JP2009257394A - ホース及びホースの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】過度の機械的な外力や曲げが加わった場合にも、キンクが発生することのない優れた耐キンク性と優れた可撓性を備えることにより、取扱性や施工性に優れるとともに、充分な耐圧性と耐久性を有し、生産性にも優れたものを提供すること。
【解決手段】可撓性材料からなるチューブ2と、該チューブ2の外周に形成された繊維補強層3と、該繊維補強層3の外周に形成された外層4とから構成され、上記外層4を構成する材料がオレフィン系ポリマーを含み、上記繊維補強層3と上記外層4とが、マレイン酸変性したオレフィン系樹脂を成分としたオレフィン系接着剤を介して接着されているホース1。上記マレイン酸変性したオレフィン系樹脂が、非晶質ポリオレフィン樹脂をマレイン酸変性したものであることを特徴とするホース1。上記接着剤が結晶性ポリオレフィン樹脂を含有することを特徴とするホース1
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば、トイレ、台所や洗面台や浴室の水栓金具、水道用配管、その他給水給湯用配管等に好適に使用することが可能なホースに関するものである。
従来、給水給湯用配管には、主に銅やステンレス等からなる金属管が用いられていたが、金属管は硬く、柔軟性に劣るため、取扱性や施工性が悪いという問題があった。そこで、最近では金属管に代わり、柔軟性に優れた高分子材料と金属線や繊維による繊維補強層からなるホースの両端に、継手金具をかしめ加工により締結されたホースが配管部材として用いられるようになってきた。
また、給水給湯用配管が設けられるスペースは比較的狭く、さらに、使用するホースの長さは短いため、施工時にホースが無理に曲げられたりすることが多い。その結果、ホースが折れ曲がってキンクが発生することがおき、その場合、通水路が塞がれて通水ができなくなったり、通水量が減ったりすることになっていたため、キンクが発生し難いホースが必要とされていた。また、給水給湯用配管が設けられるような限られたスペースの中で、良好な施工性を得るためには、柔軟性に優れたホースである必要があった。
このような点から、ホースの柔軟性を損なうことなく、施工時の折れ曲がりによるキンクに強いホースが要求されていた。この要求に応えるべく、内層チューブと繊維補強層間、或いは、繊維補強層と外層間を接着させ、各層を一体化することなどが提案されている(例えば、特許文献1〜3参照。)。
特開2006−266274号公報 特開平9−178057号公報 特開平10−52887号公報
ここで、昨今ではホースの外層として、耐水性、耐薬品性、加工性、耐汚れ性などに優れ、柔軟性がある材料であるオレフィン系のポリマーが好ましく選択されている。しかし、オレフィン系ポリマーは表面エネルギーが低く、化学的に不活性であるため、隣接する繊維補強層との接着が特に困難であるといったことも問題となっている。
上記特許文献1によるホースは、繊維補強層の外側に備えた外層がポリウレタン系熱可塑性エラストマー又はポリエステル系熱可塑性エラストマーの構成において、特定の接着層を用いることで、繊維補強層と外層との接着性を発揮するものである。この特許文献1に記載された接着層では、オレフィン系ポリマーを含む外層に適用した場合、十分な接着性が得られないことが考えられる。
また、特許文献2のホースは、接着剤を介して表面処理された繊維補強層と外層との接着に特定のウレタン系接着剤を使用しているが、特定のウレタン系接着剤は、取扱いが難しいという問題もある。また、この特許文献2に記載された接着剤では、オレフィン系ポリマーを含む外層に適用した場合、十分な接着性が得られないことが考えられる。更には、接着剤を介して表面処理された繊維補強層を使用しているため、ホースの柔軟性を損なうことが考えられる
また、特許文献3のホースは、熱可塑性接着樹脂として、無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂を使用している。しかし、この特許文献3では、無水マレイン酸変性ポリオレフィンを樹脂そのままの形態で使用しているため、十分な接着性が得られていない。また、外層として、少なくともその一部分が架橋されているエラストマー成分を含んだポリオレフィン系熱可塑樹脂を使用しないと十分な接着性が得られないなど、使用材料が制限される。
本発明は、このような従来技術の課題を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、過度の機械的な外力や曲げが加わった場合にも、キンクが発生することのない優れた耐キンク性と優れた可撓性を備えることにより、取扱性や施工性に優れるとともに、充分な耐圧性と耐久性を有し、生産性にも優れたものを提供することである。
上記目的を達成するべく、本発明の請求項1によるホースは、可撓性材料からなるチューブと、該チューブの外周に形成された繊維補強層と、該繊維補強層の外周に形成された外層とから構成され、上記外層を構成する材料がオレフィン系ポリマーを含み、上記繊維補強層と上記外層とが、マレイン酸変性したオレフィン系樹脂を成分としたオレフィン系接着剤を介して接着されていることを特徴とするものである。
又、請求項2によるホースは、上記マレイン酸変性したオレフィン系樹脂が、非晶質ポリオレフィン樹脂をマレイン酸変性したものであることを特徴とするものである。
又、請求項3によるホースは、上記接着剤が結晶性ポリオレフィン樹脂を含有することを特徴とするものである。
又、請求項4によるホースは、上記繊維補強層の遮蔽率が80%以上であることを特徴とするものである。
又、請求項5によるホースは、上記チューブと上記繊維補強層とが、接着剤を介していないことを特徴とするものである。
又、請求項6によるホースの製造方法は、可撓性材料からなるチューブを形成し、該チューブの外周に繊維補強層を形成し、該繊維補強層の外周にオレフィン系ポリマーを含む外層を形成するホースの製造方法において、上記繊維補強層にマレイン酸変性したオレフィン系樹脂を成分とした液状オレフィン系接着剤を塗布して、上記繊維補強層と上記外層とを接着することを特徴とするものである。
又、請求項7によるホースの製造方法は、上記繊維補強層を遮蔽率が80%以上となるように形成することを特徴とするものである。
本発明によれば、マレイン酸変性したオレフィン系樹脂を成分としてオレフィン系接着剤により、オレフィン系ポリマーを含む外層であっても、繊維補強層と外層とが良好に接着される。そのため、過度の機械的な外力や曲げが加わった場合にも、キンクが発生することのない優れた耐キンク性を有し、取扱性や施工性に優れる。また、曲げが加わった際、外層にシワが発生し難い外層平滑性も有することになる。また、外層を構成する材料がオレフィン系ポリマーを含んでいるため、耐水性、耐薬品性、加工性、耐汚れ性などに優れ、柔軟性にも優れたものとなる。また、繊維補強層により、充分な耐圧性と耐久性を有することになる。
本発明において用いられるチューブは、単層のものであっても良いし、所謂内層や中間層など複数層を積層したものであっても良い。
本発明において用いられるチューブの材料は、樹脂やゴムなどのような、可撓性材料から構成される。具体的には、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、オレフィン系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、スチレン系エラストマー、天然ゴム、イソプレンゴム、アクリルゴム、エチレンプロピレンゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブチルゴム、クロロプレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ニトリル‐ブタジエンゴム、などが挙げられる。この中でも、ポリオレフィン系樹脂を含有してなる組成物から構成されていることが好ましい。ポリオレフィン系樹脂を含有してなる組成物の中でも、ポリエチレンとエチレン−α−オレフィン共重合体とを含有してなる組成物であれば、チューブの可撓性及び耐塩素性を向上させることができるため更に好ましい。
ポリエチレンは、元来耐塩素性に優れた性質を有しており、種々のポリエチレンが公知であるが、本発明では、密度が0.942g/cm以下となるものを適宜に選択又は組合せて使用することが好ましい。ポリエチレンの密度が0.942g/cmを超えてしまうと、チューブの可撓性が低下し、本発明によって得られるホースの取扱性や施工性が悪くなる傾向がある。
エチレン−α−オレフィン共重合体は、エチレンとα−オレフィンが共重合されたものであり、柔軟性に優れた材料である。α−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1、ヘプテン−1、オクテン−1、デセン−1、ドデセン−1などが挙げられる。尚、エチレン−α-オレフィン共重合体は各種市販されているので、それらを適宜に選択して使用しても良い。
これら柔軟性及び耐塩素性に優れたポリエチレンと、柔軟性に優れたエチレン−α−オレフィン共重合体を適宜に配合すれば、特に可撓性及び耐塩素性に優れたチューブを得ることが可能となる。尚、上記組成物に、他の配合材料を加えて所望の特性を得ることも可能である。例えば、老化防止剤等を適宜に添加することによって、更に耐塩素性を向上させても良い。
チューブの肉厚は、0.6〜3mmの範囲とすることが好ましい。肉厚が0.6未満では、中間層を設ける場合に、実使用に耐え得る充分な破壊圧力を得ることが困難となったりする可能性がある。一方、肉厚が3mmを超えると、可撓性が低下して曲げ難くなってしまい、本発明によって得られるホースの取扱性や施工性が悪くなってしまう可能性がある。
本発明では、上記の組成物を押出成形等の公知の成形手段で管状に成形した後、架橋を施すことが好ましい。架橋を施すのは、上記したようなポリオレフィン系樹脂は、その耐熱温度が低く、給湯ホースとして使用される場合、ホース内を移送する湯の温度は90℃程度に達する場合もあることから、その場合は架橋を施すことによって高温での耐圧性を高める必要があるからである。架橋手段としては、例えば、過酸化物架橋、シラン架橋、電子線架橋などが挙げられるが、本発明では、これらの中でも電子線架橋を採用することが好ましい。この理由としては、まず、過酸化物架橋やシラン架橋のように架橋剤等の他の材料を配合する必要がなく、自由度の高い材料の選択が可能であるからである。
本発明においては、上記したチューブの外周に少なくとも一層の繊維補強層を形成することになる。この繊維補強層により、ホースに充分な破壊圧力を付与することができ、より大きな耐久性を付与することができる。繊維補強層としては、繊維糸の編組又はスパイラル形状から構成されるが、繊維補強層のズレが少ないことから編組が好んで用いられる。もちろん、繊維補強層は多層であっても良い。
また、繊維糸としては、各種有機繊維や無機繊維などを用いることができ、例えば、ビニロン繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アラミド繊維、レーヨン繊維、ポリエチレン繊維、木綿、ガラス繊維などが挙げられる。これらの繊維は、遮蔽率80%以上、撚り数0〜250回/m、引き揃え本数1〜8本、打数(立本数)12〜48本、編組角度48〜61度で編組又はスパイラルされるのが良く、これはホースの使用条件によって選択される。ここで言う遮蔽率とは、繊維糸がチューブ表面を覆っている比率のことを言う。遮蔽率が80%未満になると、隙間を起点としてキンクが発生しやすくなり、また、加圧時に繊維補強層の隙間から破壊しやすくなる。尚、この繊維糸と併せて、補強のため適宜ステンレス線などの金属線を混合しても良い。
本発明においては、上記した繊維補強層の外周に外層を形成することになる。外層の構成材料としては、公知の材料から任意に選ばれるが、本発明においてはオレフィン系ポリマーを含むことになる。オレフィン系ポリマーとしては、オレフィン系樹脂、オレフィン系共重合樹脂、オレフィン系エラストマーなど、さらに複数のオレフィン系樹脂のブレンドが挙げられる。外層の構成材料には、オレフィン系ポリマー以外をブレンドしても良い。例えば、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、スチレン系共重合樹脂、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、スチレン系エラストマー、シリコーンゴムなどをブレンドすることも可能である。また、チューブの構成材料として挙げた材料を外層の構成材料としても構わない。このようなオレフィン系ポリマーは、耐水性、耐薬品性に優れたものであるため、このオレフィン系ポリマーを含む外層を形成することで、ホースの耐水性、耐薬品性が向上することになる。また、このようなオレフィン系ポリマーは、柔軟性にも優れているため、外層を形成することによる可撓性の低下を抑えることができる。
このような外層を形成することにより、曲げに対するキンクの発生をより低減させることが可能であり、またホースの表面にゴミや汚れが付きにくくなるとともに、表面を簡単に清掃することができ、耐汚れ性を向上させることができる。
本発明においては、上記繊維補強層と上記外層とが、マレイン酸変性したオレフィン系樹脂を成分としたオレフィン系接着剤を介して接着されることになる。マレイン酸変性されるオレフィン系樹脂は、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、3メチル−ブテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘプテン−1、オクテン−1、デセン−1、ドデセン−1等の炭素数2以上のα−オレフィンの単独重合体、これら2種類以上のモノマーのランダムまたはブロック重合体、もしくは、炭素数2以上のα−オレフィンを主成分とし、他のモノマーとのランダムまたはブロック、グラフト等の重合体、あるいはこれらの混合物である。本発明におけるオレフィン系樹脂としては、これらの中でも、エチレンまたはプロピレンが好ましい。尚、ここで言うマレイン酸には、無水マレイン酸なども含まれる。
上記外層はオレフィン系ポリマーを含むため、比較的接着性が良くないことから接着剤は特に限定され、マレイン酸変性したオレフィン系樹脂を成分としたオレフィン系接着剤でなければ、十分な接着性は得られないことがある。
また、上記オレフィン系接着剤の成分であるマレイン酸変性したオレフィン系樹脂は、非晶質ポリオレフィン樹脂をマレイン酸変性したものであると、上記繊維補強層と上記外層との接着性がより強固なものとなる。マレイン酸変性される非晶質ポリオレフィン樹脂は、例えば、非晶質ポリプロピレン、非晶質プロピレン−エチレン共重合体、非晶質プロピレン−ブテン共重合体、非晶質プロピレン−エチレン−ブテン共重合体などがある。本発明における非晶質オレフィン系樹脂としては、これらの中でも、非晶質ポリプロピレンが好ましい。
更に、上記オレフィン系接着剤が結晶性オレフィン樹脂を含有することで、接着性がより強固なものとなる。このとき、非晶質ポリオレフィン樹脂が主接着成分となれば、なお良い。ここで言う主接着成分とは、接着成分の50%以上(重量比)であることを指す。また、結晶性オレフィン樹脂の含有量は、5〜50%が好ましいが、更に好ましくは10〜30%である。
上記外層に含まれるオレフィン系ポリマーがポリプロピレンである場合、上記オレフィン系接着剤は、非晶質ポリプロピレンをマレイン酸変性したものと結晶性ポリプロピレンを含有したものが好適に用いられる。
本発明においては、上記した接着剤を液状の状態で繊維補強層に塗布することになる。接着剤が液状であれば、接着剤が繊維補強層の隙間に含浸され、接着成分が繊維補強層と絡み合う、所謂アンカー効果により、接着性がより強固になる。
接着剤を液状にする方法としては、所定の接着成分を溶剤に溶かし込む方法が好適に用いられる。主接着成分がマレイン酸変性した非晶質ポリオレフィンである場合、トルエンやキシレンなどのシックハウスで問題になっている溶剤を使用する必要がないため、シックハウスで問題にならないような、例えばメチルシクロヘキサンなどの良溶媒に溶かし込むことができる。接着成分を溶媒に溶かし込む際に、例えば酢酸エチルなどの貧溶媒を20%程度添加することで、接着剤の安定性が得られる。
尚、本発明においては、上記の通り、繊維補強層と外層とが接着剤を介して接着されることになるが、チューブと繊維補強層とを接着剤を介して接着されることも考えられる。しかし、チューブと繊維補強層とを接着させたとしても、耐キンク性の向上はあまり見込めず、むしろ、可撓性が低下してしまうことになる。そのため、チューブと繊維補強層とが、接着剤を介していない方が好ましい。
このようにして得られたホースの多くは、その両端に相手部材に接続するための接続継手が取り付けられて実使用に供される。接続継手としては、金属や樹脂などにより加工されたものが公知である。
このように、ホースの繊維補強層と外層とが接着剤を介して良好に接着されていることにより、施工時等に過度の機械的な外力や曲げが加わった場合にも、キンクが発生することのない優れた耐キンク性を得ることができる。ここで、曲げを加えた際などに外層にシワが発生すると、このシワの谷部分から亀裂が生じ材料破壊が起こる可能性が高いため、シワの発生は極力おさえる必要がある。上記したホースは、繊維補強層と外層とが良好な接着により、曲げを加えた際に外層にシワが発生し難い外層平滑性を有することになるため、シワに起因した亀裂を防止することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施例を比較例と併せて説明する。
実施例1
図1に示すように、まず、ポリエチレン樹脂(密度0.93g/cm)とエチレン系共重合樹脂を混合比率80:20で混合した組成物を、内径9.0mm、肉厚1.0mmの管状に押出成形した後、電子線を照射して架橋を施し、内層2aとした。次に、この内層2aの外周に、ポリウレタン系エラストマーを肉厚0.7mmとなるように押出被覆して中間層2bを形成し、二層のチューブ2とした。次に、1670デシテックス、撚り数0回/m、引き揃え本数1本、打数(立本数)24本、編組角度54度で、ポリエステル繊維の編組を施し、中間層2bの外周に繊維補強層3を形成した。次に、マレイン酸変性した非晶質ポリプロピレン樹脂と結晶性ポリプロピレン樹脂を混合比率80:20で混合した組成物を接着成分とし、この接着成分を溶剤に溶かし込んだ接着剤を繊維補強層3に塗布した後、溶剤を乾燥させた。そして、接着剤を塗布した繊維補強層3の外周に、ポリプロピレン樹脂(オレフィン系ポリマー)とスチレン系共重合樹脂を混合比率60:40で混合したものに添加剤を加えた樹脂混合物を肉厚0.5mmとなるように押出被覆して外層4を形成した。このようにして得られたホース1の仕上外径は13.7mmであり、繊維補強層3の遮蔽率は100%であった。
実施例2
接着成分をマレイン酸変性した非晶質ポリプロピレン樹脂100%とした他は、実施例1と同様の材料・構成・製造方法にてホース1を得た。このようにして得られたホース1の仕上外径は13.7mmであり、繊維補強層3の遮蔽率は100%であった。
実施例3
接着成分をマレイン酸変性した非晶質ポリプロピレン樹脂と結晶性ポリプロピレン樹脂を混合比率40:60で混合した組成物とした他は、実施例1と同様の材料・構成・製造方法にてホース1を得た。このようにして得られたホース1の仕上外径は13.7mmであり、繊維補強層3の遮蔽率は100%であった。
実施例4
繊維補強層の構成として、1100デシテックス、撚り数0回/m、引き揃え本数1本、打数(立本数)24本、編組角度54度で、ポリエステル繊維の編組とした他は、実施例1と同様の材料・構成・製造方法にてホース1を得た。このようにして得られたホース1の仕上外径は13.7mmであり、繊維補強層3の遮蔽率は80%であった。
実施例5
外層の構成として、ポリプロピレン樹脂(オレフィン系ポリマー)とオレフィン系共重合樹脂を混合比率25:75で混合したものに添加剤を加えたオレフィン系樹脂混合物を肉厚0.5mmとなるように押出被覆した他は、実施例1と同様の材料・構成・製造方法にてホース1を得た。このようにして得られたホース1の仕上外径は13.7mmであり、繊維補強層3の遮蔽率は100%であった。
比較例1
繊維補強層の構成として、830デシテックス、撚り数0回/m、引き揃え本数1本、打数(立本数)24本、編組角度54度で、ポリエステル繊維の編組とした他は、実施例1と同様の材料・構成・製造方法にてホース1を得た。このようにして得られたホース1の仕上外径は13.7mmであり、繊維補強層3の遮蔽率は75%であった。
比較例2
接着成分をポリウレタン樹脂とした他は、実施例1と同様の材料・構成・製造方法にてホース1を得た。このようにして得られたホース1の仕上外径は13.7mmであり、繊維補強層3の遮蔽率は100%であった。
このようにして得られた各ホースを試料として、外層接着性、耐キンク性、可撓性、外層平滑性、破壊圧力測定についての試験を行った。尚、これらの試験の内、破壊圧力測定の試験については、図2に示すように、ホース両端に接続継手加工を施したもので行った。本試験で使用した接続継手10は、耐脱亜鉛銅合金等からなるノズル11、銅合金等からなるナット12、SUS304等からなるスリーブ13から構成されている。接続継手加工の方法としては、まず、かしめ前のスリーブ13をホース1に配置した状態で、ナット12に予め通したノズル11をホース1の内側に挿入した。そして、スリーブ13をノズル11に対して略同心円筒状に押圧変形させて、かしめ加工を施すことによって行った。尚、上記試験の結果については表1に示す。
Figure 2009257394
実施例1〜4及び比較例1〜2によって得られた6種類のホースを試料として、外層接着性として、外層4と繊維補強層3の接着力についての評価試験を行った。外層接着性は、ホースを25mm長さに切断し、180度の剥離強度(kN/m)を測定した結果を示す。尚、試験温度は25℃とした。
給水・給湯として実際に用いるホースは、外層接着性は0.5kN/m以上であることが好ましい。表1によれば、実施例のいずれのホースも外層接着性が0.5kN/m以上であることから、良好な外層接着性を示すことが認められた。比較例1は、繊維補強層の遮蔽率が75%であるため、外層接着性が0.5kN/m未満となっており、接着性が十分でなかった。また、ウレタン系接着剤を使用した比較例2は、外層接着性が0.05kN/mとなっており、ほとんど接着されていなかった。
実施例1〜4及び比較例1〜2によって得られた6種類のホースを試料として、耐キンク性(取扱性、施工性)の確認として最小曲げ半径についての評価試験を行った。最小曲げ半径は、各試料を徐々に曲げていき、ホースがキンクして折れ曲がる半径を測定した。尚、試験温度は25℃とした。
給水・給湯として実際に用いるホースは、取扱性、施工性を向上させるため、柔軟で容易にキンクしないことが必要であることから、最小曲げ半径は小さいほど良い。表1によれば、実施例のいずれのホースも最小曲げ半径がホース外径の2倍以下であり、優れた耐キンク性を示し、小さい曲げ半径に曲げた場合にもキンクが発生しにくいことが認められた。又、比較例1〜2については、外層接着強度が十分で無いため、最小曲げ半径がホース外径の2倍より大きくなっている。
次に、実施例1〜4及び比較例1〜2によって得られた6種類のホースを試料として、可撓性(取扱性、施工性)の試験を行った。可撓性試験は、半径50mmに曲げた際の応力を測定した。尚、試験温度は25℃とした。
狭い位置や奥まった位置にホースを取り付けする際には、軽微な力でホースを曲げられることが必要であるため、本試験による応力が小さい方が良く、特に、応力が13N以下となるような可撓性を有することが好ましい。表1によれば、実施例及び比較例のいずれのホースにおいても、応力が13N以下であり、特に優れた可撓性を有していることが確認された。
次に、実施例1〜4及び比較例1〜2によって得られた6種類のホースを試料として、外層平滑性の試験を行った。外層平滑性の試験は外層のシワの発生し難さを確認する試験であり、ホースを半径35mmに曲げ、外層へのシワの発生を確認した。尚、試験温度は25℃とした。
狭い位置や奥まった位置にホースを取り付けする際には、外層にシワが発生しないほうが好ましく、特に、半径35mmに曲げた際に外層にシワが発生しないことで判断した。表1によれば、実施例のいずれのホースにおいても、半径35mmに曲げた際における外層のシワの発生は無く、優れた外層平滑性を有していることが認められた。比較例1〜2については、外層接着強度が十分で無いため、半径35mmに曲げた際、外層にシワが発生した。
次に、実施例1〜4及び比較例1〜2によって得られた6種類のホースについて、破壊圧力測定の試験を行った。尚、試験温度は25℃とした。
表1によれば、実施例のいずれのホースも破壊した際の圧力が10MPa以上であり、充分な破壊圧力を有していることが確認された。しかしながら、比較例1については、繊維補強層の遮蔽率が75%となっているため、実施例1〜6と比べて破壊圧力が低い結果であった。
以上説明したとおり、本発明のホースは、過度の機械的な外力や曲げが加わった場合にも、キンクが発生することのない優れた耐キンク性と優れた可撓性を備えることにより、取扱性や施工性に優れるとともに、充分な耐圧性と耐久性を有し、生産性にも優れたものである。従って、水道用配管、給水・給湯用配管など幅広い用途で好適に使用することができる。
本発明の実施例によって得られたホースの構成を示す一部切欠斜視図である。 本発明の実施例によって得られたホースの両端に接続継手を取り付けた状態を示す一部切欠側面図である。
符号の説明
1 ホース
2 チューブ
2a 内層
2b 中間層
3 繊維補強層
4 外層
10 接続継手
11 ノズル
12 ナット
13 スリーブ

Claims (7)

  1. 可撓性材料からなるチューブと、該チューブの外周に形成された繊維補強層と、該繊維補強層の外周に形成された外層とから構成され、上記外層を構成する材料がオレフィン系ポリマーを含み、上記繊維補強層と上記外層とが、マレイン酸変性したオレフィン系樹脂を成分としたオレフィン系接着剤を介して接着されていることを特徴とするホース。
  2. 請求項1記載のホースにおいて、上記マレイン酸変性したオレフィン系樹脂が、非晶質ポリオレフィン樹脂をマレイン酸変性したものであることを特徴とするホース。
  3. 請求項1又は請求項2記載のホースにおいて、上記接着剤が結晶性ポリオレフィン樹脂を含有することを特徴とするホース。
  4. 請求項1乃至請求項3記載のホースにおいて、上記繊維補強層の遮蔽率が80%以上であることを特徴とするホース。
  5. 請求項1乃至請求項4記載のホースにおいて、上記チューブと上記繊維補強層とが、接着剤を介していないことを特徴とするホース。
  6. 可撓性材料からなるチューブを形成し、該チューブの外周に繊維補強層を形成し、該繊維補強層の外周にオレフィン系ポリマーを含む外層を形成するホースの製造方法において、上記繊維補強層にマレイン酸変性したオレフィン系樹脂を成分とした液状オレフィン系接着剤を塗布して、上記繊維補強層と上記外層とを接着することを特徴とするホースの製造方法。
  7. 請求項6記載のホースの製造方法において、上記繊維補強層を遮蔽率が80%以上となるように形成することを特徴とするホースの製造方法。
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