JP2000026720A - 熱可塑性エラストマー組成物およびホース - Google Patents
熱可塑性エラストマー組成物およびホースInfo
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- JP2000026720A JP2000026720A JP10195661A JP19566198A JP2000026720A JP 2000026720 A JP2000026720 A JP 2000026720A JP 10195661 A JP10195661 A JP 10195661A JP 19566198 A JP19566198 A JP 19566198A JP 2000026720 A JP2000026720 A JP 2000026720A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】耐油性に優れる熱可塑性エラストマー組成物、
ならびに、耐油性、耐久性および柔軟性に優れるホース
の提供。 【解決手段】連続相が熱可塑性ポリアミド系樹脂
(A)、分散相がエチレン、アクリル酸エステルおよび
少なくとも2種類の架橋性モノマーからなるエチレン−
アクリル酸エステル共重合体ゴムの架橋物(B)である
熱可塑性エラストマーであって、該(B)が、該架橋性
モノマーのうち、互いに反応する2種類の架橋性モノマ
ー(m1)および(m2)の反応により動的架橋されて
いるものである熱可塑性エラストマー組成物、ならび
に、内管が該熱可塑性エラストマー組成物からなるホー
ス。
ならびに、耐油性、耐久性および柔軟性に優れるホース
の提供。 【解決手段】連続相が熱可塑性ポリアミド系樹脂
(A)、分散相がエチレン、アクリル酸エステルおよび
少なくとも2種類の架橋性モノマーからなるエチレン−
アクリル酸エステル共重合体ゴムの架橋物(B)である
熱可塑性エラストマーであって、該(B)が、該架橋性
モノマーのうち、互いに反応する2種類の架橋性モノマ
ー(m1)および(m2)の反応により動的架橋されて
いるものである熱可塑性エラストマー組成物、ならび
に、内管が該熱可塑性エラストマー組成物からなるホー
ス。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐油性に優れる熱
可塑性エラストマー組成物、ならびに、耐油性、耐久性
および柔軟性に優れるホースに関する。
可塑性エラストマー組成物、ならびに、耐油性、耐久性
および柔軟性に優れるホースに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、連続相がポリアミド樹脂、分
散相がエチレン不飽和アクリル酸アルキルエステル共重
合体とした熱可塑性エラストマーをホースの内管に用い
ることは知られている(特開平3−49937号公報
他)。一方、これまで、エチレン−アクリル酸エステル
共重合体ゴム(AEM)を利用した熱可塑性エラストマ
ーは種々提案されてきた。米国特許明細書(US4,1
74,358)には、アクリルコポリマーゴムが分散し
たナイロン組成物が開示されている。また、特開平6−
220291号公報には、熱可塑性ポリアミドエラスト
マーおよび分子中にエポキシ基とカルボキシル基の二種
の官能基を有する(メタ)アクリレート共重合体ゴムか
らなる熱可塑性エラストマー組成物が開示されている。
しかし、連続相がポリアミド樹脂であると、混練温度が
200℃以上と高く、また、動的架橋を行う2軸混練の
時間が短く架橋剤で架橋をコントロールするのは難しい
ため、得られる熱可塑性エラストマーの物性のばらつき
が問題となっている。また、分子中にエポキシ基とカル
ボキシル基の二種の官能基を有する(メタ)アクリレー
ト共重合体ゴムを用いる場合には、架橋をコントロール
しにくいという欠点がある。
散相がエチレン不飽和アクリル酸アルキルエステル共重
合体とした熱可塑性エラストマーをホースの内管に用い
ることは知られている(特開平3−49937号公報
他)。一方、これまで、エチレン−アクリル酸エステル
共重合体ゴム(AEM)を利用した熱可塑性エラストマ
ーは種々提案されてきた。米国特許明細書(US4,1
74,358)には、アクリルコポリマーゴムが分散し
たナイロン組成物が開示されている。また、特開平6−
220291号公報には、熱可塑性ポリアミドエラスト
マーおよび分子中にエポキシ基とカルボキシル基の二種
の官能基を有する(メタ)アクリレート共重合体ゴムか
らなる熱可塑性エラストマー組成物が開示されている。
しかし、連続相がポリアミド樹脂であると、混練温度が
200℃以上と高く、また、動的架橋を行う2軸混練の
時間が短く架橋剤で架橋をコントロールするのは難しい
ため、得られる熱可塑性エラストマーの物性のばらつき
が問題となっている。また、分子中にエポキシ基とカル
ボキシル基の二種の官能基を有する(メタ)アクリレー
ト共重合体ゴムを用いる場合には、架橋をコントロール
しにくいという欠点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、耐油性に優
れる熱可塑性エラストマー組成物、ならびに、耐油性、
耐久性および柔軟性に優れるホースを提供することを課
題とする。
れる熱可塑性エラストマー組成物、ならびに、耐油性、
耐久性および柔軟性に優れるホースを提供することを課
題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、連続相
が熱可塑性ポリアミド系樹脂(A)、分散相がエチレ
ン、アクリル酸エステルおよび架橋性モノマーからなる
エチレン−アクリル酸エステル共重合体ゴムの少なくと
も2種類からなる架橋物(B)である熱可塑性エラスト
マーであって、該(B)が、該架橋性モノマーのうち、
互いに反応する2種類の架橋性モノマー(m1)および
(m2)の反応により動的架橋されているものである熱
可塑性エラストマー組成物を提供する。
が熱可塑性ポリアミド系樹脂(A)、分散相がエチレ
ン、アクリル酸エステルおよび架橋性モノマーからなる
エチレン−アクリル酸エステル共重合体ゴムの少なくと
も2種類からなる架橋物(B)である熱可塑性エラスト
マーであって、該(B)が、該架橋性モノマーのうち、
互いに反応する2種類の架橋性モノマー(m1)および
(m2)の反応により動的架橋されているものである熱
可塑性エラストマー組成物を提供する。
【0005】前記(A)および(B)の比率が重量比
で、(A)/(B)=20/80〜70/30であるの
が好ましい。
で、(A)/(B)=20/80〜70/30であるの
が好ましい。
【0006】前記(m1)および(m2)の比率が当量
比で、(m1)/(m2)=1/3〜3/1であるのが
好ましい。
比で、(m1)/(m2)=1/3〜3/1であるのが
好ましい。
【0007】前記(m1)および(m2)の一方がエポ
キシ基含有モノマーであり、他方がカルボキシル基含有
モノマーであるのが好ましい。
キシ基含有モノマーであり、他方がカルボキシル基含有
モノマーであるのが好ましい。
【0008】また、本発明は、さらに分散相にゴム
(C)を含有する前記熱可塑性エラストマー組成物を提
供する。
(C)を含有する前記熱可塑性エラストマー組成物を提
供する。
【0009】前記(A)、(B)および(C)の比率が
重量比で、(A)/((B)+(C))=20/80〜
70/30、かつ、(B)/(C)=10/90〜90
/10であるのが好ましい。
重量比で、(A)/((B)+(C))=20/80〜
70/30、かつ、(B)/(C)=10/90〜90
/10であるのが好ましい。
【0010】前記(C)がアクリロニトリル−ブタジエ
ンゴムを含むものであるのが好ましい。
ンゴムを含むものであるのが好ましい。
【0011】さらに、本発明は、内管が前記熱可塑性エ
ラストマー組成物からなるホースを提供する。
ラストマー組成物からなるホースを提供する。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明す
る。本発明の第1の態様は、連続相が熱可塑性ポリアミ
ド系樹脂(A)、分散相がエチレン、アクリル酸エステ
ルおよび架橋性モノマーからなるエチレン−アクリル酸
エステル共重合体ゴムの少なくとも2種類からなる架橋
物(B)である熱可塑性エラストマー組成物であって、
該(B)が、該架橋性モノマーのうち、互いに反応する
2種類の架橋性モノマー(m1)および(m2)の反応
により動的架橋されているものである熱可塑性エラスト
マー組成物である。本発明の第2の態様は、第1の態様
の熱可塑性エラストマーの分散相にさらにゴム(C)を
含有する熱可塑性エラストマー組成物である。本発明の
第3の態様は、内管が第1または第2の態様の熱可塑性
エラストマー組成物からなるホースである。
る。本発明の第1の態様は、連続相が熱可塑性ポリアミ
ド系樹脂(A)、分散相がエチレン、アクリル酸エステ
ルおよび架橋性モノマーからなるエチレン−アクリル酸
エステル共重合体ゴムの少なくとも2種類からなる架橋
物(B)である熱可塑性エラストマー組成物であって、
該(B)が、該架橋性モノマーのうち、互いに反応する
2種類の架橋性モノマー(m1)および(m2)の反応
により動的架橋されているものである熱可塑性エラスト
マー組成物である。本発明の第2の態様は、第1の態様
の熱可塑性エラストマーの分散相にさらにゴム(C)を
含有する熱可塑性エラストマー組成物である。本発明の
第3の態様は、内管が第1または第2の態様の熱可塑性
エラストマー組成物からなるホースである。
【0013】本発明の第1の態様の熱可塑性エラストマ
ー組成物の連続相として用いられる熱可塑性ポリアミド
系樹脂(A)としては、例えば、ナイロン46、ナイロ
ン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン61
1、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12、ナ
イロン666、MXD6ナイロン、ナイロン6Tおよび
これらの共重縮合体が挙げられ、これらを単独でまたは
2種以上を混合して用いることができる。なかでも、ナ
イロン6、ナイロン66、ナイロン666またはこれら
の共縮合体が好ましい。
ー組成物の連続相として用いられる熱可塑性ポリアミド
系樹脂(A)としては、例えば、ナイロン46、ナイロ
ン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン61
1、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12、ナ
イロン666、MXD6ナイロン、ナイロン6Tおよび
これらの共重縮合体が挙げられ、これらを単独でまたは
2種以上を混合して用いることができる。なかでも、ナ
イロン6、ナイロン66、ナイロン666またはこれら
の共縮合体が好ましい。
【0014】本発明の第1の態様の熱可塑性エラストマ
ー組成物の分散相はエチレン−アクリル酸エステル共重
合体ゴムの少なくとも2種類の架橋物(B)である。本
発明においては、アクリル酸エステルにはメタクリル酸
エステルも含まれる。これらのなかでも炭素数1〜8の
アルコールよりなるエステルが好ましい。具体的には、
アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エ
チル、メタクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタク
リル酸ブチル、アクリル酸t−ブチル、メタクリル酸t
−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル
酸2−エチルヘキシル等が例示され、これらを単独でま
たは2種以上を混合して用いてもよい。各エチレン−ア
クリル酸エステル共重合体ゴムを構成するアクリル酸エ
ステルは同じであっても異なっていてもよい。
ー組成物の分散相はエチレン−アクリル酸エステル共重
合体ゴムの少なくとも2種類の架橋物(B)である。本
発明においては、アクリル酸エステルにはメタクリル酸
エステルも含まれる。これらのなかでも炭素数1〜8の
アルコールよりなるエステルが好ましい。具体的には、
アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エ
チル、メタクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタク
リル酸ブチル、アクリル酸t−ブチル、メタクリル酸t
−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル
酸2−エチルヘキシル等が例示され、これらを単独でま
たは2種以上を混合して用いてもよい。各エチレン−ア
クリル酸エステル共重合体ゴムを構成するアクリル酸エ
ステルは同じであっても異なっていてもよい。
【0015】エチレン−アクリル酸エステル共重合体ゴ
ムの架橋物(B)に用いられる架橋性モノマーは、エチ
レンおよびアクリル酸エステルと共重合体を形成できる
モノマーであって官能基を有するものであればよいが、
少なくとも互いに反応する2種類の架橋性モノマー(m
1)および(m2)であることを要する。前記(m1)
および(m2)の比率は、当量比で、(m1)/(m
2)=1/3〜3/1であるのが好ましい。上記範囲で
あると、架橋効率がよく、各種物性に優れる。
ムの架橋物(B)に用いられる架橋性モノマーは、エチ
レンおよびアクリル酸エステルと共重合体を形成できる
モノマーであって官能基を有するものであればよいが、
少なくとも互いに反応する2種類の架橋性モノマー(m
1)および(m2)であることを要する。前記(m1)
および(m2)の比率は、当量比で、(m1)/(m
2)=1/3〜3/1であるのが好ましい。上記範囲で
あると、架橋効率がよく、各種物性に優れる。
【0016】互いに反応する2種類の架橋性モノマー
(m1)および(m2)の好適な例として、エポキシ基
含有モノマーとカルボキシル基含有モノマーの組み合わ
せが挙げられる。
(m1)および(m2)の好適な例として、エポキシ基
含有モノマーとカルボキシル基含有モノマーの組み合わ
せが挙げられる。
【0017】エポキシ基含有モノマーは、例えば、アリ
ルグリシジルエーテル、グリシジルメタクリレート、グ
リシジルアクリレート、3,4−エポキシヘキサヒドロ
ベンジル(メタ)アクリレート、4−グリシジルオキシ
−3,5−ジメチルベンジル(メタ)アクリレート、2
−(4′−グリシジルオキシフェニル)−2−〔4′−
(メタ)アクリロキシエチルオキシフェニル〕プロパ
ン、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸グ
リシジルエステル、2−(メタ)アクリロイルオキシエ
チルフタル酸グリシジルエステル、2−(メタ)アクリ
ロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸グリシジルエ
ステル、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルテレフ
タル酸グリシジルエステル、2−(メタ)アクリロイル
オキシエチルヘキサヒドロテレフタル酸グリシジルエス
テル、3,4−エポキシヘキサヒドロベンジル(メタ)
アクリルアミド、4−グリシジルオキシ−3,5−ジメ
チルベンジル(メタ)アクリルアミドが挙げられる。
ルグリシジルエーテル、グリシジルメタクリレート、グ
リシジルアクリレート、3,4−エポキシヘキサヒドロ
ベンジル(メタ)アクリレート、4−グリシジルオキシ
−3,5−ジメチルベンジル(メタ)アクリレート、2
−(4′−グリシジルオキシフェニル)−2−〔4′−
(メタ)アクリロキシエチルオキシフェニル〕プロパ
ン、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸グ
リシジルエステル、2−(メタ)アクリロイルオキシエ
チルフタル酸グリシジルエステル、2−(メタ)アクリ
ロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸グリシジルエ
ステル、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルテレフ
タル酸グリシジルエステル、2−(メタ)アクリロイル
オキシエチルヘキサヒドロテレフタル酸グリシジルエス
テル、3,4−エポキシヘキサヒドロベンジル(メタ)
アクリルアミド、4−グリシジルオキシ−3,5−ジメ
チルベンジル(メタ)アクリルアミドが挙げられる。
【0018】カルボキシル基含有モノマーは、例えば、
アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、2−ペンチン
酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸およびマレイン
酸、フマル酸、イタコン酸その他の二塩基酸のモノアル
キルエステルが挙げられる。
アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、2−ペンチン
酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸およびマレイン
酸、フマル酸、イタコン酸その他の二塩基酸のモノアル
キルエステルが挙げられる。
【0019】エチレン−アクリル酸エステル共重合体ゴ
ムの架橋物(B)におけるエチレン、アクリル酸エステ
ルおよび架橋性モノマーの比率は、エチレン=50〜8
5mol、アクリル酸エステル=50〜15mol、架
橋性モノマー=1〜10molの割合で配合されたもの
であるのが好ましい。
ムの架橋物(B)におけるエチレン、アクリル酸エステ
ルおよび架橋性モノマーの比率は、エチレン=50〜8
5mol、アクリル酸エステル=50〜15mol、架
橋性モノマー=1〜10molの割合で配合されたもの
であるのが好ましい。
【0020】熱可塑性ポリアミド系樹脂(A)およびエ
チレン−アクリル酸エステル共重合体ゴムの架橋物
(B)の比率は、重量比で、(A)/(B)=20/8
0〜70/30であるのが好ましい。上記範囲である
と、耐油性、柔軟性および加工性に優れる。
チレン−アクリル酸エステル共重合体ゴムの架橋物
(B)の比率は、重量比で、(A)/(B)=20/8
0〜70/30であるのが好ましい。上記範囲である
と、耐油性、柔軟性および加工性に優れる。
【0021】本発明の第1の態様の熱可塑性エラストマ
ーにおいては、連続相が熱可塑性ポリアミド系樹脂
(A)であり、分散相がエチレン−アクリル酸エステル
共重合体ゴムの少なくとも2種類からなる架橋物(B)
である。このような状態で分散させるには、連続相であ
る熱可塑性ポリアミド系樹脂(A)および分散相である
エチレン−アクリル酸エステル共重合体ゴム組成物(本
項において(D)と表す。)の体積率(φ)および溶融
粘度(η)が、 (φD /φA )×(ηA /ηD )<1 の関係を満たすようにする。ここで体積率とは、全体の
体積を1とした場合の、ある相の全体の体積に占める割
合を体積分率で示したものであり、φA +φD =1であ
る。溶融粘度はキャピラリ・レオメータにより測定され
る溶融粘度である。なお、体積および溶融粘度は混練時
の温度、せん断速度等により規定される。
ーにおいては、連続相が熱可塑性ポリアミド系樹脂
(A)であり、分散相がエチレン−アクリル酸エステル
共重合体ゴムの少なくとも2種類からなる架橋物(B)
である。このような状態で分散させるには、連続相であ
る熱可塑性ポリアミド系樹脂(A)および分散相である
エチレン−アクリル酸エステル共重合体ゴム組成物(本
項において(D)と表す。)の体積率(φ)および溶融
粘度(η)が、 (φD /φA )×(ηA /ηD )<1 の関係を満たすようにする。ここで体積率とは、全体の
体積を1とした場合の、ある相の全体の体積に占める割
合を体積分率で示したものであり、φA +φD =1であ
る。溶融粘度はキャピラリ・レオメータにより測定され
る溶融粘度である。なお、体積および溶融粘度は混練時
の温度、せん断速度等により規定される。
【0022】本発明の第1の態様の熱可塑性エラストマ
ー組成物は、エチレン−アクリル酸エステル共重合体ゴ
ムの架橋物(B)が、互いに反応する2種類の架橋性モ
ノマー(m1)および(m2)の反応により動的架橋さ
れているものである。その架橋反応は、せん断力および
/または加熱により起こる。即ち、本発明の第1の態様
の熱可塑性エラストマー組成物は、架橋剤を必要とせず
に動的架橋される。連続相がポリアミド樹脂であると、
混練温度が200℃以上と高く架橋速度が一定せず、ま
た、動的架橋を行う2軸混練の時間が短く架橋剤で架橋
をコントロールするのは難しいため、得られる熱可塑性
エラストマー組成物の物性やそのばらつきが問題となっ
ている。これに対し、本発明は架橋剤を用いないのでそ
れらの問題がない。
ー組成物は、エチレン−アクリル酸エステル共重合体ゴ
ムの架橋物(B)が、互いに反応する2種類の架橋性モ
ノマー(m1)および(m2)の反応により動的架橋さ
れているものである。その架橋反応は、せん断力および
/または加熱により起こる。即ち、本発明の第1の態様
の熱可塑性エラストマー組成物は、架橋剤を必要とせず
に動的架橋される。連続相がポリアミド樹脂であると、
混練温度が200℃以上と高く架橋速度が一定せず、ま
た、動的架橋を行う2軸混練の時間が短く架橋剤で架橋
をコントロールするのは難しいため、得られる熱可塑性
エラストマー組成物の物性やそのばらつきが問題となっ
ている。これに対し、本発明は架橋剤を用いないのでそ
れらの問題がない。
【0023】本発明の第1の態様の熱可塑性エラストマ
ー組成物には、必要に応じて、架橋促進剤、補強材、老
化防止剤、加工助剤その他の配合剤を添加してもよい。
ー組成物には、必要に応じて、架橋促進剤、補強材、老
化防止剤、加工助剤その他の配合剤を添加してもよい。
【0024】本発明の第1の態様の熱可塑性エラストマ
ー組成物は、熱可塑性ポリアミド系樹脂(A)とエチレ
ン−アクリル酸エステル共重合体ゴムとを混練しながら
エチレン−アクリル酸エステル共重合体ゴムの架橋を進
行させる、いわゆる動的架橋により製造される熱可塑性
エラストマー組成物である。このように製造することに
より、得られた熱可塑性エラストマー組成物は、連続相
となる熱可塑性ポリアミド系樹脂相に不連続相となる架
橋ゴム相が微細に分散した状態となるため架橋ゴムと同
様の物性を示し、かつ、連続相が熱可塑性ポリアミド系
樹脂相であるためその成形加工に際しては熱可塑性樹脂
に準じた加工が可能なものとなる。
ー組成物は、熱可塑性ポリアミド系樹脂(A)とエチレ
ン−アクリル酸エステル共重合体ゴムとを混練しながら
エチレン−アクリル酸エステル共重合体ゴムの架橋を進
行させる、いわゆる動的架橋により製造される熱可塑性
エラストマー組成物である。このように製造することに
より、得られた熱可塑性エラストマー組成物は、連続相
となる熱可塑性ポリアミド系樹脂相に不連続相となる架
橋ゴム相が微細に分散した状態となるため架橋ゴムと同
様の物性を示し、かつ、連続相が熱可塑性ポリアミド系
樹脂相であるためその成形加工に際しては熱可塑性樹脂
に準じた加工が可能なものとなる。
【0025】本発明の第1の態様の熱可塑性エラストマ
ー組成物の製造において、使用する装置は特に限定され
ないが、スクリュー押出機、ニーダ、バンバリミキサ
ー、2軸混練押出機が例示される。なかでも熱可塑性ポ
リアミド系樹脂(A)およびエチレン−アクリル酸エス
テル共重合体ゴムの混練、ならびにエチレン−アクリル
酸エステル共重合体ゴムの動的架橋を考慮すると、2軸
混練押出機を使用するのが好ましい。また、2種類以上
の混練機を使用し、順次混練してもよい。
ー組成物の製造において、使用する装置は特に限定され
ないが、スクリュー押出機、ニーダ、バンバリミキサ
ー、2軸混練押出機が例示される。なかでも熱可塑性ポ
リアミド系樹脂(A)およびエチレン−アクリル酸エス
テル共重合体ゴムの混練、ならびにエチレン−アクリル
酸エステル共重合体ゴムの動的架橋を考慮すると、2軸
混練押出機を使用するのが好ましい。また、2種類以上
の混練機を使用し、順次混練してもよい。
【0026】上述の方法で得られる本発明の第1の態様
の熱可塑性エラストマー組成物は、エチレン−アクリル
酸エステル共重合体ゴムの架橋物(B)が動的架橋によ
り十分に架橋されているものであることが好ましい。こ
こで、十分に架橋されているとは、ゲル化率が、好まし
くは80〜100%、さらに好ましくは90〜100%
であることを表す。ゲル化率が80%未満では、動的架
橋で得られた熱可塑性エラストマー組成物の耐油性およ
び耐圧縮永久歪が不十分となる場合がある。ここで、ゲ
ル化率は、得られた組成物を冷凍粉砕等で微細に粉砕し
た後、多段階に渡るソックスレー抽出を行うことによ
り、測定することができる。即ち、抽出率が20%未満
であれば、ゲル化率が80%以上となる。
の熱可塑性エラストマー組成物は、エチレン−アクリル
酸エステル共重合体ゴムの架橋物(B)が動的架橋によ
り十分に架橋されているものであることが好ましい。こ
こで、十分に架橋されているとは、ゲル化率が、好まし
くは80〜100%、さらに好ましくは90〜100%
であることを表す。ゲル化率が80%未満では、動的架
橋で得られた熱可塑性エラストマー組成物の耐油性およ
び耐圧縮永久歪が不十分となる場合がある。ここで、ゲ
ル化率は、得られた組成物を冷凍粉砕等で微細に粉砕し
た後、多段階に渡るソックスレー抽出を行うことによ
り、測定することができる。即ち、抽出率が20%未満
であれば、ゲル化率が80%以上となる。
【0027】以下、製造方法を例示する。一方法とし
て、予め、エチレン、アクリル酸エステルおよび少なく
とも2種類の架橋性モノマーからなるエチレン−アクリ
ル酸エステル共重合体ゴムを調製する。例えば、エチレ
ン、アクリル酸エステルおよび架橋性モノマーを予め共
重合させエチレン−アクリル酸エステル共重合体ゴムを
それぞれ異なる架橋性モノマーを有する2種類の共重合
体とし、熱可塑性ポリアミド系樹脂と混合して組成物と
し、これを動的架橋する。この方法においては、各エチ
レン−アクリル酸エステル共重合体ゴムを構成する架橋
性モノマーのうち一方のモノマーが他方のモノマーと反
応する少なくとも2種類の架橋性モノマー(m1)およ
び(m2)の組み合わせであることを要する。エチレ
ン、アクリル酸エステルおよび架橋性モノマーの共重合
体であるエチレン−アクリル酸エステル共重合体ゴムの
少なくとも2種類を予め製造してから熱可塑性ポリアミ
ド系樹脂と混合して動的架橋する方法は架橋をコントロ
ールしやすい。以下、この方法を用いる場合を説明す
る。
て、予め、エチレン、アクリル酸エステルおよび少なく
とも2種類の架橋性モノマーからなるエチレン−アクリ
ル酸エステル共重合体ゴムを調製する。例えば、エチレ
ン、アクリル酸エステルおよび架橋性モノマーを予め共
重合させエチレン−アクリル酸エステル共重合体ゴムを
それぞれ異なる架橋性モノマーを有する2種類の共重合
体とし、熱可塑性ポリアミド系樹脂と混合して組成物と
し、これを動的架橋する。この方法においては、各エチ
レン−アクリル酸エステル共重合体ゴムを構成する架橋
性モノマーのうち一方のモノマーが他方のモノマーと反
応する少なくとも2種類の架橋性モノマー(m1)およ
び(m2)の組み合わせであることを要する。エチレ
ン、アクリル酸エステルおよび架橋性モノマーの共重合
体であるエチレン−アクリル酸エステル共重合体ゴムの
少なくとも2種類を予め製造してから熱可塑性ポリアミ
ド系樹脂と混合して動的架橋する方法は架橋をコントロ
ールしやすい。以下、この方法を用いる場合を説明す
る。
【0028】好ましくは、エチレン−アクリル酸エステ
ルおよび架橋性モノマーからなる共重合体ゴムの少なく
とも2種類をバンバリミキサー等のゴム用混練機を用
い、必要に応じて補強剤、老化防止剤、加工助剤等を添
加して混練し、いわゆるマスターバッチとした後、ゴム
用ペレタイザーでペレット化しておく。このように予め
ペレット化した少なくとも2種類のエチレン−アクリル
酸エステル共重合体ゴムおよびペレット状の熱可塑性ポ
リアミド系樹脂(A)を2軸混練押出機の投入口より投
入し、(A)中にエチレン−アクリル酸エステル共重合
体ゴムを分散・架橋させる。つまり、(A)およびエチ
レン−アクリル酸エステル共重合体ゴムを混練しながら
互いに反応する架橋性モノマー(m1)および(m2)
を反応させ、エチレン−アクリル酸エステル共重合体ゴ
ムを動的架橋させる。架橋をこのようにして行うことに
より、エチレン−アクリル酸エステル共重合体ゴムを熱
可塑性ポリアミド系樹脂(A)に十分に分散させた状態
で、しかもエチレン−アクリル酸エステル共重合体ゴム
が十分に微細な状態のまま架橋することができ、連続相
をなす(A)中に、分散相としてエチレン−アクリル酸
エステル共重合体ゴムの架橋物(B)が安定に分散して
なる熱可塑性エラストマー組成物が調製される。このよ
うな熱可塑性エラストマー組成物の分散相である架橋後
のエチレン−アクリル酸エステル共重合体ゴムの架橋物
(B)の粒子径は、50μm以下であるのが好ましく、
0.1〜10μmであるのがより好ましい。
ルおよび架橋性モノマーからなる共重合体ゴムの少なく
とも2種類をバンバリミキサー等のゴム用混練機を用
い、必要に応じて補強剤、老化防止剤、加工助剤等を添
加して混練し、いわゆるマスターバッチとした後、ゴム
用ペレタイザーでペレット化しておく。このように予め
ペレット化した少なくとも2種類のエチレン−アクリル
酸エステル共重合体ゴムおよびペレット状の熱可塑性ポ
リアミド系樹脂(A)を2軸混練押出機の投入口より投
入し、(A)中にエチレン−アクリル酸エステル共重合
体ゴムを分散・架橋させる。つまり、(A)およびエチ
レン−アクリル酸エステル共重合体ゴムを混練しながら
互いに反応する架橋性モノマー(m1)および(m2)
を反応させ、エチレン−アクリル酸エステル共重合体ゴ
ムを動的架橋させる。架橋をこのようにして行うことに
より、エチレン−アクリル酸エステル共重合体ゴムを熱
可塑性ポリアミド系樹脂(A)に十分に分散させた状態
で、しかもエチレン−アクリル酸エステル共重合体ゴム
が十分に微細な状態のまま架橋することができ、連続相
をなす(A)中に、分散相としてエチレン−アクリル酸
エステル共重合体ゴムの架橋物(B)が安定に分散して
なる熱可塑性エラストマー組成物が調製される。このよ
うな熱可塑性エラストマー組成物の分散相である架橋後
のエチレン−アクリル酸エステル共重合体ゴムの架橋物
(B)の粒子径は、50μm以下であるのが好ましく、
0.1〜10μmであるのがより好ましい。
【0029】また、本発明の第1の態様の熱可塑性エラ
ストマー組成物に補強剤、軟化剤、老化防止剤その他の
配合剤を添加する場合は、エチレン−アクリル酸エステ
ル共重合体ゴムへの配合剤は上記混練中に添加してもよ
いが、上記混練の前に予め混合しておくのが好ましい。
熱可塑性ポリアミド系樹脂(A)への配合剤は、上記混
練の前に予め混合しておいてもよく、また、上記混練中
に添加してもよい。
ストマー組成物に補強剤、軟化剤、老化防止剤その他の
配合剤を添加する場合は、エチレン−アクリル酸エステ
ル共重合体ゴムへの配合剤は上記混練中に添加してもよ
いが、上記混練の前に予め混合しておくのが好ましい。
熱可塑性ポリアミド系樹脂(A)への配合剤は、上記混
練の前に予め混合しておいてもよく、また、上記混練中
に添加してもよい。
【0030】熱可塑性ポリアミド系樹脂(A)およびエ
チレン−アクリル酸エステル共重合体ゴムの混練条件と
しては、混練温度は、例えば150〜300℃、特に1
80〜250℃であるのが好ましく、混練時のせん断速
度は、100〜5000秒-1、特に500〜2500秒
-1であるのが好ましい。溶融混練全体の時間は、30秒
〜10分であるのが好ましい。
チレン−アクリル酸エステル共重合体ゴムの混練条件と
しては、混練温度は、例えば150〜300℃、特に1
80〜250℃であるのが好ましく、混練時のせん断速
度は、100〜5000秒-1、特に500〜2500秒
-1であるのが好ましい。溶融混練全体の時間は、30秒
〜10分であるのが好ましい。
【0031】本発明の第2の態様は、第1の態様の熱可
塑性エラストマー組成物の分散相にさらに他のゴム
(C)を含有する熱可塑性エラストマー組成物である。
塑性エラストマー組成物の分散相にさらに他のゴム
(C)を含有する熱可塑性エラストマー組成物である。
【0032】本発明の第2の態様の熱可塑性エラストマ
ー組成物に用いられるゴム(C)は、特に限定されず、
ジエン系ゴムおよびその水素添加物(例えば、天然ゴ
ム、イソプレンゴム、エポキシ化天然ゴム、スチレン−
ブタジエンゴム、ブタジエンゴム(高シスブタジエンゴ
ムおよび低シスブタジエンゴム)、アクリロニトリル−
ブタジエンゴム、水素化アクリロニトリル−ブタジエン
ゴム、水素化スチレン−ブタジエンゴム)、オレフィン
系ゴム(例えば、エチレン−プロピレンゴム、エチレン
−プロピレン−ジエンゴム、マレイン酸変性エチレン−
プロピレンゴム、ブチルゴム、イソブチレンと芳香族ビ
ニルまたはジエン系モノマー共重合体、アクリルゴム、
アイオノマー)、含ハロゲンゴム(例えば、臭素化ブチ
ルゴム、塩素化ブチルゴム、イソブチレンパラメチルス
チレン共重合体の臭素化物、クロロプレンゴム、ヒドリ
ンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエ
チレン、マレイン酸変性塩素化ポリエチレン、シリコン
ゴム(例えば、メチルビニルシリコンゴム、ジメチルシ
リコンゴム、メチルフェニルビニルシリコンゴム)、含
イオウゴム(例えば、ポリスルフィドゴム)、フッ素ゴ
ム(例えば、ビニリデンフルオライド系ゴム、含フッ素
ビニルエーテル系ゴム、テトラフルオロエチレン−プロ
ピレン系ゴム、含フッ素シリコン系ゴム、含フッ素ホス
ファゼン系ゴム)、ウレタンゴム、エピクロルヒドリン
ゴム等を単独でまたは2種類以上を混合して用いること
ができる。なかでも、アクリロニトリル−ブタジエンゴ
ムが好適に使用できる。
ー組成物に用いられるゴム(C)は、特に限定されず、
ジエン系ゴムおよびその水素添加物(例えば、天然ゴ
ム、イソプレンゴム、エポキシ化天然ゴム、スチレン−
ブタジエンゴム、ブタジエンゴム(高シスブタジエンゴ
ムおよび低シスブタジエンゴム)、アクリロニトリル−
ブタジエンゴム、水素化アクリロニトリル−ブタジエン
ゴム、水素化スチレン−ブタジエンゴム)、オレフィン
系ゴム(例えば、エチレン−プロピレンゴム、エチレン
−プロピレン−ジエンゴム、マレイン酸変性エチレン−
プロピレンゴム、ブチルゴム、イソブチレンと芳香族ビ
ニルまたはジエン系モノマー共重合体、アクリルゴム、
アイオノマー)、含ハロゲンゴム(例えば、臭素化ブチ
ルゴム、塩素化ブチルゴム、イソブチレンパラメチルス
チレン共重合体の臭素化物、クロロプレンゴム、ヒドリ
ンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエ
チレン、マレイン酸変性塩素化ポリエチレン、シリコン
ゴム(例えば、メチルビニルシリコンゴム、ジメチルシ
リコンゴム、メチルフェニルビニルシリコンゴム)、含
イオウゴム(例えば、ポリスルフィドゴム)、フッ素ゴ
ム(例えば、ビニリデンフルオライド系ゴム、含フッ素
ビニルエーテル系ゴム、テトラフルオロエチレン−プロ
ピレン系ゴム、含フッ素シリコン系ゴム、含フッ素ホス
ファゼン系ゴム)、ウレタンゴム、エピクロルヒドリン
ゴム等を単独でまたは2種類以上を混合して用いること
ができる。なかでも、アクリロニトリル−ブタジエンゴ
ムが好適に使用できる。
【0033】アクリロニトリル−ブタジエンゴムにおけ
るアクリロニトリル含有量は、好ましくは10〜50重
量%、より好ましくは15〜40重量%である。10重
量%未満であると耐油性が十分でない場合があり、50
重量%を超えると低温物性が良好でない場合がある。ア
クリロニトリル含有量の異なる2種類以上のアクリロニ
トリル−ブタジエンゴムを混合して用いることもでき
る。また、アクリロニトリル−ブタジエンゴムは、可塑
剤や充填剤が添加されたものも用いることができる。
るアクリロニトリル含有量は、好ましくは10〜50重
量%、より好ましくは15〜40重量%である。10重
量%未満であると耐油性が十分でない場合があり、50
重量%を超えると低温物性が良好でない場合がある。ア
クリロニトリル含有量の異なる2種類以上のアクリロニ
トリル−ブタジエンゴムを混合して用いることもでき
る。また、アクリロニトリル−ブタジエンゴムは、可塑
剤や充填剤が添加されたものも用いることができる。
【0034】熱可塑性ポリアミド系樹脂(A)、エチレ
ン−アクリル酸エステル共重合体ゴムの架橋物(B)お
よびゴム(C)の比率は、重量比で、好ましくは(A)
/((B)+(C))=70/30〜20/80であ
り、より好ましくは(A)/((B)+(C))=50
/50〜25/75である。エチレン−アクリル酸エス
テル共重合体ゴムの架橋物(B)およびゴム(C)の比
率は、重量比で、好ましくは(B)/(C)=10/9
0〜90/10であり、より好ましくは(B)/(C)
=30/70〜90/10である。本発明の第2の態様
の熱可塑性エラストマー組成物の組成がこれらの範囲で
あると、耐油性、柔軟性および加工性に優れる。
ン−アクリル酸エステル共重合体ゴムの架橋物(B)お
よびゴム(C)の比率は、重量比で、好ましくは(A)
/((B)+(C))=70/30〜20/80であ
り、より好ましくは(A)/((B)+(C))=50
/50〜25/75である。エチレン−アクリル酸エス
テル共重合体ゴムの架橋物(B)およびゴム(C)の比
率は、重量比で、好ましくは(B)/(C)=10/9
0〜90/10であり、より好ましくは(B)/(C)
=30/70〜90/10である。本発明の第2の態様
の熱可塑性エラストマー組成物の組成がこれらの範囲で
あると、耐油性、柔軟性および加工性に優れる。
【0035】本発明の第2の態様の熱可塑性エラストマ
ー組成物においては、連続相が熱可塑性ポリアミド系樹
脂(A)であり、分散相がエチレン−アクリル酸エステ
ル共重合体ゴムの架橋物(B)およびゴム(C)であ
る。エチレン−アクリル酸エステル共重合体ゴムの架橋
物(B)およびゴム(C)の分散の態様としては、 両者が独立して分散相になる、 ゴム(C)をエチレン−アクリル酸エステル共重合体
ゴムの架橋物(B)が覆う状態で分散相になる、 エチレン−アクリル酸エステル共重合体ゴムの架橋物
(B)をゴム(C)が覆う状態で分散相になる、の3態
様が挙げられる。このうち、耐熱老化性および耐油性の
点からが好ましい。
ー組成物においては、連続相が熱可塑性ポリアミド系樹
脂(A)であり、分散相がエチレン−アクリル酸エステ
ル共重合体ゴムの架橋物(B)およびゴム(C)であ
る。エチレン−アクリル酸エステル共重合体ゴムの架橋
物(B)およびゴム(C)の分散の態様としては、 両者が独立して分散相になる、 ゴム(C)をエチレン−アクリル酸エステル共重合体
ゴムの架橋物(B)が覆う状態で分散相になる、 エチレン−アクリル酸エステル共重合体ゴムの架橋物
(B)をゴム(C)が覆う状態で分散相になる、の3態
様が挙げられる。このうち、耐熱老化性および耐油性の
点からが好ましい。
【0036】このような状態で分散させるには、連続相
である熱可塑性ポリアミド系樹脂(A)ならびにエチレ
ン−アクリル酸エステル共重合体ゴム(本項において
(D)と表す。)およびゴム(C)の体積率(φ)およ
び溶融粘度(η)が、 (φD+C /φA )×(ηA /ηD+C )<1 かつ (φC /φD )×(ηD /ηC )<1 の関係を満たすようにする。ここで体積率とは、全体の
体積を1とした場合の、ある相の全体の体積に占める割
合を体積分率で示したものであり、φA +φD +φC =
φD+C +φA =1である。溶融粘度はキャピラリ・レオ
メータにより測定される溶融粘度であり、分散相の溶融
粘度ηD+C は、エチレン−アクリル酸エステル共重合体
ゴム(D)およびゴム(C)が均質に混合されたときの
溶融粘度である。なお、体積および溶融粘度は混練時の
温度、せん断速度等により規定される。
である熱可塑性ポリアミド系樹脂(A)ならびにエチレ
ン−アクリル酸エステル共重合体ゴム(本項において
(D)と表す。)およびゴム(C)の体積率(φ)およ
び溶融粘度(η)が、 (φD+C /φA )×(ηA /ηD+C )<1 かつ (φC /φD )×(ηD /ηC )<1 の関係を満たすようにする。ここで体積率とは、全体の
体積を1とした場合の、ある相の全体の体積に占める割
合を体積分率で示したものであり、φA +φD +φC =
φD+C +φA =1である。溶融粘度はキャピラリ・レオ
メータにより測定される溶融粘度であり、分散相の溶融
粘度ηD+C は、エチレン−アクリル酸エステル共重合体
ゴム(D)およびゴム(C)が均質に混合されたときの
溶融粘度である。なお、体積および溶融粘度は混練時の
温度、せん断速度等により規定される。
【0037】以下、2軸混練押出機を用いた製造方法を
例示する。本発明の第1の態様の熱可塑性エラストマー
組成物の製造方法について上述したのと同様に、エチレ
ン、アクリル酸エステルおよび架橋性モノマーの共重合
体であるエチレン−アクリル酸エステル共重合体ゴムの
少なくとも2種類を混合する方法により得られる。以
下、この方法を説明する。
例示する。本発明の第1の態様の熱可塑性エラストマー
組成物の製造方法について上述したのと同様に、エチレ
ン、アクリル酸エステルおよび架橋性モノマーの共重合
体であるエチレン−アクリル酸エステル共重合体ゴムの
少なくとも2種類を混合する方法により得られる。以
下、この方法を説明する。
【0038】エチレン、アクリル酸エステルおよび架橋
性モノマーの共重合体であるエチレン−アクリル酸エス
テル共重合体ゴムの少なくとも2種類およびゴム(C)
さらにゴム(C)の架橋剤をバンバリミキサー等のゴム
用混練機を用い、必要に応じて補強剤、老化防止剤、加
工助剤等を添加して混練し、いわゆるマスターバッチと
した後、ゴム用ペレタイザーでペレット化しておく。エ
チレン−アクリル酸エステル共重合体ゴムおよびゴム
(C)は別個にペレット化してもよいが、ゴム(C)を
エチレン−アクリル酸エステル共重合体ゴムの架橋物
(B)が覆うようにするには予めエチレン−アクリル酸
エステル共重合体ゴムおよび(C)を共に混練しペレッ
ト化しておくのが好ましい。このように予めペレット化
した少なくとも2種類のエチレン−アクリル酸エステル
共重合体ゴムおよびゴム(C)ならびにペレット状の熱
可塑性ポリアミド系樹脂(A)を2軸混練押出機の投入
口より投入し、(A)中にエチレン−アクリル酸エステ
ル共重合体ゴムおよびゴム(C)を分散させる。(A)
ならびにエチレン−アクリル酸エステル共重合体ゴムお
よび(C)の混練中に互いに反応する架橋性モノマー
(m1)および(m2)を反応させ、エチレン−アクリ
ル酸エステル共重合体ゴムを架橋する。(C)は予め加
えておいた(C)の架橋剤によって架橋される。架橋を
このようにして行うことにより、エチレン−アクリル酸
エステル共重合体ゴムおよびゴム(C)を熱可塑性ポリ
アミド系樹脂(A)に十分に分散させた状態で、しかも
エチレン−アクリル酸エステル共重合体ゴムおよびゴム
(C)が十分に微細な状態のまま架橋することができ、
連続相をなす(A)中に、分散相としてエチレン−アク
リル酸エステル共重合体ゴムの架橋物(B)および
(C)が安定に分散してなる熱可塑性エラストマーが調
製される。このような熱可塑性エラストマーの分散相で
ある架橋ゴム(エチレン−アクリル酸エステル共重合体
ゴムの架橋物(B)および/またはゴム(C))の粒子
径は、50μm以下であるのが好ましく、0.1〜10
μmであるのがより好ましい。
性モノマーの共重合体であるエチレン−アクリル酸エス
テル共重合体ゴムの少なくとも2種類およびゴム(C)
さらにゴム(C)の架橋剤をバンバリミキサー等のゴム
用混練機を用い、必要に応じて補強剤、老化防止剤、加
工助剤等を添加して混練し、いわゆるマスターバッチと
した後、ゴム用ペレタイザーでペレット化しておく。エ
チレン−アクリル酸エステル共重合体ゴムおよびゴム
(C)は別個にペレット化してもよいが、ゴム(C)を
エチレン−アクリル酸エステル共重合体ゴムの架橋物
(B)が覆うようにするには予めエチレン−アクリル酸
エステル共重合体ゴムおよび(C)を共に混練しペレッ
ト化しておくのが好ましい。このように予めペレット化
した少なくとも2種類のエチレン−アクリル酸エステル
共重合体ゴムおよびゴム(C)ならびにペレット状の熱
可塑性ポリアミド系樹脂(A)を2軸混練押出機の投入
口より投入し、(A)中にエチレン−アクリル酸エステ
ル共重合体ゴムおよびゴム(C)を分散させる。(A)
ならびにエチレン−アクリル酸エステル共重合体ゴムお
よび(C)の混練中に互いに反応する架橋性モノマー
(m1)および(m2)を反応させ、エチレン−アクリ
ル酸エステル共重合体ゴムを架橋する。(C)は予め加
えておいた(C)の架橋剤によって架橋される。架橋を
このようにして行うことにより、エチレン−アクリル酸
エステル共重合体ゴムおよびゴム(C)を熱可塑性ポリ
アミド系樹脂(A)に十分に分散させた状態で、しかも
エチレン−アクリル酸エステル共重合体ゴムおよびゴム
(C)が十分に微細な状態のまま架橋することができ、
連続相をなす(A)中に、分散相としてエチレン−アク
リル酸エステル共重合体ゴムの架橋物(B)および
(C)が安定に分散してなる熱可塑性エラストマーが調
製される。このような熱可塑性エラストマーの分散相で
ある架橋ゴム(エチレン−アクリル酸エステル共重合体
ゴムの架橋物(B)および/またはゴム(C))の粒子
径は、50μm以下であるのが好ましく、0.1〜10
μmであるのがより好ましい。
【0039】また、本発明の第2の態様の熱可塑性エラ
ストマー組成物に補強剤、軟化剤、老化防止剤その他の
配合剤を添加する場合は、エチレン−アクリル酸エステ
ル共重合体ゴムおよびゴム(C)への配合剤は上記混練
中に添加してもよいが、上記混練の前に予め混合してお
くのが好ましい。熱可塑性ポリアミド系樹脂(A)への
配合剤は、上記混練の前に予め混合しておいてもよく、
また、上記混練中に添加してもよい。
ストマー組成物に補強剤、軟化剤、老化防止剤その他の
配合剤を添加する場合は、エチレン−アクリル酸エステ
ル共重合体ゴムおよびゴム(C)への配合剤は上記混練
中に添加してもよいが、上記混練の前に予め混合してお
くのが好ましい。熱可塑性ポリアミド系樹脂(A)への
配合剤は、上記混練の前に予め混合しておいてもよく、
また、上記混練中に添加してもよい。
【0040】なお、本発明の第2の態様の熱可塑性エラ
ストマーについて上述した以外のこと、即ち、熱可塑性
ポリアミド系樹脂(A)、エチレン−アクリル酸エステ
ル共重合体ゴムおよびその架橋物(B)、ゲル化率その
他の事項については、本発明の第1の態様の熱可塑性エ
ラストマー組成物について上述したのと同様のことが言
える。
ストマーについて上述した以外のこと、即ち、熱可塑性
ポリアミド系樹脂(A)、エチレン−アクリル酸エステ
ル共重合体ゴムおよびその架橋物(B)、ゲル化率その
他の事項については、本発明の第1の態様の熱可塑性エ
ラストマー組成物について上述したのと同様のことが言
える。
【0041】このようにして得られた本発明の第1およ
び第2の態様の熱可塑性エラストマー組成物は、耐油性
に優れている。本発明の熱可塑性エラストマー組成物の
用途は特に限定されないが、耐油性を必要とする場合に
好適に用いられる。例えば、耐油性ホースや、耐油性を
必要とする自動車や建機のエンジン回りの部品等に好適
に用いられる。
び第2の態様の熱可塑性エラストマー組成物は、耐油性
に優れている。本発明の熱可塑性エラストマー組成物の
用途は特に限定されないが、耐油性を必要とする場合に
好適に用いられる。例えば、耐油性ホースや、耐油性を
必要とする自動車や建機のエンジン回りの部品等に好適
に用いられる。
【0042】本発明の第3の態様は、内管が第1または
第2の態様の熱可塑性エラストマー組成物からなるホー
スである。以下、本発明の第3の態様のホースについ
て、添付の図面に記載の1実施態様例に基づいて説明す
る。図1は、本発明のホースの各層を切り欠いて示す斜
視図である。ホース1は、内管2、補強層3および外管
4を有し、補強層と内管との層間および補強層と外管と
の層間にそれぞれ接着層5および接着層6を有する態様
を記載するが、本発明のホースは、これらの層構造に限
定されるものではない。
第2の態様の熱可塑性エラストマー組成物からなるホー
スである。以下、本発明の第3の態様のホースについ
て、添付の図面に記載の1実施態様例に基づいて説明す
る。図1は、本発明のホースの各層を切り欠いて示す斜
視図である。ホース1は、内管2、補強層3および外管
4を有し、補強層と内管との層間および補強層と外管と
の層間にそれぞれ接着層5および接着層6を有する態様
を記載するが、本発明のホースは、これらの層構造に限
定されるものではない。
【0043】本発明においては、内管が第1または第2
の態様の熱可塑性エラストマー組成物からなる。即ち、
ホースの内管が一層からなる場合は、少なくとも内管が
第1または第2の態様の熱可塑性エラストマー組成物か
らなり、ホースの内管が多層からなる場合は、その最も
内側の層が第1または第2の態様の熱可塑性エラストマ
ー組成物であってもよいし、中間層であってもよいし、
内管外層であってもよい。内層以外の層または内層の他
の層および外管に使用することができる材料は、本発明
の第1または第2の態様の熱可塑性エラストマー組成物
であってもよいが、それ以外にも、アクリロニトリル−
ブタジエンゴム、ブチルゴム、エチレン−プロピレン−
ジエンゴム等の加硫ゴム;ポリアミド系エラストマー、
ポリエステル系エラストマー、ポリオレフィン系エラス
トマー、EPDM/PP系熱可塑性エラストマー組成物
等の熱可塑性エラストマーが挙げられる。熱可塑性エラ
ストマーの中では、柔軟性に優れたEPDM/PP系熱
可塑性エラストマー組成物が好ましい。具体的には、A
ES社製のサントプレン101−73が好適に用いられ
る。
の態様の熱可塑性エラストマー組成物からなる。即ち、
ホースの内管が一層からなる場合は、少なくとも内管が
第1または第2の態様の熱可塑性エラストマー組成物か
らなり、ホースの内管が多層からなる場合は、その最も
内側の層が第1または第2の態様の熱可塑性エラストマ
ー組成物であってもよいし、中間層であってもよいし、
内管外層であってもよい。内層以外の層または内層の他
の層および外管に使用することができる材料は、本発明
の第1または第2の態様の熱可塑性エラストマー組成物
であってもよいが、それ以外にも、アクリロニトリル−
ブタジエンゴム、ブチルゴム、エチレン−プロピレン−
ジエンゴム等の加硫ゴム;ポリアミド系エラストマー、
ポリエステル系エラストマー、ポリオレフィン系エラス
トマー、EPDM/PP系熱可塑性エラストマー組成物
等の熱可塑性エラストマーが挙げられる。熱可塑性エラ
ストマーの中では、柔軟性に優れたEPDM/PP系熱
可塑性エラストマー組成物が好ましい。具体的には、A
ES社製のサントプレン101−73が好適に用いられ
る。
【0044】本発明のホースの補強層は、特に限定され
ない。ブレード状で形成されたものであっても、スパイ
ラル状で形成されたものであってもよい。また、用いる
補強材は糸でもワイヤでもよい。補強糸としては、ビニ
ロン繊維、レーヨン繊維、ポリエステル繊維、ナイロン
繊維、芳香族ポリアミド繊維等から製造された糸が例示
される。また、補強用ワイヤとしては、硬鋼線が用いら
れ、さらに具体的には、ブラスメッキワイヤーまたは亜
鉛メッキワイヤーが防錆および接着性付与のために好適
に用いられる。
ない。ブレード状で形成されたものであっても、スパイ
ラル状で形成されたものであってもよい。また、用いる
補強材は糸でもワイヤでもよい。補強糸としては、ビニ
ロン繊維、レーヨン繊維、ポリエステル繊維、ナイロン
繊維、芳香族ポリアミド繊維等から製造された糸が例示
される。また、補強用ワイヤとしては、硬鋼線が用いら
れ、さらに具体的には、ブラスメッキワイヤーまたは亜
鉛メッキワイヤーが防錆および接着性付与のために好適
に用いられる。
【0045】本発明のホースの各層間の接着層には、マ
レイン酸変性ポリオレフィン、特にマレイン酸変性プロ
ピレン等が好適に用いられる。
レイン酸変性ポリオレフィン、特にマレイン酸変性プロ
ピレン等が好適に用いられる。
【0046】本発明のホースは、少なくとも内管、補強
層および外管を有するホースである。各層間は接着層で
接合されていることが好ましい。図1に示す本発明のホ
ースの1実施態様例においては、内管2および外管4は
それぞれ一層であるが、本発明のホースは、内管および
外管が、それぞれ一層で形成されていても多層で形成さ
れていてもよい。また、補強層は一層であっても多層で
あってもよい。
層および外管を有するホースである。各層間は接着層で
接合されていることが好ましい。図1に示す本発明のホ
ースの1実施態様例においては、内管2および外管4は
それぞれ一層であるが、本発明のホースは、内管および
外管が、それぞれ一層で形成されていても多層で形成さ
れていてもよい。また、補強層は一層であっても多層で
あってもよい。
【0047】本発明のホースの製造方法を、添付の図面
に記載の1実施態様例に基づいて説明する。図2は、本
発明のホースの1例の製造工程の概略を示す線図であ
る。本発明のホースは例えば、次のようにして製造する
ことができる。即ち、図2に示すように、予め離型剤を
塗布したマンドレル7上に、内管材用押出機8から内管
用の熱可塑性エラストマー組成物を、その上に接着剤用
押出機9から接着層を、同時に2層押出して、内管成形
用ダイス10内でチューブ状に成形を行って、内管11
を形成する。このとき、内管を予め押出した後、接着層
を内管の上に押出成形してもよい。次に、内管11と接
着層の上に補強層成形機12を用いて補強層13を形成
するが、補強層13は、補強糸、補強用ワイヤ等を複数
本引きそろえてスパイラル状またはブレード状に編み組
みし形成される。補強層13を形成後、加熱装置14で
補強層13に局部加熱を施す。この時、補強層13が1
00〜350℃に加熱されると、接着層がマレイン酸変
性ポリオレフィン系樹脂等の場合は該接着層が溶融さ
れ、十分接合させることが可能となる。接着層とワイヤ
が十分に接合していると、ホースの耐久性が向上する。
最後に、十分に加熱された補強層13の上に、内管同様
に、接着剤用押出機16から接着層を、その上に、外管
材用押出機17から外管用の熱可塑性エラストマー組成
物等を同時に2層押出して、外管成形用ダイス15内で
ホース状に成形を行って、外管18を形成する。外管成
形時に、まず接着層を押出した後、外管用の熱可塑性エ
ラストマー組成物等を押出し、外管18を形成してもよ
い。また、図2においては、補強層13の局部加熱は、
外管18を形成する前に行っているが、外管18を被覆
した後に行っても、同様に、外管18と接着層の間は強
固に接着される。このようにしてホースを形成した後に
マンドレル7を除去することにより所望のホースが得ら
れる。
に記載の1実施態様例に基づいて説明する。図2は、本
発明のホースの1例の製造工程の概略を示す線図であ
る。本発明のホースは例えば、次のようにして製造する
ことができる。即ち、図2に示すように、予め離型剤を
塗布したマンドレル7上に、内管材用押出機8から内管
用の熱可塑性エラストマー組成物を、その上に接着剤用
押出機9から接着層を、同時に2層押出して、内管成形
用ダイス10内でチューブ状に成形を行って、内管11
を形成する。このとき、内管を予め押出した後、接着層
を内管の上に押出成形してもよい。次に、内管11と接
着層の上に補強層成形機12を用いて補強層13を形成
するが、補強層13は、補強糸、補強用ワイヤ等を複数
本引きそろえてスパイラル状またはブレード状に編み組
みし形成される。補強層13を形成後、加熱装置14で
補強層13に局部加熱を施す。この時、補強層13が1
00〜350℃に加熱されると、接着層がマレイン酸変
性ポリオレフィン系樹脂等の場合は該接着層が溶融さ
れ、十分接合させることが可能となる。接着層とワイヤ
が十分に接合していると、ホースの耐久性が向上する。
最後に、十分に加熱された補強層13の上に、内管同様
に、接着剤用押出機16から接着層を、その上に、外管
材用押出機17から外管用の熱可塑性エラストマー組成
物等を同時に2層押出して、外管成形用ダイス15内で
ホース状に成形を行って、外管18を形成する。外管成
形時に、まず接着層を押出した後、外管用の熱可塑性エ
ラストマー組成物等を押出し、外管18を形成してもよ
い。また、図2においては、補強層13の局部加熱は、
外管18を形成する前に行っているが、外管18を被覆
した後に行っても、同様に、外管18と接着層の間は強
固に接着される。このようにしてホースを形成した後に
マンドレル7を除去することにより所望のホースが得ら
れる。
【0048】このようにして得られる本発明のホース
は、内管が第1または第2の態様の熱可塑性エラストマ
ー組成物からなるので、耐冷媒透過性および耐油性に優
れる。また、本発明のホースは、柔軟性にも優れる。さ
らに、本発明のホースは、熱可塑性エラストマー組成物
層を射出成形等により形成でき加硫工程が不要なので、
少ない作業工程数で製造することができるという利点を
有する。
は、内管が第1または第2の態様の熱可塑性エラストマ
ー組成物からなるので、耐冷媒透過性および耐油性に優
れる。また、本発明のホースは、柔軟性にも優れる。さ
らに、本発明のホースは、熱可塑性エラストマー組成物
層を射出成形等により形成でき加硫工程が不要なので、
少ない作業工程数で製造することができるという利点を
有する。
【0049】
【実施例】以下に、実施例を示して本発明を具体的に説
明する。
明する。
【0050】熱可塑性エラストマー組成物の製造 下記の原料を用いて、第1表に示される量比で、第1表
に示される各種の熱可塑性エラストマー組成物を製造し
た。 (実施例1)まず、エポキシ変性AEMとカルボキシル
変性AEMの2種のエチレン−アクリル酸エステル共重
合体ゴムを含む、熱可塑性ポリアミド系樹脂(A)以外
の配合原料を密閉式バンバリーミキサーを用いて初期温
度40℃で5分間混合し、ゴムマスターバッチを調製し
た。次いで、ゴムマスターバッチをゴムペレタイザーに
てペレット化し、得られたゴムペレットと、予めペレッ
ト化しておいた熱可塑性ポリアミド系樹脂(A)の樹脂
ペレットを2軸混練機に投入して溶融混練を行った。混
練条件は、混練温度230℃、混練時間5分、せん断速
度600秒-1であった。架橋は混練機内で行い、連続相
としての熱可塑性ポリアミド系樹脂(A)中に、分散相
として分散するゴム成分であるエポキシ変性エチレン−
アクリル酸エステル共重合体ゴム(エポキシ変性AE
M)およびカルボキシル変性エチレン−アクリル酸エス
テル共重合体ゴム(カルボキシル変性AEM)を動的架
橋した。以上のようにして得られた本発明の熱可塑性エ
ラストマー組成物を押出機から連続してストランド状に
押し出し、水冷後カッターで切断することによりペレッ
ト状の熱可塑性エラストマー組成物を得た。 (実施例2〜4)エポキシ変性AEMとカルボキシル変
性AEMの量比を第1表に示されるように変えた以外
は、実施例1と同様にして、熱可塑性エラストマー組成
物を得た。 (実施例5)さらにアクリロニトリル−ブタジエンゴム
およびクロロプレンゴムを配合し、配合剤としてフェノ
ール樹脂および亜鉛華を配合した以外は、実施例1と同
様にして、熱可塑性エラストマー組成物を得た。 (比較例1)エポキシ変性AEMとカルボキシル変性A
EMの混合物の代わりにエポキシ変性AEMを単独で用
い、アミン系架橋剤を用いて架橋した以外は、実施例1
と同様にして、熱可塑性エラストマー組成物を得た。
に示される各種の熱可塑性エラストマー組成物を製造し
た。 (実施例1)まず、エポキシ変性AEMとカルボキシル
変性AEMの2種のエチレン−アクリル酸エステル共重
合体ゴムを含む、熱可塑性ポリアミド系樹脂(A)以外
の配合原料を密閉式バンバリーミキサーを用いて初期温
度40℃で5分間混合し、ゴムマスターバッチを調製し
た。次いで、ゴムマスターバッチをゴムペレタイザーに
てペレット化し、得られたゴムペレットと、予めペレッ
ト化しておいた熱可塑性ポリアミド系樹脂(A)の樹脂
ペレットを2軸混練機に投入して溶融混練を行った。混
練条件は、混練温度230℃、混練時間5分、せん断速
度600秒-1であった。架橋は混練機内で行い、連続相
としての熱可塑性ポリアミド系樹脂(A)中に、分散相
として分散するゴム成分であるエポキシ変性エチレン−
アクリル酸エステル共重合体ゴム(エポキシ変性AE
M)およびカルボキシル変性エチレン−アクリル酸エス
テル共重合体ゴム(カルボキシル変性AEM)を動的架
橋した。以上のようにして得られた本発明の熱可塑性エ
ラストマー組成物を押出機から連続してストランド状に
押し出し、水冷後カッターで切断することによりペレッ
ト状の熱可塑性エラストマー組成物を得た。 (実施例2〜4)エポキシ変性AEMとカルボキシル変
性AEMの量比を第1表に示されるように変えた以外
は、実施例1と同様にして、熱可塑性エラストマー組成
物を得た。 (実施例5)さらにアクリロニトリル−ブタジエンゴム
およびクロロプレンゴムを配合し、配合剤としてフェノ
ール樹脂および亜鉛華を配合した以外は、実施例1と同
様にして、熱可塑性エラストマー組成物を得た。 (比較例1)エポキシ変性AEMとカルボキシル変性A
EMの混合物の代わりにエポキシ変性AEMを単独で用
い、アミン系架橋剤を用いて架橋した以外は、実施例1
と同様にして、熱可塑性エラストマー組成物を得た。
【0051】(1)熱可塑性ポリアミド系樹脂(A) ナイロン6,66:Novamid2010R、三菱化
学社製 (2)エチレン−アクリル酸エステル共重合体ゴム(A
EM) エポキシ変性AEM:EspreneEMA275
2、住友化学工業社製 カルボキシル変性AEM:VamacG、昭和電工・
デュポン社製 (3)ゴム(C) アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR):Pe
rbunanNT2865、バイエル社製 クロロプレンゴム(CR):ネオプレンW、昭和ネオ
プレン社製 (4)配合剤 老化防止剤:ポリ(2,2,4−トリメチル−1,2−
ジヒドロキノリン)、大内新興化学社製 加工助剤:アーミンD、ライオン・アクゾ社製 フェノール樹脂:ヒタノール2501Y、日立化成工業
社製 アミン系架橋剤:N,N′−ジシナミリデン−1,6−
ヘキサンジアミン、昭和電工・デュポン社製 リターダー:ジベンゾチアジルジサルファイド 亜鉛華:亜鉛華3号、正同化学社製 ステアリン酸:ビーズステアリン酸、日本油脂社製
学社製 (2)エチレン−アクリル酸エステル共重合体ゴム(A
EM) エポキシ変性AEM:EspreneEMA275
2、住友化学工業社製 カルボキシル変性AEM:VamacG、昭和電工・
デュポン社製 (3)ゴム(C) アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR):Pe
rbunanNT2865、バイエル社製 クロロプレンゴム(CR):ネオプレンW、昭和ネオ
プレン社製 (4)配合剤 老化防止剤:ポリ(2,2,4−トリメチル−1,2−
ジヒドロキノリン)、大内新興化学社製 加工助剤:アーミンD、ライオン・アクゾ社製 フェノール樹脂:ヒタノール2501Y、日立化成工業
社製 アミン系架橋剤:N,N′−ジシナミリデン−1,6−
ヘキサンジアミン、昭和電工・デュポン社製 リターダー:ジベンゾチアジルジサルファイド 亜鉛華:亜鉛華3号、正同化学社製 ステアリン酸:ビーズステアリン酸、日本油脂社製
【0052】得られた各種熱可塑性エラストマー組成物
について、以下の試験を行った。引張試験 JIS K6301に準拠して、常態(25℃)におけ
る引張強さ(TB )および伸び(EB )を測定した。浸せき試験 試験用油として10Wを用い、JIS K6301に準
拠して、72時間後の膨潤度を測定し、耐油性を評価し
た。ゲル化率測定試験 ゲル化率は、ソックスレー抽出を用いて測定した。ま
ず、n−ヘキサンを用いて配合剤中の可溶分(ステアリ
ン酸等)を抽出した。次にアセトンを用いて熱可塑性エ
ラストマー中の未架橋分を抽出した。ゲル化率[wt
%]は、次式から算出した。 ゲル化率=[1−アセトン抽出量/ゴム配合量]×10
0
について、以下の試験を行った。引張試験 JIS K6301に準拠して、常態(25℃)におけ
る引張強さ(TB )および伸び(EB )を測定した。浸せき試験 試験用油として10Wを用い、JIS K6301に準
拠して、72時間後の膨潤度を測定し、耐油性を評価し
た。ゲル化率測定試験 ゲル化率は、ソックスレー抽出を用いて測定した。ま
ず、n−ヘキサンを用いて配合剤中の可溶分(ステアリ
ン酸等)を抽出した。次にアセトンを用いて熱可塑性エ
ラストマー中の未架橋分を抽出した。ゲル化率[wt
%]は、次式から算出した。 ゲル化率=[1−アセトン抽出量/ゴム配合量]×10
0
【0053】結果を第1表に示す。表中配合原料の量は
重量部で表す。本発明の熱可塑性エラストマー組成物
(実施例1〜5)は、架橋剤を用いて架橋した熱可塑性
エラストマー組成物(比較例1)に比べて、引張強さお
よび伸びならびに耐油性に優れることが分かる。また、
ゲル化率の値から、本発明の熱可塑性エラストマー組成
物は、加熱により十分に動的架橋されていることが分か
る。
重量部で表す。本発明の熱可塑性エラストマー組成物
(実施例1〜5)は、架橋剤を用いて架橋した熱可塑性
エラストマー組成物(比較例1)に比べて、引張強さお
よび伸びならびに耐油性に優れることが分かる。また、
ゲル化率の値から、本発明の熱可塑性エラストマー組成
物は、加熱により十分に動的架橋されていることが分か
る。
【0054】
【表1】
【0055】ホースの作製 (実施例6)内管用材料として実施例3で得られた熱可
塑性エラストマー組成物をマンドレル上に押し出し、次
にブラスメッキワイヤー(直径0.25mm)をブレー
ド状に編組して補強層を形成した。その後、その上にE
PDM/PP系熱可塑性エラストマー組成物(サントプ
レーン101−73、AES社製)からなる外管用材料
を押出成形してホースを作製した。なお、内管と補強層
との層間および補強層と外管との層間の接着剤として、
マレイン酸変性ポリプロピレン(アドマーQB540、
三井石油化学社製)を用いた。 (実施例7)内管用材料として実施例5で得られた熱可
塑性エラストマー組成物を用いた以外は、実施例6と同
様の方法でホースを作製した。 (比較例2)内管用材料としてアクリロニトリル−ブダ
ジエンゴム(NBR)をマンドレル上に押し出し、次に
ブラスメッキワイヤー(直径0.25mm)をブレード
状に編組して補強層を形成した。その後、その上にクロ
ロプレンゴム(CR)からなる外管用材料を押出成形し
た後、150℃、20kg/cm2 で45分間の加硫処
理を行ってホースを作製した。
塑性エラストマー組成物をマンドレル上に押し出し、次
にブラスメッキワイヤー(直径0.25mm)をブレー
ド状に編組して補強層を形成した。その後、その上にE
PDM/PP系熱可塑性エラストマー組成物(サントプ
レーン101−73、AES社製)からなる外管用材料
を押出成形してホースを作製した。なお、内管と補強層
との層間および補強層と外管との層間の接着剤として、
マレイン酸変性ポリプロピレン(アドマーQB540、
三井石油化学社製)を用いた。 (実施例7)内管用材料として実施例5で得られた熱可
塑性エラストマー組成物を用いた以外は、実施例6と同
様の方法でホースを作製した。 (比較例2)内管用材料としてアクリロニトリル−ブダ
ジエンゴム(NBR)をマンドレル上に押し出し、次に
ブラスメッキワイヤー(直径0.25mm)をブレード
状に編組して補強層を形成した。その後、その上にクロ
ロプレンゴム(CR)からなる外管用材料を押出成形し
た後、150℃、20kg/cm2 で45分間の加硫処
理を行ってホースを作製した。
【0056】実施例6、7および比較例2で作製したホ
ースは、いずれも内径が9.5mm、内管の肉厚が1.
5mm、外管の肉厚が1.0mmであった。
ースは、いずれも内径が9.5mm、内管の肉厚が1.
5mm、外管の肉厚が1.0mmであった。
【0057】作製したホースについて、以下の各種物性
試験を行った。衝撃圧力試験 JIS K6330に準拠して、衝撃圧力試験を行っ
た。試験用油としてオートマルチ油(出光興産社製)を
使用し、100℃、140kg/cm2 の条件でくり返
し衝撃圧力を加え、100万回の衝撃回数後、異常の生
じなかったものについては試験を中断し、○とした。柔軟性試験 所定の半径を有する円弧に沿ってホースを曲げ、曲げ力
を測定した。曲げ半径は、ホース外径の10倍(10
D)から測定し始め、3倍まで順次曲げ力を測定した
(n=2)。この結果得られた曲げ力と曲げ半径との関
係をプロットした曲線より、規定の半径(4倍)の時の
数値を読み取る方法を採った。データは、比較例2のホ
ースの値を100として、実施例6および7のホースが
同様に変形する荷重を相対値として表した。値が小さい
ほど柔軟性に優れる。作業工程数 比較例2のホースを作製する際の工程数を100とし
て、実施例6および7のホースを作製する際の工程数を
相対値で表した。
試験を行った。衝撃圧力試験 JIS K6330に準拠して、衝撃圧力試験を行っ
た。試験用油としてオートマルチ油(出光興産社製)を
使用し、100℃、140kg/cm2 の条件でくり返
し衝撃圧力を加え、100万回の衝撃回数後、異常の生
じなかったものについては試験を中断し、○とした。柔軟性試験 所定の半径を有する円弧に沿ってホースを曲げ、曲げ力
を測定した。曲げ半径は、ホース外径の10倍(10
D)から測定し始め、3倍まで順次曲げ力を測定した
(n=2)。この結果得られた曲げ力と曲げ半径との関
係をプロットした曲線より、規定の半径(4倍)の時の
数値を読み取る方法を採った。データは、比較例2のホ
ースの値を100として、実施例6および7のホースが
同様に変形する荷重を相対値として表した。値が小さい
ほど柔軟性に優れる。作業工程数 比較例2のホースを作製する際の工程数を100とし
て、実施例6および7のホースを作製する際の工程数を
相対値で表した。
【0058】結果を第2表に示す。本発明のホースは、
従来のホース(比較例2)の耐圧性および柔軟性を損な
わずに、その作業工程を大幅に簡略することができるも
のであることが分かる。これは、比較例2のホースの製
造は、マンドレル上にホースを成形した後、加熱加圧下
に加硫処理する工程が必要だが、本発明のホースは、動
的架橋により熱可塑性ポリアミド系樹脂(A)にエチレ
ン−アクリル酸エステル共重合体ゴムの架橋物(B)が
微細に分散した本発明の熱可塑性エラストマー組成物を
用いてホースを成形するので、成形後に加硫処理する工
程が不要なためである。
従来のホース(比較例2)の耐圧性および柔軟性を損な
わずに、その作業工程を大幅に簡略することができるも
のであることが分かる。これは、比較例2のホースの製
造は、マンドレル上にホースを成形した後、加熱加圧下
に加硫処理する工程が必要だが、本発明のホースは、動
的架橋により熱可塑性ポリアミド系樹脂(A)にエチレ
ン−アクリル酸エステル共重合体ゴムの架橋物(B)が
微細に分散した本発明の熱可塑性エラストマー組成物を
用いてホースを成形するので、成形後に加硫処理する工
程が不要なためである。
【0059】
【表2】
【0060】
【発明の効果】本発明の熱可塑性エラストマー組成物
は、耐油性に優れる。また、本発明の熱可塑性エラスト
マー組成物を利用したホースは、耐油性および柔軟性に
優れ、さらに作業工程数を従来より大幅に少なくするこ
とができるので有用である。
は、耐油性に優れる。また、本発明の熱可塑性エラスト
マー組成物を利用したホースは、耐油性および柔軟性に
優れ、さらに作業工程数を従来より大幅に少なくするこ
とができるので有用である。
【図1】 本発明のホースの一例を示す斜視図である。
【図2】 本発明のホースの製造方法の一例を示す線図
である。
である。
1 ホース 2 内管 3 補強層 4 外管 5、6 接着層 7 マンドレル 8 内管材用押出機 9 接着剤用押出機 10 内管成形用ダイス 11 内管 12 補強層成形機 13 補強層 14 加熱装置 15 外管成形用ダイス 16 接着剤用押出機 17 外管材用押出機 18 外管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山内 茂 神奈川県平塚市追分2番1号 横浜ゴム株 式会社平塚製造所内 (72)発明者 畑中 進 神奈川県平塚市追分2番1号 横浜ゴム株 式会社平塚製造所内 Fターム(参考) 4J002 AC02Y AC07Y AC08Y AC11Y BB07X BB24Y BB27Y BD14Y CL01W CL03W EF047 EF077 EH077 EH107 EL026
Claims (8)
- 【請求項1】連続相が熱可塑性ポリアミド系樹脂
(A)、分散相がエチレン、アクリル酸エステルおよび
架橋性モノマーからなるエチレン−アクリル酸エステル
共重合体ゴムの少なくとも2種類からなる架橋物(B)
である熱可塑性エラストマーであって、該(B)が、該
架橋性モノマーのうち、互いに反応する2種類の架橋性
モノマー(m1)および(m2)の反応により動的架橋
されているものである熱可塑性エラストマー組成物。 - 【請求項2】前記(A)および(B)の比率が重量比
で、(A)/(B)=20/80〜70/30である請
求項1に記載の熱可塑性エラストマー組成物。 - 【請求項3】前記(m1)および(m2)の比率が当量
比で、(m1)/(m2)=1/3〜3/1である請求
項1または2に記載の熱可塑性エラストマー組成物。 - 【請求項4】前記(m1)および(m2)の一方がエポ
キシ基含有モノマーであり、他方がカルボキシル基含有
モノマーである請求項1〜3のいずれかに記載の熱可塑
性エラストマー組成物。 - 【請求項5】さらに分散相にゴム(C)を含有する請求
項1〜4のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー組成
物。 - 【請求項6】前記(A)、(B)および(C)の比率が
重量比で、(A)/((B)+(C))=20/80〜
70/30、かつ、(B)/(C)=10/90〜90
/10である請求項5に記載の熱可塑性エラストマー組
成物。 - 【請求項7】前記(C)がアクリロニトリル−ブタジエ
ンゴムを含むものである請求項5または6に記載の熱可
塑性エラストマー組成物。 - 【請求項8】内管が請求項1〜7のいずれかに記載の熱
可塑性エラストマー組成物からなるホース。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10195661A JP2000026720A (ja) | 1998-07-10 | 1998-07-10 | 熱可塑性エラストマー組成物およびホース |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP10195661A JP2000026720A (ja) | 1998-07-10 | 1998-07-10 | 熱可塑性エラストマー組成物およびホース |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP10195661A Withdrawn JP2000026720A (ja) | 1998-07-10 | 1998-07-10 | 熱可塑性エラストマー組成物およびホース |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2000026720A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1145870A1 (en) * | 2000-04-11 | 2001-10-17 | The Yokohama Rubber Co., Ltd. | Thermoplastic elastomer composition having improved processability and tire using the same |
JP2005213326A (ja) * | 2004-01-28 | 2005-08-11 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | 熱可塑性エラストマー組成物 |
JP2011148887A (ja) * | 2010-01-21 | 2011-08-04 | Kaneka Corp | 熱可塑性エラストマー組成物 |
EP2290003A3 (en) * | 2009-08-03 | 2014-07-23 | The Yokohama Rubber Company, Limited | Thermoplastic elastomer composition |
-
1998
- 1998-07-10 JP JP10195661A patent/JP2000026720A/ja not_active Withdrawn
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US6617383B2 (en) | 2000-04-11 | 2003-09-09 | The Yokohama Rubber Co., Ltd. | Thermoplastic elastomer composition having improved processability and tire using the same |
JP2005213326A (ja) * | 2004-01-28 | 2005-08-11 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | 熱可塑性エラストマー組成物 |
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JP2011148887A (ja) * | 2010-01-21 | 2011-08-04 | Kaneka Corp | 熱可塑性エラストマー組成物 |
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