JP5456947B1 - 複合杭 - Google Patents

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Abstract

製造時に外殻鋼管付きコンクリート部とプレストレストコンクリート部との境界部の破損が生じ難く、外殻鋼管付きコンクリート杭(SC杭)とプレストレストコンクリート杭(PC杭)の両性能が効果的に得られる複合杭である。複合杭1は、SC部2とPC部3とからなる中空管である。SC部2において、PC部3との境界から軸方向に定着部4がある。両端には環状の端板10が設けられている。高強度コンクリート6からなる管肉の略中央には、軸方向の全長に渡ってPC鋼材7が環状に配設され、該PC鋼材7の外周には全長に渡って螺旋筋8が配設されている。SC部2の鋼管5は、PC部3に接続される側の鋼管5端部の管肉が、管内面側から管外面側に向かって傾斜して先細り状になっている。また、管肉が先細り状となったSC部2の鋼管5端部付近の鋼管内面にリング筋8が周方向に1個以上取付けられている。

Description

本発明は、外殻鋼管付きコンクリート杭とプレストレストコンクリート杭の性能を併せ持つ杭であって、軟弱地盤での施工、施工効率が求められる施工などに好適な複合杭に関する。
杭基礎施工においては、施工目的に応じて様々な種類の既製杭が使用されている。既製杭の種類としては、中空コンクリート杭、外殻鋼管付きコンクリート杭(SC杭)、鉄筋コンクリート杭(RC杭)、プレストレストコンクリート杭(PC杭)、プレストレスト鉄筋コンクリート杭(PRC杭)、プレストレスト高強度コンクリート杭(PHC杭)、拡径プレストレストコンクリート杭(ST杭)、節付きプレストレストコンクリート杭(節杭)などが知られている。
このうち、本発明に関係するものとしては、外殻鋼管付きコンクリート杭(SC杭)、プレストレストコンクリート杭(PC杭)、プレストレスト高強度コンクリート杭(PHC杭)、拡径プレストレストコンクリート杭(ST杭)、節付きプレストレストコンクリート杭(節杭)などである。
外殻鋼管付きコンクリート杭(SC杭)はコンクリートを鋼管の中空部に注入し遠心締め固めによって製造したものであり、大きな曲げ変形を生じてもコンクリートが鋼管の局部座屈を防止しコンクリートは鋼管により拘束されているので非常に大きな靭性を有し、主に杭基礎の上杭として使用されている。設計基準強度50N/mm2以上の高強度コンクリートを遠心成形したものであれば特に限定されない。また、鋼管の降伏点又は耐力は235N/mm2以上のものが一般的に使用されている。
また、プレストレストコンクリート杭(PC杭)は遠心成形コンクリート杭の一種であり、PC鋼材に螺旋筋を取付けた鉄筋かごを鋼製の円筒形型枠に配置した後、設計基準強度50N/mm2以上の高強度コンクリートを投入し、遠心締め固めによって製造した円空形状の製品である。軸方向には、プレテンション方式でPC鋼材によりコンクリートに圧縮応力(プレストレス)が与えられている。プレストレス量には、A種(4N/mm2)、B種(8N/mm2)、C種(10N/mm2)などがある。杭に圧縮応力を与えているため、鉄筋コンクリート杭(RC杭)よりも曲げ特性に優れるとともに、打ち込み時の衝撃に対して強い杭である。
また、プレストレスト高強度コンクリート杭(PHC杭)は、上記PC杭において設計基準強度80N/mm2以上の高強度コンクリートを用いて製造したものであり、上記PC杭の特性を備えるとともに高強度でひび割れし難く、中高層建築物や地盤対策建築物の基礎杭として使用されている。
また、拡径プレストレストコンクリート杭(ST杭)は、支持力を大きくするために、上記PC杭の一端を拡大した製品である。拡径部外径は杭本体径より5〜20cm大きく、拡径部の長さは拡径部外径の2倍としたものが一般的に使用されている。ST杭を用いると先端支持力が大きくなるため上杭に大きな水平力が与えられる。
また、節付きプレストレストコンクリート杭(節杭)は、周面摩擦力および支持力を大きくするために上記PC杭に所定の間隔で突起を設けた杭である。節間隔は1m、節外径は杭本体径+150〜200mmのものが一般的に使用されている。節杭を用いると周面摩擦力および支持力が大きくなるため上杭に大きな水平力が与えられる。
また、2種類の上記既製杭を接続あるいは一体化して複合杭として用いることも知られている。例えば、軟弱地盤で大きな水平力が作用する場所での杭基礎施工では、上記外殻鋼管付きコンクリート杭(SC杭)とプレストレスト高強度コンクリート杭(PHC杭)、鋼管杭とコンクリート杭(PC杭、PHC杭)などが接続して用いられている。
これら複合杭に関する特許も幾つか出願されており、例えば、特許文献1には、鋼管杭とSC杭とを接合した杭であってSC杭を構成する鋼管の内周面下部に一段または複数段の突起を設けたものが開示されている。
また、特許文献2には、一端側に外殻鋼管付きコンクリート複合部を、これより他方端までコンクリート部をそれぞれ形成するように一体成形したものであって、前記外殻鋼管付きコンクリート複合部の全長または一部分と前記コンクリート部の全長に渡って軸方向鉄筋が配置され、前記コンクリート部には螺旋筋を配設した鋼管・鉄筋コンクリート複合杭が開示されている。
日本国特開2007−285019号公報 日本国特開2012−057443号公報
特許文献1に開示されるように、鋼管杭とSC杭など2種類の既製杭を接続金具や溶接で接続した複合杭があるが、このような2種類の杭を接続するものは接続に手間がかかりコスト高となる。
また、特許文献2に開示されるように、外殻鋼管付きコンクリート杭(SC杭)と鉄筋コンクリート杭(RC杭)とを一体化した複合杭はあるものの、特許文献2の段落0014に記載されるように、SC杭とPHC杭のようなプレストレスを導入した杭(PC杭)とを一体化したものを得ようとすると、製造上の問題として、コンクリート硬化後の脱型時に緊張板の固定を解除してプレストレスを導入する際、SC部とPHC部との境界部に軸力が集中してクラックなどが生じ、該境界部が破損し易いといった問題がある。
この問題に対応すべく特許文献2ではコンクリート部だけに螺旋筋を配設しているが、このようにコンクリート部だけに螺旋筋を配設しただけでは十分ではない。また、定着部が長いとコンクリートと鋼管が一体挙動しない外殻鋼管付きコンクリート部が多くなったりコスト高になったりする。
本発明は上記課題を鑑みてなしたものであり、製造時に外殻鋼管付きコンクリート部とプレストレストコンクリート部との境界部の破損が生じ難く、外殻鋼管付きコンクリート杭(SC杭)とプレストレストコンクリート杭(PC杭)の両性能が効果的に得られる複合杭を提供することを主目的とする。また、定着部の長さが短い上記複合杭を得ることを副目的とする。
本発明は、「外殻鋼管付きコンクリート杭とプレストレストコンクリート杭の性能を併せ持った複合杭であって、一端側に形成された外殻鋼管付きコンクリート部と、これより他方端まで形成されたコンクリート部とが一体化してなり、軸方向の全長に渡ってPC鋼材と螺旋筋が配設され、前記外殻鋼管付きコンクリート部における前記コンクリート部に接続される側の鋼管端部の管肉が、管内面側から管外面側に向かって傾斜して先細り状になっていることを特徴とする複合杭」である。
本発明の複合杭は、一端側に形成された外殻鋼管付きコンクリート部(以下、「SC部」と称する)と、これより他方端まで形成されたコンクリート部(以下、「PC部」と称する)とが一体成形され一体化してなる中空管である。
SC部の外径・内径(鋼管の外径、コンクリート管の内径)とPC部の外径・内径(コンクリート管の外径・内径)とは同じ寸法でも異なっていても良い。また、PC部には節杭のように節が設けられていても良い。複合杭の両端部には端板が取付けられている。
上記SC部は従来の外殻鋼管付きコンクリート杭(以下、「SC杭」と称する)に対応するものである。SC部に用いられる鋼管はSC杭に用いられているものであれば特に限定されない。また、鋼管の内側に形成されるコンクリート管は従来から用いられているものであれば特に限定されないが、設計基準強度50N/mm2以上の高強度コンクリート、更には設計基準強度80N/mm2以上の高強度コンクリートからなるものが好ましい。
上記PC部は従来のプレストレストコンクリート杭(以下、「PC杭」と称する)に対応するものである。従来のPC杭に用いられるコンクリートを遠心成形したものであれば特に限定されないが、コンクリートとして設計基準強度50N/mm2以上のものを用いるのが好ましく、設計基準強度80N/mm2以上の高強度コンクリートを用いるのがより好ましい。設計基準強度80N/mm2以上の高強度コンクリートを用いれば、PC部はプレストレスト高強度コンクリート杭(PHC杭)に対応するものとなり、SC杭とPHC杭の両方の性能を兼ね備えた高強度・高耐久性の杭となる。
上記PC部は、基本的には上記の通りPC杭に対応するものであるが、必ずしもこれに限定されるものではなく、上記のように高強度コンクリートを用いてPHC杭に対応するものにしたり、拡径部を設けてST杭に対応するものにしたり、節を設けて節杭に対応するものにしたりすることができる、広い概念のものである。
本発明の複合杭の外径は特に限定されないが、好ましくは0.3〜1.5mである。また、1本の長さは4〜15mが好ましい。また、上記SC部の長さは3m以上が好ましい。上記SC部は地面に近く地盤の弱い地盤上部に配置されるが、3m未満であるとSC杭としての作用効果が十分得られず、地盤上部の補強が弱くなる虞がある。
本発明の複合杭では、軸方向の全長に渡ってPC鋼材が環状に配設されている。PC部だけでなくSC部にも配設することによりSC部のコンクリートおよび鋼管にもプレストレスが作用するため、外殻鋼管付きコンクリート杭(SC杭)とプレストレストコンクリート杭(PC杭)の両性能が効果的に得られる。PC鋼材は従来からPC杭に使用されているものであれば特に限定されない。また、PC鋼材の配設形態は従来のPC杭と同様である。
また、本発明の複合杭では、軸方向の全長に渡って螺旋筋が配設されている。このようにすることによりSC部に配置されたPC鋼材が投入されたコンクリートによってバラバラにならず、SC部のコンクリートおよび鋼管にも効率良くプレストレスが作用するといった効果が得られる。
螺旋筋は普通鉄線または高強度螺旋筋とし、例えば、外径500mm以下の螺旋では線径3mm以上、外径600mmの螺旋では線径4mm以上、外径700〜1000mmの螺旋では線径5mm以上とするのが好ましい。ピッチはいずれも110mm以下が好ましい。これらの範囲を外れると螺旋筋としての効果が十分得られなくなる可能性がある。
また、本発明では、上記SC部において上記PC部に接続される側の鋼管端部の管肉が、管内面側から管外面側に向かって傾斜して先細り状になっている。このようにすることによって脱型時(プレストレス導入時)の鋼管端部作用力は、鋼管端部のテーパによって、軸方向力と管内面方向へ分散される。そのため、鋼管端部のコンクリートに作用する力が小さくなるので、製造での脱型時(プレストレス導入時)に上記SC部と上記PC部との境界部の破損が生じ難くなる。
なお、傾斜した鋼管端部の先端は尖がっていても良いが、安全性や作業性を考慮して1〜3mm程度の平面にしておくのが好ましい。
以上の通り、軸方向の全長に渡ってPC鋼材を配設し、かつ、軸方向の全長に渡って螺旋筋を配設し、かつ、上記SC部において上記PC部に接続される側の鋼管端部の管肉を、管内面側から管外面側に向かって傾斜した先細り状とすることにより、前記本発明の主目的が効果的に達成できる。
本発明の複合杭は、さらに、「外殻鋼管付きコンクリート部とコンクリート部のコンクリートが設計基準強度50N/mm2以上の高強度コンクリートである」ようにすることが好ましい。
外殻鋼管付きコンクリート部とコンクリート部(PC部)に用いるコンクリートを設計基準強度50N/mm2以上の高強度コンクリートにすることにより、前記境界部の破損が生じ難くなるとともに、前述の通り、SC杭とPHC杭の両方の性能を兼ね備えた高強度・高耐久性の杭が得られる。
本発明の複合杭は、さらに、「管肉が先細り状となった鋼管端部付近の鋼管内面にはリング筋が取付けられている」ようにすることが好ましい。
一般的に、SC杭に対応するSC部とPC杭に対応するPC部からなる複合杭では、両者の境界からSC部方向に向かって杭径の1〜1.5倍程度は定着部と言われている。この定着部は、脱型時(プレストレス導入時)のプレストレス力をコンクリートと鋼管の付着力によって鋼管に伝達するといった作用効果を有する部分である。この定着部の長さが長いとコンクリートと鋼管が一体挙動しないSC部が多くなるので好ましくない。
本発明ではこの定着部の長さを短くするべく、管肉が先細り状となった前記SC部の鋼管端部付近の鋼管内面にリング筋を取付けた。このようにすることにより鋼管内部のコンクリートと鋼管の付着力に加えてリング筋の支圧力によっても脱型時(プレストレス導入時)のプレストレス力を鋼管に伝達することになるのでリング筋を設けない場合に比べ定着部の長さを短くできる。
リング筋は鋼製の筋であり、筋の断面形状は円形だけでなく楕円径、四角形、三角形など様々な形状のものがとり得る。リング筋の太さは6mm以上が好ましい。6mm未満だと前記定着部に作用する力の分散効果が十分得られないことがある。
リング筋の設置位置は前記SC部の鋼管端部付近である。リング筋はリングがSC部の軸方向と直角方向になるように周方向に設置する。該リング筋の設置数は1個に限らず、2〜3個を軸方向に10〜20cmの間隔で設置してもよい。リング筋の鋼管内面の取付け方法は特に限定されない。例えば、溶着、ボルト等の締結金具による。
本発明の複合杭は、さらに、「前記傾斜の傾斜角θが30〜50°」であるようにすることが好ましい。
本発明では、上記SC部において上記PC部に接続される側の鋼管端部の管肉が、管内面側から管外面側に向かって傾斜して先細り状になっているが、その傾斜角θは30〜50°であるのが好ましい。30°未満では鋼管端部のコンクリートに作用する軸方向力が大きくなり、上記SC部と上記PC部との境界部の破損が生じやすくなり、50°を超えると端部が変形しやすくなる。なお、本発明で言う「傾斜角θ」は、杭軸方向に直角な垂線と傾斜面とのなす角である。
上記本発明の複合杭は、軟弱地盤での施工、施工効率が求められる施工などの杭施工に好適に使用することができる。
本発明のSC部とPC部とからなる複合杭では、軸方向の全長に渡ってPC鋼材を配設し、かつ、軸方向の全長に渡って螺旋筋を配設し、かつ、前記SC部において前記PC部に接続される側の鋼管端部の管肉を、管内面側から管外面側に向かって傾斜した先細り状としたので、製造での脱型時(プレストレス導入時)にSC部とPC部との境界部の破損が生じ難く、外殻鋼管付きコンクリート杭(SC杭)とプレストレストコンクリート杭(PC杭)の両性能が効果的に得られる。
また、SC部の定着部において、管肉が先細り状となった鋼管端部付近の鋼管内面にリング筋を取付けることにより、定着部の長さが短い複合杭を得ることができる。
本発明の複合杭の一例における全体の概略を示す側面図である。 図1の境界部の部分の拡大図である。 本発明の複合杭におけるリング筋が無い場合の力学的作用機構を示す図である。 本発明の複合杭におけるリング筋がある場合の力学的作用機構を示す図である。 本発明の複合杭の図1とは異なる他例における全体の概略を示す側面図である。 本発明の複合杭の図1、図5とは異なる他例における全体の概略を示す側面図である。 本発明のリング筋を備えた複合杭における、固定金具によるリング筋の鋼管内面への取付け例を示す側面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
図1は、本発明の複合杭1の一例における全体の概略を示す側面図である。
複合杭1は、SC部2とPC部3とからなる中空管である。また、SC部2において、PC部3との境界から軸方向に約1mは定着部4となっている。また、両端には環状の端板10が設けられている。
この例では、複合杭1長さは10mであり、SC部2とPC部3の長さ比は、おおよそSC部:PC部=2:1となっている。この比はこれに限定されるものではなく、SC部2の長さが3m以上あれば、あらゆる比をとることができる。施工地盤との関係でSC杭としての効果をより強く得たければ、SC部2の長さ比を高くすればよい。また、管の外径は100cmであり内径は74cmである。
複合杭1は設計基準強度105N/mm2の高強度コンクリート管からなり、SC部2は肉厚6mmの鋼管5で被覆されている。
鋼管5は、PC部3に接続される側の鋼管5端部の管肉が、管内面側から管外面側に向かって傾斜して先細り状になっている。傾斜面が杭軸方向に直角な垂線(仮想線)となす傾斜角θは30〜50°が好ましい。この例では45°である。このようにすることによって鋼管端部のコンクリートに作用する力が杭軸方向や管内面方向に分散されることとなるので、製造での脱型時(プレストレス導入時)にSC部2とPC部3との境界部の破損が生じ難くなる。
この例では、SC部2の外径・内径(鋼管の外径、コンクリート管の内径)とPC部3の外径・内径(コンクリート管の外径・内径)とは同じ寸法である。
本発明の複合杭1では、高強度コンクリート6からなる管肉の略中央には、軸方向の全長に渡ってPC鋼材7が環状に配設されている。PC鋼材7は従来からPC杭に用いられているものと同様のものであり、両側の端板10に取付けられている。PC鋼材7をPC部3だけでなくSC部2まで延長して配設することによりSC部にもプレストレスが作用するのでSC部を強化したより高性能な複合杭が得られる。
また、図に示すように、PC鋼材7の外周には全長に渡って螺旋筋8が配設されている。この例では、螺旋筋8は太さ5mmの鉄筋からなり筋のピッチは100mmである。このように螺旋筋8を配設することにより、PC鋼材7が製造投入されたコンクリートによってバラバラにならず、SC部にもプレストレスが確実に作用するといった作用効果が得られる。
また、SC部2においてPC部3に接続される側の鋼管5端部の管肉が、図に示すように、管内面側から管外面側に向かって傾斜して先細り状になっている。このようにすることによって脱型時(プレストレス導入時)の鋼管端部の作用力(圧縮力)は、該端部のテーパによって、軸方向力と管内面方向へ分散される。そのため、鋼管端部のコンクリートに作用する作用力が小さくなるので、製造での脱型時(プレストレス導入時)にSC部2とPC部3との境界部の破損が生じ難くなる。
更に、図に示すように、管肉が先細り状となったSC部2の鋼管5端部付近の鋼管内面にリング筋9が周方向に1個溶着により取付けられている。リング筋9は断面円形の鉄筋であり、その太さは6mmである。リング筋9を設けることにより高強度コンクリート6と鋼管5との付着力に加えてリング筋による支圧力が増加するために、定着部4の長さがリング筋9を設けない場合に比べ4割〜8割程度にまで短縮できる。そして、定着部4を短縮することによりコンクリートと鋼管が一体挙動しないSC部が少なくなるので、SC杭とPC杭の両性能がより効果的に得られる複合杭となる。
図2は、図1の境界部Aの部分の拡大図である。枠内は、管肉が先細り状となった鋼管5のテーパ部の拡大図である。
SC部2の鋼管5の管肉は、図に示すように、PC部3方向の先端にテーパ11が設けられ、傾斜角θで傾斜している。「傾斜角θ」の定義は前述の通りであり、傾斜面(テーパ11)が仮想垂線15となす角である。傾斜角θは30〜50°が好ましい。また、テーパ11の少し内側の鋼管5内面にリング筋9が溶着部12により固定されている。
このように、鋼管5の管肉にテーパ11を設け、かつ、テーパ11付近の鋼管5内面にリング筋9を取付ければ、境界部Aでの高強度コンクリート6のひび割れ等による破損が生じ難くなるとともに定着部4の長さが短くできるので、高品質で高性能の複合杭1が得られる。なお、テーパ11の先端は、安全性や作業性を考慮して幅2mm程度の平面14にしてある。
図3は、本発明の複合杭1におけるリング筋9が無い場合の力学的作用機構を示す図である。枠内は、管肉が先細り状となった鋼管5のテーパ部の拡大図である。
SC部2には、矢印の方向にコンクリートと鋼管の付着力Fが働いている。また、PC部3には、矢印の方向にPC鋼材7によるプレストレス導入によりプレストレスによる圧縮力(P)が働いている。
SC部2の鋼管5には、コンクリートと鋼管の付着力(F)によってプレストレスが作用する。この付着力(F)は、高強度コンクリート6の鋼管5に対する付着応力に定着部4の表面積を乗じたものである。
上記プレストレスによる圧縮力(P)に対しコンクリートと鋼管の付着力(F)で抵抗し、力学的にはコンクリートと鋼管の付着力(F)≦プレストレスによる圧縮力(P)となる。
図4は、本発明の複合杭1におけるリング筋9がある場合の力学的作用機構を示す図である。枠内は、管肉が先細り状となった鋼管5のテーパ部の拡大図である。
SC部2には、矢印の方向にコンクリートと鋼管の付着力(F)とリング筋によるコンクリートの支圧力(N)が働いている。また、PC部3には、矢印の方向にPC鋼材7によるプレストレス導入によりプレストレスによる圧縮力(P)が働いている。
付着力(F)は、高強度コンクリート6の鋼管5に対する付着応力に定着部4の表面積を乗じたもの、リング筋による支圧力(N)は、リング筋9の軸方向断面積に高強度コンクリート6の支圧強度を乗じたものである。
上記プレストレスによる圧縮力(P)に対しコンクリートと鋼管の付着力(F)とリング筋によるコンクリートの支圧力(N)で抵抗し、力学的にはコンクリートと鋼管の付着力(F)+リング筋によるコンクリートの支圧力(N)≦プレストレスによる圧縮力(P)となる。
図3と図4を比較してわかるように、リング筋9を取付けた場合はコンクリートと鋼管の付着力(F)に加えてリング筋9によるコンクリートの支圧力(N)が働くので、その分定着部の長さ13を短縮できる。定着部の長さ13を短縮すればプレストレスをSC部2に与えるに必要な定着部4の鋼管代が節約されるとともにSC部2にも確実にプレストレスを付与することができるので好ましい。
図5は、本発明の複合杭1の図1とは異なる他例における全体の概略を示す側面図である。
この例も複合杭1はSC部2とPC部3とからなるが、該PC部3がST杭に対応する拡径部16を有するものとなっている点で図1のものとは異なる。拡径部16を設けている以外の構成、作用機構は図1に示すものと同じである。
この例では、図に示すように、PC部3の長さの約半分弱が拡径部16になっているがこれに限定されるものではなく、拡径部16の長さを任意に設けても良い。拡径部16の外径は杭本体径より10cm大きくなっている。拡径部の長さ、外径等は拡径部16に作用する杭先端荷重に抵抗できるように決められる。
PC部3に拡径部16を設けてST杭に対応するものとしたことにより水平支持力の高い杭が得られる。したがって、この複合杭1は地表面付近の地盤が粘土やシルトのような微細な粒子に富んだ柔らかい土、間隙の大きい有機質土又は泥炭、ゆるい砂といったものからなる地盤強度が低い軟弱地盤での杭基礎施工に有効である。
図6は、本発明の複合杭1の図1、図5とは異なる他例における全体の概略を示す側面図である。
この例も複合杭1はSC部2とPC部3とからなるが、該PC部3が節杭に対応する節17を有するものとなっている点で図1、図5のものとは異なる。節17を設けている以外の構成、作用機構は図1に示すものと同じである。
この例では、図に示すように、PC部3に2列の節(環状突起)17が約100cmの間隔で設けられている。節17の外径は杭本体径+150mmとなっている。節17の設け方はこれに限定されるものではなく、1列もしくは3列以上の多数列からなる節を設けたり、節17の外径が杭本体径+200mmとなるように大きく突出させて設けても良い。節の大きさ、節間の間隔等は杭先端支持力によって決められる。
PC部3に節17を設けて節杭に対応するものとしたことにより周面摩擦力、水平支持力の高い杭が得られる。したがって、この複合杭1は、前記拡径部16を有するものと同様、地表面付近の地盤が粘土やシルトのような微細な粒子に富んだ柔らかい土、間隙の大きい有機質土又は泥炭、ゆるい砂といったものからなる地盤強度が低い軟弱地盤での杭基礎施工に有効である。
図7は、本発明のリング筋9を備えた複合杭1における、固定金具18によるリング筋9の鋼管5内面への取付け例を示す側面図である。
図に示すように、リング筋9を湾曲した固定金具18で挟み込み、予め鋼管5に穿けられたボルト孔にボルト19を挿入してボルト19で固定する。固定金具18は周方向に4か所以上取付けられる。固定金具18の周方向の幅は特に限定されない。この取付け方法によれば、リング筋9を鋼管5の内面に確実に取付けることができる。
次に、図1に示す本発明の複合杭1の製造方法の概略を示す。
リング筋9を設ける場合は、鋼管5にあらかじめリング筋9を溶着、固定金具等で取付ける。次に従来通りの方法でPC鋼材7に螺旋筋8を取付け鉄筋かごを製作する。鋼管5に設置されている端板10に、その鉄筋かごの端部を取付ける。鋼管5と鉄筋かごを型枠に設置し高強度コンクリート6を投入した後、プレストレスを導入するために、PC鋼材7を緊張する。その後、従来通りの中空杭の製造方法で遠心成型、養生を行う。養生後、脱型をすることによってプレストレスを導入しSC部2およびPC部3に作用させる。
リング筋9を設けない場合は、リング筋9を取付けていない鋼管5を用いる。製造方法は上記リング筋9を設ける場合と同様である。
1…複合杭、2…SC部、3…PC部、4…定着部、5…鋼管、6…高強度コンクリート、7…PC鋼材、8…螺旋筋、9…リング筋、10…端板、A…境界部、11…テーパ、12…溶着部、13…定着部の長さ、14…平面、15…仮想垂線、16…拡径部、17…節、18…固定金具、19…ボルト、F…コンクリートと鋼管の付着力、P…プレストレスによる圧縮力、N…リング筋によるコンクリートの支圧力

Claims (4)

  1. 外殻鋼管付きコンクリート杭とプレストレストコンクリート杭の性能を併せ持った複合杭であって、一端側に形成された外殻鋼管付きコンクリート部と、これより他方端まで形成されたコンクリート部とが一体化してなり、軸方向の全長に渡ってPC鋼材と螺旋筋が配設され、前記外殻鋼管付きコンクリート部における前記コンクリート部に接続される側の鋼管端部の管肉が、管内面側から管外面側に向かって傾斜して先細り状になっていることを特徴とする複合杭。
  2. 請求項1記載の複合杭において、前記外殻鋼管付きコンクリート部と前記コンクリート部のコンクリートが設計基準強度50N/mm以上の高強度コンクリートであることを特徴とする複合杭。
  3. 請求項1又は2記載の複合杭において、管肉が先細り状となった前記鋼管端部付近の鋼管内面にはリング筋が取付けられていることを特徴とする複合杭。
  4. 請求項1、2又は3記載の複合杭において、前記傾斜の傾斜角θが30〜50°であることを特徴とする複合杭。
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