JP6499421B2 - 剪断補強筋及び鉄筋組立体 - Google Patents
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Description
本発明は、上記考察に基づいてなされたものであり、コンクリート構造物の剪断補強筋として扁平剪断補強筋を用いた場合に、ブリーディング物の滞留が起きるのを抑制することを目的とする。
前記扁平形状の断面を構成する基部と、
前記基部の前記厚み方向の側面から突出されるとともに前記側面の前記幅方向の一端部から他端部へ延び、かつ互いに前記軸線に沿って間隔を置いて設けられた複数の横リブと、
を備え、前記幅方向の中央部から前記幅方向の外側へ又は前記一端部から前記他端部へ向かうにしたがって、前記側面が前記厚み方向の内側へ傾斜される一方、各横リブの前記側面からの突出高さが増大していることを特徴とする。
上記特徴によれば、剪断補強筋の前記厚み方向が上下に向けられた箇所において、水分や気泡等のブリーディング物が剪断補強筋に接触したとき、このブリーディング物を剪断補強筋の前記傾斜した側面に沿って案内でき、ブリーディング物が滞留するのを抑制できる。これによって、コンクリートと剪断補強筋との付着強度を確保できるとともに、コンクリートのひび割れを抑制することができる。
前記剪断補強筋が、
前記扁平形状の断面を構成する基部と、
前記基部の前記厚み方向の側面から突出されるとともに前記側面の前記幅方向の一端部から他端部へ延び、かつ互いに前記軸線に沿って間隔を置いて設けられた複数の横リブと、
を含み、前記幅方向の中央部から前記幅方向の外側へ又は前記一端部から前記他端部へ向かうにしたがって、前記側面が前記厚み方向の内側へ傾斜される一方、各横リブの前記側面からの突出高さが増大していることを特徴とする。
この鉄筋組立体によれば、剪断補強筋における複数の主筋の上側及び下側に水平に配置された部分(水平部)において前記厚み方向が鉛直ないしは上下方向に向けられる。この水平部における下側を向く側面に、コンクリートからの水分や気泡等のブリーディング物が接触した場合、該ブリーディング物は、前記側面の傾斜に沿って上昇方向へ案内される。これによって、剪断補強筋の水平部の下方にブリーディング物が滞留するのを抑制できる。これによって、コンクリートと剪断補強筋との付着強度を確保できるとともに、コンクリートのひび割れを抑制することができる。
図1は、鉄筋コンクリート構造物における梁1(鉄筋コンクリート構造体)を示したものである。梁1は、コンクリート2と、鉄筋組立体3とを備え、水平に延びている。コンクリート2内に鉄筋組立体3が埋設されている。鉄筋組立体3は、複数の主筋4,4…と、複数の剪断補強筋10,10…とを含む。主筋4,4…は、梁1の断面の四隅を含む所要位置に配置されるとともに、梁1の長手方向に沿って水平に延びている。図1(a)に示すように、複数の剪断補強筋10,10…が、梁1の延び方向に間隔を置いて配置されている。図1(b)に示すように、各剪断補強筋10は、左右一対の垂直部10v,10vと、上下一対の水平部10h,10hとを有して四角形の環状に折り曲げられ、複数の主筋4,4…を囲んでいる。
なお、1本の剪断補強筋10が、複数の主筋4,4…を囲む螺旋状になっていてもよい。
これによって、ブリーディング物が扁平剪断補強筋10の下方に滞留するのを抑制することができる。この結果、コンクリート2と扁平剪断補強筋10との付着強度を確保できる。また、コンクリート2のひび割れを抑制することができる。
図4は、本発明の第2実施形態を示したものである。第2実施形態の扁平剪断補強筋10では、基部11における側面12の傾斜面12bが、平坦ではなく、緩やかな曲面になっている。つまり、傾斜面12bは、緩やかな凸曲面を描きながら、側面12の幅方向wの中央部12cから幅方向wの外側へ向かうにしたがって厚み方向tの内側へ傾斜し、端面13と滑らかに連なっている。傾斜面12bの曲率は、端面13の曲率よりも小さい。また、幅方向wの中央部12cにおいて、両側の傾斜面12b,12bどうしが滑らかに連なっている。これによって、基部11の断面が、楕円形状になっている。
なお、傾斜面12b,12bどうしが、幅方向wの中央部12cにおいて鈍角に交差していてもよい。
逆に言うと、楕円形状の断面の基部11の周面のうち、横リブ22が直線状になっている部分と対応する部分が側面12を構成し、横リブ22が円弧状になっている部分と対応する部分が端面13を構成する。
例えば、横リブ22における側面12,14から突出する部分の突出縁22aは、幅方向wに対して斜めになっていてもよい。
横リブ22は、側面12,14の幅方向wの一端部から他端部へ延びていれば、軸線L10と直交する面に対して斜めであってもよく、螺旋状のネジフシであってもよい。好ましくは軸線L10に沿う方向から見て、横リブ22における側面12,14から突出する部分の突出縁22aが幅方向wに沿っていればよい。より好ましくは、軸線L10に沿う方向から見て、横リブ22における側面12,14から突出する部分の突出縁22aが幅方向wと平行であればよい。
横リブ22が、基部11の側面12及び端面13のうち側面12だけに設けられていてもよい。
扁平剪断補強筋10が適用される鉄筋コンクリート構造体は、梁1に限られず、天井スラブ、床スラブ、基礎等であってもよい。鉄筋組立体3は、梁1用に限られず、天井スラブ用、床スラブ用、基礎用等であってもよい。
複数の実施形態を互いに組み合わせてもよい。例えば、第3実施形態の側面14が、平坦であるのに代えて、第2実施形態の側面12のように緩やかな凸曲面になっていてもよい。
t 厚み方向
L10 軸線
1 梁(鉄筋コンクリート構造体)
2 コンクリート
3 鉄筋組立体
4 主筋
10 扁平剪断補強筋(剪断補強筋)
10h 水平部
11 基部
12 側面
12a 傾斜面
12b 傾斜面
12c 中央部
14 側面
22 横リブ
22a 突出縁
Claims (3)
- 軸線と直交する断面が幅方向に長く厚み方向に短い扁平形状になった剪断補強筋において、
前記扁平形状の断面を構成する基部と、
前記基部の前記厚み方向の側面から突出されるとともに前記側面の前記幅方向の一端部から他端部へ延び、かつ互いに前記軸線に沿って間隔を置いて設けられた複数の横リブと、
を備え、前記側面は、一対の傾斜面を含み、これら傾斜面は、前記側面の前記幅方向の中央部において互いに鈍角に交差するように連なるとともに、それぞれ前記幅方向の中央部から前記幅方向の外側へ向かうにしたがって前記厚み方向の内側へ傾く平坦な斜面になっており、各傾斜面の前記幅方向に対する傾斜角度は1°〜10°であり、各横リブの前記側面からの突出高さが前記幅方向の中央部から前記幅方向の外側へ向かうにしたがって増大していることを特徴とする剪断補強筋。 - 軸線と直交する断面が幅方向に長く厚み方向に短い扁平形状になった剪断補強筋において、
前記扁平形状の断面を構成する基部と、
前記基部の前記厚み方向の両側の一対の側面から突出されるとともに各側面の前記幅方向の一端部から他端部へ延び、かつ互いに前記軸線に沿って間隔を置いて設けられた複数の横リブと、
を備え、前記幅方向の前記一端部から前記他端部にかけて、前記一対の側面のうち一方の側面が前記幅方向に対して前記厚み方向の内側へ傾斜され、かつ該一方の側面上の各横リブの前記一方の側面からの突出高さが増大し、かつ前記一対の側面のうち他方の側面が前記幅方向に対して前記厚み方向の外側へ傾斜され、かつ該他方の側面上の各横リブの前記他方の側面からの突出高さが減少しており、前記基部の傾斜された前記一対の側面どうし間における断面が、前記傾斜に沿う方向に長く前記一対の側面どうしの対向方向に短い平行四辺形であることを特徴とする剪断補強筋。 - 複数の主筋と、前記複数の主筋を囲む環状又は螺旋状の剪断補強筋とを備え、前記剪断補強筋の軸線と直交する断面が幅方向に長く厚み方向に短い扁平形状になっており、かつ前記幅方向が前記主筋の延び方向に沿い、前記厚み方向が前記主筋の延び方向に対して直交しており、さらに、前記主筋の延び方向が水平に向けられてコンクリートに埋設される鉄筋組立体であって、
前記剪断補強筋が、請求項1又は2に記載の剪断補強筋であることを特徴とする鉄筋組立体。
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