JP2002129078A - 捺印層形成用インクおよびそれを用いたシート - Google Patents

捺印層形成用インクおよびそれを用いたシート

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JP2002129078A
JP2002129078A JP2000331329A JP2000331329A JP2002129078A JP 2002129078 A JP2002129078 A JP 2002129078A JP 2000331329 A JP2000331329 A JP 2000331329A JP 2000331329 A JP2000331329 A JP 2000331329A JP 2002129078 A JP2002129078 A JP 2002129078A
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layer
mass
sheet
forming
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English (en)
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Akira Hirasawa
朗 平澤
Mitsuru Kawazome
満 河染
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Toppan Edge Inc
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Toppan Forms Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 印刷インキ適性に優れており、従来捺印性の
ない基材の必要な箇所に、基材本来の特性を損なうこと
なく、印刷を行って、捺印やスタンプ押印可能な捺印層
を設けることができ、形成された捺印層は、OCRリー
ダーやサーマルヘッドなどで剥離しない捺印層形成用イ
ンクの提供。 【解決手段】 放射線硬化成分を主成分として含むビヒ
クルに対して、多孔質微粒子を配合した捺印層形成用イ
ンクを用いる。放射線硬化成分は紫外線硬化型あるいは
電子線硬化型が好ましい。ビヒクル100質量部に対し
て、多孔質微粒子を20〜50質量部配合したインクが
好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、捺印層形成用イン
クおよびそれを用いて形成された捺印やスタンプ押印可
能な捺印層を有してなるシートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】日本の社会では、確認のために随所に
「捺印」が行われる。一方、折り畳みカード、重ね合わ
せカード、情報隠ぺいシート等の親展性をもつ情報用シ
ートや各種整理シート、印刷用紙、複写用紙、各種ラベ
ルなどのビジネスフォームについても高機能化が進み、
プロセスカラー印刷で使用されるアート紙やコート紙、
あるいは感熱紙などに対し、フィルムをラミネートした
ものや樹脂をオーバーコートしたものからなる保護層を
有するビジネスフォームなどが多く使用されるようにな
っており、耐水性、擦り耐性、耐溶剤性の向上のために
保護層は重要な役割を担っている。
【0003】しかし、アート紙やコート紙を用いたプロ
セスカラー印刷を施したパンフレットやカタログや書
類、あるいは感熱紙を用いた領収書など、保護層を有す
るビジネスフォームは捺印性やスタンプ押印適性がない
という問題があり、例えば、捺印性を必要とする感熱紙
とするためには、本来必要とされる保護層を設けない感
熱紙を使用していた。しかし、保護層を設けない感熱紙
は爪で擦ると発色したり、アセトンなどの溶剤と接触す
ると発色してしまう問題があった。そのため、捺印欄を
除いてOPニスなどをオーバーコート印刷することも行
われているが、従来の保護層に較べて効果が劣り、不十
分であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第1の目的
は、従来の問題を解決し、従来捺印性やスタンプ押印性
のない、アート紙やコート紙、あるいは感熱紙などに保
護層を設けた用紙(フィルム、シートなど)、プロセス
カラー印刷で使用されるアート紙やコート紙、あるいは
感熱紙などに対し、フィルムをラミネートしたものや樹
脂をオーバーコートしたものからなる保護層を有するビ
ジネスフォームなどの必要な所定の箇所に、本来の特性
(例えば耐水性、擦り耐性、耐溶剤性など)を損なうこ
となく、オフセット印刷などにより捺印層を容易に形成
して(部分的な印刷やスポット印刷が可能である)、捺
印性やスタンプ押印性を付与できる捺印層形成用インク
を提供することである。本発明の第2の目的は、この捺
印層形成用インクを用いて形成された捺印層を有してな
るシートを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は前記課題を
解決すべく鋭意研究を重ねた結果、放射線硬化成分を主
成分として含むビヒクルを用い、このビヒクルに対して
多孔質微粒子を配合したインクを用いることにより解決
できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち、本発明の請求項1記載の捺印層
形成用インクは、放射線硬化成分を主成分として含むビ
ヒクルに対して、多孔質微粒子を配合したことを特徴と
するものである。本発明の捺印層形成用インクは、印刷
インキ適性に優れており、オフセット印刷などにより、
プロセスカラー印刷で使用されるアート紙やコート紙、
あるいは感熱紙などに対し、フィルムをラミネートした
ものや樹脂をオーバーコートしたものからなる保護層を
有するビジネスフォームなどの必要な箇所に部分的な印
刷やスポット印刷を行って、捺印やスタンプ押印可能な
捺印層を容易に設けることができる。従来の基材の保護
層上の必要な箇所に捺印層を設けるので基材の本来の特
性(耐水性、擦り耐性、耐溶剤性など)を損なうことが
ない。形成された捺印層は、機械適性に優れており、O
CRリーダーやサーマルヘッドなどで剥離しない。
【0007】本発明の請求項2記載の捺印層形成用イン
クは、請求項1記載の捺印層形成用インクにおいて、放
射線硬化成分が紫外線硬化型であることを特徴とする。
【0008】本発明の請求項3記載の捺印層形成用イン
クは、請求項1記載の捺印層形成用インクにおいて、放
射線硬化成分が電子線硬化型であることを特徴とする。
【0009】本発明の請求項4記載の捺印層形成用イン
クは、請求項1から請求項3のいずれかに記載の捺印層
形成用インクにおいて、放射線硬化成分を主成分として
含むビヒクル100質量部に対して、多孔質微粒子を2
0〜50質量部配合したことを特徴とする。
【0010】本発明の請求項5記載のシートは、基材の
少なくとも一方の面の所定部に請求項1から請求項4の
いずれかに記載の捺印層形成用インクを用いて形成され
た捺印やスタンプ押印可能な捺印層を有してなることを
特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の捺印層形成用インクは、
放射線硬化成分を主成分として含むビヒクルを用いるこ
とが肝要であり、このビヒクル対して、多孔質微粒子を
配合して調製される。
【0012】本発明で用いる放射線硬化成分は紫外線、
電子線、X線、i線、g線などの放射線により硬化しう
る成分であれば特に限定されないが、これらの中でも紫
外線硬化型および/または電子線硬化型は好ましく使用
できる。
【0013】紫外線硬化(フリーラジカル重合、カチオ
ン重合)に使用される紫外線のエネルギーは3〜6eV
程度であるので、光化学反応を促進するために光開始剤
や増感剤を添加する必要があり、硬化完了に数秒または
それ以上かかるのに対して、電子線硬化(フリーラジカ
ル重合)に一般に使用される電子線のエネルギーは低エ
ネルギーのものでも150〜300KeV程度と大き
く、反応開始機構が多少異なり、照射と同時に重合・架
橋の反応が開始されるので、これら開始剤や増感剤を添
加する必要がなく、数分の1秒またはそれ以下で硬化が
完了する。紫外線源として用いられる水銀灯などは紫外
線の他にある程度の赤外線をだすため、照射の際に発熱
があるので、特に熱に弱い被照射体の場合は問題がある
場合があるのに対して、10Mrad以下の電子線の場
合は熱の影響がほとんど問題にならない。本発明におい
ては、紫外線硬化型と電子線硬化型の上記の特徴を利用
して、目的に応じて、いずれか一方を使用したり、ある
いは両者を併用したりすることが好ましい。
【0014】本発明で用いる放射線硬化成分としては、
公知の光重合性モノマーおよび/または光重合性オリゴ
マーから任意に選んで用いることができる。このような
光重合性モノマーとしては、例えばアクリル酸やメタク
リル酸などの不飽和カルボン酸又はそのエステル、例え
ばアルキル−、シクロアルキル−、ハロゲン化アルキル
−、アルコキシアルキル−、ヒドロキシアルキル−、ア
ミノアルキル−、テトラヒドロフルフリル−、アリル
−、グリシジル−、ベンジル−、フェノキシ−アクリレ
ート及びメタクリレート、アルキレングリコール、ポリ
オキシアルキレングリコールのモノ又はジアクリレート
及びメタクリレート、トリメチロールプロパントリアク
リレート及びメタクリレート、ペンタエリトリットテト
ラアクリレート及びメタクリレートなど、アクリルアミ
ド、メタクリルアミド又はその誘導体、例えばアルキル
基やヒドロキシアルキル基でモノ置換又はジ置換された
アクリルアミド及びメタクリルアミド、ジアセトンアク
リルアミド及びメタクリルアミド、N,N′−アルキレ
ンビスアクリルアミド及びメタクリルアミドなど、アリ
ル化合物、例えばアリルアルコール、アリルイソシアネ
ート、ジアリルフタレート、トリアリルイソシアヌレー
トなど、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸又はそ
のエステル、例えばアルキル、ハロゲン化アルキル、ア
ルコキシアルキルのモノ又はジマレエート及びフマレー
トなど、その他の不飽和化合物、例えばスチレン、ビニ
ルトルエン、ジビニルベンゼン、N−ビニルカルバゾー
ル、N−ビニルピロリドンなどが用いられる。
【0015】また、硬化収縮が支障となる用途の場合に
は、例えばイソボルニルアクリレート又はメタクリレー
ト、ノルボルニルアクリレート又はメタクリレート、ジ
シクロペンテノキシエチルアクリレート又はメタクリレ
ート、ジシクロペンテノキシプロピルアクリレート又は
メタクリレートなど、ジエチレングリコールジシクロペ
ンテニルモノエーテルのアクリル酸エステル又はメタク
リル酸エステル、ポリオキシエチレン若しくはポリプロ
ピレングリコールジシクロペンテニルモノエーテルのア
クリル酸エステル又はメタクリル酸エステルなど、ジシ
クロペンテニルシンナメート、ジシクロペンテノキシエ
チルシンナメート、ジシクロペンテノキシエチルモノフ
マレート又はジフマレートなど、3,9−ビス(1,1
−ビスメチル−2−オキシエチル)−スピロ[5,5]
ウンデカン、3,9−ビス(1,1−ビスメチル−2−
オキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピ
ロ[5,5]ウンデカン、3,9−ビス(2−オキシエ
チル)−スピロ[5,5]ウンデカン、3,9−ビス
(2−オキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキ
サスピロ[5,5]ウンデカンなどのモノ−、ジアクリ
レート又はモノ−、ジメタアクリレート、あるいはこれ
らのスピログリコールのエチレンオキシド又はプロピレ
ンオキシド付加重合体のモノ−、ジアクリレート、又は
モノ−、ジメタアクリレート、あるいは前記モノアクリ
レート又はメタクリレートのメチルエーテル、1−アザ
ビシクロ[2,2,2]−3−オクテニルアクリレート
又はメタクリレート、ビシクロ[2,2,1]−5−ヘ
プテン−2,3−ジカルボキシルモノアリルエステルな
ど、ジシクロペンタジエニルアクリレート又はメタクリ
レート、ジシクロペンタジエニルオキシエチルアクリレ
ート又はメタクリレート、ジヒドロジシクロペンタジエ
ニルアクリレート又はメタクリレートなどの光重合性モ
ノマーを用いることができる。これらの光重合性モノマ
ーは単独で用いてもよいし2種以上組み合わせて用いて
もよい。
【0016】光重合性オリゴマーとしては、エポキシ樹
脂のアクリル酸エステル例えばビスフェノールAのジグ
リシジルエーテルジアクリレート、エポキシ樹脂とアク
リル酸とメチルテトラヒドロフタル酸無水物との反応生
成物、エポキシ樹脂と2−ヒドロキシエチルアクリレー
トとの反応生成物、エポキシ樹脂のジグリシジルエーテ
ルとジアリルアミンとの反応生成物などのエポキシ樹脂
系プレポリマーや、グリシジルジアクリレートと無水フ
タル酸との開環共重合エステル、メタクリル酸二量体と
ポリオールとのエステル、アクリル酸と無水フタル酸と
プロピレンオキシドから得られるポリエステル、ポリエ
チレングリコールと無水マレイン酸とグリシジルメタク
リレートとの反応生成物などのような不飽和ポリエステ
ル系プレポリマーや、ポリビニルアルコールとN−メチ
ロールアクリルアミドとの反応生成物、ポリビニルアル
コールを無水コハク酸でエステル化した後、グリシジル
メタクリレートを付加させたものなどのようなポリビニ
ルアルコール系プレポリマー、ピロメリット酸二無水物
のジアリルエステル化物に、p,p′−ジアミノジフェ
ニルを反応させて得られるプレポリマーのようなポリア
ミド系プレポリマーや、エチレン−無水マレイン酸共重
合体とアリルアミンとの反応生成物、メチルビニルエー
テル−無水マレイン酸共重合体と2−ヒドロキシエチル
アクリレートとの反応生成物又はこれにさらにグリシジ
ルメタクリレートを反応させたものなどのポリアクリル
酸又はマレイン酸共重合体系プレポリマーなど、そのほ
か、ウレタン結合を介してポリオキシアルキレンセグメ
ント又は飽和ポリエステルセグメントあるいはその両方
が連結し、両末端にアクリロイル基又はメタクロイル基
を有するウレタン系プレポリマーなどを挙げることがで
きる。これらの光重合性オリゴマーは、重量平均分子量
凡そ2000〜30000の範囲のものが適当である。
【0017】本発明で用いる光重合開始剤には、熱によ
って分解しラジカルを生成する過酸化物やアゾ化合物な
どの熱分解型ラジカル重合開始剤[例えば、過酸化ベン
ゾイル、アゾビスイソブチロニトリル、キュメンハイド
ロパーオキサイド、ターシャリーブチルハイドロパーオ
キサイド、過硫酸塩(カリ塩、アンモニウム塩)、還元
剤を加えることによりラジカル生成速度を大にするレド
ックス系触媒など]の他に、例えば、ベンゾインやベン
ゾインエチルエーテル、ベンゾイン−n−プロピルエー
テル、ベンゾイン−イソプロピルエーテル、ベンゾイン
イソブチル−エーテルなどのベンゾインアルキルエーテ
ル類、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノ
ン、ベンゾフェノン、ベンジル、ジアセチル、ジフェニ
ルスルフィド、エオシン、チオニン、9,10−アント
ラキノン、2−エチル−9,10−アントラキノンなど
が挙げられる。これらの光重合開始剤は、それぞれ単独
で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよ
い。その含有量は、通常放射線硬化成分100質量部当
り、5〜15質量部の範囲で選ばれるのが好ましい。
【0018】本発明で用いる多孔質微粒子は染み込みが
ないか、あるいは少ない前記基材に捺印性やスタンプ押
印性を付与できるものであれば無機系多孔質微粒子で
も、有機系多孔質微粒子でも、あるいは両者の混合物で
もよく、特に限定されるものではない。中でも無機系多
孔質微粒子は好ましく使用できる。
【0019】本発明で用いる無機系多孔質微粒子の具体
例としては、例えば、シリカ微粒子では、ミズカシルP
−526、P−801、P−527、P−603、P8
32、P−73、P−78A、P−78F、P−87、
P−705、P−707、P−707D(水沢化学社
製)、Nipsil E200、E220、SS−10
F、SS−15F、SS−50(日本シリカ工業社
製)、SYLYSIA730、310(富士シリシア化
学社製)など、炭酸カルシウム微粒子では、Brill
iant−15、Brilliant−S15、Uni
bur−70、PZ、PX、ツネックスE、Vigot
−10、Vigoto−15、Unifant−15F
R、Brilliant−1500、ホモカルD、ゲル
トン50(白石工業社製)などを、スルホ・アルミン酸
カルシウム微粒子では、サチンホワイトSW、SW−
B、SW−BL((白石工業社製)などを、アルミナ微
粒子では、AL−41G、AL−41、AL−42、A
L−43、AL−44、AL−41E、AL−42E、
AL−M41、AL−M42、AL−M43、AL−M
44、AL−S43、AM−21、AM−22、AM−
25、AM−27(住友化学社製)、酸化アルミニウム
C(日本アエロジル社製)などを、二酸化チタン微粒子
では二酸化チタンT805、P25(日本アエロジル社
製)などを挙げることができる。これらは、単独で用い
てもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0020】本発明で用いる多孔質微粒子の配合量は特
に限定されるものではないが、好ましくは放射線硬化成
分を主成分として含むビヒクル100質量部に対して、
多孔質微粒子を20〜50質量部、より好ましくは30
〜40質量部配合することが望ましい。20質量部未満
では捺印性やスタンプ押印性を改善できない恐れがあ
り、50質量部を超えると粘度が高くなり印刷インク適
性が低下する恐れがあるので、いずれも好ましくない。
【0021】本発明における捺印層形成溶インキには、
さらに、所望に応じて慣用されている添加成分、例え
ば、反応性希釈剤、粘着付与剤、粘度調整剤、酸化防止
剤、紫外線吸収剤、安定剤、着色剤、滑剤、増感剤など
を含有させることもできる。
【0022】本発明の捺印層形成用インクは、オフセッ
ト印刷機に使用するのが最も好ましく、グラビアコータ
ー、フレキソコーター、エアナイフコーター、バーコー
ターなどの塗工手段により基材の少なくとも一方の面の
所定部に塗工し、捺印層を有するシートを形成すること
ができる。
【0023】本発明で用いる基材は、捺印性やスタンプ
押印性のない基材であり、例えば、染み込みがないか、
あるいは少ないアート紙やコート紙、それに保護層を設
けた用紙(フィルム、シートなど)、プロセスカラー印
刷を施したパンフレットやカタログや書類などや、保護
層を有するビジネスフォームなどを挙げることができ
る。また、基材面へのインクの塗工量は、特に限定され
ないが、例えば0.5〜30g/m2 、好ましくは3〜
20g/m2 、さらに好ましくは5〜15g/m 2 とす
る。
【0024】図1は、本発明のシートの一実施形態を説
明する説明図である。図1において、本発明のシート1
は、本発明の捺印層形成用インクを使用して上面に保護
層を有するサーマル紙などの基材2の上面の所定の箇所
に捺印層3が形成してある。
【0025】図2は本発明のシートの他の実施形態を示
す説明図であり、本発明のシート1の上面の所定の箇所
に捺印層3が形成してあり、下面の左端部に防浸処理層
6を介して再貼着・再剥離可能な接着剤層4を有してい
る。
【0026】図3は図2に示した本発明のシート1の応
用例を示す斜視図であり、基材2の上面の所定の箇所に
捺印層3が形成してあり、上面に印刷インキを用いて印
刷された文字7や記入欄8のあるシート1が複数枚積層
されている。
【0027】図4は図3で示した伝言メモのIV−IV
線の断面説明図である。上表面に捺印層3を有してお
り、さらに下面の左端部に防浸処理層6を介して再貼着
・再剥離可能な接着剤層4を有しているシート1が順次
複数枚積層され、台紙9上に一体化されている。シート
1を一枚ずつめくって剥がし、他の被貼着体に貼着する
用途などに用いることができる。
【0028】
【実施例】以下実施例および比較例により本発明を更に
詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に何ら制約さ
れるものではない。 (実施例1)トリメチロールプロパントリアクリレート
〈商品名:アロニックスM−309(東亜合成化学社
製)〉92質量部と1,9−ノナンジオールジアクリレ
ート〈商品名:ビスコート#260(大阪有機化学社
製)〉23質量部、それに光重合開始剤〈商品名:VI
SCURE55(アクゾノーベル社製)〉10質量部を
混合して紫外線硬化成分を主成分とするビヒクルを調製
した。得られたビヒクル100質量部に合成シリカ微粒
子〈商品名:Nipsil SS−50(日本シリカ工
業社製)〉50質量部を混練する。さらにこの混練品に
添加剤としてメチルハイドロキノン(安定剤)0.1質
量部を加えて三本ロールミルを使用して混練して、本発
明の捺印層形成用インクを調製した。次に、得られた本
発明の捺印層形成用インクを樹脂凸版を使用してオーバ
ーコート層を持つ感熱紙〈サーマルペーパ130LAB
−1(リコー社製)〉上に3g/m2 になるようにドラ
イオフセット印刷(高圧水銀灯で硬化)を行って印刷適
性を評価するとともに、捺印層を有する本発明のシート
を作った。得られた本発明のシートの捺印層について、
下記の評価方法により捺印性と機械適性を評価した。評
価結果を表1に示す。
【0029】(捺印性評価方法)捺印層印刷部に印鑑
〈商品名:シャチハタ Xスタンパー〉を使用して捺印
を行う。捺印後5秒間放置したのち、キムワイプ ワイ
パーS−200〈商品名:クレシア社製〉で捺印表面を
拭き取る。この時、印影が全く流れないものを「◎」、
やや流れるものを「○」、印影が流れるが判読可能なも
のを「△」、印影が流れ全く読み取れないものを
「×」、と評価した。
【0030】(機械適性評価方法)捺印層印刷部にセロ
ハンテープを貼付し、幅50mmの2kgのローラーで
密着させる。1分間放置したのち、ゆっくりとセロハン
テープを剥がす。このときセロハンテープにより捺印層
印刷部が全く剥がされないものを「○」、僅かに剥がれ
るものを「△」、殆ど剥がされてしまうものを「×」、
と評価した。
【0031】(実施例2)実施例1で使用した合成シリ
カ微粒子をNipsil SS−15〈商品名:日本シ
リカ工業社製〉に変更した以外は実施例1と同様にし
て、本発明のシートを作り、捺印層の捺印性と機械適性
を評価した結果を表1に示す。
【0032】(実施例3)実施例1で使用した合成シリ
カ微粒子を炭酸カルシウム微粒子〈商品名:ソフトン2
200、備北粉化工業社製〉に変更した以外は実施例1
と同様にして本発明のシートを作り、捺印層の捺印性と
機械適性を評価した結果を表1に示す。
【0033】(実施例4)実施例1で使用した合成シリ
カ微粒子をアルミナ微粒子〈商品名:酸化アルミニウム
C、日本アエロジル社製〉に変更した以外は実施例1と
同様にして、本発明のシートを作り、捺印層の捺印性と
機械適性を評価した結果を表1に示す。
【0034】(実施例5)実施例1で使用したトリメチ
ロールプロパントリアクリレートをトリメチロールプロ
パンPO変性(n≒1)トリアクリレート〈商品名:ア
ロニックスM−310、東亜合成化学社製〉に変更した
以外は実施例1と同様にして、本発明のシートを作り、
捺印層の捺印性と機械適性を評価した結果を表1に示
す。
【0035】(比較例1)実施例1で使用したオーバー
コート層を持つ感熱紙〈サーマルペーパ130LAB−
1(リコー社製)〉に捺印層を設けることなくそのまま
使用して、実施例1と同様にして捺印性を評価した結果
を表1に示す。
【0036】(比較例2)ロジン変性フェノール樹脂ワ
ニス76質量部とアマニ油ワニス14質量部を混合し、
木ロウ(バルチミン酸グリセリド)7質量部とドライヤ
ー3質量部を混合した。得られたワニスに合成シリカ微
粒子〈商品名:Nipsil SS−50(日本シリカ
工業社製)〉35質量部を加えて三本ロールミルを使用
して、比較のための捺印層形成用インクを調製した。得
られたインクを樹脂凸版を使用してオーバーコート層を
持つ感熱紙〈サーマルペーパ130LAB−1(リコー
社製)〉に3g/m2 になるようにドライオフセット印
刷を行い、比較のためのシートを作った。実施例1と同
様にして捺印性と機械適性を評価した結果を表1に示
す。
【0037】(比較例3)ジエチレングリコール93質
量部にロジン変性マレイン酸〈商品名:テスポール11
52(日立化成ポリマー社製)〉7質量部を溶解させ
る。得られた液100質量部に合成シリカ微粒子〈商品
名:Nipsil SS−50(日本シリカ工業社
製)〉40質量部を混練する。さらにこの混練品にロー
ル転写性向上剤としてグリセリン5質量部を加えて三本
ロールミルを使用して混練して、比較のための捺印層形
成用インクを調製した。次に、得られたインクを樹脂凸
版を使用してオーバーコート層を持つ感熱紙〈サーマル
ペーパ130LAB−1(リコー社製)〉上に3g/m
2 になるようにドライオフセット印刷を行って、捺印層
を有するシートを作った。得られたシートの捺印層につ
いて、実施例1と同様にして捺印性と機械適性を評価し
た結果を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】実施例1〜5の捺印層形成用インクは印刷
適性に優れるとともに、表1から、捺印性および機械適
性が共に優れることが判る。それに対して、オーバーコ
ート層を持つ感熱紙に捺印層を設けることなくそのまま
使用した比較例1の場合は、捺印性に劣り、比較例2〜
3の比較のための捺印層形成用インクは、機械適性およ
び捺印性が劣ることが判る。
【0040】
【発明の効果】本発明の請求項1記載の捺印層形成用イ
ンクは、印刷インキ適性に優れており、ドライオフセッ
ト印刷などにより、従来捺印性やスタンプ押印性のない
基材の必要な箇所に、基材の本来の特性(耐水性、擦り
耐性、耐溶剤性など)を損なうことなく、部分的な印刷
やスポット印刷を行って、捺印やスタンプ押印可能な捺
印層を容易に設けることができ、形成された捺印層は、
捺印性やスタンプ押印性および機械適性に優れており、
OCRリーダーやサーマルヘッドなどで剥離しないとい
う顕著な効果を奏する。
【0041】本発明の請求項2記載の捺印層形成用系イ
ンクは、請求項1記載の捺印層形成用系インクにおい
て、放射線硬化成分が紫外線硬化型であるので、紫外線
照射により容易に硬化することができるという顕著な効
果を奏する。
【0042】本発明の請求項3記載の捺印層形成用系イ
ンクは、請求項1記載の捺印層形成用系インクにおい
て、放射線硬化成分が電子線硬化型であるので、光開始
剤や増感剤を必要とせず、例え厚肉であっても電子線照
射により容易に硬化することができるという顕著な効果
を奏する。
【0043】本発明の請求項4記載の捺印層形成用系イ
ンクは、請求項1から請求項3のいずれかに記載の捺印
層形成用系インクにおいて、放射線硬化成分を主成分と
して含むビヒクル100質量部に対して、多孔質微粒子
を20〜50質量部配合したので、印刷インク適性を損
なわない範囲で捺印性やスタンプ押印性および機械適性
を改善できるという顕著な効果を奏する。
【0044】本発明の請求項5のシートは、基材の少な
くとも一方の面の所定部に請求項1から請求項4のいず
れかに記載の捺印層形成用インクを用いて形成された捺
印やスタンプ押印可能な捺印層を有してなるので、捺印
性やスタンプ押印性および機械適性に優れており、OC
Rリーダーやサーマルヘッドなどで剥離しないという顕
著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシートの一実施形態を説明する説明図
である。
【図2】図1に示した本発明のシートの一応用例を説明
する説明図である。
【図3】本発明のシートの他の応用例を示す説明図であ
る。
【図4】図3における本発明のシートのIV−IV線断
面説明図である。
【符号の説明】
1 本発明のシート 2 基材 3 捺印層 4 接着剤層 7 文字 8 記入欄 9 台紙
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J039 AD09 AD10 AD12 AD14 BA13 BA21 BA35 BC30 BD03 BE01 BE23 BE27 CA07 DA05 EA06 EA08 GA04 GA34

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放射線硬化成分を主成分として含むビヒ
    クルに対して、多孔質微粒子を配合したことを特徴とす
    る捺印層形成用インク。
  2. 【請求項2】 放射線硬化成分が紫外線硬化型であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の捺印層形成用インク。
  3. 【請求項3】 放射線硬化成分が電子線硬化型であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の捺印層形成用インク。
  4. 【請求項4】 放射線硬化成分を主成分として含むビヒ
    クル100質量部に対して、多孔質微粒子を20〜50
    質量部配合したことを特徴とする請求項1から請求項3
    のいずれかに記載の捺印層形成用インク。
  5. 【請求項5】 基材の少なくとも一方の面の所定部に請
    求項1から請求項4のいずれかに記載の捺印層形成用イ
    ンクを用いて形成された捺印やスタンプ押印可能な捺印
    層を有してなることを特徴とするシート。
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