JP2002137266A - 樹脂成形用金型装置および樹脂成形方法 - Google Patents

樹脂成形用金型装置および樹脂成形方法

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JP2002137266A
JP2002137266A JP2000339495A JP2000339495A JP2002137266A JP 2002137266 A JP2002137266 A JP 2002137266A JP 2000339495 A JP2000339495 A JP 2000339495A JP 2000339495 A JP2000339495 A JP 2000339495A JP 2002137266 A JP2002137266 A JP 2002137266A
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Shigeo Tomaru
重雄 都丸
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Ichikoh Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アンダーカット部の構造に拘わらず傾斜スラ
イドのスライドスペースを十分に確保することができ、
これにより成形される樹脂成形品の設計自由度を広く確
保することができること。 【解決手段】 傾斜スライド5が、樹脂成形品Aの取り
出し時に相互の干渉を避けて突き出される複数の分割ス
ライド部5a,5bで構成されており、かつエジェクタ
プレート4が、複数の分割スライド部5a,5bにそれ
ぞれ連結される、移動ストロークの異なる複数のエジェ
クタプレート4a,4bで構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばドアミラー
のハウジングのようにアンダーカット部を有する樹脂成
形品を成形するための傾斜スライドを備えた樹脂成形用
金型装置および樹脂成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図7は、特開平10−264217号公
報に開示されている樹脂成形用金型装置100を示す。
この樹脂成形用金型装置100は、金型を構成するキャ
ビティ2とこのキャビティ2に対して相対移動自在なコ
ア3と、このコア3に対し略平行に相対移動自在なエジ
ェクタプレート4等を備えている。
【0003】エジェクタプレート4には、コア3に向か
って延びかつコア3に遊挿される図外のエジェクタピン
と傾斜スライド5とリターンピン6とが連結している。
【0004】型締め状態ではキャビティ2とコア3との
間には、成形する樹脂成形品Aの外形に合致した隙間が
確保されており、この隙間に樹脂を射出して固化するこ
とによって樹脂成形品Aを成形するようになっている。
【0005】また、傾斜スライド5は、傾斜コア部51
と傾斜ピン53とスライドユニット54とを備えてい
る。傾斜コア部51には、樹脂成形品Aのアンダーカッ
ト部aに応じた突起部52が一体に形成されている。
【0006】そして、樹脂成形品Aを取り出すには次の
ようにする。
【0007】まず、コア3を矢印Oに沿って移動してキ
ャビティ2から遠ざける。このとき樹脂成形品Aは、コ
ア3に密着したままの状態を保っている。次にエジェク
タプレート4をコア3に近付ける方向に移動する。この
移動で、樹脂成形品Aは、エジェクタピンと傾斜スライ
ド5によりコア3の表面から突き出されると共に、スラ
イドユニット54に連結した傾斜ピン53の端部が矢印
Kに沿って移動するので、傾斜コア部51も同方向に移
動して突起部52がアンダーカット部aから抜去され
る。これにより、樹脂成形品Aを取り出すことができ
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
樹脂成形用金型装置100では、アンダーカット部aを
一個の傾斜スライド5を用いて形成しようとするため、
アンダーカット部aの構造によっては傾斜スライド5の
スライドスペースを広く確保する必要があり、確保でき
ない場合には、樹脂成形品Aの設計変更を余儀なくされ
る等、成形される樹脂成形品Aの設計自由度を広く確保
できない、という課題を有している。
【0009】そこで、本発明は、アンダーカット部の構
造に拘わらず傾斜スライドのスライドスペースを十分に
確保することができ、これにより成形される樹脂成形品
の設計自由度を広く確保することができる樹脂成形用金
型装置および樹脂成形方法を提供することを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明は、樹脂成形品のアンダーカッ
ト部を成形する傾斜スライドがスライドユニットを介し
てエジェクタプレートに連結されて組み込まれている樹
脂成形用金型装置であって、前記傾斜スライドが、樹脂
成形品取り出し時に相互の干渉を避けて突き出される複
数の分割スライド部で構成されており、かつ前記エジェ
クタプレートが、前記複数の分割スライド部にそれぞれ
連結される、移動ストロークの異なる複数のエジェクタ
プレートで構成されていることを特徴とする。
【0011】このため、請求項1記載の発明では、傾斜
スライドは、アンダーカット部および樹脂成形品の構造
により、適当数に分割されて構成される。この分割によ
る複数の分割スライド部は、それぞれが連結するエジェ
クタプレートの移動ストロークにより、突出し量および
突出しタイミングが異なり、かつそれぞれが連結するス
ライドユニットによりスライド方向が異なり、これによ
り個々の分割スライド部の突出し量およびスライド量を
それ程大きくしなくとも樹脂成形品取り出し時に、相互
の干渉を避けて突き出すことができる。
【0012】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載の樹脂成形用金型装置であって、前記アンダーカット
部が、浅い第1アンダーカット部と、深い第2アンダー
カット部とが略L字状に連続して形成されるものであっ
て、前記複数の分割スライド部が、前記第1アンダーカ
ット部を成形する第1分割スライド部と、前記第2アン
ダーカット部を成形する第2分割スライド部とから構成
されており、かつ前記複数のエジェクタプレートが、前
記第1分割スライド部に連結する第1エジェクタプレー
トと、該第1エジェクタプレートよりも大きな移動スト
ロークを有し前記第2分割スライド部に連結する第2エ
ジェクタプレートとから構成されていることを特徴とす
る。
【0013】このため、請求項2記載の発明では、第1
アンダーカット部を成形する第1分割スライド部と、第
2アンダーカット部を成形する第2分割スライド部とで
傾斜スライドを構成し、かつ各分割スライド部をそれぞ
れ移動ストロークの異なるエジェクタプレートに連結し
たので、各分割スライド部の突出し量、突出しタイミン
グ、およびスライド方向を、相互に干渉しない範囲内で
自由に設計することができる。
【0014】また、請求項3記載の発明は、請求項1ま
たは2記載の樹脂成形用金型装置であって、前記複数の
エジェクタプレートは、隣接する2個のエジェクタプレ
ート同士を係脱可能に連結する爪と、該爪を連結解除方
向に付勢するばねと、前記爪の当接により爪の連結解除
方向の移動を阻止すると共に前記エジェクタプレートの
移動に伴う前記爪の当接の解除により爪の連結解除方向
の移動を許容する規制ロッドとからなるストローク制御
手段により、樹脂成形品取り出し時のそれぞれの移動ス
トロークが制御されるように構成されていることを特徴
とする。
【0015】このため、請求項3記載の発明では、隣接
する2個のエジェクタプレートは、爪が規制ロッドに当
接している間は爪により連結されて一体となって移動す
ると共に、各エジェクタプレートに連結された2個の分
割スライド部もまた一体となって移動する。この移動で
爪が規制ロッドの端末に達し、さらなる移動で爪の規制
ロッドに対する当接が解除されると爪による連結が解除
され、これにより一方のエジェクタプレートおよびこれ
に連結する分割スライド部が移動を停止し、他方のエジ
ェクタプレートおよびこれに連結する分割スライド部の
みが移動を続行する。すなわち、このストローク制御手
段は、規制ロッドの長さにより、2個のエジェクタプレ
ートの移動ストロークを制御することができる。
【0016】また、請求項4記載の発明は、請求項2記
載の樹脂成形用金型装置を用いた樹脂成形方法であっ
て、樹脂成形品取り出し工程が、第1分割スライド部と
第2分割スライド部を同時に突き出して第1分割スライ
ド部を第1アンダーカット部から抜き去る前段突出し工
程と、第1分割スライド部を前段突出し工程の位置に残
したまま第2分割スライド部をさらに突き出して、第2
分割スライド部から第2アンダーカット部を抜き去ると
きの樹脂成形品を第1分割スライド部との不干渉位置に
移動させる後段突出し工程と、からなることを特徴とす
る。
【0017】このため、請求項4記載の発明では、後段
突出し工程において、第2分割スライド部を第1分割ス
ライド部よりも、長いストローク分突出させて、第2分
割スライド部から第2アンダーカット部を抜き去るとき
の樹脂成形品を第1分割スライド部との不干渉位置に移
動させるようにしたので、第1分割スライド部と干渉す
ることなく樹脂成形品を移動させて第2アンダーカット
部を第2分割スライド部から抜き去ることができ、これ
により樹脂成形品を取り出すことができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。
【0019】図1は、本発明の一実施の形態としての樹
脂成形用金型装置1で、キャビティ部分を省略して示
す。この樹脂成形用金型装置1は、従来と同様に、金型
を構成するキャビティ(図示せず)とこのキャビティに
対して相対移動自在なコア3と、このコア3に対し略平
行に相対移動自在なエジェクタプレート4等を備え、樹
脂成形品Aのアンダーカット部aを成形する傾斜スライ
ド5がスライドユニット54を介してエジェクタプレー
ト4に連結されて組み込まれて大略構成されている。エ
ジェクタプレート4には、他にコア3に向かって延びか
つコア3に遊挿される図外のエジェクタピンが連結され
ている。
【0020】そして、本実施形態では、傾斜スライド5
が、樹脂成形品Aの取り出し時に相互の干渉を避けて突
き出される複数の分割スライド部5a,5bで構成され
ており、かつエジェクタプレート4が、複数の分割スラ
イド部5a,5bにそれぞれ連結される、移動ストロー
クの異なる複数のエジェクタプレート4a,4bで構成
されている。
【0021】具体的には、樹脂成形品Aは、図3に示す
ように、浅い第1アンダーカット部a1と、深い第2ア
ンダーカット部a2とが略L字状に連続して形成される
アンダーカット部aを有する、自動車用ドアミラーのハ
ウジングである。図3(a)では、アンダーカット部a
を斜線で示している。この樹脂成形品Aには、ミラーや
駆動機構を収納する収納凹部A2が開口部A1を有して
形成されており、かつ一側部を突出させてドア側へ連結
する連結部A3が連結孔A4を有して形成されている。
アンダーカット部aは、収納凹部A2の周壁で、ドアへ
の組み付け時に下側となる側壁に対応させて形成される
第1アンダーカット部a1と、連結部A3側の側壁に対
応させて連結孔A4に連通させて形成される第2アンダ
ーカット部a2とで構成されている。なお、図3(a)
中、符号7,8は、収納凹部A2の底部に形成される、
駆動機構を取り付けるためのボス部と、補強リブであ
る。
【0022】また、複数の分割スライド部は、第1アン
ダーカット部a1を成形する第1分割スライド部5a
と、第2アンダーカット部a2を成形する第2分割スラ
イド部5bとから構成されており、複数のエジェクタプ
レートは、第1分割スライド部5aに連結する第1エジ
ェクタプレート4aと、第1エジェクタプレート4aよ
りも大きな移動ストロークを有し第2分割スライド部5
bに連結する第2エジェクタプレート4bとから構成さ
れている。このとき、第2エジェクタプレート4bは、
第1エジェクタプレート4aよりもコア3側へ寄せて配
置されると共に、油圧シリンダ等の駆動手段(図示せ
ず)で駆動するプッシュロッド13の先端を固着して装
着されている。
【0023】第1(第2)分割スライド部5a(5b)
は、傾斜コア部51a(51b)と傾斜ピン53a(5
3b)とスライドユニット54a(54b)とを備えて
いる。
【0024】傾斜コア部51aおよび51bは、それぞ
れ成形する第1および第2アンダーカット部a1および
a2に応じた突起部を一体に有している。傾斜ピン53
aおよび53bは、樹脂成形品Aの離型の際に、傾斜コ
ア部51aおよび51bの各突起部が、それぞれ第1お
よび第2アンダーカット部a1およびa2から抜き去る
ことができるように、コア3の移動方向Cに対して所定
の角度を有してコア3に挿入されている。
【0025】また、スライドユニット54aおよび54
bは、それぞれ傾斜ピン53aおよび53bの各端部に
接続されると共に、それぞれ第1および第2エジェクタ
プレート4aおよび4bに固定されている。この固定に
より、スライドユニット54aおよび54bは、傾斜ピ
ン53aの端部をcおよびd方向(図3(a)参照)
に、傾斜ピン53bの端部をeおよびf方向(図3
(a)参照)にそれぞれ摺動自在としている。傾斜ピン
53aの端部は、第2エジェクタプレート4bを貫通し
てスライドユニット54aに接続される。
【0026】さらに、樹脂成形用金型装置1は、好まし
くは本実施形態のようにストローク制御手段7を備えて
構成される。このストローク制御手段7は、隣接する第
1および第2エジェクタプレート4aおよび4b同士を
係脱可能に連結する爪8と、該爪8を連結解除方向に付
勢するばね9と、爪8の当接により爪8の連結解除方向
の移動を阻止すると共に第1および第2エジェクタプレ
ート4aおよび4bの移動に伴う爪8の当接の解除によ
り爪8の連結解除方向の移動を許容する規制ロッド10
とを備えて構成されている。
【0027】爪8は、第2エジェクタプレート4bの側
面に枢支されて取り付けられており、かつ第1エジェク
タプレート4aの側面に突設された突起部11に対して
係脱可能に取り付けられている。爪8が、突起部11に
係合することによって、第1エジェクタプレート4aと
第2エジェクタプレート4bとが連結される。爪8は、
その係合部の反対側の背面の先端にテーパ部8aが形成
されている。
【0028】また、ばね9は、圧縮ばねで構成されてお
り、第2エジェクタプレート4bの側面に、爪8を係合
解除方向に回動付勢して取り付けられている。
【0029】さらに、規制ロッド10は、先端にテーパ
部10aが形成された棒状部材で構成されており、後端
を基台14に固定してコア3の移動方向Cに沿って設け
られている。規制ロッド10は、その側面に爪8の背面
を当接させることによって、爪8の連結解除方向の移動
を阻止することができ、これによって爪8と突起部11
との係合を維持することができる。
【0030】次に、以上のように構成された樹脂成形用
金型装置1を用いた樹脂成形方法について説明する。
【0031】この樹脂成形方法は、樹脂成形品Aの取り
出し工程が、第1分割スライド部5aと第2分割スライ
ド部5bを同時に突き出して第1分割スライド部5aを
第1アンダーカット部a1から抜き去る前段突出し工程
と、第1分割スライド部5aを前段突出し工程の位置に
残したまま第2分割スライド部5bをさらに突き出し
て、第2分割スライド部5bから第2アンダーカット部
a2を抜き去るときの樹脂成形品Aを第1分割スライド
部5aとの不干渉位置に移動させる後段突出し工程と、
からなる点が異なるだけで、他の工程は従来技術と同様
に構成されている。
【0032】図1は、コア3を矢印Cに沿ってキャビテ
ィから遠ざけた型開き状態を示す。この状態では、樹脂
成形品Aは、コア3に密着したままの状態を保ってお
り、ストローク制御手段7は、爪8が突起部11に係合
して第1および第2エジェクタプレート4aおよび4b
同士の連結状態を維持しており、第1エジェクタプレー
ト4aは、基台14に当接した状態となっている。
【0033】前段突出し工程は、この状態から始まり、
プッシュロッド13の伸長により、連結した第1および
第2エジェクタプレート4aおよび4bは、共にコア3
側へ移動し、この移動に伴って第1分割スライド部5a
と第2分割スライド部5bは、同時に突き出される。こ
の前段突出し工程では、爪8は、規制ロッド10に沿っ
て摺動し、かつ第1分割スライド部5aは、スライドユ
ニット54aにより図3(a)に示す矢印c方向にスラ
イドして第1アンダーカット部a1から抜き去られる。
【0034】図4は、前段突出し工程の終段階を示して
おり、爪8は、規制ロッド10の先端のテーパ部10a
付近に達している。この状態からプッシュロッド13の
更なる伸長により、第1および第2エジェクタプレート
4aおよび4bは更に移動し、この移動で爪8の規制ロ
ッド10に対する当接が解除され、これにより前段突出
し工程が終了し、かつ後段突出し工程が始まる。
【0035】この後段突出し工程では、爪8は、ばね9
により付勢されて突起部11との係合が解除されてお
り、この係合解除で第1および第2エジェクタプレート
4aおよび4b同士の連結が解除される。従って、この
後段突出し工程でのプッシュロッド13の更なる伸長
は、第2エジェクタプレート4bのみの移動となって第
2分割スライド部5bのみを突き出す。このとき、第2
分割スライド部5bは、スライドユニット54bにより
図3(a)に示す矢印e方向にスライドして、第2分割
スライド部5bから第2アンダーカット部a2を抜き去
るときの樹脂成形品Aを第1分割スライド部5aとの不
干渉位置に移動させる。
【0036】なお、この後段突出し工程では、第1エジ
ェクタプレート4aおよび第1分割スライド部5aは、
それぞれ前段突出し工程の終了位置にそのまま止まる。
【0037】図5は、後段突出し工程の終了段階を示し
ており、第2エジェクタプレート4bは、コア3に最接
近して位置している。
【0038】図6は、後段突出し工程の終了段階におけ
る樹脂成形品Aの取り出し順序を示している。すなわ
ち、樹脂成形品Aは、後段突出し工程の終了段階では1
Aに位置しており、このものに下方向外力hを負荷して
2Aの位置に移動させることによって第2分割スライド
部5bから第2アンダーカット部a2を抜き去ると共
に、g方向に移動させて3Aの位置に取り去ることがで
きる。
【0039】樹脂成形品Aの取り出し後は、プッシュロ
ッド13を後退させることによって当初の状態にセッテ
ィングすることができる。すなわち、プッシュロッド1
3の後退の初期段階では、第2エジェクタプレート4b
および第2分割スライド部5bのみが後退し、第2エジ
ェクタプレート4bが第1エジェクタプレート4aに突
き当たった後の後退の後期段階では、第1および第2エ
ジェクタプレート4aおよび4bと、第1および第2分
割スライド部5aおよび5bとが共に後退する。このと
きの第1および第2分割スライド部5aおよび5bのス
ライド方向は、図3(a)に示すように、それぞれd方
向およびf方向となる。
【0040】また、ストローク制御手段7は、第2エジ
ェクタプレート4bが第1エジェクタプレート4aに突
き当たるときに、テーパ部8a,10a同士が突き当た
り、これにより爪8がばね9のばね力に抗して回動させ
られて突起部11に係合して第1エジェクタプレート4
aと第2エジェクタプレート4bとを連結する。
【0041】そして、第1エジェクタプレート4aを基
台14に突き当たるまで後退させて、図1に示す当初の
状態にセッティングすることができる。なお、図1中、
符号6はリターンピンを、符号12は第2エジェクタプ
レート4bのガイドピンをそれぞれ示す。
【0042】このようにして構成された樹脂成形用金型
装置1によれば、傾斜スライド5を、第1分割スライド
部5aと第2分割スライド部5bとに2個に分割して構
成したので、これら第1および第2分割スライド部5a
および5bは、それぞれが連結するエジェクタプレート
4aおよび4bの移動ストロークにより、突出し量およ
び突出しタイミングが異なり、かつそれぞれが連結する
スライドユニット54aおよび54bによりスライド方
向が異なり、これにより個々の分割スライド部5a、5
bの突出し量およびスライド量をそれ程大きくしなくと
も樹脂成形品Aの取り出し時に、相互の干渉を避けて突
き出すことができる。
【0043】また、浅い第1アンダーカット部a1と、
深い第2アンダーカット部a2とが略L字状に連続して
形成されるアンダーカット部aは、分割しない一体の傾
斜スライドでは形成不能であるが、本実施形態では、第
1アンダーカット部a1を成形する第1分割スライド部
5aと、第2アンダーカット部a2を成形する第2分割
スライド部5bとで傾斜スライド5を構成したので、前
記したように各分割スライド部5a、5bの突出し量、
突出しタイミング、およびスライド方向を、相互に干渉
しない範囲内で自由に設計することができるので、成形
可能となる。
【0044】このアンダーカット部aの形成により、厚
肉部を除去することができ、ひいてはヒケの発生を防止
することができ、これにより樹脂成形品Aの品質の向上
を確保することができる。また、分割スライド部5aの
スライド量を左程大きくする必要がないので、樹脂成形
品Aに形成されるボス部7や補強リブ8(図3(a)参
照)等との干渉が避けられ、これによりこれら内部構造
の設計自由度をも確保することができる。
【0045】また、樹脂成形用金型装置1は、2個のエ
ジェクタプレート4a,4bの移動ストロークを、規制
ロッド10の長さにより制御することができるストロー
ク制御手段7を備えて構成されているので、エジェクタ
プレートの設置個数の増加にも拘わらず、油圧部品の増
加を伴うことなく構造の簡素化を図ることができる。
【0046】また、本実施形態では、傾斜スライド5
を、2個の分割スライド部5a,5bで構成したが、本
発明は、これに限定するものではなく、アンダーカット
部および樹脂成形品の構造により、傾斜スライドを3以
上の適当数に分割して構成する場合も含む。
【0047】
【発明の効果】以上、詳述したように、請求項1記載の
発明によれば、傾斜スライドを、樹脂成形品取り出し時
に相互の干渉を避けて突き出される複数の分割スライド
部で構成したので、個々の分割スライド部の突出し量お
よびスライド量をそれ程大きくしなくとも樹脂成形品を
取り出すことができ、これにより複雑な構造のアンダー
カット部を有する成形品に対しても成形可能となる。
【0048】また、請求項2記載の発明によれば、請求
項1記載の発明の効果に加えて、浅い第1アンダーカッ
ト部と、深い第2アンダーカット部とが略L字状に連続
して形成されるアンダーカット部を有する成形品に対し
ても容易に成形することができる。また、アンダーカッ
ト部形成箇所は、的確に厚肉部の除去が行われてヒケ発
生が防止されることによって、成形品の品質が向上する
と共に、第1アンダーカット部を形成する第1分割スラ
イド部のスライド量を左程大きくする必要がないので、
ボス部や補強リブ等の内部構造の設計自由度をも確保す
ることができる。
【0049】また、請求項3記載の発明によれば、2個
のエジェクタプレートの移動ストロークを、規制ロッド
の長さにより制御することができるストローク制御手段
を備えて構成されているので、請求項1または2記載の
発明の効果に加えて、エジェクタプレートの設置個数の
増加にも拘わらず、油圧部品の増加を伴うことなく構造
の簡素化を図ることができる。
【0050】また、請求項4記載の発明によれば、後段
突出し工程において、第2分割スライド部を第1分割ス
ライド部よりも、長いストローク分突出させて、第2分
割スライド部から第2アンダーカット部を抜き去るとき
の樹脂成形品を第1分割スライド部との不干渉位置に移
動させるようにしたので、第1分割スライド部と干渉す
ることなく樹脂成形品を移動させて第2アンダーカット
部を第2分割スライド部から抜き去ることができ、これ
により、浅い第1アンダーカット部と、深い第2アンダ
ーカット部とが略L字状に連続して形成されるアンダー
カット部を有する樹脂成形品を容易に成形することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としての樹脂成形用金型装
置のキャビティを省略した概略縦断側面図である。
【図2】本発明の樹脂成形用金型装置に対する樹脂成形
品のレイアウト図である。
【図3】本発明の樹脂成形用金型装置により成形される
樹脂成形品を示し、(a)はその正面図、(b)はその
底面図である。
【図4】図1の樹脂成形用金型装置の作動を説明する概
略縦断側面図である。
【図5】図1の樹脂成形用金型装置の作動を説明する概
略縦断側面図である。
【図6】図1の樹脂成形用金型装置の作動を説明する概
略縦断側面図である。
【図7】従来の樹脂成形用金型装置の作動を説明する概
略縦断側面図である。
【符号の説明】
1 樹脂成形用金型装置 4 エジェクタプレート 4a 第1エジェクタプレート 4b 第2エジェクタプレート 5 傾斜スライド 5a 第1分割スライド部 5b 第2分割スライド部 7 ストローク制御手段 8 爪 9 ばね 10 規制ロッド 54 スライドユニット a アンダーカット部 a1 第1アンダーカット部 a2 第2アンダーカット部 A 樹脂成形品

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂成形品のアンダーカット部を成形す
    る傾斜スライドがスライドユニットを介してエジェクタ
    プレートに連結されて組み込まれている樹脂成形用金型
    装置であって、 前記傾斜スライドが、樹脂成形品取り出し時に相互の干
    渉を避けて突き出される複数の分割スライド部で構成さ
    れており、かつ前記エジェクタプレートが、前記複数の
    分割スライド部にそれぞれ連結される、移動ストローク
    の異なる複数のエジェクタプレートで構成されているこ
    とを特徴とする樹脂成形用金型装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の樹脂成形用金型装置であ
    って、 前記アンダーカット部が、浅い第1アンダーカット部
    と、深い第2アンダーカット部とが略L字状に連続して
    形成されるものであって、 前記複数の分割スライド部が、前記第1アンダーカット
    部を成形する第1分割スライド部と、前記第2アンダー
    カット部を成形する第2分割スライド部とから構成され
    ており、かつ前記複数のエジェクタプレートが、前記第
    1分割スライド部に連結する第1エジェクタプレート
    と、該第1エジェクタプレートよりも大きな移動ストロ
    ークを有し前記第2分割スライド部に連結する第2エジ
    ェクタプレートとから構成されていることを特徴とする
    樹脂成形用金型装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の樹脂成形用金型
    装置であって、 前記複数のエジェクタプレートは、隣接する2個のエジ
    ェクタプレート同士を係脱可能に連結する爪と、該爪を
    連結解除方向に付勢するばねと、前記爪の当接により爪
    の連結解除方向の移動を阻止すると共に前記エジェクタ
    プレートの移動に伴う前記爪の当接の解除により爪の連
    結解除方向の移動を許容する規制ロッドとからなるスト
    ローク制御手段により、樹脂成形品取り出し時のそれぞ
    れの移動ストロークが制御されるように構成されている
    ことを特徴とする樹脂成形用金型装置。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の樹脂成形用金型装置を用
    いた樹脂成形方法であって、 樹脂成形品取り出し工程が、 第1分割スライド部と第2分割スライド部を同時に突き
    出して第1分割スライド部を第1アンダーカット部から
    抜き去る前段突出し工程と、 第1分割スライド部を前段突出し工程の位置に残したま
    ま第2分割スライド部をさらに突き出して、第2分割ス
    ライド部から第2アンダーカット部を抜き去るときの樹
    脂成形品を第1分割スライド部との不干渉位置に移動さ
    せる後段突出し工程と、からなることを特徴とする樹脂
    成形方法。
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