JP2002138496A - 建築物の基礎構造および基礎の施工方法 - Google Patents

建築物の基礎構造および基礎の施工方法

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佐藤  一郎
Yoshitaka Sotokari
吉隆 外狩
Kazuhiko Kobayashi
和彦 小林
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Abstract

(57)【要約】 【課題】簡略で合理的な構造の単層ないし低層のRC構
造物と、そのための基礎構造を実現する。 【解決手段】 杭1をつなぎ梁により連結することなく
独立に設け、地表付近において各杭の上端部にフーチン
グを介することなくRC構造の柱3を接合する。杭の上
端部に同径のスパイラル状のリブを内面に有する筒体5
を設け、筒体内にRC構造の柱3を構成する鉄筋の下端
部を挿入し、RC構造の柱3を構成するコンクリート8
を充填することで杭1とRC構造の柱3を一体的に接合
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主に単層(平屋建
て)ないし2〜3階建て程度の低層建築物の基礎構造お
よび基礎の施工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】建築物の基礎構造として、杭の上端部に
フーチングを介して柱を接合して立設し、それら柱間に
梁を架設し、かつ杭の上端部同士をつなぎ梁により連結
するものが一般的であるが、より簡略で合理的な構造と
して、杭と柱とを直接的に接合してつなぎ梁およびフー
チングを省略することが近年こころみられるようになっ
た。この場合、柱としては主に鉄骨製のものが用いられ
ていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述した杭と柱とを直
接的に接合する建築物の基礎構造は、施工性に優れてお
りコストも安価であるといった特徴を持っているが、柱
がRC構造のものへの適用は行われていなかった。柱が
RC構造の場合の上述した合理的な建築物の基礎構造の
適用が求められていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、地中
に杭を打ち込み、打ち込んだ杭の頭部に同軸状となるよ
う一体的に設けた筒体の内部に柱用の鉄筋を配設し、次
いで筒体内にコンクリートを打設して杭の上部に一体的
に接合された柱脚部を有する柱を立設することを特徴と
している。
【0005】請求項2の発明は、地中に打ち込んだ杭の
頭部に同軸状となるように筒体が一体的に設けられ、該
筒体の内部に柱用の鉄筋が組み込まれた状態でコンクリ
ートが打設されて、前記杭の頭部の上部と一体的に接合
された柱脚部を有する柱が立設されてなることを特徴と
している。
【0006】請求項3の発明は、請求項2記載の建築物
の基礎構造において、前記筒体の内周面にはスパイラル
状のリブが形成されていることを特徴としている。
【0007】請求項4の発明は、請求項2また3記載の
建築物の基礎構造において、前記筒体の内側には該筒体
の円周面に沿って割裂防止筋が配設されていることを特
徴としている。
【0008】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係る建築物の実施
形態を示す。図中、符号1は杭、3は柱である。図1か
ら明らかなように、本実施形態の建築物では各杭1がそ
れぞれ独立に設けられていて、従来一般には各杭同士を
連結するように設けられるつなぎ梁が省略されている。
また、各杭1の上端部に各柱3が直接的に接合されてお
り、従来一般には設けられるフーチングが省略されたも
のとなっている。
【0009】図2〜図3は要部の詳細を示すものであ
る。図2に示すように杭1として中空鋼管杭2の上部に
は該中空鋼管杭2と同軸状に中空鋼管杭2と同径の筒体
5が溶接等の適宜固定手段で一体的に設けられている。
【0010】また、ここでは筒体5として、例えば内周
面にスパイラル状のリブ6が形成された、いわゆるスパ
イラル鋼管が用いられているが、必ずしもスパイラル鋼
管に限られるものでなく、単なる鋼管であってもよい。
さらには、杭1として用いた前記中空鋼管杭2の上部を
利用してもよい。
【0011】筒体5の内部には、柱用の鉄筋9が配設さ
れている。柱用の鉄筋9は、主筋とそのまわりのフープ
筋からなっているが、図2ではフープ筋が省略されてい
る。柱用の鉄筋9は筒体5の上部開口部7から上方へ突
出して、所定高さまで伸びている。
【0012】前記筒体5の内側には、割裂防止筋10が
筒体5の円周面に沿って配設されている。さらに、これ
ら筒体5内に柱用の鉄筋9および割裂防止筋10が配設
された状態で、筒体5内下部に図示しないコンクリート
止めを設けてコンクリート8が打設されることにより、
柱脚部4を杭1の頭部と一体的に接合された前記柱3が
立設されている。
【0013】次に本発明の施工方法を示す。まず、地中
に杭1を構成する中空鋼管杭2を打ち込む。次いで、中
空鋼管杭2の上端部に筒体5を中空鋼管杭2と同軸状に
接合する。また、筒体5は、中空鋼管杭2を打ち込む前
に予め同中空鋼管杭2に接合しても良い。筒体5の内周
部に沿って割裂防止筋10を配設した上で、柱用の鉄筋
9の下端部を筒体5の中空部に配置し、コンクリート8
を打設して、筒体5と柱用の鉄筋を固定する。この後、
図示せぬ柱用の他の鉄筋及び型枠を組み立てコンクリー
トを打設する。
【0014】上述の構成によれば、杭1と同径の筒体5
を中空鋼管杭2と同軸状に接合し、筒体内の中空部に筒
体5の略下半部まで至るようにコンクリート8を打設し
ているから、つまり中空鋼管杭2と筒体5との接合面1
1を一致しないようにずらしているから、杭1と筒体5
の接合部に生じやすい応力集中を回避して十分な接合強
度を確保することができる。
【0015】また、筒体5の上端部に柱用の鉄筋9の下
端部を配置するとともにコンクリート8を筒体5内に打
設充填し、筒体5を介して杭1と柱3を直接的に接合し
ているから、杭1と柱3の十分な接合強度を確保するこ
とができる。
【0016】また、筒体5の内周面にスパイラル状のリ
ブ6を形成しているため、該筒体5自体の強度が高まる
のは勿論、その他筒体5と杭1、および柱3内にそれぞ
れ打設されるコンクリート8の定着強度を高めることが
でき、これにより杭1と柱3との接合強度を高めること
ができる。
【0017】さらに、筒体5の内周部に割裂防止筋10
を配置しているから、柱3から伝わる建築物の鉛直荷重
により作用される筒体5の圧縮歪等の変形を防ぐことが
できる。
【0018】また、図3において柱3は角形となってい
るが、形状は角形および円形のいずれもが採用可能であ
る。
【0019】
【発明の効果】請求項1の建築物の基礎の施工方法によ
れば、地中に杭を打ち込み、打ち込んだ杭の頭部に同軸
状となるよう一体的に設けた筒体の内部に柱用の鉄筋を
配設し、次いで筒体内にコンクリートを打設して杭の上
部に一体的に接合された柱脚部を有する柱を接合するも
のであるから、いずれも簡略かつ合理的な構造で施工性
に優れているため工費削減、工期短縮に大きく寄与する
ものであり、きわめて有効である。
【0020】請求項2の建築物の基礎構造によれば、地
中に打ち込んだ杭の頭部に同軸状となるように筒体が一
体的に設けられ、該筒体の内部に柱用の鉄筋が組み込ま
れた状態でコンクリートが打設されて、前記杭頭部の上
部に一体的に接合された柱脚部を有する柱を構築されて
なるから、杭と柱との間に十分なる接合強度を確保でき
るため、柱にRC構造のものを用いた場合についても杭
と柱とを直接的に接合する建築物の基礎構造の適用が可
能となった。
【0021】請求項3の建築物の基礎構造によれば、前
記筒体の内周面にはスパイラル状のリブが形成されてい
ることから、筒体自体の強度が高まるほか前記筒体とコ
ンクリートの充分なる定着強度が高まり、簡略な構造で
RC構造の柱と杭との応力伝達はスムーズに行われる。
【0022】請求項4の建築物の基礎構造によれば、前
記筒体の内側には該筒体の円周面に沿って割裂防止筋が
配筋されることから、建築物の柱等より鉛直荷重がかか
ることにより作用する該筒体への圧縮歪等の変位を最小
限にとどめ、筒体の早期劣化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る建築物の基礎構造を有する建築
物の実施形態を示す概略構成図である。
【図2】 本発明に係る建築物の基礎構造の実施形態を
示す図である。
【図3】 本発明に係る建築物の基礎構造の実施形態を
示す断面図である。
【符号の説明】
1 杭 2 中空鋼管杭 3 柱 4 柱脚部 5 筒体 6 リブ 7 上部開口部 8 コンクリート 9 柱用の鉄筋 10 割裂防止筋 11 接合面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 和彦 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内 Fターム(参考) 2D046 AA15 CA01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】地中に杭を打ち込み、打ち込んだ杭の頭部
    に同軸状となるよう一体的に設けた筒体の内部に柱用の
    鉄筋を配設し、次いで筒体内にコンクリートを打設して
    杭の上部に一体的に接合された柱脚部を有する柱を立設
    することを特徴とする建築物の基礎の施工方法。
  2. 【請求項2】地中に打ち込んだ杭の頭部に同軸状となる
    ように筒体が一体的に設けられ、該筒体の内部に柱用の
    鉄筋が組み込まれた状態でコンクリートが打設されて、
    前記杭頭部の上部と一体的に接合された柱脚部を有する
    柱が立設されてなることを特徴とする建築物の基礎構
    造。
  3. 【請求項3】請求項2記載の建築物の基礎構造におい
    て、前記筒体の内周面にはスパイラル状のリブが形成さ
    れていることを特徴とする建築物の基礎構造。
  4. 【請求項4】請求項2また3記載の建築物の基礎構造に
    おいて、前記筒体の内側には該筒体の円周面に沿って割
    裂防止筋が配設されていることを特徴とする建築物の基
    礎構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2015045872A1 (ja) * 2013-09-25 2015-04-02 新日鐵住金株式会社 合成構造
CN111705789A (zh) * 2020-06-29 2020-09-25 江西省地质工程(集团)公司 一种长螺旋桩空孔段处理施工方法

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