JP3357571B2 - 循環流動層による人工ゼオライトの連続製造方法および人工ゼオライトの連続製造装置 - Google Patents

循環流動層による人工ゼオライトの連続製造方法および人工ゼオライトの連続製造装置

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JP3357571B2 JP13561297A JP13561297A JP3357571B2 JP 3357571 B2 JP3357571 B2 JP 3357571B2 JP 13561297 A JP13561297 A JP 13561297A JP 13561297 A JP13561297 A JP 13561297A JP 3357571 B2 JP3357571 B2 JP 3357571B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、焼却灰またはアル
ミノ珪酸塩を含む組成物をアルカリ水溶液と混合し、循
環流動層により人工ゼオライトを連続的に製造する方法
および人工ゼオライトの連続製造装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、人工ゼオライトの原料としてアル
ミノ珪酸塩を含む組成物またはフライアッシュとよばれ
る石炭灰などが使用されているが、これらを熱アルカリ
溶液でゼオライト化する装置は、特開平6−32152
5号公報、特開平6−321526号公報などに記載の
ように回分式あるいは回分式の装置を直列につないだ半
回分式である。
【0003】このような従来の回分式あるいは半回分式
の人工ゼオライトの製造装置では、反応槽で熱アルカリ
反応を行いながら、製品である人工ゼオライトを同一の
反応槽から連続的に取り出すことが困難であった。ま
た、石炭灰や火山灰などの安価な原料からイオン交換性
の高い製品を製造するためには、反応条件を反応の開始
から反応の終結まで一定に制御することが不可欠である
が、回分式の装置では反応の進行を自由に制御するこが
できないので、アルカリ反応で人工ゼオライトが生成し
た後、アルカリ溶液に溶解する可溶性珪酸塩濃度を連続
的に制御することができず、反応の進行にしたがって、
アルカリ溶液内の可溶性珪酸塩濃度が高くなり、生成し
たゼオライトの種類が一定とならなかったり、また原料
のゼオライト化が抑制されるため、既に反応が終結した
粒子も、すべての粒子の反応が終結するまで、反応槽に
滞留することになるため、反応系全体からみた総括的な
反応時間が長くなり、さらには均一なゼオライトを得る
ことが難しかった。
【0004】従って、回分式あるいは半回分式の装置で
は、アルカリ反応が終結するまでの時間が長く、装置も
製造量に比較して大規模なものになり、均質で高品位の
人工ゼオライトを経済的に、かつ短時間のうちに多量に
製造することが困難であった。
【0005】また、回分式あるいは半回分式の装置で
は、熱アルカリ溶液と製品である人工ゼオライトとが同
時に排出されるため、多量の熱アルカリを必要とするう
え、反応槽内の最適なアルカリ濃度の設定ができず、か
つ一度に多量の熱アルカリを取り出すために固液分離工
程および加熱工程での電気および熱エネルギーの消費が
大きく、また装置の運転および管理が煩雑となり、用役
の使用条件からみても、経済的に製品を製造することが
難しかった。
【0006】また、中間受槽などの諸設備も、回分式あ
るいは半回分式では、その反応量に対応した容量が必要
で、装置も生産量に比較して大規模なものになり、大量
に生産する製造システムに採用するには適さず、しか
も、後工程では濃度が薄くなり固液分離機に負荷がかか
り、スラリー濃度を濃くして同伴するアルカリ溶液の量
を少なくすることができなかった。
【0007】その上、回分式あるいは半回分式の装置で
は、反応の終了した製品と反応が進行中の原料粒子との
分離が十分にできないため、未反応の原料が製品に混入
すること、原料に混入する微細な夾雑物を連続的に反応
槽から取り出すことが困難であるため製品の純度が低く
なること、製品から夾雑物、特に未燃カーボンなど、の
分離が十分にできず、この未燃カーボンなどが製品の乾
燥中に燃焼すること、などのために品質を高品位に保
ち、かつ一定に保つた製品を製造することが困難であっ
た。
【0008】一方、従来使用されてきた連続反応槽は、
アルカリ溶液が原料粒子内に拡散し、粒子内の反応によ
って生成する珪酸ナトリウム分子が原料粒子内からアル
カリ溶液中に抽出されるという、純粋なアルミナと珪酸
塩、可溶性珪酸塩と可溶性アルミニウム塩、シリカゲル
とアルミナゲル、などを原料とした反応の場合にのみ適
用できるものであった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】回分式あるいは半回分
式の装置では、適正な反応時間と一定なアルカリ濃度、
均等な反応温度、十分な攪拌操作、などの反応条件を制
御するためには限界があり、自動化が困難であった。従
って、自動化された大量生産方式の採用には、連続して
製造できる反応装置が必要であったが、従来使用されて
きた連続反応槽では、通常の焼却灰またはアルミノ珪酸
塩を含む組成物のように、その組成が著しく変化する原
料では、生成する珪酸ナトリウム分子と過剰なアルミン
酸ナトリウムとが再反応を起こすことがあるため、槽内
温度、アルカリ濃度、溶解珪酸ナトリウム分子濃度、原
料スラリー濃度、夾雑物の除去速度、攪拌速度、などの
反応条件を同時に制御しなければならず、これらの条件
を満たす連続反応装置の開発が課題であった。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために、焼却灰またはアルミノ珪酸塩を含む
組成物から人工ゼオライトを連続的に製造する方法およ
び人工ゼオライトの連続製造装置を発明するに至った。
すなわち、焼却灰またはアルミノ珪酸塩を含む組成物を
アルカリ水溶液と混合し、循環流動層により人工ゼオラ
イトを連続的に製造する方法並びに焼却灰またはアルミ
ノ珪酸塩を含む組成物をアルカリ水溶液と混合し、循環
流動層により人工ゼオライトを連続的に製造し、生成し
た人工ゼオライトをスラリーより分離、乾燥した、人工
ゼオライトの製造方法である。このとき、焼却灰がフラ
イアッシュであると原料の品質が均質であって、人工ゼ
オライトの品質を一定に保つ上で好ましい。
【0011】本発明の第二は、焼却灰またはアルミノ珪
酸塩を含む組成物をアルカリ水溶液と混合し、循環流動
層により人工ゼオライトを連続的に製造する循環流動反
応装置並びにこの循環流動反応装置とともに人工ゼオラ
イト静置分離槽、固液分離機、および流動層乾燥機、か
らなる人工ゼオライトの連続製造装置である。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明にいう焼却灰とは、アルミ
ノ珪酸塩を含む鉱物の焼却灰であって、石炭灰、製紙ス
ラッジ焼却灰、活性汚泥焼却灰、ゴミ焼却灰、などを例
示することができる。特にフライアッシュとよばれる石
炭灰は、石炭を微粉にして微粉炭燃焼ボイラーにより燃
焼した際、集塵機により採取するような微小な灰の粒子
をいい、シリカ45%以上、湿分1%以下、強熱減量5
%以下、比重1.95以上、比面積2700cm2/g以
上、44μm標準篩を75%以上通過するものである。
また、アルミノ珪酸塩を含む組成物とは、珪酸塩または
二酸化珪素において珪素の一部がアルミニウムにより置
換されて生じた塩を含む組成物をいい、正長石、曹長
石、灰長石、方沸石、菱沸石、白雲母、などの鉱物を例
示することができる。本発明のように人工ゼオライトを
製造する目的のためには、火山灰がその粒子が細かく好
ましい。
【0013】本発明にいう人工ゼオライトとは、焼却灰
またはアルミノ珪酸塩を含む組成物をアルカリ処理によ
り人工的に転換して得られたゼオライトのことであっ
て、その主成分はフィリップサイトであるが、ホージャ
サイト、ゼオライトA、ヒドロキシソーダライトなどを
少量含むこともある。また、ゼオライト以外の部分、す
なわち非ゼオライト成分として、未燃焼炭素、鉄分、そ
の他の不純物およびゼオライトに至るまでの中間生成物
なども共存する。
【0014】本発明にいう、循環流動層により人工ゼオ
ライトを連続的に製造する循環流動反応装置とは、槽内
に流動層を形成しゼオライト化反応を行う循環流動反応
槽、ゼオライト化反応を終了したスラリーを濃縮する静
止スラリー濃縮槽、および原料に混入している夾雑物や
未燃カーボンなどの微粒子を除去するための微細粒子分
離槽から構成されている。
【0015】本発明では、焼却灰またはアルミノ珪酸塩
を含む組成物を人工ゼオライトの原料とした場合、原料
粒子内の反応によって生成する珪酸ナトリウムなどの可
溶性珪酸塩および可溶性アルミン酸塩が原料粒子内から
アルカリ溶液に拡散する速度が律速となること、アルミ
ナ分子と可溶性珪酸塩の反応は粒子の表面で行われ、ア
ルカリ溶液中の可溶性珪酸塩濃度に依存すること、がわ
かった。その結果、アルミナ珪酸塩からの可溶性珪酸塩
の粒子内拡散と、粒子表面でのアルミナと可溶性珪酸塩
との固相反応を、同一反応層で連続的に行い、一定の品
質の人工ゼオライトを確保するためには、循環流動層が
回分式に比較して有利である。ここで循環流動層とは、
液中に空気を吹き込むことにより気泡を形成し、該気泡
が液中を上昇することにより、原料粒子、アルカリ液、
および空気の気泡、が均一な流動層となり槽内を循環し
ている状態をいう。この循環流動層では、まず第一段と
してアルミナ珪酸塩のゼオライト化を目的に原料とアル
カリとの混合により、すなわち原料表面から、生成した
可溶性珪酸塩を速やかに取り除き、新しいアルカリ溶液
の拡散を促すことにより、ゼオライト化を短時間で行
い、第二段として、可溶性珪酸塩濃度の高くなった状態
で、アルミナとの反応を行わせるものである。このと
き、アルミナ分は微粒子に多く含まれるので、微細粒子
分離槽内で主に反応させることもできる。また、循環流
動層の下部に設けられた静止スラリー濃縮槽内では、で
きるだけ単一反応層とし、多機能な操作を同時に行わせ
ることにより、人工ゼオライトを連続的に製造すること
ができる。
【0016】本発明では、循環流動層を形成するため
に、循環流動反応槽のコーン部分の底部から空気を吹き
込むことにより、該反応槽は原料の粒子とアルカリ溶液
が混合して、ゼオライト化が促進される。この混合を促
進する媒体として1〜2kg/cm2G程度の加圧空気を流動
空気ノズルを経て循環流動層内に吹き込む。循環流動層
は微細な空気の気泡が上昇する間に粒子と混合し、空気
(気体)、アルカリ水溶液(液体)および粒子(固体)
の3相の混合相が形成されるため、熱伝導およびアルカ
リ溶液を粒子に拡散させる速度、が速くなる結果、反応
槽の温度、アルカリ濃度、スラリー濃度、が均一とな
る。循環流動層を形成させるための流動空気ノズルおよ
び分散板の構造は、特に限定されるものではないが、図
2に示すように配置し、スラリー中の粒子による目詰ま
りを防ぐため、流動空気ノズルは循環流動反応槽の底部
向きにするのが、好ましい。これらの操作により、循環
流動反応槽内は、循環流動層となり原料粒子とアルカリ
溶液が混合される結果、該反応槽内は瞬時に完全混合状
態になるため、該反応槽内の温度が均一な分布になる。
このため、反応完結時間が大幅に短縮され、従来の技術
である回分式反応槽における反応時間が5時間であった
ものが、1/5程度の1時間に短縮することが可能とな
った。
【0017】原料のゼオライト化反応の進行によりアル
カリ溶液に溶解してくる可溶性珪酸塩の濃度の調整は、
微粒子取出口から抜き出すアルカリ溶液と、原料と混合
する回収アルカリ溶液の供給量で調整する。また、循環
流動反応槽内のアルカリ濃度の調整も同様な方法で行う
ほか、さらに該反応槽の底部から供給するフレッシュな
アルカリ溶液の供給量でも調整することができる。この
とき使用するフレッシュなアルカリ溶液は、原料に応じ
て適宜選択することができるが、原料がフライアッシュ
の場合には、2乃至4Mの水酸化ナトリウム水溶液を用
いるのが、好ましい。一方、微細粒子分離槽の底部から
のスラリーは、原料とフレッシュな熱アルカリ溶液とを
スターテックミキサーで激しく混合した後、熱交換機で
加熱され該反応槽に循環するが、その温度は循環流動反
応槽に吹き込む空気の圧力が1〜2kg/cm2Gであるので
100乃至120℃が、管理上好ましい。
【0018】原料に混入している夾雑物や未燃カーボン
などの微粒子は、微細粒子分離槽で分離され該反応槽上
部から外に排出する。分離効果を促進するために、空気
を送入してゆるやかな攪拌を行うこともできる。また、
底部をコーン状にして静止スラリー濃縮層を形成し、循
環するスラリーを濃縮することもできる。さらに、フレ
ッシュなアルカリ溶液をこの底部に吹き込むことにより
沈降する製品スラリーを洗浄することで、製品の品質を
向上することができる。
【0019】循環流動反応槽の取出周辺部にスラリーの
静止スラリー濃縮槽を形成することにより、より一層濃
縮率を高め、同伴する反応液量を少なくし、固液分離工
程の負荷を軽減し、同時に、エネルギーの節約を図るこ
とができる。
【0020】以下に、本発明の実施態様を図面により具
体的に説明する。本発明による、人工ゼオライトの連続
製造方法の一実施態様を図1の人工ゼオライト連続製造
システムフローに示した。タンクローリー車、貨車など
で搬入された原料は、原料貯留槽1 にそのまま投入さ
れ、バケットコンベヤー2 により原料供給槽3 に移送す
る。原料の循環流動層反応槽8 への供給は加圧されたロ
ータリーバルブ4 により一定量を循環ラインに供給す
る。この原料は微細粒子分離槽10から循環されるスラリ
ーとスターテックミキサー5 により瞬時に激しく混合さ
れ、熱交換器6 により加温され、循環流動反応装置7 に
投入する。この循環流動反応装置7 は、図2に示す通
り、循環流動層反応槽8 、静止スラリー濃縮槽9 および
微細粒子分離槽10から構成され、アルカリ溶液と原料粒
子とを激しく混合するため、空気などを流動空気ノズル
20より吹き込む。この操作により、循環流動層反応槽内
は温度が均等に保持され、混合により均一なスラリー濃
度、アルカリ濃度の分布となる。
【0021】生成した人工ゼオライトは、循環流動層反
応槽8 のコーン部の下部に、人工ゼオライトスラリーの
濃縮を目的に静止スラリー濃縮槽9 が設けられている。
このスラリー濃縮と反応の完結性を保証するためにアル
カリ溶液ノズル19からフレッシュなアルカリ溶液を送入
する。濃縮されたスラリーは静止スラリー濃縮槽9 下部
から抜き出し、人工ゼオライト静置分離槽11に移す。濃
縮された人工ゼオライトスラリーは、スラリーポンプ22
で固液分離器12に送られ、人工ゼオライトとアルカリ溶
液に連続的に分離される。分離された人工ゼオライトは
ケーキ移送機13で流動層乾燥機14に送入して乾燥され、
製品として製品貯槽16に貯留し、秤量したのち、包装さ
れる。固液分離器12で分離したアルカリ溶液は回収後、
分離脱離液ポンプ24により回収アルカリ溶液受槽17を経
て、回収アルカリポンプ25でスターテックミキサー5 に
より原料粒子などと混合する。また、生成した人工ゼオ
ライトを、濃縮する工程、アルカリ溶液と分離する工
程、人工ゼオライトのケーキを乾燥する工程、などは、
回分式の機器であっても本発明の趣旨を妨げるものでは
ない。
【0022】一方、連続製造を可能とするために、人工
ゼオライト静置分離槽11、乾燥製品受槽15、製品貯槽1
6、回収アルカリ溶液受槽17などの中間槽を必要に応じ
て設置する。循環流動層反応槽内には、原料スラリー濃
度、アルカリ濃度、槽内温度、などを制御するために、
スラリー濃度センサー31a 、アルカリ濃度センサー32a
および36a 、液面レベルセンサー33a および34a 、温度
調節計のセンサー35a 、を設置する。液面レベルセンサ
ー33a の信号により循環流動層反応槽用流動空気調節バ
ルブ33b の開閉および流動空気ブロワー21を起動または
停止することにより循環流動層反応槽内の液面レベルを
制御し、液面レベルセンサー34a の信号により微細粒子
分離槽用バルブ34b の開閉により微細粒子分離槽10の空
気供給量を調節する。温度調節計のセンサー35a からの
信号により熱交換器6 の熱媒体の流量を熱媒体調節バル
ブ35b により調節し、循環流動層反応槽内の温度を一定
に制御する。アルカリ濃度センサー32a の信号によりア
ルカリ溶液調節バルブ32b の開閉およびアルカリ溶液ポ
ンプ23の起動または停止操作によりアルカリ溶液ノズル
19からのフレッシュなアルカリ溶液の供給量を調節し、
かつアルカリ濃度センサー36a の信号により回収アルカ
リ溶液調節バルブ36b の開閉および回収アルカリ溶液供
給ポンプ25の起動または停止操作により回収アルカリ溶
液の供給量を調節し、循環流動層反応槽内のアルカリ濃
度を制御する。スラリー濃度センサー31a の信号による
ロータリーバルブ調節器31b の制御によりロータリーバ
ルブ4 の回転数を制御し、原料供給量を変化させること
により循環流動層反応槽内のスラリー濃度を一定に制御
する。
【0023】微細粒子分離槽10の上部から夾雑物などを
排出させ、静置分離する。また、溶解している可溶性珪
酸塩などは、冷却後結晶させ、アルカリ溶液から分離す
る。このアルカリ溶液は再循環して反応に使用するため
にスターテックミキサー5 に回収アルカリ溶液ポンプ25
で送入する。
【0024】以上の、液面レベル、反応温度、アルカリ
濃度、スラリー濃度などの製造条件データは予め一定な
反応条件で循環流動反応装置が操作できるようにプログ
ラムされている。実際には、上記の各制御因子は、相互
の連携により反応条件がコンピューターでコントロール
されるが、運転条件の変更は各機器のセンサーにより瞬
時に測定され、定常な条件に補正、制御されるので、自
動的な長時間の連続操作が可能となった。
【0025】
【実施例】次に、本発明の詳細を実施例に基づいて説明
するが、本発明の趣旨はこれらの実施例に限定されるも
のではない。
【0026】(実施例1)本実施例については、図1に
示した人工ゼオライト連続製造システムフローにしたが
って、説明する。まず、石炭灰(フライアッシュ)を原
料として、原料供給槽3 からロータリーバルブ4 により
100kg/Hr で定量的に送入する。この送入された原料
は、スターテックミキサー5 により回収アルカリ溶液ポ
ンプ25から供給された回収アルカリ溶液500L/Hrと混
合し、熱交換器6 を経由し105℃になるように加温し
たのち、循環流動層反応槽8 に送入した。
【0027】この循環流動層反応槽8 内では,流動空気
ブロワー21により流動空気ノズル20および分散板( 図に
は記載せず) を経て細かい空気泡を発生させ、層高15
0cm、スラリー濃度200g/L の循環流動層を形成し
た。このとき、送入空気量は全体の循環流動層容量の5
%になるように流動空気制御装置33により制御した。循
環流動層で生成した人工ゼオライトは、静止スラリー濃
縮槽9 で、スラリー濃度70%まで濃縮した。さらに、
スラリーの洗浄とゼオライトの結晶化を促進するため
に、アルカリ溶液ノズル19からフレッシュなアルカリ溶
液を送入した。
【0028】微細粒子分離槽10は、循環流動層反応槽8
の上部から溢流する夾雑物と微細粒子を分離するため
に、微細粒子分離槽10の下部より流動層容量の10%程
度の微量の空気を1kg/cm2Gの圧力で送入する。循環流
動層反応槽8 より微細粒子分離槽10に溢流する量は投入
原料の20%である。
【0029】静止スラリー濃縮槽9 より抜き出された濃
縮スラリーの量は、500L/Hrであって、人工ゼオライ
ト静置分離槽11でさらに静置分離し、含水率65%まで
濃縮した。この濃縮スラリーをスラリーポンプ22で遠心
分離型の固液分離機12で約45%の含水ケーキとする。
この工程は回分式で、脱水と洗浄とを交互に行った。固
液分離機12で脱水・洗浄されたケーキは流動層乾燥機14
で乾燥し、製品として製品貯槽16に貯留した。このと
き、製品は140kg/Hr で製造された。
【0030】(実施例2)石炭灰と製紙スラッジとを
1:2の割合で混和したもの100kg/Hr を原料とした
以外は、実施例1と同様の操作をした結果、130kg/H
r の人工ゼオライトを得た。
【0031】(比較例1)500L容の反応槽に、98
℃に加温した2規定の水酸化ナトリウム水溶液400L
を注入し、これに原料として石炭灰(フライアッシュ)
50kgを、水酸化ナトリウム水溶液を攪拌しながら徐々
に投入し、スラリーを形成した。液温を98℃に維持し
ながら、スラリーを攪拌し、5時間反応を行った。反応
終了後スラリーを取り出し、固液分離機により、水酸化
ナトリウム水溶液を分離し、さらに過剰に残っている水
酸化ナトリウムを水で洗浄し、脱水したのち、乾燥機に
より乾燥し、人工ゼオライトの製品60kgを得た。
【0032】
【発明の効果】本発明の循環流動層による人工ゼオライ
トの連続製造法によれば、循環流動層を使用することに
より混合が完全に行われ、かつ反応条件が一定で反応槽
内が均等になるため、従来の回分式反応槽に比較して、
反応完結時間を1/5程度に短縮できるため、製品単位
当たりの装置容量が小さくなり、その分プラント建設費
が節約され、この二重の効果により経済性の高い人工ゼ
オライトの製造が可能になった。
【0033】また、反応条件や操作条件の制御が可能に
なったため、原料の変更による成分の変化にともない、
循環流動層反応装置内で、反応完結時間、温度、アルカ
リ濃度、スラリー濃度など、の各種反応条件や操作条件
を自由に設定できるので、幅広い種類の原料を対象とす
ることが可能となった。さらには、原料に付着した微細
な夾雑物などの除去が自動的にできるため、製品の品質
を向上させることができる。
【0034】本発明の人工ゼオライトの連続製造装置
は、自動的に反応条件や操作条件が瞬時に制御できるた
め、長時間の連続操作が可能になり、多量の反応液を反
応系外に取り出すことなく、操作できるので、電力、燃
料などの消費を少なくできる省エネルギーな製造装置で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】人工ゼオライト連続製造システムフロー
【図2】循環流動反応装置
【符号の説明】
1.原料貯留槽 2.バッケトコンベヤー 3.原料供給槽 4.ロータリーバルブ 5.スターテックミキサー 6.熱交換器 7.循環流動反応装置 8.循環流動層反応槽 9.静止スラリー濃縮槽 10.微細粒子分離槽 11.人工ゼオライト静置分離槽 12.固液分離機 13.ケーキ移送機 14.流動層乾燥機 15.乾燥製品受槽 16.製品貯槽 17.回収アルカリ溶液受槽 18.アルカリ溶液貯槽 19.アルカリ溶液ノズル 20.流動空気ノズル 21.流動空気ブロワー 22.スラリーポンプ 23.アルカリ溶液ポンプ 24.分離脱離液ポンプ 25.回収アルカリ溶液ポンプ 26.乾燥ブロワー 31.原料供給制御装置 31aスラリー濃度センサー 31bロータリーバルブ調節器 32.アルカリ濃度制御装置 32aアルカリ濃度センサー 32bアルカリ溶液調節バルブ 33.流動空気制御装置 33a液面レベルセンサー 33b循環流動層反応槽用流動空気調節バルブ 34.微細粒子流動空気制御装置 34a液面レベルセンサー 34b微細粒子分離槽用流動空気調節バルブ 35.循環流動層温度制御装置 35a温度調節計のセンサー 35b熱媒体調節バルブ 36.回収アルカリ溶液制御装置 36aアルカリ濃度センサー 36b回収アルカリ溶液調節バルブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 逸見 彰男 愛媛県松山市来住町645−20 (72)発明者 仁田 隆 千葉県千葉市花見川区朝日ケ丘町2545番 地の14 (72)発明者 坂上 越朗 東京都町田市南成瀬6−11−14 (56)参考文献 特開 平9−255324(JP,A) 特開 平9−255325(JP,A) 特開 平1−208314(JP,A) 国際公開96/14270(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C01B 39/00 - 39/54 JICSTファイル(JOIS)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】焼却灰またはアルミノ珪酸塩を含む組成物
    をアルカリ水溶液と混合し、液中に空気を吹き込むこと
    により気泡を形成した循環流動層により人工ゼオライト
    を連続的に製造する方法。
  2. 【請求項2】焼却灰またはアルミノ珪酸塩を含む組成物
    をアルカリ水溶液と混合し、液中に空気を吹き込むこと
    により気泡を形成した循環流動層により人工ゼオライト
    を連続的に製造し、生成した人工ゼオライトをスラリー
    より分離、乾燥した、人工ゼオライトの製造方法。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載の焼却灰がフライ
    アッシュである、循環流動層により人工ゼオライトを連
    続的に製造する方法。
  4. 【請求項4】焼却灰またはアルミノ珪酸塩を含む組成物
    をアルカリ水溶液と混合し、液中に空気を吹き込むこと
    により気泡を形成した循環流動層により人工ゼオライト
    を連続的に製造する循環流動反応装置。
  5. 【請求項5】請求項4に記載の循環流動反応装置、人工
    ゼオライト静置分離槽、固液分離機、および流動層乾燥
    機、からなる人工ゼオライトの連続製造装置。
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