JP4898084B2 - 給水・給湯ホース - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、水道用配管や給水・給湯用配管に好適に使用することが可能なホースに係り、特に、過度の機械的な外力が加わった場合にもキンクが発生することのない充分な柔軟性を備えることにより取扱性や施工性に優れるとともに、耐塩素性にも優れたものに関する。
従来、水道水配管や給水・給湯用配管には、主に銅、ステンレス等からなる金属管が用いられていたが、これらは硬く、柔軟性に劣るため、取扱性、施工性が悪いという問題があった。そこで、最近では、金属管に代わり、柔軟性に優れた高分子材料からなるホースが配管部材として用いられるようになってきた。このようなホースの一例として、例えば、エチレン−プロピレン共重合体ゴム混合物やオレフィン系熱可塑性エラストマー混合物を管状に押出成形したチューブの外周に補強層を設けた構成のものがある。このホースは、従来の金属管に比べて柔軟性に優れていることから、取扱性、施工性を向上させることができるという利点を備えている。しかしながら、水道水には殺菌を目的として次亜塩素酸が注入されており、塩素濃度の増加や高温での塩素の影響によってチューブ材料の劣化が促進される場合がある。従って、この種のホースとしては、柔軟性に加えて耐塩素性にも優れたものが望まれている。
このような問題に対しては、例えば、従来の配管部材が抱えていた取扱性、施工性の悪さや、塩素による劣化といった問題を解決するために、内層がポリオレフィン系樹脂、外層が熱可塑性エラストマー又は加硫ゴムから構成された二層チューブの外周に補強層を設けた構造のホースが提案されている(例えば、特許文献1〜特許文献5参照。)。
又、給水・給湯ホースに関連する発明として、当該出願人から特許文献6〜特許文献8が出願されている。
特開平9−126364号公報 特開平9−178058号公報 特開平10−2466号公報 特開平10−153278号公報 特開平10−220653号公報 特開2001−141134号公報 特願2002−263963号 特願2002−371174号
しかしながら、上記特許文献1〜特許文献5のような二層チューブを用いた場合は、製造時や施工作業時、又は、実使用時などに加わる外力によって、キンク(折れ、曲がり)が発生する恐れが多分にある。即ち、上記二層チューブは、二層を構成する材料に関しての柔軟性について考慮されておらず、硬い材料からなる薄肉の内層に柔軟性を有する外層を設ける構造となっているため、外力が加わった場合には、その内層と外層の柔軟性の違いからキンクが発生してしまう恐れが充分に考えられる。このようなキンクが発生すると流体を移送するホース本来の機能が損なわれるため、例えば、施工作業中にキンクが発生した場合には、再度、施工作業を行わなくてはならないなど、取扱性、施工性に大変劣るものとなってしまう。
本発明は、このような従来技術の欠点を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、過度の機械的な外力が加わった場合にもキンクが発生することのない充分な柔軟性を備えることにより取扱性や施工性に優れるとともに、耐塩素性にも優れた、例えば、水道用配管や給水・給湯用配管などとして好適なホースを安価に提供することにある。
上記目的を達成するべく、本発明の請求項1による給水・給湯ホースは、ポリエチレンとエチレン−α−オレフィン共重合体の混合物を管状に成形し電子線照射により架橋したチューブと、該架橋チューブの外周に形成されたエラストマーからなる中間層と、からなるホースであって、上記架橋チューブの外周面には接着処理が施されているとともに、上記架橋チューブと上記中間層とが接着一体化しており、上記中間層は、タイプAデュロメータ硬さ95以下であり、且つ、引裂強度70kN/m以上の熱可塑性エラストマーからなるとともに、上記中間層を構成するエラストマーが、熱可塑性ポリウレタン系エラストマーからなり、上記接着処理がシリコーン系プライマーによるものであることを特徴とするものである。
又、請求項2による給水・給湯ホースは、上記ホースの両端に、相手部材に接続するための接続継手が取り付けられていることを特徴とするものである。
本発明によれば、過度の機械的な外力が加わった場合にもキンクが発生することのない充分な柔軟性を備えることにより取扱性や施工性に優れるとともに、耐塩素性にも優れた、例えば、水道用配管や給水・給湯用配管などとして好適なホースを安価に得ることができる。
本発明において用いられる架橋チューブは、ポリエチレンとエチレン−α−オレフィン共重合体の混合物から構成されている。
ポリエチレンは、元来耐塩素性に優れた性質を有しており、従来より種々のものが公知であるが、本発明では、密度が0.942g/cm以下となるものを適宜に選択又は組合せて使用することが好ましい。ポリエチレンの密度が0.942g/cmを超えてしまうと、架橋チューブの柔軟性が低下し、本発明によって得られるホースの取扱性や施工性が悪くなる傾向がある。
エチレン−α−オレフィン共重合体は、エチレンとα−オレフィンが共重合されたものであり、柔軟性に優れた材料である。α−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘプテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、デセン−1、ドデセン−1などが挙げられる。又、重合の方法は、特に限定されず、例えば、メタロセン系触媒の存在下でエチレンとα−オレフィンを共重合させることが考えられる。これらのエチレン−α−オレフィン共重合体は各種市販されているので、それらを適宜に選択して使用しても良い。
これら柔軟性及び耐塩素性に優れたポリエチレンと、柔軟性に優れたエチレン−α−オレフィン共重合体を適宜に配合することにより、柔軟性及び耐塩素性に優れた架橋チューブを得ることが可能となる。尚、ポリエチレンとエチレン−α−オレフィン共重合体の混合物に、老化防止剤等を適宜に添加することによって、更に耐塩素性を向上させることも可能である。
本発明では、上記の混合物を押出成形等の公知の成形手段で管状に成形した後、架橋を施して架橋チューブとする。架橋を施すのは、ポリエチレン混合物は、その耐熱温度が60℃と低く、給湯ホースとして使用された場合、ホース内を移送する湯の温度は90℃程度に達する場合もあることから、架橋を施すことによって高温での耐圧性を高める必要があるからである。架橋手段としては、例えば、過酸化物架橋、シラン架橋、電子線架橋などが挙げられるが、本発明では、これらの中でも電子線架橋を採用している。電子線架橋を採用している理由としては、まず、過酸化物架橋やシラン架橋のように架橋剤等の他の材料を配合する必要がなく、自由度の高い材料の選択が可能であるからである。更には、電子線架橋時にチューブ表面が改質され、チューブ外周に設けられる中間層との接着性を向上させることができるからである。
架橋チューブの肉厚は、0.6〜3mmの範囲とすることが好ましい。肉厚が0.6未満では、実使用に耐え得る充分な耐圧性を得ることが困難となる可能性がある。一方、肉厚が3mmを超えると、柔軟性が低下して曲げ難くなってしまい、本発明によって得られるホースの取扱性や施工性が悪くなってしまう可能性がある。
次に、このようにして得られた架橋チューブの外周に押出成形等の公知の成形手段でエラストマーからなる中間層を形成する。中間層を構成するエラストマーとしては、例えば、ポリスチレン系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマーなどが挙げられる。これらの中でも、架橋チューブの柔軟性を損なうことがなく、又、中間層の外周に補強層を設けたり、補強層の外周に接続継手を取り付ける場合などに、内面の架橋チューブに変形や潰れ等が発生しない程度の機械的強度(引裂強度)を備えたものが好ましい。具体的には、タイプAデュロメータ硬さが95以下であり、且つ、引裂強度が70kN/m以上の熱可塑性エラストマーが好ましい。このような条件を満足するものとしては、例えば、優れた柔軟性を有し、且つ、薄肉でも充分な機械的強度(引裂強度)を示す熱可塑性ポリウレタン系エラストマーが挙げられる。このような熱可塑性ポリウレタン系エラストマーとしては、例えば、ポリエステル系ポリウレタンエラストマー、エーテル系ポリウレタンエラストマー、カーボネート系ウレタンエラストマー、ラクトン系ポリウレタンエラストマーなどが挙げられる。尚、硬さの測定方法としては、JIS K−7311によるスプリング式A型硬度計を用いて測定する。又、引裂強度の測定方法としては、JIS K−7311によるB型試験片を用い、300±15mm/minの引張速度で測定して算出する。
尚、本発明においては、架橋チューブと中間層とを強固に接着一体化させることを目的として、架橋チューブの外周面に接着処理を施している。接着処理の方法としては、例えば、表面粗面化などの物理的改質、コロナ放電やプラズマ放電による放電処理、放射線処理、UV処理、レーザー処理、火炎処理、プライマーなどの親和層形成などの方法が挙げられる。又、上記以外の方法としては、例えば、架橋チューブの外周に、架橋チューブ及び中間層と親和性を有する材料、例えば、ポリオレフィン系、ポリウレタン系、エポキシ系、塩化ビニル系、合成ゴム系、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリアクリレート系、エチレン共重合系などの樹脂又はエラストマーから適宜に選択し、単独もしくは2種以上を組合せて接着層を形成することも考えられる。接着層の形成方法に特に限定はなく、例えば、接着層単独で押出成形しても良いし、架橋チューブ又は中間層と共押出成形しても良い。又、2種以上の接着層を多層に組合せても良い。これらの内の何れの方法を採用しても構わないが、例えば、架橋チューブの外周に、熱可塑性ポリウレタン系エラストマーからなる中間層を形成する場合には、シリコーン系プライマーによる接着処理が最も効果的に架橋チューブと中間層とを接着一体化させることができる。本発明においては、電子線架橋時にチューブの表面が改質されていることから、これらの接着処理の効果が向上し、架橋チューブと中間層とがより強固に接着一体化するものとなる。
このようにして得られたホースの多くは、その両端に相手部材に接続するための接続継手が取り付けられて実使用に供される。接続継手としては、金属や樹脂などにより加工されたものが公知である。
本発明のホースは上述したように、架橋チューブの構成材料として、柔軟性及び耐塩素性に優れたポリエチレンと、柔軟性に優れたエチレン−α−オレフィン共重合体とを適宜に配合して使用していることから、過度の機械的な外力が加わった場合にもキンクが発生することのない充分な柔軟性を確保しているとともに、塩素によるチューブの劣化を効果的に防止することができる。更に、架橋チューブの外周には、柔軟性及び機械的強度(引裂強度)に優れたエラストマーからなる中間層が形成されているとともに、この中間層は架橋チューブと強固に接着一体化していることから、柔軟性を保持したまま充分な耐圧性も確保している。従って、このホースは、水道水配管や給水・給湯用配管などとして好適に使用することが可能である。
以下、本発明の実施例を比較例と併せて説明する。
実施例1
まず、ポリエチレン樹脂(密度0.93g/cm)とエチレン−α−オレフィン共重合体を混合比率50:50で混合したものを、肉厚1.2mm、内径9.0mmの管状に押出成形した後、150kGyの線量の電子線を照射して架橋を施した。次に、この架橋チューブの外周面に、シリコーン系プライマーによる接着処理を施した後、硬さ95以下(実測値85)、引裂強度70kN/m以上(実測値87kN/m)の熱可塑性ポリウレタン系エラストマーを肉厚0.5mmとなるように押出被覆して中間層を形成した。このようにして得られたホースの仕上外径は12.4mmであった。
実施例2
まず、ポリエチレン樹脂(密度0.93g/cm)とエチレン−α−オレフィン共重合体を混合比率50:50で混合したものを、肉厚0.9mm、内径12mmの管状に押出成形した後、150kGyの線量の電子線を照射して架橋を施した。次に、この架橋チューブの外周面に、シリコーン系プライマーによる接着処理を施した後、硬さ95以下(実測値85)、引裂強度70kN/m以上(実測値87kN/m)の熱可塑性ポリウレタン系エラストマーを肉厚1.5mmとなるように押出被覆して中間層を形成した。このようにして得られたホースの仕上外径は16.8mmであった。
実施例3
まず、ポリエチレン樹脂(密度0.93g/cm)とエチレン−α−オレフィン共重合体を混合比率50:50で混合したものを、肉厚1.2mm、内径9.0mmの管状に押出成形した後、150kGyの線量の電子線を照射して架橋を施した。次に、この架橋チューブの外周面に、シリコーン系プライマーによる接着処理を施した後、硬さ95以下(実測値90)、引裂強度70kN/m以上(実測値121kN/m)の熱可塑性ポリウレタン系エラストマーを肉厚0.5mmとなるように押出被覆して中間層を形成した。このようにして得られたホースの仕上外径は12.4mmであった。
実施例4
まず、ポリエチレン樹脂(密度0.93g/cm)とエチレン−α−オレフィン共重合体を混合比率50:50で混合したものを、肉厚1.2mm、内径9.0mmの管状に押出成形した後、150kGyの線量の電子線を照射して架橋を施した。次に、この架橋チューブの外周面に、シリコーン系プライマーによる接着処理を施した後、硬さ95以下(実測値95)、引裂強度70kN/m以上(実測値146kN/m)の熱可塑性ポリウレタン系エラストマーを肉厚0.5mmとなるように押出被覆して中間層を形成した。このようにして得られたホースの仕上外径は12.4mmであった。
実施例5
まず、ポリエチレン樹脂(密度0.93g/cm)とエチレン−α−オレフィン共重合体を混合比率50:50で混合したものを、肉厚1.0mm、内径11.3mmの管状に押出成形した後、150kGyの線量の電子線を照射して架橋を施した。次に、この架橋チューブの外周面に、シリコーン系プライマーによる接着処理を施した後、硬さ95以下(実測値93)、引裂強度70kN/m以上(実測値125kN/m)の熱可塑性ポリウレタン系エラストマーを肉厚1.6mmとなるように押出被覆して中間層を形成した。このようにして得られたホースの仕上外径は16.5mmであった。
実施例6
まず、ポリエチレン樹脂(密度0.93g/cm)とエチレン−α−オレフィン共重合体を混合比率50:50で混合したものを、肉厚1.9mm、内径11.3mmの管状に押出成形した後、150kGyの線量の電子線を照射して架橋を施した。次に、この架橋チューブの外周面に、シリコーン系プライマーによる接着処理を施した後、硬さ95以下(実測値93)、引裂強度70kN/m以上(実測値125kN/m)の熱可塑性ポリウレタン系エラストマーを肉厚0.7mmとなるように押出被覆して中間層を形成した。このようにして得られたホースの仕上外径は16.5mmであった。
実施例7
まず、ポリエチレン樹脂(密度0.93g/cm)とエチレン−α−オレフィン共重合体を混合比率50:50で混合したものを、肉厚1.9mm、内径11.3mmの管状に押出成形した後、150kGyの線量の電子線を照射して架橋を施した。次に、この架橋チューブの外周面に、コロナ処理による接着処理を施した後、硬さ95以下(実測値93)、引裂強度70kN/m以上(実測値125kN/m)の熱可塑性ポリウレタン系エラストマーを肉厚0.7mmとなるように押出被覆して中間層を形成した。このようにして得られたホースの仕上外径は16.5mmであった。
実施例8
まず、ポリエチレン樹脂(密度0.93g/cm)とエチレン−α−オレフィン共重合体を混合比率50:50で混合したものを、肉厚1.0mm、内径11.3mmの管状に押出成形した後、150kGyの線量の電子線を照射して架橋を施した。次に、この架橋チューブの外周面に、シリコーン系プライマーによる接着処理を施した後、硬さ95以下(実測値92)、引裂強度70kN/m以上(実測値92kN/m)の熱可塑性ポリエステル系エラストマーを肉厚1.6mmとなるように押出被覆して中間層を形成した。このようにして得られたホースの仕上外径は16.5mmであった。
比較例1
まず、エチレン−プロピレン共重合体をカーボンブラックで補強した混合物を、肉厚1.2mm、内径9.0mmの管状に押出成形した後、化学架橋を施して架橋チューブを得た。次に、この架橋チューブの外周に直径0.20mmの軟質ステンレス線を1つのボビンに6本引き揃え、24個のボビンを備えた製紐機を用いて編組補強層を形成した。このようにして得られたホースの仕上外径は12.4mmであった。
比較例2
まず、オレフィン系熱可塑性エラストマー混合物を、肉厚1.2mm、内径9.0mmの管状に押出成形し、チューブを得た。次に、このチューブの外周に直径0.20mmの軟質ステンレス線を1つのボビンに6本引き揃え、24個のボビンを備えた製紐機を用いて編組補強層を形成した。このようにして得られたホースの仕上外径は12.4mmであった。
ここで、実施例1〜8によって得られた8種類のホースを試料として、柔軟性(取扱性、施工性)の確認として最少曲げ半径についての評価試験を行った。最少曲げ半径については、各試料を曲げていき、ホースがキンクして折れ曲がる最小の半径を測定した。この試験結果は表1に示した。
次に、実施例1、比較例1及び比較例2の試料について、耐塩素性についての評価試験を行った。試験は、両端に継手金具を取り付けた各試料内に、次亜塩素酸ソーダで塩素濃度を200ppmに調整した60℃の温水を循環させ、30日通水後のチューブの内面状態を目視により観察した。この試験結果は表2に示した。
Figure 0004898084
Figure 0004898084
給水・給湯として実際に用いるホースは、容易にキンクしないことが必要であるため、実施例1,3,4の内径9mmのホースは、最小曲げ半径30mm以下、実施例2及び実施例5〜8の内径11.3mm又は内径12mmのホースは、最小曲げ半径50mm以下であることが好ましい。
表1によれば、本実施例のホースは、優れた柔軟性を示し、過度の外力が加わった場合にもキンクが発生しないことが判った。又、実施例2及び実施例5〜8の様に大口径のホースであっても、柔軟性を失うことはないため、本発明の材料からなるホースであれば、ホースの製造適用範囲を広げることも可能となる。
又、実施例1,実施例3,実施例4の比較より、中間層のデュロメータ硬さが大きくなる程、最小曲げ半径が大きくなり柔軟性が低下する傾向が見られるが、本願発明で好ましいとされる上限値の硬さ95である実施例7においても、実使用において充分な柔軟性を得られていることが判った。
又、シリコーン系プライマーによる接着処理を行った実施例6と、コロナ放電処理により接着処理を行った実施例7とを比較すると、何れも優れた柔軟性が得られていたが、シリコーン系プライマーによる接着処理を行った実施例6の方が特に柔軟性に優れていることが判った。
又、実施例8は中間層の構成材料として熱可塑性ポリエステル系エラストマーを使用したものであり、実使用において充分な柔軟性が得られていた。しかし、中間層の構成材料として熱可塑性ポリウレタン系エラストマーを使用した実施例5と比較をすると、実施例5の方が最小曲げ半径が小さく、柔軟性に優れていた。
耐塩素性については、表2から明らかなように、実施例1のホースには何の変化も認められず充分な耐塩素性を有していることが判った。これに対して、比較例1では、多数のクラックが発生してしまい、比較例2では変色してしまったことから、充分な耐塩素性を有しているとは言えなかった。
又、実施例1〜8によって得られたホースを折り曲げて、架橋チューブの異常の有無を確認してみたが、架橋チューブの白化や架橋チューブと中間層の剥離などホースの使用上問題となる異常の発生は確認されなかった。
図1は、上記実施例1〜8によって得られたホースの構成を示す一部切欠斜視図である。但し、接着処理については図示していない。図1において、ホース1は、ポリエチレンとエチレン−α−オレフィン共重合体の混合物から構成された架橋チュ−ブ2と、この架橋チューブ2の外周に形成された熱可塑性ポリウレタン系エラストマーからなる中間層3とから構成されている。
図2は、上記実施例1〜8によって得られたホースの両端に継手金具を取り付けた状態を示す一部切欠側面図である。ノズル11にナット12を取り付けた後、ホース1の径内に挿入され、スリーブ13を加締めることによって継手金具10が取り付けられる。ここで、この継手金具10を取り付けた状態のホース1について、耐圧性試験を行った。その結果、常温で破壊した際の圧力が2.0MPaであり、充分な耐圧性を備えていることが確認された。
このように、本実施例によるホースは、柔軟性、耐塩素性、耐圧性及び繰返し圧力耐久性のすべてにおいて優れた特性を示しており、実用上充分に機能するものであることが実証された。
本発明は、例えば、水道用配管や給水・給湯用配管に好適に使用することが可能なホースに係り、特に、過度の機械的な外力が加わった場合にもキンクが発生することのない充分な柔軟性を備えることにより取扱性や施工性に優れるとともに、耐塩素性にも優れたものに関する。
本発明の実施例によって得られたホースの構成を示す一部切欠斜視図である。 本発明の実施例によって得られたホースの両端に継手金具を取り付けた状態を示す一部切欠側面図である。
符号の説明
1 ホース
2 架橋チューブ
中間層
10 継手金具
11 ノズル
12 ナット
13 スリーブ

Claims (2)

  1. ポリエチレンとエチレン−α−オレフィン共重合体の混合物を管状に成形し電子線照射により架橋したチューブと、該架橋チューブの外周に形成されたエラストマーからなる中間層と、からなるホースであって、上記架橋チューブの外周面には接着処理が施されているとともに、上記架橋チューブと上記中間層とが接着一体化しており、上記中間層は、タイプAデュロメータ硬さ95以下であり、且つ、引裂強度70kN/m以上の熱可塑性エラストマーからなるとともに、上記中間層を構成するエラストマーが、熱可塑性ポリウレタン系エラストマーからなり、上記接着処理がシリコーン系プライマーによるものであることを特徴とする給水・給湯ホース。
  2. 請求項1記載の給水・給湯ホースの両端に、相手部材に接続するための接続継手が取り付けられていることを特徴とする給水・給湯ホース。
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