JP2007196611A - 流体用ホース - Google Patents

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Abstract

【課題】 外面に光沢があり質感に優れ、よごれの付着が少なく、付着した汚れがふき取り易い流体用ホースを提供することを目的とする。
【解決手段】 内側層となる内層にポリプロピレン(PP)とエチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)からなるオレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)を用い、内層の外周面に編み組又は巻き付けによる補強層を設け、補強層の外周面にオレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)による外層を設け、さらに前記外層の外周面にグラフト反応により、極性基を導入した変性ポリオレフィンにて保護層を形成したことを特徴とする。前記保護層は、ショアD硬度にて40〜60であって、厚さ0.05mm以上であることが望ましく、2本以上を並列させて接合したツイン管または多数管として使用することができる。
【選択図】図1

Description

技術分野
この発明は、一般住宅用ホース、各種産業用ホースとして用いられる流体用ホースに係り、特に、給湯装置と浴槽との間又は各種機器間を繋ぐ流体用ホースに関する。
従来、一般住宅等に設置されている浴槽には、浴槽への給湯又は追い焚きを行うために給湯装置と浴槽とをホースによって接続している。このようなホースには、2本のホースを独立的に用いるか、予め並列して接合された2本のホースをツイン管として用いられる。そして、これらのホースは、金属あるいは架橋ポリエチレン、または内面層と外面層または外面層に塩化ビニル系熱可塑性エラストマー(TPVC)を使用して製造されている。
また、高温の温水を通すことができるように、例えば、特開平11−336955号公報に記載されているように、内面層に耐水性合成ゴムを使用し、合成繊維によって網状に形成された補強層と、耐油性合成ゴムからなる中間ゴム層と、熱可塑性樹脂からなる外面層の4層構造からなるツインホースが開示されている。
しかしながら、上記金属製ホースや架橋ポリエチレンホースの場合には、柔軟性に劣り、施工する際に作業性が悪い。一方、内面層と外面層または外面層に塩化ビニル系熱可塑性エラストマー(TPVC)を使用したホースについては、廃棄処理の際にハロゲンが遊離することがあるなど環境に影響を与えるおそれがある。
また、内面に加硫ゴムを使用した温水配管用ホースは、内面に加硫ゴム層を有しているために、ホース自体の臭いが強く温水を通したとき温水に臭いが移行しやすく、また、混合されている物質が抽出されることによる色水(黒水)が発生し易いという問題がある。
そこで、出願人は、特願2005−18091号において、上記問題を解決し環境問題の原因となる塩化ビニル樹脂などのハロゲン含有物を含まず、また、水等への臭いの移行や色水(黒水)の発生がなく、しかも軽量化、柔軟性、耐熱性、耐久性及び金具組み付け性に優れた流体用ホースを提案した。
即ち、内側層となる内層にポリプロピレン(PP)とエチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)からなるオレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)を用い、内層の外周面に編み組又は巻き付けによる補強層を設け、外側層となる外層にオレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)を用い、内層と外層とは補強層を介して直接融着していることを特徴とする流体用ホースである。
特開平11−336955号公報 特願2005−18091号
しかしながら、上記特願2005−18091号において提案した流体用ホースは、外層にオレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)を用いたことにより、外層に塩化ビニル系熱可塑性エラストマー(TPVC)を使用した従来のホースに比べ光沢が無く質感に劣り、配管施工時にほこり、等の汚れが着き易くまた、ふき取りにくいという問題のあることが分かった。
また、上記流体用ホースは、外層にオレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)を用いたことにより、外面の摩擦抵抗が大きくサヤ管や保温管へホースを通す際、作業性が悪く、長いホースを通すことが困難であるという問題が判明した。
この発明は、かかる現状に鑑みてされたものであり、環境問題の原因となる塩化ビニル樹脂などのハロゲン含有物を含まず、一方、外面に光沢があり質感に優れ、よごれの付着が少なく、付着した汚れがふき取り易い流体用ホースを提供することを目的とする。また、この発明は、耐熱性、柔軟性に優れ、サヤ管、保温管への組み付けが容易にでき配管作業性に優れた流体用ホースを提供することを目的とする。
この発明は上記目的を達成するために次のような構成とした。即ち、この発明に係る流体用ホースは、内側層となる内層にポリプロピレン(PP)とエチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)からなるオレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)を用い、内層の外周面に編み組又は巻き付けによる補強層を設け、補強層の外周面にオレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)による外層を設け、さらにその外周面にグラフト反応により、極性基を導入した変性ポリオレフィンにて保護層を形成したことを特徴とする。
そして、前記内層のオレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)は、ポリプロピレン(PP)マトリックス(連続層)に5μm以下の完全架橋あるいは部分架橋されたエチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)を分散させた動的架橋オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPV)であることが好ましい。前記補強層は、内層と外層が直接融着するように編み目の間が開いていることが好ましく、そのために編角度又は巻き付け角度45〜60°であることが好ましい。
前記保護層は、ホース耐熱性、柔軟性を損なわないよう、またホースを折り曲げた際の挫屈性、さらに複数管を切り離して配管する際の剥離性が求められることから、ショアD硬度にて40〜60、さらに厚さ0.05mm以上、さらに望ましくは厚さ0.05〜0.4mmであることが好ましい。
前記ホースは単体で使用することができるが、2本以上を並列に配し、保護層の少なくとも一部を接合してなる複数管として使用することができる。前記ホースは、水、温水、あるいは不凍液を通す一般住宅の流体用ホースとして使用することができる。
上記構成により、環境問題の原因となる塩化ビニル樹脂などのハロゲン含有樹脂を含まないから環境に影響を与えることがない。また、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)を用いた外層の外周面に、グラフト反応により極性基を導入した変性ポリオレフィンにて保護層を形成したから、外面に光沢があり質感に優れ、よごれの付着が少なく、付着した汚れがふき取り易い流体用ホースを得ることができた。
さらに、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)を用いた外層の外周面に、グラフト反応により極性基を導入した変性ポリオレフィンにて保護層を形成したから、柔軟性に優れ、サヤ管、保温管への組み付けが容易にできる配管作業性に優れた流体用ホースを得ることができる。また、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)を用いた外層の外周面に、グラフト反応により極性基を導入した変性ポリオレフィンにて保護層を形成したから、軽量化、柔軟性、耐熱性、耐久性及び金具組み付け性に優れている。また、内層に加硫ゴムではなく臭いの発生のない熱可塑性エラストマーを用いることにより、液体への臭いの移行がなく、混合物の抽出による色水(黒水)の発生もない流体用ホースを得ることができた。
以下に、この発明に係る流体用ホースの実施形態について詳細に説明する。図1に示すように、ホースHは、内側層となる内層1と、その外側に補強層2を介して外層3を設け、さらに前記外層3の外面に保護層4を形成してなる複層構造のホースである。前記内層1は、ポリプロピレン(PP)とエチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)からなるオレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)により形成してなり、内層1の外周面に編み組による補強層2を設け、外層3をオレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)により形成し、さらに、外周面となる保護層4は、グラフト反応により、極性基を導入した変性ポリオレフィンにより形成している。内層1と外層3とは、補強層2の網目を介して直接融着している。
前記内層1に用いるオレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)は、ポリプロピレン(PP)マトリックス(連続層)に5μm以下の完全架橋あるいは部分架橋されたエチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)を分散させた動的架橋オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPV)であることが好ましい。このように、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)を、ポリプロピレン(PP)マトリックス(連続層)に5μm以下の完全架橋あるいは部分架橋されたエチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)を分散させたものとすることによって、耐抽出性を向上させることができる。
前記補強層2は、内層1を成形後、ブレード又はスパイラル等の任意の方法で編み組みを行い、チューブに予熱を与えた後外層を押出することによりホースを成形することができる。また、1つの金型の中で内層、補強層、外層を成形してもよい。編み目は、内層1と外層3が融着できるように開いていることが好ましく、編角度は45〜60°とする。編角度60°以上では、網目が小さくなり内層1と外層3の樹脂が直接融着することができなくなり、接着力が低下するおそれがある。一方、編角度45°以下では、常温では問題がないものの、例えば80℃雰囲気中では耐圧性を保持できなくなるおそれがある。
前記保護層4は、任意に樹脂、またはウレタン系、シリコーン系、フッ素系など一般のコーティング材により形成することが考えられるが、種々検討の結果、通常ナイロン、EVOHや金属などの接着層として用いられる変性ポリオレフィンが、ホース最外面層となる保護層に使用できるのではないかと想定し、保護層4に変性ポリオレフィンを使用した。通常、外面層には用いられない変性ポリオレフィンを用いたところ、光沢があり、汚れにくく、汚れをふき取りやすいことを発見した。
前記保護層4は、ショアD硬度にて40〜60、さらに厚さ0.05mm以上、さらに望ましくは厚さ0.05〜0.4mmであることが好ましい。保護層4をショアD硬度にて40〜60、さらに厚さ0.05mm以上、さらに望ましくは厚さ0.05〜0.4mmとすることにより、ホース耐熱性、柔軟性を損なわず、またホースを折り曲げた際の挫屈性、さらに複数管を切り離して配管する際、保護層が剥離することなく良好なホースが得られる。
上記構成のホースは、内層1、補強層2と外層3から形成するホースを成型後、外周面となる保護層4を押出することにより成型することができる。さらに、外層3を成型する際、外周面となる保護層4を同時に押出成型する、など任意の方法により成型することができる。
しかしながら、外周面となる保護層4を変性ポリオレフィンで形成することとしたから、外層3に保護層4を直接接着することができ、揮発性有機化合物(VOC)を含有するコーティング剤などを塗布するのに比べ、工程内における揮発性有機化合物(VOC)の排出を著しく低減することができる。
また、保護層4または外層3に顔料を添加、または、外層3に着色された材料を選定するなどにより、簡単に任意の色をホースに施すことができる。
上記構成のホースは、内層1と外層3をオレフィン系熱可塑性エラストマーさらに保護層4を変性ポリオレフィンにより形成することとしたから、内層1と外層3さらに外層3と保護層4とを融着することが可能であり、加硫工程が不要である。また、編角度を45〜60°とすることにより編み目を開けることができるから、内層1と外層3とが直接融着することができる。従って、接着層や中間層が不要となり、工程を簡素化して安価なホースとすることができる。
上記ホースHは、単体で使用することができるのは勿論であるが、図2に示すように、同じ長さの2本のホースを並列させて保護層4同士の一部を接合し、一体化した複数管として使用してもよい。複数管とするには、100〜400℃の熱風を保護層4の接合部にあて、2本または3本以上のホースを圧着後冷却することにより得られる。また、熱板を接合部に直接あてて溶着するなど任意の方法で複数管とすることができる。
この発明に係る流体用ホースは、図示するのを省略したが、両端部に接続金具を取り付けて使用される。次に実施例と比較例について説明する。
(実施例1及び2)
内層にポリプロピレン(PP)とエチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)からなるオレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)を用い、内層の外周面にポリエステル繊維(PET)を用いた補強層を設け、外側層となる外層にオレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)を用い、内層と外層とは補強層を介して直接融着したホース(比較例)に、各種材料にて保護層4を形成したホースを作成し各種評価を行った。
比較例1は、保護層4にフッ素系コーティング剤である、関東化成工業社製の商品名「HANARL FZ−610C」を用いた。比較例2は、保護層4にウレタン系コーティング剤である、旭電化工業社製の商品名「アデカボンタイター HUX−232」を用いた。比較例3は、保護層4に高密度ポリエチレン(HDPE)である、三井化学社製の商品名「Hi−zex 7000F」を用いた。比較例4は、保護層4に低密度ポリエチレン(LDPE)である、三井化学社製の商品名「MIRASON 11P」を用いた。
比較例5は、保護層4に高硬度タイプのオレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)である、AES社製の商品名「Santoprene 203−40」を用いた。実施例1は、保護層4にポリエチレン(PE)をベースとしグラフト反応により、極性基を導入した変性ポリオレフィンである、三井化学社製の商品名「ADMER NF468」を用いた。実施例2は、保護層4にポリプロピレン(PP)をベースとしグラフト反応により、極性基を導入した変性ポリオレフィンである、三井化学社製の商品名「ADMER QB550」を用いた。
比較例6、7及び比較例8は、保護層を形成していないホースであって、実際に温水配管用ホースとして使用されているホースを用いた。
上記実施例1及び2、比較例1〜8について、次のような評価を行った。
<ホース表面光沢>
目視にてホース表面の光沢を確認した。
<接着性>
保護層4の外層3への接着度合いおよびホースを床面にこすり付け、保護層4の剥離の有無を確認した。
<汚れ付着性>
ホースを床面にこすりつけ、ほこり、ゴミ等汚れの付着具合を目視にて確認した。
<汚れふき取り性>
汚れ付着試験において付着した汚れを乾拭き、水拭き、中性洗剤使用にてふき取り汚れの拭き取り可否を確認した。評価結果を表1に示す。
Figure 2007196611
上記評価結果は、実施例1、2に用いたグラフト反応により、極性基を導入した変性ポリオレフィンが、保護層4に用いる材料として適していることを示している。
実施例1、2はホース表面光沢、接着性、汚れ付着性、汚れふき取り性に優れており、発明者らは種々の材料について検討を行う中でグラフト反応により、極性基を導入した変性ポリオレフィンが、表面光沢、汚れ付着性、汚れふき取り性に優れており、また温水配管用ホースの最外面となる保護層に使用できることを発見した。
また、実施例1、2は、従来温水配管用ホースとして使用される内、外面層または外面層に塩化ビニル系熱可塑性エラストマー(TPVC)を使用したホース(比較例7、8)と比べても、さらに汚れ付着性、汚れ拭き取り性に優れており、なおかつ環境問題の原因となる塩化ビニル樹脂などのハロゲン含有物を含まないホースが得られ、生産工程内での揮発性有機化合物(VOC)の排出を著しく低減することができる。
(実施例3〜8)
次に、保護層4の硬度および厚さを変えたホースを作成し、各種評価を行った。ホースは、実施例1,2と同様に、内層にポリプロピレン(PP)とエチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)からなるオレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)を用い、内層の外周面にポリエステル繊維(PET)による補強層を設け、外側層となる外層にオレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)を用い、内層と外層とは補強層を介して直接融着したホース(比較例1)に、グラフト反応により、極性基を導入した変性ポリオレフィンにより保護層4を形成したホースを作成した。
保護層4の硬度は、比較例9をショアD硬度にて38、比較例10をショアD硬度にて68、実施例3をショアD硬度にて42、実施例4をショアD硬度にて51、実施例5をショアD硬度にて57、比較例11と実施例6〜8をショアD硬度にて51とした。また、保護層厚さは、比較例11を0.03mm、比較例9〜10と実施例3〜5を0.2mm、実施例6を0.05mm、実施例7を0.4mm、実施例8を0.5mmとした。
上記比較例9〜11、実施例3〜8について、次のような各種評価を行った。
<ビカット軟化点>
ASTM D1525に準じて保護層の軟化点を測定した。
<ホース耐熱性>
ホースを継手金具に組み付け、80℃雰囲気中に168時間放置後、保護層の剥離、亀裂発生、等異状の有無を確認した。
<ホース柔軟性>
長さ500mmのホースの端部同士が重なるようにホースを折り曲げたときの反発力を測定した。また、端部同士を重ねたときホース挫屈の発生の有無を確認した。
<ツイン管剥離性>
2本のホースを並列させて保護層同士を溶着によって接合しツイン管を作成、端部に切れ目を入れた後、2本のホースを引き剥がしたとき、保護層の剥離、等異常の有無を確認した。
評価結果を表2に示す。
Figure 2007196611
上記結果から、保護層4をグラフト反応により、極性基を導入した変性ポリオレフィンにより形成することによって、温水配管用ホース単体、さらに2本以上のホースを並列させた複数管を得ることができる。
近年、高温さし湯などによるホースへの耐熱要求を考慮すると、ホースとして80℃以上の耐熱性を有することが好ましい。しかし、グラフト反応により、極性基を導入した変性ポリオレフィンの硬度と耐熱性に相関関係があり、ショアD硬度にて40以下とした場合、80℃の耐熱試験において、保護層4が外層3より剥離したり、保護層4に亀裂が発生するなど耐熱性の低下が見られた。
また、保護層4をショアD硬度にて60以上とした場合、ホースを折り曲げた際挫屈が発生し、内部流体を通すことが出来なくなる恐れがある。さらに、保護層4をショアD硬度にて40以下、または厚さ0.05mm以下とした場合、ツイン管を引き剥がす際、保護層の強度不足によりが剥離してしまうという問題がある。
また、保護層4を0.4mm以上とした場合、温水ホースとて使用はできるものの、本来ゴム、またはエラストマーから形成されるホースの最大の特徴である柔軟性が低下してしまい、配管作業性が低下してしまう。従って、80℃程度またはそれ以上の温水が流れる温水配管用ホースとしては、保護層4はショアD硬度にて40〜60であって、厚さ0.05mm以上とすることが好ましく、さらに、ホース柔軟性の低下による配管作業性の低下を考えると、厚さ0.05〜0.4mmとすることがさらに望ましい。
(実施例9)
次に、ホース表面の光沢、汚れ付着性、汚れふき取り性等について評価した。実施例9は、実施例4と同じく、保護層4はショアD硬度51、保護層厚さ0.2mmのホースとした。比較例12は比較例6と同様であり、比較例13は比較例7と同様であり、比較例14は比較例8と同様である。
上記実施例9及び比較例12〜14についての評価は、次のようにして行った。
<ホース表面光沢>
目視にてホース表面の光沢を確認した。
<汚れ付着性>
ホースを床面にこすりつけ、ほこり、ゴミ等汚れの付着具合を目視にて確認した。
<汚れふき取り性>
汚れ付着試験において付着した汚れを乾拭き、水拭き、中性洗剤使用にてふき取り、汚れの拭き取り可否を確認した。
<最小曲げ半径>
ホースを折り曲げたとき外径変化率が10%となる曲げ半径を最小曲げ半径として求めた。外径変化率(%)は、次の式により求めた。
外径変化率(%)=(初期のホース外径-折り曲げ後のホース外径)/初期のホース外径×100
<加速試験>
ホースに継手金具を組み付け、80℃または100℃雰囲気中でエアーにて0.3MPaにて加圧し、漏れ等の異常の発生する時間を求めた。
<サヤ管通し性>
50mのサヤ管にホースを通し、通過の可否を確認した。
評価結果を表3に示す。
Figure 2007196611
実施例9は、温水配管用ホースとして使用される内、外面層または外面層に塩化ビニル系熱可塑性エラストマー(TPVC)を使用した従来のホースである比較例13、14と比べ同等以上の光沢があり、さらに汚れ付着性、汚れ拭き取り性に優れており、なおかつ最小曲げ半径、加速試験においても良好な結果を示し、柔軟性、耐熱性に優れ、温水配管用ホースとして十分使用可能である。
また、上記結果から、実施例9は、ホース表面抵抗が少なく従来のゴム、または、エラストマーのホースでは困難であったサヤ管や保温管への組み付け(通し作業)を容易に行うことが可能である。
この発明に係る流体用ホースの一部を切り欠いた斜視図である。 この発明に係るツイン管の斜視図である。
符号の説明
1:内層
2:補強糸層
3:外層
4:保護層

Claims (4)

  1. 内側層となる内層にポリプロピレン(PP)とエチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)からなるオレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)を用い、内層の外周面に編み組又は巻き付けによる補強層を設け、補強層の外周面にオレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)による外層を設け、さらに前記外層の外周面にグラフト反応により、極性基を導入した変性ポリオレフィンにて保護層を形成したことを特徴とする流体用ホース。
  2. 保護層は、ショアD硬度にて40〜60であって、厚さ0.05mm以上としたことを特徴とする請求項1に記載の流体用ホース。
  3. 2本または3本以上のホースを並列に配し、各ホースの保護層の一部を接合したツイン管または多数管であることを特徴とした請求項1または2に記載の流体用ホース。
  4. 水、温水、あるいは不凍液用として一般住宅に配管されるホースであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の流体用ホース。
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