JP2018066449A - 継手付チューブ - Google Patents

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吉弘 松本
徹也 川島
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徹也 川島
貴弘 原田
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貴弘 原田
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【課題】チューブの外観が良好で、チューブと継手が良好な接着により一体化している継手付チューブを提供すること。【解決手段】チューブと、該チューブの少なくとも一箇所に形成された継手とからなる継手付チューブであって、上記チューブにおける少なくとも最外面に位置する箇所が、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレン系共重合体を構成材料として含み、上記継手が、結晶化ポリスチレン樹脂を構成材料として含み、上記チューブと上記継手とが接着されている継手付チューブ。上記チューブが内層と外層とからなり、これらが接着されており、上記チューブの外層におけるスチレン含有量が、30重量%〜70重量%である継手付チューブ。上記内層と上記外層とを共押出し、共架橋した後、上記チューブに継手を射出成型で形成し、上記チューブと上記継手とを接着させる継手付チューブの製造方法。【選択図】 図1

Description

本発明は、継手が取り付けられたチューブに係り、特に、チューブの外観が良好で、チューブと継手が良好な接着により一体化したものに関する。
従来、給水給湯用配管には、主に銅やステンレス等からなる金属管が用いられていたが、金属管は硬く、柔軟性に劣るため、取扱性や施工性が悪いという問題があった。そこで、最近では金属管に代わり、柔軟性に優れた高分子材料からなる配管が用いられるようになってきた。この配管の両端は、金属または樹脂製の継手からなり、他の配管、弁やポンプなどに接続される。継手接続の手法としては、一般的に、別部材の継手を用意し、これをネジ込みや圧搾などによって機械的に接続することがなされている。
しかし、このような機械的接続は、部材の取付け作業が煩雑であるとともに、配管の継手部分は、配管と継手の間の密着が充分になされていないとその部分から水漏れが生じてしまうことがあり、また、配管に高圧がかかった際には継手から容易に抜けてしまうことがあった。そこで、例えば、特許文献1〜3には、ホースの端部に高分子材料を射出成型し、ホースと一体化した継手を形成することが記載されている。
特許第3118865号公報:日本ゼオン 特開昭59−121292公報:日立電線 特開2011−21704公報:クラベ
しかしながら、上記特許文献1による継手付パイプでは、継手の材料としてノルボルネン系ポリマーに限定されているとともに、反応射出成型という特殊な成型方法を使用しなければならず、一般的なものとなり得なかった。また、特許文献2による継手付ホースは、単にホース上に継手部分を射出成型したのみであり、ホースと継手の構成材料や、それらの架橋手段などは何ら検討がなされておらず、実際には、ホースと継手の良好な接着は得られていなかった。特に昨今では、結晶化ポリスチレン樹脂やポリエチレン樹脂のような接着性が悪い材料についても、継手材料としての使用が検討されている。このような材料で継手を構成した場合においても、配管材料との一体化が要求されてきている。また、上記特許文献3の継手付チューブでは、継手の材料として結晶化ポリスチレン樹脂、チューブ外層の材料としてスチレン系樹脂、特にスチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体が好ましく使用されている。しかしながら、この特許文献3のチューブは、外観に凹凸が現れたり、ヒビが入ったりするなど、チューブの成形性に難があり、改善が求められていた。
本発明はこのような従来技術の問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、特に、チューブの外観が良好で、チューブと継手が良好な接着により一体化している継手付チューブを提供することにある。
上記目的を達成するべく、本発明による継手付チューブは、チューブと、該チューブの少なくとも一箇所に形成された継手とからなる継手付チューブであって、上記チューブにおける少なくとも最外面に位置する箇所が、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレン系共重合体を構成材料として含み、上記継手が、結晶化ポリスチレン樹脂を構成材料として含み、上記チューブと上記継手とが接着されていることを特徴とするものである。
また、上記チューブが少なくとも内層と外層とからなり、上記内層と上記外層とが接着されているとともに、上記外層が、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレン系共重合体を構成材料として含むことが考えられる。
また、上記チューブの外層の構成材料におけるスチレン含有量が、30%〜70%であることが考えられる。
また、上記結晶化ポリスチレン樹脂が、シンジオタクチックポリスチレン樹脂からなることが考えられる。
本発明による継手付チューブの製造方法は、少なくとも内層とスチレン−エチレン−プロピレン−スチレン系共重合体を構成材料として含む外層とからなるチューブを成型し、該チューブの内層と外層を共架橋により接着した後、該チューブの少なくとも一箇所に、結晶化ポリスチレン樹脂を構成材料として含む継手を射出成型することによって形成し、上記チューブと上記継手とを接着させるものである。
また、上記内層と上記外層とを共押出で成型することが考えられる。
本発明による継手付チューブは、継手とチューブにおける継手と接する位置が同系の構成材料からなることから、チューブと継手とが良好な接着により一体化している。そのため、水漏れやチューブの継手からの抜けを防止することができる。また、特別な製造方法が不要であるとともに、要求された特性に応じた種々の継手材料を選定することが可能である。また、チューブの少なくとも最外面に位置する箇所がスチレン−エチレン−プロピレン−スチレン系ブロック共重合体を構成材料として含むため、表面の凹凸やヒビ等のない良好な外観を得ることができる。
また、チューブが内層と外層の2層構造であれば、内層に耐塩素性や耐薬品性に優れた材料を使用し、外層に継手との接着を高めるため継手と同系の構成材料を使用するといった、材料の使い分けが可能になる。また、内層と外層が一体化せず剥離していると、屈曲時にチューブのキンク(座屈)が起こりやすく、また、シワが発生するため、その部分を起点に割れが生じてしまうおそれがある。また、高温時や屈曲時に、内層と外層がずれ、チューブの端部で内層が抜け出てしまうため、他部材との接合不良を起こすとともに、内層と外層の間を流体が通過してしまい、流体漏れを生じてしまうおそれがある。これに対して、内層と外層が接着して一体化していれば、このような問題は発生しない。
本発明による継手付チューブの構成を示す断面図である。 本発明の他の形態による継手付チューブの構成を示す断面図である。 本発明の他の形態による継手付チューブの構成を示す断面図である。 本発明の他の形態による継手付チューブの構成を示す断面図である。
本発明において、継手付チューブに用いられるチューブは、樹脂やゴム、熱可塑性エラストマーなどの高分子材料が用いられる。また、少なくとも内層と外層の2層からなるような複数層を積層したものによって構成されることも考えられる。複数層を積層する場合は、給水給湯用配管として必要な性能を得るために適宜に各種材料を組合せて使用される。例えば、耐久性向上のため耐熱性や耐塩素性に優れる材料を内層に配置し、他の層として内層の材料より柔軟性に優れる材料を組合せることで、チューブの柔軟性を得ることが可能となる。さらに、キンクの発生を低減し、優れた取扱性や施工性をより向上させるために、チューブの外周に他の部材を設けることも好ましい。
本発明において、継手付チューブに用いられるチューブの材料は、具体的には、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、オレフィン系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、スチレン系エラストマー、天然ゴム、イソプレンゴム、アクリルゴム、エチレンプロピレンゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブチルゴム、クロロプレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ニトリル‐ブタジエンゴム、などが挙げられ、これらの材料から適宜に各層を構成することができる。これらの中でも、複数層を構成した場合の内層となる材料としては、ポリオレフィン系樹脂を含有してなる組成物から構成されていることが好ましい。ポリオレフィン系樹脂を含有してなる組成物の中でも、ポリエチレンとエチレン−α−オレフィン共重合体とを含有してなる組成物であれば、チューブの耐塩素性を向上させることができる上、更にチューブの可撓性も良いことから更に好ましい。
ポリエチレンは、元来耐塩素性に優れた性質を有しており、種々のポリエチレンが公知であり、何を選択しても良いが、本発明では、密度が0.942g/cm以下となるものを適宜に選択又は組合せて使用することが好ましい。ポリエチレンの密度が0.942g/cmを超えてしまうと、チューブの可撓性が低下し、本発明によって得られるホースの取扱性や施工性が悪くなる傾向がある。但し、ポリエチレンの密度が0.942g/cm以上であっても、ポリエチレンを含む層を薄くしたり、柔軟性に優れる材料を適宜配合したりすることで、柔軟性を損なわずに使用できる場合も有る。
エチレン−α−オレフィン共重合体は、エチレンとα−オレフィンが共重合されたものであり、柔軟性に優れた材料である。α−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1、ヘプテン−1、オクテン−1、デセン−1、ドデセン−1などが挙げられる。尚、エチレン−α-オレフィン共重合体は各種市販されているので、それらを適宜に選択して使用しても良い。
これら柔軟性及び耐塩素性に優れたポリエチレンと、柔軟性に優れたエチレン−α−オレフィン共重合体を適宜に配合すれば、特にチューブの耐塩素性を向上させることができる上、更に可撓性の良いチューブを得ることが可能となる。尚、上記組成物に、他の配合材料を加えて所望の特性を得ることも可能である。例えば、老化防止剤等を適宜に添加することによって、更に耐塩素性を向上させても良い。また、エチレン−α−オレフィン共重合体以外の柔軟性に優れる材料を適宜に添加することによって、更に柔軟性を向上させても良い。
本発明において、チューブの外層は、後述する継手と同系の材料から構成される。これによってチューブと継手が良好な接着により一体化される。他の態様として、例えば、チューブを継手と同系の材料のみから構成したもの、他の材料から構成したチューブの一部の最外面のみに継手と同系の構成材料を被覆したものも考えられるが、生産性の面より、本発明のように、内層の外周に継手と同系の構成材料からなる外層を形成したものが好ましい。ここで言う同系の構成材料とは、全く同一の材料、主体となる配合物が共通している材料、重合体(共重合体)を構成する単量体が共通している材料、及び、これらが組み合わさった材料のことである。尚、「主体となる配合物」とは、重量部数で50%を越えるもののことを示す。同系の構成材料としての具体的な例としては、ポリスチレン樹脂とスチレン−イソブチレン−スチレン共重合体、ポリエチレン樹脂とゴム成分が分散されたポリエチレンからなる熱可塑性エラストマー、アイソタクチックポリプロピレンとアタクチックポリプロピレン、などのような関係が挙げられる。
また、チューブの内層と外層についても、同系の材料とすることで、更に内層と外層の接着性を向上させることができる。なお、本発明で言う「内層と外層が接着されている」とは、内層と外層が直接接着している態様のみならず、例えば、中間層を介し、内層と中間層と外層の3層(又はそれ以上の層)が接着しているような態様も含まれる。このような3層の態様の場合、内層と中間層、中間層と外層がそれぞれ同系の構成材料からなることが好ましい。なお、複数層でなく単層のチューブであっても構わない。
本発明において、継手付チューブに用いられるチューブは、上記の材料を押出成形等の公知の成形手段を用いて管状に成形することが考えられる。チューブが複数層の場合は、共押出により成型すれば層間の接着が図られるため好ましい。また、チューブの少なくとも継手が存在する位置には架橋を施されることが好ましい。架橋を施すのは、高温での耐久性を高めることができるからである。これにより、熱水を通過させる用途への適用が可能になるとともに、継手を射出成型する際の熱によりチューブが変形してしまうことを防止することができる。特に、外層が架橋されていれば、射出成型する際の熱による変形を効果的に防止することができる。架橋手段としては、例えば、過酸化物架橋、シラン架橋、電子線架橋などが挙げられるが、本発明では、これらの中でも電子線照射による電子線架橋を採用することが好ましい。この理由としては、過酸化物架橋やシラン架橋のように架橋剤等の他の材料を配合する必要がなく、自由度の高い材料の選択が可能となるためである。また、チューブを複数層とした際に、同時に複数層を架橋することができる、即ち、共架橋を容易に行うことができる。共架橋を行うことで、隣接する層同士が架橋して接着性を向上することができる。また、電子線によりチューブの表面が荒れた状態となるため、アンカー効果により、その外周に形成する継手との接着性が向上する。また、電子線架橋の場合、架橋度を制御することができ、例えば架橋度50%程度の溶融可能な未架橋部分と溶融しない架橋部分が混在した状態を作ることが可能となる。そのため、継手を射出成型した際、溶融しない架橋部分によりチューブの変形を防止すると同時に、溶融する未架橋部分と継手が融着・化学的接着をしてチューブと継手との接着性が向上する。
本発明における継手付チューブは、このようにして得られたチューブにおける架橋の施された部分の少なくとも一箇所に、公知の射出成型によって継手が形成される。継手を構成する材料としては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリルスチレンブタジエン樹脂、アクリル樹脂、脂肪族ポリアミド樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリイミド樹脂などの樹脂材料が挙げられる。これらの中でも、上記したチューブ外層を構成する材料と同系の材料を選択することで、チューブ外層と継手の接着性が向上するため好ましい。また、継手の構成材料として架橋可能な材料を選択した場合は、架橋によって耐熱性や強度を向上させても良い。ここで、上記したポリスチレン樹脂は、立体構造の違いにより、非晶ポリスチレンであるアタクチックポリスチレン樹脂(APS)と、結晶化ポリスチレン樹脂であるアイソタクチックポリスチレン樹脂(IPS)及びシンジオタクチックポリスチレン樹脂(SPS)があるが、これらの中でも結晶化ポリスチレン樹脂であるIPS及びSPSが好ましく使用される。特に、SPSは融点が高く耐熱性に優れ、吸湿しにくいため、高温の水回り環境で使用される継手として好適である。これら結晶化ポリスチレン樹脂は、単独で用いても良いが、配合させて使用しても良く、例えば、成形性を向上させるために、SPSとAPSを配合することも考えられる。また、機械的強度等の種々特性を向上させるため、各種充填剤や添加剤を配合してもよい。例えば、機械的強度の向上のため、ポリスチレン樹脂100重量部に対し、ガラス繊維15〜40重量部を配合することが好ましい。尚、継手の材料としてSPSを使用する場合、成型する際は高温の成型条件となるため、上記チューブ外層を架橋し、チューブの変形を防止することが好ましい。また、本発明では上記のように、チューブ外層と継手が同系の構成材料からなることが好ましく、継手の材料として結晶化ポリスチレン樹脂を使用した場合、チューブ外層は、スチレン系共重合体を構成材料として含むことが好ましい。スチレン系共重合体としては、例えば、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレン共重合体(SEPS)、スチレン−エチレン−エチレン−プロピレン−スチレン共重合体(SEEPS)、水酸基付加スチレン−エチレン−プロピレン−スチレン共重合体(SEPS−OH)、水酸基付加スチレン−エチレン−エチレン−プロピレン−スチレン共重合体(SEEPS−OH)、スチレン−イソブチレン−スチレン共重合体(SIBS)、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体(SIS)などが挙げられる。これらはブロック共重合体の構造をしていることが考えられる。これらのスチレン系の材料の中でも、SEPS、SEEPS、SEPS−OH、SEEPS−OHのようなスチレン−エチレン−プロピレン−スチレン系共重合体が使用される。また、これらは適宜配合しても良いが、チューブ外層の構成材料におけるスチレン含有量は30〜70%であることが好ましい。30%未満であると、継手との接着性が低下し、70%を越えるとチューブ外層が硬くなってしまい、チューブの可撓性が損なわれるおそれがある。なお、スチレン含有量とは、スチレン共重合体やスチレン共重合体を含む配合物などのチューブ外層の構成材料全体におけるスチレンの重量割合である。
また、継手を構成する材料として、上記の中から架橋する材料を選択し、継手の構成材料と上記チューブ外層を構成する材料が、同系の架橋手段により架橋されていれば、これらが共架橋することで、継手とチューブの接着性を向上することができる。このような態様として、例えば、チューブ外層の構成材料と継手の構成材料が同系の架橋機構成分を有していることが考えられる。「架橋機構成分を有している」とは、例えば、過酸化物系架橋剤、シラン系架橋剤といった架橋剤を配合しているもの、構成材料の分子構造中にシラン基などの架橋を引き起こす官能基を有しているもの、などが挙げられる。特に、チューブ内層とチューブ外層を共架橋し、チューブ外層と継手を共架橋する場合は、これらの架橋を異なる架橋手段によって行うことが効果的である。例えば、チューブ内層とチューブ外層を電子線架橋で共架橋し、その後、チューブ外層と継手をシラン架橋により共架橋することが考えられる。
本発明における継手の形状としては、例えば、図1に示すようなフランジ、図2に示すような雌ネジ、図3に示すような雄ネジなどが挙げられ、使用態様に応じて各種形状に成型される(図中、1は継手、2はチューブ、10は継手付チューブを示す。)。例えば、図4に示すように別の締付部材3を予めチューブ2に通しておいた後にフランジ形状の継手1を成型することも考えられる。また、チューブ2の外周のみでなく、例えば、図4に示すように、チューブ2の内面に達するように継手1を成型してチューブ2と継手1の接着をより強固にすることも考えられる。但し、この場合は、継手1の内面に達した部分により、チューブ2内を通過させる流体の流れが阻害されるため、できることであれば、チューブ2の外周のみに継手1を成型した方が好ましい。継手1は、チューブ2の端面に成型しても良いが、端面以外に成型しても良いし、更には、両端やチューブ2上の複数個所に成型してもよい。
以下、図面を参照して本発明の実施例を比較例と併せて説明する。
(実施例)
図1は、本発明の継手付チューブ10の断面図である。まず、ポリエチレン樹脂混合物が内層、スチレン系共重合体(SEPS)を含む組成物が外層となるように共押出によって合計肉厚1.0mmの二層の管状に押出成形した後、電子線を照射して架橋を施し、直径6mmの二層構造のチューブ2とした。次にチューブ2の一端について、内側中空部に栓をした後に金型内に配置し、シンジオタクチックポリスチレン樹脂、アタクチックポリスチレン樹脂、及び、ガラス繊維を混合したものを射出成型し、端面にフランジを備えた継手1を形成した。上記の外層の構成材料について、スチレン含有料が異なるものとして、実施例1〜4に係る継手付チューブ10とした。なお、実施例1:スチレン含有量65重量%、実施例2:スチレン含有量30重量%、実施例3:スチレン含有量70重量%、実施例4:スチレン含有量20重量%、とした。
(比較例)
チューブ2の外層の材料以外は上記実施例と同様にして、比較例1〜4に係る継手付チューブ10とした。なお、比較例1:外層の材料がSEBS、スチレン含有量30重量%、比較例2:外層の材料がSEBS、スチレン含有量53重量%、比較例3:外層の材料がSEBS、スチレン含有量67重量%、比較例4:外層の材料がSEB、スチレン含有量50重量%、比較例5:外層がなく、内層のみの単層チューブ、とした。
上記のようにして得られた継手付チューブ10について、75℃の恒温下にチューブ2を固定した状態で、継手1をチューブ2の長手方向に引張速度100mm/minで引張り、チューブ2と継手1の接着強度を測定した。また、チューブ2の表面状態を目視し、外観の確認を行った。これらの結果を表1及び表2に示す。なお、表1及び表2中のwt%は、重量%のことを示す。
Figure 2018066449
Figure 2018066449
表1に記載の通り、本実施例による継手付チューブ10は、チューブ2の外層としてSEPSを含んでいるため、良好な外観と優れた接着強度を得ることができた。特に、スチレン含有量が30〜70重量%の実施例1〜3は、接着強度が300Nを超えており、特に優れた接着強度を得ることができた。これに対して、比較例1〜3による継手付チューブ10は、チューブ2の外層としてSEPSではなく、SEBSを含んでいるため、チューブ2の表面に凹凸やヒビがみられ、外観に問題を生じていた。また、比較例4による継手付チューブ10は、チューブ2の外層としてSEPSではなく、SEBを含んでいるため、チューブ2の表面にべたつきがみられ、外観に問題を生じていた。また、比較例5による継手付チューブ10は、チューブ2としてポリエチレン樹脂混合物の単層であったため、接着強度が大きく劣るものとなった。
以上説明したとおり、本発明の継手付チューブは、チューブの外観が良好で、チューブと継手が良好な接着により一体化しているものである。従って、例えば、給水給湯用配管や貯湯タンク、食器洗浄機、浄水器、その他給水給湯用各種設備など幅広い用途で好適に使用することができる。
1 チューブ
2 継手
10 継手付チューブ

Claims (6)

  1. チューブと、該チューブの少なくとも一箇所に形成された継手とからなる継手付チューブであって、
    上記チューブにおける少なくとも最外面に位置する箇所が、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレン系共重合体を構成材料として含み、上記継手が、結晶化ポリスチレン樹脂を構成材料として含み、上記チューブと上記継手とが接着されていることを特徴とする継手付チューブ。
  2. 上記チューブが少なくとも内層と外層とからなり、上記内層と上記外層とが接着されているとともに、上記外層が、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレン系共重合体を構成材料として含むことを特徴とする請求項1記載の継手付チューブ。
  3. 上記チューブの外層の構成材料におけるスチレン含有量が、30重量%〜70重量%であることを特徴とする請求項2記載の継手付チューブ。
  4. 上記結晶化ポリスチレン樹脂が、シンジオタクチックポリスチレン樹脂からなることを特徴とする請求項1〜3何れか記載の継手付チューブ。
  5. 少なくとも内層とスチレン−エチレン−プロピレン−スチレン系共重合体を構成材料として含む外層とからなるチューブを成型し、該チューブの内層と外層を共架橋により接着した後、該チューブの少なくとも一箇所に、結晶化ポリスチレン樹脂を構成材料として含む継手を射出成型することによって形成し、上記チューブと上記継手とを接着させる継手付チューブの製造方法。
  6. 上記内層と上記外層とを共押出で成型することを特徴とする請求項5記載の継手付チューブの製造方法。
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