JP2002136448A - 手乾燥装置 - Google Patents

手乾燥装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複雑な構成を採らずに吹き返しを
防止できる使用感の良い手乾燥装置を得る。 【解決手段】 両手を平面内で揃えた状態で出し
入れ口4から挿抜できる手挿入部3において差し出され
た濡れた両手に高速空気流を噴射して手に付着した水分
を手挿入部3の奥側へ吹飛ばして乾燥させる手乾燥装置
について、水分を吹飛ばすための高速空気流を揃えた両
手に対して中央が手元寄りになり、両端に向って手先寄
りとなるライン状噴流8とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、洗浄後の濡れた手
を高速空気流の噴射によって衛生的に乾燥処理する手乾
燥装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】洗浄後の濡れた手を、タオルやハンカチ
等で払拭せず高速空気流の噴射により水分を吹飛ばして
乾燥させる衛生的な手乾燥処理を行う手乾燥装置が開発
されている。この種の装置は、高速空気流の運動エネル
ギーを利用して手に付着した水分を吹飛ばすため、手に
衝突した高速空気流の吹き返しが利用者に吹きかかった
り、吹飛ばされた水の飛沫が周囲に飛散するといった課
題がある。こうした課題に対して例えば、特開平3―8
2419号公報には、手の乾燥に資する主噴流ととも
に、吹き返しを遮る副噴流を噴出する吹き返し防止に関
する技術が示されている。これは、主噴流より出し入れ
口寄りに幅広の副噴流によるカーテン流を形成し、主噴
流の手への衝突による跳ね返りをカーテン流によって遮
蔽しようとするものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来の手
乾燥装置においては、副噴流により水の飛沫を含む主噴
流の吹き返しを阻むことができるものの、主副の噴流を
作るに足る能力の大きな高圧空気流発生装置が必要であ
るばかりでなく、水の飛沫は含まないものの副噴流の吹
き返しが使用者の顔面に当たり使用感を損なうといった
問題点がある。また、処理空間は多くが出し入れ口と両
側の開放した構造が採られているため、処理空間に吹飛
んだ水の飛沫を含んだ気流が開放した側部から外部に流
出し、周囲を濡らしたり汚したりする問題点も含んでい
た。
【0004】本発明は、上記した従来の手乾燥装置の問
題点に鑑みてなされたものであり、その課題とするとこ
ろは、複雑な構成を採らずに吹き返しを防止できる使用
感の良い手乾燥装置を得ることであり、機外への水の飛
散の少ない衛生的な手乾燥装置を得ることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題を達成するため
に請求項1の発明は、両手を平面内で揃えた状態で出し
入れ口から挿抜できる処理室において差し出された濡れ
た両手に高速空気流を噴射して手に付着した水分を処理
室の奥側へ吹飛ばして乾燥させる手乾燥装置について、
水分を吹飛ばすための高速空気流を揃えた両手に対して
中央が手元寄りになり、両端に向って手先寄りとなるラ
イン状噴流とする手段を採用する。
【0006】前記課題を達成するために請求項2の発明
は、請求項1に係る前記手段におけるライン状噴流の中
央の手元側にスポット状の副噴流を噴射するようにする
手段を採用する。
【0007】前記課題を達成するために請求項3の発明
は、請求項1又は請求項2のいずれかに係る前記手段に
おけるライン状噴流の風量を中央から両端に向う程多く
する手段を採用する。
【0008】前記課題を達成するために請求項4の発明
は、請求項1〜請求項3までのいずれかに係る前記手段
におけるライン状噴流の中央に局部的な噴流空白域を設
定する手段を採用する。
【0009】
【発明の実施の形態】図1〜図8によって示す実施の形
態は、高速空気流の噴射によって手を乾燥させる手乾燥
装置に関するものである。この手乾燥装置は、図1に示
すように上部に手挿入口を有する外殻をなす本体箱体1
内に組込まれた高圧空気流発生装置2による高圧空気流
が手挿入口近傍に送られて、手挿入口に続く処理空間と
しての手挿入部3内に水分を吹飛ばす手乾燥に関する作
動気流としての高速空気流を形成するものである。
【0010】手挿入部3は本体箱体1の上部に、両手を
平面内で揃えた状態で斜め上下方向に挿抜できる、上方
の出し入れ口4と両側方の開放した深底の傾斜した開放
シンク状に形成されている。手挿入部3の底部は、U字
状に形成されその中央に設けられた排水口が排水パイプ
により本体箱体1の下部に備えられた開放容器構造のド
レンタンク5に排水可能に接続されている。
【0011】高圧空気流発生装置2は、DCブラシレス
モーター(通常の整流子モーター又は誘導電動機であっ
ても良い)と、これを駆動させる駆動回路及びDCブラ
シレスモーターによって回転するターボファンにより構
成され、この実施の形態では本体箱体1の手挿入部3の
下方に取付けられていて、制御回路によって自動運転さ
れる。高圧空気流発生装置2の吸気側は、本体箱体1内
に設けられた吸気通路に臨んでいて、吸気通路端の吸込
口から装置外の空気を吸込むことができるようになって
いる。
【0012】高圧空気流発生装置2の吹出口は、途中に
おいて手挿入部3の前側と後側に二股に分岐したダクト
に接続され、分岐したダクトの各端に高圧空気流発生装
置2から送られてくる高圧空気流を高速の気流に変換
し、手挿入部3に前方と後方から横列のライン状に吹出
すエアーノズル6が接続されている。
【0013】二つのエアーノズル6は、手挿入部3の出
し入れ口4近傍の前部と後部の略中央に噴出口7をやや
下向きにして横方向に対向状に取付けられ、手挿入部3
内に入れた手に高速の空気流を吹付け、手を擦り合わせ
ることなく手に付いた水滴を手の表面から剥離し手挿入
部3内へ吹飛ばす。これらのエアーノズル6の噴出口7
は、図1に示すように中央で屈曲したスリット又は、図
3に示すような中央で屈曲した孔列として構成され、手
挿入部3において揃えた両手に対して中央が手元寄り
(手首寄り)になり、両端に向って手先寄り(小指の先
側)となる高速空気によるライン状噴流8を形成する。
即ち、ライン状噴流8は、高速空気の流れ方向に対して
直角の断面形状が中央部が最上位となる二次元形状とな
る。
【0014】手挿入部3にはエアーノズル6の他に、各
エアーノズル6より出し入れ口4側において、エアーノ
ズル6によるライン状噴流8の中央にスポット状に副噴
流9を噴射する副ノズル10が一つずつ配設されてい
る。この副ノズル10による副噴流9は、エアーノズル
6によるライン状噴流8より幅が狭く、吐出圧力も小さ
く設定されている。
【0015】この手乾燥装置では、手挿入口から手挿入
部3内に両手を自然に揃えた状態で概ね手首付近まで入
れると、手を検知する手検知センサー11によって手が
検知され、制御回路の処理により高圧空気流発生装置2
が作動し、エアーノズル6から高い運動エネルギーを持
つ高速空気流であるライン状噴流8が手挿入部3内に吹
出され、挿入された手の表裏に当り手に付着した水分を
手挿入部3の底側へ吹飛ばす。さらに、手挿入部3内で
手を挿抜させることによって、手全体に付着していた水
滴が全て排除され、手が乾燥処理される。そして手の乾
燥処理終了後、手を手挿入部3から完全に抜くと、手を
検知する手検知センサー11で手を抜いたことが検知さ
れ、高圧空気流発生装置2が停止する。手から吹飛ばさ
れた水滴は手挿入部3の内壁面に付着するが逐次底部に
流下して排水口から排水パイプを通ってドレンタンク5
に貯溜される。
【0016】上記した手乾燥処理動作中において、手挿
入部3に平面内で揃えた状態で斜め下方向に向けて入れ
た両手に対して、エアーノズル6から吹出すライン状噴
流8は、図2に示すような略へ状の形態で手の甲側と掌
側に衝突する。ライン状噴流8の中央の屈曲部は、合せ
た両手の合せ目にほぼ対応し、利用者の顔面にも対応す
る。この部分の噴流の量は、左右のライン部分より少な
くなっている。手に衝突したライン状噴流8の多くは手
挿入部3の内側寄りの斜め下方に手から払拭した水分と
ともに吹飛んでいく(図2のAで示す流れ)。そして、
手に衝突したライン状噴流8の一部は手挿入部3の外側
寄りの斜め上方に左右に離反していくように吹き返って
いく(図2のBで示す流れ)。
【0017】手に衝突した後、斜め内向きに吹飛んで行
く噴流Aは、払拭した水分とともに手挿入部3の底部中
央寄りに向い、水分は底部側の内壁を伝い排水口から排
水パイプを経てドレンタンク5に貯溜される。従って、
手挿入部3の開放した両側部から外部に手から払拭した
水分の飛沫が飛散し、周囲を濡らしたり汚したりするこ
とは防止され、乾燥処理に伴う水分を衛生的に処理でき
る。
【0018】また、手に衝突した後、斜め外向きに吹き
返っていく噴流Bは、その殆どが使用者の手許及び顔面
から離反する方向であり、袖口に吹きかかったり顔面に
吹きかかったりすることがなく、良好な使用感が得られ
る。顔面に対峙することになる中央部からの吹き返りに
ついては、その量が少ないため、水の飛沫を含んでいた
としても顔にまで到達することはない。本実施の形態に
おいては、スポット状の副噴流9がこの吹き返りを阻む
ため中央部からの吹き返り自体が殆どないものとなる。
副噴流9は、手の乾燥に関与する噴流でなく、吹き返り
防止について万全を期する意味合いのものであり、幅も
狭くスポット状のものなので性能の高い高圧空気流発生
装置2を採用しなくても十分形成することができる。
【0019】上述のような機能を果たすライン状噴流8
としては、図4に示すような断面形状が円弧ライン状噴
流8でもよく、図5に示すように風量が中央を最小とし
て両端に向う程多くなる形態のライン状噴流8でもよ
い。揃えた両手の中央は合わせ目であり、乾燥処理する
必要性の少ない箇所であり、顔面が対応する位置でもあ
るので、図6に示すようにライン状噴流8の中央に局部
的な噴流空白域12を設定しても効果がある。
【0020】なお、図7,8によって示すような手挿入
部3が略水平方向からの手の挿抜を行う形式の手乾燥装
置についても上述した仕方と同様にして吹き返り防止に
関する本技術を適用することができる。この場合、図
7,8に示すようにエアーノズル6が上側一つでも差し
支えない。
【0021】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、複雑な構成を
採らずに吹き返しを防止できる使用感が良く、機外への
水の飛散も少ない衛生的な手乾燥装置が得られる。
【0022】請求項2の発明によれば、請求項1に係る
前記効果とともに簡単に吹き返しをさらに厳格に防止す
ることができる。
【0023】請求項3の発明によれば、請求項1又は請
求項2のいずれかに係る前記効果が風量の設定によって
得ることができる。
【0024】請求項4の発明によれば、請求項1〜請求
項3までのいずれかに係る前記効果がライン状噴流の中
央に局部的な噴流空白域を設定することによって得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態の手乾燥装置を示す斜視図であ
る。
【図2】 実施の形態の手乾燥装置における手乾燥処理
時のライン状噴流の挙動を示す平面図である。
【図3】 実施の形態の手乾燥装置のエアーノズルの構
成を示す平面図である。
【図4】 実施の形態の他のライン状噴流の形態を示す
断面図である。
【図5】 実施の形態の他のライン状噴流の形態を示す
断面図である。
【図6】 実施の形態の他のライン状噴流の形態を示す
断面図である。
【図7】 実施の形態の他の形式の手乾燥装置を示す射
視図である。
【図8】 実施の形態の他の形式の手乾燥装置を示す断
面図である。
【符号の説明】
2 高圧空気流発生装置、 3 手挿入部、 4 出し
入れ口、 6 エアーノズル、 8 ライン状噴流、
9 副噴流、 12 噴流空白域。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 両手を平面内で揃えた状態で出し入れ口
    から挿抜できる処理室において差し出された濡れた両手
    に高速空気流を噴射して手に付着した水分を前記処理室
    の奥側へ吹飛ばして乾燥させる手乾燥装置であって、水
    分を吹飛ばすための高速空気流を揃えた両手に対して中
    央が手元寄りになり、両端に向って手先寄りとなるライ
    ン状噴流とした手乾燥装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の手乾燥装置であって、
    ライン状噴流の中央の手元側にスポット状の副噴流を噴
    射するようにした手乾燥装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2のいずれかに記載
    の手乾燥装置であって、ライン状噴流の風量を中央から
    両端に向う程多くした手乾燥装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜請求項3までのいずれかに記
    載の手乾燥装置であって、ライン状噴流の中央に局部的
    な噴流空白域を設定した手乾燥装置。
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