JP2017120018A - 杭 - Google Patents

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Abstract

【課題】変形性能や継続使用性を向上させることが可能な杭を提供する。【解決手段】杭1は、コンクリート製の筒体3と、端板5、杭主筋7、PC鋼材、鋼管17等からなる既製杭10において、筒体3の内側に中詰コンクリート19を充填したものである。端板5は筒体3の端面に設けられる。杭主筋7は端板5に接続され、PC鋼材は端板5に定着される。鋼管17は筒体3の端部付近において筒体3の外周面に設けられ、端板5には接続されない。【選択図】図3

Description

本発明は杭に関する。
近年、高強度コンクリートを用いた中空の高支持力杭の開発により、既製杭のコスト競争力が増し、広く用いられてきている。このような既製杭としてPHC(Pretensioned Spun High Strength Concrete)杭やPRC(Pretensioned and Reinforced Spun High Strength Concrete)杭がある。
PHC杭は、高強度コンクリートを遠心成形した円筒状の部材にプレテンション方式によるプレストレスを加えたものであり(特許文献1、2等参照)、PRC杭はPHC杭に鉄筋コンクリート用異形鋼棒や平鋼等による補強を行ったものである。
図13は従来のPRC杭101の例であり、軸方向に沿った断面を示す図である。PRC杭101では、高強度コンクリートによる円筒状の筒体103の端面に環状の端板105が設けられる。筒体103の軸方向の端部付近では、筒体103の外周面に鋼板による筒状の補強バンド111が設けられる。補強バンド111の端部は端板105に溶接される。
筒体103には、軸方向の杭主筋107とPC鋼材(不図示)が埋設される。杭主筋7としては鉄筋コンクリート用異形鋼棒などが用いられる。PC鋼材の端部は端板105に定着されるが、杭主筋107の端部は端板105から離れた位置にある。
PRC杭101の杭頭に曲げモーメントが加わると、その力は端板105から補強バンド111を経て筒体103のコンクリートを介して杭主筋107に伝達される。ここでは、補強バンド111が筒体103のコンクリートを介して重ね継手のように杭主筋107へと力を伝達する役割をする。
特開2012-162983号公報 特開2012-224991号公報
上記のPRC杭など、従来の既製杭は高強度コンクリートを用いた中空の部材であるため変形性能が低く、曲げモーメント等が加わった際に脆性破壊を起こしやすい。これに対し、既製杭の変形性能を向上させるためには、既製杭の内側に中詰コンクリートを充填し、拘束コンクリートとして挙動させることが有効であることが知られている(長江拓也、林静雄、香取慶一「PRC杭の終局性能に関する評価」、コンクリート工学、Vol.41, No.8, 2003.8)。既製杭の内側に中詰コンクリートを設けることで筒体のコンクリートが圧壊して内側にコンクリート片が剥落するのを防ぎ、以て脆性破壊を防ぎ変形性能を高めることができる。
現在、このような拘束効果を高め、杭の変形性能および継続使用性をより向上させることが望まれている。上記した長江らの文献の例でも杭変形時に筒体外周面のコンクリートの剥落が生じる可能性があり、杭の変形性能および継続使用性の観点からは、そのような剥落はできるだけ避けることが望ましい。
本発明は前述した問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、変形性能や継続使用性を向上させることが可能な杭を提供することである。
前述した目的を達成するための本発明は、コンクリート製の筒体と、前記筒体の軸方向の端面に設けられた端板と、前記筒体の軸方向に沿って前記筒体に埋設された杭主筋と、前記筒体の軸方向に沿って前記筒体に埋設され、前記端板に定着されたPC鋼材と、前記筒体の軸方向の端部付近において前記筒体の外周面に設けられた筒状の外側補強体と、を具備し、前記外側補強体は、前記端板から離して設けられ、前記杭主筋の端部は、前記筒体の軸方向において、少なくとも前記端板の位置まで延びていることを特徴とする杭である。
本発明の杭の内側に中詰コンクリートを充填し、且つ筒体外周面の外側補強体により中詰コンクリートの拘束効果を高めることで、杭の変形性能をより向上させることができる。また、筒体外周面の外側補強体は端板と接続されないので、杭頭の曲げモーメントによる力は、外側補強体を経ずに、端板の位置まで延ばした杭主筋で負担されることになる。結果、外側補強体は主として周方向の応力を負担することになり、中詰コンクリートの拘束効果を好適に発揮させることができる。また杭頭の曲げモーメントによる外側補強体の座屈も抑制することができ、杭変形時の筒体外周面のコンクリートの剥落も外側補強体により防止できるので杭の耐久性の面でも好適であり継続使用性に優れている。
前記筒体の内側に、中詰コンクリートが充填されることが望ましい。
こうして筒体の内側に中詰コンクリートを充填することで、前記したように杭の変形性能をより向上させ、脆性破壊を防ぐことができる。
前記中詰コンクリートが、前記筒体の軸方向において、少なくとも前記外側補強体の設置範囲に充填されることが望ましい。
中詰コンクリートは少なくとも筒体外周面の外側補強体の設置範囲に充填することにより、外側補強体によって中詰コンクリートの拘束効果を好適に発揮させることができる。
前記筒体の内側に、筒状の内側補強体が設けられ、前記筒体と前記内側補強体との間に、充填材が充填されることも望ましい。
本発明では、筒体の内側に内側補強体を設け、筒体と内側補強体との間に充填材を充填することでも、中詰コンクリートと同様の拘束効果を発揮させることができ、杭の変形性能が向上する。且つこの場合は筒体の内側に中詰コンクリートを設ける必要が無くなるので、施工も容易になる。また充填材によって筒体の製造時に生じる内周面の不陸を吸収し、内側補強体による拘束効果を好適に発揮させることができる。
前記内側補強体は、例えば筒状部と環状のフランジ部を有し、前記フランジ部と前記端板とが重ねて配置され接合される。前記フランジ部と前記筒状部とが、前記筒状部より引張耐力の小さい接合部で接合されてもよい。
内側補強体を筒状部と環状のフランジ部によって構成し、フランジ部と筒体の端板を接合することで、内側補強体を容易に取付けることができ、内側補強体を充填材の充填時の型枠とすることもできる。内側補強体のフランジ部と筒状部を引張耐力の小さい接合部で接合することで、杭に曲げモーメントが加わった際に杭の一方の側部で内側補強体が曲げモーメントを負担して反対側にある筒体のコンクリートに過度な圧縮力が加わるのを防ぐことができる。
前記端板は環状であり内縁部が前記筒体の内側に張り出すように設けられ、前記内側補強体が前記端板の内縁部に接合されてもよい。
これにより、杭を上下に接続しやすくなる。
前記杭主筋の前記端部は、例えば前記端板に接続される。
杭主筋の端部を端板に接続することで、杭頭の曲げモーメントによる力を端板から杭主筋に伝達することができる。この場合、杭主筋の端部は端板から突出しないので、杭の中詰コンクリートを除く部分を工場で製造し、これを現場まで搬送して杭施工時に中詰コンクリートを充填する場合に、現場までの搬送等が容易となる。
前記杭主筋の前記端部が、前記筒体の軸方向において、前記端板の位置から突出していてもよい。
この場合は、杭主筋の突出部分を杭頭補強筋として利用し、杭頭の曲げモーメントを杭主筋に直接伝達することができる。
前記外側補強体が鋼管であることが望ましい。
これにより、中詰コンクリートの拘束効果をさらに高めて杭の変形性能を向上させることができる。
本発明によれば、変形性能や継続使用性を向上させることが可能な杭を提供できる。
既製杭10を示す図 杭1の施工方法を示す図 杭1を示す図 既製杭10の製造について示す図 既製杭10の接続について示す図 外側補強体17b、17c、17dおよび既製杭10’について示す図 既製杭10aを示す図 内側補強体9を示す図 既製杭10aの製造方法を示す図 既製杭10aに加わる曲げモーメントMを示す図 内側補強体9a、9a’を示す図 既製杭10bを示す図 PRC杭101を示す図
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳細に説明する。
[第1の実施形態]
(1.既製杭10)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る既製杭10(杭)の概要を示す図である。図1(a)は既製杭10の斜視図であり、図1(b)は既製杭10の軸方向に沿った断面を示す図である。
図1に示すように、既製杭10は、筒体3、端板5、杭主筋7、PC鋼材13、鋼管17(外側補強体)等により構成されるPRC杭である。
筒体3は高強度コンクリート製の円筒状の部材であり、遠心成形により製造される。本実施形態では、後述するように既製杭10の筒体3の内側に中詰コンクリートを充填して杭が施工される。
端板5は、筒体3の軸方向の端面に設けられる環状の板材であり、鋼板等が用いられる。
杭主筋7は、筒体3の軸方向に沿って筒体3に埋設される鋼材であり、鉄筋コンクリート用異形鋼棒などが用いられる。図13の例とは異なり、本実施形態では杭主筋7の端部が端板5の位置まで延びており、溶接部11によって端板5に接続される。
PC鋼材13は筒体3に軸方向のプレストレスを導入するための鋼材であり、上記の杭主筋7と同様、筒体3の軸方向に沿って筒体3に埋設される。PC鋼材13の端部は端板5に定着される。
鋼管17は、筒体3の軸方向の端部付近において、筒体3の外周面を覆うように設けられる筒状の補強体である。図13の例とは異なり、本実施形態では鋼管17が端板5に接続されず、端板5から離して設けられる。
(2.杭の施工方法)
杭を施工するには、まず工場にて図1に示した既製杭10を製造する。その後、この既製杭10を現場に搬送し、図2に示すように地盤20を掘削した穴に既製杭10を挿入する。
次いで、図3に示すように筒体3の内側に中詰コンクリート19を充填することで、杭1が形成される。中詰コンクリート19は、筒体3の内側に設けたコンクリート止め用の底板18の位置まで充填される。中詰コンクリート19は、筒体3の軸方向において、少なくとも鋼管17の設置範囲17aに充填される。
この例では、中詰コンクリート19が杭1の上方のフーチングコンクリートと一体に打設される。また、このコンクリートを打設する前に、コンクリートに埋設する杭頭補強筋31が溶接やネジ等によって既製杭10の上端の端板5上に予め接続される。
なお、既製杭10の製造時は、図4(a)に示すように杭主筋7の端部が既製杭10の端板5の孔から突出した状態でPC鋼材13が端板5に定着され、その後、端板5において杭主筋7の周囲に設けられた切欠部5aにて溶接を行い、図4(b)に示すように杭主筋7の突出部分が切断される。これにより、残った杭主筋7の端部が端板5に接続された状態となり、杭主筋7の突出部分が無くなるので、既製杭10の現場への搬送のし易さや、杭主筋7の突出部分が杭施工時の邪魔とならない点で効果がある。
また、本実施形態では1本の既製杭10を地盤20に打設しているが、長い杭とする場合は、図5に示すように既製杭10を上下に接続して地盤20に打設するとよい。上下の既製杭10は、上方の既製杭10の下端の端板5と下方の既製杭10の上端の端板5とを溶接部15にて溶接することで接続できる。
(3.杭1)
図3に示す杭1では、筒体3の内側に中詰コンクリート19を設け、拘束コンクリートとして挙動させることで、杭1の靱性(変形性能)を向上させ脆性破壊を防ぐことができる。本実施形態では、鋼管17により中詰コンクリート19の拘束効果が高まり、杭1の変形性能がより向上する。
また、鋼管17は端板5と接続されず、杭主筋7が端板5と接続されるので、杭頭の曲げモーメントによる力は端板5から杭主筋7に伝達され、鋼管17は杭頭の曲げモーメントによる力を負担しない。結果、鋼管17は主に周方向の応力を負担することになり、中詰コンクリート19の拘束効果を好適に発揮させることができる。また杭頭の曲げモーメントによる鋼管17の座屈も抑制することができ、杭変形時の筒体外周面のコンクリートの剥落も鋼管17により防止できるので杭1の耐久性の面でも好適であり継続使用性に優れている。
以上説明したように、本実施形態の既製杭10の内側に中詰コンクリート19を充填し、且つ鋼管17により中詰コンクリート19の拘束効果を高めることで、杭1の変形性能をより向上させ、脆性破壊を防ぐことができる。また、鋼管17は端板5と接続されないので、杭頭の曲げモーメントによる力は、鋼管17を経ずに杭主筋7で負担されることになる。結果、鋼管17は主として周方向の応力を負担することになり、中詰コンクリート19の拘束効果を好適に発揮させることができる。また杭頭の曲げモーメントによる鋼管17の座屈も抑制することができ、杭変形時の筒体外周面のコンクリートの剥落も防止できるので杭1の耐久性の面でも好適であり継続使用性に優れている。
しかしながら、本発明はこれに限らない。例えば、鋼管17と杭主筋7との間に、リング状やらせん状の横補強筋を設けてもよい。さらに、杭主筋7と端板5は溶接以外の機械的手段で接続することも可能である。
また、鋼管17によって中詰コンクリート19の拘束効果を好適に発揮させるため、中詰コンクリート19は少なくとも鋼管17の設置範囲17aに充填されればよく、この限りにおいて充填範囲は特に問わない。
また鋼管17の代わりに鋼板による従来の筒状の補強バンドを用いることも可能である。この場合も補強バンドは端板5と離して設けられるが、本実施形態のように鋼管17を用いることで、従来の補強バンドに比べて中詰コンクリート19の拘束効果を高めて杭1の変形性能を向上させることができる。また、図6(a)に示すように、筒体3側に窪んだ凹部171を有する筒状の外側補強体17b(鋼管や補強バンドなど)を用いてもよい。また、図6(b)に示すように、短い筒状の外側補強体17cを筒体3の軸方向に間隔を空けて設け、上下の外側補強体17cの間に筒体3の全周に渡る周方向のスリット172が形成されるようにしてもよい。あるいは、図6(c)に示すように、全周に渡るスリットを設けるのでなく、周方向の一部分にスリット173を設けた外側補強体17dを用いてもよい。これらの構成によって杭頭モーメントによって生じる外側補強体の座屈をより効果的に抑制することができ、且つ変形性能等を向上させることも可能である。
また、本実施形態では現場での杭1の施工時に既製杭10に中詰コンクリート19を充填したが、既製杭10の工場での製造時に中詰コンクリートを予め充填してもよい。ただし、重量が大きくなり現場への搬送が負担になるという欠点はある。
また、本実施形態では杭主筋7の端部を端板5に接続することで、杭頭の曲げモーメントによる力を端板5から杭主筋7に伝達させ、また前記したように既製杭10の現場への搬送等を容易としているが、例えば図6(d)の既製杭10’に示すように、既製杭10’の製造時、PC鋼材13の端板5への定着後、端板5上の溶接部11で溶接を行い杭主筋7の途中を端板5に接続して杭主筋7の突出部分を残しておいてもよい。この場合、筒体3の軸方向において、杭主筋7の端部が端板5の位置から突出することとなり、この突出部分を前記の杭頭補強筋として用い、杭頭の曲げモーメントを直接杭主筋7に伝達することができる。
以下、本発明の別の例について第2〜第4の実施形態として説明する。各実施形態は、それまでに説明した実施形態と異なる点について主に説明し、同様の点については図等で同じ符号を付すなどして説明を省略する。また、第1の実施形態も含め、各実施形態で説明する構成は必要に応じて組み合わせることが可能である。
[第2の実施形態]
図7は、本発明の第2の実施形態に係る既製杭10aの概要を示す図である。図7(a)は既製杭10aの斜視図であり、図7(b)は既製杭10aの軸方向に沿った断面を示す図である。
本実施形態は、筒体3の内側に中詰コンクリート19を充填する代わりに、筒体3の内側に内側補強体9と充填材21を設ける点で第1の実施形態と異なる。すなわち、既製杭10aでは、筒体3の内側に内側補強体9と充填材21を設けることによって中詰コンクリート19と同様の拘束効果を発揮させ、以て脆性破壊を防ぎ変形性能を向上させる。
内側補強体9は、筒体3の内側に設けられる筒状の補強体である。図8は内側補強体9を示す斜視図である。図8に示すように、内側補強体9は筒状部91とフランジ部92を有する。
筒状部91は略円筒状の部材であり、例えば鋼管が用いられる。フランジ部92は筒状部91の端部から外側に張り出すように設けられる環状の板材であり、鋼板等が用いられる。
本実施形態では、筒状部91の端部とフランジ部92の内縁部が溶接部95で溶接され、筒状部91とフランジ部92が接合されて一体化される。溶接部95は完全溶け込み溶接とする。
図7に示すように、内側補強体9は、フランジ部92を前記の端板5に重ねて配置し、筒状部91を筒体3の内側に挿入するようにして取付けられる。フランジ部92は、外周部に沿った溶接部27で溶接を行うことで端板5に接合され、筒状部91は筒体3の端面から軸方向の中央部に向かって所定長さの範囲に設けられる。なお、図7(b)の97は、溶接部95にて完全溶け込み溶接を行う際に用いる当て板である。また、この例では、鋼管17の長さを内側補強体9の筒状部91よりも大きくしている。
充填材21は、筒体3と内側補強体9の間に充填される。充填材21には例えば無収縮モルタルや高流動コンクリートなどが用いられる。充填材21は、筒体3の製造時に筒体3の内周面に生じる不陸を吸収し、内側補強体9による拘束効果を確実に発揮させる役割を有する。以上の内側補強体9、充填材21は筒体3の軸方向の両端部で設けられるが、杭頭側の端部のみで設けてもよい。
既製杭10aを製造するには、図9(a)に示すように、まず前記の既製杭10を製造した後、図9(b)に示すように、内側補強体9を既製杭10に前記したように取付ける。そして、この内側補強体9を型枠として用い、図9(c)に示すように筒体3と内側補強体9の間に充填材21を充填することで、前記の既製杭10aが製造される。
このように、本実施形態では、筒体3の内側に内側補強体9を設け、筒体3と内側補強体9との間に充填材21を充填することで、中詰コンクリート19と同様の拘束効果を発揮させることができ、既製杭10aの変形性能が向上する。且つ本実施形態では筒体3の内側に中詰コンクリート19を設ける必要が無くなるので、施工も容易になる。また充填材21によって筒体3の製造時に生じる内周面の不陸を吸収し、内側補強体9による拘束効果を好適に発揮させることができる。
また内側補強体9を筒状部91と環状のフランジ部92によって構成し、フランジ部92と端板5を接合することで、内側補強体9を容易に取付けることができ、内側補強体9を充填材21の充填時の型枠とすることもできる。なお、本実施形態では端板5と内側補強体9のフランジ部92とを溶接部27で接合したが、接合方法はこれに限らない。例えば端板5と内側補強体9のフランジ部92とをボルト(不図示)等を用いて接合してもよい。
[第3の実施形態]
前記した既製杭10aでは、図10に示すような曲げモーメントMが杭頭に加わった場合、既製杭10aの一方の側部(図10の例では右側部)において、杭主筋7が曲げモーメントMを負担して生じる引張力Tに加えて、内側補強体9の筒状部91が曲げモーメントMを負担することによる引張力T’が生じる。そのため、既製杭10aの反対側の側部(図10の例では左側部)において、上記の引張力(T+T’)と釣り合う圧縮力C(=T+T’)が大きくなり、筒体3のコンクリートの圧壊を早める可能性がある。
筒体3のコンクリート強度が十分に高い場合や、充填材21の厚さが十分に厚い場合など、内側補強体9の筒状部91が曲げモーメントMを負担しても筒体3のコンクリートの圧壊に影響を及ぼさない場合は良いが、上記のように内側補強体9の筒状部91が曲げモーメントMを負担することで筒体3のコンクリートの圧壊が早まる可能性がある場合は、筒状部91とフランジ部92とを第2の実施形態のように一体化せずに部分的に接合し、筒状部91の引張耐力よりも接合部の引張耐力を低くすればよい。
例えば図11(a)の内側補強体9aの例では、薄厚の鋼板93を隅肉溶接等によって筒状部91とフランジ部92を跨ぐように取付け、筒状部91とフランジ部92を内周面で接合する。鋼板93は当該内周面に沿って間隔を空けて複数配置され、これにより筒状部91とフランジ部92の接合部94が構成される。この接合部94の引張耐力は筒状部91より低く、前記の引張力T’に対し接合部94が早期に破断し、内側補強体9aの筒状部91が曲げモーメントMを負担しないようにすることで、筒体3のコンクリートに過度な圧縮力Cが発生するのを防ぎ、その圧壊を抑制できる。
一方、図11(b)の内側補強体9a’の例では、筒状部91とフランジ部92の溶接部96(接合部)を部分溶け込み溶接としている。この例では、溶接部96の引張耐力が、溶接部96ののど厚、溶接長さ(筒状部91の内周面の周方向の長さ)、および溶接強度(溶接金属の引張強度等によって定まる)から求められるので、この引張耐力を筒状部91より低く定めるとよい。
[第4の実施形態]
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。図12(a)は、第4の実施形態に係る既製杭10bの軸方向の端部を示す図である。
この既製杭10bは、その端部の構成において第2の実施形態と異なる。すなわち、図12(a)に示す既製杭10aでは、端板5’の内縁部が筒体3の内側に張り出しており、当該内縁部に内側補強体9bの筒状部91が直接接合される。接合方法は特に問わず、第2の実施形態のような完全溶け込み溶接、第3の実施形態のような鋼板による接合や部分溶け込み溶接を行うことが可能である。内側補強体9bは筒状部91のみで構成されており、前記のようなフランジ部92は省略される。
本実施形態では、図12(b)に示すように、既製杭10bの端板5’同士を溶接等により直接接合することで、既製杭10bを上下に接続し長くして用いることができる。第2の実施形態のように内側補強体9のフランジ部92が端板5に重ねられている場合(図7等参照)、フランジ部92が接合の障害となるが、本実施形態ではそのようなことがなく、既製杭10bを上下に接続しやすい。
なお、上記した端部の構成は既製杭10bの杭頭部に適用することも可能であり、既製杭10bの一方の端部のみに適用しても両端部に適用してもよい。図12(c)に示すように、図12(b)の既製杭10b、10bの間に、両端部を上記した構成とした既製杭10bを用い、既製杭10bをさらに長く接続して用いることも可能である。
以上、添付図を参照しながら、本発明の実施形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1;杭
3;筒体
5、5’;端板
7;杭主筋
9、9a、9a'、9b;内側補強体
10、10’、10a、10b;既製杭
11、15、27、95、96;溶接部
13;PC鋼材
17;鋼管
17b、17c、17d;外側補強体
18;底板
19;中詰コンクリート
20;地盤
21;充填材
31;杭頭補強筋
91:筒状部
92:フランジ部
93:鋼板
94:接合部
97:当て板

Claims (10)

  1. コンクリート製の筒体と、
    前記筒体の軸方向の端面に設けられた端板と、
    前記筒体の軸方向に沿って前記筒体に埋設された杭主筋と、
    前記筒体の軸方向に沿って前記筒体に埋設され、前記端板に定着されたPC鋼材と、
    前記筒体の軸方向の端部付近において前記筒体の外周面に設けられた筒状の外側補強体と、
    を具備し、
    前記外側補強体は、前記端板から離して設けられ、
    前記杭主筋の端部は、前記筒体の軸方向において、少なくとも前記端板の位置まで延びていることを特徴とする杭。
  2. 前記筒体の内側に、中詰コンクリートが充填されたことを特徴とする請求項1記載の杭。
  3. 前記中詰コンクリートが、前記筒体の軸方向において、少なくとも前記外側補強体の設置範囲に充填されたことを特徴とする請求項2に記載の杭。
  4. 前記筒体の内側に、筒状の内側補強体が設けられ、
    前記筒体と前記内側補強体との間に、充填材が充填されたことを特徴とする請求項1記載の杭。
  5. 前記内側補強体は、筒状部と環状のフランジ部を有し、
    前記フランジ部と前記端板とが重ねて配置され接合されたことを特徴とする請求項4に記載の杭。
  6. 前記フランジ部と前記筒状部とが、前記筒状部より引張耐力の小さい接合部で接合されたことを特徴とする請求項5記載の杭。
  7. 前記端板は環状であり内縁部が前記筒体の内側に張り出すように設けられ、
    前記内側補強体が前記端板の内縁部に接合されたことを特徴とする請求項4に記載の杭。
  8. 前記杭主筋の前記端部が前記端板に接続されたことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の杭。
  9. 前記杭主筋の前記端部が、前記筒体の軸方向において、前記端板の位置から突出していることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の杭。
  10. 前記外側補強体が鋼管であることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれかに記載の杭。
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