JPWO2015045872A1 - 合成構造 - Google Patents

合成構造 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2015045872A1
JPWO2015045872A1 JP2015539092A JP2015539092A JPWO2015045872A1 JP WO2015045872 A1 JPWO2015045872 A1 JP WO2015045872A1 JP 2015539092 A JP2015539092 A JP 2015539092A JP 2015539092 A JP2015539092 A JP 2015539092A JP WO2015045872 A1 JPWO2015045872 A1 JP WO2015045872A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
steel pipe
protrusion
region
pipe pile
local buckling
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2015539092A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6386462B2 (ja
Inventor
知季 小橋
知季 小橋
妙中 真治
真治 妙中
清水 信孝
信孝 清水
寛子 内藤
寛子 内藤
菅野 良一
良一 菅野
半谷 公司
公司 半谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel and Sumitomo Metal Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel and Sumitomo Metal Corp filed Critical Nippon Steel and Sumitomo Metal Corp
Publication of JPWO2015045872A1 publication Critical patent/JPWO2015045872A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6386462B2 publication Critical patent/JP6386462B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • EFIXED CONSTRUCTIONS
    • E02HYDRAULIC ENGINEERING; FOUNDATIONS; SOIL SHIFTING
    • E02DFOUNDATIONS; EXCAVATIONS; EMBANKMENTS; UNDERGROUND OR UNDERWATER STRUCTURES
    • E02D5/00Bulkheads, piles, or other structural elements specially adapted to foundation engineering
    • E02D5/22Piles
    • E02D5/24Prefabricated piles
    • E02D5/30Prefabricated piles made of concrete or reinforced concrete or made of steel and concrete

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Structural Engineering (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • General Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Mining & Mineral Resources (AREA)
  • Paleontology (AREA)
  • Civil Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Piles And Underground Anchors (AREA)
  • Foundations (AREA)

Abstract

本発明の合成構造は、鋼管と;一端部が前記鋼管に挿入された接合対象部材と;前記鋼管の内周面と前記接合対象部材の前記一端部との間に充填されたコンクリートと;を備える。前記鋼管は、前記鋼管の前記内周面から前記鋼管の半径方向内側へ向かって突出し且つ前記鋼管の管軸方向に沿って螺旋状に延設された突起を有する。前記突起は、鋼管における補剛領域と素管領域との境界を跨ぐように前記管軸方向に沿って前記螺旋状に延設されている。前記素管領域における前記突起の前記管軸方向の延設長は、前記鋼管の局部座屈半波長以上である。

Description

本発明は、鋼管と接合対象部材との接合に適用可能な合成構造に関する。
本願は、2013年09月25日に、日本に出願された特願2013−197688号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
従来より、鋼管杭とコンクリートとの付着強度を向上させるために、鋼管杭の先端部の内周面及び外周面の少なくとも一方に、鋼管杭とコンクリートとの滑り止めとして突起を設ける技術が一般的に知られている。
下記特許文献1には、鋼管杭の内周面において鋼管杭の周方向に沿って円環状の突起を、鋼管杭とコンクリートとの滑り止めとして設けることにより、鋼管杭とコンクリートとの一体性を確保して付着強度を向上させる技術が開示されている。
下記特許文献2及び3には、鋼管杭の内周面又は外周面に螺旋状の突起を、鋼管杭とコンクリートとの滑り止めとして設けることにより、鋼管杭とコンクリートとの一体性を確保して付着強度を向上させる技術が開示されている。
下記非特許文献1には、螺旋状の突起が内周面又は外周面に設けられた鋼管杭の製造方法として、突起が設けられた鋼帯を螺旋状に巻くことにより、螺旋状の突起を有する鋼管杭を製造する方法が開示されている。非特許文献1では、螺旋状の突起方向角度が大きくなることに起因して、鋼管杭とコンクリートとの付着強度が低下するので、鋼管杭とコンクリートとの所定の付着強度を確保するために、螺旋状の突起方向角度は40°以下に制限されている。
下記非特許文献2には、螺旋状の突起が内周面に設けられた鋼管とコンクリートとの付着強度を調査するために実施された実験の結果が開示されている。この実験結果においては、螺旋状の突起方向角度が45°の場合であっても、鋼管とコンクリートとの必要な付着強度を確保できることが示されている。
日本国特開2007−51500号公報 日本国特開2007−32044号公報 日本国特開平8−284159号公報
JIS A 5525 「鋼管ぐい」 「リブ付鋼管による重ね継手の付着性状」、土木学会年次学術講演会講演概要集第5部、Vol.50、880頁〜881頁、1995年
しかし、特許文献1、2及び3に開示された鋼管杭では、補剛領域(鋼管杭の内周面においてコンクリートと接触する領域)の断面剛性及び部材耐力が、素管領域(鋼管杭の内周面においてコンクリートと接触しない領域)と大きく異なる。特に、鋼管杭の補剛領域と素管領域との境界において、鋼管杭の断面剛性及び部材耐力が大幅に減少する。
このため、特許文献1、2及び3に開示された鋼管杭では、鋼管杭に曲げ力、軸力及びせん断力等の荷重が作用した場合に、鋼管杭の補剛領域と素管領域との境界において、上記の荷重に起因する応力集中が発生して、素管領域に局部座屈が発生する可能性がある。
また、上記のように、鋼管杭の素管領域に局部座屈が発生すると、建築構造物等の上部柱と鋼管杭との接合箇所等において、建築構造物等の支持が不十分になる可能性がある。
このような鋼管杭の素管領域における局部座屈を防ぐ方法の一つとして、鋼管杭の板厚を厚くする方法が考えられる。しかしながら、鋼管杭の板厚を厚くする方法を採用すると、鋼管杭の重量が大きくなると共に、材料コストが増加するので、この方法は合理的ではない。また、鋼管杭の素管領域における局部座屈を防ぐ他の方法として、スティフナ等の補剛材を素管領域に設置することも考えられるが、加工の手間が増える。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、鋼管の板厚を厚くすることなく、また、スティフナ等の補剛材を用いることなく、鋼管の補剛領域と素管領域との境界における局部座屈抵抗の向上を実現可能な合成構造を提供することを目的とする。

本発明は、上記課題を解決して係る目的を達成するために、以下のような手段を採用する。
(1)本発明の一態様に係る合成構造は、鋼管と;一端部が前記鋼管に挿入された接合対象部材と;前記鋼管の内周面と前記接合対象部材の前記一端部との間に充填されたコンクリートと;を備える。前記鋼管は、前記鋼管の前記内周面から前記鋼管の半径方向内側へ向かって突出し且つ前記鋼管の管軸方向に沿って螺旋状に延設された突起を有する。前記鋼管の前記内周面において前記コンクリートと接触する領域を補剛領域と定義し且つ前記鋼管の前記内周面において前記コンクリートと接触しない領域を素管領域と定義したとき、前記突起は、前記補剛領域と前記素管領域との境界を跨ぐように前記管軸方向に沿って前記螺旋状に延設されている。前記素管領域における前記突起の前記管軸方向の延設長は、前記鋼管の局部座屈半波長以上である。前記鋼管の前記局部座屈半波長をλ(mm)、前記鋼管の外径をD(mm)、且つ前記鋼管の板厚をt(mm)と定義したとき、前記局部座屈半波長λは下記式(1)で表され、前記鋼管の前記外径Dと前記板厚tとの比率D/tは50以上100以下である。
Figure 2015045872
(2)上記(1)に記載の合成構造において、前記突起を前記鋼管の前記半径方向の内側から視たとき、前記鋼管の周方向と前記突起との間の角度が、30°以上90°未満であってもよい。
(3)上記(1)または(2)に記載の合成構造において、前記鋼管を前記管軸方向に平行な断面で視たとき、前記突起の凸断面が、前記管軸方向に沿って前記局部座屈半波長λ以下の間隔で並んでいてもよい。
上記(1)に記載の合成構造によれば、鋼管の補剛領域と素管領域との境界において、鋼管の補剛領域と素管領域とで断面剛性及び部材耐力の差異が小さくなり、補剛領域から素管領域までの鋼管の断面剛性及び部材耐力を漸減させて、鋼管の断面剛性及び部材耐力の急激な減少を防止することが可能となる。
上記(1)に記載の合成構造によれば、鋼管の補剛領域と素管領域との境界において、鋼管の断面剛性及び部材耐力の急激な減少を防止して、曲げ力、軸力、せん断力等の荷重に起因する鋼管に対する応力集中の発生を回避することができ、素管領域における局部座屈の発生を防止することが可能となる。
上記(1)に記載の合成構造によれば、鋼管の補剛領域と素管領域との境界において、鋼管の局部座屈抵抗を向上させることができるため、鋼管と接合対象部材との接合箇所等における建築構造物等の支持を十分なものとすることが可能となる。
上記(2)に記載の合成構造によれば、突起が存在しない鋼管の薄い部位が鋼管の管周方向断面で連続しない。その結果、鋼管の局部座屈抵抗を向上させることができるため、素管領域における局部座屈の発生を防止することが可能となる。
また、上記(2)に記載の合成構造によれば、鋼管に、管壁が蛇腹状に潰れるような局部座屈が発生することを確実に防止することが可能となる。また、鋼管の内周面にコンクリートを確実に付着させて、鋼管とコンクリートとの付着強度を十分に確保することが可能となる。
上記(2)に記載の合成構造によれば、鋼管とコンクリートとの付着強度を向上させるために補剛領域に設けられた突起を、鋼管の管軸方向に沿ってさらに延ばして設けることができ、局部座屈抵抗を向上させた鋼管を効率的に製造することが可能となる。
特に、従来では、鋼管とコンクリートとの付着強度を確保することのみを目的として突起が鋼管に設けられた場合に、突起を鋼管の周方向に対して10°〜20°程度傾斜させていた。しかしながら、上記(2)に記載の合成構造によれば、鋼管とコンクリートとの付着強度を確保するために突起を設ける鋼管の製造工程を直接的に利用して、鋼管の周方向に対して30°以上の角度で突起を傾斜させて、鋼管の局部座屈抵抗を向上させた突起を効率的に設けることが可能となる。
上記(3)に記載の合成構造によれば、鋼管の管軸方向に沿って互いに隣り合う突起の間で、鋼管に作用する荷重に起因して素管領域に局部座屈が発生することを防止することが可能となる。
本発明の一実施形態に係る合成構造1を示す縦断面図である。 図1において点線で囲まれた領域Cの拡大図である。 図1において補剛領域B1と素管領域B2との境界を含む領域の拡大図である。 鋼管杭10にせん断力Qを作用させた場合と、鋼管杭10に軸力Nを作用させた場合とのそれぞれを模式的に示す図である。 表1における「L/√(D・t)」が横軸として設定され、表1における「Qmax/Q0」が縦軸として設定されたグラフを示す。 表2における突起傾斜角θが横軸として設定され、表2における「Qmax/Q0」が縦軸として設定されたグラフを示す。 表3における突起傾斜角θが横軸として設定され、表3における「Nmax/N0)が縦軸として設定されたグラフを示す。 表4における「S/√(D・t)」が横軸として設定され、表4における「Qmax/Q0」が縦軸として設定されたグラフを示す。 本実施形態の変形例を示す図である。 本実施形態の変形例を示す図である。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る合成構造1を示す縦断面図である。図1に示すように、本実施形態に係る合成構造1は、地盤に打ち込まれた鋼管杭10(鋼管)と、一端部が鋼管杭10に挿入されたH形鋼20(接合対象部材)と、鋼管杭10の内周面11とH形鋼20の一端部(鋼管杭10に挿入された部分)との間に充填されたコンクリート30とを備えている。なお、図1は、鋼管杭10の管軸方向(図1中のY方向)と平行な断面で鋼管杭10を視た図である。
H形鋼20は、例えば建築構造物(上部構造物)の柱部材である。基礎構造物として地盤に打ち込まれた鋼管杭10にH形鋼20の一端部が挿入された状態で、鋼管杭10の内周面11とH形鋼20の一端部との間にコンクリート30が充填されることにより、鋼管杭10とH形鋼20とが互いに接合される。図1に示すように、鋼管杭10とH形鋼20との接合強度を強くするために、H形鋼20の先端に、ベースプレート21が接合されていることが好ましい。ただし、このベースプレート21は必須ではない。
鋼管杭10は、例えば、1000mmの外径Dと、6.6mmの板厚tと、0.28〜0.30のポアソン比νを有する鋼管である。鋼管杭10の外径D、板厚t、及びポアソン比νは、上記の数値に限定されない。しかしながら、鋼管杭10の板厚tが大きすぎると、鋼管杭10の局部座屈抵抗が大きくなるというメリットがある反面、鋼管杭10の重量及び材料コストが増大するというデメリットもある。そのため、本実施形態では、板厚tに起因するメリットとデメリットとのバランスを考慮して、外径Dと板厚tとの比率D/tが50以上100以下に設定されている。
鋼管杭10として建築用鋼材を用いた場合、外径Dと板厚tとの比率D/tが50未満となると、局部座屈による耐力低下が鋼管杭10に生じる。従って、比率D/tの下限値を50に設定することが望ましい。一方、比率D/tの上限値については特に制限はないが、土木建築用に製造されて市場に流通している鋼管の比率D/tの上限値は概ね100であるので、本実施形態においても、鋼管杭10の比率D/tの上限値を100に設定している。
このような鋼管杭10は、鋼管杭10の内周面11から鋼管杭10の半径方向(図1中のX方向)内側へ向かって突出し、且つ鋼管杭10の管軸方向Yに沿って螺旋状に延設された突起12を有している。
図2は、図1において点線で囲まれた領域Cの拡大図である。図2に示すように、鋼管杭10の管軸方向Yにおける突起12の凸断面の長さを突起幅wと定義する。また、鋼管杭10の半径方向Xにおける突起12の凸断面の長さを突起高さhと定義する。また、管軸方向Yに沿って互いに隣り合う突起12の凸断面の中心間の距離を突起間隔Sと定義する。さらに、突起12を鋼管杭10の半径方向Xの内側から視たとき、鋼管杭10の周方向(図2中のW方向)と突起12との間の角度を突起傾斜角θと定義する。
突起12の突起幅wは、例えば10mmである。突起12の突起高さhは、例えば4mmである。ただし、突起12の突起幅w及び突起高さhは、上記の数値に限定されない。突起傾斜角θは、30°以上90°未満であることが好ましい。また、突起傾斜角θは、30°以上60°未満が最も好ましい。突起傾斜角θを上記の範囲に設定することが好ましい理由については後述する。突起間隔Sの好ましい範囲については後述する。なお、本実施形態では、矩形状の凸断面を有する突起12が鋼管杭10に形成された場合を例示したが、突起12の凸断面の形状は、矩形以外の形状であってもよい。
突起12は、鋼帯等の圧延によって鋼管杭10の内周面11設けられてもよく、棒鋼を溶接等で取り付けたり、溶接ビードを置く方法等によって設けられてもよい。また、複数の螺旋状の突起12の一部を互いに交差させることにより、鋼管杭10の周方向Wに対して互いに異なる方向に傾斜した複数の突起12が組み合わされてもよい。また、螺旋状の突起12と、鋼管杭10の周方向Wに平行な突起12とが組み合わされてもよい。
以下では、図1に示すように、鋼管杭10の内周面11において突起12が設けられている領域を突起領域A1と定義し、鋼管杭10の内周面11において突起12が設けられていない領域を平坦領域A2と定義する。また、図1に示すように、鋼管杭10の内周面11においてコンクリート30と接触する領域を補剛領域B1と定義し、鋼管杭10の内周面11においてコンクリート30と接触しない領域を素管領域B2と定義する。
図1に示すように、突起12は、補剛領域B1と素管領域B2との境界を跨ぐように、管軸方向Yに沿って螺旋状に延設されている。言い換えれば、突起領域A1において、補剛領域B1と素管領域B2との境界が少なくとも1つ存在する。詳細は後述するが、突起領域A1において、補剛領域B1と素管領域B2との境界が2つ存在する場合もある。
図1に示すように、突起12が、補剛領域B1と素管領域B2との境界から素管領域B2側へ管軸方向Yに沿って延設されている長さを延設長Lと定義する。言い換えれば、素管領域B2における突起12の管軸方向Yの延設長Lは、突起領域A1の管軸方向Yの長さから、補剛領域B1の管軸方向Yの長さを減算することで得られる長さである。
図3は、図1において補剛領域B1と素管領域B2との境界を含む領域の拡大図である。図3に示すように、素管領域B2における突起12の管軸方向Yの延設長Lは、鋼管杭10の局部座屈半波長λ以上である。ここで、鋼管杭10の局部座屈半波長λとは、曲げ力M、軸力N及びせん断力Q等の荷重が鋼管杭10に作用することに起因して、補剛領域B1と素管領域B2との境界に近い素管領域B2の管壁に発生する座屈部位13の長さである(図3参照)。
上記のように、鋼管杭10の外径をD(mm)、鋼管杭10の板厚をt(mm)、及び鋼管杭10の局部座屈半波長をλ(mm)と定義したとき、局部座屈半波長λは下記式(1)で表される。なお、鋼管杭10のポアソン比をνと定義したとき、下記式(1)における定数Kは、下記式(2)で表される。
Figure 2015045872
Figure 2015045872
また、図3に示すように、鋼管杭10を管軸方向Yに平行な断面で視たとき、突起12の凸断面が、管軸方向Yに沿って局部座屈半波長λ以下の間隔で並んでいることが望ましい。言い換えれば、突起12の突起間隔Sが、局部座屈半波長λ以下であることが望ましい。すなわち、突起12の延設長L、突起間隔S、及び局部座屈半波長λの関係が下記条件式(3)を満たすことが望ましい。
S ≦ λ ≦ L …(3)
上記のような構成を有する合成構造1によれば、鋼管杭10の板厚を厚くすることなく、また、スティフナ等の補剛材を用いることなく、鋼管杭10の補剛領域B1と素管領域B2との境界における局部座屈抵抗の向上を実現することが可能となる。すなわち、上記のような構成を有する合成構造1によれば、鋼管杭10の板厚tに起因するメリットとデメリットとのバランスが最適となる条件(外径Dと板厚tとの比率D/tが50以上100以下という条件)を満足しながら、補剛領域B1と素管領域B2との境界における局部座屈抵抗を向上させることができる。
以下では、図4に示すように、鋼管杭10にせん断力Qを作用させた場合と、鋼管杭10に軸力Nを作用させた場合とのそれぞれについて、鋼管杭10の局部座屈抵抗をシェル要素を用いた有限要素法(FEM)解析によって解析した結果を説明する。
上記のFEM解析において、鋼管杭10の外径Dを1000mm、鋼管杭10の板厚tを6.6mm、鋼管杭10のポアソン比νを0.30、突起12の突起高さhを4mm、突起12の突起幅wを10mm、突起12の突起傾斜角θを30°、突起12の突起間隔Sを100mmに設定した。このような条件において、鋼管杭10の局部座屈半波長λは、199mmとなる。
上記の条件の下で、突起12の延設長Lを0mm〜500mmの範囲で変化させた場合における、突起12の延設長Lとせん断力Qに対する局部座屈抵抗(せん断力Qに対する最大耐力)との関係を解析した結果を下記表1に示す。なお、下記表1において、突起12の延設長Lが199mm以上のとき、突起12の延設長Lが鋼管杭10の局部座屈半波長λ以上という条件が満たされる。
Figure 2015045872
表1において、Qmax(kN)は、鋼管杭10の上端部に作用するせん断力Qを徐々に増大させて鋼管杭10を強制的に変形させた場合に、最終的に鋼管杭10に局部座屈が発生して最大耐力に至った時点でのせん断力Qを示している。すなわち、このQmaxは、せん断力Qに対する鋼管杭10の局部座屈抵抗(せん断力Qに対する最大耐力)を示している。
延設長Lが0mmのとき、すなわち素管領域B2に突起12が存在しないときの最大耐力Qmax(=794kN)を、基準耐力Q0と定義する。従って、表1において、突起12の延設長Lが0mmのとき、最大耐力Qmaxと基準耐力Q0との比(=Qmax/Q0)は、“1”となる。表1における「Qmax/Q0」は、突起12の延設長Lの変化に対する最大耐力Qmaxの上昇率を示す無次元数である。
図5は、表1における「L/√(D・t)」が横軸として設定され、表1における「Qmax/Q0」が縦軸として設定されたグラフを示す。図5に示すように、「L/√(Dt)」が2.44以上となるとき、「Qmax/Q0」が1.049以上となる。すなわち、突起12の延設長Lが鋼管杭10の局部座屈半波長λ(=199mm)以上という条件を満たすとき、せん断力Qに対する鋼管杭10の最大耐力Qmaxの上昇率が4.9%以上となる。このように、突起12の延設長Lが鋼管杭10の局部座屈半波長λ以上という条件を満たすとき、せん断力Qに対する鋼管杭10の局部座屈抵抗が著しく上昇することが確認された。
次に、上記のFEM解析において、鋼管杭10の外径Dを1000mm、鋼管杭10の板厚tを6.6mm、鋼管杭10のポアソン比νを0.30、突起12の突起高さhを4mm、突起12の突起幅wを10mm、突起12の延設長Lを500mm、突起12の突起間隔Sを100mmに設定した。すなわち、突起12の延設長Lが鋼管杭10の局部座屈半波長λ(=199mm)以上という条件が満たされている。
このような条件の下で、突起12の突起傾斜角θを10°〜90°の範囲で変化させた場合における、突起傾斜角θと、せん断力Qに対する鋼管杭10の最大耐力Qmaxと、「Qmax/Q0」との関係を解析した結果を下記表2に示す。
Figure 2015045872
図6は、表2における突起傾斜角θが横軸として設定され、表2における「Qmax/Q0」が縦軸として設定されたグラフを示す。図6に示すように、突起傾斜角θが30°以上となるとき、「Qmax/Q0」が1.053〜1.085となる。すなわち、突起傾斜角θが30°以上という条件を満たすとき、せん断力Qに対する鋼管杭10の最大耐力Qmaxの上昇率が5.3%〜8.5となる。このように、突起12の延設長Lが鋼管杭10の局部座屈半波長λ以上という条件を満たし、且つ突起傾斜角θが30°以上という条件を満たすとき、せん断力Qに対する鋼管杭10の局部座屈抵抗がより著しく上昇することが確認された。
次に、上記のFEM解析において、鋼管杭10の外径Dを1000mm、鋼管杭10の板厚tを6.6mm、鋼管杭10のポアソン比νを0.30、突起12の突起高さhを4mm、突起12の突起幅wを10mm、突起12の延設長Lを3000mm、突起12の突起間隔Sを100mmに設定した。すなわち、突起12の延設長Lが鋼管杭10の局部座屈半波長λ(=199mm)以上という条件が満たされている。なお、突起12の延設長Lを3000mmに設定することは、鋼管杭10の全長に亘って突起12が形成されていることを意味する。
このような条件の下で、突起12の突起傾斜角θを5°〜90°の範囲で変化させた場合における、突起傾斜角θと、軸力Nに対する局部座屈抵抗(軸力Nに対する最大耐力)との関係を解析した結果を下記表3に示す。
Figure 2015045872
表3において、Nmax(kN)は、鋼管杭10に作用する軸力Nを徐々に増大させて鋼管杭10を強制的に変形させた場合に、最終的に鋼管杭10に局部座屈が発生して最大耐力に至った時点での軸力Nを示している。すなわち、このNmaxは、軸力Nに対する鋼管杭10の局部座屈抵抗(軸力Nに対する最大耐力)を示している。
突起傾斜角θが「無し」のとき(鋼管杭10に突起12が存在しないとき)の最大耐力Nmax(=7580kN)を、基準耐力N0と定義する。従って、表3において、突起傾斜角θが「無し」のとき、最大耐力Nmaxと基準耐力N0との比(=Nmax/N0)は、“1”となる。「Nmax/N0」は、突起12の突起傾斜角θの変化に対する最大耐力Nmaxの上昇率を示す無次元数である。

図7は、表3における突起傾斜角θが横軸として設定され、表3における「Nmax/N0)が縦軸として設定されたグラフを示す。図7に示すように、突起傾斜角θが30°以上となるとき、「Nmax/N0」が1.049〜1.100となる。すなわち、突起傾斜角θが30°以上という条件を満たすとき、軸力Nに対する鋼管杭10の最大耐力Nmaxの上昇率が4.9%〜10.0%となる。このように、突起12の延設長Lが鋼管杭10の局部座屈半波長λ以上という条件を満たし、且つ突起傾斜角θが30°以上という条件を満たすとき、軸力Nに対する鋼管杭10の局部座屈抵抗が著しく上昇することが確認された。
上記のように、表2及び表3(図6及び図7)に示した解析結果からは、鋼管杭10の局部座屈抵抗をより向上させるための条件として、突起12の突起傾斜角θが30°以上90°以下という条件が導き出される。しかしながら、突起傾斜角θが90°の場合、鋼管杭10とコンクリート30との付着強度が十分に得られないので、本実施形態では、鋼管杭10の局部座屈抵抗をより向上するための条件として、突起12の突起傾斜角θが30°以上90°未満という条件を採用している。
また、表2及び表3(図6及び図7)に示した解析結果から、最も好ましい条件として、突起12の突起傾斜角θが30°以上60°以下という条件が導き出される。ここで、突起傾斜角θの下限値である30°は、図6及び図7に示すように、せん断力Qに対する最大耐力Qmax及び軸力Nに対する最大耐力Nmaxの上昇率が顕著に高くなる値である。また、突起傾斜角θの上限値である60°は、これ以上、突起傾斜角θを大きくしても、せん断力Qに対する最大耐力Qmax及び軸力Nに対する最大耐力Nmaxの上昇率が大きく変化しない値である。
次に、上記のFEM解析において、鋼管杭10の外径Dを1000mm、鋼管杭10の板厚tを6.6mm、鋼管杭10のポアソン比νを0.30、突起12の突起高さhを4mm、突起12の突起幅wを10mm、突起12の突起傾斜角θを45°、突起12の延設長Lを500mmに設定した。すなわち、突起12の延設長Lが鋼管杭10の局部座屈半波長λ(=199mm)以上という条件が満たされている。
上記の条件の下で、突起12の突起間隔Sを0mm〜300mmの範囲で変化させた場合における、突起12の突起間隔Sとせん断力Qに対する局部座屈抵抗(せん断力Qに対する最大耐力)との関係を解析した結果を下記表4に示す。なお、下記表4において、突起12の突起間隔Sが199mm以下のとき、突起12の突起間隔Sが鋼管杭10の局部座屈半波長λ以下という条件が満たされる。
Figure 2015045872
表4において、Qmax(kN)は、表1及び表2と同様に、鋼管杭10の上端部に作用するせん断力Qを徐々に増大させて鋼管杭10を強制的に変形させた場合に、最終的に鋼管杭10に局部座屈が発生して最大耐力に至った時点でのせん断力Qを示している。すなわち、このQmaxは、せん断力Qに対する鋼管杭10の局部座屈抵抗(せん断力Qに対する最大耐力)を示している。
突起間隔Sが「無し」のとき(鋼管杭10に突起12が存在しないとき)の最大耐力Qmax(=794kN)を、基準耐力Q0と定義する。従って、表4において、突起間隔Sが「無し」のとき、最大耐力Qmaxと基準耐力Q0との比(=Qmax/Q0)は、“1”となる。表4における「Qmax/Q0」は、突起12の突起間隔Sの変化に対する最大耐力Qmaxの上昇率を示す無次元数である。
図8は、表4における「S/√(D・t)」が横軸として設定され、表4における「Qmax/Q0」が縦軸として設定されたグラフを示す。図8に示すように、「S/√(Dt)」が2.44以下となるとき、「Qmax/Q0」が1.022以上となる。すなわち、突起12の突起間隔Sが鋼管杭10の局部座屈半波長λ(=199mm)以下という条件を満たすとき、せん断力Qに対する鋼管杭10の最大耐力Qmaxの上昇率が2.2%以上となる。このように、突起12の延設長Lが鋼管杭10の局部座屈半波長λ以上という条件を満たし、且つ突起12の突起間隔Sが鋼管杭10の局部座屈半波長λ以下という条件(すなわち、上記(3)式で規定される条件)を満たすとき、せん断力Qに対する鋼管杭10の局部座屈抵抗が著しく上昇することが確認された。
以上のように、突起12の延設長Lが鋼管杭10の局部座屈半波長λ以上という条件(第1条件)、突起傾斜角θが30°以上90°未満という条件(第2条件)、及び突起12の突起間隔Sが鋼管杭10の局部座屈半波長λ以下という条件(第3条件)を満たす本実施形態に係る合成構造1によれば、鋼管杭10の板厚tに起因するメリットとデメリットとのバランスが最適となる条件(外径Dと板厚tとの比率D/tが50以上100以下という条件)を満足しながら、補剛領域B1と素管領域B2との境界における局部座屈抵抗の向上を実現することが可能となる。
なお、上記の解析結果から理解されるように、少なくとも、上記の第1条件を満たす合成構造であれば、上記の効果を得ることができる。しかしながら、鋼管杭10の局部座屈抵抗をより向上させるためには、第1条件に加えて、第2条件及び第3条件の少なくとも一方を満たす合成構造を採用することが好ましい。
ところで、上記実施形態では、補剛領域B1の全部に突起12が形成されている場合(つまり、コンクリート30と接触する内周面11の全部に突起12が形成されている場合)を例示したが、少なくとも第1条件を満たしてさえいれば、補剛領域B1の全部に突起12が形成されている必要はない。例えば、図9に示すように、補剛領域B1に、突起12が形成されていない領域(平坦領域A2)と、突起12が形成されている領域(突起領域A1)とが含まれていてもよい。ただし、鋼管杭10とコンクリート30との付着強度を強くするためには、補剛領域B1の全部に突起12が形成されていることが好ましい。
また、上記実施形態では、突起領域A1において、補剛領域B1と素管領域B2との境界が1つ存在する場合を例示したが、例えば、図10に示すように、突起領域A1において、補剛領域B1と素管領域B2との境界が2つ存在するような合成構造を採用してもよい。図10に示す合成構造においても、少なくとも第1条件を満たす必要がある。つまり、図10において、補剛領域B1の上端から管軸方向Yの上方へ向かって延設された突起12の延設長Lと、補剛領域B1の下端から管軸方向Yの下方へ向かって延設された突起12の延設長Lとの両方が、鋼管杭10の局部座屈半波長λ以上の長さに設定される必要がある。
また、上記実施形態では、鋼管杭10に接合される接合対象部材としてH形鋼20を例示したが、鋼管杭10に挿入可能な形状を有する物であれば、どのような接合対象部材であってもよい。
また、上記実施形態では、鋼管杭10の内周面11に突起12が設けられている場合を例示したが、この突起12に加えて、鋼管杭10の外周面から鋼管杭10の半径方向外側へ向かって突出し且つ鋼管杭10の管軸方向Yに沿って螺旋状に延設された突起が設けられていてもよい。
以上のように、上記実施形態によれば、少なくとも第1条件を満たすことにより、補剛領域B1と素管領域B2との境界において、補剛領域B1と素管領域B2とで断面剛性及び部材耐力の差異が小さくなる。
これにより、補剛領域B1と素管領域B2との境界において、補剛領域B1から素管領域B2までの断面剛性及び部材耐力を漸減させて、鋼管(鋼管杭10)の断面剛性及び部材耐力の急激な減少を防止することが可能となる。また、上記実施形態によれば、鋼管の補剛領域B1と素管領域B2との境界において、曲げ力M、軸力N、せん断力Q等の荷重に起因する鋼管に対する応力集中の発生を回避して、素管領域B2における局部座屈の発生を防止することが可能となる。
また、上記実施形態によれば、鋼管の補剛領域B1と素管領域B2との境界において、鋼管の局部座屈抵抗を向上させることができるため、鋼管と接合対象部材との接合箇所等において、建築構造物等の支持を十分なものとすることが可能となる。
また、上記実施形態では、鋼管の突起(12)を鋼管の半径方向Xの内側から視たとき、鋼管の周方向Wと突起との間の角度が、30°以上90°未満に設定されている。
これにより、上記実施形態では、突起が存在しない鋼管の薄い部位が鋼管の管周方向の断面で連続しない。その結果、鋼管の局部座屈抵抗を向上させることができるため、素管領域B2における局部座屈の発生を防止することが可能となる。
また、上記実施形態によれば、突起が、鋼管の管軸方向Yに沿って螺旋状に設けられているので、鋼管とコンクリート(30)との付着強度を向上させることができる。また、鋼管とコンクリートとの付着強度を向上させるために補剛領域B1に設けられた突起を、鋼管の管軸方向Yに沿ってさらに延ばして設けることができ、局部座屈抵抗を向上させた鋼管を効率的に製造することが可能となる。さらに、上記実施形態によれば、例えば、突起が設けられた鋼帯を螺旋状に造管した場合において、鋼管の製造効率を著しく向上させることが可能となる。
従来では、鋼管とコンクリートとの付着強度を確保することのみを目的とした場合に、突起が設けられた鋼帯を螺旋状に造管すること等によって、鋼管の周方向Wに対して10°〜20°程度傾斜した突起を鋼管に設けていた。
これに対して、上記実施形態によれば、鋼管とコンクリートとの付着強度を確保するために突起を設ける鋼管の製造工程を直接的に利用して、鋼管の局部座屈抵抗を向上させるために、鋼管の周方向Wに対して30°以上の角度で突起を傾斜させて、突起を鋼管に効率的に設けることが可能となる。
特に、上記実施形態によれば、突起傾斜角θを30°以上90°未満(最も好ましくは、30°≦θ≦60°)に設定することにより、鋼管に、管壁が蛇腹状に潰れるような局部座屈が発生することを確実に防止することが可能となる。また、鋼管の内周面(11)にコンクリートを確実に付着させて、鋼管とコンクリートとの付着強度を十分に確保することが可能となる。
また、上記実施形態では、鋼管を管軸方向Yに平行な断面で視たとき、突起の凸断面が、管軸方向Yに沿って鋼管の局部座屈半波長λ以下の間隔で並んでいる。つまり、突起の突起間隔Sが鋼管の局部座屈半波長λ以下に設定されている。
これにより、鋼管の管軸方向Yに沿って互いに隣り合う突起の間で、鋼管に作用する荷重に起因して素管領域B2に局部座屈が発生することを防止することが可能となる。
また、突起の突起間隔Sが鋼管の局部座屈半波長λ以下に設定されることにより、鋼管の局部座屈抵抗がより強化され、その結果、鋼管の部材耐力を著しく向上させることが可能となる。
以上、本発明の一実施形態について詳細に説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されず、上記実施形態によって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならない。
例えば、柱材または鞘管として用いられた鋼管に突起が設けられ、梁材が接合される鞘管に柱材(接合対象部材)が挿通されて、鞘管と柱材との間にコンクリートが充填された柱と梁との接合構造に対しても本発明を適用することができる。

1:合成構造
12:突起
10:鋼管杭(鋼管)
20:H形鋼(接合対象部材)
11:鋼管杭(鋼管)の内周面
30:コンクリート
13:座屈部位
L:延設長
A1:突起領域
A2:平坦領域
B1:補剛領域
B2:素管領域
W:周方向
X:半径方向
Y:管軸方向
本発明は、上記課題を解決して係る目的を達成するために、以下のような手段を採用する。
(1)本発明の一態様に係る合成構造は、鋼管と;一端部が前記鋼管に挿入された接合対象部材と;前記鋼管の内周面と前記接合対象部材の前記一端部との間に充填されたコンクリートと;を備える。前記鋼管は、前記鋼管の前記内周面から前記鋼管の半径方向内側へ向かって突出し且つ前記鋼管の管軸方向に沿って螺旋状に延設された突起を有する。前記鋼管の前記内周面において前記コンクリートと接触する領域を補剛領域と定義し且つ前記鋼管の前記内周面において前記コンクリートと接触しない領域を素管領域と定義したとき、前記突起は、前記補剛領域と前記素管領域との境界を跨ぐように前記管軸方向に沿って前記螺旋状に延設されている。前記素管領域における前記突起の前記管軸方向の延設長は、前記鋼管の局部座屈半波長以上である。前記突起を前記鋼管の前記半径方向の内側から視たとき、前記鋼管の周方向と前記突起との間の角度が、30°以上90°未満である。前記鋼管の前記局部座屈半波長をλ(mm)、前記鋼管の外径をD(mm)、且つ前記鋼管の板厚をt(mm)と定義したとき、前記局部座屈半波長λは下記式(1)で表され、前記鋼管の前記外径Dと前記板厚tとの比率D/tは50以上100以下である。
)上記(1)に記載の合成構造において、前記鋼管を前記管軸方向に平行な断面で視たとき、前記突起の凸断面が、前記管軸方向に沿って前記局部座屈半波長λ以下の間隔で並んでいてもよい。
上記()に記載の合成構造によれば、突起が存在しない鋼管の薄い部位が鋼管の管周方向断面で連続しない。その結果、鋼管の局部座屈抵抗を向上させることができるため、素管領域における局部座屈の発生を防止することが可能となる。
また、上記()に記載の合成構造によれば、鋼管に、管壁が蛇腹状に潰れるような局部座屈が発生することを確実に防止することが可能となる。また、鋼管の内周面にコンクリートを確実に付着させて、鋼管とコンクリートとの付着強度を十分に確保することが可能となる。
上記()に記載の合成構造によれば、鋼管とコンクリートとの付着強度を向上させるために補剛領域に設けられた突起を、鋼管の管軸方向に沿ってさらに延ばして設けることができ、局部座屈抵抗を向上させた鋼管を効率的に製造することが可能となる。
特に、従来では、鋼管とコンクリートとの付着強度を確保することのみを目的として突起が鋼管に設けられた場合に、突起を鋼管の周方向に対して10°〜20°程度傾斜させていた。しかしながら、上記()に記載の合成構造によれば、鋼管とコンクリートとの付着強度を確保するために突起を設ける鋼管の製造工程を直接的に利用して、鋼管の周方向に対して30°以上の角度で突起を傾斜させて、鋼管の局部座屈抵抗を向上させた突起を効率的に設けることが可能となる。
上記()に記載の合成構造によれば、鋼管の管軸方向に沿って互いに隣り合う突起の間で、鋼管に作用する荷重に起因して素管領域に局部座屈が発生することを防止することが可能となる。

Claims (3)


  1. 鋼管と;
    一端部が前記鋼管に挿入された接合対象部材と;
    前記鋼管の内周面と前記接合対象部材の前記一端部との間に充填されたコンクリートと;
    を備え、
    前記鋼管は、前記鋼管の前記内周面から前記鋼管の半径方向内側へ向かって突出し且つ前記鋼管の管軸方向に沿って螺旋状に延設された突起を有し、
    前記鋼管の前記内周面において前記コンクリートと接触する領域を補剛領域と定義し且つ前記鋼管の前記内周面において前記コンクリートと接触しない領域を素管領域と定義したとき、前記突起は、前記補剛領域と前記素管領域との境界を跨ぐように前記管軸方向に沿って前記螺旋状に延設されており、
    前記素管領域における前記突起の前記管軸方向の延設長は、前記鋼管の局部座屈半波長以上であり、
    前記鋼管の前記局部座屈半波長をλ(mm)、前記鋼管の外径をD(mm)、且つ前記鋼管の板厚をt(mm)と定義したとき、前記局部座屈半波長λは下記式(1)で表され、前記鋼管の前記外径Dと前記板厚tとの比率D/tは50以上100以下であることを特徴とする合成構造。
    Figure 2015045872
  2. 前記突起を前記鋼管の前記半径方向の内側から視たとき、前記鋼管の周方向と前記突起との間の角度が、30°以上90°未満であることを特徴とする請求項1に記載の合成構造。
  3. 前記鋼管を前記管軸方向に平行な断面で視たとき、前記突起の凸断面が、前記管軸方向に沿って前記局部座屈半波長λ以下の間隔で並んでいることを特徴とする請求項1または2に記載の合成構造。
JP2015539092A 2013-09-25 2014-09-10 合成構造 Expired - Fee Related JP6386462B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013197688 2013-09-25
JP2013197688 2013-09-25
PCT/JP2014/073921 WO2015045872A1 (ja) 2013-09-25 2014-09-10 合成構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2015045872A1 true JPWO2015045872A1 (ja) 2017-03-09
JP6386462B2 JP6386462B2 (ja) 2018-09-05

Family

ID=52743016

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015539092A Expired - Fee Related JP6386462B2 (ja) 2013-09-25 2014-09-10 合成構造

Country Status (4)

Country Link
JP (1) JP6386462B2 (ja)
AU (1) AU2014325437B2 (ja)
CA (1) CA2920289C (ja)
WO (1) WO2015045872A1 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6575422B2 (ja) * 2016-04-11 2019-09-18 Jfeエンジニアリング株式会社 ジャケット式構造物
CN109404224B (zh) * 2018-12-10 2024-06-18 重庆大学 一种基于边缘加劲组合壳体的风电混合塔筒

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000220139A (ja) * 1999-02-03 2000-08-08 Nippon Steel Corp 中掘り工法用鋼管杭
JP2002138496A (ja) * 2000-11-06 2002-05-14 Shimizu Corp 建築物の基礎構造および基礎の施工方法
JP2006292088A (ja) * 2005-04-12 2006-10-26 Nippon Steel Corp 管端部耐座屈変形特性に優れた鋼管
JP2009197472A (ja) * 2008-02-21 2009-09-03 Nippon Steel Corp 鋼管杭および基礎構造
JP2011144562A (ja) * 2010-01-15 2011-07-28 Nippon Steel Engineering Co Ltd 鋼管および鋼管杭、ならびに鋼管の製造方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000220139A (ja) * 1999-02-03 2000-08-08 Nippon Steel Corp 中掘り工法用鋼管杭
JP2002138496A (ja) * 2000-11-06 2002-05-14 Shimizu Corp 建築物の基礎構造および基礎の施工方法
JP2006292088A (ja) * 2005-04-12 2006-10-26 Nippon Steel Corp 管端部耐座屈変形特性に優れた鋼管
JP2009197472A (ja) * 2008-02-21 2009-09-03 Nippon Steel Corp 鋼管杭および基礎構造
JP2011144562A (ja) * 2010-01-15 2011-07-28 Nippon Steel Engineering Co Ltd 鋼管および鋼管杭、ならびに鋼管の製造方法

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
道路橋示方書(1共通編・4下部構造編)・同解説, JPN6016042372, 11 June 2012 (2012-06-11), JP, pages 448, ISSN: 0003571346 *

Also Published As

Publication number Publication date
JP6386462B2 (ja) 2018-09-05
AU2014325437B2 (en) 2016-10-13
CA2920289A1 (en) 2015-04-02
AU2014325437A1 (en) 2016-01-07
CA2920289C (en) 2018-05-01
WO2015045872A1 (ja) 2015-04-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9212486B2 (en) Column structure and base member
JP2011001792A (ja) ラーメン骨組の柱梁接合部構造および圧延h形鋼
JP2017057665A (ja) 柱梁接合構造
JP6386462B2 (ja) 合成構造
JP5456947B1 (ja) 複合杭
JP6393516B2 (ja) 異種鉄骨梁接合構造
JP5510597B1 (ja) 円形環補強梁部材
KR101549088B1 (ko) 강-콘크리트 합성관 및 그 연결 구조체
JP4819605B2 (ja) 端部と中央部とで強度の異なる緊張材を用いたプレキャストプレストレストコンクリート梁
JP2019127800A (ja) トラス梁
JP2014098288A (ja) Pc鋼材用シース
JP6152809B2 (ja) 柱梁接合部構造
JP2017128916A (ja) 柱梁接合構造
JP6432764B2 (ja) 柱接合構造
JP5280769B2 (ja) 柱梁接合構造
JP2017053101A (ja) 柱同士の接合構造の設計方法及び柱同士の接合構造
JP2017166182A (ja) フランジ構造及び形鋼
JP4062706B2 (ja) 接合構造体
JP6390284B2 (ja) 柱梁接合構造
JP6499421B2 (ja) 剪断補強筋及び鉄筋組立体
JP2012188871A (ja) コンクリート充填円形鋼管柱
JP6750555B2 (ja) ノンダイアフラム型の柱梁接合構造体
TWM498783U (zh) 鋼筋混凝土結構樑穿孔補強鋼筋結構
JP2013023998A (ja) 耐荷材
JP6807787B2 (ja) 鉄骨梁補強構造

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161108

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170106

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20170606

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180809

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6386462

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees