JPH1180442A - 耐油性熱可塑性エラストマー組成物およびホース - Google Patents

耐油性熱可塑性エラストマー組成物およびホース

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JPH1180442A
JPH1180442A JP23685997A JP23685997A JPH1180442A JP H1180442 A JPH1180442 A JP H1180442A JP 23685997 A JP23685997 A JP 23685997A JP 23685997 A JP23685997 A JP 23685997A JP H1180442 A JPH1180442 A JP H1180442A
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JP
Japan
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component
thermoplastic elastomer
hose
elastomer composition
rubber component
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JP23685997A
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Inventor
Yuichi Hara
祐一 原
Jiro Watanabe
次郎 渡邊
Noriaki Kuroda
紀明 黒田
Susumu Hatanaka
畑中  進
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Yokohama Rubber Co Ltd
Original Assignee
Yokohama Rubber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐熱老化性、耐候性、低温物性、耐油性に優れ
る熱可塑性エラストマー組成物、および耐油性、耐熱老
化性、低温物性に優れるホースの提供。 【解決手段】連続相が熱可塑性ポリオレフィン系樹脂
(A)であり、分散相がエポキシ基含有エチレン−アク
リル酸エステル共重合体ゴム成分(B)およびアクリロ
ニトリル−ブタジエンゴム成分(C)である、動的に架
橋されてなる熱可塑性エラストマー組成物、および該熱
可塑性エラストマー組成物が少なくとも内管に含まれる
ホース。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐熱老化性、耐候
性、低温物性、耐油性に優れる熱可塑性エラストマー組
成物、および耐油性、耐熱老化性、低温物性に優れるホ
ースに関する。
【0002】
【従来の技術】内管、補強層および外管をこの順に環状
に積層してなるホースは公知であり、これらのホースで
は内管及び外管を加硫ゴムやウレタン、ポリエステルや
ナイロン等の樹脂で構成し、補強層はナイロン、ポリエ
ステル、レーヨン、ビニロン、アラミド繊維等の繊維を
ブレード状、又はスパイラル状に編組し、各層間はゴム
セメントやウレタン系接着剤などを用いて接着処理が施
されている。しかしながら、内外管にゴムを使用したい
わゆるゴムホースは加硫工程が必要であるため製造工程
が煩雑となり、また内外管に単に熱可塑性樹脂を使用し
たいわゆる樹脂ホースは、ホースが硬く柔軟性に劣りホ
ースを曲げるとキンク現象を生ずるという問題がある。
かかる問題を解決する提案として、ポリオレフィン系熱
可塑性樹脂、ポリ塩化ビニル系熱可塑性樹脂、ポリアミ
ド系熱可塑性樹脂、ポリエステル系熱可塑性樹脂などの
熱可塑性樹脂中に少なくともその一部分が架橋されてい
る加硫ゴム相を分散させた熱可塑性エラストマー組成物
を用いたホースが提案されている(例えば特開平6−6
4102号公報参照)。しかしながら、耐油性のホース
という観点から見ると、一般的なポリオレフィン系熱可
塑性エラストマー組成物は、ポリプロピレンとエチレン
−プロピレン系ゴムよりなり、分子構造中に極性基を有
していないため、耐油性に乏しいという欠点を有する。
一方、耐油性を改善するために、ポリプロピレンおよび
アクリロニトリル−ブタジエン系ゴムよりなる熱可塑性
エラストマー、ならびにエチレン−アクリル酸エステル
共重合体ゴムおよびポリオレフィンからなる熱可塑性エ
ラストマーも提案されてはいるものの、前者は耐油性に
は優れているものの分子構造中に二重結合を有している
ために耐熱性、耐候性に劣ることが欠点としてあげら
れ、後者は耐熱性、耐候性には優れているもののゴムの
分子構造中にエチレン部を有しているために依然耐油性
が充分でないことが欠点として挙げられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、耐熱老化
性、耐候性、低温物性、耐油性に優れる熱可塑性エラス
トマー組成物、および耐油性、耐熱老化性、低温物性に
優れるホースを提供しようとする。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、連
続相が熱可塑性ポリオレフィン系樹脂(A)であり、分
散相がエポキシ基含有エチレン−アクリル酸エステル共
重合体ゴム成分(B)およびアクリロニトリル−ブタジ
エンゴム成分(C)である、ゴム成分が動的に架橋され
てなる熱可塑性エラストマー組成物を提供する。本発明
は、さらに、酸変性ポリオレフィン樹脂(D)を含有す
ることが好ましく、また、前記成分(A)+(D)およ
び(B)+(C)の成分比(重量比)(A)+(D)/
(B)+(C)が70/30〜20/80であり、前記
成分(B)および(C)の成分比(重量比)(B)/
(C)が10/90〜90/10であることが好まし
い。さらに、本発明は上記の熱可塑性エラストマー組成
物が少なくとも内管に含まれるホースを提供する。
【0005】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明す
る。本発明の第1の態様である熱可塑性エラストマー組
成物において連続相として用いる熱可塑性ポリオレフィ
ン系樹脂(A)としては、オレフィンの単独または共重
合体、すなわち、エチレン、プロピレン、1−ブテン、
1−ペンテン、3−メチル−ブテン、1−ヘキセン、3
−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、
1−オクテン等の単独または共重合体等が挙げられ、こ
れらの1種または2種以上の混合物を用いることができ
る。
【0006】具体的には、アイソタクチック、シンジオ
タクチック或いはエチレン等とのランダム或いはブロッ
ク共重合体等のポリプロピレン樹脂(PP)、高密度ポ
リエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDP
E)、線状低密度ポリエチレン(L−LDPE)等のポ
リエチレン樹脂やエチレン−アクリル酸エチル共重合体
(EEA)、エチレン−アクリル酸メチル共重合体(E
MA)等の一般的なポリオレフィン系樹脂を用いること
ができる。
【0007】このうち、特にポリプロピレン系樹脂とし
ては、ポリプロピレンホモポリマー、エチレン含量2〜
60重量%プロピレン・エチレンブロック共重合体、エ
チレン含量0.5〜20重量%のプロピレン・エチレン
ランダム共重合体等があげられる。これらの重合体のメ
ルトフローレートは0.1〜100g/10分であり、
好ましくは0.5〜50g/10分の範囲にある。メル
トフローレートが0.1g/10分より小さくても10
0g/10分より大きくても加工性に問題が生じる。
【0008】本発明で用いるエポキシ基含有エチレン−
アクリル酸エステル共重合体ゴム成分(B)は、(a)
エチレン及び(b)アクリル酸エステルよりなるもので
ある。(b)アクリル酸エステルにはメタクリル酸エス
テルも含まれるが、これらは炭素数1〜8のアルコール
よりなるエステルである。具体的には、アクリル酸メチ
ル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリ
ル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、
アクリル酸t−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、アク
リル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘ
キシル等が例示され、これらは1種でもよいし、2種以
上を混合して用いてもよい。
【0009】本発明で用いるエポキシ基含有エチレン−
アクリル酸エステル共重合体ゴム成分(B)における、
(a)エチレンと(b)アクリル酸エステルもしくはメ
タクリル酸エステルの割合は、モル比で50〜85:5
0〜15、好ましくは58〜80:42〜20である。
(b)アクリル酸エステルもしくはメタクリル酸エステ
ルの含有率が50モル%を越えると脆化点が高くなるの
でエラストマーとして低温での使用が困難となる。ま
た、15モル%未満であると、共重合体のエラストマー
としての十分な弾性が得られない。エポキシ基含有エチ
レン−アクリル酸エステル共重合体ゴム成分(B)中の
エポキシ基の含有量は(a)と(b)のモル数の和に対
して0.05〜5モル%であり、好ましくは0.1〜3
モル%である。なお、上記の成分(B)は1種または2
種以上を合わせて用いてもよい。
【0010】エポキシ基を架橋部位とする場合は架橋剤
としてポリカルボン酸等が用いられるが、過酸化物を用
いてゴム成分を動的架橋させてなる場合には成分(B)
のエポキシ基は樹脂成分または後に詳述する相溶化剤と
反応し、相溶化に寄与し、成分(B)、および他の成分
のエチレン部位が過酸化物と反応して架橋部位として機
能する。
【0011】本発明において用いられるアクリロニトリ
ルブタジエンゴムはアクリロニトリルとブタジエンの共
重合体系合成ゴムである。アクリロニトリル量は、一般
に共重合体樹脂中15〜53重量%で生産されているが
アクリロニトリル量が増大すると耐寒性が低下すること
から、本発明においてはアクリロニトリル量25重量%
〜35重量%(中ニトリル〜中高ニトリル)の範囲のア
クリロニトリルブタジエンゴムが好ましく用いることが
できる。さらにアクリロニトリル、ブタジエンの組み合
わせに第3のモノマーを加えた多元共重合体も用いるこ
とができる。例えば、側鎖にカルボン酸を導入したカル
ボキシル化ニトリルゴムや、ジビニルベンゼン、エチレ
ングリコールジメタクリレート等多官能モノマーを導入
して、自己架橋型のタイプも使用できる。また、ブタジ
エンの一部をイソプレンに代替したものもある。
【0012】本発明においてゴム成分はエポキシ基含有
エチレン−アクリル酸エステル共重合体ゴム成分(B)
およびアクリロニトリル−ブタジエンゴム成分(C)か
らなるが、これらゴム成分は、本発明の熱可塑性エラス
トマー組成物中で分散相となる。成分(B)および
(C)の分散の態様としては、それぞれの粘度および相
溶性の関係から両者が独立してドメインになる、成
分(C)が(B)に包まれた状態でドメインになる、
成分(B)が(C)に包まれた状態でドメインになる、
の3態様が挙げられる。このうち、耐熱性、耐候性、耐
油性、低温物性の点からアクリロニトリル−ブタジエ
ンゴム成分(C)がエポキシ基含有エチレン−アクリル
酸エステル共重合体ゴム成分(B)に包まれた状態でド
メインになっているのが好ましい。
【0013】本発明の樹脂成分(A)とゴム成分(B)
および(C)は本来非相溶であるが、相溶性を高めたい
場合は、酸変性ポリオレフィン樹脂(D)を添加しても
よい。本発明で用いる酸変性ポリオレフィン樹脂(D)
は、前記のポリオレフィン樹脂を無水マレイン酸、フマ
ル酸等で変性したものであり、特にマレイン酸変性ポリ
プロピレン樹脂が好ましい。本発明において成分(D)
は相溶化剤として機能する。
【0014】本発明の相溶化剤(D)は、ゴム成分であ
る成分(B)のエポキシ基と反応し、グラフトまたはブ
ロックポリマーを形成する。これによりゴム成分の界面
張力を下げ、樹脂成分と混ざりやすくする。
【0015】成分(A)、(B)、(C)および(D)
の配合量(重量比)は、(A)+(B)+(C)+
(D)=100重量部として、[(A)+(D)]/
[(B)+(C)]=70/30〜20/80であり、
好ましくは、[(A)+(D)]/[(B)+(C)]
=50/50〜20/80、特に好ましくは40/60
〜25/75である。この範囲で配合することにより物
性バランスのとれた熱可塑性エラストマー組成物を得る
ことができる。
【0016】また、成分(A)+(D)に対して成分
(D)の割合は、0重量%であってもよいが、1〜50
重量%が好ましく、1〜30重量%であるのがより好ま
しい。樹脂成分(A)とゴム成分(B)および(C)を
十分相溶させることができるからである。
【0017】ゴム成分中の(B)および(C)の重量比
は(B)/(C)=10/90〜90/10、好ましく
は(B)/(C)=20/80〜30/70、特に好ま
しくは、(B)/(C)=30/70〜50/50であ
る。得られる熱可塑性エラストマー組成物の耐熱老化
性、耐候性、低温物性、耐油性のバランスをとるためで
ある。
【0018】さらにアクリロニトリル−ブタジエンゴム
成分(C)をエポキシ基含有エチレン−アクリル酸エス
テル共重合体ゴム成分(B)に包まれた状態でドメイン
として本発明の熱可塑性エラストマー組成物中に分散さ
せるには、連続相であるマトリクス樹脂(成分(A)お
よび(D))とゴム分散相(成分(B)および(C))
及びゴム相中のエポキシ基含有エチレン−アクリル酸エ
ステル共重合体ゴム成分(B)とアクリロニトリル−ブ
タジエンゴム成分(C)の体積率(φ)と粘度(η)が
以下の関係を満たすようにする。 (φB+C /φA+D )/(ηA+D /ηB+C )<1 かつ (φC /φB )/(ηB /ηC )<1 ここで φB+C :成分(B)、成分(C)混合物の体積分率 φA+D :成分(A)、成分(D)混合物の体積分率 ηA+D :混練温度、剪断速度条件における成分(A)、
成分(D)混合物の溶融粘度 ηB+C :混練温度、剪断速度条件における成分(B)、
成分(C)混合物の溶融粘度 である。体積率とは全体の体積を1とした場合の、ある
相の全体の体積に占める割合を体積分率で示したもので
あり、φA +φB +φC +φD =φB+C +φA+D =1で
ある。粘度はキャピラリ・レオメータにより測定される
粘度であり、樹脂相の粘度(ηA+D )、ゴム相の粘度
(ηB+C )はそれぞれ成分(A)と(D)、また成分
(B)と(C)が均質に混合されて組成物となったとき
の粘度を示す。なお、体積、粘度は混練時の温度で規定
される。
【0019】本発明において用いられる架橋剤としては
特に制限はなくNBR(C)、EMA(B)に通常用い
られる架橋剤を使用すればよい。NBRの架橋剤とし
て、例えば、イオウ系架橋剤としては粉末イオウ、沈降
性イオウ、高分散性イオウ、表面処理イオウ、不溶性イ
オウ、ジモルフォリンジサルファイド、アルキルフェノ
ールジサルファイド等が例示される。その添加量は例え
ば、エラストマー100重量部に対して0.5〜4重量
部程度を用いればよい。また、有機過酸化物系の架橋剤
としては、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルヒド
ロパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオ
キサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチル
パーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチルヘキサン−
2,5−ジ(パーオキシルベンゾエート)等が例示さ
れ、例えば、エラストマー100重量部に対しては1〜
15重量部程度を用いればよい。さらに、フェノール樹
脂系の架橋剤としては、アルキルフェノール樹脂の臭素
化物や、塩化スズ、クロロプレン等のハロゲンドナーと
アルキルフェノール樹脂とを含有する混合架橋系等が例
示され、例えばエラストマー100重量部に対して1〜
20重量部程度を用いればよい。その他として、亜鉛華
(5重量部程度)、酸化マグネシウム(4重量部程
度)、リサージ(10〜20重量部程度)、p−キノン
ジオキシム、p−ジベンゾイルキノンジオキシム、テト
ラクロロ−p−ベンゾキノン、ポリ−p−ジニトロソベ
ンゼン(2〜10重量部程度)、メチレンジアニリン
(0.2〜10重量部程度)が例示される。
【0020】また、必要に応じて、架橋促進剤を添加し
てもよい。架橋促進剤としては、アルデヒド・アンモニ
ア系、グアニジン系、チアゾール系、スルフェンアミド
系、チウラム系、ジチオ酸塩系、チオウレア系等の一般
的な架橋促進剤を、例えば0.5〜2重量部程度用いれ
ばよい。
【0021】具体的には、アルデヒド・アンモニア系架
橋促進剤としては、ヘキサメチレンテトラミン等が;グ
アニジン系架橋促進剤としては、ジフェニルグアニジン
等が;チアゾール系架橋促進剤としては、ジベンゾチア
ジルジサルファイド(DM)、2−メルカプトベンゾチ
アゾールおよびそのZn塩、シクロヘキシルアミン塩2
−(4’−モルホリノジチオ)ベンゾチアゾール等が;
スルフェンアミド系架橋促進剤としては、シクロヘキシ
ルベンゾチアゾリルスルフェンアマイドCBS)、N−
オキシジエチレンベンゾチアゾリル−2−スルフェンア
マイド、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフ
ェンアマイド、2−(チモルポリニルジチオ)ベンゾチ
アゾール等が;チウラム系架橋促進剤としては、テトラ
メチルチウラムジサルファイド(TMTD)、テトラエ
チルチウラムジサルファイド、テトラメチルチウラムモ
ノサルファイド(TMTM)、ジペンタメチレンチウラ
ムテトラサルファイド等が;ジチオ酸塩系架橋促進剤と
しては、Zn−ジメチルジチオカーバメート、Zn−ジ
エチルジチオカーバメート、Zn−ジ−n−ブチルジチ
オカーバメート、Zn−エチルフェニルジチオカーバメ
ート、Te−ジエチルジチオカーバメート、Cu−ジメ
チルジチオカーバメート、Fe−ジメチルジチオカーバ
メート、ピペコリンピペコリルジチオカーバメート等
が;チオウレア系架橋促進剤としては、エチレンチオウ
レア、ジエチルチオウレア等が; それぞれ開示され
る。
【0022】また、架橋促進助剤としては、一般的なゴ
ム用助剤を併せて用いることができ、例えば、亜鉛華
(5重量部程度)、ステアリン酸やオレイン酸およびこ
れらのZn塩(2〜4重量部程度)等を用いればよい。
【0023】また、エポキシ基含有エチレンーアクリル
酸エステル共重合ゴム成分(B)用としては、有機過酸
化物、有機アンモニウム塩類、ジチオカルバミン酸塩
類、ポリアミン酸、フェノール樹脂類、有機カルボン酸
類等が挙げられ、中でも、アクリロニトリル−ブタジエ
ンゴム成分(C)とエポキシ基含有エチレン−アクリル
酸エステル共重合ゴム成分(B)の両方を効率よく共架
橋できる有機過酸化物を使用するのが好ましい。
【0024】本発明で架橋剤として用いる過酸化物とし
ては有機過酸化物が好ましく、1分半減期(半減期が1
分間)を得るための分解温度が150℃以上のものを用
いる。具体的には、1,1−ビス(t−ブチルパ−オキ
シ)シクロヘキサン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−
ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、1,1−
ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、t−ヘ
キシルパーオキシイソプロピルモノカーボネイト、t−
ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシ−
3,5,5−トリメチルヘキサノエイト、t−ブチルパ
ーオキシラウレイト、2,5−ジメチル−2,5−ジ
(m−トルオイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパ
ーオキシイソプロピルモノカーボネイト、t−ブチルパ
ーオキシ2−エチルヘキシルモノカーボネイト、t−ヘ
キシルパーオキシベンゾエイト、2,5−ジメチル−
2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブ
チルパーオキシアセテイト、2,2−ビス(t−ブチル
パーオキシ)ブタン、t−ブチルパーオキシベンゾエイ
ト、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキ
シ)バレレイト、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレ
イト、α,α’ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプ
ロピルベンゼン、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジ
メチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサ
ン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチル
パーオキサイド、p−メンタンヒドロパーオキサイド、
2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキ
シ)ヘキシン−3、ジイソプロピルベンゼンヒドロパー
オキサイド、t−ブチルトリメチルシリルパーオキサイ
ド、1,1,3,3−テトラメチルブチルヒドロパーオ
キサイド、クメンヒドロパーオキサイド、t−ヘキシル
ヒドロパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイ
ド等が挙げられる。1分半減期を得るための分解温度が
150℃未満の有機過酸化物を用いるとポリオレフィン
が分解してしまうため、ゴムの架橋が十分でない。
【0025】さらに、本発明の組成物には必要に応じて
通常の架橋促進剤、補強材、可塑剤、軟化剤、老化防止
剤等の配合剤を添加してもよい。
【0026】本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、
熱可塑性樹脂とゴム組成物とを混練しながらゴムの架橋
を進行させる、いわば、動的に架橋を進行させる動的架
橋により製造される熱可塑性エラストマー組成物であ
る。このような製法を利用することにより、得られた熱
可塑性エラストマー組成物は、少なくとも一部が連続相
となる熱可塑性樹脂層に少なくとも一部が不連続相とな
る架橋ゴム相が微細に分散した状態となるため、得られ
た熱可塑性エラストマー組成物は架橋ゴムと同様の挙動
を示し、かつ、少なくとも連続相が熱可塑性樹脂相であ
るため、その成形加工に際しては、熱可塑性樹脂に準じ
た加工が可能である。
【0027】本発明の熱可塑性エラストマー組成物の製
造において、成分(A)、(B)、(C)および(D)
の混練に使用する機械には特に限定はないが、スクリュ
ー押出機、ニーダ、バンバリミキサー、2軸混練押出機
等が例示される。なかでも成分(A)(樹脂成分)、成
分(B)および(C)(ゴム組成物)ならびに成分
(D)(相溶化剤)の混練、さらに成分(B)および
(C)の動的架橋を考慮すると、2軸混練押出機を使用
するのが好ましい。さらに、2種類以上の混練機を使用
し、順次混練してもよい。
【0028】以下、通常行われる2軸混練押出機による
混練に基づいて、製造方法の一例をより具体的に例示す
る。まず、2軸混練押出機の第1の投入口より、ペレッ
ト状に成形した成分(A)、(D)を投入し、2軸スク
リューによって混合して加熱・溶融する。
【0029】一方、成分(B)および(C)はバンバリ
ミキサー等のゴム用混練機を用い、必要に応じて補強
剤、可塑剤、老化防止剤、加工助剤等を添加して混練し
た後、架橋系を含まない、いわゆるマスターバッチと
し、ゴム用ペレタイザーでペレット化して調製してお
く。成分(B)および(C)は別個にペレット化しても
よいが、成分(B)が成分(C)を包むようにするには
予め成分(B)および(C)を共に混練しペレット化し
ておくのが好ましい。前述のように、成分(A)を2軸
混練押出機で加熱・溶融した後、このようにあらかじめ
ペレット化した成分(B)および(C)を2軸混練押出
機の第2の投入口より投入し、成分(A)中に成分
(B)および(C)を分散させる。
【0030】この後、2軸混練押出機の第3(第4)の
投入口より架橋剤あるいはさらに架橋助剤を投入し、混
練下に、成分(B)および(C)を架橋(動的に架橋)
させる。架橋をこのようにして行うことにより、成分
(B)および(C)を成分(A)に十分に分散させた状
態で、しかも成分(B)および(C)が十分に微細な状
態のまま架橋が行え、連続相(マトリックス)をなす成
分(A)中に、分散相(ドメイン)として成分(B)お
よび(C)が安定に分散してなる熱可塑性エラストマー
組成物が調整される。このような熱可塑性エラストマー
組成物において、分散相である架橋ゴム組成物(成分
(B)もしくは(C)単独、又は成分(B)と(C)を
含む粒子)の粒子径が50μm以下であるのが好まし
く、さらに、10〜1μmであるのがより好ましい。
【0031】また、本発明の組成物に補強材、軟化剤、
老化防止剤等の配合剤を添加する場合は、ゴム成分
(B)および(C)への配合剤は上記混練中に添加して
もよいが、架橋剤以外の配合剤は上記混練の前に予め混
合しておくのがよい。樹脂成分(A)への配合剤は、上
記混練の前に予め混合しておいてもよく、また、上記混
練中に添加してもよい。
【0032】成分(A)、成分(B)、成分(C)およ
び成分(D)の溶融混練の条件としては、混練温度は、
例えば150〜250℃、特に、150〜200℃であ
るのが好ましく、混練時の剪断速度は、500〜700
0秒-1、特に、500〜2000秒-1であるのが好まし
い。溶融混練全体の時間は、30秒〜10分、架橋剤を
添加した後の架橋時間は、15秒〜5分であるのが好ま
しい。
【0033】このようにして得られた本発明の熱可塑性
エラストマー組成物は柔軟性、耐熱性、耐油性、低温物
性に優れている。このような本発明の熱可塑性エラスト
マー組成物の用途は特に限定されないが、耐油性、耐熱
性を必要とする場合に好適に用いられる。例えば、耐油
性ホースや、耐油性、耐熱性を必要とする自動車、建機
のエンジン回りの部品等に好適に用いられる。
【0034】本発明の第2の態様であるホースについ
て、添付の図面に記載の1実施態様例に基づいて説明す
る。図1は、本発明のホースの各層を切り欠いて示す斜
視図である。ホース1は、内管2、補強層3、および外
管4を有し、補強層と内管との層間、補強層と外管との
層間にそれぞれ接着層5、6を有する。本発明のホース
1の内管2は本発明の熱可塑性エラストマー組成物を含
有することを特徴とする。
【0035】本発明のホースにおいて、その接着層に
は、マレイン酸変性ポリオレフィン、特にマレイン酸変
性プロピレン、マレイン酸変性ポリエチレン等を用いる
ことができる。
【0036】本発明のホースにおいて、外管、または内
管が複数層から成る場合に、そのいずれかの層に本発明
の熱可塑性エラストマー組成物を使用する場合の他の層
に使用することができる物質としては、NBR、II
R、EPDM等の加硫ゴム、ポリアミドエラストマー、
ポリエステルエラストマー、ポリオレフィンエラストマ
ー、PP/EPDM系熱可塑性エラストマー組成物等の
熱可塑性エラストマー組成物が挙げられる。このうち、
加硫ゴムは加硫工程が必要なため作業工程上メリットが
少ない。熱可塑性エラストマー組成物の中では柔軟性に
優れたPP/EPDM系熱可塑性エラストマー組成物が
好ましい。本発明のホースは、少なくとも内管と補強層
と外管とを有するホースであって、各層間は接着層で接
合されていてもよい。内管、外管は、それぞれ一層でも
多層で形成されていてもよく、補強層は一層でも多層で
もよい。
【0037】本発明のホースにおいて、その補強層は、
特に限定されない。ブレード状で形成されたものでもス
パイラル状で形成されたものでもいずれでもよい。ま
た、用いる材料は糸でもワイヤでもよい。補強糸として
は、ビニロン繊維、レーヨン繊維、ポリエステル繊維、
ナイロン繊維、芳香族ポリアミド繊維等で製造された糸
が例示される。前記繊維について、より具体的に述べる
と、ポリエステル繊維としては、ポリエチレンテレフタ
レート(東レ社製:テトロン)が例示され、一般に好適
に使用されている。ナイロン繊維としては、ナイロン
6、ナイロン66(旭化成社製:レオナ)等が例示され
る。また、補強用ワイヤとしては、硬鋼線が例示され、
さらに具体的には、防錆および接着性付与のために真鍮
又は亜鉛等のメッキを施された鋼線が例示される。
【0038】次に、本発明のホースの製造方法を、添付
の図面に記載の1実施態様例に基づいて説明する。図2
は、本発明のホースの1例としての製造工程の概略を示
す概略図である。本発明のホースは例えば、次のように
して製造することができる。すなわち、図2に示すよう
に、予め離型剤を塗布したマンドレル7上に、内管材用
押出機8から内管用の熱可塑性エラストマー組成物を、
その上に、接着剤用押出機9から接着層を、同時に2層
押出して、内管成形用ダイス10内でチューブ状に成形
を行って、内管11を形成する。このとき、内管を予め
押出した後、接着層を内管の上に押出成形してもよい。
次に、内管11と接着層の上に補強層成形機12を用い
て補強層13を形成するが、補強層13は、補強糸また
は補強用ワイヤ等を複数本引きそろえてスパイラル状あ
るいはブレード状に編み組みし形成される。次に、補強
層13を形成し終えたホースに、高周波誘導加熱装置1
4で高周波を印可し、補強層13に0.1〜5秒間、局
部加熱を施す。この時、補強層13が100〜350℃
に加熱されると、接着層がマレイン酸変性ポリオレフィ
ン系樹脂等の場合は該接着層が溶融され、十分接合させ
ることが可能となる。尚、補強材のワイヤの加熱は、高
周波炉を用いた誘導加熱の他、熱風加熱、赤外線加熱で
も行うことができる。加熱処理すると、接着層とワイヤ
が十分に接合しホースの耐久性が向上する。中でも特
に、高周波誘導加熱を行うと、ワイヤと接触している接
着層表面だけを部分溶融することができ補強層13と接
着層とを物理的、化学的に強固に接着させられるととも
に、材料の劣化も少ない。さらに、加熱による溶融が瞬
時に行われるので作業効率も高いというメリットが得ら
れる。最後に、十分に加熱された補強層13の上に、内
管同様に、接着剤用押出機16から接着層を、その上
に、外管材用押出機17から外管用の熱可塑性エラスト
マー組成物を同時に2層押出して、外管成形用ダイス1
5内でホース状に成形を行って、外管18を形成する。
外管成形時に、まず接着層を押出した後、外管用の熱可
塑性エラストマー組成物を押出し、外管18を形成して
もよい。また、図2においては、補強層13の高周波誘
導加熱は、外管18を形成する前に行っているが、外管
18を被覆した後に行っても、同様に、外管18と接着
層の間は強固に接着される。このようにしてホースを形
成した後にマンドレル7を除去することにより所望のホ
ースが得られる。
【0039】上述の製造方法を用いることにより、通常
のゴムホース等のホースのように後加硫工程が不必要な
ので、製造工程が簡略化でき、ゴムホースの製造より簡
便である。また、後加硫工程が不必要なので加熱時の熱
による収縮変形等がなく、ホースの寸法が維持しやす
い。さらに、補強層形成後、もしくは外管形成後、接着
層の加熱を行うが、高周波誘導加熱を選択することによ
り、赤外線加熱、熱風加熱等の加熱方法に較べて、熱を
ワイヤ表面ではじいたり、失うことなく、接着層を加熱
することができ、作業性がよい。また、接着層の加熱も
均一にできる。補強層が有機繊維である場合には、補強
層と内管及び外管との間にイソシアネート系フェノール
樹脂系、エポキシ系等の接着剤を配しておけば誘導加熱
などの特別な加熱処理をせずに外管押出時の熱で、十分
な接着力を出すことができる。
【0040】このようにして得られた本発明のホース
は、少なくとも内管に本発明の熱可塑性エラストマー組
成物を用いるため耐熱老化性、耐油性、低温物性に優れ
る。
【0041】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。ただし、本発明は実施例の範囲に限定されるもの
ではない。
【0042】[実施例1〜11、比較例1〜3]熱可塑性エラストマーの調製 樹脂成分、ゴム成分、相溶化剤および架橋剤を始めとす
る各種配合剤を用い、以下のようにして、下記表1に示
される各種のエラストマー組成物を作成した。まず、ゴ
ム成分および架橋剤以外の添加剤等の配合材料を、密閉
式のゴム用バンバリーミキサにて50〜140℃、5分
間混合し、ゴムマスターバッチを作成した。次にそのマ
スターバッチをゴムペレタイザーにてペレット化し、で
きたゴムペレットと樹脂ペレットを2軸押出機に投入し
て溶融混練を行った。混練条件は200℃、約3分で、
剪断速度1000sec-1であった。架橋は押出機内で
動的に行なわれた。材料は押出機から連続してストラン
ド状に押し出され、水冷後カッターで切断することによ
りペレット状の熱可塑性エラストマー組成物を得た。得
られた各種熱可塑性エラストマー組成物について、JI
S K6301に準拠して、硬さ、引張強さ、伸び、空
気加熱老化試験(120℃、336時間)により熱老化
を、低温衝撃脆化試験(−40℃)により低温物性を、
浸せき試験(120℃、336時間)により耐油性を測
定した。ここで、脆化試験(−40℃)により測定され
た低温物性はA,B,Cの3段階に評価した。それぞれ
以下のとおりである。 A:異状無し B:白化 C:亀裂、破断 評価結果を下記表1に示す。表中配合成分の量は重量部
で表す。なお、実施例11と実施例3の組成は同じであ
るが、実施例3が予め成分(B)と(C)を混練した後
に樹脂との混練・架橋を行なったものであるのに対し
て、実施例11は成分(B)と成分(C)を別々に樹脂
と混練して架橋した後に、両者を混合したものである。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】表1の注は下記のとおりである。 ・EMA:エスプレンンEMA2752(エチレン−ア
クリル酸エステル共重合体、住友化学工業(株)製) ・NBR−1(アクリロニトリル28%):Perbu
nanNT2865(Bayer(株)製) ・NBR−2(アクリロニトリル33%):Nipol
DN206(日本ゼオン(株)製) ・CB:HTC−100(中部カーボン(株)製) ・オイル:ADK Cizer C−9N(旭電化
(株)製) ・老化防止剤:Irganox1010(日本チバガイ
ギー(株)製) ・加工助剤:アーミン18D(ライオン・アクゾ(株)
製) ・架橋助剤:ダイソーDAP(大阪曹達(株)製) ・homo−PP:トクヤマポリプロRB121D(ポ
リプロピレンホモポリマー、(株)トクヤマ製) ・block−PP:トクヤマポリプロRB610(ポ
リプロピレンブロックポリマー、(株)トクヤマ製) ・random−PP:トクヤマポリプロRS511Y
(ポリプロピレンランダムポリマー、(株)トクヤマ
製) ・Mah−mod.PP:アドマーQB540(マレイ
ン酸変性ポリプロピレン、三井石油化学工業(株)製) ・架橋剤(有機過酸化物):パーカドックス14/40
(化薬アクゾ(株)製)
【0046】比較例1は樹脂成分が多過ぎるので、得ら
れた熱可塑性エラストマー組成物の硬度が高すぎ、低温
物性にも劣っていた。比較例2はゴム成分が多すぎるた
めに混練が不可能であった。比較例3は成分(B)を配
合していないため伸び、耐熱老化性、低温物性に劣って
いた。
【0047】[実施例12〜15、比較例4〜5、従来
例]ホースの作製 表2に示すように内管用材料として、実施例2、6、1
1、比較例1、3またはアクリロニトリルブダジエンゴ
ムをマンドレル上に押出し、次にブラスメッキワイヤー
(直径0.25mm)をブレード状に編組して補強層を
形成した。その後、この上にPP/EPDM系熱可塑性
エラストマー(サントプレーン101−73、AES社
製)、または実施例6材料、クロロプレンゴムからなる
外管用材料を押出成形して、ホースを作成し、実施例1
2〜15、比較例4、5、従来例とした。実施例12〜
15、比較例4、5については、内管と補強層、補強層
と外管との接着剤としてマレイン酸変性ポリプロピレン
(アドマーQB540・三井石油化学社製)を用いた。
又、従来例については、成形後、150℃、20kg/
cm2 で45分間の加硫処理を実施した。以上の方法で
作製したホースは、内径9mm、内管及び外管の肉厚は
それぞれ、1.5mm、1.0mmであった。
【0048】・ホースの物性 実施例12〜15、比較例4、5、および従来例のホー
スに対し、以下の項目について評価を行った。結果は表
2に記載した。(1)インパルス耐久性(JIS K 6330) SAE J188 タイプ1に準拠して、試験を実施し
た。油としてオートマルチ油(出光興産社製)を使用
し、100℃、圧力140kg/cm2 の条件でくり返
し衝撃圧力を加え、100万回の衝撃回数後、異常の生
じなかったものについては試験を中断し、○とした。
【0049】(2)ホース柔軟性(常温および−40
℃) 常温および−40℃にて、所定の半径を有する円弧に沿
ってホースを曲げ、曲げ力を測定した。曲げ半径は、ホ
ース外径の10倍(10D)から測定し始め、3倍まで
順次曲げ力を測定した(n=2)。この結果得られた曲
げ力と曲げ半径との関係をプロットした曲線より、規定
の半径(4倍)の時の数値を読み取る方法をとった。デ
ータは、従来例で作製したホースの値を100として、
実施例、比較例のホースが同様に変形する荷重を相対値
として表した。値が小さいほど柔軟性が高い。
【0050】・作業工数 従来例1のホースを製造する工数を100として、実施
例、比較例のホースの製造工数をその相対値として表し
た。
【0051】
【表3】
【0052】
【発明の効果】本発明により、良好な耐候性、耐熱老化
性、耐油性、柔軟性、低温物性を有する熱可塑性エラス
トマー組成物およびホースを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のホースの一例を示す斜視図である。
【図2】 本発明のホースの製造方法の一例を示す概略
図である。
【符号の説明】 1 ホース 2 内管 3 補強層 4 外管 5,6 接着層 7 マンドレル 8 内管材用押出機 9 接着剤用押出機 10 内管成形用ダイス 11 内管 12 補強層成形機 13 補強層 14 高周波誘導加熱装置 15 外管成形用ダイス 16 接着剤用押出機 17 外管材用押出機 18 外管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 63/00 C08L 63/00 A F16L 11/08 F16L 11/08 A (72)発明者 畑中 進 神奈川県平塚市追分2番1号 横浜ゴム株 式会社平塚製造所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】連続相が熱可塑性ポリオレフィン系樹脂
    (A)であり、分散相がエポキシ基含有エチレン−アク
    リル酸エステル共重合体ゴム成分(B)およびアクリロ
    ニトリル−ブタジエンゴム成分(C)である、ゴム成分
    が動的に架橋されてなる熱可塑性エラストマー組成物。
  2. 【請求項2】酸変性ポリオレフィン樹脂(D)を含有す
    ることを特徴とする請求項1に記載の熱可塑性エラスト
    マー組成物。
  3. 【請求項3】前記成分(A)+(D)および(B)+
    (C)の成分比(重量比)(A)+(D)/(B)+
    (C)が70/30〜20/80である請求項1または
    2に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  4. 【請求項4】前記成分(B)および(C)の成分比(重
    量比)(B)/(C)が10/90〜90/10である
    請求項1〜3のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー
    組成物。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれかに記載の熱可塑性
    エラストマー組成物が少なくとも内管に含まれるホー
    ス。
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