JP2002138138A - 電線被覆用ポリエステル樹脂材料 - Google Patents

電線被覆用ポリエステル樹脂材料

Info

Publication number
JP2002138138A
JP2002138138A JP2000334719A JP2000334719A JP2002138138A JP 2002138138 A JP2002138138 A JP 2002138138A JP 2000334719 A JP2000334719 A JP 2000334719A JP 2000334719 A JP2000334719 A JP 2000334719A JP 2002138138 A JP2002138138 A JP 2002138138A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyester resin
mol
heat treatment
component
resin material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000334719A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4623817B2 (ja
Inventor
Shuji Ishiwatari
修二 石渡
Jun Yoshida
純 吉田
Makoto Tokumizu
眞 徳水
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Rayon Co Ltd filed Critical Mitsubishi Rayon Co Ltd
Priority to JP2000334719A priority Critical patent/JP4623817B2/ja
Publication of JP2002138138A publication Critical patent/JP2002138138A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4623817B2 publication Critical patent/JP4623817B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
  • Organic Insulating Materials (AREA)
  • Insulated Conductors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 良好な耐熱性と機械強度のバランスを
有し、その経時変化を抑制した電線被覆用途に使用する
ポリエステル樹脂材料を提供すること。 【解決手段】 120℃で24時間熱処理した後の引
張伸度が200%以上、比重の変化が0.05g/cm3
以下であり、下記式を同時に満たす電線被覆用ポリエス
テル樹脂材料。 500≦TM0≦1500 (1) 500≦TM≦TM0+20.83×T (2) TM0:初期引張弾性率(MPa) TM:120℃での熱処理後の引張弾性率(MPa) T:120℃での熱処理時間(hr)、0≦T≦24

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電線被覆用途に使用
するポリエステル樹脂材料に関し、より詳しくは良好な
耐熱性と機械強度のバランスを有し、その経時変化を抑
制した電線被覆用途に使用するポリエステル樹脂材料に
関する。
【0002】
【従来の技術】ポリブチレンテレフタレートやポリエチ
レンテレフタレ−トに代表されるポリエステル樹脂は、
機械特性、耐薬品性等各種物性に優れるため、家庭用品
や自動車部品、繊維、包装用フィルム、食品用ボトル、
医療用容器等、幅広く使用されており、その中でも、ポ
リブチレンテレフタレートの有する高耐熱性、耐薬品性
は、使用環境範囲を広く設定することができ、その用途
は多岐にわたる。
【0003】しかし、ポリブチレンテレフタレートを電
線被覆用として使用する上では、剛性が高く柔軟性が不
足することが、その使用を困難にしている。また、ポリ
エーテルグリコールとポリブチレンテレフタレートのブ
ロック共重合体に代表されるポリエステルエラストマー
は、性能に優れるもののコストが高く、使用範囲は著し
く限定される。
【0004】また、これらの用途に使用されるその他の
樹脂としてはポリエチレン、ポリ塩化ビニル等がある
が、ポリエチレンは、難燃化が困難であること、ポリ塩
化ビニルは環境問題が懸念されるため、ポリエステル樹
脂の機械物性を改良した安価な電線被覆用樹脂に期待が
かかる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、良好
な耐熱性と機械強度のバランスを有し、その経時変化を
抑制した電線被覆用途に使用するポリエステル樹脂材料
を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、120
℃で24時間熱処理した後の引張伸度が200%以上、
比重の変化が0.05g/cm3以下であり、下記式を同
時に満たす電線被覆用ポリエステル樹脂材料にある。
【0007】 500≦TM0≦1500 (1) 500≦TM≦TM0+20.83×T (2) TM0:初期引張弾性率(MPa) TM:120℃での熱処理後の引張弾性率(MPa) T:120℃での熱処理時間(hr)、0≦T≦24
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の電線被覆用ポリエステル
樹脂材料は、120℃で24時間熱処理した後の引張伸
度は200%以上であることが好ましい。120℃で2
4時間熱処理した後の引張伸度が200%未満である
と、電線使用時に応力がかかっている箇所の破断につな
がる場合がある。
【0009】本発明の電線被覆用ポリエステル樹脂材料
の120℃で24時間熱処理した後の比重の変化は0.
05g/cm3以下であることが好ましく、さらに好まし
くは0.03g/cm3である。比重の変化が0.05g
/cm3を超える場合、電線使用時の剛性の変化、寸法変
化が大きくなる傾向にある。
【0010】本発明の電線被覆用ポリエステル樹脂材料
は、下記式を同時に満たすことが好ましい。
【0011】 500≦TM0≦1500 (1) 500≦TM≦TM0+20.83×T (2) TM0:初期引張弾性率(MPa) TM:120℃での熱処理後の引張弾性率(MPa) T:120℃での熱処理時間(hr)、0≦T≦24 TM0が500MPa未満の場合は、電線被覆としたと
きの剛性が不足する。TM0のより好ましい範囲は80
0〜1200である。また、TMが500MPa未満の
場合には、電線被覆としたときの剛性が不足し、(TM0
+20.83×T)を超える場合には、電線使用時の経
時変化特性が大きすぎるということから、電線被覆とし
たときの耐用時間に悪影響を及ぼす傾向がある。TMの
より好ましい範囲は熱処理時間に関わらず、800〜1
200である。
【0012】本発明に使用されるポリエステル樹脂(A)
の酸成分としては、テレフタル酸成分が好ましく、ポリ
エステル全酸成分中に50モル%以上含有されることが
好ましい。これは、テレフタル酸成分が50モル%未満
では、電線被覆としたときの耐熱性が低下する傾向にあ
る。
【0013】上記以外の酸成分の具体例としては、アジ
ピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸、イソフタ
ル酸、5−アルキルイソフタル酸、5−ナトリウムスル
ホイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の
ベンゼン環もしくはナフタレン環に直接カルボシキル基
を2つ有している芳香族ジカルボン酸、その他p−(β
−オキシエトキシ)安息香酸、4,4’−ジカルボキシ
フェニ−ル、4,4’−ジカルボキシベンゾフェノン、
ビス(4−カルボキシフェニ−ル)エタンが挙げられ
る。
【0014】本発明に使用されるポリエステル樹脂(A)
のアルコール成分としは、テトラメチレングリコール成
分が好ましく、全アルコール成分中に50モル%以上含
有されることが好ましい。これは、テトラメチレングリ
コール成分が50モル%未満では、電線被覆としたとき
の耐熱性が低下する傾向にあるためである。
【0015】上記以外のアルコール成分の具体例として
は、エチレングリコール、トリメチレングリコ−ル、プ
ロピレングリコ−ル、ネオペンチルグリコ−ル、ヘキサ
メチレングリコール等の炭素数2〜6のアルキレングリ
コ−ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコ−
ル、1,4−シクロヘキサンジメタノ−ル、ビスフェノ
−ルAエチレンオキサイド付加物等を1種類以上、該ポ
リエステルに使用することができる。
【0016】本発明に使用されるポリエステル樹脂(A)
の総変性量は、3〜20モル%であることが好ましく、
3モル%未満では効果がなく、20モル%を超えると結
晶性が低下するため、重合後のチップ取り出し時に長時
間の冷却が必要になるためである。ここで総変性量と
は、テレフタル酸およびテトラメチレングリコール以外
の酸成分量(酸成分中のモル%)とアルコール成分量
(アルコール成分中のモル%)の合計量を示す。
【0017】本発明に使用されるポリエステル樹脂(A)
に含有されるポリエーテルグリコール成分としては、ポ
リテトラメチレングリコールが特に好ましく、その含有
量は全アルコール成分中、0.5〜6モル%の範囲であ
る。ポリエーテルグリコールが0.5モル%未満である
と効果がなく、6モル%を超えると重合後のチップ取り
出し時に長時間の冷却が必要になり、電線被覆としたと
きの耐熱性が低下する傾向にある。ポリエーテルグリコ
ールの重量平均分子量は450以上が好ましい。重量平
均分子量が450未満であるとポリエステル樹脂の結晶
性が高くなり、熱処理による機械物性の変化が大きくな
ることがある。上記以外の好ましいポリエーテルグリコ
ールとして、ポリエチレングリコールが挙げられる。
【0018】フェノ−ル/1,1,2,2−テトラクロ
ルエタン=重量比1/1の混合溶媒に溶解させ、25℃
にて測定したポリエステル樹脂(A)の固有粘度は0.5
5〜1.40dl/gの範囲が好ましく、固有粘度が
0.55dl/g未満であると溶融粘度が低いため重合
後のチップの取り出しが困難であったり、耐衝撃性が低
い傾向にあり、1.40dl/gを超える重合は重合時
間が著しく長くなる。
【0019】本発明に使用されるポリエステル樹脂(A)
とは異なるポリエステル樹脂(B)の酸成分としては、テ
レフタル酸成分が好ましく、全酸成分中に50モル%以
上含有されることが好ましい。これは、テレフタル酸成
分が50モル%未満では、電線被覆としたときの耐熱性
が低下する傾向にあるためである。
【0020】テレフタル酸以外の酸成分の具体例として
は、ポリエステル樹脂(A)と同様のものが挙げられ
る。
【0021】本発明に使用されるポリエステル樹脂(B)
のアルコール成分としては、テトラメチレングリコール
成分が好ましく、全アルコール成分中に50モル%以上
含有されることが好ましい。これは、テトラメチレング
リコール成分が50モル%未満では、電線被覆としたと
きの耐熱性が低下する傾向にあるためである。
【0022】テトラメチレングリコール以外のアルコー
ル成分の具体例としては、ポリエステル樹脂(A)と同
様のものが挙げられる。
【0023】フェノ−ル/1,1,2,2−テトラクロ
ルエタン=重量比1/1の混合溶媒に溶解させ、25℃
にて測定したポリエステル樹脂(B)の固有粘度は0.5
5〜1.40dl/gの範囲が好ましく、固有粘度が
0.55dl/g未満であると溶融粘度が低いため重合
後のチップの取り出しが困難であったり、耐衝撃性が低
い傾向にあり、1.40dl/gを超える重合は重合時
間が著しく長くなる。
【0024】本発明においては、ポリエステル樹脂
(A)を単独で用いることもできるが、ポリエステル樹
脂(A)20〜90重量%とポリエステル樹脂(B)10〜
80重量%からなるポリエステル樹脂組成物を用いるこ
とが好ましい。ポリエステル樹脂(A)が20重量%未満
の場合、電線被覆としたときの耐熱性が低下する傾向に
あり、経時変化が大きくなる傾向にある。
【0025】本発明に使用されるポリエステル樹脂(A)
および(B)の重合は、公知のエステル交換法やエステル
化法の重合方法によって製造される。例えばポリエステ
ル樹脂(A)の場合、エステル交換法では、テトラメチレ
ングリコ−ル等の全アルコール成分が、テレフタル酸の
エステル形成性誘導体等の、全酸成分に対してモル比で
1.2〜1.6倍となるように反応容器内に仕込み、ポ
リエーテルグリコールおよびテトラキス[メチレン(3,
5−ジ−t-ブチル−4−ヒドロキシハイドロシンナメ
ート)]メタン等の酸化安定剤を添加し、テトラブトキシ
チタン等の触媒の存在下で150〜220℃まで徐々に
加熱して十分にエステル交換反応を行った後、−0.7
kPa以下の減圧下で230〜260℃に加熱し、2〜
5時間縮合重合した後、ストランド状で水槽中に吐出
し、ストランドカッターにてチップ状にカットしたもの
を速やかに乾燥してチップに付着した水分を取り除くこ
とによって、本発明に使用されるポリエステル樹脂を得
ることができる。
【0026】また、エステル化法では、テトラメチレン
グリコ−ル等の全アルコール成分が、テレフタル酸等の
全酸成分に対してモル比で1.2〜1.6倍となるよう
に反応容器内に仕込み、ポリエーテルグリコールおよび
テトラキス[メチレン(3,5−ジ−t-ブチル−4−ヒ
ドロキシハイドロシンナメート)]メタン等の酸化安定剤
を添加し、窒素で加圧した状態で徐々に150〜220
℃まで加熱して十分にエステル化反応を行った後、−
0.7kPa以下の減圧下で230〜260℃に加熱
し、2〜5時間縮合重合した後、ストランド状で水槽中
に吐出し、ストランドカッターにてチップ状にカットし
たものを速やかに乾燥してチップに付着した水分を取り
除くことによって、本発明に使用されるポリエステル樹
脂を得ることができる。
【0027】本発明に使用されるポリエステル樹脂を製
造する際に使用されるその他の触媒は、エステル交換触
媒として酢酸亜鉛、酢酸マンガン、酢酸マグネシウム等
が挙げられ、重合触媒として三酸化アンチモン、二酸化
ゲルマニウム、四塩化ゲルマニウム、ジブチルスズオキ
シド等が挙げられ、全酸成分に対して20〜1000p
pmの範囲で添加される。
【0028】さらに本発明に際し、必要に応じて酸化安
定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、滑剤、繊
維状および板状無機強化剤等の添加剤ならびにポリカ−
ボネ−ト、ポリメチルメタクリレ−ト、ポリオレフィン
樹脂等、他の成分を配合することができる。
【0029】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明
する。
【0030】ポリエステル樹脂(A)−1 ジメチルテレフタレート90モル部(以下DMT)、ジ
メチルイソフタレート10モル部(以下DMI)とテト
ラメチレングリコ−ル138.8モル部(以下BD
O)、ポリテトラメチレングリコール(Mw:100
0;以下PTMG)を1.2モル部、テトラキス[メチ
レン(3,5−ジ−t-ブチル−4−ヒドロキシハイドロ
シンナメート)]メタンを対ポリマー0.05モル部とな
るように、精留塔および攪拌装置を備えた反応容器に入
れ、反応容器を140℃まで加熱した後、テトラブトキ
シチタンを対酸成分に対して600ppm(BDO溶液
の希薄溶液として)添加し、攪拌を行いながら220℃
まで3時間かけて徐々に昇温し、留出するメタノールを
系外に排出しながらエステル交換反応を行った。その
後、重縮合反応容器に移し真空度−99kPa以下、2
45℃で3時間縮合重合を行い所定の攪拌トルクに至っ
たところで、ストランド状で水槽中に吐出したものを、
ストランドカッターにてチップ状に切断し、これを12
0℃で6時間真空乾燥してポリエステル樹脂(A)−1を
得た。これについて、固有粘度を測定したところ 1.
01dl/gであった。
【0031】また、熱分解ガスクロマトグラフィーおよ
び、アルカリ分解物についての高速液体クロマトグラフ
ィーにより、原料についての組成分析を行い、結果を表
1に示した。
【0032】ポリエステル樹脂(A)−2 DMT95モル部、DMI5モル部、BDO137.6
モル部、PTMG2.4モル部、テトラキス[メチレン
(3,5−ジ−t-ブチル−4−ヒドロキシハイドロシン
ナメート)]メタンを対ポリマー0.1モル部とした以外
は、ポリエステル樹脂(A)−1と同様にしてポリエステ
ル樹脂を得た。これについて、固有粘度を測定したとこ
ろ、1.09dl/gであった。
【0033】ポリエステル樹脂(A)−3 DMT90モル部、DMI10モル部、BDO140モ
ル部、PTMG、テトラキス[メチレン(3,5−ジ−t
-ブチル−4−ヒドロキシハイドロシンナメート)]メタ
ンを添加しない以外は、ポリエステル樹脂(A)−1と同
様にしてポリエステル樹脂を得た。これについて、固有
粘度を測定したところ、0.88dl/gであった。
【0034】ポリエステル樹脂(A)−4 DMT100モル部、DMIを添加せずとした以外は、
ポリエステル樹脂(A)−2と同様にしてポリエステル樹
脂を得た。これについて、固有粘度を測定したところ、
1.10dl/gであった。
【0035】ポリエステル樹脂(A)−5 DMT40モル部、DMI60モル部、BDO137.
6モル部、PTMG2.4モル部、テトラキス[メチレ
ン(3,5−ジ−t-ブチル−4−ヒドロキシハイドロシ
ンナメート)]メタンを対ポリマー0.1モル部とした以
外は、ポリエステル樹脂(A)−1と同様にしてポリエス
テル樹脂を得た。これについて、固有粘度を測定したと
ころ、0.95dl/gであった。
【0036】ポリエステル樹脂(A)−6 DMT90モル部、DMI10モル部、BDO130.
4モル部、PTMG9.6モル部、テトラキス[メチレ
ン(3,5−ジ−t-ブチル−4−ヒドロキシハイドロシ
ンナメート)]メタンを対ポリマー0.4モル部とした以
外は、ポリエステル樹脂(A)−1と同様にしてポリエス
テル樹脂を得た。これについて、固有粘度を測定したと
ころ、1.19dl/gであった。
【0037】ポリエステル樹脂(B)−1 TPA100モル部、IPAを添加せずとし、重合時間
を3時間30分とした以外はポリエステル樹脂(A)―3
と同様にして行った。これについて、固有粘度を測定し
たところ、1.15dl/gであった。
【0038】ポリエステル樹脂(B)−2 TPA100モル部、IPAを添加せずとした以外はポ
リエステル樹脂(A)―3と同様にして行った。これにつ
いて、固有粘度を測定したところ、0.91dl/gで
あった。
【0039】ポリエステル樹脂(B)−3 テレフタル酸100モル部(以下TPA)、エチレング
リコ−ル150モル部(以下EG)を精留塔および攪拌
装置を備えた反応容器に入れた。これを300kPaの
窒素雰囲気下で攪拌を行いながら260℃まで3時間か
けて徐々に昇温し、留出する水を系外に排出しながらエ
ステル化を行った。その後、生成物を重縮合用反応容器
に移した後、正リン酸を対酸成分にして30ppm(E
G溶液の希薄溶液として)添加した。5分経過後、重合
触媒として3酸化アンチモンを対酸成分にして350p
pm(EG溶液の希薄溶液として)添加し、真空度−9
9kPa以下、285℃で3時間縮合重合を行い所定の
攪拌トルクに至ったところで、ストランド状で水槽中に
吐出したものを、ストランドカッターにてチップ状にカ
ットし、これを150℃で6時間真空乾燥してポリエス
テル樹脂(B)―3を得た。これについて、固有粘度を測
定したところ、0.72dl/gであった。
【0040】(実施例1)ポリエステル樹脂(A)−1を6
0質量部と、ポリエステル樹脂(B)−1を40質量部を
ドライブレンドした後、サーモプラスティックス工業
(株)製40mm単軸押出製膜機にて樹脂温250℃、チル
ロール温度5℃にて製膜し、厚さ200μmのポリエス
テルシートを得た。このシートについて評価したとこ
ろ、120℃で24時間熱処理した後の引張伸度、引張
弾性率、比重とも変化が極めて小さく良好であった。こ
の評価結果を表2に示す。
【0041】(実施例2)ポリエステル樹脂(A)−2を7
0質量部と、ポリエステル樹脂(B)−2を30質量部を
池貝(株)製PCM30二軸押出機で250℃にて溶融混
練した後ペレット化したものを、押出製膜機にて樹脂温
250℃、チルロール温度5℃にて製膜し、厚さ200
μmのポリエステルシートを得た。このシートについて
評価したところ、120℃で24時間熱処理した後の引
張伸度、引張弾性率、比重とも変化が極めて小さく良好
であった。
【0042】(実施例3)ポリエステル樹脂(A)−1を7
0質量部と、ポリエステル樹脂(B)−2を30質量部を
ドライブレンドしたものを、押出製膜機にて樹脂温25
0℃、チルロール温度5℃にて製膜し、厚さ200μm
のポリエステルシートを得た。このシートについて評価
したところ、120℃で24時間熱処理した後の引張伸
度、引張弾性率、比重とも変化が極めて小さく良好であ
った。
【0043】(実施例4)ポリエステル樹脂(A)−2を押
出製膜機にて樹脂温250℃、チルロール温度5℃にて
製膜し、厚さ200μmのポリエステルシートを得た。
このシートについて評価したところ、120℃で24時
間熱処理した後の引張伸度、引張弾性率、比重とも変化
が極めて小さく良好であった。
【0044】(比較例1)ポリエステル樹脂(B)−3を押
出製膜機にて樹脂温280℃、チルロール温度5℃にて
製膜し、厚さ200μmのポリエステルシートを得た。
このシートについて評価したところ、120℃で24時
間熱処理した後の変形、外観変化が著しく、引張試験を
行うことを断念した。
【0045】(比較例2)ポリエステル樹脂(B)−2を押
出製膜機にて樹脂温250℃、チルロール温度5℃にて
製膜し、厚さ200μmのポリエステルシートを得た。
このシートについて評価したところ、120℃で24時
間熱処理した後の引張弾性率変化が大きく電線被覆とし
ては用をなすものではなかった。
【0046】(比較例3)ポリエステル樹脂(A)−3を5
0質量部と、ポリエステル樹脂(B)−2を50質量部を
ドライブレンドしたものを、押出製膜機にて樹脂温25
0℃、チルロール温度5℃にて製膜し、厚さ200μm
のポリエステルシートを得た。このシートについて評価
したところ、120℃で24時間熱処理した後の引張伸
度の低下が大きいうえ、弾性率変化も大きく電線被覆と
しては用をなすものではなかった。
【0047】(比較例4)ポリエステル樹脂(A)−1を6
0質量部と、ポリエステル樹脂(B)−3を40質量部を
ドライブレンドしたものを、押出製膜機にて樹脂温28
0℃、チルロール温度5℃にて製膜し、厚さ200μm
のポリエステルシートを得た。このシートについて評価
したところ、120℃で24時間熱処理した後の引張伸
度の低下が大きいうえ、弾性率変化も大きく電線被覆と
しては用をなすものではなかった。
【0048】(比較例5)ポリエステル樹脂(A)−4を5
0質量部と、ポリエステル樹脂(B)−2を50質量部を
ドライブレンドしたものを、押出製膜機にて樹脂温25
0℃、チルロール温度5℃にて製膜し、厚さ200μm
のポリエステルシートを得た。このシートについて評価
したところ、120℃で24時間熱処理した後の引張伸
度の低下が大きいうえ、弾性率変化が急激であり電線被
覆としては用をなすものではなかった。
【0049】(比較例6)ポリエステル樹脂(A)−5を押
出製膜機にて樹脂温250℃、チルロール温度5℃にて
製膜し、厚さ200μmのポリエステルシートを得た。
このシートについて評価したところ、120℃で24時
間熱処理した後の引張弾性率変化は小さく良好であった
ものの、引張伸度が低く電線被覆としては用をなすもの
ではなかった。
【0050】(比較例7)ポリエステル樹脂(A)−6を6
0質量部と、ポリエステル樹脂(B)−3を40質量部を
ドライブレンドしたものを、押出製膜機にて樹脂温28
0℃、チルロール温度5℃にて製膜し、厚さ200μm
のポリエステルシートを得た。このシートについて評価
したところ、120℃で24時間熱処理した後の引張弾
性率変化は小さく良好であったものの、比重変化が大き
く、引張伸度も低く電線被覆としては用をなすものでは
なかった。
【0051】各種物性値は以下のようにして測定を行っ
た。
【0052】・固有粘度 フェノ−ル/1,1,2,2−テトラクロルエタン=重
量比1/1の混合溶媒にポリエステル樹脂の粉砕物を溶
解させ、ウベローデ粘度計を用いて25℃で測定した。
単位はdl/gで示した。
【0053】・引張伸度および弾性率 JIS K7127に準拠し、ブランクと120℃、2
4時間の熱処理後の膜厚200μmポリエステルシート
サンプルについて23℃、50%Rhで2日間調温、調
湿の後、幅10mmの1号形試験片を切り出し、23℃
において、毎分10mmの試験速度にて測定を行った。
単位は伸度が%、弾性率がMPaで表示した。
【0054】また、引張弾性率の熱変化特性について、
下記式を満足するか判断した。
【0055】○:2式を同時に満足する ×:1式のみか、2式とも満足しない 500≦TM0≦1500 (1) 500≦TM≦TM0+20.83×T (2) TM0:初期引張弾性率(MPa) TM:120℃での熱処理後の引張弾性率(MPa) T:120℃での熱処理時間(hr)、0≦T≦24 ・ 比重変化 熱処理前後のポリエステルシートについて、23℃、5
0%Rhで2日間調温、調湿の後、調温、調湿の後、3
0℃において臭化ナトリウム水溶液を用いた密度勾配管
をしようして比重を測定し、熱処理前後の比重差を求め
た。水を完全に充填した時の容量を処理前後について比
較し、下記の式に従って収縮率を求め、パーセント表示
で表した。
【0056】 (比重変化)=(熱処理後の比重)−(熱処理前の比重) 以上各実施例、比較例で得られた評価結果を一括して表
2に示す。
【0057】
【表1】
【表2】
【0058】
【発明の効果】以上示したように、本発明に関わる電線
被覆用ポリエステル樹脂材料は、良好な耐熱性と機械強
度のバランスを有し、その経時変化を抑制した性能を有
し、電線被覆用途に使用可能な低コストなものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 CF07W CF07X GQ01 4J029 AA01 AB01 AC02 AD01 AE01 BA02 BA03 BA04 BA05 BA08 BA10 BD07A BF09 BF18 BF25 BF26 CA02 CA06 CB05A CB05B CB06A CB10A CB12A CC06A CE04 CH02 DB14 EB05B KB02 5G305 AA02 AB15 AB24 BA26 CA11 5G315 CA02 CB02 CC08 CD08

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 120℃で24時間熱処理した後の引張
    伸度が200%以上、比重の変化が0.05g/cm3
    下であり、下記式を同時に満たす電線被覆用ポリエステ
    ル樹脂材料。 500≦TM0≦1500 (1) 500≦TM≦TM0+20.83×T (2) TM0:初期引張弾性率(MPa) TM:120℃での熱処理後の引張弾性率(MPa) T:120℃での熱処理時間(hr)、0≦T≦24
  2. 【請求項2】 テレフタル酸を主成分とする酸成分と、
    テトラメチレングリコールを主成分とするアルコール成
    分よりなり、総変性量が3〜20モル%であり、ポリエ
    ーテルグリコール成分を全アルコール成分中0.5〜6
    モル%含有し、フェノ−ル/1,1,2,2−テトラク
    ロルエタン=重量比1/1の混合溶媒に溶解させ、25
    ℃にて測定した固有粘度が0.55〜1.40dl/g
    の範囲であるポリエステル樹脂(A)からなる請求項1
    記載の電線被覆用ポリエステル樹脂材料。
  3. 【請求項3】 テレフタル酸を主成分とするジカルボン
    酸成分と、テトラメチレングリコールを主成分とするア
    ルコール成分よりなり、総変性量が3〜20モル%であ
    り、ポリエーテルグリコール成分を全アルコール成分中
    0.5〜6モル%含有し、フェノ−ル/1,1,2,2
    −テトラクロルエタン=重量比1/1の混合溶媒に溶解
    させ、25℃にて測定した固有粘度が0.55〜1.4
    0dl/gの範囲であるポリエステル樹脂(A)20〜9
    0質量%と、テレフタル酸を主成分とする酸成分と、テ
    トラメチレングリコール成分を主成分とするアルコール
    成分よりなり、フェノ−ル/1,1,2,2−テトラク
    ロルエタン=重量比1/1の混合溶媒に溶解させ、25
    ℃にて測定した固有粘度が0.55〜1.40dl/g
    の範囲であるポリエステル樹脂(B)10〜80重量%か
    らなるポリエステル樹脂組成物からなる請求項第1記載
    の電線被覆用ポリエステル樹脂材料。
JP2000334719A 2000-11-01 2000-11-01 電線被覆用ポリエステル樹脂材料 Expired - Fee Related JP4623817B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000334719A JP4623817B2 (ja) 2000-11-01 2000-11-01 電線被覆用ポリエステル樹脂材料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000334719A JP4623817B2 (ja) 2000-11-01 2000-11-01 電線被覆用ポリエステル樹脂材料

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002138138A true JP2002138138A (ja) 2002-05-14
JP4623817B2 JP4623817B2 (ja) 2011-02-02

Family

ID=18810580

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000334719A Expired - Fee Related JP4623817B2 (ja) 2000-11-01 2000-11-01 電線被覆用ポリエステル樹脂材料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4623817B2 (ja)

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63207003A (ja) * 1987-02-23 1988-08-26 ポリプラスチックス株式会社 電気伝送路用被覆材及び電気伝送路
JP2000302848A (ja) * 1999-04-23 2000-10-31 Toyobo Co Ltd 難燃性ポリエステルエラストマー樹脂組成物

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63207003A (ja) * 1987-02-23 1988-08-26 ポリプラスチックス株式会社 電気伝送路用被覆材及び電気伝送路
JP2000302848A (ja) * 1999-04-23 2000-10-31 Toyobo Co Ltd 難燃性ポリエステルエラストマー樹脂組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JP4623817B2 (ja) 2011-02-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5674618A (en) Biaxially oriented polyester film
JP3251507B2 (ja) 透明性と帯電防止性に優れたポリカーボネート樹脂組成物
EP0556050A1 (en) Modified polyester and method of manufacturing same
US20050112346A1 (en) Method for the production of PET sheets
JP2002138138A (ja) 電線被覆用ポリエステル樹脂材料
JPH06116376A (ja) 金属板貼合わせ用共重合ポリエステル及びフィルム
JPH08127641A (ja) 医療用ポリエステル容器
JP4562870B2 (ja) ポリエステル樹脂組成物、およびそれよりなるシートまたは成形品
JP3164168B2 (ja) ポリエーテルエステルブロック共重合体
JPH1129629A (ja) 共重合ポリエステル及びそれからなる弾性繊維
JP2003171541A (ja) 透明耐熱軟質ポリエステル製成形体
JP3658479B2 (ja) ポリエステル樹脂
JPH08325391A (ja) 柔軟性ポリエステルフィルム
JPS5927923A (ja) ポリエ−テルエステルブロツク共重合体及びその製造法
JP3682263B2 (ja) ポリエステル樹脂組成物、ポリエステルシートおよびその成形品
JP2000351840A (ja) ポリエステル組成物及びポリエステルフィルム
JP2002047361A (ja) 耐熱性ポリエステルシート及びその成形品
JPS60245629A (ja) 改質ポリエステルの製造法
JP2024046627A (ja) 生分解性ポリエステルの製造方法およびその方法により製造された生分解性ポリエステル
JPH0526811B2 (ja)
JPH1017754A (ja) ポリエステル成形容器
JP3382003B2 (ja) ポリエステル樹脂の製造方法
KR890003790B1 (ko) 필름용 폴리에스테르의 제조법
JPS6226342B2 (ja)
JP3453305B2 (ja) シート状成形品

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20070831

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20070831

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071011

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100714

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100720

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100917

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20101012

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101102

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4623817

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131112

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees