JP2002037622A - 人工ゼオライトの製造方法および人工ゼオライトの製造装置 - Google Patents

人工ゼオライトの製造方法および人工ゼオライトの製造装置

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JP2002037622A
JP2002037622A JP2000223663A JP2000223663A JP2002037622A JP 2002037622 A JP2002037622 A JP 2002037622A JP 2000223663 A JP2000223663 A JP 2000223663A JP 2000223663 A JP2000223663 A JP 2000223663A JP 2002037622 A JP2002037622 A JP 2002037622A
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artificial
slurry
zeolite
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Akio Henmi
彰男 逸見
Etsuro Sakagami
越朗 坂上
Toshio Shimoda
敏雄 霜田
Kazuo Matsuoka
一雄 松岡
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FRONTIER INTERNATIONAL KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 人工ゼオライトの製造効率を向上させて安価
な人工ゼオライトを供給することができる人工ゼオライ
トの製造方法および製造装置を提供する。 【解決手段】 人工ゼオライトの原料とアルカリ水溶液
とを含有するスラリーが所定の条件に設定された反応管
16内を連続的に通過する人工ゼオライト生成工程/装
置3を少なくとも有する製造方法および製造装置1によ
って、上記課題を解決する。また、本発明の製造方法お
よび製造装置は、さらに、人工ゼオライト分離工程/装
置4と人工ゼオライト型転換工程/装置6と人工ゼオラ
イト脱水工程/装置8とを有し、その各工程/装置は相
互に圧力差を有し、スラリーまたは人工ゼオライトを圧
送することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、人工ゼオライトの
製造方法および製造装置に関し、更に詳しくは、人工ゼ
オライトの反応を管内での撹拌作用によって促進させ、
その製造効率を向上させた人工ゼオライトの製造方法お
よび製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】人工ゼオライトは、石炭灰やアルミノ珪
酸塩等から生成される結晶であり、アルカリ処理によっ
て人工的に生成されるゼオライトである。この人工ゼオ
ライトは、陽イオン交換機能、吸着機能、触媒機能など
極めて有望な各種の特性を有している。さらに、新たな
機能性の発現や用途の拡大など、さらなる可能性を秘め
た物質として多方面で注目されている。
【0003】こうした人工ゼオライトの製造装置として
は、特開平6−321525号公報や特開平6−321
526号公報に開示されているような回分式や半回分式
のいわゆるバッチ型の反応装置が知られている。また、
連続的に製造する方法としては、特開平10−3245
18号公報に開示されているような循環流動反応槽を採
用した連続製造装置が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】人工ゼオライトは、優
れた特性とさらなる可能性を有した物質であるので、よ
り多くの用途に使用されるには、その用途に見合った価
格で生産されることが不可欠である。
【0005】しかしながら、上述した従来の製造装置で
は、人工ゼオライトの製造に時間がかかり、品質に優れ
た人工ゼオライトを安価に製造するには未だ不十分なも
のであった。すなわち、人工ゼオライトは、所定の条件
下で撹拌させて生成することができるが、上述した回分
式または半回分式の反応装置では、反応装置内に加熱水
蒸気を吹き込んだり、反応装置の外側から加熱したりす
るので、反応槽に投入された人工ゼオライト原料とアル
カリ水溶液とを含有するスラリーが、所定の条件に到達
するまで時間がかかり、さらに、プロペラ等による機械
的な撹拌であるので、十分に撹拌することができず反応
を促進できないという問題があった。また、循環流動反
応槽を採用した連続製造装置では、撹拌は比較的よく行
われるものの、上述の回分式または半回分式と同様の方
式で加熱されるので、反応槽に投入されたスラリーが所
定の条件に到達するまで時間がかかり、反応を促進でき
ないという問題があった。
【0006】本発明は、上記問題を解決したものであ
り、人工ゼオライトの反応を管内での撹拌作用によって
促進させてその製造効率を向上させる人工ゼオライトの
製造方法、および人工ゼオライトの製造効率を向上させ
て安価な人工ゼオライトを供給することができる製造装
置を提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明の人工ゼ
オライトの製造方法は、人工ゼオライトの原料とアルカ
リ水溶液とを含有するスラリーが所定の条件に設定され
た反応管内を連続的に通過する人工ゼオライト生成工程
を少なくとも有することに特徴を有する。
【0008】この発明によれば、人工ゼオライトの原料
とアルカリ水溶液とを含有するスラリーが、所定の条件
に設定された反応管内を連続的に通過する人工ゼオライ
ト生成工程を少なくとも有するので、スラリーが反応管
内を通過する際に生じる乱流の作用によって、スラリー
中の人工ゼオライトの原料とアルカリ水溶液とが極めて
効率的に撹拌される。このとき、反応管は、その全長に
おいて所定の条件に設定されているので、スラリーが反
応管に供給されて直ぐに反応が開始する。その結果、人
工ゼオライトの生成反応が促進され、反応時間の短縮と
製造効率の向上を達成することができる。
【0009】請求項2の発明は、請求項1に記載の人工
ゼオライトの製造方法において、前記反応管内にオリフ
ィスが設けられていることに特徴を有する。
【0010】この発明によれば、反応管内にオリフィス
を設けることによって、乱流の発生を容易にし、十分な
撹拌作用を生じさせる。その結果、人工ゼオライトの生
成反応をさらに促進させることができる。
【0011】請求項3の発明は、請求項1または請求項
2に記載の人工ゼオライトの製造方法において、前記人
工ゼオライト生成工程には、反応管長さ変更手段が設け
られていることに特徴を有する。
【0012】この発明によれば、反応管長さ変更手段が
設けられているので、人工ゼオライトの原料およびアル
カリ水溶液のそれぞれの種類や濃度、スラリーの流速、
反応管の設定条件等々によって人工ゼオライトの生成速
度が変更し得る場合であっても、その生成速度に基づい
た反応時間を容易に制御することができる。
【0013】請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3
の何れかに記載の人工ゼオライトの製造方法において、
前記スラリーに所定量の人工ゼオライトを配合すること
に特徴を有する。
【0014】この発明によれば、反応管に供給するスラ
リー中に、予め所定量の人工ゼオライトを配合させるの
で、その人工ゼオライトが種結晶となって人工ゼオライ
トの生成が極めて容易に起こり、反応時間の短縮と製造
効率の向上を図ることができる。
【0015】請求項5の発明は、請求項1乃至請求項4
の何れかに記載の人工ゼオライトの製造方法において、
前記人工ゼオライト生成工程と、さらに、生成した人工
ゼオライトを含有するスラリーから人工ゼオライトを分
離する工程と、人工ゼオライトの型を転換する工程と、
人工ゼオライトを脱水する工程と、を有することに特徴
を有する。
【0016】この発明によれば、上述した人工ゼオライ
ト生成工程に加えて、人工ゼオライトの分離工程、人工
ゼオライトの型転換工程、人工ゼオライトの脱水工程を
有するので、連続工程によって効率的に人工ゼオライト
を製造することができる。
【0017】請求項6の発明は、請求項5に記載の人工
ゼオライトの製造方法において、前記の各工程は相互に
圧力差を有し、前記スラリーおよび人工ゼオライトが圧
送されることに特徴を有する。
【0018】この発明によれば、上記各工程の相互間に
圧力差をもたせているので、スラリーおよび人工ゼオラ
イトを容易に圧送させることができる。その結果、人工
ゼオライトの製造を容易且つ効率的に行うことができ
る。
【0019】請求項7の発明は、請求項5に記載の人工
ゼオライトの製造方法において、前記人工ゼオライトを
脱水する工程は、脱水槽内の空気及び又は水蒸気を吸引
して減圧し、吸引後の空気及び又は水蒸気を加圧・加熱
して再度脱水槽内の人工ゼオライト中のコイル内に戻
し、人工ゼオライト中の水分を蒸発させると共に、その
コイル内で水蒸気が凝縮して排出されることにより脱水
され、引き続きこれらの動作を繰り返すことに特徴を有
する。
【0020】この発明によれば、吸引後の空気及び又は
水蒸気を加圧・加熱した際に発生する熱を利用して、効
率的に脱水することができる。
【0021】請求項8の発明の人工ゼオライトの製造装
置は、人工ゼオライトの原料とアルカリ水溶液とを含有
するスラリーが所定の条件に設定された反応管内を連続
的に通過する人工ゼオライト生成装置を少なくとも有す
ることに特徴を有する。
【0022】請求項9の発明は、請求項8に記載の人工
ゼオライトの製造装置において、前記反応管内にオリフ
ィスが設けられていることに特徴を有する。
【0023】請求項10の発明は、請求項8または請求
項9に記載の人工ゼオライトの製造装置において、前記
人工ゼオライト生成装置には、反応管長さ変更手段が設
けられていることに特徴を有する。
【0024】請求項11の発明は、請求項8乃至請求項
10の何れかに記載の人工ゼオライトの製造装置におい
て、前記スラリーに人工ゼオライトを添加するための、
人工ゼオライトの添加口または人工ゼオライトを含有す
るアルカリ水溶液の添加口が設けられていることに特徴
を有する。
【0025】請求項12の発明は、請求項8乃至請求項
11の何れかに記載の人工ゼオライトの製造装置におい
て、前記人工ゼオライト生成装置と、さらに、人工ゼオ
ライト分離装置と、人工ゼオライト型転換装置と、人工
ゼオライト脱水装置と、を有することに特徴を有する。
【0026】請求項13の発明は、請求項12に記載の
人工ゼオライトの製造装置において、前記の各装置に
は、圧力検知手段と、当該圧力検知手段に基づいて各装
置相互間に圧力差をもたせる圧力調整手段とが設けられ
ていることに特徴を有する。
【0027】この発明によれば、各装置には、圧力検知
手段と、その圧力検知手段に基づいて各装置相互間に圧
力差をもたせる圧力調整手段とが設けられているので、
それらの手段によって、各工程の相互間に圧力差をもた
せることができる。その結果、スラリーおよび人工ゼオ
ライトを容易に圧送させることができ、人工ゼオライト
の製造を容易且つ効率的に行うことができる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ本発明の
人工ゼオライトの製造方法および製造装置を説明する。
【0029】図1は、本発明の人工ゼオライトの製造方
法の一例を示すフロー図であり、図2は、本発明の人工
ゼオライトの製造装置の一例を示すフローシートであ
り、図3は、人工ゼオライトの生成装置の一例を示す構
成図であり、図4は、反応管内の乱流の態様を示す説明
図であり、図5は、反応管にオリフィスを設けた一例を
示す構成図であり、図6は、人工ゼオライトの分離装置
の一例を示す構成図であり、図7は、人工ゼオライトの
脱水装置の一例を示す構成図である。
【0030】人工ゼオライトは、図1に示すように、反
応に供するスラリーを準備し、人工ゼオライト生成工程
/装置(工程及び又は装置を言うときは、このように
「工程/装置」と表す。以下同じ。)、人工ゼオライト
分離工程/装置、人工ゼオライト型転換工程/装置、人
工ゼオライト脱水工程/装置の各工程/装置を順次経る
ことによって製造される。こうした各工程/装置の後に
は、必要に応じて洗浄工程/装置を加えることができ
る。以下、各工程および各製造装置について順に説明す
る。
【0031】(1)スラリー 人工ゼオライトの反応に供するスラリーとしては、人工
ゼオライトの原料とアルカリ水溶液とを含有するスラリ
ーが使用される。
【0032】人工ゼオライトの原料は、可溶性のアルミ
ニウム成分と可溶性の珪素成分の両方を含有する材料、
または、可溶性のアルミニウム成分と可溶性の珪素成分
の何れか一方を主に含有する材料を相互に混合した混合
材料を用いることができる。本発明においては、可溶性
のアルミニウム成分と可溶性の珪素成分とが人工ゼオラ
イトの原料として好ましい適切な割合になるように、そ
うした材料を単独でまたは混合して用いることができ
る。
【0033】可溶性のアルミニウム成分と可溶性の珪素
成分の一方または両方を含有する材料の具体例として
は、石炭灰、都市ゴミ焼却灰、活性汚泥焼却灰、ゴミ固
形化燃料灰等の焼却灰;製紙スラッジ;鋳物スラッジ
(廃砂);灰の溶融スラグ;アルミニウム廃液、アルミ
ニウムドロス、アルマイト加工廃液、アルミサッシ洗浄
液等の廃液;凝灰岩(大谷石など)、火山灰、砂利のく
ず等、岩石を構成する鉱物であるアルミノ珪酸塩;廃ガ
ラス、シリコンウエハー製造時の廃シリコン等の珪素含
有物質;チタンカラミ、銅カラミ、ニッケルカラミ、亜
鉛カラミ、鉄カラミ等の各種のカラミ;廃アルミニウム
缶、廃アルミニウムホイル等のアルミニウム含有物質;
等々を挙げることができる。
【0034】これらの内、フライアッシュと呼ばれる石
炭灰を好ましく用いることができる。このフライアッシ
ュは、石炭を微粉にして微粉炭燃焼ボイラーにより燃焼
した際、集塵機により採取するような微小な灰の粒子で
あり、約40〜75%の範囲の酸化珪素と、約15〜3
5%の範囲の酸化アルミニウムを含有するものが好まし
く用いられる(逸見彰男、坂上越朗共著「人工ゼオライ
トが地球を救う」株式会社ジャパンタイムズ発行、19
99年6月、p.31)。
【0035】アルカリ水溶液は、人工ゼオライトの生成
反応に不可欠なものであり、上述した人工ゼオライトの
原料の種類によって、アルカリ水溶液の種類と濃度が適
宜選択される。具体的には、水酸化ナトリウム水溶液、
水酸化カリウム水溶液を例示できる。
【0036】スラリーは、図2のフローシートにもその
調製手段の一例を示すように、フライアッシュ等の人工
ゼオライト原料の所定量と、予め所定の濃度に調製され
たアルカリ水溶液の所定量とを、スラリー混合槽13に
投入し、所定時間混合することによって準備される。こ
のとき、原材料とアルカリ水溶液との混合手段は特に限
定されないが、例えば、プロペラタイプの一般的な撹拌
ミキサー等によって行うことができる。こうして準備さ
れたスラリーは、供給ポンプによって、人工ゼオライト
生成工程/装置に供給される。このとき、その途中で加
温されて供給されることが好ましい。
【0037】なお、本発明の人工ゼオライトの製造方法
は連続的なものであるので、原材料とアルカリ水溶液の
投入、混合、さらに、人工ゼオライト生成工程/装置へ
のスラリーの供給は、バルブ操作等によって連続的ない
し断続的に行われる。
【0038】(2)人工ゼオライト生成工程/装置 人工ゼオライト生成工程/装置は、供給されたスラリー
を人工ゼオライトに反応させるための工程/装置であ
り、人工ゼオライト原料とアルカリ水溶液とを混合した
スラリーが連続的ないし断続的に供給され、そのスラリ
ーが、所定の温度・圧力等に設定された反応管16内を
連続的ないし断続的に通過することによって人工ゼオラ
イトの生成反応が起こる。
【0039】本発明の人工ゼオライトの製造方法および
製造装置においては、この人工ゼオライトの生成工程/
装置が最も特徴的な部分であり、少なくともこの生成工
程/装置を有したものである。従って、この人工ゼオラ
イト生成工程/装置を有する人工ゼオライトの製造方法
/装置であれば、その前工程/装置や後工程/装置に、
本願で説明する各工程/装置を含むものであっても、本
願で説明した以外の工程/装置を含むものであってもよ
い。
【0040】なお、人工ゼオライト生成工程/装置でい
う「連続的」とは、ほぼ絶え間なく連続して供給され、
通過する態様を表す意味であり、「断続的」とは、一定
間隔毎の供給と通過が、連続的に行われる態様を表す意
味である。
【0041】人工ゼオライトの生成反応は、図3および
図4に示すように、所定の条件下で、スラリーが反応管
16内を通過する際に生じる乱流の作用によって起こ
る。この乱流によって、スラリー中の人工ゼオライト原
料とアルカリ水溶液とが極めて効率的に撹拌される。
【0042】乱流の程度は、スラリーを構成する固液割
合、すなわち固体である人工ゼオライト原料と液体であ
るアルカリ水溶液との割合や、それら原材料等の種類に
よって異なり、任意に設定される。好ましい乱流の程度
はレイノルズ数2千〜100万、より好ましくは8千〜
5万、さらに好ましくは1万〜3万であり、人工ゼオラ
イトの生成反応をより効率的に行うことができる。な
お、レイノルズ数は、スラリーの流速、反応管16の内
径、スラリーの密度、粘度および動粘度等の因子によっ
て適宜調整される。従って、これらを考慮して条件設
定、反応管16の設定等が行われる。
【0043】反応管16には、オリフィスを設けること
ができる。オリフィスの態様については特に限定されな
い。オリフィスを設けることによって、乱流の発生やレ
イノルズ数の調整を容易に行うことができる。一例とし
ては、図5に示すような形態のオリフィスを設けること
ができる。
【0044】反応管16は、図2のフローシートと図3
の構成図に示すように、上記レイノルズ数を考慮して選
定された所定の内径を有する所定の長さの管である。そ
の長さや内径は、特に限定されず、生産量や反応速度に
基づいて任意に設計される。
【0045】こうした反応管16は、人工ゼオライトの
生成を容易にさせるために、圧力調整手段によって所定
の圧力に調整され、下記の加熱手段によって所定の温度
に調整される。加熱は、熱媒体オイル17によるもの、
蒸気によるもの、加熱炉によるものの等の何れでもよ
く、特に限定されない。こうした加熱手段によれば、反
応管16が全長に亘って均一な温度で加熱されるので、
スラリーには、反応管16内に供給された時点から十分
な温度が与えられる。しかも、乱流作用に基づく十分な
撹拌も与えられる。その結果、スラリーが反応管16に
供給されて直ぐに反応を開始させることができ、人工ゼ
オライトの生成反応が促進され、反応時間の短縮と製造
効率の向上を達成することができる。なお、図2のフロ
ーシートには、熱媒体オイル17によって反応管16を
加熱する手段の一例を示している。その熱媒体オイル1
7は、循環ポンプによって循環し、その中間で所定の温
度に加熱される。こうした循環タイプの他に、反応管を
オイルバスに浸す方式など、種々採用することも可能で
ある。
【0046】反応管16内を通過するスラリーの速度
は、ポンプを利用したり、後で詳述する圧送手段を利用
して調節することができる。
【0047】この人工ゼオライト生成工程/装置には、
反応管長さ変更手段を設けることができる。反応管16
はその全長において所定の条件に設定され、スラリーが
反応管16に供給されて直ぐに、乱流による有効な撹拌
によって反応が開始するが、反応管長さ変更手段によっ
て、人工ゼオライトの原料およびアルカリ水溶液のそれ
ぞれの種類や濃度、スラリーの流速、反応管の設定条件
(温度、時間、乱流の程度等)によって人工ゼオライト
の生成速度が変更し得る場合であっても、その生成速度
に基づいた反応時間を容易に制御することができる。
【0048】反応管長さ変更手段としては、反応管16
の配管操作によって、反応管16の長さを短縮したり長
くしたりする方法を採ることができる。反応管16の配
管操作としては、3方弁を一定長さ毎に反応管16に設
け、その弁の開閉によって操作する方法を例示できる。
【0049】ところで、可溶性アルミニウム成分および
可溶性珪素成分(以下「可溶性珪素成分等」という。)
を含有する人工ゼオライト原料においては、(a)原料
粒子内の反応によって生成する可溶性珪素成分等が、原
料粒子内からアルカリ水溶液中に拡散する速度が律速に
なること、および、(b)可溶性珪素成分等からなる人
工ゼオライト生成反応が粒子の表面で行われ、しかもそ
の生成反応の速度が、アルカリ水溶液の濃度およびアル
カリ水溶液中の可溶性珪素成分等の濃度に依存するこ
と、がわかっている。
【0050】本発明においては、可溶性珪素成分等の拡
散速度と、粒子表面での人工ゼオライト生成反応の速度
とが、全長に亘って均一条件に設定された反応管16内
での乱流に基づく撹拌作用によって促進され、且つ連続
的に行われる。
【0051】すなわち、反応管16内での撹拌は、アル
カリ水溶液の水酸化物イオンと、生成した可溶性珪素成
分等との接触機会を増大させるので、生成した可溶性珪
素成分等を原料表面から速やかに取り除くことができ
る。そのため、可溶性珪素成分等が原料粒子内からアル
カリ水溶液中に拡散(律速反応である拡散)するのを促
し、その速度を高めることができる。そのため、アルカ
リ水溶液中の可溶性珪素成分等の濃度が増すので、人工
ゼオライト生成反応の速度も促進される。しかも、その
反応管16は、全長に亘って均一な温度等の条件に設定
されているので、原料が反応管16に供給されて直ぐに
反応が開始して、可溶性珪素成分等が拡散する速度と人
工ゼオライト生成反応の速度とが促進される。
【0052】また、スラリーに超音波振動を与えて、人
工ゼオライトの生成反応をさらに促進させることもでき
る。超音波振動は、微視的な強撹拌と同じ作用を有する
ので、上述と同様に、アルカリ水溶液の水酸化物イオン
と生成した可溶性珪素成分等との接触機会を増大させる
ので、生成した可溶性珪珪素成分等を原料表面から速や
かに取り除くことができる。そのため、可溶性珪素成分
等が原料粒子内からアルカリ水溶液中に拡散(律速反応
である拡散)するのを促し、その速度を高めることがで
きる。
【0053】なお、人工ゼオライトの生成反応をより一
層促進させるための手段として、スラリーには、所定量
の人工ゼオライトを配合することが好ましい。予め所定
量の人工ゼオライトを反応管に供給するスラリー中に配
合させると、その人工ゼオライトが種結晶となって人工
ゼオライトの生成が極めて容易に起こり、反応時間の短
縮と製造効率の向上を図ることができる。
【0054】配合させる人工ゼオライトの量は、スラリ
ーを構成する人工ゼオライト原料の可溶性アルミニウム
成分と可溶性珪素成分とによって異なるので一概に規定
できないが、石炭灰を人工ゼオライト原料に用いる場合
には、人工ゼオライト原料100質量部に対し、1.0
〜5.0質量部の人工ゼオライトを含有させることが好
ましい。
【0055】種結晶の添加による人工ゼオライト生成速
度の促進作用は、現時点では以下のように推察される。
すなわち、種結晶の添加によって、種結晶の周囲の可溶
性珪素成分等がその種結晶上で結晶成長する。そのた
め、種結晶と人工ゼオライト原料との接触によって、人
工ゼオライト原料の周囲に存在する可溶性珪素成分等の
濃度が減少する。このような人工ゼオライト原料の表面
でのそれら成分濃度の減少によって、可溶性珪素成分等
が原料粒子内からアルカリ水溶液中に拡散するのを促
し、その速度(拡散律速反応速度)を高めることができ
るという作用によって、人工ゼオライトの生成反応をよ
り一層促進させることができると考えられる。
【0056】反応管16に供給するスラリー中に予め所
定量の人工ゼオライトを含有させるための手段として
は、人工ゼオライトの添加口または人工ゼオライトを含
有するスラリーの添加口を、スラリー混合槽13から反
応管16の入り口までの何れかの位置に設けることがで
きる。なお、種結晶としては、反応管16を出た後に取
り出されたアルカリ水溶液中に含まれる人工ゼオライト
でも、それ以降の各工程/装置や配管途中から取り出さ
れた人工ゼオライトであってもよい。こうして取り出さ
れた人工ゼオライト含有溶液または人工ゼオライトは、
前記の位置に設けられた添加口から添加される(図2を
参照。)。
【0057】こうしたことから、本発明においては、一
定品質の人工ゼオライトを効率的且つ収率よく確保する
ことができる。なお、スラリー中のアルカリ水溶液の濃
度およびアルカリ水溶液中の可溶性珪素成分等の濃度
は、上述のように、人工ゼオライト生成反応の速度に影
響するので、その濃度の調整は、人工ゼオライト生成工
程/装置の後の取り出し口から人工ゼオライト含有溶液
を採取して、そのアルカリ水溶液の濃度およびそこに含
有する可溶性珪素成分等の濃度を測定し、スラリー調製
時に投入するアルカリ水溶液と、後述する人工ゼオライ
ト分離工程/装置で回収したアルカリ水溶液との供給量
によって行う。
【0058】以上説明した人工ゼオライトの生成工程/
装置によって生成された人工ゼオライトは、アルカリ水
溶液に含まれて次の人工ゼオライト分離工程/装置に送
られる。なお、人工ゼオライト分離工程/装置との間
に、水冷装置を設けることができ、これによって加熱さ
れたスラリーを冷却することができる。
【0059】(3)人工ゼオライト分離工程/装置 人工ゼオライト分離工程/装置は、人工ゼオライトを有
するアルカリ水溶液から、人工ゼオライトを分離し、取
り出す工程/装置であり、言い換えれば、アルカリ水溶
液を取り除く工程/装置である。
【0060】この分離工程/装置は、比重差を利用した
沈降分離の理論によるものであり、固体である人工ゼオ
ライトと、液体であるアルカリ水溶液とを、分離槽22
内で連続的に固液分離させることができる。この際、分
離後のアルカリ水溶液を回収して再利用することが好ま
しく、廃棄物を少なくすることができる。ここでの再利
用は、回収したアルカリ水溶液を、例えば、スラリー混
合槽13に戻したり、人工ゼオライト生成工程/装置と
人工ゼオライト分離工程/装置を連結する配管の途中に
戻したりすることによって行われる。
【0061】なお、スラリー調製時に、予め原料に混入
している夾雑物や未燃カーボン等の微粒子は、分離槽2
2の上部に浮遊し、外に排出される。そうした微粒子を
より分離させやすくするため、空気を送入して緩やかな
撹拌を行うこともできる。
【0062】分離された人工ゼオライトは、次の工程/
装置に送られる。
【0063】(4)人工ゼオライト型転換工程/装置 人工ゼオライト型転換工程/装置は、人工ゼオライトに
吸着している陽イオンを所望の陽イオンに交換する工程
/装置である。
【0064】生成した人工ゼオライトは、通常、水酸化
ナトリウムからなるアルカリ水溶液で処理されるので、
人工ゼオライトをそのまま脱水すると、ナトリウム型の
人工ゼオライトを得ることができる。
【0065】この型転換工程/装置は、ナトリウム型の
人工ゼオライトを、他の陽イオンとイオン交換して異な
る型の人工ゼオライトに転換する工程/装置である。具
体的には、カルシウム型にする場合には、塩化カルシウ
ムなどのカルシウム塩水溶液中でイオン交換させ、鉄型
にする場合には、塩化鉄などの鉄塩水溶液中でイオン交
換させ、アルミニウム型にする場合には、塩化アルミニ
ウムなどのアルミニウム塩水溶液中でイオン交換させ、
マグネシウム型にする場合には、塩化マグネシウムなど
のマグネシウム塩水溶液でイオン交換させ、カリウム型
の場合には、塩化カリウムなどのカリウム塩水溶液中で
イオン交換させることによって、それぞれの型の人工ゼ
オライトに転換することができる。
【0066】こうした各種の型の人工ゼオライトは、そ
のそれぞれにおいて、多種多様な用途に利用できるの
で、その用途に応じた型の人工ゼオライトを容易に製造
することができる。
【0067】図2のフローシートに示したように、型転
換工程/装置には、カルシウム塩水溶液槽、鉄塩水溶液
槽、アルミニウム塩水溶液槽、マグネシウム塩水溶液
槽、等が設けられており、これらの水溶液を型転換槽に
投入することによって、容易にイオン交換して所望の型
に転換することができる。
【0068】なお、型転換工程/装置に投入される人工
ゼオライトは、前記の人工ゼオライト分離工程/装置を
出た後、少なくとも一度洗浄されたものが用いられる。
例えば、固液分離型の洗浄工程/装置によって、洗浄す
ることができる。
【0069】型転換された人工ゼオライトは、必要に応
じて設けられる洗浄工程/装置を経て、人工ゼオライト
脱水工程/装置に送られる。
【0070】(5)人工ゼオライト脱水工程/装置 人工ゼオライト脱水工程/装置は、型転換された人工ゼ
オライトを脱水して製品にする工程/装置である。型転
換された人工ゼオライトは、未だ多くの水分を含有して
いるので、所定の水分量まで脱水する必要がある。
【0071】本発明における人工ゼオライトの脱水工程
/装置は、ヒートポンプ方式を利用した脱水理論によっ
た。すなわち、脱水槽42内の空気及び又は水蒸気を吸
引して減圧し、吸引後の空気及び又は水蒸気を加圧・加
熱して再度脱水槽42内の人工ゼオライト中のコイル
(加熱コイルという。)内に戻し、人工ゼオライト中の
水分を蒸発させると共に、そのコイル内で水蒸気が凝縮
して排出されることにより脱水され、引き続きこれらの
動作を繰り返すことによって、人工ゼオライトを脱水し
た。人工ゼオライトは、その使用態様に応じてある程度
の水分を含有している必要があることから、適宜脱水の
程度が調節される。本発明においては、その脱水の程度
は、脱水槽42内での人工ゼオライトの処理時間によっ
て調整することができる。
【0072】こうした手段により、吸引後の空気及び又
は水蒸気を加圧した際に発生する熱を利用して、効率的
に脱水することができる。
【0073】(6)その他の工程または装置 (i)本発明の人工ゼオライトの製造方法および装置に
おいては、人工ゼオライト生成工程/装置から人工ゼオ
ライト脱水工程/装置までの間、スラリーや人工ゼオラ
イトの移送には、ポンプを利用した大気開放方式や、圧
力差を利用した圧送方式を好ましく採用することができ
る。本発明においては、特に、圧力差による圧送方式を
好ましく用いることができる。
【0074】圧送方式とは、各工程/装置の相互間に圧
力差をもたせることによって、スラリーまたは人工ゼオ
ライトが、圧力の高い方から低い方に自動的に移送され
る方式である。従って、その圧力差と管の大きさを調製
することによって、移送速度を任意に設定することがで
きる。そのため、スラリーまたは人工ゼオライトの移送
速度を制御しつつ、それらを容易に圧送させることがで
き、人工ゼオライトの製造を容易且つ効率的に行うこと
ができる。
【0075】特に本発明においては、人工ゼオライト生
成工程/装置における反応管内のスラリーの撹拌作用
が、人工ゼオライトの生成反応に大きく関与することか
ら、スラリーの速度を圧送方式によって任意且つ容易に
調節することによって、人工ゼオライトの生成反応を容
易に制御することができるという格別の効果を有する。
【0076】こうした圧送方式を備える人工ゼオライト
製造装置は、各装置に設けられた圧力検知手段と、その
圧力検知手段に基づいて各装置相互間に圧力差をもたせ
る圧力調整手段とを有する。例えば、圧力センサーから
なるに圧力検知手段によって圧力を検知し、液体または
空気による圧力調整システム51からなる圧力調整手段
によって各工程/装置間の圧力を調整することができ
る。特に、空気供給による圧力調整システムが好まし
く、各装置内に空気を出し入れして、その内圧を容易且
つ安全に調整することができる。
【0077】(ii)本発明においては、人工ゼオライト
生成工程/装置の反応管16のみならず、スラリーや人
工ゼオライトが移送される際にも、乱流が生じるように
各々の配管の内径や移送速度を設定することが好まし
い。このように、各工程/装置間の配管中で乱流を生じ
させるように設計することによって、配管途中で、洗浄
水やイオン交換用溶液を混ぜ、それらを十分に撹拌させ
て処理することができる。
【0078】例えば、人工ゼオライト生成工程/装置と
人工ゼオライト分離工程/装置との間に、回収されたア
ルカリ水溶液に水を加えて希釈した水溶液を混ぜること
によって、配管途中で十分な撹拌がなされ、人工ゼオラ
イト分離工程/装置での固液分離を容易に行わせること
ができる。また、人工ゼオライト分離工程/装置と人工
ゼオライト洗浄工程/装置との間や、型転換工程/装置
後の配管に、洗浄水を混ぜることによって、人工ゼオラ
イトをより効率的に洗浄することができる。また、人工
ゼオライト型転換工程/装置の手前に、イオン交換用溶
液を混ぜることによって、イオン交換を容易にし、型転
換効率を向上させることができる。
【0079】(iii)連続製造を可能にするための付帯
装置として、スラリー濃度センサー、アルカリ濃度セン
サー、イオンセンサー、液面センサー、水分センサー等
のセンサーを、各工程/装置に必要に応じて設けること
ができる。こうしたセンサー類で検知された信号を基
に、材料補給による濃度調整や液面調整等を行うことが
できる。
【0080】(iv)本発明においては、洗浄水の循環再
利用を図っている。本発明において、洗浄工程/装置
は、分離工程/装置や型転換工程/装置の後に通常設け
られるので、洗浄後の水はナトリウムイオンが多く含有
することとなる。こうした洗浄水を、浸透膜等を用いて
洗浄水として再利用することができる。
【0081】(V)本発明においては、アルカリ水溶液
の再利用を図っている。分離工程/装置後で分離された
アルカリ水溶液を回収し、スラリー混合層に戻すことに
よって、再利用することができる。
【0082】(7)人工ゼオライト 上述した各工程/装置を経て人工ゼオライトが製造され
る。ここでいう人工ゼオライトとは、人工ゼオライト原
料とアルカリ水溶液とを反応させることによって、人工
的に製造されたゼオライトをいう。その主成分は、フィ
リップサイトであるが、ホージャサイト、ゼオライト
A、ヒドロキシソーダライト等を小量含むこともある。
【0083】本発明の人工ゼオライトの製造方法および
人工ゼオライトの製造装置によれば、人工ゼオライトを
効率よく製造できる。なお、ゼオライト以外の成分とし
ては、未燃焼炭素、鉄分、その他の不純物、およびゼオ
ライトに至るまでの中間生成物等が挙げられる。
【0084】以上、(1)〜(7)に説明したように、
本発明の人工ゼオライトの製造方法および製造装置によ
れば、スラリーが反応管16内を通過する際に生じる乱
流の作用によって、スラリー中の人工ゼオライト原料と
アルカリ水溶液とが極めて効率的に撹拌されるので、人
工ゼオライトの生成反応が促進され、反応時間の短縮と
製造効率の向上を図ることができる。
【0085】
【実施例】以下に、本発明の実施態様の一例を示し、本
発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明の趣旨
は、以下の実施態様に限定されるものではない。
【0086】人工ゼオライトは、図1および図2に示す
ように、スラリー準備工程/装置2により、人工ゼオラ
イト原料とアルカリ水溶液とを混合し、得られたスラリ
ーが人工ゼオライト生成工程/装置3、分離工程/装置
4、洗浄工程/装置5、型転換工程/装置6、洗浄工程
/装置7、脱水工程/装置8を順次経ることによって、
人工ゼオライトが製造される。以下、順を追って説明す
る。
【0087】先ず、スラリー準備工程/装置2でスラリ
ーを準備する。スラリーの原料としては、原料サイロ1
1に貯蔵された石炭灰と、アルカリ水溶液槽12に貯蔵
された48%水酸化ナトリウム水溶液とを用いる。これ
らの所定量と希釈水とをスラリー混合槽13に送って1
3%水酸化ナトリウム水溶液にまで希釈すると共に、ミ
キサーで撹拌してスラリーを調製する。このスラリー
は、石炭灰と水酸化ナトリウム水溶液とを所定の割合に
調整したものであり、人工ゼオライトの生成反応を考慮
したとき、その割合は、石炭灰1に対して水酸化ナトリ
ウム水溶液2〜12とすることが好ましく、より好まし
くは3〜8である。次いで、調製されたスラリーを、常
時一定量に保持されたスラリー供給槽14に送り、撹拌
しながら連続的または断続的に人工ゼオライト生成装置
15に供給する。なお、スラリーを供給する配管を、人
工ゼオライト生成装置15の出口配管に接触させ、スラ
リーの温度を加温(例えば、85℃)させて供給するこ
とが経済的であり、且つ反応促進の観点からも好まし
い。
【0088】人工ゼオライト生成装置15は、供給され
たスラリーを乱流作用によって撹拌しながら反応させる
ための反応管16が、例えば図3に示すようなスパイラ
ル状に配置される。その反応管16の周囲には、反応管
内のスラリーを所定の反応温度(例えば、175℃)に
するため、所定の温度(例えば、200℃)のオイル1
7を循環させている。反応管16の入口側は、スラリー
供給側のポンプによって所定の圧力に高められ、スラリ
ーが反応管16出口側に向かって任意の速度で流れるよ
うに制御される。ここでは、反応管の内径を例えば1.
5インチ(約38mm)とした。人工ゼオライトは、ス
ラリーがこうした反応管16内を通過することによって
反応し、生成する。
【0089】なお、図3に示す人工ゼオライト生成装置
においては、反応管16を例えば三段切換とする反応管
長さ変更手段を採用する。
【0090】生成した人工ゼオライトを含むアルカリ水
溶液は、配管を通って人工ゼオライト分離装置21に送
られる間に、上述したスラリーを供給する配管に接触
し、さらに冷却器18で熱交換されて、冷却される。さ
らに、その配管途中には、人工ゼオライト分離工程/装
置から回収されたアルカリ水溶液に水を加えた溶液を投
入する投入口19が設けられる。
【0091】人工ゼオライト分離装置21に送られた人
工ゼオライト含有アルカリ水溶液は、分離槽22内で人
工ゼオライトからなる固体部分が沈降して、水酸化ナト
リウム水溶液からなる液体部分と分離する。固体部分の
人工ゼオライトは、分離槽下方の出口から次の洗浄装置
26に送られる。このとき、圧送方式で移送されるが、
スラリー状の人工ゼオライトの計量制御を目的として、
ポンプを併用することもできる。
【0092】液体部分の水酸化ナトリウム水溶液は、幾
つかの隔壁23で隔てられた排出部24から回収され
る。なお、回収された水酸化ナトリウム水溶液は、再
度、スラリー混合槽13に送られたり、前記の投入口1
9に送られる。分離槽22の上方には、エアー口25が
設けられ、圧力調整システム51からのエアーによって
分解槽22の内圧を調節して圧送状態が制御される。
【0093】人工ゼオライト洗浄装置26に送られる人
工ゼオライトは、その配管途中で洗浄水が加えられる。
洗浄水が加えられた人工ゼオライトは、配管内を通過す
る際に、配管内で起こる乱流作用によって撹拌され、十
分に洗浄された状態で洗浄槽27に投入される。この洗
浄装置26は、分離装置21と同様の形態であり、洗浄
された人工ゼオライトが沈降し、洗浄槽下方の出口から
ポンプによって次の型転換装置31に移送される。洗浄
液は、幾つかの隔壁2で隔てられた排出部28から回収
され、必要に応じてろ過されて洗浄水供給タンク29に
戻される。洗浄槽27の内圧も、上記分解槽22と同じ
構成によって調整される。
【0094】人工ゼオライト型転換装置31に送られる
人工ゼオライトは、その配管途中で型転換用の各種水溶
液のうちの一種が加えられる。なお、ナトリウム型の人
工ゼオライトとする場合には、そのまま次工程の脱水装
置41に送られる。型転換用の水溶液が加えられた人工
ゼオライトは、配管内を通過する際に、配管内で起こる
乱流作用によって撹拌され、十分にイオン交換された状
態で型転換槽32に投入される。この型転換装置31
も、分離装置21や洗浄装置26と同様の形態であり、
洗浄された人工ゼオライトが沈降し、型転換槽下方の出
口からポンプによって次の洗浄装置36に移送される。
処理液は、幾つかの隔壁23で隔てられた排出部33か
ら回収され、必要に応じてろ過されて転換液循環槽34
に戻される。型転換槽32の内圧も、上記分解槽22等
と同じ構成によって調整され、圧送状態が制御される。
【0095】人工ゼオライト洗浄装置36に送られる人
工ゼオライトは、その配管途中で洗浄水が加えられる。
洗浄水が加えられた人工ゼオライトは、配管内を通過す
る際に、配管内で起こる乱流作用によって撹拌され、十
分に洗浄された状態で洗浄槽37に投入される。この洗
浄装置36は、上述した洗浄装置26と同じ形態であ
り、洗浄された人工ゼオライトが沈降し、洗浄槽下方の
出口からポンプによって次の脱水装置41に移送され
る。洗浄液は、幾つかの隔壁23で隔てられた排出部3
8から回収され、必要に応じてろ過されて洗浄水供給タ
ンク39に戻される。洗浄槽37の内圧も、上記洗浄槽
27と同じ構成によって調整され、圧送状態が制御され
る。
【0096】人工ゼオライト脱水装置41に送られた人
工ゼオライトは、脱水槽42内で脱水される。先ず、脱
水槽内の空気及び又は水蒸気を吸引し、その空気及び又
は水蒸気を圧縮機43で加圧・加熱して脱水槽内の人工
ゼオライト中の加熱コイル内に戻す。人工ゼオライト中
の水分は、加熱コイルによって蒸発する。加熱コイル内
に戻された水蒸気は、凝縮して排出される。こうしたヒ
ートポンプの原理によって、人工ゼオライトが脱水さ
れ、脱水槽下方から製品サイロ46に移送して人工ゼオ
ライトが得られる。
【0097】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の人工ゼオ
ライトの製造方法および製造装置によれば、スラリーが
反応管内を通過する際に生じる乱流の作用によって、ス
ラリー中の人工ゼオライト原料とアルカリ水溶液とが極
めて効率的に撹拌されるので、人工ゼオライトの反応が
促進され、反応時間の短縮と製造効率の向上を図ること
ができる。また、スラリーの固液比、反応時間、反応温
度等を容易に調節することができるので、供給量や生産
量の変化に対して容易に対応することができ、連続運転
や自動運転も可能となる。
【0098】こうした効果を有する人工ゼオライト製造
方法および製造装置は、装置全体を小型化することがで
き、プラント建設費を低減することができる。また、運
転経費や維持費も著しく低減させることができる。さら
に、連続的且つ効率的に製造することが可能であるの
で、大量生産が可能であったり、生産量の増減にも容易
に対応させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の人工ゼオライトの製造方法の一例を示
すフロー図である。
【図2】本発明の人工ゼオライトの製造装置の一例を示
すフローシートである。
【図3】人工ゼオライトの生成装置の一例を示す構成図
である。
【図4】反応管内の乱流の態様を示す説明図である。
【図5】反応管にオリフィスを設けた一例を示す構成図
である。
【図6】人工ゼオライトの分離装置の一例を示す構成図
である。
【図7】人工ゼオライトの脱水装置の一例を示す構成図
である。
【符号の説明】
1…人工ゼオライト製造装置 2…スラリー準備工程/装置 3…生成工程/装置 4…分離工程/装置 5…洗浄工程/装置 6…型転換工程/装置 7…洗浄工程/装置 8…脱水工程/装置 11…原料サイロ 12…アルカリ水溶液槽 13…スラリー混合槽 14…スラリー供給層 15…人工ゼオライト生成装置 16…反応管 17…オイル 18…冷却器 19…投入口 21…人工ゼオライト分離装置 22…分離槽 23…隔壁 24、28、33、38…排出部 25…エアー口 26、36…人工ゼオライト洗浄装置 27、37…洗浄槽 29、39…洗浄水供給タンク 31…人工ゼオライト型転換装置 32…型転換槽 34…転換液循環槽 41…人工ゼオライト脱水装置 42…脱水槽 43…圧縮機 46…製品サイロ 51…圧力調整システム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 500344404 株式会社フロンティアインターナショナル 東京都新宿区早稲田鶴巻町518第一石川ビ ル4階 (72)発明者 逸見 彰男 愛媛県松山市来住町645−20 (72)発明者 坂上 越朗 東京都町田市南成瀬6−11−14 (72)発明者 霜田 敏雄 東京都町田市木曽町1858−18 (72)発明者 松岡 一雄 神奈川県横浜市緑区いぶき野22−23 Fターム(参考) 4G073 AA01 AA05 CZ01 FB04 FB30 FC24 FD04 FD05 FD21 UA01 UA06 UA09

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 人工ゼオライトの原料とアルカリ水溶液
    とを含有するスラリーが所定の条件に設定された反応管
    内を連続的に通過する人工ゼオライト生成工程を少なく
    とも有することを特徴とする人工ゼオライトの製造方
    法。
  2. 【請求項2】 前記反応管内にオリフィスが設けられて
    いることを特徴とする請求項1に記載の人工ゼオライト
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記人工ゼオライト生成工程には、反応
    管長さ変更手段が設けられていることを特徴とする請求
    項1または請求項2に記載の人工ゼオライトの製造方
    法。
  4. 【請求項4】 前記スラリーに所定量の人工ゼオライト
    を配合することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何
    れかに記載の人工ゼオライトの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記人工ゼオライト生成工程と、さら
    に、生成した人工ゼオライトを含有するスラリーから人
    工ゼオライトを分離する工程と、人工ゼオライトの型を
    転換する工程と、人工ゼオライトを脱水する工程と、を
    有することを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか
    に記載の人工ゼオライトの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記の各工程は相互に圧力差を有し、前
    記スラリー及び又は人工ゼオライトが圧送されることを
    特徴とする請求項5に記載の人工ゼオライトの製造方
    法。
  7. 【請求項7】 前記人工ゼオライトを脱水する工程は、
    脱水槽内の空気及び又は水蒸気を吸引して減圧し、吸引
    後の空気及び又は水蒸気を加圧・加熱して再度脱水槽内
    の人工ゼオライト中のコイル内に戻し、人工ゼオライト
    中の水分を蒸発させると共に、そのコイル内で水蒸気が
    凝縮して排出されることにより脱水され、引き続きこれ
    らの動作を繰り返すことを特徴とする請求項5に記載の
    人工ゼオライトの製造方法。
  8. 【請求項8】 人工ゼオライトの原料とアルカリ水溶液
    とを含有するスラリーが所定の条件に設定された反応管
    内を連続的に通過する人工ゼオライト生成装置を少なく
    とも有することを特徴とする人工ゼオライトの製造装
    置。
  9. 【請求項9】 前記反応管内にオリフィスが設けられて
    いることを特徴とする請求項8に記載の人工ゼオライト
    の製造装置。
  10. 【請求項10】 前記人工ゼオライト生成装置には、反
    応管長さ変更手段が設けられていることを特徴とする請
    求項8または請求項9に記載の人工ゼオライトの製造装
    置。
  11. 【請求項11】 前記スラリーに人工ゼオライトを添加
    するための、人工ゼオライトの添加口または人工ゼオラ
    イトを含有するアルカリ水溶液の添加口が設けられてい
    ることを特徴とする請求項8乃至請求項10の何れかに
    記載の人工ゼオライトの製造装置。
  12. 【請求項12】 前記人工ゼオライト生成装置と、さら
    に、人工ゼオライト分離装置と、人工ゼオライト型転換
    装置と、人工ゼオライト脱水装置と、を有することを特
    徴とする請求項8乃至請求項11の何れかに記載の人工
    ゼオライトの製造装置。
  13. 【請求項13】 前記の各装置には、圧力検知手段と、
    当該圧力検知手段に基づいて各装置相互間に圧力差をも
    たせる圧力調整手段とが設けられていることを特徴とす
    る請求項12に記載の人工ゼオライトの製造装置。
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