合して保形したホースであって、ホース壁の主体層を
TPUにより形成するとともに、主体層の外周面にTP
Uとポリオレフィン系樹脂および相溶化剤を含む樹脂組
成物よりなる外層を被着するを特徴とする。
樹脂として、PVCに近い柔軟性能を有しかつPVCよ
りも強度が大きいので薄肉に形成して軽量化できるTP
Uを主体層に用いるとともに、TPUより軽量で摩擦係
数が低くかつTPUに接着可能な特定の樹脂組成物を外
層に用いるので、脱PVCと軽量化を実現しつつ表面滑
り性の良好な可撓性ホースを得ることができる。(請求
項1)
る前記樹脂組成物の樹脂成分配合量は、TPU40〜9
5重量部、ポリオレフィン系樹脂60〜5重量部の配合
割合であるのが好ましい。(請求項2)ここで、TPUと
ポリオレフィン系樹脂の配合量の合計量は100重量部
であり、上記配合量はTPUとポリオレフィン系樹脂の
配合量の比が40/60〜95/5であることを意味す
る。
質のために配合されるが、その配合量が過剰であると硬
度が大きくなりホースの柔軟性を阻害し、不足するとT
PUの表面改質が不十分となりホースに滑り性を付与で
きない。なお、ポリオレフィン系樹脂としては、ポリプ
ロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)およびポリオレフ
ィン系熱可塑性エラストマー(TPO)等から単独或いは
複数選択できるが、PPやPE単独の場合には、硬度を
大きくしないよう配合量の上限を30重量部程度とする
のが好ましく、TPO単独の場合には上限を60重量部
程度にしてもよい。
ポリオレフィン系樹脂を相溶化させるため相溶化剤が添
加されるが、その配合割合としては、TPUとポリオレ
フィン系樹脂との合計量100重量部に対し0.5〜2
0重量部であるのが好ましい。(請求項3)相溶化剤の配
合量が、不足すると相溶化の効果が発揮されず、過剰で
あると他の樹脂成分の特性が失われる。
オレフィン共重合体が好ましい。(請求項4)これは、エ
チレンまたはプロピレン単独重合体、あるいはエチレン
共重合体を主鎖とし、ビニル系重合体を側鎖とするグラ
フト重合体である。中でもEPRグラフト変性エチレン
・グリシジルメタクリレート共重合体、EPRグラフト
変性オキサゾリン含有ポリエチレン共重合体などが好ま
しい。
主体層と特定の樹脂組成物からなる外層とが共押出しに
より融着一体化されたチューブ又はシートからホース壁
が構成される。(請求項5)これにより、ホース壁形成の
工程が少なく層間の接着性が優れている。
内層を主体層の内周面に形成し、内層と主体層の間に補
強糸を介在させてもよい。(請求項6)これにより、ホー
スの強度をより向上させる。
す電気掃除機用ホースについて、図面に基づいて説明す
る。図中、図1は電気掃除機の全体の外観を示し、図2
は実施例の電気掃除機用ホースの正面図、図3は図2で
示すホースのホース壁一部拡大断面図、図4はホースの
製造方法の一例を示した説明図である。
掃除機本体10に設けられた吸気口に接続パイプ11を
介してホースAの一端が接続され、ホースAの他端は手
元操作部12に接続され、手元操作部12に連続して延
長管13、続いて床用ノズル14が接続されて電気掃除
機が構成されている。
に、ホース壁1が全体として蛇腹形状に形成され、軟質
合成樹脂製のホース壁1は、図3に示すように、内層
2、主体層3及び外層4とからなる多層構造をなし、そ
の内周面にホースを保形補強する硬質螺旋補強体6がダ
ブルピッチ状に添着されている。そして、内層2と主体
層3との間には複数のナイロン等の補強糸5を異なる螺
旋方向に捲回して介在させている。なお、内層2及び補
強糸5を省略して、主体層3と外層4とでホース壁1を
構成してもよい。
るが、このTPUはポリエステル系であってもポリエー
テル系であってもよく、本実施例では前者の例えば日本
ミラクトラン株式会社製商品名ミラクトランAM6M9
024が使用されている。なお、ポリエステル系TPU
およびポリエーテル系TPUとは、ポリウレタンのソフ
トセグメントに用いられるポリオール原料の種類によっ
て区別されるもので、前者はポリエステルポリオールが
用いられるポリエステルタイプのTPUを指し、後者は
ポリエーテルポリオールが用いられるポリエーテルタイ
プのTPUを指すものであるが、その性質を大きく変え
ない範囲でポリアミド等の熱可塑性樹脂を適宜ブレンド
したものも包含するものである。また、TPUには、種
々の添加剤、例えば、可塑剤、安定剤(酸化防止剤,紫外
線吸収剤,熱安定剤など)、帯電防止剤、難燃剤、滑剤、
着色剤、充填剤、艶消し剤などを含んでいてもよい。
す成分及び配合(重量部)で樹脂組成物1または樹脂組
成物2を形成した。
ラクトラン株式会社製ミラクトランE360MSQJ、
上記PEとして日本ユニカー株式会社製NUCGS−6
50、上記相溶化剤として日本油脂株式会社製ノフアロ
イIE205、上記TPOとしてMontell SD
K Sunrise Ltd製アドフレックスKS35
0を使用した。なお、上記TPUはポリエステル系のも
のであってもよい。
にTPUよりなる樹脂被覆8を被着して形成され、内層
2と同じ材質なので両者は容易に接着あるいは融着して
強固に接合している。なお、硬質螺旋補強体6は実施例
に示すダブルピツチ状に限らず、一本を捲回する単線式
にしたり、3本以上の硬質螺旋補強体を用いる多線式に
することも可能である。また、撚り銅線に難燃性のPE
等の非塩素系樹脂よりなる絶縁被覆を施した絶縁電線を
ポリアセタール等の硬質樹脂線に内蔵させて、硬質螺旋
補強体を構成してもよい。
し、一方向に直進するマンドレル22上に硬質螺旋補強
体6を捲回し、その外側にTPUよりなる内層2と補強
糸5を形成した後にクロスヘッド20に送入する。この
クロスヘッド20内において、樹脂押出機21から前記
TPUと前記樹脂組成物が共押出しにより融着一体化し
た加熱溶融状態のチューブを内層2の外周面に被着して
主体層3、外層4を形成する。その後、冷却したうえマ
ンドレルから引き抜いてホースが成形される。なお、T
PUと樹脂組成物は共押出しにより一体化したシート状
に成形し、これを螺旋状に捲回して主体層と外層を形成
することができる。
を形成する前記樹脂組成物1及び樹脂組成物2からテー
プ状の試験片(実施例1)、(実施例2)と、TPUの
みからなる試験片(比較例)を作成し、これら試験片
を、水平に維持した絨毯張り板及びアクリル板上に載置
し、前記板を傾斜させていき試験片が板上を滑り始めた
ときの角度θを測定し、静止摩擦係数μをμ=Tanθ
として算出した。その測定結果を表2に示す。
では困難であった無害な焼却処理が可能となり地球環境
にとって問題が少ないほか、PVCより軽量化が図れ、
かつTPUに代替した場合の欠点を解消し、表面滑り性
が良好な可撓性ホースを得ることができる。
ある。
Claims (6)
- 【請求項1】 軟質合成樹脂よりなるホース壁に硬質螺
旋補強体を接合して保形したホースであつて、ホース壁
の主体層をポリウレタン系熱可塑性エラストマーにより
形成するとともに、主体層の外周面にポリウレタン系熱
可塑性エラストマーとポリオレフィン系樹脂および相溶
化剤を含む樹脂組成物よりなる外層を被着したことを特
徴とする可撓性ホース。 - 【請求項2】 前記樹脂組成物が、前記ポリウレタン系
熱可塑性エラストマー40〜95重量部、前記ポリオレ
フィン系樹脂60〜5重量部の配合割合からなる請求項
1に記載の可撓性ホース。 - 【請求項3】 前記相溶化剤が、前記ポリウレタン系熱
可塑性エラストマーと前記ポリオレフィン系樹脂との合
計量100重量部に対し0.5〜20重量部配合されて
なる請求項2に記載の可撓性ホース。 - 【請求項4】 前記相溶化剤がグラフト変性ポリオレフ
ィン共重合体である請求項1乃至3のいずれかに記載の
可撓性ホース。 - 【請求項5】 外層を形成する前記樹脂組成物が主体層
を形成するポリウレタン系熱可塑性エラストマーとの共
押出しにより融着一体化したチューブ又はシートによ
り、ホース壁が形成された請求項1に記載の可撓性ホー
ス。 - 【請求項6】 主体層の内周面にポリウレタン系熱可塑
性エラストマーからなる内層が形成され、かつこの内層
と主体層との間に補強糸を介在させた請求項1に記載の
可撓性ホース。
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