JP2002120984A

JP2002120984A - ターンテーブルを備えたホームエレベーター

Info

Publication number: JP2002120984A
Application number: JP2000316661A
Authority: JP
Inventors: Hajime Yada; 肇矢田; Hitoshi Ono; 仁大野
Original assignee: Sekisui House Ltd
Current assignee: Sekisui House Ltd
Priority date: 2000-10-17
Filing date: 2000-10-17
Publication date: 2002-04-23

Abstract

(57)【要約】【課題】車椅子利用者が容易に乗降可能なホームエレ
ベーターを提供する。【解決手段】カゴ２の床面に車椅子を載せて回転する
ターンテーブル１８を配し、該ターンテーブル１８をデ
テント機構により左右９０度の回転毎にロックするホー
ムエレベーターとする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、複数の階層からな
る住宅に設置されるホームエレベーターの構造に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】近年、高齢化社会への対応、障害者配慮
設計の観点から個人住宅に設置されるホームエレベータ
ーの需要が高まり、その設置台数は増加の一途を辿って
いる。特に、車椅子の乗降を可能とする広さのカゴを有
するホームエレベーターは、車椅子利用者が他階へ移動
する際には、非常に便利であるため、車椅子利用者を有
する家族構成においては、必須の設備となりつつある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、図５に示す構
成Ａのごとく、一般的なホームエレベーター４０におい
て、車椅子利用者が他階に移動後にホームエレベーター
４０から前向きに降りるためには、後ろ向きに進入する
こと、または、ホームエレベーター４０に前向きに進入
した後に後ろ向きに退出することが必要とされる。この
ように、車椅子利用者にとってエレベーターの乗降は不
便であった。また、一般住宅に配されるホームエレベー
ター４０のカゴの床面積は広く構成できないため、カゴ
内での車椅子の方向転換の動作は困難であり、特に介護
者が同乗する場合の方向転換には不便を極めるのであ
る。

【０００４】そこで、方向転換の動作の負担を解消する
ために、図６に示す構成Ｂ・Ｃのごとく、ホームエレベ
ーター４０を前面及び背面の両面に開口を有する構成と
することも可能であるが、その前面又は背面に車椅子の
通過を可能にする空間Ｄ・Ｅを確保する必要があり、他
の床面積の削減・間取り構成の制限という弊害を招くこ
とになる。

【０００５】以上の問題点から、本発明は、カゴ内での
車椅子の方向転換を容易にし、車椅子利用者の負担を軽
減する技術を提供する。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明の解決しようとす
る課題は以上のごとくであり、次に該課題を解決する為
の手段を説明する。すなわち、請求項１に記載のごと
く、カゴの床面に車椅子を載せて回転するターンテーブ
ルを備えたことである。

【０００７】また、請求項２に記載のごとく、上記ター
ンテーブルは、デテント機構により左右９０度の回転毎
にロックすることである。

【０００８】また、請求項３に記載のごとく、直角方向
の二側面にカゴ側扉を配し、各停止階のエレベーターホ
ールに前記カゴ側扉に対応する乗り場側扉を二箇所に配
したことである。

【０００９】

【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を、図
面に基づいて説明する。図１は本発明のホームエレベー
ターの全体構成を示す図、図２は本発明のホームエレベ
ーターを三階建て住宅に適用した実施例を示す図、図３
は同じく玄関の間取り構成図、図４は手摺付カウンター
の前面断面図、図５は従来の一般的なホームエレベータ
ーとエレベーターホールとの配置構成図、図６は直線方
向に二方向に出入り可能としたホームエレベーターとエ
レベーターホールとの配置構成図、図７は従来のホーム
エレベーターにターンテーブルを適用した実施例を表す
図である。

【００１０】図１に示すごとく、本発明に掲げるホーム
エレベーターは、住宅の各階層間を結ぶ昇降路１と、該
昇降路１内に配されるカゴ２と、該カゴ２を昇降させる
アクチュエータとなる油圧シリンダー３と、該油圧シリ
ンダー３の両側に配され、カゴ２の横揺れを防止するガ
イドレール４・４とから構成している。

【００１１】昇降路１には、紙面左側及び紙面下側の二
方向からカゴ２への出入りを可能とする開口５・６が構
成されている。また、該昇降路１の開口５・６が存在し
ない少なくとも１側面には、透過性のある壁面（以下、
ガラス面７とする）で構成されている。

【００１２】カゴ２には、前記昇降路１の開口５・６に
対応する方向に開口８・９が構成され、また、前記ガラ
ス面７に対応する方向の側面は透過性のある壁面（以
下、ガラス面１０とする）で構成している。

【００１３】尚、該ガラス面７及び前記ガラス面１０
は、昇降路１の外からはカゴ２内を見る事ができないよ
うに、一方向の透過性を有するもので構成してもよい
し、紫外線を遮断する機能を有するもので構成してもよ
い。このように、ガラス面７・１０は居住者の要望に合
わせて自由に選択できるものとする。

【００１４】開口８・９側で、昇降路１とカゴ２の間に
は、カゴ側扉２８・２９が配されている。該カゴ側扉２
８・２９は、三枚の扉を重ねて構成することで戸袋を小
さくすることを可能にし、ひいてはホームエレベーター
全体の床面積をコンパクトにする（昇降路１の占有床面
積を最小限に抑える）ことを可能にしている。

【００１５】各階には乗り場側扉２６・２６が配されて
いる。該乗り場側扉２６・２６は、上記カゴ側扉２８・
２９と連動して開閉するものであり、例えば、リニアモ
ーターを備える自動ドア等で構成される。また、該乗り
場側扉２６・２６は、各階のエレベーターホールの内装
と調和のとれた塗装・形状・質感を持たせた住宅内装ド
アとしている。尚、図１に示す乗り場側扉２６・２６
は、昇降路１の外側に配置した構成としているが、昇降
路１の内側に構成してもよい。

【００１６】該カゴ２の床面には、車椅子回転機構であ
るターンテーブル１８が設置されている。該ターンテー
ブル１８は、車椅子を載せた状態で回転することで、車
椅子利用者が車椅子の車輪を回転させることなく、車椅
子の方向を変えることを可能にするものである。該ター
ンテーブル１８は、その下部中央に垂直方向に配する回
転軸が軸受けによって支持されて回転可能とし、その左
右の回転はデテント機構により９０度の回転毎に保持さ
れる。但し、ロック機構を設ける構成としてもよい。こ
のようにデテント機構を配したのは、回転時にはターン
テーブル１８が軽い力でも回転可能とし、所望の角度
（９０度単位の回転）の回転後は、ロックがかかるよう
にして、車椅子が降りる際に適切な方向を向くことを可
能にすることで、車椅子利用者の負担を軽減するためで
ある。また、該ターンテーブル１８の上面の高さは、カ
ゴ２の他の部分と同一面となるように構成し、ターンテ
ーブル１８に車椅子を容易に載せることができるように
している。

【００１７】また、車椅子利用者は、該カゴ２の紙面右
側の側面に複数配された握り玉２７・２７・・・を握る
（掴む）ことにより、ターンテーブル１８を容易に回転
させることができる。

【００１８】握り玉２７・２７・・・を複数配する構成
としているのは、一般的な丸棒状のもので構成する場合
よりも、カゴ２内で占める体積を少なく構成することが
でき、カゴ２内を極力広く保てるからである。

【００１９】また、該ターンテーブル１８は、電動モー
ター等の動力で回転する構成として、スイッチ操作等で
車椅子利用者がターンテーブル１８を回転させる力を負
担しないで、車椅子の方向転換を可能としてもよい。

【００２０】該カゴ２内で、紙面上側の側面には、板体
のカウンター（以下手摺付カウンター１１とする）が配
され、該手摺付カウンター１１の前面には手摺１２が構
成されている。該手摺付カウンター１１の上には、重い
物や、大きい物を載せることが可能であり、各階移動の
際に、物を持つ負担を軽減することができる。また、観
葉植物や置物を置くことにより、カゴ２内をインテリア
空間として楽しむこともできる。

【００２１】該手摺付カウンター１１の下部には、図４
に示すごとく、収納部としての下駄箱１４を配置するこ
とで、空間を有効利用することができる。また、該下駄
箱１４の中には、車椅子の車輪を拭くための布等の用具
（車椅子利用者に必要となる用具）を収納することも可
能である。勿論、該下駄箱１４に限ることなく、一般的
な収納棚で構成してもよい。

【００２２】また、手摺１２は、図４に示すごとく、上
下回動可能であり、使用状態に応じて使い分けることが
できる。例えば、複数人が同乗し、カゴ２内が狭くなっ
た際には、上方（垂直方向）に回動させることで、カゴ
２内を広く使用することができ、また、手摺付カウンタ
ー１１の上に物を置く場合は、該手摺１２を下方に回動
させる（水平状態にする）ことにより、手摺付カウンタ
ー１１の上面を広く使うことができる。尚、該手摺１２
の回動部にはデテント機構が備えられ、手摺１２の固定
及び固定解除を容易に行うことができるようにしてい
る。

【００２３】以上のごとく構成したホームエレベーター
を適用した実施例を以下に説明する。図２は、三階建て
住宅に適用した実施例を表している。まず、一階１Ｆに
は、乗降扉８０・８１を配して、矢印Ｗ・Ｗに示すごと
く、二方向からの乗降を可能としている。通常玄関土間
３０には、上り框３３を有するので、玄関土間３０から
ホール３２に上がる際には、該上り框３３の分だけの段
差が生じているために、車椅子利用者にとっては、車椅
子に乗車したままでのホール３２に上がる作業は大変で
あった。本発明のホームエレベーターを導入すること
で、車椅子利用者は、カゴ２内に進入し、カゴ２の床面
をホール３２まで上昇させた後、図１に示すごとく、タ
ーンテーブル１８を９０度回転させることにより、カゴ
２からホール３２に前向きに出る事ができる。また、そ
の逆の動作（玄関土間３０に下りる作業）も同様に簡単
に行える。

【００２４】また、図６に示す構成Ｂ・Ｃのごとくの構
成においては、車椅子利用者の乗降作業が楽に行えると
いう利点があったが、車椅子を通過させる空間Ｄ・Ｅが
必要となり、間取りのプランニングが制限されるという
弊害があった。そこで、例えば、構成Ｃの場合におい
て、本発明のホームエレベーターを適用すれば、空間Ｅ
（図６に示す）を構成する必要がないので、ホームエレ
ベーターの設置による他の床面積の削減・間取りの制限
という弊害をなくすことができる。

【００２５】また、図２に示すごとく、二階２Ｆにおい
ても、乗り場側扉８２Ａ・８２Ｂを構成し、他階から移
動した際には、前記ターンテーブル１８を９０度回転す
るだけで、カゴ２から前向きに二階フロア２Ｈに出るこ
とができる。

【００２６】一方、三階３Ｆにおいては、一方向からの
みの乗降を可能とする乗り場側扉８３だけを配してい
る。こうして、乗り場側扉８３が存在しない側を内装壁
面６３で構成することにより、内装空間３Ｈを構成する
ことができる。尚、このように構成した場合は、車椅子
利用者がターンテーブル１８を１８０度回転しなければ
ならない場合が生じてしまうことなる（例えば三階３Ｆ
からホール３２に移動する場合）。そこで、このような
設計をする際には、車椅子利用者にとっての不都合と、
間取り構成の自由度とを比較検討すること必要がある。

【００２７】また、前述のごとく、昇降路１及びカゴ２
の一側面はガラス面７・１０で構成しているため、図１
及び図２に示すＲのごとく、昇降路１の外側を臨むこと
ができるので、カゴ２内を開放感に溢れたものにするこ
とができる。加えて、昇降路１の外側からは光が差し込
むので、カゴ２内を明るい雰囲気にすることができる。

【００２８】さらに、図２に示すごとく、昇降路１を天
井吹き抜けに構成し（屋根は透過性のあるガラス面等で
構成する）、かつ、カゴ２の天板にも同様に、透過性の
あるガラス面等を構成し、天井側からのＳに示すごとく
の採光を可能とすることもできる。こうして、日中は、
閉鎖感のあったカゴ２内の空間を、自然の光に包まれた
安らぎのある空間にすることができる。また、夜間の照
明においては、昇降路１の上部にトップライト８５・８
５を取り付けることで、例えば、カゴ２内の空間を静か
な光に包まれた空間として、効果的に演出することもで
きる。

【００２９】尚、本実施例では、昇降装置には油圧式の
ものを採用したが、油圧式に限るものではなく、ロープ
式及び空圧式を採用してもよい。ただし、本実施例のご
とくの油圧式の場合は、昇降装置の駆動部等は一階床面
及び床下面に配置することができるので、上記のごとく
天井からの採光を行う際には、採光のために屋根と昇降
路１内を結ぶ経路を容易に確保することができる。

【００３０】そして、前記下駄箱１４を構成することに
より、カゴ２内に靴を置く場所が確保できるため、玄関
土間３０から、ホール３２を介さずに直接他階に移動す
ることが可能である。その逆に、他階から玄関階に移動
した際にも、ホール３２を介さずに直接玄関土間３０に
出ることができる。また、このような構成にすること
で、玄関階のホール３２に上がることがないので、玄関
階に居る人には気づかれないままに移動可能なので、個
人のプライバシーを確保することが可能となる。また、
早朝・深夜の帰宅・外出の際においては、物音立てる等
して玄関階に居る人に迷惑をかける事がない。特に、二
世帯等の大人数が同居する場合においては、有効な効果
を奏する。

【００３１】以上に掲げた実施例においては、カゴ２に
二箇所のカゴ側扉２８・２９を配する構成とした。しか
し、本実施例に掲げるターンテーブル１８は、従来のホ
ームエレベーター、即ち、カゴ側扉を一箇所のみに有す
るホームエレベーターに適用した場合においても、有効
な効果を奏するのである。例えば、図７に示すごとく、
カゴ側扉を一箇所にのみに有するホームエレベーター４
０にターンテーブル１８を配することにより、矢印Ｈの
ごとく、車椅子利用者はホームエレベーター４０内に前
向きに進入した後、ホームエレベーター４０内のターン
テーブル１８で１８０度回転することで、矢印Ｉに示す
ごとくホームエレベーター４０から前向きに退出するこ
とが可能になる。この際の回転動作は、ターンテーブル
１８の回転動作により容易に行うことができるのであ
る。該実施例（カゴ側扉を一箇所のみに有するホームエ
レベーター４０を構成する場合）は、床面積に余裕がな
く、上述したごとくの二箇所のカゴ側扉２８・２９に対
してのエレベーターホール５０の空間を確保できない場
合には、特に有効である。

【００３２】

【発明の効果】本発明は以上のごとく構成したので、次
のような効果を奏するのである。すなわち、請求項１の
ごとく、カゴの床面に車椅子を載せて回転するターンテ
ーブルを備えたので、車椅子利用者が、階層間を移動す
る際において、車椅子の方向転換を容易に行え、車椅子
利用者の負担を軽減することができる。

【００３３】また、請求項２に記載のごとく、上記ター
ンテーブルは、デテント機構により左右９０度の回転毎
にロックするので、回転時にはターンテーブル１８が軽
い力でも回転可能とし、所望の角度（９０度単位の回
転）の回転後は、車椅子を適切な方向に向かせてその方
向を保持できる。

【００３４】また、請求項３に記載のごとく、直角方向
の二側面にカゴ側扉を配し、各停止階のエレベーターホ
ールに前記カゴ側扉に対応する乗り場側扉を二箇所に配
したので、ターンテーブル１８を９０度回転させるだけ
で、常にカゴ２内からエレベーターホールに前向き出る
ことが可能になり、車椅子利用者の負担を軽減すること
ができる。さらに、居住者の希望に合わせて、各階毎の
乗り場側扉の枚数を選択することにより、間取り構成の
自由度を広げることもできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】ホームエレベーターの全体構成を示す図であ
る。

【図２】本発明のホームエレベーターを三階建て住宅に
適用した実施例を示す図である。

【図３】同じく玄関の間取り構成図である。

【図４】手摺付カウンターの前面断面図である。

【図５】従来の一般的なホームエレベーターとエレベー
ターホールとの配置構成図である。

【図６】直線方向に二方向に出入り可能としたホームエ
レベーターとエレベーターホールとの配置構成図であ
る。

【図７】従来のホームエレベーターにターンテーブルを
適用した実施例を表す図である。

【符号の説明】

１昇降路２カゴ３油圧シリンダー４ガイドレール７ガラス面１０ガラス面１１手摺付カウンター１４下駄箱１８ターンテーブル２７握り玉

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】カゴの床面に車椅子を載せて回転するタ
ーンテーブルを備えたホームエレベーター。
【請求項２】上記ターンテーブルは、デテント機構に
より左右９０度の回転毎にロックする請求項１に記載の
ターンテーブルを備えたホームエレベーター。
【請求項３】直角方向の二側面にカゴ側扉を配し、各
停止階のエレベーターホールに前記カゴ側扉に対応する
乗り場側扉を二箇所に配した請求項１又は請求項２に記
載のターンテーブルを備えたホームエレベーター。