JP2002137917A - 加熱反応管接触によるゼオライトの連続合成方法およびその連続合成装置 - Google Patents

加熱反応管接触によるゼオライトの連続合成方法およびその連続合成装置

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JP2002137917A JP2001251731A JP2001251731A JP2002137917A JP 2002137917 A JP2002137917 A JP 2002137917A JP 2001251731 A JP2001251731 A JP 2001251731A JP 2001251731 A JP2001251731 A JP 2001251731A JP 2002137917 A JP2002137917 A JP 2002137917A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ゼオライトの合成効率を向上させて高品質で
安価なゼオライトを供給することができる加熱反応管接
触によるゼオライトの連続合成方法およびその連続合成
装置を提供する。 【解決手段】 ゼオライト原料とアルカリ水溶液とを含
有するスラリーが所定の条件に設定され加熱された反応
管16内を連続的に通過するゼオライト生成工程/装置
3を少なくとも有する連続合成方法および連続合成装置
1によって、上記課題を解決する。また、本発明の連続
合成方法および連続合成装置は、さらに、ゼオライト分
離工程/装置4とゼオライト型転換工程/装置6とゼオ
ライト脱水工程/装置8とを有し、その各工程/装置は
相互に圧力差を有し、スラリーまたはゼオライトを圧送
することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加熱反応管接触に
よるゼオライトの連続合成方法およびその連続合成装置
に関し、更に詳しくは、ゼオライト合成反応を加熱した
反応管内での流動による撹拌作用によって促進して合成
効率を向上させた加熱反応管接触によるゼオライトの連
続合成方法およびその連続合成装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ゼオライトは、石炭灰やアルミノ珪酸塩
等から生成される結晶であり、アルカリ条件での加熱処
理によって生成されるゼオライトである。
【0003】こうしたゼオライトの合成装置としては、
特開平6−321525号公報や特開平6−32152
6号公報に開示されているような回分式や半回分式のい
わゆるオートクレーブタイプのバッチ型反応装置が知ら
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ゼオライトは、陽イオ
ン交換機能、吸着機能、触媒機能など極めて優れた特性
とさらなる可能性を有した物質であるので、より多くの
用途に使用されるには、その用途に見合った価格で品質
よく生産されることが不可欠であると共に、要求される
各機能に適合する特定のゼオライトを合成することが必
要である。
【0005】しかしながら、上述した従来の合成装置で
は、ゼオライトの合成に時間とコストがかかり、品質に
優れたゼオライトを安価に合成するには未だ不十分なも
のであった。すなわち、ゼオライトは、所定の条件下で
撹拌させて生成することができるが、上述した回分式ま
たは半回分式の反応装置では、反応装置内に加熱水蒸気
を吹き込んだり、反応装置の外側から加熱したりするの
で、反応槽に投入された珪礬比調整済みのゼオライト原
料とアルカリ水溶液とを含有するスラリーが、所定の条
件に到達するまで時間がかかり、さらに、プロペラ等に
よる機械的な撹拌であるので、撹拌することができず反
応を促進できないという問題があった。
【0006】さらに、上述したオートクレーブを使用す
る従来の合成装置や合成方法においては、反応が終了す
るまで原料をオートクレーブ内に留めておかなければな
らないので装置が大型化するという問題や、オートクレ
ーブ内の攪拌や温度等の反応条件の均一化が困難なため
に合成されたゼオライトの品質が低下したり特定のゼオ
ライトを合成することが難しいという問題があった。
【0007】本発明は、上記問題を解決したものであ
り、ゼオライトの合成反応を反応管内で生じる流動によ
る撹拌作用によって促進させてその合成効率を向上させ
ると共に、特定の種類のゼオライトを合成可能な加熱反
応管接触によるゼオライトの連続合成方法、およびゼオ
ライトの合成効率を向上させて高品質で安価なゼオライ
トを供給することができる加熱反応管接触によるゼオラ
イトの連続合成装置を提供する。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明の加熱反
応管接触によるゼオライトの連続合成方法は、ゼオライ
ト原料とアルカリ水溶液とを含有するスラリーが所定の
条件に設定され加熱された反応管内を連続的に通過する
ゼオライト生成工程を少なくとも有することに特徴を有
する。
【0009】この発明によれば、ゼオライト原料とアル
カリ水溶液とを含有するスラリーが、所定の条件に設定
され加熱された反応管内を連続的に通過するゼオライト
生成工程を少なくとも有するので、スラリーが加熱され
た反応管内を通過する際に生じる流動に基づく乱流の作
用によって、ゼオライト原料とアルカリ水溶液とが極め
て効率的に撹拌される。このとき、反応管は、その全長
において所定の条件に設定されているので、ゼオライト
原料とアルカリ水溶液とを含有するスラリーが加熱され
た反応管に供給されて直ぐに反応が開始する。その結
果、ゼオライトの生成反応が促進され、反応時間の短縮
と合成効率の向上を達成することができると共に、所定
の条件(反応時間、反応温度、反応圧力等)に設定され
た反応管内で特定種類の高品質なゼオライトを安価に合
成することができる。
【0010】請求項2の発明は、請求項1に記載の加熱
反応管接触によるゼオライトの連続合成方法において、
前記反応管内にオリフィスが設けられていることに特徴
を有する。
【0011】この発明によれば、反応管内にオリフィス
を設けることによって、乱流の発生を容易にし、十分な
撹拌作用を生じさせる。その結果、ゼオライトの生成反
応をさらに促進させることができる。
【0012】請求項3の発明は、請求項1または請求項
2に記載の加熱反応管接触によるゼオライトの連続合成
方法において、前記ゼオライト生成工程には、反応時間
変更手段が設けられていることに特徴を有する。
【0013】この発明によれば、反応時間変更手段が設
けられているので、ゼオライト原料およびアルカリ水溶
液のそれぞれの種類や濃度、スラリーの流速・固液比、
反応管の設定条件(温度、圧力、時間)等々によってゼ
オライトの生成速度が変更し得る場合であっても、その
生成速度に基づいた反応時間を容易に制御することがで
き、特定種類のゼオライトを容易に合成することができ
る。
【0014】請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3
の何れかに記載の加熱反応管接触によるゼオライトの連
続合成方法において、前記スラリーに所定量のゼオライ
トを配合することに特徴を有する。
【0015】この発明によれば、反応管に供給するスラ
リー中に、予め所定量のゼオライトを配合させるので、
そのゼオライトが種結晶となってゼオライトの生成が極
めて容易に起こり、反応時間の短縮と合成効率の向上を
図ることができると共に、特定種類のゼオライトを合成
することが容易となる。
【0016】請求項5の発明は、請求項1乃至請求項4
の何れかに記載の加熱反応管接触によるゼオライトの連
続合成方法において、前記ゼオライト生成工程と、さら
に、生成したゼオライトを含有するスラリーからゼオラ
イトを分離する工程と、ゼオライトの型を転換する工程
と、ゼオライトを脱水する工程と、を有することに特徴
を有する。
【0017】この発明によれば、上述したゼオライト生
成工程に加えて、ゼオライトの分離工程、ゼオライトの
型転換工程、ゼオライトの脱水工程を有するので、連続
工程によって効率的にゼオライトを合成することができ
る。
【0018】請求項6の発明は、請求項5に記載の加熱
反応管接触によるゼオライトの連続合成方法において、
前記の各工程は相互に圧力差を有し、前記スラリーおよ
びゼオライトが圧送されることに特徴を有する。
【0019】この発明によれば、上記各工程の相互間に
圧力差をもたせているので、スラリーおよびゼオライト
を容易に圧送させることができる。その結果、ゼオライ
トの合成を容易且つ効率的に行うことができる。
【0020】請求項7の発明は、請求項5に記載の加熱
反応管接触によるゼオライトの連続合成方法において、
前記ゼオライトを脱水する工程は、脱水槽内の空気及び
/又は水蒸気を吸引して減圧し、吸引後の空気及び/又
は水蒸気を加圧・加熱して再度ゼオライトが存在する脱
水槽中のコイル内に戻し、ゼオライト中の水分を蒸発さ
せると共に、そのコイル内で水蒸気が凝縮して排出され
ることにより脱水され、引き続きこれらの動作を繰り返
すことに特徴を有する。
【0021】この発明によれば、吸引後の空気及び/又
は水蒸気を加圧・加熱した際に発生する熱を利用して、
効率的に脱水することができる。
【0022】請求項8の発明の加熱反応管接触によるゼ
オライトの連続合成装置は、ゼオライト原料とアルカリ
水溶液とを含有するスラリーが所定の条件に設定され加
熱された反応管内を連続的に通過するゼオライト生成装
置を少なくとも有することに特徴を有する。
【0023】請求項9の発明は、請求項8に記載の加熱
反応管接触によるゼオライトの連続合成装置において、
前記反応管内にオリフィスが設けられていることに特徴
を有する。
【0024】請求項10の発明は、請求項8または請求
項9に記載の加熱反応管接触によるゼオライトの連続合
成装置において、前記ゼオライト生成装置には、反応時
間変更手段が設けられていることに特徴を有する。
【0025】請求項11の発明は、請求項8乃至請求項
10の何れかに記載の加熱反応管接触によるゼオライト
の連続合成装置において、前記スラリーにゼオライトを
添加するための、ゼオライトの添加口またはゼオライト
を含有するアルカリ水溶液の添加口が、前記スラリーの
混合槽から前記反応管の入り口までの何れかに設けられ
ていることに特徴を有する。
【0026】請求項12の発明は、請求項8乃至請求項
11の何れかに記載の加熱反応管接触によるゼオライト
の連続合成装置において、前記ゼオライト生成装置と、
さらに、ゼオライト分離装置と、ゼオライト型転換装置
と、ゼオライト脱水装置と、を有することに特徴を有す
る。
【0027】請求項13の発明は、請求項12に記載の
加熱反応管接触によるゼオライトの連続合成装置におい
て、前記の各装置には、圧力検知手段と、当該圧力検知
手段に基づいて各装置相互間に圧力差をもたせる圧力調
整手段とが設けられていることに特徴を有する。
【0028】この発明によれば、各装置には、圧力検知
手段と、その圧力検知手段に基づいて各装置相互間に圧
力差をもたせる圧力調整手段とが設けられているので、
それらの手段によって、各工程の相互間に圧力差をもた
せることができる。その結果、スラリーおよびゼオライ
トを容易に圧送させることができ、ゼオライトの連続合
成を容易且つ効率的に行うことができる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ本発明の
加熱反応管接触によるゼオライトの連続合成方法および
その連続合成装置を説明する。
【0030】図1は、本発明の加熱反応管接触によるゼ
オライトの連続合成方法の一例を示すフロー図であり、
図2は、本発明の加熱反応管接触によるゼオライトの連
続合成装置の一例を示すフローシートであり、図3は、
ゼオライトの生成装置の一例を示す構成図であり、図4
は、反応管内の乱流の態様を示す説明図であり、図5
は、反応管にオリフィスを設けた一例を示す構成図であ
り、図6は、ゼオライトの分離装置の一例を示す構成図
であり、図7は、ゼオライトの脱水装置の一例を示す構
成図である。
【0031】ゼオライトは、図1に示すように、反応に
供するスラリーを準備し、ゼオライト生成工程/装置
(工程及び/又は装置を言うときは、このように「工程
/装置」と表す。以下同じ。)、ゼオライト分離工程/
装置、ゼオライト型転換工程/装置、ゼオライト脱水工
程/装置の各工程/装置を順次経ることによって合成さ
れる。こうした各工程/装置の後には、必要に応じて洗
浄工程/装置を加えることができる。以下、各工程およ
び各合成装置について順に説明する。
【0032】(1)スラリー ゼオライトの反応に供するスラリーとしては、(イ)所
定の珪礬比(Si/Al比)に調整されたゼオライト原
料とアルカリ水溶液とを含有するもの、(ロ)不特定の
珪礬比からなる石炭灰等の廃棄物を利用したゼオライト
原料とアルカリ水溶液とを含有するもの、(ハ)不特定
の珪礬比からなる廃棄物等を所定の珪礬比に調整したゼ
オライト原料とアルカリ水溶液とを含有するもの、等が
好ましく使用される。なお、本発明においてスラリーと
いうときは、液体と固体とを所定の固液比(固体:液体
=1:3〜12)に混在させ流動化させたスラリーのほ
か、固体材料を含むゼオライト原料が後述のアルカリ水
溶液に溶解してなる液体状のものや、液体材料からなる
ゼオライト原料とアルカリ水溶液が混合されてなるもの
も含まれる。
【0033】ゼオライト原料は、下記のアルミニウム成
分と珪素成分の両方を含有する材料、または、アルミニ
ウム成分と珪素成分の何れか一方を主に含有する材料を
相互に混合した混合材料を用いて所定の珪礬比に調整す
ることができる。
【0034】アルミニウム成分を含有する材料の具体例
としては、アルミニウム廃液、アルミニウムドロス、ア
ルマイト加工廃液、アルミサッシ洗浄液等の廃液;廃ア
ルミニウム缶、廃アルミニウムホイル等のアルミニウム
含有物質;アルミン酸ナトリウム、硫酸アルミニウム、
アルミニウムパウダー、水酸化アルミニウム、アルミン
ゾル等の化学物質、を例示することができる。
【0035】珪素成分を含有する材料の具体例として
は、廃ガラス、シリコンウエハー合成時の廃シリコン等
の珪素含有物質、稲、麦等の禾目科植物の焼却灰または
アルカリ抽出液、珪酸ソーダ、粉末珪酸ソーダ、シリカ
ゲル等の化学物質、を例示することができる。
【0036】さらに、アルミニウム成分と珪素成分の両
方を含有する材料の具体例としては、石炭灰、都市ゴミ
焼却灰、活性汚泥焼却灰、ゴミ固形化燃料灰等の焼却
灰、製紙スラッジ、鋳物スラッジ(廃砂)、灰の溶融ス
ラグ、凝灰岩(大谷石など)、火山灰、砂利のくず等を
例示することができる。
【0037】これらの内、フライアッシュと呼ばれる石
炭灰を好ましく用いることができる。このフライアッシ
ュは、石炭を微粉にして微粉炭燃焼ボイラーにより燃焼
した際、集塵機により採取するような微小な灰の粒子で
あり、約40〜75%の範囲の酸化珪素と、約15〜3
5%の範囲の酸化アルミニウムを含有するものが好まし
く用いられる(逸見彰男、坂上越朗共著「人工ゼオライ
トが地球を救う」株式会社ジャパンタイムズ発行、19
99年6月、p.31)。
【0038】アルカリ水溶液は、ゼオライトの生成反応
に不可欠なものであり、上述したゼオライト原料の種類
によって、アルカリ水溶液の種類と濃度が適宜選択され
る。具体的には、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリ
ウム水溶液を例示できる。
【0039】スラリーは、図2のフローシートにもその
調製手段の一例を示すように、フライアッシュ等のゼオ
ライト原料の所定量と、予め所定の濃度に調製されたア
ルカリ水溶液の所定量とを、スラリー混合槽13に投入
し、所定時間混合することによって準備される。例え
ば、水酸化ナトリウム水溶液を用いる場合は、2〜5N
に希釈した水酸化ナトリウム水溶液を、ゼオライト原料
1に対して2〜12(より好ましくは3〜10)の割合
で混ぜることが好ましい。なお、アルカリ水溶液の濃度
とその配合比は、ゼオライト原料の種類、反応条件、反
応時間、所望する生産量、合成すべきゼオライトの種
類、等を考慮して適宜設定される。
【0040】ゼオライト原料とアルカリ水溶液とからな
るスラリーの組成は、混合させる化合物のモル比として
Na2O/SiO2=0.3〜1.7、SiO2/Al2
3=3〜27、H2O/Na2O=12〜300の範囲内
で、生成すべき特定のゼオライトに適した範囲に調整す
ることが好ましい。例えば、ゼオライトA(A型ゼオラ
イト)を合成する場合には、Na2O/SiO2=0.3
〜1.0、SiO2/Al23=4〜6、H2O/Na2
O=130〜300の範囲内であることが好ましく、ゼ
オライトX(X型ゼオライト)を合成する場合には、N
2O/SiO2=1.2〜1.5、SiO2/Al23
=3〜5、H2O/Na2O=35〜60の範囲内である
ことが好ましく、ゼオライトY(Y型ゼオライト)を合
成する場合には、Na2O/SiO2=0.28〜1.
7、SiO2/Al23=8〜27、H2O/Na2O=
12〜90の範囲内であることが好ましい。本発明にお
いては、各反応条件を制御できるので、目的のゼオライ
トを合成するための原料を合成装置に投入し、反応管内
で反応させることにより、所望の種類からなる高品質な
ゼオライトを安価に製造することができる。
【0041】ゼオライト原料とアルカリ水溶液との混合
手段は特に限定されないが、例えば、プロペラタイプの
一般的な撹拌ミキサー等によって行うことができる。こ
うして準備されたスラリーは、供給ポンプによって、ゼ
オライト生成工程/装置に供給される。このとき、その
途中で加温(例えば、80〜100℃程度)されて供給
されることが好ましい。
【0042】なお、本発明の加熱反応管接触によるゼオ
ライトの連続合成方法は連続的なものであるので、ゼオ
ライト原料とアルカリ水溶液の投入、混合、さらに、ゼ
オライト生成工程/装置へのスラリーの供給は、バルブ
操作等によって連続的に行われる。なお、後述する循環
型の反応管によってゼオライトを生成させる場合には、
ゼオライト生成工程/装置へのスラリーの供給は、反応
管内で生成したゼオライトが次工程に送られた後に、バ
ルブ操作等によって断続的に行われる。
【0043】(2)ゼオライト生成工程/装置 ゼオライト生成工程/装置は、供給されたスラリーをゼ
オライトに反応させるための工程/装置であり、ゼオラ
イト原料とアルカリ水溶液とを混合したスラリーが連続
的ないし断続的に供給され、そのスラリーが、所定の温
度・圧力等に設定された反応管16内を連続的に通過す
ることによってゼオライトの生成反応が起こる。
【0044】本発明の加熱反応管接触によるゼオライト
の連続合成方法およびその連続合成装置においては、こ
のゼオライトの生成工程/装置が最も特徴的な部分であ
り、少なくともこの生成工程/装置を有したものであ
る。従って、このゼオライト生成工程/装置を有するゼ
オライトの合成方法/装置であれば、その前工程/装置
や後工程/装置に、本願で説明する各工程/装置を含む
ものであっても、本願で説明した以外の工程/装置を含
むものであってもよい。
【0045】なお、ゼオライト生成工程/装置でいう
「連続的」とは、ほぼ絶え間なく連続して供給され通過
する態様を表す場合と、一定間隔毎の供給と通過が連続
的に行われる態様を表す場合とを表す意味である。な
お、後述するようなスラリーを反応管内で循環させる場
合は、後者の態様、すなわち一定間隔毎の供給と通過が
連続的に行われる態様で行われることになり、ここでは
「断続的」という場合もある。
【0046】ゼオライトの生成反応は、図3および図4
に示すように、所定の圧力・温度条件下で、スラリーが
反応管16内を通過する際に生じる流動に基づく渦ない
し乱流の作用によって起こる。この渦や乱流によって、
スラリー中のゼオライト原料とアルカリ水溶液とが極め
て効率的に撹拌される。
【0047】乱流の程度は、スラリーを構成する固液割
合、すなわち固体であるゼオライト原料と液体であるア
ルカリ水溶液との割合や、それら原材料等の種類によっ
て異なり、任意に設定される。好ましい乱流の程度はレ
イノルズ数2千〜100万、より好ましくは8千〜5
万、さらに好ましくは1万〜3万であり、ゼオライトの
生成反応をより効率的に行うことができる。なお、レイ
ノルズ数は、スラリーの流速、反応管16の内径、スラ
リーの密度、粘度および動粘度等の因子によって適宜調
整される。従って、これらを考慮して条件設定、反応管
16の設定等が行われる。
【0048】反応管16には、オリフィスを設けること
ができる。オリフィスの態様については特に限定されな
い。オリフィスを設けることによって、乱流の発生やレ
イノルズ数の調整を容易に行うことができる。一例とし
ては、図5に示すような形態のオリフィスを設けること
ができる。
【0049】反応管16は、図2のフローシートと図3
の構成図に示すように、上記レイノルズ数を考慮して選
定された所定の内径を有する所定の長さの管である。そ
の長さや内径は、特に限定されず、生産量や反応速度に
基づいて任意に設計される。
【0050】こうした反応管16は、ゼオライトの生成
を容易にさせるために、圧力調整手段によって所定の圧
力に調整され、下記の加熱手段によって所定の温度に調
整される。この圧力と温度の関係は、飽和蒸気圧曲線に
基づいて設定されることが好ましい。
【0051】ゼオライトを生成するためにスラリーに与
えられる具体的な圧力と温度の範囲としては、飽和蒸気
圧曲線に基づき、大気圧(例えば、1atm=約0.1
MPa)・温度約60℃から、圧力約10kg/cm2
(約1.0MPa)・温度約200℃の範囲とすること
が好ましいが、上記範囲以外であってもよく特に限定さ
れない。なお、反応管16は、反応に供するスラリーを
上述した圧力・温度条件に設定するのに耐えうる材質や
寸法(肉厚等)を有するものが採用される。
【0052】加熱は、熱媒体オイル17によるもの、蒸
気によるもの、火加熱炉によるもの、燃焼ガスによるも
の、等の何れでもよく、特に限定されない。こうした加
熱手段によれば、反応管16が全長に亘って均一な温度
で加熱されるので、スラリーには、反応管16内に供給
された時点から十分な温度が与えられる。しかも、乱流
作用に基づく十分な撹拌も与えられる。その結果、スラ
リーが反応管16に供給されて直ぐに反応を開始させる
ことができ、ゼオライトの生成反応が促進され、反応時
間の短縮と合成効率の向上を達成することができる。な
お、図2のフローシートには、熱媒体オイル17によっ
て反応管16を加熱する手段の一例を示している。その
熱媒体オイル17は、循環ポンプによって循環し、その
中間で所定の温度に加熱される。こうした循環タイプの
他に、反応管をオイルバスに浸す方式など、種々採用す
ることも可能である。
【0053】図3に示すゼオライト生成装置において、
反応管が巻き回されているゼオライト生成装置の内側に
内筒を設けることが好ましい。反応管の中を流れるスラ
リーによる反応管内壁の摩耗を軽減するために、巻き回
される反応管の曲率半径を約10D以上とすることが好
ましいが、そうした場合において、図3に示すような内
筒を設けることにより、熱媒体の循環効率を高めること
ができると共に反応管の各部での温度差を極力なくすこ
とができ、その結果、熱交換効率を向上させることがで
きる。熱媒体としてオイルを用いた場合においては、オ
イルの速度が0.1m/秒以上になるように、オイルの
循環量と併せて内筒の大きさを設定する。
【0054】反応管16内を通過するスラリーの速度
は、ポンプを利用したり、後で詳述する圧送手段を利用
して調節することができる。
【0055】このゼオライト生成工程/装置には、反応
時間変更手段を設けることができる。反応管16はその
全長において所定の条件に設定され、スラリーが反応管
16に供給されて直ぐに、乱流による有効な撹拌によっ
て反応が開始するが、反応時間変更手段により、ゼオラ
イト原料およびアルカリ水溶液のそれぞれの種類や濃
度、スラリーの流速、反応管の設定条件(温度、時間、
乱流の程度等)、合成すべきゼオライトの種類によって
ゼオライトの生成速度が変更し得る場合であっても、そ
の生成速度に基づいた反応時間を容易に制御することが
できる。
【0056】反応時間変更手段としては、反応管16の
配管操作によって、反応管16の長さを短縮したり長く
したりする方法や反応管を循環式にする方法、を採るこ
とができる。反応管16の配管操作としては、3方弁を
一定長さ毎に反応管16に設け、その弁の開閉によって
操作する方法を例示できる。
【0057】また、ゼオライト原料の種類や濃度や、合
成すべきゼオライトの種類等によっては、ゼオライトの
生成に時間がかかることがあり、設計された反応管16
の長さでは不足する場合もあり得る。こうした場合にあ
っては、スラリーをさらに長時間反応管16内で反応さ
せるために、配管操作により、反応管16の出口に到達
したスラリーを再び反応管16の入り口に戻し、反応管
を循環式にすることが好ましい。このように、簡単な配
管操作で、反応促進作用に優れた反応管内でスラリーを
循環させることにより、ゼオライトが生成しにくい種類
のゼオライト原料を用いた場合や長時間反応させなけれ
ば合成できない特定のゼオライトを合成する場合であっ
ても、容易にゼオライトを合成させることができる。ま
た、このような循環手段を採用することによって、反応
管の長さを短縮させることができるという利点もある。
スラリーを循環させるには、反応管16の出口近傍に3
方弁等の流路を分岐する手段を設け、反応管16の入り
口近傍にも3方弁等の流路を分岐する手段を設け、その
間をバイパス管で連結する等の手段を採用できる。
【0058】なお、循環型の反応管でゼオライトを生成
する場合は、反応管内で生成したゼオライトを一旦次工
程に送った後に、新しいスラリーを反応管内に供給する
ようにバルブ操作することが好ましい。こうした方式
は、ゼオライトの連続反応をバッチ式で行う態様という
ことができる。そして、こうした態様の方式を採用する
場合には、循環型の反応管を二台以上配置して生産能力
をさらに向上させることができると共に、多品種のゼオ
ライトの合成にも短いメンテナンス時間で容易に合成反
応を再開することができ、また、工程内ロスも少なく設
備も小型化できるのでコスト面でも有利となる。この場
合においては、各々の循環型の反応管内で生成したゼオ
ライトを次工程に送った後に、それぞれの循環式の反応
管にスラリーが供給させる。このような態様のゼオライ
ト合成方法/装置においては、コンパクトな循環型の反
応管が複数配置され、スラリーが一定の周期毎にその反
応管内に断続的に供給され、その反応管内でゼオライト
が連続的に生成され、生成したゼオライトが次工程に送
られた後に再度スラリーが供給されることとなる。その
結果、ゼオライトの生成に時間がかかる種類のゼオライ
ト原料を用いた場合であっても、生産能力をより一層拡
大させるのに特に好ましい。
【0059】ところで、可溶性アルミニウム成分および
可溶性珪素成分(以下「アルミノ珪酸塩」という。)を
含有するゼオライト原料においては、(a)原料粒子内
の反応によって生成するアルミノ珪酸塩が、原料粒子内
からアルカリ水溶液中に拡散する速度が律速になるこ
と、および、(b)アルミノ珪酸塩からなるゼオライト
生成反応が粒子の表面で行われ、しかもその生成反応の
速度が、アルカリ水溶液の濃度およびアルカリ水溶液中
のアルミノ珪酸塩の濃度に依存すること、がわかってい
る。
【0060】本発明においては、アルミノ珪酸塩の拡散
速度と、粒子表面でのゼオライト生成反応の速度とが、
全長に亘って均一条件に設定された反応管16内での乱
流に基づく撹拌作用によって促進され、且つ連続的に行
われる。
【0061】すなわち、反応管16内での撹拌は、アル
カリ水溶液の水酸化物イオンと、生成したアルミノ珪酸
塩との接触機会を増大させるので、生成したアルミノ珪
酸塩を原料表面から速やかに取り除くことができる。そ
のため、アルミノ珪酸塩が原料粒子内からアルカリ水溶
液中に拡散(律速反応である拡散)するのを促し、その
速度を高めることができる。そのため、アルカリ水溶液
中のアルミノ珪酸塩の濃度が増すので、ゼオライト生成
反応の速度も促進される。しかも、その反応管16は、
全長に亘って均一な温度等の条件に設定されているの
で、原料が反応管16に供給されて直ぐに反応が開始し
て、アルミノ珪酸塩が拡散する速度とゼオライト生成反
応の速度とが促進される。
【0062】また、スラリーに超音波振動を与えて、ゼ
オライトの生成反応をさらに促進させることもできる。
超音波振動は、微視的な強撹拌と同じ作用を有するの
で、上述と同様に、アルカリ水溶液の水酸化物イオンと
生成したアルミノ珪酸塩との接触機会を増大させるの
で、生成したアルミノ珪酸塩を原料表面から速やかに取
り除くことができる。そのため、アルミノ珪酸塩が原料
粒子内からアルカリ水溶液中に拡散(律速反応である拡
散)するのを促し、その速度を高めることができる。
【0063】ゼオライトの生成反応をより一層促進させ
るための手段として、スラリーには、所定量のゼオライ
トを配合することが好ましい。配合されるゼオライト
(以下、配合ゼオライトともいう。)は、結晶生成反応
を促進するための誘起因子となり、いわゆる種結晶とし
て作用する。その結果、ゼオライトの結晶生成が促進さ
れ、合成反応時間の短縮と合成効率の向上を図ることが
できる。
【0064】配合ゼオライトとしては、いわゆる天然ゼ
オライト、合成ゼオライト、人工ゼオライトのいずれも
用いることができる。いわゆる天然ゼオライトの例とし
てホウフッ石群、ホウソーダ石群、リュウフッ石群、ソ
ーダフッ石群、ジョウジフッ石群、モルデンフッ石群等
の各種のゼオライト族に属する鉱物、いわゆる合成ゼオ
ライトの例としてLTA型(A3型、A4型、A5型等
のA型ゼオライト)、FAU型(X型ゼオライト:Si
/Al比=1.0〜1.4、Y型ゼオライト:Si/A
l比=1.9〜2.8等の各ゼオライト)、ZSM−5
等、いわゆる人工ゼオライトの例としてホージャサイト
(X型、Y型)、ゼオライトA、フィリップサイト、水
和ソーダライト等、を挙げることができる。配合ゼオラ
イトは、微細結晶を用いることが好ましく、通常、10
0μm以下のものが用いられる。
【0065】これらのうち、本発明に係る合成方法/合
成装置により合成されたゼオライト(A型、X型、Y型
等)を配合ゼオライトとして使用することが便利であ
る。その理由としては、本発明に係る合成方法/合成装
置においては、ゼオライトの反応条件を制御することが
できるので、特定の種類のゼオライトを合成できるから
である。例えば、LTA型(A3型、A4型、A5型等
のA型ゼオライト)、FAU型(X型ゼオライト:Si
/Al比=1.0〜1.4、Y型ゼオライト:Si/A
l比=1.9〜2.8等の各ゼオライト)のゼオライト
を容易に合成でき、それらの特定種類のゼオライトを配
合ゼオライトとして使用することによって、特定種類の
ゼオライトを容易に誘導して合成することができる。
【0066】配合ゼオライトの種類、組合せ等は、合成
しようとするゼオライトの種類に対応させて選択するこ
とができる。なお、配合ゼオライトの量は、スラリーを
構成するゼオライト原料の可溶性アルミニウム成分と可
溶性珪素成分とによって異なるので一概に規定できない
が、石炭灰をゼオライト原料に用いる場合には、ゼオラ
イト原料100質量部に対し、1.0〜15.0質量
部、好ましくは3.0〜15.0重量部のゼオライトを
含有させることが好ましい。
【0067】種結晶である配合ゼオライトの添加による
ゼオライトの結晶生成の促進作用は、現時点では以下の
ように推察される。すなわち、種結晶の添加によって、
種結晶の周囲のアルミノ珪酸塩がその種結晶上で結晶成
長する。そのため、種結晶とゼオライト原料との接触に
よって、ゼオライト原料の周囲に存在するアルミノ珪酸
塩の濃度が減少する。このようなゼオライト原料の表面
でのそれら成分濃度の減少によって、アルミノ珪酸塩が
原料粒子内からアルカリ水溶液中に拡散するのを促し、
その速度(拡散律速反応速度)を高めることができると
いう作用によって、ゼオライトの生成反応をより一層促
進させることができると考えられる。
【0068】反応管16に供給するスラリー中に予め所
定量の配合ゼオライトを含有させるための手段として
は、配合ゼオライトの添加口または配合ゼオライトを含
有するアルカリ水溶液の添加口を、スラリー混合槽13
から反応管16の入り口までの何れかの位置に設けるこ
とができる。なお、種結晶とする配合ゼオライトとして
は、反応管16を出た後に取り出されたアルカリ水溶液
中に含まれるゼオライトでも、それ以降の各工程/装置
や配管途中から取り出されたゼオライトであってもよ
い。こうして取り出されたゼオライト含有溶液またはゼ
オライトは、前記の位置に設けられた添加口から添加さ
れる(図2を参照。)。
【0069】こうしたことから、本発明においては、一
定品質のゼオライトを効率的且つ収率よく確保すること
ができる。なお、スラリー中のアルカリ水溶液の濃度お
よびアルカリ水溶液中のアルミノ珪酸塩の濃度は、上述
のように、ゼオライト生成反応の速度に影響するので、
その濃度の調整は、ゼオライト生成工程/装置の後の取
り出し口からゼオライト含有溶液を採取して、そのアル
カリ水溶液の濃度およびそこに含有するアルミノ珪酸塩
の濃度を測定し、スラリー調製時に投入するアルカリ水
溶液と、後述するゼオライト分離工程/装置で回収した
アルカリ水溶液との供給量によって行う。
【0070】以上説明したゼオライトの生成工程/装置
によって生成されたゼオライトは、アルカリ水溶液に含
まれて次のゼオライト分離工程/装置に送られる。な
お、ゼオライト分離工程/装置との間に、水冷装置を設
けることができ、これによって加熱されたスラリーを冷
却することができる。
【0071】(3)ゼオライト分離工程/装置 ゼオライト分離工程/装置は、ゼオライトを有するアル
カリ水溶液から、ゼオライトを分離し、取り出す工程/
装置であり、言い換えれば、アルカリ水溶液を取り除く
工程/装置である。ゼオライトの分離工程/装置として
は、フィルター型のもの、比重差を利用した沈降分離の
理論によるもの、等を採用できる。
【0072】フィルター型や沈降分離型(図2及び図6
を参照。)の分離工程/装置は、固体であるゼオライト
と、液体であるアルカリ水溶液とを、分離槽22内で連
続的に固液分離させるものである。この際、分離後のア
ルカリ水溶液を回収して再利用することが好ましく、廃
棄物を少なくすることができる。ここでの再利用は、回
収したアルカリ水溶液を、例えば、スラリー混合槽13
に戻したり、ゼオライト生成工程/装置とゼオライト分
離工程/装置を連結する配管の途中に戻したりすること
によって行われる。
【0073】なお、スラリー調製時に、予め原料に混入
している夾雑物や未燃カーボン等の微粒子は、分離槽2
2の上部に浮遊し、外に排出される。そうした微粒子を
より分離させやすくするため、空気を送入して緩やかな
撹拌を行うこともできる。
【0074】分離されたゼオライトは、次の工程/装置
に送られる。
【0075】(4)ゼオライト型転換工程/装置 ゼオライト型転換工程/装置は、ゼオライトに吸着して
いる陽イオンを所望の陽イオンに交換する工程/装置で
ある。
【0076】生成したゼオライトは、通常、水酸化ナト
リウムからなるアルカリ水溶液で処理されるので、ゼオ
ライトをそのまま脱水すると、ナトリウム型のゼオライ
トを得ることができる。
【0077】この型転換工程/装置は、ナトリウム型の
ゼオライトを、他の陽イオンとイオン交換して異なる型
のゼオライトに転換する工程/装置である。具体的に
は、カルシウム型にする場合には、塩化カルシウムなど
のカルシウム塩水溶液中でイオン交換させ、鉄型にする
場合には、塩化鉄などの鉄塩水溶液中でイオン交換さ
せ、アルミニウム型にする場合には、塩化アルミニウム
などのアルミニウム塩水溶液中でイオン交換させ、マグ
ネシウム型にする場合には、塩化マグネシウムなどのマ
グネシウム塩水溶液でイオン交換させ、カリウム型の場
合には、塩化カリウムなどのカリウム塩水溶液中でイオ
ン交換させることによって、それぞれの型のゼオライト
に転換することができる。
【0078】通常、5〜15%の濃度からなる各塩の水
溶液が用いられ、一回の転換率が85〜90%程度にな
るように注入量が調整される。そして、最終的に95〜
99%の転換率になるように、転換工程が複数回繰り返
される。
【0079】こうした各種の型のゼオライトは、そのそ
れぞれにおいて、多種多様な用途に利用できるので、そ
の用途に応じた型のゼオライトを容易に合成することが
できる。
【0080】図2のフローシートに示したように、型転
換工程/装置には、カルシウム塩水溶液槽、鉄塩水溶液
槽、アルミニウム塩水溶液槽、マグネシウム塩水溶液
槽、等が設けられており、これらの水溶液を型転換槽に
投入することによって、容易にイオン交換して所望の型
に転換することができる。
【0081】なお、型転換工程/装置に投入されるゼオ
ライトは、前記のゼオライト分離工程/装置を出た後、
少なくとも一度洗浄されたものが用いられる。例えば、
固液分離型の洗浄工程/装置によって、洗浄することが
できる。
【0082】型転換されたゼオライトは、必要に応じて
設けられる洗浄工程/装置を経て、ゼオライト脱水工程
/装置に送られる。
【0083】(5)ゼオライト脱水工程/装置 ゼオライト脱水工程/装置は、型転換されたゼオライト
を脱水して製品にする工程/装置である。型転換された
ゼオライトは、未だ多くの水分を含有しているので、所
定の水分量まで脱水する必要がある。ゼオライト脱水工
程/装置としては、図7に示すヒートポンプ方式を利用
したもの、フィルター型のもの、等を利用できる。
【0084】ヒートポンプ方式を利用した脱水理論に基
づくゼオライトの脱水工程/装置によれば、図7に示す
ように、脱水槽42内の空気及び/又は水蒸気を吸引し
て減圧し、吸引後の空気及び/又は水蒸気を加圧・加熱
して再度ゼオライトが存在する脱水槽42中のコイル
(加熱コイルという。)内に戻し、ゼオライト中の水分
を蒸発させると共に、そのコイル内で水蒸気が凝縮して
排出されることにより脱水され、引き続きこれらの動作
を繰り返すことによって、ゼオライトを脱水した。ゼオ
ライトは、その使用態様に応じてある程度の水分を含有
している必要があることから、適宜脱水の程度が調節さ
れる。本発明においては、その脱水の程度は、脱水槽4
2内でのゼオライトの処理時間によって調整することが
できる。
【0085】こうした手段により、吸引後の空気及び/
又は水蒸気を加圧した際に発生する熱を利用して、効率
的に脱水することができる。
【0086】(6)その他の工程または装置 (i)本発明の加熱反応管接触によるゼオライトの連続
合成方法およびその連続合成装置においては、ゼオライ
ト生成工程/装置からゼオライト脱水工程/装置までの
間、スラリーやゼオライトの移送には、ポンプを利用し
た大気開放方式や、圧力差を利用した圧送方式を好まし
く採用することができる。本発明においては、特に、圧
力差による圧送方式を好ましく用いることができる。
【0087】圧送方式とは、各工程/装置の相互間に圧
力差をもたせることによって、スラリーまたはゼオライ
トが、圧力の高い方から低い方に自動的に移送される方
式である。従って、その圧力差と管の大きさを調製する
ことによって、移送速度を任意に設定することができ
る。そのため、スラリーまたはゼオライトの移送速度を
制御しつつ、それらを容易に圧送させることができ、ゼ
オライトの合成を容易且つ効率的に行うことができる。
【0088】特に本発明においては、ゼオライト生成工
程/装置における反応管内のスラリーの撹拌作用が、ゼ
オライトの生成反応に大きく関与することから、スラリ
ーの速度を圧送方式によって任意且つ容易に調節するこ
とによって、ゼオライトの生成反応を容易に制御するこ
とができるという格別の効果を有する。
【0089】こうした圧送方式を備えるゼオライト連続
合成装置は、各装置に設けられた圧力検知手段と、その
圧力検知手段に基づいて各装置相互間に圧力差をもたせ
る圧力調整手段とを有する。例えば、圧力センサーから
なるに圧力検知手段によって圧力を検知し、液体または
空気による圧力調整システム51からなる圧力調整手段
によって各工程/装置間の圧力を調整することができ
る。特に、空気供給による圧力調整システムが好まし
く、各装置内に空気を出し入れして、その内圧を容易且
つ安全に調整することができる。
【0090】(ii)本発明においては、ゼオライト生成
工程/装置の反応管16のみならず、スラリーやゼオラ
イトが移送される際にも、乱流が生じるように各々の配
管の内径や移送速度を設定することが好ましい。このよ
うに、各工程/装置間の配管中で乱流を生じさせるよう
に設計することによって、配管途中で、洗浄水やイオン
交換用溶液を混ぜ、それらを十分に撹拌させて処理する
ことができる。
【0091】例えば、ゼオライト生成工程/装置とゼオ
ライト分離工程/装置との間に、回収されたアルカリ水
溶液に水を加えて希釈した水溶液を混ぜることによっ
て、配管途中で十分な撹拌がなされ、ゼオライト分離工
程/装置での固液分離を容易に行わせることができる。
また、ゼオライト分離工程/装置とゼオライト洗浄工程
/装置との間や、型転換工程/装置後の配管に、洗浄水
を混ぜることによって、ゼオライトをより効率的に洗浄
することができる。また、ゼオライト型転換工程/装置
の手前に、イオン交換用溶液を混ぜることによって、イ
オン交換を容易にし、型転換効率を向上させることがで
きる。
【0092】(iii)連続合成を可能にするための付帯
装置として、スラリー濃度センサー、アルカリ濃度セン
サー、イオンセンサー、液面センサー、水分センサー等
のセンサーを、各工程/装置に必要に応じて設けること
ができる。こうしたセンサー類で検知された信号を基
に、材料補給による濃度調整や液面調整等を行うことが
できる。
【0093】(iv)本発明においては、洗浄水の循環再
利用を図っている。本発明において、洗浄工程/装置
は、分離工程/装置や型転換工程/装置の後に通常設け
られるので、洗浄後の水はナトリウムイオンが多く含有
することとなる。こうした洗浄水を、浸透膜等を用いて
洗浄水として再利用することができる。
【0094】(v)本発明においては、アルカリ水溶液
の再利用を図っている。分離工程/装置後で分離された
アルカリ水溶液を回収し、スラリー混合層に戻すことに
よって、再利用することができる。
【0095】(vi)得られるゼオライトの品質(例え
ば、純度)を高めるために、必要に応じて、分離工程/
装置や型転換工程/装置の後に、乾燥工程/装置を設け
ることが好ましい。
【0096】(7)ゼオライト 上述した各工程/装置を経てゼオライトが合成される。
ここでいうゼオライトとは、ゼオライト原料とアルカリ
水溶液とを反応させることによって合成されたゼオライ
トをいう。
【0097】本発明においては、ゼオライト生成反応を
一定の条件下で行わせることができる上述した本発明に
係る合成方法/合成装置によりゼオライトを合成するの
で、特定の種類のゼオライトを、効率よく安価に安定し
て合成することができる。
【0098】合成されるゼオライトとしては、上述した
ゼオライト原料や条件に応じたものが合成され、例え
ば、ホージャサイトであるA型ゼオライト、X型ゼオラ
イト、Y型ゼオライト(LTA(A型など)構造を有す
るゼオライトや、FAU(XないしY型など)構造のゼ
オライト等)や、その他の構造からなる特定種類のゼオ
ライトが合成される。その他のゼオライトとしては、M
FI型のゼオライト、L型のゼオライト、モルデナイ
ト、ヒドロキシソーダライト等を挙げることができる。
【0099】また、配合ゼオライトとして、本発明で予
め製造された特定種類のゼオライト(A型、X型、Y型
等)を使用することがより好ましいが、LTA(A型な
ど)構造を有するゼオライト、FAU(XないしY型な
ど)構造を有するゼオライトを用いてもよく、配合ゼオ
ライトのSi/Al比以下のSi/Al比を有する特定
のゼオライトが合成される。さらに具体的に説明すれ
ば、配合ゼオライトとしてLTA(A型など)構造のゼ
オライトを0.01〜10重量%添加した場合において
は、添加した配合ゼオライトと同じLTA(A型など)
構造を有するゼオライトを合成することができる。ま
た、配合ゼオライトとしてFAU(XないしY型など)
構造のゼオライトを0.01〜10重量%添加した場合
においては、添加したFAU(XないしY型など)構造
のゼオライトまたは、添加したFAU(XないしY型な
ど)構造のゼオライトよりもSi/Al比の低いLTA
(A型など)構造を有するゼオライトを合成することが
できる。
【0100】以上、(1)〜(7)に説明したように、
本発明の加熱反応管接触によるゼオライトの連続合成方
法およびその連続合成装置によれば、スラリーが反応管
16内を通過する際に生じる乱流の作用によって、スラ
リー中のゼオライト原料とアルカリ水溶液とが極めて効
率的に撹拌され、熱媒体等により均一に加温されるの
で、ゼオライトの生成反応が促進され、反応時間の短縮
と合成効率の向上を図ることができる。
【0101】
【実施例】以下に、本発明の実施態様の一例を示し、本
発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明の趣旨
は、以下の実施態様に限定されるものではない。
【0102】ゼオライトは、図1および図2に示すよう
に、スラリー準備工程/装置2により、所定の珪礬比に
調整したゼオライト原料とアルカリ水溶液とを混合し、
得られたスラリーがゼオライト生成工程/装置3、分離
工程/装置4、洗浄工程/装置5、型転換工程/装置
6、洗浄工程/装置7、脱水工程/装置8を順次経るこ
とによって、ゼオライトが合成される。以下、順を追っ
て説明する。
【0103】先ず、スラリー準備工程/装置2でスラリ
ーを準備する。スラリーの原料としては、原料サイロ1
1に貯蔵された石炭灰と、アルカリ水溶液槽12に貯蔵
された48%水酸化ナトリウム水溶液とを用いる。これ
らの所定量と希釈水とをスラリー混合槽13に送って1
3%(約3.5N)水酸化ナトリウム水溶液にまで希釈
すると共に、ミキサーで撹拌してスラリーを調製する。
このスラリーは、石炭灰と水酸化ナトリウム水溶液とを
所定の割合に調整したものであり、ゼオライトの生成反
応を考慮したとき、その割合は、石炭灰1に対して水酸
化ナトリウム水溶液2〜12とすることが好ましく、よ
り好ましくは3〜10である。次いで、調製されたスラ
リーを、常時一定量に保持されたスラリー供給槽14に
送り、撹拌しながら連続的にゼオライト生成装置15に
供給する。なお、スラリーを供給する配管を、ゼオライ
ト生成装置15の出口配管に接触させ、スラリーの温度
を加温(例えば、85℃)させて供給することが経済的
であり、且つ反応促進の観点からも好ましい。
【0104】ゼオライト生成装置15は、供給されたス
ラリーを乱流作用によって撹拌しながら反応させるため
の反応管16が、例えば図3に示すようなスパイラル状
に配置される。その反応管16の周囲には、反応管内の
スラリーを所定の反応温度(例えば、175℃)・所定
の圧力(例えば、約8.2kg/cm2 )にするため、
スラリー用加熱器でオイル17を所定の温度(例えば、
200℃)に加熱して循環させている。反応管16の入
口側は、スラリー供給側のポンプによって所定の圧力に
高められ、又は、システム圧と同じ圧力に保持されて、
スラリーが反応管16出口側に向かって任意の速度で流
れるように制御される。ここでは、反応管の内径を例え
ば1.5インチ(約38mm)とした。ゼオライトは、
スラリーがこうした反応管16内を通過することによっ
て反応し、生成する。
【0105】なお、図3に示すゼオライト生成装置にお
いては、反応管16を例えば三段切換とする反応時間変
更手段を採用する。また、循環型のゼオライト生成装置
においては、循環式の反応管を用いて反応時間を変更す
る方法を採用している。
【0106】生成したゼオライトを含むアルカリ水溶液
は、配管を通ってゼオライト分離装置21に送られる間
に、上述したスラリーを供給する配管に接触し、さらに
冷却器18で熱交換されて、冷却される。さらに、その
配管途中には、ゼオライト分離工程/装置から回収され
たアルカリ水溶液に水を加えた溶液を投入する投入口1
9が設けられる。
【0107】ゼオライト分離装置21に送られたゼオラ
イト含有アルカリ水溶液は、分離槽22内でゼオライト
からなる固体部分が沈降して、水酸化ナトリウム水溶液
からなる液体部分と分離する。固体部分のゼオライト
は、分離槽下方の出口から次の洗浄装置26に送られ
る。このとき、圧送方式で移送されるが、スラリー状の
ゼオライトの計量制御を目的として、ポンプを併用する
こともできる。
【0108】液体部分の水酸化ナトリウム水溶液は、幾
つかの隔壁23で隔てられた排出部24から回収され
る。なお、回収された水酸化ナトリウム水溶液は、再
度、スラリー混合槽13に送られたり、前記の投入口1
9に送られる。分離槽22の上方には、エアー口25が
設けられ、圧力調整システム51からのエアーによって
分解槽22の内圧を調節して圧送状態が制御される。
【0109】ゼオライト洗浄装置26に送られるゼオラ
イトは、その配管途中で洗浄水が加えられる。洗浄水が
加えられたゼオライトは、配管内を通過する際に、配管
内で起こる乱流作用によって撹拌され、十分に洗浄され
た状態で洗浄槽27に投入される。この洗浄装置26
は、分離装置21と同様の形態であり、洗浄されたゼオ
ライトが沈降し、洗浄槽下方の出口からポンプによって
次の型転換装置31に移送される。洗浄液は、幾つかの
隔壁2で隔てられた排出部28から回収され、必要に応
じてろ過されて洗浄水供給タンク29に戻される。洗浄
槽27の内圧も、上記分解槽22と同じ構成によって調
整される。
【0110】ゼオライト型転換装置31に送られるゼオ
ライトは、その配管途中で型転換用の各種水溶液のうち
の一種が加えられる。なお、ナトリウム型のゼオライト
とする場合には、そのまま次工程の脱水装置41に送ら
れる。型転換用の水溶液が加えられたゼオライトは、配
管内を通過する際に、配管内で起こる乱流作用によって
撹拌され、十分にイオン交換された状態で型転換槽32
に投入される。この型転換装置31も、分離装置21や
洗浄装置26と同様の形態であり、洗浄されたゼオライ
トが沈降し、型転換槽下方の出口からポンプによって次
の洗浄装置36に移送される。処理液は、幾つかの隔壁
23で隔てられた排出部33から回収され、必要に応じ
てろ過されて転換液循環槽34に戻される。型転換槽3
2の内圧も、上記分解槽22等と同じ構成によって調整
され、圧送状態が制御される。
【0111】ゼオライト洗浄装置36に送られるゼオラ
イトは、その配管途中で洗浄水が加えられる。洗浄水が
加えられたゼオライトは、配管内を通過する際に、配管
内で起こる乱流作用によって撹拌され、十分に洗浄され
た状態で洗浄槽37に投入される。この洗浄装置36
は、上述した洗浄装置26と同じ形態であり、洗浄され
たゼオライトが沈降し、洗浄槽下方の出口からポンプに
よって次の脱水装置41に移送される。洗浄液は、幾つ
かの隔壁23で隔てられた排出部38から回収され、必
要に応じてろ過されて洗浄水供給タンク39に戻され
る。洗浄槽37の内圧も、上記洗浄槽27と同じ構成に
よって調整され、圧送状態が制御される。
【0112】ゼオライト脱水装置41に送られたゼオラ
イトは、脱水槽42内で脱水される。先ず、脱水槽内の
空気及び/又は水蒸気を吸引し、その空気及び/又は水
蒸気を圧縮機43で加圧・加熱し、再度ゼオライトが存
在する脱水槽42中の加熱コイル内に戻す。ゼオライト
中の水分は、加熱コイルによって蒸発する。加熱コイル
内に戻された水蒸気は、凝縮して排出される。こうした
ヒートポンプの原理によって、ゼオライトが脱水され、
脱水槽下方から製品サイロ46に移送してゼオライトが
得られる。
【0113】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の加熱反応
管接触によるゼオライトの連続合成方法およびその連続
合成装置によれば、スラリーが加熱された反応管内を通
過する際に生じる乱流の作用によって、スラリー中のゼ
オライト原料とアルカリ水溶液とが極めて効率的に撹拌
されるので、ゼオライトの反応が促進され、反応時間の
短縮と合成効率の向上を図ることができる。また、スラ
リーの固液比、反応時間、反応温度等を容易に調節する
ことができるので、供給量や生産量の変化に対して容易
に対応することができ、連続運転や自動運転も可能とな
ると共に、所定の条件に設定された反応管内で特定種類
のゼオライトを合成することができる。
【0114】こうした効果を有する加熱反応管接触によ
るゼオライトの連続合成方法およびその連続合成装置
は、装置全体を小型化することができ、プラント建設費
を著しく低減することができる。また、運転経費や維持
費も著しく低減させることができる。さらに、連続的且
つ効率的に合成することが可能であるので、大量生産が
可能であったり、生産量の増減にも容易に対応させるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の加熱反応管接触によるゼオライトの連
続合成方法の一例を示すフロー図である。
【図2】本発明の加熱反応管接触によるゼオライトの連
続合成装置の一例を示すフローシートである。
【図3】ゼオライトの生成装置の一例を示す構成図であ
る。
【図4】反応管内の乱流の態様を示す説明図である。
【図5】反応管にオリフィスを設けた一例を示す構成図
である。
【図6】ゼオライトの分離装置の一例を示す構成図であ
る。
【図7】ゼオライトの脱水装置の一例を示す構成図であ
る。
【符号の説明】
1…ゼオライト連続合成装置 2…スラリー準備工程/装置 3…生成工程/装置 4…分離工程/装置 5…洗浄工程/装置 6…型転換工程/装置 7…洗浄工程/装置 8…脱水工程/装置 11…原料サイロ 12…アルカリ水溶液槽 13…スラリー混合槽 14…スラリー供給層 15…ゼオライト生成装置 16…反応管 17…オイル 18…冷却器 19…投入口 21…ゼオライト分離装置 22…分離槽 23…隔壁 24、28、33、38…排出部 25…エアー口 26、36…ゼオライト洗浄装置 27、37…洗浄槽 29、39…洗浄水供給タンク 31…ゼオライト型転換装置 32…型転換槽 34…転換液循環槽 41…ゼオライト脱水装置 42…脱水槽 43…圧縮機 46…製品サイロ 51…圧力調整システム

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゼオライト原料とアルカリ水溶液とを含
    有するスラリーが所定の条件に設定され加熱された反応
    管内を連続的に通過するゼオライト生成工程を少なくと
    も有することを特徴とする加熱反応管接触によるゼオラ
    イトの連続合成方法。
  2. 【請求項2】 前記反応管内にオリフィスが設けられて
    いることを特徴とする請求項1に記載の加熱反応管接触
    によるゼオライトの連続合成方法。
  3. 【請求項3】 前記ゼオライト生成工程には、反応時間
    変更手段が設けられていることを特徴とする請求項1ま
    たは請求項2に記載の加熱反応管接触によるゼオライト
    の連続合成方法。
  4. 【請求項4】 前記スラリーに所定量のゼオライトを配
    合することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか
    に記載の加熱反応管接触によるゼオライトの連続合成方
    法。
  5. 【請求項5】 前記ゼオライト生成工程と、さらに、生
    成したゼオライトを含有するスラリーからゼオライトを
    分離する工程と、ゼオライトの型を転換する工程と、ゼ
    オライトを脱水する工程と、を有することを特徴とする
    請求項1乃至請求項4の何れかに記載の加熱反応管接触
    によるゼオライトの連続合成方法。
  6. 【請求項6】 前記の各工程は相互に圧力差を有し、前
    記スラリー及び/又はゼオライトが圧送されることを特
    徴とする請求項5に記載の加熱反応管接触によるゼオラ
    イトの連続合成方法。
  7. 【請求項7】 前記ゼオライトを脱水する工程は、脱水
    槽内の空気及び/又は水蒸気を吸引して減圧し、吸引後
    の空気及び/又は水蒸気を加圧・加熱して再度ゼオライ
    トが存在する脱水槽中のコイル内に戻し、ゼオライト中
    の水分を蒸発させると共に、そのコイル内で水蒸気が凝
    縮して排出されることにより脱水され、引き続きこれら
    の動作を繰り返すことを特徴とする請求項5に記載の加
    熱反応管接触によるゼオライトの連続合成方法。
  8. 【請求項8】 ゼオライト原料とアルカリ水溶液とを含
    有するスラリーが所定の条件に設定され加熱された反応
    管内を連続的に通過するゼオライト生成装置を少なくと
    も有することを特徴とする加熱反応管接触によるゼオラ
    イトの連続合成装置。
  9. 【請求項9】 前記反応管内にオリフィスが設けられて
    いることを特徴とする請求項8に記載の加熱反応管接触
    によるゼオライトの連続合成装置。
  10. 【請求項10】 前記ゼオライト生成装置には、反応時
    間変更手段が設けられていることを特徴とする請求項8
    または請求項9に記載の加熱反応管接触によるゼオライ
    トの連続合成装置。
  11. 【請求項11】 前記スラリーにゼオライトを添加する
    ための、ゼオライトの添加口またはゼオライトを含有す
    るアルカリ水溶液の添加口が、前記スラリーの混合槽か
    ら前記反応管の入り口までの何れかに設けられているこ
    とを特徴とする請求項8乃至請求項10の何れかに記載
    の加熱反応管接触によるゼオライトの連続合成装置。
  12. 【請求項12】 前記ゼオライト生成装置と、さらに、
    ゼオライト分離装置と、ゼオライト型転換装置と、ゼオ
    ライト脱水装置と、を有することを特徴とする請求項8
    乃至請求項11の何れかに記載の加熱反応管接触による
    ゼオライトの連続合成装置。
  13. 【請求項13】 前記の各装置には、圧力検知手段と、
    当該圧力検知手段に基づいて各装置相互間に圧力差をも
    たせる圧力調整手段とが設けられていることを特徴とす
    る請求項12に記載の加熱反応管接触によるゼオライト
    の連続合成装置。
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