JP3615288B2 - 焼付原稿作成用フィルム及びこれを用いた焼付用最終原稿フィルムの作成方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ホットメルト型インク適性を有する焼付原稿作成用フィルム及びこれを用いて、版下原稿をPS版に焼き付ける際に使用される焼付用最終原稿フィルムを作成する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般にオフセット印刷の製版工程は、まず、クライアントからの注文に応じて、版下の作成、写真原稿のスキャナー分解作業、マスキングフィルムの切り抜き作業、色分解された写真原稿及び平網の貼り込み作業などを経て、最終的にマスク作業で統合された文字画像情報と写真画像情報とからなる画像を感光性の銀塩リスフィルムに形成し、最終原稿フィルムを得る。
【0003】
次に、この最終原稿フィルムの画像形成面と、PS版と呼ばれている印刷版材料の感光面とを紫外線光源を有する焼き枠あるいは殖版機で真空密着露光を行い、現像してPS版を作製する、という手順を踏んでいる。さらに、得られたPS版を印刷機の版胴に装着し、印刷が行われることになる。
【0004】
従来、このような一連の過程を経て印刷に至るまでには、非常に高価かつ大型な製版機を常に必要とし、さらに版下の焼き付け等の煩雑な作業を必要とするため、多大なコスト及び労力が要求されていた。特に、少量多種の印刷を行う場合には、印刷代金に占める製版工賃の割合が高くなり、経済的ではなかった。
【0005】
また、製版機を使用した感光性の銀塩リスフィルムへの撮影は、主として点光源と光学レンズを使用して行われるので、収差の問題が常に存在する。そして収差の存在は、製造された最終原稿フィルムの精度、ひいては印刷物の印刷精度に影響を及ぼすことになる。
【0006】
さらに、最近は明室タイプの感光性の銀塩リスフィルムが一般的に使用されてきているが、安全光、真空密着プリンタ、自動現像機等の設備上の問題や現像処理に伴う現像廃液の発生に関して、環境問題を引き起こすおそれもある。
【0007】
一方、近年のデスクトップパブリッシング(DTP)の発達に伴い、コンピュータにより各種画像情報を統合して、直接、版下を作成することが行われてきている。特に、高性能かつ安価なパーソナルコンピュータ、レーザプリンタ、製版システム、ソフトウエアの普及は目覚ましいものがあり、製版工程の簡略化も進んできている。
【0008】
本発明者等は、上述の事情に鑑み、その解決を試みた結果、感光性の銀塩リスフィルムの代わりに、OHP用フィルム等を用いてDTPによって編集された版下画像情報をレーザプリンタ(以下、LBPとする)で出力し、これを例えばPS版に焼き付けるための最終原稿フィルムとして使用すれば、製版作業が著しく簡略化されることを見出した。
【0009】
しかしながら、LBPはトナーを一旦感光ドラム上に乗せ、被転写材に転写しトナー画像を形成する方式、即ちいわゆる間接転写方式を採用しているので、トナーの非画像部への飛散(地汚れ)が必然的に生じてしまう。より具体的にはLBPは、▲1▼パソコン等のハードウエアから出力されたデータをプリンタが読み取り感光ドラムに書き込む、▲2▼データが書き込まれた当該感光ドラムのデータ部にトナーが引きつけられ、感光ドラム上にトナー画像を形成する、▲3▼当該感光ドラム上のトナー画像を被転写材上に転写して画像を形成する、という工程を経る。
【0010】
従って、トナー転写時に感光ドラムとトナー画像との間に剥離帯電が生じてしまい、プリンタ内にトナーが散在してしまう。このように散在したトナーが感光ドラム上の本来転写されるべきでない部分に吸着し、被転写材上に転写されて、結果的に非画像部の地汚れとして現れる。
【0011】
なお、通常は一回の転写ごとに感光ドラムに付着した余分なトナーをブレードによりかき落とす工程を含むものであるが、この工程、即ち、当該ブレードで余分なトナーをかき落とす工程のみでは、感光ドラム上に散乱したトナーを完全に除去することは困難であった。
【0012】
つまり、LBP等の間接転写方式を用いて最終原稿フィルムを作成する場合にあっては、いかに耐地汚れ防止性に優れた材料をもってしても、上述の事情により多少の地汚れの発生は避けられなかった。このような地汚れは肉眼で意識されるほどでなくても、実際にPS版等に焼き付けて印刷を行った場合に、焼き付けられた非画像部の極僅かなレリーフ部分がインキを呼び、印刷されてしまう。従って、最終印刷物においては商品価値を著しく低下させるほどの汚れになってしまう。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、PS版焼き付け用の最終原稿フィルムの作成等に関して、一連の製版工程における製版コスト及びその労力を軽減し、かつ地汚れの発生を皆無にできる焼付原稿作成用フィルム及びこれを用いた焼付用最終原稿フィルムの作成方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の焼付原稿作成用フィルムは、画像受容層がホットメルト型インクジェットインクを構成する熱溶融性化合物に受容性を有し、かつ、平均粒径2〜10μmのマット剤を画像受容層の樹脂固形分の10〜100重量%含むものであり、特に好適には画像受容層が、主として熱硬化型樹脂又は電離放射線硬化型樹脂からなるものである。更に本発明の焼付原稿作成用フィルムはプラスチックフィルム上に画像受容層が形成されたものであってもよい。
【0015】
また、本発明の焼付用最終原稿フィルムの作成方法は、画像受容層を有する焼付原稿作成用フィルムを用いた焼付用最終原稿フィルムの作成方法であって、前記焼付原稿作成用フィルムの前記画像受容層上にインクジェット記録方式によりホットメルト型インクを噴射して画像部分を形成することを特徴とするものである。かかるホットメルト型インクジェット記録方式によれば、トナーの剥離帯電による非画像部へのトナー飛散を生じることがないため、得られた焼付用最終原稿フィルムの画像部分以外の部分の地汚れが発生することはない。
【0016】
尚、ここでいう焼付原稿作成用フィルムとは、画像受容層のみの単層で構成されたもの及びプラスチックフィルム上に画像受容層を積層したものを含む。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の画像受容層は、主として熱溶融性化合物から構成されるホットメルト型インクを接着させる性質を有する熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂及び電離放射線硬化型樹脂等を広く使用できるが、好適には主として熱硬化型樹脂若しくは電離放射線硬化型樹脂及び必要によりマット剤を含有させたもので形成することができる。さらに好適には作業環境性、生産性の点で電離放射線硬化型樹脂を使用するのが好ましい。
【0018】
電離放射線硬化型樹脂とは、電子線あるいは紫外線照射により硬化される樹脂をいい、少なくとも光重合性プレポリマー、光重合性モノマー、光重合開始剤を含有するものである。更に必要に応じて増感剤、非反応性樹脂、レベリング剤等の添加剤、溶剤を含有させることも可能である。
【0019】
光重合性プレポリマーは、その構造、官能度、分子量が電離放射線硬化型樹脂の硬化に関係し、電離放射線硬化型樹脂の接着性、硬度、耐クラック性等の特性を定めるものである。光重合性プレポリマーは骨格中に導入された官能基が電離放射線照射されることにより、ラジカル重合及び/またはカチオン重合する。ラジカル重合により硬化するものは硬化速度が速く、樹脂設計の自由度も大きいため好ましい。
【0020】
光重合性プレポリマーとしては、アクリロイル基を有するアクリル系プレポリマーが特に好ましく、1分子中に2個以上のアクリロイル基を有し、3次元網目構造となるものである。アクリル系プレポリマーとしては、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、メラミンアクリレート、ポリエステルアクリレート等が使用できる。
【0021】
光重合性モノマーは、高粘度の光重合性プレポリマーを希釈し、粘度を低下させ、作業性を向上させるために、また、架橋剤として塗膜強度を付与するために使用される。
【0022】
光重合性モノマーとしては、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート等の単官能アクリルモノマー、1、6−ヘキサジオールアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールアクリレート等の2官能アクリルモノマー、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリメチルプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート等の多官能アクリルモノマー等の1種若しくは2種以上が使用される。
【0023】
また、光重合性モノマーの混合量が多くなると塗膜は必要以上に硬くなるため、所望の硬度、あるいは所望の可撓性が得られるよう、熱硬化性、熱可塑性アクリル樹脂、エポキシ樹脂等の非反応性樹脂を適宜混合することにより、硬度を調節することができる。混合割合は適宜選択するとよい。
【0024】
光重合開始剤は、電離放射線の照射によりアクリロイル基の反応を短時間で開始させ、反応を促進させるために添加され、触媒的な作用を有するものである。光重合開始剤は、特に紫外線照射により硬化を行なう場合に必要とされ、高いエネルギーの電子線を照射する時には必要としない場合もある。光重合開始剤の種類としては、開裂することによりラジカル重合させるもの、水素を引き抜くことによりラジカル重合させるもの、あるいはイオンを発生させることによりカチオン重合させるものがある。
【0025】
光重合開始剤としては、適宜選択できる。例えば、ベンゾインエーテル系、ケタール系、アセトフェノン系、チオキサントン系等のラジカル型光重合開始剤、ジアゾニウム塩、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩、トリアリールビリリウム塩、ベンジルピリジニウムチオシアネート、ジアルキルフェナシルスルホニウム塩、ジアルキルヒドロキシフェニルスルホニウム塩、ジアルキルヒドロキシフェニルホスホニウム塩等や複合系のカチオン型光重合開始剤が挙げられ、これらの1種あるいは2種以上が使用できる。光重合開始剤は樹脂固型分に対して2〜10重量%、好ましくは3〜6重量%混合して使用する。
【0026】
また、画像受容層の表面が適度に粗れていること、即ち、画像受容層表面のJIS−B0601における中心線平均表面粗さ(Ra)が0.40〜0.75μmの範囲内に調整されていることが望ましい。このような範囲としたのは、ホットメルトインクの接着性を向上させるためである。
【0027】
添加すべきマット剤としては、シリカ、クレー、アルミナ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の無機粒子やアクリル樹脂粒子、シリコーン樹脂粒子、ナイロン樹脂粒子、スチレン樹脂粒子、ポリエチレン樹脂粒子、ベンゾグアナミン樹脂粒子、ウレタン樹脂粒子等の有機粒子が使用可能である。中でもシリカが好ましい。平均粒径は2〜10μmの範囲のものが適宜使用できる。2μm以上としたのは、2μm未満だとマット剤を添加する効果を発揮できないからであり、10μm以下としたのは、出力されたホットメルトインク画像が荒れすぎてしまうのを防止するためである。また、これらのマット剤は1種のみに限られず、2種以上を併用して上記Raの範囲に入るように使用してもよい。2種以上併用する場合、それぞれの平均粒径を異にして、全体として上記Raの範囲に入るようにしてもよい。
【0028】
マット剤の添加量は、樹脂固型分の10〜100重量%、好ましくは30〜70重量%、さらに好ましくは40〜60重量%の範囲である。10重量%未満だとインクの十分な接着性が得られず、また100重量%を超えると出力される画像が荒れすぎるからである。
【0029】
電離放射線硬化型樹脂を硬化させるには、電子線あるいは紫外線を照射する。電子線を照射する場合、走査型あるいはカーテン型の電子線加速器を用い、加速電圧1000keV以下、好ましくは100〜300keVのエネルギーを有し、100nm以下の波長領域の電子線を照射して行うことができる。
【0030】
紫外線を照射する場合、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、メタルハライドランプ等を用い、100〜400nm、好ましくは200〜400nmの波長領域で、50〜300kcal/molのエネルギーを有する紫外線を照射する。
【0031】
本発明の焼付原稿作成用フィルムにおいて、画像受容層をプラスチックフィルム上に積層する場合には、プラスチックフィルムとしてポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン、アクリル、アセチルセルロース、塩化ビニル、フッ素樹脂等の透明性を阻害しないフィルム若しくはシートが使用でき、延伸加工、特に二軸延伸されたものは、機械的強度、寸法安定性が向上されるので好ましい。また、可撓性を有するものを使用する。可撓性とするのは、インクジェットプリンタに通紙して画像を形成するためには可撓性を有している必要があるからである。厚みは適用される材料に対して適宜選択することができるが、一般に25〜188μmの範囲が好ましく、耐熱性の点で50〜125μmの範囲のものが特に好ましい。
【0032】
このようなプラスチックフィルム上に画像受容層を積層する場合には、電離放射線硬化型樹脂を用いた場合、当該画像受容層用樹脂を含む塗料をプラスチックフィルム上に通常の塗布方法、例えば、バー、ブレード、グラビア、スピン、スプレー等のコーティングにより行い、電子線あるいは紫外線を照射して形成する。
【0033】
画像受容層に電子線あるいは紫外線を照射して硬化する場合、酸素の存在及び塗膜の厚みが硬化と密接に関係する。電離放射線が照射されて発生したラジカルは酸素を補足するため、硬化を抑制してしまう。このため、塗膜の厚みが薄いと、塗膜体積に占める表面積が大きくなり、空気中の酸素により硬化阻害を受けやすい。また、塗膜の厚みが厚いと、電離放射線が内部まで透過しにくく、表面が硬化しても、内部の硬化が十分でなく、塗布界面の未硬化部分の存在のため、画像受容層とプラスチックフィルムの密着不良を生じてしまう。このような硬化阻害、未硬化を防止するため、特に電子線照射の場合はN2 ガス等の不活性ガス下で照射を行うことができる。また、塗膜の厚みを調整し、硬化速度の速い光重合性プレポリマー、光重合性モノマーを選択し、光重合開始剤の混合量を増加することにより硬化阻害を防止することができる。
【0034】
その他必要に応じてプラスチックフィルムと画像受容層間に接着層等を介してもよく、またプラスチックフィルム上に易接着処理を施したものであってもよい。
【0035】
このような構成の焼付原稿作成用フィルムは、コンピュータで編集された版下画像情報を、LBP等の間接転写プリンターを用いずに、ホットメルト型インクジェットプリンタを用いて直接出力することにより焼付用最終原稿フィルムを得ることができる。当該方式を採用することにより、画像部分以外の部分のインク汚れ、いわゆる地汚れの発生を皆無にすることができる。
【0036】
なお、通常の液体インクを使用するインクジェット記録方式ではなく、ホットメルト型インクを使用するインクジェット記録方式としたのは、ホットメルト型インクは室温で固体状であり噴射後直ちに固化するためインク画像の滲みが発生することがないからである。具体的には、画像受容層上にホットメルト型インクを例えば、ピエゾ素子(PZT)を用いたヘッドにより溶融し、吐出するホットメルトインク方式のインクジェットプリンタにより、画像受容層上に出力して焼付用最終原稿フィルムを得る。このようにPPCやLBP等の間接転写方式によるプリンターを用いずにホットメルト型インクを用いたインクジェット記録方式によるプリンタを使用することにより、プリンタユニット内にインクが飛散するようなことが起こらないため、画像部分以外の部分の地汚れ発生を皆無にできる。
【0037】
ホットメルト型インクは、主として常温で固体であり熱エネルギーによって溶融する熱溶融性化合物及び着色剤を含むものである。
【0038】
常温で固体であり熱エネルギーによって溶融する熱溶融性化合物は、融点以上の温度においてインク吐出可能な粘度を有するものであり、例えば、アセトアミド、プロピオンアミド、n−ブチルアミド、ラクタミド等の低級アルキルアミド類及びその誘導体、1,3−ジメチル尿素、エチル尿素等の尿素誘導体、メチルスルホン、フェニルスルホン、安息香酸等のカルボン酸類、イミダゾール、2−エチル−イミダゾール、1,2,4−トリアゾール等のイミダゾール誘導体、ピラゾール、3,5−ジメチルピラゾール等のピラゾール誘導体、ビフェニル、p−tert−ブチルフェノール、2,6−tert−ブチル−p−クレゾール等のフェノール誘導体、ピペラジン、o,p−トルエンスルホンアミド、エチルベンゼンスルホンアミド等のアルキルベンゼンスルホンアミド類、メタンスルホンアミド等の低級アルキルスルホンアミド誘導体、コハク酸イミド、マレイン酸イミド等のイミド類等が挙げられる。
【0039】
着色剤としては顔料を用いることができ、例えば、アゾ系、フタロシアニン系、アントラキノン系、キナクリドン系、ジオキサン系、インジゴ系、チオインジゴ系、ペリノン系、ペイレン系、イソインドレノン系、アニリンブラック、アゾメチンアゾ系、レーキ顔料系、カーボンブラック系等の有機顔料が使用できる。これら顔料の含有率は0.1〜10重量%をインク中に含有させることが好ましい。
【0040】
これらのインクにはさらに画像受容層への接着性を改善する目的で粘着性付与成分及びバインダー樹脂を含有することもできる。例えば、アビエチン酸エステル類、テトラミド類、マレイン酸樹脂、スチレン−ブタジエン共重合物、ビニルトルエン−ブタジエン共重合物、スチレン−アクリレート樹脂、ビニルトルエンアクリレート樹脂、アルキッド樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂、ステアリルステアラミド、エチレンビスステアリルアミド等の脂肪酸アミド誘導体、マイクロクリスタリンワックス、カルナバワックス等のワックス類、プロピレングリコールモノヒドロキシステアレート、グリセリンモノヒドロキシステアレート等の多価アルコール脂肪酸エステル類、ステアロン等の脂肪族ケトン類、デシルスルホン、フェニルスルホン等のスルホン類、オクタデシルアルコール、ステアリルアルコール等の長鎖アルコール類、ステアリン酸ホスフェート等の脂肪族リン酸エステル、コレステロール、コレステロールステアリルエステル等のコレステロール誘導体等が挙げられる。これらバインダーと共にフタル酸エステル類、ポリエステル類、多価アルコール類等の可塑剤を添加することもできる。
【0041】
その他にインクには紫外線吸収剤、過冷却剤、酸化防止剤、界面活性剤等の各種添加剤を目的に応じて添加することもできる。
【0042】
もっとも、出力に際しては当該版下画像情報を逆像(ミラー像)で出力することが好ましい。逆像で出力した場合には当該版下画像情報部分とPS版の感光層面とを直接重ね合わせて焼き付けを行うことができ、光の散乱による焼き付け精度の低下を防止することができるからである。
【0043】
このような版下画像情報を本発明の焼付原稿作成用フィルムに直接出力するには、例えば、コンピュータとホットメルト型インクジェットプリンタとを接続し、コンピュータ上で版下画像情報を編集した後に出力する。このような方法により、従来の製版機を使用する場合に比べ、作業性よく光学的収差の発生がない焼付用最終原稿フィルムを得ることができる。
【0044】
【実施例】
本発明を実施例により、さらに詳細に説明する。
【0045】
[実施例]
厚み100μmのポリエステルフィルムの片面に、以下の組成の画像受容層用塗料を作製して、メイヤーバーにて塗布し、高圧水銀灯により紫外線を1〜2秒照射して厚み7.0μmで、JIS−B0601におけるRaが0.6μmの画像受容層を設け、焼付原稿作成用フィルムを得た。
【0046】
画像受容層用塗料の組成(固形分:23重量%)
・紫外線硬化型アクリル樹脂 13.0重量部
(UniDic 17−806:大日本インキ化学工業社)
・光重合開始剤 0.3重量部
(IrgaCure 651:チバガイギー社)
・シリカ 4.5重量部
(サイリシア445:富士シリシア化学社)
・シリカ 0.8重量部
(アエロジルR−202:日本アエロジル社)
・メチルエチルケトン 18.0重量部
・トルエン 23.0重量部
・酢酸ブチル 10.0重量部
【0047】
コンピュータ上で印刷用版下となる文字、図形、各種データ等の画像情報を編集した後、実施例で得られた焼付原稿作成用フィルムをホットメルト型インクジェットプリンター(JOLT:日立工機社)を用いて、逆像にて画像の出力を行い、焼付用最終原稿フィルムを得た。
【0048】
比較例として、厚み100μmのOHP用フィルムに200℃でトナーの定着を行うレーザプリンタ(TN7270PSJ:東芝社)に給紙して、逆像にて画像の出力を行った。
【0049】
これら画像が形成された出図後の焼付用最終原稿フィルムについて、非画像部の地汚れを評価した。地汚れについては1mm2 当たりに粒径が20μm以上のものがいくつあるかを金属顕微鏡(PME3:オリンパス光学工業社)を用いて観察したが、実施例で得られた焼付用最終原稿フィルムにおいては非画像部の地汚れは全く存在しなかったが、比較例で得られた焼付用最終原稿フィルムについては20個のトナー飛びが確認された。
【0050】
次に、実施例により得られた焼付用最終原稿フィルム(焼付原稿作成用フィルムにホットメルトインク画像が乗っている状態のもの)を、PS版(ポジタイプVPS:富士写真フィルム社)に紫外光を光源とする焼き枠(超高圧水銀灯ジェットライト:オーク社)を使用して、300mj/cm2 の露光量で真空密着焼き付けを行った。
【0051】
次に、この露光されたPS版をPS版現像液(DP−4:富士写真フィルム社)を水で9倍に希釈した液で1分間現像した後、枚葉オフセット印刷機(1800AWD:トーコー社)の版胴に装着して印刷したところ、画線・画像の解像力に優れ、かつ非画像部の地汚れのない印刷物を得ることができた。
【0052】
一方、比較例の材料を用いて得られた焼付用最終原稿フィルムを用いて、実施例と同様にPS版に真空密着焼き付け、現像を経て印刷を行ったところ、画線・画像の解像力に優れてはいたが、非画像部に散点状の地汚れが生じた。
【0053】
結果からも明らかなように、本発明の焼付原稿作成用フィルムは、非画像部の地汚れの発生がなく、これに伴い再現性のよい印刷物を得ることができることがわかった。
【0054】
なお、実施例においては、PS版へ焼き付ける際の焼付用最終原稿フィルムとして、良好な透明性、光拡散性を有することも確認された。
【0055】
【発明の効果】
本発明の焼付原稿作成用フィルムによれば、コンピュータ上で編集された文字、図形、各種データ等の版下画像情報をホットメルト式インクジェットプリンタを用いて出力することで、地汚れの発生が全くない焼付用最終原稿フィルムを作成でき、PS版に再現性よく画像・画線を焼き付けることができる。
【0056】
従って、製版機等の特別の設備を必要としなくなるため、製版機を用いるべき工程における煩雑な作業も不要となり、製造コストを著しく軽減できる。
【0057】
さらには、現像機の使用に際して発生する現像廃液等の液処理に起因する環境問題も解消される。
【0058】
なお、本発明の構成にすることでPS版へ焼き付ける際の最終原稿フィルムとして、良好な透明性、光拡散性を有することができる。
Claims (4)
- 画像受容層を有する焼付原稿作成用フィルムにおいて、前記画像受容層が、ホットメルト型インクジェットインクを構成する熱溶融性化合物に受容性を有し、かつ、平均粒径2〜10μmのマット剤を画像受容層の樹脂固形分の10〜100重量%含むものであることを特徴とする焼付原稿作成用フィルム。
- 前記画像受容層が、プラスチックフィルム上に積層されていることを特徴とする請求項1記載の焼付原稿作成用フィルム。
- 前記画像受容層が、主として熱硬化型樹脂又は電離放射線硬化型樹脂からなることを特徴とする請求項1記載の焼付原稿作成用フィルム。
- 請求項1の焼付原稿作成用フィルムを用いた焼付用最終原稿フィルムの作成方法であって、前記焼付原稿作成用フィルムの前記画像受容層上にインクジェット記録方式によりホットメルト型インクを噴射して画像部分を形成することを特徴とする焼付用最終原稿フィルムの作成方法。
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