JP2002121303A - プリプレグ及びこれを用いた積層板の製造方法 - Google Patents
プリプレグ及びこれを用いた積層板の製造方法Info
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Abstract
低減、成形後の基板の板厚精度が高くかつ成形性の優れ
たプリプレグを提供する。 【解決手段】 (1)有機溶剤をガラス繊維基材に含浸
する工程、続いて、(2)熱硬化性樹脂ワニスをガラス
繊維基材に含浸し乾燥硬化する工程、次いで(3)この
片側もしくは両側に熱硬化性樹脂ワニスを塗布し乾燥す
る工程を有することを特徴とするプリプレグの製造方
法。
Description
子機器、通信機器等に使用されるプリント回路基板用と
して好適なプリプレグ及びこのプリプレグを用いた積層
板の製造方法に関するものである。
は一般的にエポキシ樹脂を繊維基材に塗布・乾燥させて
得たプリプレグを1枚以上重ね、その上面に金属箔を重
ね合わせて加熱加圧成形して得られている。また、多層
プリント回路基板の製造方法は、両面または片面に回路
加工及び黒化処理を施した内層回路基板にエポキシ樹脂
を繊維基材に塗布・乾燥させたプリプレグを1枚以上重
ね、その上面に金属箔を重ね合わせて、加熱加圧成形し
て得られる。一般的に加熱加圧成形はこれら組み合わせ
たプリント回路基板材料を金属鏡面板を使って交互に重
ね、その最外部にクラフト紙等のクッション材を配し、
加熱冷却が可能な高圧プレスを使って実施する。
織布を代表例とする織布である。織布は繊維のモノフィ
ラメントを集束したヤーンを織ったものであり、そのま
ま直接硬化性樹脂ワニスを浸せきあるいは塗布等により
含浸すると、モノフィラメント間の隙間に多くの空気を
含んだプリプレグが得られる。更に加熱等により硬化性
樹脂ワニスが繊維基材に浸透しても、幾らかの空気がモ
ノフィラメント間の隙間に残存し、加熱加圧成形した後
も空気が残存して製品として吸湿半田耐熱性の低下や長
期絶縁信頼性の低下等不具合を多く発生するものとな
る。
るインピータンスコントロールが可能な樹脂の開発が行
われている。基板の板厚精度は信号遅延と1倍の相関が
あり、一方、基板材料の低誘電率化については、誘電率
はその平方根と信号遅延が相関するため、基板の板厚精
度の高度化の方が有効な手段である基板の板厚精度向上
のためには、成形中に発生する樹脂の金型外への流出
(以下、フローアウトという)を減少させることが重要
である。例えば成形時の樹脂の最低溶融粘度を高くし、
フローアウトを減少させることによってフローアウトの
コントロールが行われてきた。具体的にはプリプレグに
含浸する樹脂にフィラーや高分子量樹脂等を添加するこ
とにより樹脂の粘度を上げる手法であるが、樹脂の粘度
を高くする手法ではガラス繊維基材への含浸性が低下す
ることから、含浸時に繊維内ボイドの増加をまねき、基
板成形時に成形不良が生じるおそれがある。
バラツキ等のプリプレグ固有の問題があり、さらには成
形時におけるプレス内での樹脂の流れ、成形圧力や温度
のバラツキの影響がある。例えば成形時、樹脂の流れ方
はプリプレグの中央や端において一様に流れるわけでは
なく、一般にプレスの鏡面板の中心部分よりも周辺部分
の方が樹脂の流れが大きく、その結果周辺部分が中心部
分よりも薄いことは良く知られている。成形時のこのよ
うなバラツキによってもフローアウトの違いを生じ、プ
リプレグの厚みのバラツキとともに板厚精度を低下させ
る要因となっており、前述のようなフィラーや高分子量
樹脂の添加による高粘度化だけでは効果が不十分であ
る。
び多層プリント回路基板の成形において、加熱加圧工程
あるいはその前の重ね合わせ工程等において、プリプレ
グ切断部より発生した樹脂粉末や取り扱い時にプリプレ
グが折れ曲がる等により発生した樹脂粉末が金属鏡面板
と金属箔の間に入り込み、そのまま成形すると、回路基
板成形後回路パターン作製のためのエッチング工程にお
いて、この樹脂粉末がエッチングレジストと同じ作用を
し、回路パターン不良の原因となっている。このような
問題を解決すべく、プリプレグの樹脂粉末の発生しやす
い部分、あるいは樹脂粉末が付着している部分の樹脂粉
末を再溶融してプリプレグからの樹脂粉末の発生、飛散
を防止する等の対策が以前からなされている。しかしな
がら、このような方法では溶融方法によるエポキシ樹脂
の性能変化の問題、あるいは設備投資や処理工数を必要
とする。以上のことから、樹脂粉末の発生が少なく、か
つ基板の板厚精度の高度化と優れた成形性を併せ持つプ
リプレグが望まれている。
に関して樹脂粉末発生の低減および成形後の基板の板厚
精度および成形性の両立という問題を解決すべく、プリ
プレグの製造方法を鋭意検討を進めた結果、本発明を完
成するに至った。本発明は、プリプレグのモノフィラメ
ント間の隙間に残存するボイドを低減させ、プリプレグ
の構成を変えることにより、樹脂粉末の発生が少なく、
かつ良好な成形性を維持しつつ、成形後の基板の板厚精
度を向上することができる。
剤をガラス繊維基材に含浸する工程、続いて、(2)熱
硬化性樹脂ワニスをガラス繊維基材に含浸し乾燥硬化す
る工程、次いで(3)この片側もしくは両側に熱硬化性
樹脂ワニスを塗布し乾燥する工程を有することを特徴と
するプリプレグの製造方法に関するものである。工程
(1)において、有機溶剤をガラス繊維基材に含浸する
時間は30〜420秒が好ましく、この有機溶剤の蒸気
圧は、温度20〜50℃の範囲において、250mmH
g以下であることが好ましい。工程(2)において、熱
硬化性樹脂ワニスをガラス繊維基材に含浸した後、乾燥
硬化温度は100〜200℃の範囲が好ましく。熱硬化
性樹脂の付着量がガラス繊維基材100重量部に対し4
0〜100重量部であることが好ましい。工程(3)に
おいて、熱硬化性樹脂の付着量が、工程(2)における
熱硬化性樹脂の付着量100重量部に対して、5〜25
0重量部であることが好ましい。さらに、本発明は、こ
のようにして得られたプリプレグの1枚又は2枚以上を
加熱成形することを特徴とする積層板の製造方法に関す
るものである。
ス繊維基材に含浸する工程(1)は、ガラスクロス内の
空隙を溶剤に置き換えるために実施されるものである。
有機溶剤は特に限定されないが、蒸気圧の高い溶剤は、
次の工程(2)である熱硬化性樹脂の含浸までに蒸発
し、モノフィラメント間の隙間が発生し、いわゆるスト
ランドボイドの原因となり、有機溶剤をガラス繊維基材
に含浸する意味が小さくなるので、蒸気圧が温度20〜
50℃の範囲において、250mmHg以下であること
が好ましい。生産において安定した製品を得るために、
蒸気圧が低いN,N−ジメチルホルムアミド等を使用す
ることがより好ましい。溶剤の含浸は、溶剤が基材の繊
維間に十分に浸透するために、30〜420秒間、溶剤
槽に浸漬するかもしくは溶剤を塗布することにより基材
が濡れた状態にする。30秒未満では基材細部への含浸
が不十分となり、ボイドの発生原因となる。また、42
0秒を越えても含浸向上のそれ以上の効果はみられず、
生産性低下となる。より好ましくは、基材細部への含浸
と効率を考慮して150〜300秒である。含浸を効率
的に行い含浸時間を短縮するため、超音波、高圧シャワ
ー等を使用してもよい。また、ガラス繊維基材を開繊処
理することも有効な手段である。溶剤の付着量は、基材
のモノフィラメント間を完全に満たす量であればよく、
次の工程において前記溶剤が熱硬化性樹脂ワニスに持ち
込まれることによるワニス粘度の低下(これは樹脂含浸
量のばらつきを生じ、プリプレグ及び積層板の品質のバ
ラツキにつながる)を防止するために、工程(1)の後
に、絞りロール等で余剰の溶剤を除去することが好まし
い。
浸し乾燥硬化する工程(2)において、熱硬化性樹脂
は、エポキシ樹脂、熱硬化性ポリイミド樹脂、シアネー
ト樹脂等の1種または2種以上から選ばれるものであ
り、必要に応じて硬化剤、硬化触媒、充填剤、界面活性
剤、シランカップリング剤等の添加剤を加えることがで
きる。通常、この熱硬化性樹脂は溶剤に溶解したワニス
の形で使用するが、用いられる溶剤は樹脂に対して良好
な溶解性を示すことが望ましい。また、悪影響を及ぼさ
ない範囲で貧溶媒を使用してもかまわない。また樹脂が
粉砕等により微粉化が可能な場合、粉体で塗布すること
も可能である。この工程で付着させる樹脂量は空隙を発
生させない樹脂量が必要であり、ガラス繊維基材100
重量部に対し、40〜100重量部であることが好まし
い。40重量部より少ないと、ガラス繊維基材のモノフ
ィラメント間の間隙を十分に埋めるだけの樹脂絶対量が
不足し、100重量部より大きいと樹脂量が多すぎて成
形が容易でなく得られた積層板の種々の特性が低下する
ようになる。
する溶剤及び工程(2)で使用する樹脂を溶解する溶剤
の沸点によって決められるが、本発明において使用され
る溶剤においては100〜200℃が適当である。10
0℃未満では溶剤の蒸発に多くの時間を要するか、溶剤
の残存が生じることがあり、200℃を越える温度では
溶剤の突沸により空隙が生じるおそれがある。沸点より
ある温度以上低い温度で乾燥すると多くの溶剤が残存
し、プリプレグ及び積層板の信頼性を大きく低下させる
ことになり、ある温度以上高い温度で乾燥すると溶剤が
突沸し空隙が生じるようになる。 例えば、N,N−ジ
メチルホルムアミドを使用した場合、その沸点は153
℃であることから、乾燥温度は140〜170℃が最適
である。また、熱風による乾燥を行った場合、その風速
によって突沸が生じなければ生産性向上のため、温度を
より高くすることができる。
精度に優れかつ成形性に優れるプリプレグ及び積層板を
得ることを目的とするが、このために、上記で得られた
熱硬化性樹脂含浸基材の樹脂層(以下、a層という)と
これに次ぐ工程(3)でこのa層の外側に形成される樹
脂層(以下、b層という)との樹脂量及び硬化度を検討
して、各層にそれぞれ異なる機能を発揮させるように設
計した。すなわち、a層は成形時にフローアウトが生じ
ないように、かつ樹脂粉末が発生しないように硬化を進
めることで、板厚精度を良好にする機能を有し、b層は
銅箔等との接着や内層回路間への埋め込みを行う機能を
有する。a層の厚み精度は塗布時の厚み精度、即ち数%
以内の精度に制御可能であり、樹脂硬化度は二次含浸時
後の乾燥条件(乾燥温度、乾燥時間)によって制御可能
である。樹脂硬化がCステージ化もしくはそれに近い状
態にすることによって、プレス等による成形の際にもフ
ローアウトせず、成形後の厚み精度が良好に維持され
る。また、 プリプレグの切断等においてa層からの樹
脂粉末の発生が防止される。従来のプリプレグは、本発
明のプリプレグが有するa層に相当する層が無く、樹脂
すべてが同程度の硬化度であり、かつ含浸や回路への埋
め込みを板厚精度より優先させる結果、加熱時には樹脂
が低粘度化するものであった。このため、成形時にフロ
ーアウトが生じ、板厚精度が低下する要因となってい
た。このため、板厚精度をよくする目的で充填材や高分
子成分の添加により樹脂分を高粘度化することが行われ
ていたが、高粘度化により、繊維内ボイドの残存等を生
じ成形性の悪化を導いた。
性樹脂含浸基材の片側もしくは両側に熱硬化性樹脂ワニ
スを塗布し乾燥する。即ち、a層の外側にb層を形成す
る。b層は主に回路間への埋め込みや他の層との接着を
目的とする。a層は樹脂の硬化が進んでいるため、流動
性が小さく、接着性も小さいからである。b層は、a層
と異なり、プレスやロールによる成形時に樹脂が一部フ
ローアウトするため、基板の板厚精度に大きな影響を及
ぼす。ここで板厚精度が良好に保つa層と板厚精度の悪
いb層との割合が重要となる。a層の割合が多ければ板
厚精度は良くなるが、回路の埋め込みや接着性が悪くな
る。逆にb層の割合が多ければ成形後の板厚精度が悪く
なる。また、b層はプリプレグ切断等において樹脂粉末
の発生にも大きな影響を及ぼす。ここで樹脂粉末の発生
が極めて少ないa層の樹脂量と樹脂粉末の発生し易いb
層の樹脂量との割合が重要となる。a層の樹脂量の割合
が多ければ、樹脂粉末の発生は少なくなるが、回路間の
埋め込みや接着性が悪くなる。逆にb層の樹脂量の割合
が多ければ、樹脂粉末の発生が多くなる。b層は、プレ
スやロールにより回路間への埋め込みが必要であるた
め、樹脂の硬化がBステージ状態でなければならない。
しかしながら、本発明のプリプレグはa層があるため、
フローアウトが起こる樹脂分はb層しかなく、流動する
樹脂の絶対量が従来のプリプレグよりも少なく、樹脂粉
末の発生も少ない。そのため、b層が低粘度の樹脂であ
ってもプリプレグ全体のフローアウトは従来のものより
も小さくなる。更に流動する樹脂の絶対量が少ないこと
により、成形時の圧力や温度のバラツキが樹脂の流動性
に与える影響も小さくなることから、本発明によるプリ
プレグは板厚精度と成形性の両方に優れ、かつ樹脂粉末
の発生も低減される。
樹脂の割合は、0.05〜2.5の範囲内であれば、板
厚精度と回路への埋め込みが良くなることを見出した。
b層/a層の割合が2.5よりも多ければ成形後の板厚
精度が従来と同じ程度で、樹脂粉末の発生量も従来と変
わらず、改善の効果が不十分である。0.05よりも少
なければ、樹脂の流れが不十分で、成形時プリプレグ相
互及び銅箔との接着が不十分となりやすく、多層成形の
場合回路間に完全に埋め込まれず、ボイドの残存や吸湿
半田試験でのミズリングやフクレの発生が認められるよ
うになる。b層で使用できる熱硬化性樹脂としては、a
層と同様にエポキシ樹脂、熱硬化性ポリイミド、シアネ
ート樹脂等の熱硬化性樹脂であり、2種以上を混合して
使用することもできる。樹脂粉末の発生を更に少なくす
るためには、b層の樹脂はエポキシ当量で900〜40
00程度の末端2官能直鎖状エポキシ樹脂のような高分
子の樹脂を含んでいるものが好ましい。必要に応じて硬
化剤、硬化触媒、充填剤、界面活性剤、シランカップリ
ング剤等の添加剤を加えることができる。また、a層と
同じ組成の樹脂であっても、異なる組成の樹脂であって
もよい。通常、溶剤に溶解したワニスの形で使用する
が、用いられる溶剤は樹脂に対して良好な溶解性を示す
ことが望ましい。また、悪影響を及ぼさない範囲で貧溶
媒を使用することもできる。また樹脂が粉砕等により微
粉化が可能な場合、粉体としてa層に塗布することも可
能である。
に切断し、金属箔や内層回路板と重ね合わせて加熱加圧
成形することにより、回路基板あるいは多層回路基板を
得ることができる。また、プリプレグを長尺のまま巻き
取り、銅箔、アルミニウム箔やニッケル箔等の金属箔や
内層回路板に連続的にラミネートを行うことにより回路
基板あるいは多層回路基板とすることができる。
する。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂70重量部とエポキシ
当量約190のフェノールノボラック型エポキシ樹脂3
0重量をメチルエチルケトン50重量部に溶解した。こ
の溶液に、ジシアンジアミド3重量部と2−フェニル−
4−メチルイミダゾール0.15重量部をジメチルホル
ムアミド20重量部に溶解した溶液を加え、攪拌混合し
た。この様にしてエポキシ樹脂ワニスを調製した。
0.10mm)をN,N−ジメチルホルムアミドに20
0秒間浸漬し、絞りロールで余剰の溶剤を除去した。続
いて、このガラスクロスを上記のように調製したエポキ
シ樹脂ワニスに樹脂固形分がガラスクロス100重量部
に対して65重量部になるように含浸し、170℃の乾
燥炉中で3分間乾燥し、 a層が形成されたエポキシ樹
脂含浸カラスクロスを作成した。次にこのエポキシ樹脂
含浸ガラスクロスに、前記エポキシ樹脂ワニスを樹脂固
形分がガラスクロス100重量部に対して45重量部に
なるよう塗布を行い、170℃の乾燥炉中で1.5分間
乾燥し、b層を作成した。 a層とb層の樹脂の割合
は、b層/a層で約0.7である。このようにしてa層
とb層からなるプリプレグを作成した。
ンに200秒浸漬し、絞りロールで余剰の溶剤を除去し
た。続いて、上記のように調製したエポキシ樹脂ワニス
を樹脂固形分がガラスクロス100重量部に対して65
重量部になるように含浸し、110℃の乾燥炉中で30
分間乾燥し、 a層が形成されたエポキシ樹脂含浸ガラ
スクロスを作成した。以下、実施例1と同様にしてa層
とb層からなるプリプレグを作成した。
後、ガラスクロス(厚さ0.10mm)に1回のみ含浸
を行って、樹脂固形分がガラスクロス100重量部に対
して110量部になるようにした。次いで170℃1.
5分間乾燥させ、プリプレグを作成した。
る工程を省略したことを除いて、実施例1の方法を実施
し、 a層とb層からなるプリプレグを作成した。
略したことを除いて、実施例2の方法を実施し、 a層
とb層からなるプリプレグを作成した。
いて、以下に示す方法にて両面銅張積層板及び4層回路
基板を作成し、その特性を評価した。 <プリプレグの樹脂粉末発生量評価>プリプレグをカッ
ターで100mm×100mmにカットし、10枚重ね
合わせ、一定の高さから数回落下させて、樹脂粉末の発
生量を測定した。 <積層板の成形>前記プリプレグ1枚の上下に厚さ18
μmの銅箔を重ねた。次いで圧力40kgf/cm2 、
温度170℃で60分間加熱加圧成形を行い、絶縁層厚
さ0.1mmの両面銅張積層板を得た。 <積層板の評価>板厚精度と成形性は、サイズ500m
m×500mmの両面銅張積層板をエッチングにより銅
箔を除去したものについて測定した。板厚精度は碁盤目
状に測定点を36点設定し、厚みを測定した。この平均
値と範囲を求め、板厚精度とした。成形性は、サイズ5
00mm×500mmの基板について空隙ボイドの有
無、その他異常は見られないか目視および光学顕微鏡に
より確認を行った。18μm銅箔ピール強度は、JIS
C 6481に準じて行った。半田耐熱性の測定は、片
面のみをエッチングし、50mm×50mmのサイズに
切断後、121℃、2.0気圧のプレッシャークッカー
条件で1時間および2時間の吸湿処理を行った。続い
て、260℃半田槽に120秒浸漬した後、フクレ、ミ
ーズリングの評価を目視および光学顕微鏡により確認を
行った。
0.8mmの両面銅張積層板の銅箔(厚さ35μm)の
表面に酸化処理(黒化処理)を施し、その上下に前記プ
リプレグを各1枚重ね、更にその上下に18μmの銅箔
を重ね、圧力40kgf/cm2 、温度170℃で12
0分間加熱加圧成形して4層回路基板を作成した。 <4層回路基板の評価>板厚精度は、サイズ500mm
×500mmの基板について碁盤目状に測定点を36点
設定し、厚みを測定た。この平均値と範囲を求め、板厚
精度とした。成形性は、サイズ500mm×500mm
の基板について空隙ボイドの有無、その他異常は見られ
ないか目視および光学顕微鏡により確認を行った。内層
ピール強度は、この基板の内層黒化処理銅箔とプリプレ
グの界面におけるピール強度をJIS C 6481に準
じて測定した。半田耐熱性の測定は、片面のみをエッチ
ングし、50mm×50mmのサイズに切断後、121
℃、2.0気圧のプレッシャークッカー条件で1時間お
よび2時間の吸湿処理を行った。続いて、260℃半田
槽に2分浸漬した後、フクレ、ミーズリングの評価を目
視および光学顕微鏡により確認を行った。
樹脂粉末の発生が少なく、板厚精度に優れ、かつ成形性
良好である。比較例1は従来方法で作成されたプリプレ
グの例であり、樹脂粉末の発生が実施例の場合よりも多
く、板厚精度が悪い。比較例2及び3は、初めに有機溶
剤を含浸する工程がないため、成形性が悪く、積層板に
はボイドが発生しており半田耐熱性も低下している。
明の方法により得られたプリプレグは、切断等において
樹脂粉末の発生が少なく、かつ良好な成形性を維持しつ
つ、成形後の基板の板厚精度を向上することができる。
Claims (9)
- 【請求項1】 (1)有機溶剤をガラス繊維基材に含浸
する工程、続いて、(2)熱硬化性樹脂をガラス繊維基
材に含浸し乾燥硬化する工程、次いで(3)この片側も
しくは両側に熱硬化性樹脂を塗布し乾燥する工程を有す
ることを特徴とするプリプレグの製造方法。 - 【請求項2】 工程(1)において、その含浸時間が3
0〜420秒である請求項1記載のプリプレグの製造方
法。 - 【請求項3】 工程(2)において、熱硬化性樹脂の付
着量がガラス繊維基材100重量部に対し40〜100
重量部である請求項1記載のプリプレグの製造方法。 - 【請求項4】 工程(2)において、乾燥硬化する工程
が100〜200℃の範囲である請求項1記載のプリプ
レグの製造方法。 - 【請求項5】 工程(3)における熱硬化性樹脂の付着
量が、工程(2)における熱硬化性樹脂の付着量100
重量部に対して、5〜250重量部である請求項1記載
のプリプレグの製造方法。 - 【請求項6】 工程(1)において、有機溶剤の蒸気圧
が、温度20〜50℃の範囲において、250mmHg
以下である請求項1記載のプリプレグの製造方法。 - 【請求項7】 有機溶剤としてN,N−ジメチルホルム
アミドを含有する請求項1記載のプリプレグの製造方
法。 - 【請求項8】 ガラス繊維基材が開繊処理されている請
求項1乃至7のいずれかに記載のプリプレグの製造方
法。 - 【請求項9】 請求項1乃至8のいずれかに記載のプリ
プレグを1枚又は2枚以上加熱成形することを特徴とす
る積層板の製造方法。
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