JP2002123021A - 電子写真用光受容部材およびその製造方法 - Google Patents

電子写真用光受容部材およびその製造方法

Info

Publication number
JP2002123021A
JP2002123021A JP2000315650A JP2000315650A JP2002123021A JP 2002123021 A JP2002123021 A JP 2002123021A JP 2000315650 A JP2000315650 A JP 2000315650A JP 2000315650 A JP2000315650 A JP 2000315650A JP 2002123021 A JP2002123021 A JP 2002123021A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
gas
receiving member
light
atoms
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000315650A
Other languages
English (en)
Inventor
Satoshi Furushima
聡 古島
Makoto Aoki
誠 青木
Nobufumi Tsuchida
伸史 土田
Hiroaki Niino
博明 新納
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2000315650A priority Critical patent/JP2002123021A/ja
Publication of JP2002123021A publication Critical patent/JP2002123021A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)
  • Chemical Vapour Deposition (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】a−Si系の光導電層を有する電子写真用光受
容部材において、残留電位および光メモリーを低減し、
高いドット再現性を実現し、環境の変動による影響を抑
制する。 【解決手段】光導電層の表面側領域(上層)212を、
ヘリウムガスを含む希釈ガスを用いて作製し、水素原子
およびハロゲン原子の中で上層212に含まれる原子の
総含有量(Ch)を1原子%以上、15原子%以下また
は20原子%以下とし、光学的バンドギャップ(Eg)
を1.5eV以上、1.65eV以下または1.75e
V以下とし、特性エネルギー(Eu)を40meV以上
50meV以下とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光(ここでは広義の
光であって、紫外線、可視光線、赤外線、X線、γ線な
どを意味する)の様な電磁波に対して感受性のある光受
容部材に関する。
【0002】
【従来の技術】像形成分野において、光受容部材におけ
る光受容層を形成する光導電材料としては、高感度で、
SN比[光電流(Ip)/暗電流(Id)]が高く、照
射する電磁波のスペクトル特性に適合した吸収スペクト
ルを有すること、光応答性が早く、所望の暗抵抗値を有
すること、使用時において人体に対して無害であること
等の特性が要求される。特に、事務機としてオフィスで
使用される電子写真装置内に組み込まれる光受容部材の
場合には、上記の使用時における無公害性は重要な点で
ある。
【0003】この様な点に優れた性質を示す光導電材料
にアモルファスシリコン(a−Siとも表記する)、特
に水素化アモルファスシリコン(a−Si:Hとも表記
する)があり、例えば、特公昭60−35059号公報
には電子写真用光受容部材としての応用が記載されてい
る。
【0004】このような光受容部材は、一般的には、導
電性基体を50℃〜350℃に加熱し、この基体上に真
空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング
法、熱CVD法、光CVD法、プラズマCVD法等の成
膜法によりa−Siからなる光導電層を形成する。なか
でもプラズマCVD法、すなわち、原料ガスを高周波あ
るいはマイクロ波グロー放電によって分解し、基体上に
a−Si堆積膜を形成する方法が好適なものとして実用
に付されている。
【0005】特開昭56−83746号公報において
は、導電性支持体と、ハロゲン原子を構成要素として含
むa−Si(a−Si:Xとも表記する)光導電層から
なる電子写真用光受容部材が提案されている。当該公報
においては、a−Siにハロゲン原子を1乃至40原子
%含有させることにより、耐熱性が高く、電子写真用光
受容部材の光導電層として良好な電気的、光学的特性を
得ることができるとされている。
【0006】特開昭57−115556号公報には、a
−Si堆積膜で構成された光導電層を有する光導電部材
の、暗抵抗値、光感度、光応答性等の電気的、光学的、
光導電的特性及び耐湿性等の使用環境特性、さらには経
時的安定性について改善を図るため、シリコン原子を母
体としたアモルファス材料で構成された光導電層上に、
シリコン原子及び炭素原子を含む非光導電性のアモルフ
ァス材料で構成された表面障壁層を設ける技術が記載さ
れている。
【0007】特開昭60−67951号公報には、アモ
ルファスシリコン、炭素、酸素及びフッ素を含有してな
る透光絶縁性オーバーコート層を積層する感光体につい
ての技術が記載され、特開昭62−168161号公報
には、表面層として、シリコン原子と炭素原子と41〜
70原子%の水素原子を構成要素として含む非晶質材料
を用いる技術が記載されている。
【0008】特開昭57−158650号公報には、水
素を10〜40原子%含有し、赤外吸収スペクトルの2
100cm-1と2000cm-1の吸収ピークの吸収係数
比が0.2〜1.7であるa−Si:Hを光導電層に用
いることにより高感度で高抵抗な電子写真用感光体が得
られることが記載されている。
【0009】特開昭60−95551号公報には、アモ
ルファスシリコン感光体の画像品質向上のために、感光
体表面近傍の温度を30乃至40℃に維持して帯電、露
光、現像および転写といった画像作製行程を行うことに
より、感光体表面での水分の吸着による表面抵抗の低下
とそれに伴って発生する画像流れを防止する技術が開示
されている。
【0010】特に、特開平9−62020号公報には、
水素原子および/またはハロゲン原子を含有しシリコン
原子を母体とするアモルファス材料(a−Si:H,X
とも表記する)からなる積層構造の光導電層を備えた電
子写真用光受容部材において、表面側の層の光学的バン
ドギャップ(Eg)を1.70〜1.82eVとし、特
性エネルギー(Eu)を50〜65meVとすることが
提案されており、製造の際に、希釈ガスとしてH2及び
Heを使用することが開示されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】以上で述べた様な技術
の進展により、電子写真用光受容部材の電気的、光学
的、光導電的特性及び使用環境特性が向上し、それに伴
って画像品質も向上してきた。
【0012】しかしながら、電子写真装置への高画質、
高速化、高耐久化の要求は急速に高まっており、電子写
真用光受容部材においては電気的特性や光導電特性の更
なる向上とともに、帯電能、感度を維持しつつあらゆる
環境下で大幅に性能を延ばすことが求められている。
【0013】このような状況下において、前述した従来
技術により上記課題についてある程度の特性向上が可能
になってはきたが、更なる帯電能や画像品質の向上に関
しては未だ充分とはいえない。特にアモルファスシリコ
ン系光受容部材の更なる高画質化への課題として、帯電
能および感度の向上や、周囲温度の変化による電子写真
特性の変動あるいはゴーストに代表される光メモリーを
低減することがいっそう求められるようになってきた。
【0014】したがって、電子写真用光受容部材を設計
する際に、上記したような問題が解決されるように電子
写真用光受容部材の層構成、各層の化学的組成など総合
的な観点からの改良を図るとともに、a−Si材料その
ものの一段の特性改良を図ることが必要とされている。
【0015】一方、オフィスや一般家庭へのコンピュー
ターの普及が進み、電子写真装置も従来の複写機として
だけでなく、ファクシミリやプリンターの役目を担うた
めにデジタル化することが求められるようになってき
た。また、オフィス等におけるドキュメントの多様化、
高品位化が進む中でデジタル複写機の画質に対する要求
はますます高まってきている。
【0016】ところで、デジタル露光光源として用いら
れる半導体レーザーやLEDは、発光強度や価格の点か
ら赤色可視光領域から近赤外領域までの比較的長波長の
ものが主流である。そのため、従来のハロゲン光を用い
たアナログ機には見られなかった特性上の課題について
改善することが求められるようになった。即ち、ハロゲ
ン光に比べて光受容部材への光の侵入深さが大きく、光
が及ぼす影響が大きくなることにより、デジタル機に特
有の課題が浮上することとなった。特に、周囲の温度変
化による帯電能、感度(明部位での電位)等の電子写真特
性の変動や、ゴーストに代表される光メモリー、デジタ
ルに固有のドット再現性などが注目されるようになって
きた。
【0017】また、電子写真装置が高速化するにつれ帯
電能への要求はますます高まっている。そこで、高い帯
電能を維持しつつ、感度やゴースト、ドット再現性な
ど、上記に挙げた電子写真諸特性を更に向上させ、高次
元で両立させなければならないという問題もあった。
【0018】本発明は、a−Siで構成された光受容層
を有する電子写真用光受容部材において、光源としてた
とえば可視光領域の波長の光、より具体的には波長55
0nm以上700nm以下の光を発生する半導体レーザ
ー及びLED等を使用した場合に、特に顕著となる諸問
題を解決することを目的とするものである。
【0019】すなわち、本発明の主たる目的は、帯電能
と感度を向上させると共に、デジタル画像の画像品質を
向上させた、シリコン原子を母体とした非単結晶材料で
構成された光受容層を有する光受容部材を提供すること
にある。
【0020】特に、電気的、光学的光導電的特性が使用
環境にほとんど依存することなく実質的に常時安定して
おり、耐光疲労に優れ、繰り返し使用に際しては劣化現
象を起こさず耐久性、耐湿性に優れ、残留電位がほとん
ど観測されず、更に画像品質の良好な、シリコン原子を
母体とした非単結晶材料で構成された光受容層を有する
光受容部材を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明によれば、シリコン原子を母体とする非単結晶
材料で構成され、少なくとも2層以上の積層からなる光
導電層を有する電子写真用光受容部材において、該光導
電層の表面側領域(上層)は、シリコン原子含有ガス及
びヘリウムガスを用いてプラズマ気相成長法により作製
され、水素原子およびハロゲン原子の中で上層に含まれ
る原子の総含有量(Ch)は1原子%以上15原子%以
下であり、上層の光学的バンドギャップ(Eg)は1.
5eV以上1.65eV以下であり、光子エネルギー
(hν)を独立変数(eV)とし光吸収スペクトルの吸
収係数(α)を従属変数(cm-1)とする下記関係式
(1) Lnα = (1/Eu)・hν + α1 (1) で表される関数の直線関係部分(指数関数裾)の傾きの
逆数から決定される上層の特性エネルギー(Eu)は4
0meV以上50meV以下であり、該光導電層の表面
側以外の領域(下層)は、シリコン原子含有ガス及び水
素ガスを用いて、プラズマ気相成長法により作製されも
のであることを特徴とする電子写真用光受容部材が提供
される。
【0022】また、本発明によれば、シリコン原子を母
体とする非単結晶材料で構成され、少なくとも2層以上
の積層からなる光導電層を有する電子写真用光受容部材
において、該光導電層の表面側領域(上層)は、シリコ
ン原子含有ガス、ヘリウムガス及び水素ガスを用いて、
ヘリウムガス及び水素ガスの混合比を堆積方向に変化さ
せながら、プラズマ気相成長法により作製され、水素原
子およびハロゲン原子の中で上層に含まれる原子の総含
有量(Ch)は1原子%以上20原子%以下であり、上
層の光学的バンドギャップ(Eg)は1.5eV以上
1.75eV以下であり、光子エネルギー(hν)を独
立変数(eV)とし光吸収スペクトルの吸収係数(α)
を従属変数(cm-1)とする下記関係式(1) Lnα = (1/Eu)・hν + α1 (1) で表される関数の直線関係部分(指数関数裾)の傾きの
逆数から決定される上層の特性エネルギー(Eu)は4
0meV以上50meV以下であり、該光導電層の表面
側以外の領域(下層)は、シリコン原子含有ガス及び水
素ガスを用いて、プラズマ気相成長法により作製されも
のであることを特徴とする電子写真用光受容部材が提供
される。
【0023】更に、本発明によれば、シリコン原子を母
体とする非単結晶材料で構成され、少なくとも2層以上
の積層からなる光導電層を有する電子写真用光受容部材
の製造方法において、水素ガスにより希釈されたシリコ
ン原子含有ガスを用いて、プラズマ気相成長法により、
該光導電層の表面側以外の領域(下層)を作製する工程
と、該下層上に、ヘリウムガスにより希釈されたシリコ
ン原子含有ガスを用いて、プラズマ気相成長法により、
該光導電層の表面側領域(上層)を作製する工程と、を
含むことを特徴とする電子写真用光受容部材の製造方法
が提供される。
【0024】加えて、本発明によれば、シリコン原子を
母体とする非単結晶材料で構成され、少なくとも2層以
上の積層からなる光導電層を有する電子写真用光受容部
材の製造方法において、水素ガスにより希釈されたシリ
コン原子含有ガスを用いて、プラズマ気相成長法によ
り、該光導電層の表面側以外の領域(下層)を作製する
工程と、該下層上に、ヘリウムガス及び水素ガスにより
希釈されたシリコン原子含有ガスを用いて、ヘリウムガ
ス及び水素ガスの混合比を堆積方向に変化させながら、
プラズマ気相成長法により、該光導電層の表面側領域
(上層)を作製する工程と、を含むことを特徴とする電
子写真用光受容部材の製造方法が提供される。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明者らは、光導電層の光吸収
部分に着目し、a−Siの光学的バンドギャップ及びバ
ンドギャップ内の局在状態密度分布と帯電能や温度特
性、光メモリーとの関係について検討した結果、光学的
バンドギャップやバンドギャップ内の局在状態密度を制
御した層を積層し、その層厚比も制御することにより上
記目的を達成できるという知見を得た。
【0026】さらに本発明者らは、その知見を基にして
鋭意検討をした結果、光吸収部の層厚を薄くしていき、
キャリア移動部分を正孔の移動だけを主として層設計す
る事により、デジタル露光での画像品質を格段に向上で
きることがわかった。そこで、本発明者らは光吸収部を
薄くするために、a−Siの光学的バンドギャップを小
さくし、かつ光生成キャリアの再結合が少ない膜を用い
る事で、上記目的を達成できるという知見を得た。
【0027】すなわち、シリコン原子を母体とし、例え
ば、水素原子及びハロゲン原子からなる群から選択され
た少なくともひとつの元素を含有する非晶質材料(a−
Si:H,Xとも記載する)で構成された光導電層を有
する光受容部材において、光吸収部の層構造を特定化す
るために、他の層部分とは異なり多量のヘリウムガスを
用いて大希釈すると共に、反応容器内圧力を高めにして
作製された層を積層した光受容部材は、実用上、優れた
特性を有していることを見いだした。
【0028】すなわち、本発明の電子写真用光受容部材
を使用すれば、光源として可視光領域の波長の光を発生
する半導体レーザー及びLED等を使用した場合におい
ても、従来にもまして帯電能と感度が向上すると共に、
デジタル画像の画像品質が向上する。
【0029】特に、電気的、光学的光導電的特性が使用
環境にほとんど依存することなく実質的に常時安定して
おり、耐光疲労に優れ、繰り返し使用に際しては劣化現
象を起こさず耐久性、耐湿性に優れ、残留電位がほとん
ど観測されず、更に画像品質の良好な電子写真用光受容
部材を得ることができる。
【0030】なお、本発明において用いられている「指
数関数裾」とは、光吸収スペクトルの吸収から低エネル
ギー側に裾を引いた吸収スペクトルのことを指してお
り、また、「特性エネルギー」(Euとも略記する)と
は、この指数関数裾の傾きを意味している。
【0031】このことを図1を用いて詳しく説明する。
【0032】図1は、横軸に光子エネルギーhν(e
V)、縦軸に吸収係数α(cm-1)を対数軸として示し
たa−Siのサブギャップ光吸収スペクトルの例であ
る。このスペクトルは大きく二つの部分に分けられる。
すなわち吸収係数αが光子エネルギーhνに対して指数
関数的、すなわち直線的に変化する部分B(指数関数裾
またはUrbachテイル)と、αがhνに対しより緩
やかな依存性を示す部分Aである。
【0033】B領域はa−Si中の価電子帯側のテイル
準位から伝導帯への光学遷移による光吸収に対応し、B
領域の吸収係数αのhνに対する指数関数的依存性は、
以下の関係式(2)で表される; α=α0exp(hν/Eu) (2) ここで、α0は、hυ=0の場合の吸収係数(外挿値)
である。
【0034】従って、関係式(2)の両辺の対数を取る
と、以下の関係式(1)を得る; Lnα = (1/Eu)・hν + α1 (1) ここで、α1=Lnα0である。
【0035】よって、特性エネルギーEuの逆数(1/
Eu)が、B部分の傾きを表すことになる。Euは価電
子帯側のテイル準位の指数関数的エネルギー分布の特性
エネルギーに相当するため、Euが小さければ価電子帯
側のテイル準位が少ないことを意味する。
【0036】本発明者らは、光学的バンドギャップ(E
gとも略記する)、及び一定光電流法(Constan
t Photocurrent Method:CPM
とも略記する)で測定されたサブバンドギャップ光吸収
スペクトルから求められる指数関数裾(アーバックテイ
ル)の特性エネルギーEuと感光体特性との相関を種々
の条件に渡って調べた結果、Eg、Euとa−Si感光
体の帯電能、温度特性や光メモリーとが密接な関係にあ
ることを見いだした。さらに、それらの異なる膜を積層
することにより良好な感光体特性を発揮することを見い
だした。
【0037】また、光生成キャリアである正孔電子の層
中の移動を詳細に検討した結果、正孔の移動が温度特性
やメモリーに深く関わっていることを見出した。Eg、
Euの異なる膜を積層し、それぞれの層厚比の制御をさ
らに詳細に検討し、光キャリア発生領域の光キャリアと
膜中フリーキャリアの挙動、キャリア(主に正孔)走行
が主となる領域での挙動、そして下部からの電荷注入に
よるキャリアと上部から走行キャリアの挙動を考察検討
し、Eg、Euの異なる膜を積層、層厚比を制御でスム
ーズなキャリアの動きを得られることを見出した。
【0038】そして、光キャリアの発生領域である表面
側の光吸収部分の膜厚を薄くする方が、デジタル化した
電子写真装置の画像品質を向上させることを見出した。
そこで膜厚を薄くするために、光学的バンドギャップを
小さく、かつEuの小さな膜について検討した結果、多
量のヘリウムガスを用いてSiH4等の原料ガスを大希
釈すると共に、反応容器内圧力を高めにした特定の条件
下で作製することで所望の特性を持つ膜が得られること
が分かり、本発明を完成するに至った。
【0039】光学的バンドギャップが小さい膜として低
水素の非晶質シリコンの作製にアルゴンガスを希釈ガス
として用いて、アルゴンガスのスパッタの効果で膜中の
水素原子を減少させる方法が知られているが、この方法
では、アルゴン原子が重く大きいために、膜表面のスパ
ッタ効果が強く、膜中または膜表面の構造欠陥を増加さ
せてしまい、構造欠陥を少なくすることと光学的バンド
ギャップを小さくすることを両立させることが非常に困
難である。
【0040】そこで、本発明者らはヘリウムガスを希釈
ガスとして用いて同様の効果を得る方法を検討した。し
かしながら、ヘリウムガスではその質量が小さくスパッ
タの効果が小さいために、アルゴンガスを用いた場合ほ
どの低水素の狭いバンドギャップの膜を得ることができ
ない。通常RFグロー放電法においては反応容器内圧力
を低圧にした方が、気相反応が制御され膜中の欠陥(異
常成長や気相成長した粒子の取り込み)が少ない低欠陥
の膜が得られることが分かっていたが、スパッタの効果
を高めるために、通常よりも高い反応容器内圧力で検討
を行った。その結果、膜中欠陥をさらに減少させながら
も、光学的バンドギャップを狭くした膜を得ることがわ
かり本発明を完成するに至った。
【0041】これは、質量の小さいヘリウム原子による
衝撃の小さいスパッタ効果であってもヘリウムガスで大
量に希釈することで、堆積速度が下がり成長最表面での
水素原子の結合を切るためには十分なエネルギーを与え
る事ができたと考えられる。また、反応容器内圧力をあ
げて最表面に衝突するヘリウム原子の数を増やしたこと
がこの効果を得るために必要である。しかしながら、反
応容器内圧力をこの効果を得るためにあげていくと、一
定範囲以上の内圧にすると気相成長による粒子やヘリウ
ム原子の衝突による最表面の欠陥の増加のためと考えら
れる膜中欠陥が増加してくることがわかった。
【0042】さらに、本発明者らはEg、Euの異なる
膜を単に積層するだけでは、Egの大きく異なる界面が
生じて、キャリアの移動に対して障壁となることから、
その界面部(接合部分)は水素ガスとヘリウムガスを混
合して徐々にガス組成を変化させながら層を接合させる
ことでさらに電子写真特性を改善できることを見出し、
本発明を完成するに至った。
【0043】そして、光学的バンドギャップが小さくし
て光吸収部分を薄くして光生成キャリアの発生部を集中
させ、キャリアの局在準位への捕獲率を小さくし、かつ
欠陥が少なく膜中フリーキャリアを少なくした層領域を
光導電層の表面側に設置することで、耐電能を大幅に向
上させるとともに、デジタル化した電子写真装置の画像
品質を向上させることができる。
【0044】これをさらに詳しく説明すると、一般的
に、a−Si:Hのバンドギャップ内には、Si−Si
結合の構造的な乱れにもとづくテイル(裾)準位と、S
iの未結合(ダングリングボンド)等の構造欠陥に起因
する深い準位が存在する。これらの準位は電子、正孔の
捕獲、再結合中心として働き素子の特性を低下させる原
因になることが知られている。
【0045】このようなバンドギャップ中の局在準位の
状態を測定する方法として、一般に深準位分光法、等温
容量過渡分光法、光熱偏向分光法、光音響分光法、一定
光電流法等が用いられている。中でもCPMは、a−S
i:Hの局在準位にもとづくサブギャップ光吸収スペク
トルを簡便に測定する方法として有用である。
【0046】ドラムヒーター等で感光体を加熱したとき
に帯電能が低下する原因として、熱励起されたキャリア
が帯電時の電界に引かれてバンド裾の局在準位やバンド
ギャップ内の深い局在準位への捕獲、放出を繰り返しな
がら表面に走行し、表面電荷を打ち消してしまうことが
挙げられる。この時、帯電器を通過する間に表面に到達
したキャリアについては帯電能の低下にはほとんど影響
がないが、深い準位に捕獲されたキャリアは、帯電器を
通過した後に表面は到達として表面電荷を打ち消すため
に温度特性として観測される。また、帯電器を通過した
後に熱励起されたキャリアも表面電荷を打ち消し帯電能
の低下を引き起こす。したがって、光学的バンドギャッ
プを小さくすることにより光吸収部分を薄くして、光生
成キャリアを集中させて、表面電荷をうち消すために走
行する距離を実質的に短くし、かつ欠陥を少なくして熱
生成キャリアを減らすと共にキャリアの走行性を向上さ
せることが温度特性を向上させ帯電能のために必要であ
る。
【0047】つまり、光吸収部(光キャリア生成部)と
生成キャリア移動部と光導電層を二つの機能領域に分け
た光受容部材において、光受容部材の表面側に本発明の
ヘリウム大量希釈による層領域を設けて、実質的に光を
吸収する領域を該層領域とすることにより正孔電子混合
領域を薄くする事で、帯電能の向上とデジタル画像の高
品質化には効果が見られる。
【0048】デジタル画像の高品質化を進める上で、画
像形成ドット(レーザースポット)の微小化が進められ
ているが、従来の様に光吸収部が厚くなると光生成キャ
リアが表面電荷をうち消すために走行する層領域の距離
が長いために画像形成ドットよりも大きな領域の表面電
荷をうち消してしまい、表面側で形成される潜像がぼや
けてくる。このため、トナーにより現像した際に、詳し
く画像を観察すると輪郭部にトナーの飛散が多い状況が
生じやすい。
【0049】光吸収部を薄くすることで、画像形成ドッ
トの大きさとうち消される表面電荷の面積が近づいてく
るために、この潜像のぼやけ、すなわち輪郭部のトナー
飛散の度合いを減らすことができて、画像品質を向上さ
せることができた。
【0050】したがって、本発明は上記構成によって、
帯電能の向上とデジタル画像の高品質化を高い次元で両
立させ、前記した従来技術における諸問題の全てを解決
することができ、極めて優れた電気的、光学的、光導電
的特性、画像品質、耐久性および使用環境性を示す光受
容部材を得ることができる。
【0051】以下、図面に従って本発明の電子写真用光
受容部材について詳細に説明する。
【0052】図2は、本発明の電子写真用光受容部材の
層構成例を説明するための模式的構成図である。
【0053】図2(a)に示す電子写真用光受容部材2
00は、光受容部材用としての支持体201の上に、光
受容層202が設けられている。この光受容層202
は、a−Si:H,Xからなり光導電性を有する光導電
層203で構成され、光導電層203は、支持体201
側から自由表面210に向かって順に第1の層領域(表
面側以外の層、下層)211と第2の層領域(表面側の
層、上層)212とからなっている。第1の層領域(表
面側以外の層、下層)211は電荷輸送部として機能
し、第2の層領域(表面側の層、上層)212は光吸収
部として機能する。
【0054】図1(b)に示す電子写真用光受容部材2
00は、光受容部材用としての支持体201の上に、光
受容層202が設けられている。この光受容層202は
a−Si:H,Xからなり光導電性を有する光導電層2
03と、a−Si系表面層204とから構成され、表面
層204は自由表面210を有している。また、光導電
層203は支持体201側から順に第1の層領域(表面
側以外の層、下層)211と第2の層領域(表面側の
層、上層)212とからなっている。第1の層領域(表
面側以外の層、下層)211は電荷輸送部として機能
し、第2の層領域(表面側の層、上層)212は光吸収
部として機能する。
【0055】図1(c)に示す電子写真用光受容部材2
00は、光受容部材用としての支持体201の上に、光
受容層202が設けられている。この光受容層202は
支持体201側から順にa−Si系電荷注入阻止層20
5と、a−Si:H,Xからなり光導電性を有する光導
電層203と、a−Si系表面層204とから構成さ
れ、表面層204は自由表面210を有している。ま
た、光導電層203は支持体201側から順に第1の層
領域(表面側以外の層、下層)211と第2の層領域
(表面側の層、上層)212とからなっている。第1の
層領域(表面側以外の層、下層)211は電荷輸送部と
して機能し、第2の層領域(表面側の層、上層)212
は光吸収部として機能する。
【0056】<支持体>本発明において使用される支持
体としては、導電性でも電気絶縁性であってもよい。導
電性支持体としては、Al、Cr、Mo、Au、In、
Nb、Te、V、Ti、Pt、Pd、Fc等の金属、及
びこれらの合金、例えばステンレス等が挙げられる。
【0057】また、電気絶縁性材料としてポリエステ
ル、ポリエチレン、ポリカーボネート、セルロースアセ
テート、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレ
ン、ポリアミド等の合成樹脂のフィルムまたはシート、
ガラス、セラミック等を挙げることができる。これら電
気絶縁性支持体の少なくとも光受容層を作製する側の表
面を導電処理して支持体として用いることができる。
【0058】使用される支持体の形状は平滑表面あるい
は微小な凹凸表面を有する円筒状または無端ベルト状で
あることができ、その厚さは、所望通りの電子写真用光
受容部材を形成し得るように適宜決定する。電子写真用
光受容部材としての可撓性が要求される場合には、支持
体としての機能が十分発揮できる範囲内で可能な限り薄
くすることができる。しかしながら、支持体は、製造上
及び取り扱い上、機械的強度等の点から、通常10μm
以上とされる。
【0059】<光導電層>支持体上に作製され、光受容
層の一部を構成する光導電層は、真空堆積膜作製方法に
よって、成膜パラメーターの数値条件が設定されて作製
される。具体的には、グロー放電法(低周波CVD法、
高周波CVD法等)によって作製することができる。
【0060】本発明の製造方法においては、シリコン原
子含有ガスをヘリウムガスで特定の範囲内で希釈制御
し、また反応容器内圧力も特定の範囲内で制御し、かつ
放電電力をシリコン原子含有ガスの流量に対して特定の
範囲内で制御する。
【0061】グロー放電法によって光導電層を作製する
には、基本的には、シリコン原子(Si)を供給し得る
Si供給用の原料ガスと、水素原子(H)を供給し得る
H供給用の希釈ガスと、ハロゲン原子(X)を供給し得
るX供給用の原料ガスと、ヘリウムガスとを、内部が減
圧にし得る反応容器内に所望のガス状態で導入して、反
応容器内にグロー放電を生起させ、あらかじめ所定の位
置に設置されてある所定の支持体上にa−Si:H,X
からなる層を作製する。
【0062】所望の膜特性を有する光導電層を作製する
には、シリコン原子含有ガスと希釈ガスとの混合比と、
放電電力から、総合的に判断して、反応容器内の内圧や
支持体温度を適宜設定することが必要である。
【0063】表面層側の光吸収部(上層)を作製する場
合は、ヘリウムガス流量をシリコン原子含有ガス流量の
25容量倍以上200容量倍以下とすることが好まし
い。
【0064】また、表面層側の光吸収部(上層)を作製
する場合は、ヘリウムガス及び水素ガス総流量をシリコ
ン原子含有ガス流量の25容量倍以上200容量倍以下
とし、水素ガス流量をヘリウムガス流量の40容量%以
下とすることが好ましい。
【0065】更に、表面層側の光吸収部(上層)を作製
する場合は、反応容器内の圧力を70Pa以上500P
a以下とすることが好ましい。
【0066】加えて、放電電力の制御も重要であり、表
面層側の光吸収部(上層)を作製する場合は、放電電力
を、シリコン原子含有ガス流量(mL/min(nor
mal))の0.2倍以上2倍以下となる様に制御する
ことが好ましい。
【0067】一方、光導電層の電荷輸送部にあたる部分
(下層)を作製する場合は、水素ガス流量をシリコン原
子含有ガス流量の3容量倍以上とすることが好ましく、
4容量倍以上とすることがより好ましく、5容量倍以上
とすることが更に好ましい。また、上限としては、20
容量倍以下とすることが好ましく、15容量倍以下とす
ることがより好ましく、10容量倍以下とすることが更
に好ましい。
【0068】また、光導電層の電荷輸送部にあたる部分
(下層)を作製する場合は、反応容器内の圧力を上層作
製時の圧力未満とすることが好ましく、具体的には、
0.1Pa以上100Pa以下の範囲内で選択して制御
することが好ましい。
【0069】更に、光導電層の電荷輸送部にあたる部分
(下層)を作製する場合は、放電電力を、シリコン原子
含有ガス流量(mL/min(normal))の1倍
以上6倍以下となる様に制御することが好ましい。
【0070】なお、下層から上層に到る接続部を作製す
る場合は、水素ガス及びヘリウムガスを混合し、徐々に
水素ガスをヘリウムガスに変えながら作製することが好
ましい。
【0071】即ち、電荷輸送部分と光吸収部分の接合部
分は、電荷輸送部分のガス組成から徐々に光吸収部分の
ガス組成に変化させるために、HeとH2の混合ガスを
希釈ガスとして用いることが好ましい。
【0072】更に、内圧や放電電力も徐々に変化させる
ことが好ましい。
【0073】なお、下層、上層および接合部分を作製す
る際の、支持体の温度は、層設計にしたがって適宜最適
範囲が選択されるが、下限としては、200℃以上が好
ましく、230℃以上がより好ましく、250℃以上が
更に好ましい。上限としては、350℃以下が好まし
く、330℃以下がより好ましく、310℃以下が更に
好ましい。
【0074】光導電層を作製するための支持体温度、内
圧の望ましい数値範囲として前記した範囲が挙げられる
が、条件は通常は独立的に別々に決められるものではな
く、所望の特性を有する光受容部材を作製すべく相互的
かつ有機的関連性に基づいて最適値を決めるのが望まし
い。
【0075】本発明において使用されるSi供給用ガス
となり得る物質としては、SiH4、Si26、Si3
8が有効に使用されるものとして挙げられ、更に層作製
時の取り扱い易さ、Si供給効率の良さ等の点でSiH
4が好ましいものとして挙げられる。
【0076】そして、作製される光導電層中の電荷輸送
部分にあたる部分に水素原子を構造的に導入し、水素原
子の導入割合の制御するために導入される希釈ガスは、
2が有効に使用されるものとして挙げられる。
【0077】作製される光導電層中の光吸収部分におい
ては、膜中の欠陥を増やすことなく水素原子の導入割合
を減らして光学的バンドギャップを小さく制御するため
に、導入される希釈ガスとして、ヘリウムガスを用い
る。
【0078】本発明においては、必要に応じて光導電層
に伝導性を制御する原子を含有させることができる。し
かしながら、光吸収部分には伝導性を制御する原子を含
有させないようにする方が好ましい。電界輸送部分に
は、伝導性を制御する原子を含有させる方が好ましく、
伝導性を制御する原子は、万遍なく均一に分布した状態
で含有されても良いし、あるいは層厚方向には不均一な
分布状態で含有している部分があってもよい。
【0079】伝導性を制御する原子としては、半導体分
野における、いわゆる不純物を挙げることができ、p型
伝導特性を与える周期律表第13族に属する原子(第1
3族原子とも略記する)を用いることができる。
【0080】第13族原子としては、具体的には、ホウ
素(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、
インジウム(In)、タリウム(Tl)等があり、特に
B、Al、Gaが好適である。
【0081】伝導性を制御する原子、たとえば、第13
族原子を構造的に導入するには、層作製の際に、第13
族原子導入用の原料物質をガス状態で反応容器中に、光
導電層を作製するための他のガスとともに導入する。第
13族原子導入用の原料物質となり得るものとしては、
常温常圧でガス状物、または、少なくとも層作製条件下
で容易にガス化し得るものが採用されるのが望ましい。
【0082】そのような第13族原子導入用の原料物質
としては具体的には、ホウ素原子導入用としては、B2
6、B410等の水素化ホウ素、BF3、BCl3、BB
3等のハロゲン化ホウ素等が挙げられる。この他、A
lCl3、GaCl3、Ga(CH33等も挙げることが
できる。この中で、本発明の効果をより有効に引き出
し、かつ取り扱いの面からB26を水素希釈したものを
用いる事が最も望ましい。
【0083】また電荷輸送部分にハロゲン原子を含有さ
せる場合、ハロゲン原子含有原料ガスとして、たとえば
ハロゲンガス、ハロゲン化物、ハロゲンを含むハロゲン
間化合物、ハロゲンで置換されたシラン誘導体等のガス
状物、またはガス化し得るハロゲン化合物が好ましく挙
げられる。また、さらにはシリコン原子とハロゲン原子
とを構成要素とするガス状物、またはガス化し得るハロ
ゲン原子を含む水素化ケイ素化合物も有効なものとして
挙げることができる。具体的にはフッ素ガス(F2)、
BrF、ClF、ClF3、BrF3、BrF5、IF3
IF7等のハロゲン化合物を挙げることができる。ハロ
ゲン原子を含むケイ素化合物、いわゆるハロゲン原子で
置換されたシラン誘導体としては、具体的には、たとえ
ばSiF4、Si26等のフッ化ケイ素を好ましいもの
として挙げることができる。
【0084】さらに、電荷輸送部分に、炭素原子、酸素
原子および窒素原子から選ばれる1種以上の原子を含有
させても有効である。この場合、これらの原子の含有量
は、構成原子全体に対して、1×10-5原子%以上10
原子%以下が好ましく、光導電層中に万遍なく均一に含
有されても良いし、光導電層の層厚方向に含有量が変化
するような不均一な分布をもたせた部分があっても良
い。
【0085】光導電層の層厚は、所望の電子写真特性が
得られること及び経済的効果等の点から適宜所望にした
がって決定され、下限としては、20μm以上が好まし
く、23μm以上がより好ましく、25μm以上が更に
好ましい。上限としては、50μm以下が好ましく、4
5μm以下がより好ましく、40μm以下が更に好まし
い。
【0086】特に、光吸収部分(上層)の層厚は、用い
る露光の最長波長光の吸収が90%以上となる様にする
事が望ましい。また、画像品質の向上のために、2μm
以下とすることが好ましい。
【0087】<表面層>本発明においては、支持体上に
形成された光導電層の上に、a−Si系の表面層を形成
することができる。この表面層は自由表面を有し、主に
耐湿性、連続繰り返し使用特性、電気的耐圧性、使用環
境特性、耐久性において本発明の目的を達成するために
設けられる。
【0088】また、光受容層を構成する光導電層と表面
層とを形成する非晶質材料の各々がシリコン原子という
共通の構成要素を有しているので、積層界面において化
学的な安定性の確保が十分成されている。
【0089】表面層は、a−Si系の材料であればいず
れの材質でも可能であるが、例えば、水素原子(H)お
よび/またはハロゲン原子(X)を含有し、さらに炭素
原子を含有するアモルファスシリコン(a−SiC:
H,Xとも表記する)、水素原子(H)および/または
ハロゲン原子(X)を含有し、さらに酸素原子を含有す
るアモルファスシリコン(a−SiO:H,Xとも表記
する)、水素原子(H)および/またはハロゲン原子
(X)を含有し、さらに窒素原子を含有するアモルファ
スシリコン(a−SiN:H,Xとも表記する)、水素
原子(H)および/またはハロゲン原子(X)を含有
し、さらに炭素原子、酸素原子、窒素原子の少なくとも
一つを含有するアモルファスシリコン(a−SiCO
N:H,Xとも表記する)等の材料が好適に用いられ
る。
【0090】表面層は真空堆積膜形成方法によって、所
望特性が得られるように適宜成膜パラメーターの数値条
件が設定されて作製される。具体的には、例えばグロー
放電法(低周波CVD法、高周波CVD法またはマイク
ロ波CVD法等の交流放電CVD法、あるいは直流放電
CVD法等)、スパッタリング法、真空蒸着法、イオン
プレーティング法、光CVD法、熱CVD法などの数々
の薄膜堆積法によって形成することができる。これらの
薄膜堆積法は、製造条件、設備資本投資下の負荷程度、
製造規模、作製される電子写真用光受容部材に所望され
る特性等の要因によって適宜選択されて採用されるが、
光受容部材の生産性から光導電層と同等の堆積法による
ことが好ましい。
【0091】例えば、グロー放電法によってa−Si
C:H,Xよりなる表面層を形成するには、基本的には
シリコン原子(Si)を供給し得るSi供給用の原料ガ
スと、炭素原子(C)を供給し得るC供給用の原料ガス
と、水素原子(H)を供給し得るH供給用の原料ガス及
びハロゲン原子(X)を供給し得るX供給用の原料ガス
を、内部を減圧にし得る反応容器内に所望のガス状態で
導入して、この反応容器内にグロー放電を生起させ、あ
らかじめ所定の位置に設置された光導電層を形成した支
持体上にa−SiC:H,Xからなる層を形成すればよ
い。
【0092】表面層の材質としてはシリコンを含有する
アモルファス材料ならば何れでも良いが、炭素、窒素お
よび酸素より選ばれた元素を少なくとも1つ含むシリコ
ン原子との化合物が好ましく、特にa−SiCを主成分
としたものが好ましい。
【0093】特に、表面層をa−SiCを主成分として
構成する場合の炭素量は、シリコン原子と炭素原子の和
に対して30原子%から90原子%の範囲が好ましい。
【0094】また、表面層中に水素原子および/または
ハロゲン原子を含有することができるが、これらはシリ
コン原子などの構成原子の未結合手を補償し、層品質の
向上、特に光導電性特性および電荷保持特性を向上させ
る。水素含有量は、構成原子の総量に対して好ましくは
20〜70原子%、より好ましくは25〜65原子%、
さらに好ましくは30〜60原子%とする。また、ハロ
ゲン原子の含有量として、通常の場合は0.01〜15
原子%、好適には0.1〜10原子%、最適には0.5
〜5原子%とする。
【0095】これらの水素および/またはハロゲン含有
量の範囲内で形成される光受容部材は、実際面に於いて
優れたものとして使用される。即ち、表面層内に存在す
る欠陥(主にシリコン原子や炭素原子のダングリングボ
ンド)は電子写真用光受容部材としての特性に悪影響を
及ぼすことが知られている。例えば自由表面から電荷の
注入による帯電特性の劣化、使用環境、例えば高い湿度
のもとで表面構造が変化することによる帯電特性の変
動、さらにコロナ帯電時や光照射時に光導電層により表
面層に電荷が注入され、前記表面層内の欠陥に電荷がト
ラップされることにより繰り返し使用時の残像現象の発
生等がこの悪影響として挙げられる。
【0096】しかしながら、表面層内の水素含有量を2
0原子%以上に制御することで表面層内の欠陥が大幅に
減少し、その結果、従来に比べて電気的特性面及び高速
連続使用性において飛躍的な向上を図ることができる。
【0097】一方、前記表面層中の水素含有量が71原
子%以上になると表面層の硬度が低下する場合があり、
繰り返し使用に耐えられなくなる場合がある。従って、
表面層中の水素含有量を前記の範囲内に制御することが
優れた所望の電子写真特性を得る上で重要な因子の1つ
である。表面層中の水素含有量は、原料ガスの流量(流
量比)、支持体温度、放電パワー、ガス圧等によって制
御し得る。
【0098】また、表面層中のハロゲン含有量を0.0
1原子%以上の範囲に制御することで表面層内のシリコ
ン原子と炭素原子の結合の発生をより効果的に達成する
ことが可能となる。さらに、表面層中のハロゲン原子の
働きとして、コロナ等のダメージによるシリコン原子と
炭素原子の結合の切断を効果的に防止することができ
る。
【0099】一方、表面層中のハロゲン含有量が15原
子%を超えると表面層内のシリコン原子と炭素原子の結
合の発生の効果、コロナ等のダメージによるシリコン原
子と炭素原子の結合の切断を防止する効果等が不十分と
なる場合がある。さらに、過剰のハロゲン原子が表面層
中のキャリアの走行性を阻害するため、残留電位や画像
メモリーが発生する場合がある。従って、表面層中のハ
ロゲン含有量を前記範囲内に制御することが所望の電子
写真特性を得る上で重要な因子の一つである。表面層中
のハロゲン含有量は、水素含有量と同様に原料ガスの流
量(比)、支持体温度、放電パワー、ガス圧等によって
制御し得る。
【0100】表面層の形成において使用されるシリコン
(Si)供給用ガスとなり得る物質としては、Si
4、Si26、Si38、Si410等のガス状物、ま
たはガス化し得る水素化ケイ素(シラン類)が有効に使
用されるものとして挙げられ、さらに層作製時の取り扱
い易さ、Si供給効率の良さ等の点でSiH4、Si2
6が好ましいものとして挙げられる。また、これらのS
i供給用の原料ガスを必要に応じてH2、He、Ar、
Ne等のガスにより希釈して使用してもよい。
【0101】炭素供給用ガスとなり得る物質としては、
CH4、C22、C26、C38、C410等のガス状
物、またはガス化し得る炭化水素が有効に使用されるも
のとして挙げられ、さらに層作製時の取り扱い易さ、S
i供給効率の良さ等の点でCH4、C22、C26が好
ましいものとして挙げられる。また、これらのC供給用
の原料ガスを必要に応じてH2、He、Ar、Ne等の
ガスにより希釈して使用してもよい。
【0102】窒素または酸素供給用ガスとなり得る物質
としては、NH3、NO、N2O、NO2、O2、CO、C
2、N2等のガス状物、またはガス化し得る化合物が有
効に使用されるものとして挙げられる。また、これらの
窒素、酸素供給用の原料ガスを必要に応じてH2、H
e、Ar、Ne等のガスにより希釈して使用してもよ
い。
【0103】また、形成される表面層中に導入される水
素原子の導入割合の制御を一層容易になるように図るた
めに、これらのガスにさらに水素ガス又は水素原子を含
むケイ素化合物のガスも所望量混合して層形成すること
が好ましい。また、各ガスは単独種のみでなく所定の混
合比で複数種混合しても差し支えないものである。
【0104】ハロゲン原子供給用の原料ガスとして有効
なのは、たとえばハロゲンガス、ハロゲン化物、ハロゲ
ンをふくむハロゲン間化合物、ハロゲンで置換されたシ
ラン誘導体等のガス状物、またはガス化し得るハロゲン
化合物が好ましく挙げられる。また、さらにはシリコン
原子とハロゲン原子とを混要素とするガス状物、または
ガス化し得るハロゲン原子を含む水素化ケイ素化合物も
有効なものとして挙げることができる。
【0105】好適に使用し得るハロゲン化合物として
は、具体的にはフッ素ガス(F2)、BrF、ClF、
ClF3、BrF3、BrF5、IF3、IF7等のハロゲ
ン間化合物を挙げることができる。ハロゲン原子を含む
ケイ素化合物、いわゆるハロゲン原子で置換されたシラ
ン誘導体としては、具体的には、例えばSiF4、Si2
6等のフッ化ケイ素が好ましいものとして挙げること
ができる。
【0106】表面層中に含有される水素原子および/ま
たはハロゲン原子の量を制御するには、例えば支持体の
温度、水素原子および/またはハロゲン原子を含有させ
るために使用される原料物質の反応容器内へ導入する
量、放電電力等を制御すればよい。
【0107】炭素原子、酸素原子および窒素原子の1つ
以上の原子は、表面層中に万遍なく均一に含有されても
良いし、表面層中の層厚方向に含有量が変化するような
不均一な分布をもたせた部分があっても良い。
【0108】さらに、表面層には必要に応じて伝導性を
制御する原子を含有させることが好ましい。伝導性を制
御する原子は、表面層中に万遍なく均一に分布した状態
で含有されても良いし、あるいは層厚方向には不均一な
分布状態で含有している部分があってもよい。
【0109】伝導性を制御する原子としては、p型電導
特性を与える第13族原子、またはn型電導特性を与え
る周期律表第15族に属する原子(第15族原子とも略
記する)を用いることができる。
【0110】第13族原子としては、具体的には、ホウ
素(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、
インジウム(In)、タリウム(Tl)等があり、特に
B、Al、Gaが好適である。第15族原子としては、
具体的にはリン(P)、ヒ素(As)、アンチモン(S
b)、ビスマス(Bi)等があり、特にP、Asが好適
である。
【0111】表面層に含有される伝導性を制御する原子
の含有量としては、好ましくは1×10-3〜1×103
原子ppm、より好ましくは1×10-2〜5×102
子ppm、最適には1×10-1〜102原子ppmとさ
れる。
【0112】伝導性を制御する原子、たとえば、第13
族原子または第15族原子を構造的に導入するには、層
形成の際に、第13族原子導入用の原料物質または第1
5族原子導入用の原料物質をガス状態で反応容器中に、
表面層を形成するための他のガスとともに導入してやれ
ばよい。第13族原子導入用の原料物質または第15族
原子導入用の原料物質となり得るものとしては、常温常
圧でガス状物、または、少なくとも層形成条件下で容易
にガス化し得るものが採用されるのが望ましい。
【0113】そのような第13族原子導入用の原料物質
としては具体的には、ホウ素原子導入用としては、B2
6、B410、B59、B511、B612、B614
の水素化ホウ素、BF3、BCl3、BBr3等のハロゲ
ン化ホウ素等が挙げられる。この他、AlCl3、Ga
Cl3、Ga(CH33、InCl3、TiCl3等も挙
げることができる。
【0114】第15族原子導入用の原料物質として、有
効に使用されるのは、リン原子導入用としては、P
3、P24等の水素化リン、PH4I、PF3、PF5
PCl3、PCl3、PCl5、PBr3、PBr5、PI3
等のハロゲン化リンが挙げられる。この他、AsH3
AsF3、AsCl3、AsBr3、AsF5、SbH3
SbF3、SbF3、SbF5、Sbcl3、SbCl5
BiH3、BiCl3、BiBr3等も第15族原子導入
用の出発物質の有効なものとして挙げることができる。
【0115】また、これらの伝導性を制御する原子導入
用の原料物質を必要に応じて、H2、He、Ar、Ne
等のガスにより希釈して使用してもよい。
【0116】表面層の層厚としては、好ましくは0.0
1〜3μm、より好ましくは0.05〜2μm、さらに
好ましくは0.1〜1μmとされる。層厚が0.01μ
mより薄いと、光受容部材を使用中に磨耗等の理由によ
り表面層が失われ易い場合があり、3μmを越えると残
留電位の増加する場合があり、電子写真特性の低下する
場合がある。
【0117】表面層は、その要求される特性が所望通り
に与えられるように注意深く作製される。即ち、Si、
C、N及びOからなる群から選択された少なくともひと
つの原子と、H及び/又はXとを構成要素とする物質
は、その形成条件によって構造的には多結晶や微結晶の
ような結晶性からアモルファスまでの形態(総称して非
単結晶)を取り、電気物性的には導電性から半導体性、
絶縁性までの間の性質を、又、光導電的性質から非光導
電的性質までの間の性質を各々示すので、目的に応じた
所望の特性を有する化合物が形成される様に、作製条件
の選択が厳密になされる。
【0118】例えば、表面層を耐圧性の向上を主な目的
として設けるには、使用環境に於いて電気絶縁性的挙動
の顕著な非単結晶材料として作製される。
【0119】また、連続繰り返し使用特性や使用環境特
性の向上を主たる目的として表面層が設けられる場合に
は、上記の電気絶縁性の度合はある程度緩和され、照射
される光に対して有る程度の感度を有する非単結晶材料
として形成される。
【0120】表面層を形成するには、支持体の温度、反
応容器内のガス圧を所望に従って、適宜設定する必要が
ある。
【0121】支持体の温度は、層設計に従って適宜最適
範囲が選択されるが、通常の場合、好ましくは200〜
350℃、より好ましくは230〜330℃、最適には
250〜310℃とする。
【0122】反応容器内のガス圧も同様に層設計に従っ
て適宜最適範囲が選択されるが、通常の場合、好ましく
は1×10-2〜2×103Pa、好ましくは5×10-2
〜5×102Pa、最適には1×10-1〜1×102Pa
とする。
【0123】表面層を形成するための支持体温度、ガス
圧の望ましい数値範囲として前記した範囲が挙げられる
が、条件は通常は独立的に別々に決められるものではな
く、所望の特性を有する光受容部材を形成すべく相互的
かつ有機的関連性に基づいて最適値を決めるのが望まし
い。
【0124】さらに、光導電層と表面層の間に、炭素原
子、酸素原子および窒素原子の1つ以上の原子の含有量
を表面層より減らしたブロッキング層(下部表面層)を
設けることも帯電能等の特性をさらに向上させるために
は有効である。
【0125】また、表面層と光導電層との間に、炭素原
子、酸素原子および窒素原子の1つ以上の原子の含有量
が光導電層に向かって減少するように変化する領域を設
けても良い。これにより表面層と光導電層の密着性を向
上させ、界面での光の反射による干渉の影響をより少な
くすることができる。
【0126】<電荷注入阻止層>本発明の電子写真用光
受容部材においては、導電性支持体と光導電層との間
に、導電性支持体側からの電荷の注入を阻止する働きの
ある電荷注入阻止層を設けるのが一層効果的である。即
ち、電荷注入阻止層は光受容層が一定極性の帯電処理を
その自由表面に受けた際、支持体側より光導電層側に電
荷が注入されるのを阻止する機能を有し、逆の極性の帯
電処理を受けた際にはそのような機能は発揮されない、
いわゆる極性依存性を有している。そのような機能を付
与するために、電荷注入阻止層には伝導性を制御する原
子を光導電層に比べ比較的多く含有させる。
【0127】電荷注入阻止層に含有される伝導性を制御
する原子は、層中に万遍なく均一に分布されても良い
し、あるいは層厚方向には万遍なく含有されてはいる
が、不均一に分布する状態で含有している部分があって
もよい。分布濃度が不均一な場合には、支持体側に多く
分布するように含有させるのが好適である。
【0128】しかしながら、いずれの場合にも支持体の
表面と平行面内方向においては、均一な分布で万遍なく
含有されること画面内方向における特性の均一化をはか
る点からも必要である。
【0129】電荷注入阻止層に含有される伝導性を制御
する原子としては、第13族原子および第15族原子を
用いることができる。
【0130】第13族原子としては、具体的には、B
(ほう素)、Al(アルミニウム)、Ga(ガリウ
ム)、In(インジウム)、Ta(タリウム)等があ
り、特にB、Al、Gaが好適である。第15族原子と
しては、具体的には、P(リン)、As(ヒ素)、Sb
(アンチモン)、Bi(ビスマス)等があり、特にP、
Asが好適である。
【0131】伝導性を制御する原子の含有量としては、
好ましくは10〜1×104原子ppm、より好ましく
は50〜5×103原子ppm、さらに好ましくは1×
102〜1×103原子ppmとされる。
【0132】さらに、電荷注入阻止層には、炭素原子、
窒素原子および酸素原子の少なくとも1種を含有させる
ことにより、電荷注入阻止層に直接接触して設けられる
他の層との間の密着性の向上できる。
【0133】電荷注入阻止層に含有される炭素原子、窒
素原子および酸素原子の1つ以上の原子は、層中に万遍
なく均一に分布されても良いし、あるいは層厚方向には
万遍なく含有されてはいるが、不均一に分布する状態で
含有している部分があってもよい。しかしながら、いず
れの場合にも支持体の表面と平行面内方向においては、
均一な分布で万遍なく含有されることが面内方向におけ
る特性の均一化をはかる点からも必要である。
【0134】電荷注入阻止層の全層領域に含有される炭
素原子、窒素原子および酸素原子の1種以上の原子の含
有量は、1種の場合はその量として、2種以上の場合は
その総和として、好ましくは1×10-3〜50原子%、
より好ましくは5×10-3〜30原子%、さらに好まし
くは1×10-2〜10原子%とされる。
【0135】また、電荷注入阻止層に含有される水素原
子および/またはハロゲン原子は層内に存在する未結合
手を補償し膜質の向上に効果を奏する。電荷注入阻止層
中の水素原子の含有量、ハロゲン原子の含有量、又は水
素原子およびハロゲン原子の和の含有量は、好適には1
〜50原子%、より好適には5〜40原子%、最適には
10〜30原子%とする。
【0136】電荷注入阻止層の層厚は所望の電子写真特
性が得られること、及び経済的効果等の点から好ましく
は0.1〜5μm、より好ましくは0.3〜4μm、さ
らに好ましくは0.5〜3μmとされる。層厚が0.1
μmより薄くなると、支持体からの電化の注入阻止膿が
不十分となる場合があり、十分な帯電能が得られない場
合がある。一方、5μmより厚くしても実質的な電子写
真特性の向上よりも、作製時間の延長による製造コスト
増を招く場合がある。
【0137】電荷注入阻止層は、光導電層の場合と同様
に、真空堆積法により作製することができる。その際、
光導電層の場合と同様に、Si供給用のガスと希釈ガス
との混合比、反応容器内のガス圧、放電電力ならびに支
持体の温度を適宜設定することが必要である。
【0138】H2及び/又はHeの流量は、層設計に従
って適宜最適範囲が選択されるが、Si供給用ガスに対
しH2及び/又はHeを、好ましくは1〜20倍、より
好ましくは3〜15倍、さらに好ましくは5〜10倍の
範囲に制御することが望ましい。
【0139】反応容器内のガス圧も同様に層設計に従っ
て、適宜最適範囲が選択されるが、通常の場合1×10
-2〜2×103Pa、より好ましくは5×10-2〜5×
102Pa、最適には1×10-1〜2×102Paとする
のが望ましい。
【0140】放電電力もまた同様に層設計に従って適宜
最適範囲が選択されるが、Si供給用のガスの流量に対
する放電電力の比を、好ましくは1〜7、より好ましく
は2〜6倍、さらにこのましくは3〜5倍の範囲に設定
することが望ましい。
【0141】さらに、支持体の温度は、層設計に従って
適宜最適範囲が選択されるが、好ましくは200〜35
0℃、より好ましくは230〜330℃、さらに好まし
くは250〜310℃とするのが望ましい。
【0142】電荷注入阻止層を形成するための希釈ガス
の混合比、ガス圧、放電電力、支持体温度の望ましい数
値範囲として前記した範囲が挙げられるが、これらの層
作製ファクターは通常は独立的に別々に決められるもの
ではなく、所望の特性を有する表面層を形成すべく相互
的かつ有機的関連性に基づいて各層作製ファクターの最
適値を決めるのが望ましい。
【0143】このほかに、本発明の電子写真用光受容部
材においては、光受容層の前記支持体側に、少なくとも
アルミニウム原子、シリコン原子、水素原子、ハロゲン
原子等が層厚方向に不均一な分布状態で含有する層領域
を有することが望ましい。
【0144】また、支持体と、光導電層または電荷注入
阻止層との間の密着性の一層の向上を図る目的で、例え
ば、Si34、SiO2、SiO又はシリコン原子を母
体とし、水素原子および/またはハロゲン原子と、炭素
原子、酸素原子および窒素原子から選ばれる1種以上の
原子とを含む非晶質材料等で構成される密着層を設けて
も良い。
【0145】次に、本発明の光受容層を作製するの装置
及び膜形成方法について詳述する。
【0146】図3は、電源周波数としてRF帯を用いた
高周波プラズマCVD法(RF−PCVDとも略記す
る)による光受容部材の製造装置の一例を示す模式的な
構成図である。図3に示す製造装置の構成は以下の通り
である。
【0147】この装置は大別すると、堆積装置(310
0)、原料ガスの供給装置(3200)、反応容器(3
111)内を減圧にするための排気装置(図示せず)か
ら構成されている。堆積装置(3100)中の反応容器
(3111)内には円筒状支持体(3112)、支持体
加熱用ヒーター(3113)、原料ガス導入管(311
4)が設置され、さらに高周波マッチングボックス(3
115)が接続されている。
【0148】原料ガス供給装置(3200)は、SiH
4、GeH4、H2、CH4、B26、PH3等の原料ガス
のボンベ(3221〜3226)とバルブ(3231〜
3236、3241〜3246、3251〜3256)
及びマスフローコントローラー(3211〜3216)
から構成され、各原料ガスのボンベはバルブ(326
0)を介して反応容器(3111)内のガス導入管(3
114)に接続されている。
【0149】この装置を用いた堆積膜の形成は、例えば
以下のように行なうことができる。
【0150】先ず、反応容器(3111)内に円筒状支
持体(3112)を設置し、不図示の排気装置(例えば
真空ポンプ)により反応容器(3111)内を排気す
る。続いて、支持体加熱用ヒーター(3113)により
円筒状支持体(3112)の温度を200℃乃至350
℃の所定の温度に制御する。
【0151】堆積膜形成用の原料ガスを反応容器(31
11)に流入させるには、ガスボンベのバルブ(323
1〜3236)、反応容器のリークバルブ(3117)
が閉じられていることを確認し、又、流入バルブ(32
41〜3246)、流出バルブ(3251〜325
6)、補助バルブ(3260)が開かれていることを確
認して、まずメインバルブ(3118)を開いて反応容
器(3111)及びガス配管内(3116)を排気す
る。
【0152】次に、真空計(3119)の読みが約1×
10-2Paになった時点で補助バルブ(3260)、流
出バルブ(3251〜3256)を閉じる。
【0153】その後、ガスボンベ(3221〜322
6)より各ガスをバルブ(3231〜3236)を開い
て導入し、圧力調整器(3261〜3266)により各
ガス圧を0.2MPaに調整する。次に、流入バルブ
(3241〜3246)を徐々に開けて、各ガスをマス
フローコントローラー(3211〜3216)内に導入
する。
【0154】以上のようにして成膜の準備が完了した
後、以下の手順で各層の形成を行う。
【0155】円筒状支持体(3112)が所定の温度に
なったところで流出バルブ(3251〜3256)のう
ちの必要なもの及び補助バルブ(3260)を徐々に開
き、ガスボンベ(3221〜3266)から所定のガス
をガス導入管(3114)を介して反応容器(311
1)内に導入する。次にマスフローコントローラー(3
211〜3216)によって各原料ガスが所定の流量に
なるように調整する。その際、反応容器(3111)内
の圧力が1.5×102Pa以下の所定の圧力になるよ
うに真空計(3119)を見ながらメインバルブ(31
18)の開口を調整する。内圧が安定したところで、周
波数13.56MHzのRF電源(不図示)を所望の電
力に設定して、高周波マッチングボックス(3115)
を通じて反応容器(3111)内にRF電力を導入し、
グロー放電を生起させる。この放電エネルギーによって
反応容器内に導入された原料ガスが分解され、円筒状支
持体(3112)上に所定のシリコンを主成分とする堆
積膜が形成されるところとなる。所望の膜厚の形成が行
われた後、RF電力の供給を止め、流出バルブを閉じて
反応容器へのガスの流入を止め、堆積膜の形成を終え
る。
【0156】同様の操作を複数回繰り返すことによっ
て、所望の多層構造の光受容層が形成される。それぞれ
の層を形成する際には必要なガス以外の流出バルブはす
べて閉じられていることは言うまでもなく、また、それ
ぞれのガスが反応容器(3111)内、流出バルブ(3
251〜3256)から反応容器(3111)に至る配
管内に残留することを避けるために、流出バルブ(32
51〜3256)を閉じ、補助バルブ(3260)を開
き、さらにメインバルブ(3118)を全開にして系内
を一旦高真空に排気する操作を必要に応じて行う。
【0157】また、膜形成の均一化を図るために、層形
成を行なっている間は、支持体(3112)を駆動装置
(不図示)によって所定の速度で回転させることも有効
である。
【0158】さらに、上述のガス種及びバルブ操作は各
々の層の作製条件に従って変更が加えられることは言う
までもない。
【0159】支持体の加熱方法は、真空仕様である発熱
体であればよく、より具体的にはシース状ヒーターの巻
き付けヒーター、板状ヒーター、セラミックヒーター等
の電気抵抗発熱体、ハロゲンランプ、赤外線ランプ等の
熱放射ランプ発熱体、液体、気体等を温媒とし熱交換手
段による発熱体等が挙げられる。加熱手段の表面材質
は、ステンレス、ニッケル、アルミニウム、銅等の金属
類、セラミックス、耐熱性高分子樹脂等を使用すること
ができる。
【0160】それ以外にも、反応容器以外に加熱専用の
容器を設け、加熱した後、反応容器内に真空中で支持体
を搬送する方法が用いられる。
【0161】以上の様な方法により製造される電子写真
用光受容部材は、光源として可視光領域の広い範囲の波
長の光に対応でき、十分な帯電能および感度を実現で
き、残留電位および光メモリーを低減でき、ドット再現
性を高次元で成立できる。
【0162】この結果、本発明の電子写真用光受容部材
は電子写真装置として、複写機のみならずプリンター
(例えばLBPプリンター)等に好適に適用することが
できる。
【0163】
【実施例】以下、実験例により本発明の効果を具体的に
説明する。
【0164】<実験例1>図3に示すRF−PCVD法
による電子写真用光受容部材の製造装置を用い、アルミ
ニウムシリンダーに代えて、サンプル基板を設置するた
めの溝加工を施した円筒形のサンプルホルダーを用い、
ガラス基板(コーニング社 7059)およびSiウエ
ハー上に、表1の作製条件で膜厚約1μmのa−Si膜
を堆積した。希釈ガスの流量を表2に示すように変化さ
せて数種類のサンプルを作製した。ガラス基板上の堆積
膜は、光学的バンドギャップ(Eg)を測定した後、C
rの串型電極を蒸着し、CPMにより指数関数裾の特性
エネルギー(Eu)を測定し、Siウエハー上の堆積膜
はFTIRにより水素含有量(Ch)を測定した。表3
に作製したサンプルのCh、Eg及びEuは示す。
【0165】表4から明らかなように、25容量倍以上
200容量倍以下のヘリウムガスを添加することで、C
hが1原子%以上15原子%以下、Egが1.5eV以
上1.65eV以下、Euが40meV以上50meV
以下の堆積膜が得られた。
【0166】
【表1】
【0167】なお、表1中の流量に関する単位は、mL
/min(normal)である。
【0168】
【表2】
【0169】なお、表2中の流量に関する単位は、mL
/min(normal)である。
【0170】
【表3】
【0171】次に、図3に示すRF−PCVD法による
電子写真用光受容部材の製造装置を用い、直径80mm
の鏡面加工を施したアルミニウムシリンダー上に、表4
に示す作製条件で表面層側の層領域に、表1及び2に示
した作製条件の膜を堆積して電子写真用光受容部材を作
製した。
【0172】作製した電子写真用光受容部材を電子写真
装置(キヤノン製NP−6550を実験用に改造)にセ
ットして、電位特性の評価を行った。なお、表5中のサ
ンプル2〜6で示した電子写真用光受容部材が、実施例
1−1〜1−5である。
【0173】評価の際、プロセススピード380mm/
sec、前露光(波長660nmのLED)7lux・
sec、帯電器の電流値1000μAの条件にて、電子
写真装置の現像器位置にセットした表面電位計(TRE
K社 Model 344)の電位センサーにより光受
容部材の表面電位を測定し、それを帯電能とした。
【0174】また、光受容部材に内蔵したドラムヒータ
ーにより装置温度を室温(約25℃)から50℃まで昇
温し、上記の条件にて帯電能を測定し、そのときの温度
1℃当たりの帯電能の変化を温度特性とした。
【0175】更に、メモリー電位は、上述の条件下にお
いて同様の電位センサーにより像露光光源に波長660
nmのLEDを用いてて、像露光の非露光状態での表面
電位と一旦露光した後に再度帯電したときとの電位差を
測定した。
【0176】加えて、像露光光源に波長660nmのレ
ーザーを用いて、径60μmのワンドットの露光を与え
て表面電位の電位勾配を測定し、半値巾とドット径を比
較してドット再現性を評価した。
【0177】以上の測定条件により得られた帯電能、温
度特性、メモリー及びドット再現性の評価結果を表5に
示した。特性評価の基準としては、光導電層(層膜厚3
0μm)を第1の層領域のみで構成した電子写真用光受
容部材を作製した。帯電能に付いては、基準と比較し
て、±20V以内を△、+20V以上を○、+40V以
上を◎、−20V以下を▽とした。温度特性に付いて
は、±1.5V/deg以下を◎(優)、±3V/de
g以下を○(良)、±3V/deg以上を△(可)、±
5V/deg以上を▽(実用上問題無し)とした。メモ
リーに付いては、メモリー電位が5V以下を○、8V以
下を▽、10V以上を▽とした。ドット再現性に付いて
は、120%以下を◎、150%以下を○、200%以
下を△、200%以上を▽とした。
【0178】表5から明らかなように、表面層側の層領
域に、25容量倍以上200容量倍以下のヘリウムガス
で希釈した堆積膜を用いることで、帯電能、温度特性、
メモリー及びドット再現性ともに良好な特性を得られる
ことが分かった。
【0179】
【表4】
【0180】なお、表4中の流量に関する単位は、mL
/min(normal)である。
【0181】
【表5】
【0182】<実験例2>図3に示すRF−PCVD法
による光受容部材の製造装置を用い、アルミニウムシリ
ンダーに代えて、サンプル基板を設置するための溝加工
を施した円筒形のサンプルホルダーを用い、ガラス基板
(コーニング社 7059)及びSiウエハー上に、表
6の作製条件で膜厚約1μmのa−Si膜を堆積した。
圧力を表7に示すように変化させて数種類のサンプルを
作製し実験例1と同様に評価した。得られた結果を表8
に示した。
【0183】表8から明らかなように、圧力を70Pa
以上500Pa以下にすることで、Chが1原子%以上
15原子%以下、Egが1.5eV以上1.65eV以
下、Euが40meV以上50meV以下の堆積膜が得
られた。
【0184】
【表6】
【0185】なお、表6中の流量に関する単位は、mL
/min(normal)である。
【0186】
【表7】
【0187】
【表8】
【0188】次に、図3に示すRF−PCVD法による
電子写真用光受容部材の製造装置を用い、直径80mm
の鏡面加工を施したアルミニウムシリンダー上に、表9
に示す作製条件で表面層側の層領域に表6及び7に示し
た作製条件の膜を堆積して電子写真用光受容部材を作製
した。
【0189】作製した光受容部材を電子写真装置(キヤ
ノン製NP−6550を実験用に改造)にセットして、
実験例1と同様に電位特性の評価を行った。なお、表1
0中のサンプル3〜6で示した電子写真用光受容部材
が、実施例2−1〜2−4である。
【0190】表10から明らかなように、表面層側の層
領域で圧力を70Pa以上100Pa以下とし、25容
量倍以上200容量倍以下のヘリウムガスで希釈した堆
積膜を用いることで、帯電能、温度特性、メモリー及び
ドット再現性ともに良好な特性を得られることが分かっ
た。
【0191】
【表9】
【0192】なお、表9中の流量に関する単位は、mL
/min(normal)である。
【0193】
【表10】
【0194】<実験例3>図3に示すRF−PCVD法
による光受容部材の製造装置を用い、アルミニウムシリ
ンダーに代えて、サンプル基板を設置するための溝加工
を施した円筒形のサンプルホルダーを用い、ガラス基板
(コーニング社 7059)及びSiウエハー上に、表
11の作製条件で膜厚約1μmのa−Si膜を堆積し
た。希釈ガスとしてヘリウム及び水素の混合ガスを用
い、混合比を表12示すように変化させて数種類のサン
プルを作製して実験例1と同様に評価した。得られた評
価を表13に示した。
【0195】表13から明らかなように、ヘリウムガス
に加える水素ガスの混合比を40容量%以下にして混合
ガスを用いることで、Chが10原子%以上20原子%
以下、Egが1.5eV以上1.75eV以下、Euが
40meV以上50meV以下の堆積膜が得られた。
【0196】
【表11】
【0197】なお、表11中の流量に関する単位は、m
L/min(normal)である。
【0198】
【表12】
【0199】
【表13】
【0200】次に、図3に示すRF−PCVD法による
電子写真用光受容部材の製造装置を用い、直径80mm
の鏡面加工を施したアルミニウムシリンダー上に、表1
4に示す作製条件で表面層側の層領域に表11及び12
に示した作製条件から表面に向かって水素ガスの混合比
を減少するように変化させて膜を堆積して電子写真用光
受容部材を作製した。
【0201】作製した光受容部材を電子写真装置(キヤ
ノン製NP−6550を実験用に改造)にセットして、
実験例1と同様に電位特性の評価を行った。なお、表1
5中のサンプル1〜5で示した電子写真用光受容部材
が、実施例3−1〜3−5である。
【0202】本例の帯電能、温度特性、メモリー、ドッ
ト再現性の評価結果を表15に示した。表15から明ら
かなように、表面層側の層領域で圧力を70Pa以上5
00Pa以下とし、25倍容量以上200倍容量以下ヘ
リウムガス及び水素ガスで希釈し、水素ガスを40容量
%以下の条件で作製された堆積膜を用いることで、帯電
能、温度特性、メモリー及びドット再現性ともに良好な
特性を得られることが分かった。
【0203】
【表14】
【0204】なお、表14中の流量に関する単位は、m
L/min(normal)である。
【0205】
【表15】
【0206】<実施例4>本例では、光導電層を電荷注
入阻止層側から第1の層領域、第2の層領域の順とし、
表面層のシリコン原子および炭素原子の含有量を層厚方
向に不均一な分布状態とした表面層を設けた。表16
に、このときの光受容部材の作製条件を示した。
【0207】本例では、光導電層の第1の層領域のC
h、Eg、Euは、それぞれ22原子%、1.74e
V、55meV、第2の層領域のCh、Eg、Euは、
それぞれ3原子%、1.58eVm、47meVであっ
た。
【0208】作製した光受容部材を実験例1と同様の評
価をしたところ、同用に良好な電子写真特性が得られ
た。
【0209】すなわち、表面層のシリコン原子および炭
素原子の含有量を層厚方向に不均一な分布状態とした表
面層を設けた場合においても、電子写真用光受容部材と
して総合的に良好な特性を示すことが分かった。
【0210】
【表16】
【0211】<実施例5>本例では、光導電層を電荷注
入阻止層側から第1の層領域、第2の層領域、第3の層
領域の順とし、表面層のシリコン原子および炭素原子の
含有量を層厚方向に不均一な分布状態とした表面層を設
けるとともに、全ての層にフッ素原子、ホウ素原子、炭
素原子、酸素原子、窒素原子を含有した。表17に、こ
のときの光受容部材の作製条件を示した。
【0212】本例では、光導電層の第1の層領域のC
h、Eg、Euは、それぞれ23原子%、1.78e
V、60meV、第2の層領域のCh、Eg、Euは、
それぞれ16原子%、1.75eV、58meV、第3
の層領域のCh、Eg、Euは、それぞれ12原子%、
1.62eV、49meVという結果が得られた。
【0213】作製した光受容部材を実験例1と同様の評
価をしたところ、同用に良好な電子写真特性が得られ
た。
【0214】すなわち、光導電層を電荷注入阻止層側か
ら第1の層領域、第2の層領域、第3の層領域の順と
し、表面層のシリコン原子および炭素原子の含有量を層
厚方向に不均一な分布状態とした表面層を設けるととも
に、全ての層にフッ素原子、ホウ素原子炭素原子、酸素
原子、窒素原子を含有させた場合においても、電子写真
用光受容部材として総合的に良好な特性を示すことが分
かった。
【0215】
【表17】
【0216】なお、表17中の流量に関する単位は、m
L/min(normal)である。
【0217】<実施例6>本例では、光導電層を電荷注
入阻止層側から第1の層領域、第2の層領域の順とし、
表面層を構成する原子として、炭素原子の代わりに窒素
原子の代わりに窒素原子を表面層に含有させて設けた。
表18に、このときの光受容部材の作製条件を示した。
【0218】本例では、光導電層の第1の層領域のC
h、Eg、Euは、それぞれ22原子%、1.81e
V、60meV、第2の層領域のCh、Eg、Euは、
それぞれ9原子%、1.55eVm、45meVという
結果が得られた。
【0219】また、作製した光受容部材を実験例1と同
様の評価をしたところ、同用に良好な電子写真特性が得
られた。
【0220】すなわち、表面層を構成する原子として、
炭素原子の代わりに窒素原子に含有させた表面層を設け
た場合においても、電子写真用光受容部材として総合的
に良好な特性を示すことが分かった。
【0221】
【表18】
【0222】なお、表18中の流量に関する単位は、m
L/min(normal)である。
【0223】<実施例7>本例では、光導電層を電荷注
入阻止層側から第1の層領域、第2の層領域の順とし、
表面層に窒素原子および酸素原子を含有させた。表19
にこのときの光受容部材の作製条件を示した。そのと
き、第2の層領域は、水素ガスとヘリウムガスの混合ガ
スを用いて、混合比を直線的に変化させた。
【0224】本例では、光導電層の第1の層領域のC
h、Eg、Euは、それぞれ25原子%、1.74e
V、54meV、第2の層領域の支持体側のCh、E
g、Euは、それぞれ19原子%、1.73eV、50
meV、第2の層領域の表面側のCh、Eg、Euは、
それぞれ5原子%、1.58eV、47meVという結
果が得られた。
【0225】また、作製した光受容部材を実験例1と同
様の評価をしたところ、同用に良好な電子写真特性が得
られた。
【0226】すなわち、表面側の層領域を積層すること
で、電子写真用光受容部材として総合的に良好な特性を
示すことが分かった。
【0227】
【表19】
【0228】なお、表19中の流量に関する単位は、m
L/min(normal)である。
【0229】<実施例8>本例では、光導電層に炭素源
としてCH4ガスを用いて炭素原子を含有する第1の層
領域と第2の層領域および表面層を形成した。表20
に、このときの光受容部材の作製条件を示した。
【0230】本例では、光導電層の第1の層領域のC
h、Eg、Euは、それぞれ18原子%、1.78e
V、53meV、第2の層領域のCh、Eg、Euは、
それぞれ6原子%、1.5eV、45meV、第3の層
領域のCh、Eg、Euは、それぞれ23原子%、1.
85eV、54meVという結果が得られた。
【0231】作製した光受容部材を実験例1と同様の評
価をしたところ、同様に良好な電子写真特性が得られ
た。
【0232】すなわち、光導電層に炭素原子を含有さ
せ、電荷注入阻止層側から、第1の層領域、第2の層領
域の順とした2層構成とし、炭素原子を光導電層に含有
させた場合においても、表面側の層領域を積層すること
で、電子写真用光受容部材として総合的に良好な特性を
示すことが分かった。
【0233】
【表20】
【0234】なお、表20中の流量に関する単位は、m
L/min(normal)である。
【0235】<実施例9>本例では、光導電層を電荷注
入阻止層側から第1の層領域、第2の層領域の順とし、
表面層のシリコン原子および炭素原子の含有量を層厚方
向に不均一な分布状態とした表面層を設けた。表21
に、このときの光受容部材の作製条件を示した。
【0236】本例では、光導電層の第1の層領域のC
h、Eg、Euは、それぞれ29原子%、1.83e
V、65meV、第2の層領域のCh、Eg、Euは、
それぞれ10原子%、1.57eV、46meV、とい
う結果が得られた。
【0237】作製した光受容部材を実験例1と同様の評
価をしたところ、同様に良好な電子写真特性が得られ
た。
【0238】すなわち、光導電層を電荷注入阻止層側か
ら第1の層領域、第2の層領域、第3の層領域の順と
し、表面層のシリコン原子および炭素原子の含有量を層
厚方向に不均一な分布状態とした表面層を設けた場合に
おいても、表面側の層領域を積層することで、電子写真
用光受容部材として総合的に良好な特性を示すことが分
かった。
【0239】
【表21】
【0240】なお、表21中の流量に関する単位は、m
L/min(normal)である。
【0241】<実施例10>本例では、光導電層を電荷
注入阻止層側から第1の層領域、第2の層領域、第3の
層領域の順とし、表面層のシリコン原子および炭素原子
の含有量を層厚方向に不均一な分布状態とした表面層を
設けるとともに、全ての層にフッ素原子、ホウ素原子、
炭素原子、酸素原子、窒素原子を含有させた。表22
に、このときの光受容部材の作製条件を示した。
【0242】本例では、光導電層の第1の層領域のC
h、Eg、Euは、それぞれ31原子%、1.82e
V、62meV、第2の層領域のCh、Eg、Euは、
それぞれ22原子%、1.78eV、57meV、第3
の層領域のCh、Eg、Euは、それぞれ10原子%、
1.60eV、48meVという結果が得られた。
【0243】作製した光受容部材を実験例1と同様の評
価をしたところ、同様に良好な電子写真特性が得られ
た。
【0244】すなわち、光導電層を電荷注入阻止層側か
ら第1の層領域、第2の層領域、第3の層領域の順と
し、表面層のシリコン原子および炭素原子の含有量を層
厚方向に不均一な分布状態とした表面層を設けるととも
に、全てのフッ素原子、ホウ素原子、炭素原子、酸素原
子、窒素原子を含有させた場合においても、表面側の層
領域を積層することで、電子写真用光受容部材として総
合的に良好な特性を示すことが分かった。
【0245】
【表22】
【0246】なお、表22中の流量に関する単位は、m
L/min(normal)である。
【0247】<実施例11>本例では、光導電層を電荷
注入阻止層側から第1の層領域、第2の層領域、第3の
層領域とし、表面層を構成する原子として、炭素原子の
代わりに窒素原子を表面層に含有させて設けた。表23
に、このときの光受容部材の作製条件を示した。
【0248】本例では、光導電層の第1の層領域のC
h、Eg、Euは、それぞれ25原子%、1.78e
V、62meV、第2の層領域の支持体側でCh、E
g、Euは、それぞれ26原子%、1.77eV、60
meV、第2の層領域の表面側でCh、Eg、Euは、
それぞれ10原子%、1.60eV、50meV、第3
の層領域の支持体側でCh、Eg、Euは、それぞれ1
2原子%、1.61eV、48meV、第3の層領域の
表面側でCh、Eg、Euは、それぞれ2原子%、1.
52eV、43meVという結果が得られた。
【0249】また、作製した光受容部材を実験例1と同
様の評価をしたところ、同様に良好な電子写真特性が得
られた。
【0250】すなわち、光導電層を電荷注入阻止層側か
ら第1の層領域、第2の層領域、第3の層領域の順と
し、表面層を構成する原子として、炭素原子の代わりに
窒素原子を含有させた表面層を設けた場合においても、
表面側の層領域を積層することで、電子写真用光受容部
材として総合的に良好な特性を示すことが分かった。
【0251】
【表23】
【0252】なお、表23中の流量に関する単位は、m
L/min(normal)である。
【0253】<実施例12>本例では、光導電層を電荷
注入阻止層側から第1の層領域、第2の層領域の順と
し、表面層に窒素原子および酸素原子を含有させた。表
24にこのときの光受容部材の作製条件を示した。
【0254】本例では、光導電層の第1の層領域のC
h、Eg、Euは、それぞれ22原子%、1.82e
V、55meV、第2の層領域のCh、Eg、Euは、
それぞれ9原子%、1.54eV、47meVという結
果が得られた。
【0255】また、作製した光受容部材を実験例1と同
様の評価をしたところ、同様に良好な電子写真特性が得
られた。
【0256】すなわち、光導電層を電荷注入阻止層側か
ら第1の層領域、第2の層領域の順とし、表面層を構成
する原子として、炭素原子および酸素原子を含有させた
表面層を設けた場合においても、表面側の層領域を積層
することで、電子写真用光受容部材として総合的に良好
な特性を示すことが分かった。
【0257】
【表24】
【0258】なお、表24中の流量に関する単位は、m
L/min(normal)である。
【0259】<実施例13>本例では、光導電層に炭素
減としてCH4ガスを用いて炭素原子を含有する第1の
層領域と第2の層領域および表面層を形成した。表25
に、このときの光受容部材の作製条件を示した。光導電
層に含有させるホウ素原子は、層厚方向に不均一な分布
状態(指数関数的に表面側に向かって減少)とした。
【0260】本例では、光導電層の第1の層領域のC
h、Eg、Euは、それぞれ23原子%、1.80e
V、63meV、第2の層領域のCh、Eg、Euは、
それぞれ13原子%、1.61eV、49meV、とい
う結果が得られた。
【0261】作製した光受容部材を実験例1と同様の評
価をしたところ、同様に良好な電子写真特性が得られ
た。
【0262】すなわち、光導電層に炭素原子を含有さ
せ、電荷注入阻止層側から、第1の層領域、第2の層領
域の順とした2層構成とし、炭素原子を光導電層に含有
させた場合においても、表面側の層領域を積層すること
で、電子写真用光受容部材として総合的に良好な特性を
示すことが分かった。
【0263】
【表25】
【0264】なお、表25中の流量に関する単位は、m
L/min(normal)である。
【0265】
【発明の効果】本発明によれば、光受容部材の使用温度
領域での温度特性と、デジタル画像のドット再現性が飛
躍的に改善されるとともに、光メモリーの発生を実質的
になくすることができるために、光受容部材の使用環境
に対する安定性が向上し、解像力の高い高品質の画像を
安定して得ることができる電子写真用光受容部材が得ら
れる。
【0266】したがって、本発明の電子写真用光受容部
材を前述のごとき製造方法により特定の構成としたこと
により、a−Siで構成された従来の電子写真用光受容
部材における問題を改善でき、優れた電気特性、光学的
特性、光導電特性、画像特性、耐久性および使用環境特
性を実現できる。
【0267】特に、光導電層の表面層側の層領域を、光
導電層のその他の領域より高い反応容器内圧力で、ヘリ
ウムガスで25容量倍以上200容量倍以下に希釈し、
その堆積膜のChを1原子%以上15原子%以下、Eg
を1.5eV以上1.65eV以下、およびEuを40
meV以上50meV以下にすることによって、高い帯
電能、優れた電位特性、良好なデジタル画像特性(ドッ
ト再現性の向上)を実現でき、周囲環境の変動に対する
表面電位の変化を抑制できる。
【0268】また、光導電層の表面層側の層領域を、光
導電層のその他の領域より高い反応容器内圧力で、ヘリ
ウムガス及び水素ガスで25容量倍以上200容量倍以
下に希釈し、その堆積膜のChを1原子%以上20原子
%以下、Egを1.5eV以上1.75eV以下、およ
びEuを40meV以上50meV以下にすることによ
って、高い帯電能、優れた電位特性、良好なデジタル画
像特性(ドット再現性の向上)を実現でき、周囲環境の
変動に対する表面電位の変化を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】指数関数裾の特性エネルギーを説明するため
の、a−Siのサブギャップ光吸収スペクトルの例を示
す模式図である。
【図2】本発明の電子写真用光受容部材の例を説明する
ための模式的断面図である。
【図3】本発明の電子写真用光受容部材の製造装置の一
例を示す模式的説明図である。
【符号の説明】
200 電子写真用光受容部材 201 基体 202 光受容層 203 光導電層 204 表面層 205 電荷注入阻止層 210 自由表面 211 下層(第1の光導電層領域) 212 上層(第2の光導電層領域) 3100 堆積装置 3111 反応容器 3112 円筒状基体 3113 基体加熱用ヒーター 3114 原料ガス導入管 3115 マッチングボックス 3116 原料ガス配管 3117 反応容器リークバルブ 3118 メイン排気バルブ 3119 真空計 3200 原料ガス供給装置 3211 マスフローコントローラー 3212 マスフローコントローラー 3213 マスフローコントローラー 3214 マスフローコントローラー 3215 マスフローコントローラー 3216 マスフローコントローラー 3221 原料ガスボンベ 3222 原料ガスボンベ 3223 原料ガスボンベ 3224 原料ガスボンベ 3225 原料ガスボンベ 3226 原料ガスボンベ 3231 原料ガスボンベバルブ 3232 原料ガスボンベバルブ 3233 原料ガスボンベバルブ 3234 原料ガスボンベバルブ 3235 原料ガスボンベバルブ 3236 原料ガスボンベバルブ 3241 ガス流入バルブ 3242 ガス流入バルブ 3243 ガス流入バルブ 3244 ガス流入バルブ 3245 ガス流入バルブ 3246 ガス流入バルブ 3251 ガス流出バルブ 3252 ガス流出バルブ 3253 ガス流出バルブ 3254 ガス流出バルブ 3255 ガス流出バルブ 3256 ガス流出バルブ 3260 補助バルブ 3261 圧力調整器 3262 圧力調整器 3263 圧力調整器 3264 圧力調整器 3265 圧力調整器 3266 圧力調整器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 土田 伸史 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 新納 博明 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H068 DA24 DA31 DA37 EA24 4K030 AA02 AA06 AA16 AA17 BA29 BB12 BB13 CA02 CA07 CA16 CA17 FA01 FA03 JA05 JA06 JA09 KA23 LA17

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリコン原子を母体とする非単結晶材料
    で構成され、少なくとも2層以上の積層からなる光導電
    層を有する電子写真用光受容部材において、該光導電層
    の表面側領域(上層)は、シリコン原子含有ガス及びヘ
    リウムガスを用いてプラズマ気相成長法により作製さ
    れ、水素原子およびハロゲン原子の中で上層に含まれる
    原子の総含有量(Ch)は1原子%以上15原子%以下
    であり、上層の光学的バンドギャップ(Eg)は1.5
    eV以上1.65eV以下であり、光子エネルギー(h
    ν)を独立変数(eV)とし光吸収スペクトルの吸収係
    数(α)を従属変数(cm-1)とする下記関係式(1) Lnα = (1/Eu)・hν + α1 (1) で表される関数の直線関係部分(指数関数裾)の傾きの
    逆数から決定される上層の特性エネルギー(Eu)は4
    0meV以上50meV以下であり、該光導電層の表面
    側以外の領域(下層)は、シリコン原子含有ガス及び水
    素ガスを用いて、プラズマ気相成長法により作製されも
    のであることを特徴とする電子写真用光受容部材。
  2. 【請求項2】 シリコン原子を母体とする非単結晶材料
    で構成され、少なくとも2層以上の積層からなる光導電
    層を有する電子写真用光受容部材において、該光導電層
    の表面側領域(上層)は、シリコン原子含有ガス、ヘリ
    ウムガス及び水素ガスを用いて、ヘリウムガス及び水素
    ガスの混合比を堆積方向に変化させながら、プラズマ気
    相成長法により作製され、水素原子およびハロゲン原子
    の中で上層に含まれる原子の総含有量(Ch)は1原子
    %以上20原子%以下であり、上層の光学的バンドギャ
    ップ(Eg)は1.5eV以上1.75eV以下であ
    り、光子エネルギー(hν)を独立変数(eV)とし光
    吸収スペクトルの吸収係数(α)を従属変数(cm-1
    とする下記関係式(1) Lnα = (1/Eu)・hν + α1 (1) で表される関数の直線関係部分(指数関数裾)の傾きの
    逆数から決定される上層の特性エネルギー(Eu)は4
    0meV以上50meV以下であり、該光導電層の表面
    側以外の領域(下層)は、シリコン原子含有ガス及び水
    素ガスを用いて、プラズマ気相成長法により作製されも
    のであることを特徴とする電子写真用光受容部材。
  3. 【請求項3】 前記上層の層厚は、最も長波長の露光を
    90%以上吸収するに必要な厚さ以上であることを特徴
    とする請求項1又は2記載の電子写真用光受容部材。
  4. 【請求項4】 前記光導電層は、第13族原子の1種以
    上を含有することを特徴とする請求項1乃至3いずれか
    に記載の電子写真用光受容部材。
  5. 【請求項5】 シリコン原子を母体とする非単結晶材料
    で構成され、少なくとも2層以上の積層からなる光導電
    層を有する電子写真用光受容部材の製造方法において、
    水素ガスにより希釈されたシリコン原子含有ガスを用い
    て、プラズマ気相成長法により、該光導電層の表面側以
    外の領域(下層)を作製する工程と、該下層上に、ヘリ
    ウムガスにより希釈されたシリコン原子含有ガスを用い
    て、プラズマ気相成長法により、該光導電層の表面側領
    域(上層)を作製する工程と、を含むことを特徴とする
    電子写真用光受容部材の製造方法。
  6. 【請求項6】 シリコン原子を母体とする非単結晶材料
    で構成され、少なくとも2層以上の積層からなる光導電
    層を有する電子写真用光受容部材の製造方法において、
    水素ガスにより希釈されたシリコン原子含有ガスを用い
    て、プラズマ気相成長法により、該光導電層の表面側以
    外の領域(下層)を作製する工程と、該下層上に、ヘリ
    ウムガス及び水素ガスにより希釈されたシリコン原子含
    有ガスを用いて、ヘリウムガス及び水素ガスの混合比を
    堆積方向に変化させながら、プラズマ気相成長法によ
    り、該光導電層の表面側領域(上層)を作製する工程
    と、を含むことを特徴とする電子写真用光受容部材の製
    造方法。
  7. 【請求項7】 水素ガス及びヘリウムガスを混合し、徐
    々に水素ガスをヘリウムガスに変えながら、前記下層か
    ら前記上層に到る接続部を作製することを特徴とする請
    求項5又は6記載の電子写真用光受容部材の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記上層の作製工程において、ヘリウム
    ガス流量はシリコン原子含有ガス流量の25容量倍以上
    200容量倍以下であることを特徴とする請求項5乃至
    7いずれかに記載の電子写真用光受容部材の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記上層の作製工程において、ヘリウム
    ガス及び水素ガス総流量はシリコン原子含有ガス流量の
    25容量倍以上200容量倍以下であり、水素ガス流量
    はヘリウムガス流量の40容量%以下であることを特徴
    とする請求項6又は7記載の電子写真用光受容部材の製
    造方法。
  10. 【請求項10】 前記下層の作製工程において、反応容
    器内の圧力は上層作製時の圧力未満であり、前記上層の
    作製工程において、反応容器内の圧力は70Pa以上5
    00Pa以下であることを特徴とする請求項5乃至9い
    ずれかに記載の電子写真用光受容部材の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記下層の作製工程において、水素ガ
    ス流量はシリコン原子含有ガス流量の3容量倍以上20
    容量倍以下であることを特徴とする請求項5乃至10い
    ずれかに記載の電子写真用光受容部材の製造方法。
JP2000315650A 2000-10-16 2000-10-16 電子写真用光受容部材およびその製造方法 Pending JP2002123021A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000315650A JP2002123021A (ja) 2000-10-16 2000-10-16 電子写真用光受容部材およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000315650A JP2002123021A (ja) 2000-10-16 2000-10-16 電子写真用光受容部材およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002123021A true JP2002123021A (ja) 2002-04-26

Family

ID=18794719

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000315650A Pending JP2002123021A (ja) 2000-10-16 2000-10-16 電子写真用光受容部材およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002123021A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005142440A (ja) * 2003-11-07 2005-06-02 Tetsuo Ikari 光電変換装置の製造方法及び光電変換装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005142440A (ja) * 2003-11-07 2005-06-02 Tetsuo Ikari 光電変換装置の製造方法及び光電変換装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3368109B2 (ja) 電子写真用光受容部材
JP2002123020A (ja) 負帯電用電子写真感光体
JP2003337437A (ja) 負帯電用電子写真感光体およびそれを用いた電子写真装置
JP3754751B2 (ja) 光受容部材
JPH1090929A (ja) 電子写真用光受容部材
JP3559655B2 (ja) 電子写真用光受容部材
JP4235593B2 (ja) 電子写真用光受容部材
JP3862334B2 (ja) 電子写真用光受容部材
JP2002123021A (ja) 電子写真用光受容部材およびその製造方法
JP3606395B2 (ja) 電子写真用光受容部材
JP2000171995A (ja) 電子写真用光受容部材
JPH1165146A (ja) 電子写真用光受容部材
JPH1165147A (ja) 電子写真用光受容部材
JP2002311614A (ja) 電子写真用光受容部材
JPH1184700A (ja) 電子写真用光受容部材
JPH1172938A (ja) 電子写真用光受容部材
JP2000187344A (ja) 電子写真方法および電子写真装置
JPH09297421A (ja) 電子写真用光受容部材
JPH10186699A (ja) 電子写真用光受容部材
JPH1195468A (ja) 電子写真用光受容部材
JPH11202515A (ja) 電子写真用光受容部材
JP2002116569A (ja) 電子写真用光受容部材および電子写真装置
JPH11202514A (ja) 電子写真用光受容部材
JP2002139858A (ja) 電子写真用光受容部材及び電子写真装置
JP2002107982A (ja) 電子写真用光受容部材およびその製造方法