JP2002120610A - 座席シート - Google Patents
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Abstract
よび組立工数の削減、設計自由度の向上。 【解決手段】 クラッチユニットXは、自動車の座席シ
ートにおける着座シートのシート高さ調整装置に組込ま
れ、外輪1には操作レバーが結合され、出力軸2は着座
シートの昇降移動機構の回動部材に連結される。着座シ
ートからの逆入力トルクは、第2クラッチ部6によって
正逆両回転方向にロックされる。これにより、着座シー
トの高さ位置が保持される。操作レバーからの正逆両回
転方向の入力トルクは、第1クラッチ部5、内輪3、お
よびトルク伝達手段としてのピン3b1およびピン孔2
b3を介して出力軸2に伝達される。これにより、着座
シートが昇降移動する。
Description
に装備される座席シートに関する。
シートのシート高さ調整装置では、着座シートからの荷
重(シート自重および着座者の体重等)を支持するため
のブレーキ部を出力側機構に設け、該ブレーキ部の入力
軸に操作部材から正方向又は逆方向の入力トルクを入力
することによって着座シートの高さ調整を行うと共に、
操作部材を開放した状態での着座シートの位置をブレー
キ部で保持することによって着座シートの高さ位置に変
動が生じないようにしている。この場合、操作後の操作
部材の位置もブレーキ部によって保持されるので、操作
部材としてノブ(円形状の握り)を使用し、ノブの回転
操作によってブレーキ部に入力トルクを入力する構成に
している。このような構成の座席シートとして、例えば
特開2000−190762号公報に記載された構成が
知られており、図22および図23はその主要部を示し
ている。
アッパレール113がスライド自在に装着され、アッパ
レール113にフロントリンク331およびリアリンク
335を介してロアアーム121が連結される。着座シ
ートはロアアーム121に装着され、フロントリンク3
31およびリアリンク335のリンク動作に伴って昇降
する。
ブンギヤ371が回動自在に枢着され、ドリブンギヤ3
71の一端がリアリンク335のアーム部335aに連
結リンク377を介して連結される。ドリブンギヤ37
1のギヤ部は減速ギヤ機構のピニオン281と噛合し、
ピニオン281へは、減速ギヤ機構のギヤ283を介し
て、ブレーキ機構401のピニオン403からトルクが
入力される。
は、ストッパケース448内に、ストッパケース448
の内壁に圧接するようにトーションスプリング449を
装着した後、コア450と一体となったハンドル軸45
1をストッパケース448内に挿入し、コア450の切
欠き450aの側端部450b、450cをトーション
スプリング449の両端のフック部449a、449b
に当接可能とし、その後、ピニオン403の爪部452
をフック部449a、449b間に配置し、ピニオン4
03をハンドル軸451の一端に挿通することにより構
成されている。
ーションが刻設されたセレーション部451aが設けら
れ、セレーション部451aにリフト操作ハンドル43
9が取り付けられ、止輪447でもって抜け止めがなさ
れている。
その回動方向で決まる何れかのフック部449a若しく
は449bに、コア450の側端部450b若しくは4
50cが当接し、それを巻き込んでトーションスプリン
グ449の外径が縮まり、ストッパケース448の内壁
との圧接が解除され、トーションスプリング449はコ
ア450と共に回転し、コア450の側端部450b又
は側端部450cがピニオン403の爪部452を押し
てピニオン403が回転する。
速ギヤ機構のギヤ283およびピニオン281を介して
ドリブンギヤ371に入力され、ドリブンギヤ371が
時計方向又は反時計方向に揺動する。これにより、リア
リンク335が回動し、フロントリンク331およびリ
アリンク335がリンク動作を行って、ロアアーム12
1および着座シートが昇降する。一方、ピニオン403
から回動力を受けた際には、トーションスプリング44
9の外径が広がり、ストッパケース448の内壁への圧
接力がより増大し、ピニオン403は回転しない。従っ
て、ロアアーム121および着座シートはその位置を保
持する。
フロントチルト調整装置、すなわち、着座者の大腿部を
支持する着座シートの前部を、着座者の体格や好みなど
に応じて傾斜調整するための装置も装備されている。こ
のフロントチルト調整装置は次のようなものである。ク
ッションフレームは、前部クッションフレーム221と
後部クッションフレーム201とで構成され(前部クッ
ションフレーム221と後部クッションフレーム201
との間に弾性部材、例えば複数のSばねが橋渡し状に設
けられ、前部クッションフレーム221、後部クッショ
ンフレーム201、及び複数のSばね251によってク
ッションパッド521が支持される。)、前部クッショ
ンフレーム221はロアアーム121にピン503を介
して回動自在に枢着される。また、前部クッションフレ
ーム221には、上述したブレーキ機構401と同一構
成のブレーキ機構601が装着され、その出力軸側のピ
ニオン511が、ロアアーム121の先端部に設けられ
た歯501と噛合する。ブレーキ機構601のチルト操
作ハンドル(ブレーキ機構401のリフト操作ハンドル
439と同様のハンドル)を操作すると、ピニオン51
1が回転し、これにより、前部クッションフレーム22
1がロアアーム121に対してピン503を中心に回動
して、その位置が調整される。また、前部クッションフ
レーム221の調整後の位置がブレーキ機構601によ
って保持される。
てレバーを使用し、レバーとブレーキ部との間にラチェ
ット機構を設けて、レバーの揺動操作によるトルク入力
と、操作後のレバーの自動復帰とを可能にしたものあ
る。このような構成の座席シートとして、例えば特開2
000−280799号公報に記載された構成が知られ
ており、図24および図25はその主要部を示してい
る。
アッパレール120がスライド自在に装着され、アッパ
レール120にフロントリンク210およびリアリンク
220を介してロアアーム130が連結される。着座シ
ートはロアアーム130に装着され、フロントリンク2
10およびリアリンク220のリンク動作に伴って昇降
運動する。
アーム240が回動自在に枢着され、ギヤアーム240
の一端がリアリンク220のアーム部にリンク250を
介して連結される。ギヤアーム240のセクタギヤ部2
41は減速ギヤ機構の小径ギヤ232と噛合し、小径ギ
ヤ232へは、減速ギヤ機構の大径ギヤ231を介し
て、ピニオン315からトルクが入力される。ピニオン
315へは、ハンドル機構300のハンドル301か
ら、ヒンジピン310およびブレーキ機構400を介し
てトルクが入力される。尚、ハンドル機構300および
ブレーキ機構400はロアアーム130の背面側に設け
られる。
設けられたブレーキ機構400を覆うように、ベースプ
レート320が配設される。ブレーキ機構400とベー
スプレート320との間に挿入されるハンドル301の
中間部が、ピン321を用いてベースプレート320に
回転可能に取り付けられる。
製の取手309が取り付けられる。ヒンジピン310は
ブレーキ機構400を挿通し、外部に突出し、ベースプ
レート320に形成された穴に回転可能に嵌合してい
る。
ル301の回転中心であるピン321を中心とする円弧
状の長穴303が形成され、この長穴303にブレーキ
機構400から突出したヒンジピン310が遊嵌してい
る。
間のヒンジピン310には、セレーション等の手段によ
りラチェット330が固着されている。ヒンジピン31
0には、ベースプレート320に当接可能なEリング3
60が係合しヒンジピン310のロアアーム130方向
の抜け止めがなされる。
の端部側がラチェット330を挟むように設けられたポ
ール340、340’の中間部がピン341、341’
を用いて回動可能に設けられている。
には、ラチェット330に噛合可能な歯343、34
3’が形成される。また、各ポール340、340’の
他方の端部側には、ハンドル301に形成されたポール
当接部305、305’が当接可能なハンドル当接部3
47、347’が形成される。
の端部側には、ロアアーム130側に折曲された折曲部
345、345’が形成され、一方の端部が折曲部34
5に他方の端部が折曲部345’に係止されたスプリン
グ350によって、ポール340、340’は、歯34
3、343’がラチェット330より離れる方向に付勢
され、各ポール340、340’のハンドル当接部34
7、347’は、ハンドル301のポール当接部30
5、305’に当接する。
中間位置に、ヒンジピン310が位置している。ブレー
キ機構400の外周を巻回するように設けられたスプリ
ング390の端部391、392は、ハンドルの301
の取手309から離れる方向に延出している。
ベースプレート320には、折曲してスプリング390
の端部391、392間に位置する折曲部323が形成
されている。
グ390の端部391、392間に位置するスプリング
フック395が取り付けられている。
らの回転力に対しては、ヒンジピン310を回転可能と
し、ピニオン315からの回転力に対しては、ヒンジピ
ン310の回転を拘束する機能をもったものである。こ
こでは、ブレーキ機構400の構造の説明は省略する。
の取手309を上方に引き上げると、ハンドル301は
ピン321を中心に回転する。そうすると、ハンドル3
01のポール当接部305がポール340のハンドル当
接部347を押し、ポール340はスプリング350の
付勢力に抗してピン341を中心に回転し、ポール34
0の歯343がラチェット330に係合する。略同時
に、ハンドル301の長穴303の上部端部がヒンジピ
ン310に当接し、これ以降は、ハンドル301の回転
中心はヒンジピン310となり、ハンドル301の回転
は、ラチェット330を介して、ラチェット330が固
着されたヒンジピン310に伝達され、ヒンジピン31
0が時計方向に回転する。この時、ベースプレート32
0もヒンジピン310を中心に回転し、折曲部323が
スプリング390の端部392を押し、スプリング39
0を縮径方向へ弾性変形させる。
と、図24において、ピニオン315が反時計方向に回
転し、これにより、ロアーアーム130はアッパレール
120に対して下降する。そして、所望の高さになった
時点で、ハンドル301の取手309への操作力を解除
すると、スプリング390の弾性復元力によって、ベー
スプレート320、ハンドル301は中立位置に回転復
帰する。さらに、スプリング350の弾性復元力によ
り、ハンドル301は、その長穴303の略中間位置に
ヒンジピン310が位置するまで回転復帰する。尚、図
1において、ハンドル301の取手309を下方へ押し
下げた場合は、上記とは逆の動作を行う。
762号公報に記載された座席シートでは、着座シート
(ロアアーム121)を最下位置と最上位置との間で昇
降移動させるのに、操作ノブ(操作ハンドル439)を
回転操作するが、通常、自動車のドアと座席シートとの
間の間隔部は狭く、操作者はこの狭い間隔部に手を入れ
て操作ノブを一定量回転させ、一旦持ち替えて、さらに
操作ノブを回転させるという操作を繰り返さなければな
らない。そのため、操作性が良くないという問題点があ
る。また、円形状の操作ノブでは、操作力を軽くしよう
とするとノブ外径を大きくする必要があるが、操作者が
握って操作することができるノブ外径には限度がある。
そのため、操作力が重くなる傾向にある。これらの問題
点は、シート高さ調整装置のみならず、フロントチルト
調整装置にも該当する。一方、特開2000−2807
99号公報に記載された座席シートでは、操作レバー
(ハンドル301)を揺動操作して一旦手を離すと、ス
プリング390の弾性復元力によって操作レバーが中立
位置に復帰するが、その際、ポール340、340’の
歯がラチェット330の歯の上を滑るので、滑り音が発
生するという問題がある。また、スプリング390の端
部391、392が外部に露出しているため、操作レバ
ーの揺動操作時に、端部391、392がシートの表皮
やバッド等に引っ掛かり、表皮やバッド等の傷付き、操
作性の悪化につながる可能性がある。また、上記2件の
公報に記載された座席シートでは、スプリングの圧接力
でブレーキ力を与える構造のブレーキ機構を採用してお
り、強いブレーキ力は期待できない。そのため、着座シ
ート側からの逆入力トルクがドリブンギヤ(セクタギ
ヤ)からブレーキ機構のピニオンに直接入力されると、
その逆入力トルクがブレーキトルクよりも大きくなって
着座シートの位置を保持できなくなる可能性があり、こ
れを防止するために、ドリブンギヤ(セクタギヤ)とブ
レーキ機構のピニオンとの間に減速ギヤ機構(図22の
ギヤ283及びピニオン281、図24の大径ギヤ23
1及び小径ギヤ232)を介装して、ブレーキ機構のピ
ニオンに入力される逆入力トルクを減少させている。し
かしながら、このような減速ギヤ機構を介装することに
より、操作部材の操作によるピニオンの回転量に対しド
リブンギヤの回転量が減少するため、操作回数が多くな
って、操作性が良くないという問題点がある。また、減
速ギヤ機構を配置する必要があることで、部品点数が増
加すると共に(減速ギヤ機構自身に加え、例えば、減速
ギヤ機構のピニオンとドリブンギヤとの噛み合い保持の
ため、減速ギヤ機構の軸方向移動を規制するプレートな
ども必要になる。)、組立工数も増加するという問題点
がある。さらに、減速ギヤ機構が存在することで、操作
部材及びドリブンギヤのレイアウトが制約され、設計上
の自由度が小さくなるという問題点もある。
の操作性が良く、しかも騒音発生のない座席シートを提
供することにある。本発明の他の目的は、部品点数が少
ないため構造が簡単で、設計自由度の高い座席シートを
提供することにある。
め、本発明は、操作部材からのトルク入力によってシー
トの位置調整を行うシート調整装置を有する座席シート
において、シート調整装置は、操作部材としての操作レ
バーと、シートの所要部位を調整移動可能とする移動機
構と、操作レバーと移動機構の回動部材との間に介在す
るクラッチユニットとを備え、クラッチユニットが、操
作レバーに結合される入力側部材と、移動機構の回動部
材に連結される出力側部材と、入力側部材と出力側部材
との間のトルク伝達経路に介在する制御部材と、回転が
拘束される静止側部材と、入力側部材と前記制御部材と
の間に設けられた第1クラッチ部と、静止側部材と出力
側部材との間に設けられた第2クラッチ部とを備えた構
成を提供する。この構成において、操作レバーからの入
力トルクはクラッチユニットの第1クラッチ部および制
御部材を介して出力側部材に伝達され、これにより移動
機構の回動部材が回動してシートの所要部位が調整移動
する。一方、シート(移動機構)からの逆入力トルクは
クラッチユニットの第2クラッチ部を介して静止側部材
との間でロックされ、これによりシートの位置が保持さ
れる。したがって、操作レバーの操作によってシートの
位置を調整することができ、また、調整後のシートの位
置を保持することができる。また、入力側部材と制御部
材との間に第1クラッチ部を設けているので、シートの
位置調整後に、操作レバー(及び入力側部材)を中立位
置(入力トルクが入力される前の位置)に復帰させるこ
とが可能であり、その場合でも復帰時の動作が円滑でラ
チェット機構のような騒音発生の問題も生じない。
着座シートの高さを調整するシート高さ調整装置、着座
シートの前部を傾斜調整するフロントチルト調整装置、
着座シートの前後位置を調整するシートスライド調整装
置、背もたれシートを傾斜調整するシート傾斜調整装置
が含まれる。上記構成において、第1クラッチ部は、操
作レバーからの入力トルクに対して入力側部材と制御部
材とをロックするロック手段と、操作レバーが解放され
たときに操作レバー(及び入力側部材)を入力トルクが
入力される前の中立位置に復帰させる復帰手段とを備え
た構成とすることができる。この構成によれば、シート
の位置調整後に操作レバーを解放すると、操作レバー
(及び入力側部材)が復帰手段により中立位置まで自動
復帰するので、操作性が向上する。
係合力、摩擦力、磁気力、電磁力、流体圧力、流体粘性
抵抗力、微粒子媒体などによって回転拘束力を与えるも
のが含まれるが、構造や制御機構の簡素化、動作の円滑
化、コストの面等から楔係合力によって回転拘束力を与
えるものが好ましい。具体的には、入力側部材と制御部
材との間に楔隙間を形成し、この楔隙間に対して係合子
を楔係合・離脱させることによって、ロック・空転を切
換える構成とするのが良い。この構成には、楔隙間を形
成するためのカム面を入力側部材又は制御部材に設けた
構成(係合子としてローラ、ボール等の円形断面のもの
を用いる。)、楔隙間を形成するためのカム面を係合子
に設けた構成(係合子として非円形断面のスプラグ等を
用いる。)が含まれる。
に設けられた円周面と、入力側部材に設けられ、円周面
との間に正逆両回転方向に楔隙間を形成するカム面と、
カム面と円周面との間に介在する係合子とを備えた構成
とし、復帰手段は、係合子を保持する保持器と、保持器
を非回転部材に回転方向に連結する弾性部材とを備えた
構成とすることができる。
クが入力されると、入力側部材の回動に伴い、カム面が
係合子に対して回転方向に相対移動して、係合子が楔隙
間に係合する。これにより、入力側部材からの入力トル
クが係合子を介して制御部材に伝達され、入力側部材、
係合子、保持器、及び制御部材が一体となって回動す
る。その際、保持器の回動に伴い、保持器を非回転部材
に回転方向に連結する弾性部材が撓み、その撓み量に応
じた弾性力が弾性部材に蓄積される。そして、入力側部
材を所定量回動させたのち開放すると、弾性部材に蓄積
された弾性力によって保持器に回動力が働き、係合子が
保持器に押されてカム面を押圧することにより、係合
子、保持器、及び入力側部材が制御部材に対して空転し
て、中立位置に復帰する。
して連結する非回転部材を静止側部材とすることによ
り、構造の簡略化を図ることができる。また、入力側部
材の回動範囲を規制するストッパ部を静止側部材に設け
ることにより、入力側部材の回動量が過大となって、弾
性部材に無理な力が加わるのを防止することができると
同時に、構造の簡略化を図ることができる。さらに、係
合子、保持器、および弾性部材を入力側部材の内部に収
容した構成とすることにより、入力側部分がコンパクト
になると同時に、入力側部分に突起物がなくなるので、
操作レバーの動作時に入力側部分の突起物によってシー
トの表皮やパッド等を噛込むといった不都合がなく、操
作性が向上し、また座席シートの設計自由度も向上す
る。尚、カム面は入力側部材に直接形成しても良いし、
カム面を有する部材を入力側部材に装着しても良い。ま
た、係合子としては、ローラを用いるのが好ましい。
らの逆入力トルクに対して出力側部材と静止側部材とを
ロックするロック手段と、操作レバーからの入力トルク
に対してロック手段によるロック状態を解除するロック
解除手段と、ロック手段によるロック状態が解除された
状態のときに制御部材と出力側部材との間で入力トルク
を伝達するトルク伝達手段とを備えた構成とすることが
できる。この構成によれば、シートの位置調整を操作レ
バーからの入力トルクの入力操作で行い、かつ、調整後
のシートの位置を自動的に保持することができるので、
操作性が向上する。
係合力、摩擦力、磁気力、電磁力、流体圧力、流体粘性
抵抗力、微粒子媒体などによって回転拘束力を与えるも
のが含まれるが、構造や制御機構の簡素化、動作の円滑
化、コストの面等から楔係合力によって回転拘束力を与
えるものが好ましい。また、楔係合力によって回転拘束
力を与える構成とすることにより、前述した従来のブレ
ーキ機構に比べて、大きな回転拘束力(ブレーキ力)を
得ることができるので、従来構成における減速ギヤ機構
を省略することが可能となる。具体的には、出力側部材
と静止側部材との間に楔隙間を形成し、この楔隙間に対
して係合子を楔係合・離脱させることによって、ロック
・空転を切換える構成とするのが良い。また、この構成
には、楔隙間を形成するためのカム面を出力側部材又は
静止側部材に設けた構成(係合子としてローラ、ボール
等の円形断面のものを用いる。)、楔隙間を形成するた
めのカム面を係合子に設けた構成(係合子としてスプラ
グ等を用いる。)が含まれる。
材に設けられた円周面と、出力側部材に設けられ、円周
面との間に正逆両回転方向に楔隙間を形成するカム面
と、カム面と円周面との間に介在する一対の係合子と、
一対の係合子間をそれぞれ楔隙間の向きに押圧する弾性
部材とを備え、ロック解除手段は、一対の係合子のうち
何れか一方と択一的に係合して、これを楔隙間の向きと
反対方向に押圧する係合要素を備え、トルク伝達手段
は、制御部材および出力側部材に設けられた回転方向の
係合要素を備えた構成とすることができる。
ら出力側部材に一方向の逆入力トルクが入力されると、
一対の係合子のうち一方がその方向の楔隙間と楔係合し
て、出力側部材を静止側部材に対して一方向にロック
し、シート(移動機構)から出力側部材に他方向の逆入
力トルクが入力されると、一対の係合子のうち他方がそ
の方向の楔隙間と楔係合して、出力側部材を静止側部材
に対して他方向にロックする。従って、シート(移動機
構)からの逆入力トルクに対して、出力側部材は一対の
係合子を介して静止側部材に対して正逆両回転方向にロ
ックされる。一方、操作レバーから入力側部材に入力ト
ルクが入力されると、先ず、ロック解除手段の係合要素
が一対の係合子のうち、その入力トルクの方向に楔隙間
と楔係合する係合子を該楔隙間の向きと反対方向に押圧
して、該楔隙間から離脱させる。これにより、出力側部
材のロック状態がその入力トルクの方向に解除される。
次に、出力側部材のロック状態が解除された状態で、制
御部材および出力側部材に設けられた回転方向の係合要
素が相互に係合する。これにより、操作レバーから入力
側部材に入力された入力トルクが、入力側部材→第1ク
ラッチ部→制御部材→トルク伝達手段(係合要素)→出
力側部材→移動機構という経路で伝達され、シートが調
整移動する。
と、トルク伝達手段によるトルク伝達とを逐次的かつ確
実に行わせるため、ロック解除手段およびトルク伝達手
段の中立位置における、ロック解除手段の係合要素と係
合子との間の回転方向隙間δ1と、トルク伝達手段の係
合要素間の回転方向隙間δ2とを、δ1<δ2の関係に
設定することができる。また、ロック解除手段を制御部
材に設けた構成とすることにより、構造や制御機構の簡
素化を図ることができる。さらに、トルク伝達手段を、
制御部材および出力側部材のうち一方に設けられた凸部
と、他方に設けられ、凸部と適合する凹部で構成するこ
とができる。具体的には、凸部としてのピンを制御部材
に設け、凹部としてのピン孔を出力側部材に設けること
ができ、その場合、ピンおよびピン孔をクラッチ軸方向
に設けることができる。尚、カム面は出力側部材に直接
形成しても良いし、カム面を有する部材を出力側部材に
装着しても良い。また、係合子としては、ローラを用い
るのが好ましい。
作を円滑かつ安定させると共に、第1クラッチ部や第2
クラッチ部に偏荷重が加わるのを防止し又は抑制するた
め、出力側部材をラジアル方向に支持するラジアル軸受
を配置することができる。このラジアル軸受は、別体の
転がり軸受や滑り軸受を配置することによって構成する
こともできるが、構造の簡素化と部品点数削減のため、
制御部材、又は静止側部材に固定された固定側板にラジ
アル軸受部を具備させることができる。また、制御部材
および静止側部材の双方にラジアル軸受部を具備させ、
出力側部材を両ラジアル軸受部で両持ち的に支持した構
造とすることにより、上記の効果を一層高めることもで
きる。
に対して第2クラッチ部でロックされるが、入力トルク
に対してこの第2クラッチ部によるロック状態が解除さ
れたとき、逆入力トルクがトルク伝達手段を介して入力
側に還流する場合がある。この逆入力トルクの還流現象
は、操作レバーを操作する際の抵抗力や着座シートの急
激な下降動作等となって現れることがある。そこで、こ
の逆入力トルクの還流現象を防止し又は抑制するため、
出力側部材に対して回転方向の制動力を与える制動手段
をさらに具備させることができる。ここでの制動力に
は、摩擦力、磁気力、電磁力、流体圧力、流体粘性抵抗
力等が含まれる。
材に固定された固定側板又は静止側部材と出力側部材と
の間に介装することができる。また、制動手段を、制動
力としての摩擦力を出力側部材に与える摩擦部材で構成
することができる。本発明の座席シートは、シートの位
置調整を操作レバーの揺動操作によって行うことができ
るので、従来シートに比べて操作性が良く、しかも騒音
発生の問題もない。また、従来シートに比べて部品点数
が少ないため構造が簡単で、設計自由度が高く、特に小
型車や大衆車用に極めて有用である。上記の効果は、特
に、上述の構成をシート高さ調整装置及び/又はフロン
トチルト調整装置に適用した場合に顕著に発揮される。
前者の場合、移動機構として、着座シートをフロア側に
設けられる部材に対して昇降自在に支持する四節リンク
機構と、クラッチユニットの出力側部材の回動動作を四
節リンク機構のリンク動作に変換するためのギヤ機構と
を有する構成を採用することができる。そして、より具
体的には、上記のギヤ機構を、クラッチユニットの出力
側部材に連結されたピニオンギヤと、ピニオンギヤと噛
合し、ピニオンギヤの回動に伴う揺動動作によって四節
リンク機構にリンク動作力を与えるセクタギヤとを有す
るものとすることができ、これにより、前述した従来構
成における減速ギヤ機構を省略して、部品点数および組
立工数を削減し、設計自由度を高めることが可能とな
る。
従って説明する。
座席シートのシート高さ調整装置(31:図18及び図
19参照)に組込まれるクラッチユニットXの全体構成
を示している。このクラッチユニットXは、入力側部材
としての外輪1と、出力側部材としての出力軸2と、制
御部材としての内輪3と、静止側部材としての外輪4
と、外輪1と内輪3との間に設けられた第1クラッチ部
5と、外輪4と出力軸2との間に設けられた第2クラッ
チ部6とを主要な要素として構成される。
ている。外輪1の外周には、外径側に突出した複数(例
えば3つ)のリブ1aと、複数(例えば3つ)のリブ1
bとが円周方向に所定間隔で形成される。リブ1aの軸
方向一端側部分は凹部1a1によって二股状に分割さ
れ、リブ1aの軸方向他端側部分は外輪1の他端から軸
方向に突出して、突出部1a2を形成する。リブ1bに
は、軸方向のねじ孔1b1が形成される。これらリブ1
aおよび1bは、外輪1の外周に装着される操作レバー
(13:図1、図8参照)と回転方向に係合して、操作
レバー(13)の外輪1に対する相対回転を防止する。
操作レバー(13)の外輪1に対する軸方向相対移動
は、リブ1bのねじ穴1b1に操作レバー(13)をね
じ結合することによって防止される。突出部1a2の内
周には、後述する第1クラッチ部(5)のセンタリング
バネ(12:図10参照)が収容される。また、突出部
1a2が後述する外輪(4:図5参照)のストッパ部
(4a1)と回転方向に係合することによって、外輪1
の回動範囲が規制される。
鍔部1cが形成される。この鍔部1cは、後述する第1
クラッチ部(5)の保持器(11:図1、図9参照)を
軸方向の一方に抜け止め規制すると共に、外輪1の内輪
3に対する同軸性を保持する役割を持つ。また、外輪1
の内周には、複数(例えば10個)のカム面1dが円周
方向に等間隔で形成される。各カム面1dは、円周方向
中央部が深く、そこから円周方向両側に向かって傾斜状
に浅くなっている。
素鋼、軸受鋼等の鋼材から鍛造加工によって成形され、
浸炭焼入れ焼戻し、浸炭窒化焼入れ焼戻し、高周波焼入
れ焼戻し、ずぶ焼入れ焼戻し等の適宜の熱処理が施され
る。この実施形態では、外輪1を形成する鋼材として肌
焼鋼(例えばクロムモリブデン鋼SCM415)を使用
し、これに熱処理として浸炭焼入れ焼戻しを行って、少
なくともカム面1dにおける表層部の表面硬さをHRC
57〜62に調整している。ここで、HRCはロックウ
ェル硬さのCスケールを表し、HVはビッカース硬さを
表している。尚、外輪1は、鋼材の削出し品、鋼鈑(例
えば冷間圧延鋼鈑)のプレス成形品とすることもでき
る。
している。出力軸2は、一端側にジャーナル部2a、中
央側に大径部2b、他端側に連結部2cを備えている。
ジャーナル部2aは、後述する内輪(3:図4参照)の
ラジアル軸受面(3a1)に挿入される。大径部2bの
外周には、複数(例えば8つ)のカム面2b1が円周方
向に等間隔で形成される。各カム面2b1は、出力軸2
の軸心を中心とする円に対して弦をなす平坦面状に形成
され、その円周方向中央部には後述する第2クラッチ部
(6:図14参照)の板バネ(21)を装着するための
軸方向溝2b2が形成される。また、大径部2bの一端
側部分には軸方向の複数(例えば8つ)のピン孔2b3
が円周所定間隔に形成される。これらピン孔2b3には
後述する内輪(3:図4参照)のピン(3b1)が挿入
される。また、大径部2bの他端側部分には環状凹部2
b4が形成される。この環状凹部2b4には後述する摩
擦部材(9:図7参照)が装着され、また、環状凹部2
b4の内周壁2b5は、後述する固定側板(7:図6参
照)のラジアル軸受面(7e2)に挿入されるジャーナ
ル面になる。連結部2cには、他の回動部材(図19に
示すピニオンギヤ31g)を連結するための歯型2c1
が形成される。
炭素鋼、軸受鋼等の鋼材から鍛造加工によって成形さ
れ、浸炭焼入れ焼戻し、浸炭窒化焼入れ焼戻し、高周波
焼入れ焼戻し、ずぶ焼入れ焼戻し等の適宜の熱処理が施
される。この実施形態では、出力軸2を形成する鋼材と
して肌焼鋼(例えばクロムモリブデン鋼SCM415)
を使用し、これに熱処理として浸炭焼入れ焼戻しを行っ
て、表層部の表面硬さをHRC57〜62に調整してい
る。尚、出力軸2は、鋼材の削出し品とすることもでき
る。
いる。内輪3は、筒状部3aと、筒状部3aの一端から
外径側に延びたフランジ部3bと、フランジ部3bの外
径端から軸方向の一方に延びた複数(例えば8本)の柱
部3cとを主体として構成される。筒状部3aは、出力
軸2のジャーナル部2aに外挿され、かつ、外輪1の内
部に内挿される。筒状部3aの他端側部分の内周には、
出力軸2のジャーナル部2aをラジアル方向に支持する
ラジアル軸受面3a1が形成され、筒状部3aの他端側
部分の外周には、外輪1のカム面1dとの間に正逆両回
転方向に楔隙間を形成する円周面3a2が形成される。
フランジ部3bには、軸方向の一方に突出した複数(例
えば8つ)のピン3b1が円周方向に所定間隔で形成さ
れる。これらピン3b1は、出力軸2のピン孔2b3に
それぞれ挿入される。また、円周方向に隣接した柱部3
c間には、軸方向の一方に向かって開口したポケット3
c1が形成され、これらポケット3c1に後述する第2
クラッチ部(6:図14参照)のローラ(20)が収容
される。
素鋼、軸受鋼等の鋼材から鍛造加工によって成形され、
浸炭焼入れ焼戻し、浸炭窒化焼入れ焼戻し、高周波焼入
れ焼戻し、ずぶ焼入れ焼戻し等の適宜の熱処理が施され
る。この実施形態では、内輪3を形成する鋼材として肌
焼鋼(例えばクロムモリブデン鋼SCM415)を使用
し、これに熱処理として浸炭焼入れ焼戻しを行って、表
層部の表面硬さをHRC57〜62に調整している。
尚、内輪3は、鋼材の削出し品、鋼鈑(例えば冷間圧延
鋼鈑)のプレス成形品とすることもできる。
ている。外輪4は、半径方向に延びたフランジ部4a
と、フランジ部4aの内径端から軸方向の一方に突出し
た係止部4bと、フランジ部4aの外径端から軸方向の
他方に延びた筒状部4cと、筒状部4cの一端から外径
側に突出した鍔部4dとを主体として構成される。フラ
ンジ部4aには、軸方向の一方に突出した複数(例えば
3つ)のストッパ部4a1が円周方向に所定間隔で配列
形成される。これらストッパ部4a1は、外輪1の突出
部1a2と回転方向に係合して、外輪1の回動範囲を規
制する。係止部4bは、例えば円弧状に一対で形成され
る。係止部4bは、内輪3の筒状部3aの外周に外挿さ
れ、かつ、後述する第1クラッチ部(5)の保持器(1
1:図9参照)の係止部(11b)の内周に内挿され
る。また、一方の係止部4bの両端には、後述する第1
クラッチ部(5)のセンタリングバネ(12:図10参
照)の係合部(12a)が係止される。
2b1との間に正逆両回転方向に楔隙間を形成する円周
面4c1が形成される。鍔部4dには、複数(例えば3
つ)の円弧状の切欠き部4d1と、複数(例えば6つ)
の矩形状の切欠き部4d2とが円周方向に所定間隔で形
成される。切欠き部4d1は、後述する固定側板(7)
の加締部材(8:図1参照)と適合する。切欠き部4d
2は、固定側板(7:図6参照)の凸部(7c)と回転
方向に係合して、外輪4の固定側板(7)に対する相対
回転を防止する。鍔部4dには、固定側板(7)の爪部
(7d)が加締固定される。
素鋼、軸受鋼等の鋼材から鍛造加工によって成形され、
浸炭焼入れ焼戻し、浸炭窒化焼入れ焼戻し、高周波焼入
れ焼戻し、ずぶ焼入れ焼戻し等の適宜の熱処理が施され
る。この実施形態では、外輪4を形成する鋼材として肌
焼鋼(例えばクロムモリブデン鋼SCM415)を使用
し、これに熱処理として浸炭焼入れ焼戻しを行って、表
層部の表面硬さをHRC57〜62に調整している。
尚、外輪4は、鋼材の削出し品、鋼鈑(例えば冷間圧延
鋼鈑)のプレス成形品とすることもできる。
示している。固定側板7は、半径方向に延びたフランジ
部7aと、フランジ部7aの外径端から外径側に突出し
た複数(例えば3つ)のブラケット部7bと、フランジ
部7aの外径端から軸方向の一方に突出した複数(例え
ば6つ)の凸部7cおよび複数(例えば3つ)の爪部7
dと、フランジ部7aの内径端から軸方向の一方に突出
したボス部7eとを主体として構成される。3つのブラ
ケット部7bは円周方向に所定間隔で形成され、それぞ
れに貫通孔7b1が形成される。貫通孔7b1には、図
1に示す中空ピン状の加締部材8が挿入される。尚、加
締部材8をブラケット部7bに一体形成しても良い。6
つの凸部7cは円周方向に所定間隔で形成され、それぞ
れ、外輪4の切欠き部4d2と回転方向に係合して、外
輪4の固定側板7に対する相対回転を防止する。3つの
爪部7dは円周方向に所定間隔で形成され、それぞれ、
外輪4の鍔部4dに加締加工されて、外輪4の固定側板
7に対する軸方向相対移動を防止する。
つ)の凸部7e1が円周方向に所定間隔で形成され、内
周にはラジアル軸受面7e2が形成される。ボス部7e
は出力軸2の環状凹部2b4に挿入され、ボス部7eの
外周と環状凹部2b4の外周壁との間に後述する摩擦部
材(9:図7参照)が締代をもって圧入される。ボス部
7eの凸部7e1は摩擦部材(9)の凹部(9a)と回
転方向に係合して、摩擦部材(9)の固定側板7に対す
る相対回転を防止する。ボス部7eのラジアル軸受面7
e2は、環状凹部2b4のジャーナル面2b5に外挿さ
れ、ジャーナル面2b5をラジアル方向に支持する。
鋼鈑材からプレス加工によって成形される。この実施形
態では、固定側板7を形成する鋼板材として冷間圧延鋼
鈑(例えばSPCE)を使用している。また、爪部7d
を加締加工する際の加工性等に配慮して、熱処理は施し
ていない。尚、爪部7d等の加締加工を行う部位に防炭
処理(又は防炭防窒処理)を施して、浸炭焼入れ焼戻し
(又は浸炭窒化焼入れ焼戻し)を行っても良い。
している。この実施形態において、摩擦部材9はリング
状のもので、その内周には複数(例えば6つ)の凹部9
aが円周方向に所定間隔で形成される。凹部9aは、固
定側板7のボス部7eの凸部7e1と回転方向に係合し
て、摩擦部材9の固定側板7に対する相対回転を防止す
る。
料で形成され、固定側板7のボス部7eの外周と、出力
軸2の環状凹部2b4の外周壁との間に締代をもって圧
入される。摩擦部材9の外周と環状凹部2b4の外周壁
との間に生じる摩擦力によって、出力軸2に回転方向の
制動力(摩擦制動力)が与えられる。この制動力(制動
トルク)の大きさは、出力軸2に入力される逆入力トル
クの大きさを勘案して適宜設定すれば良いが、逆入力ト
ルクの還流現象を効果的に防止する観点から、想定され
る逆入力トルクと同程度、例えば着座シートに着座者が
着座した状態で出力軸2に作用する逆入力トルクと同程
度の大きさに設定するのが良い。この実施形態のよう
に、制動手段として摩擦部材9を用いると、制動力を摩
擦部材9の締代調整によって設定し、また変更できると
いう利点がある。
実施形態では、摩擦部材9を合成樹脂材料、例えばポリ
アセタール(POM)にグラスファイバを30重量%配
合した合成樹脂材料の射出成形品としている。
チ部5を示している。第1クラッチ部5は、外輪1に設
けられた複数(例えば10個)のカム面1dと、内輪3
に設けられた円周面3a2と、カム面1dと円周面3a
2との間に介在する係合子としての複数(例えば10
個)のローラ10と、ローラ10を保持する保持器11
と、保持器4を外輪(4)に回転方向に連結する弾性部
材、例えばセンタリングバネ(12:図10参照)とを
主要な要素として構成される。カム面1d、円周面3a
2、及びローラ10によってロック手段が構成され、保
持器11およびセンタリングバネ(12)によって復帰
手段が構成される。カム面1dは、円周面3a2との間
に正逆両回転方向に楔隙間を形成する。また、外輪1に
は操作レバー13が結合され、操作レバー13から外輪
1に正方向又は逆方向の入力トルクが入力される。ま
た、外輪1の内周と内輪3(筒状部3a)の外周との間
の空間部、特にカム面1dと円周面3a2との間にグリ
ースが封入されている。グリースの種類は特に問わない
が、この実施形態のクラッチユニットを自動車の座席シ
ート調整装置に用いる場合は、真夏時の炎天下での駐車
時等に乗員室内が80°C程度の高温になることを考慮
し、リチウム系、ウレア系、ベントン系、ナトリウム系
等の潤滑油、又は、極圧添加剤を含まない潤滑油を基油
とし、かつ、基油の粘度が10〜1000cSt(at
37.8°C)である潤滑グリースを用いるのが好まし
い。
11は、ローラ10を収容する複数(例えば10個)の
窓形のポケット11aと、一方の端面から軸方向の一方
に突出した係止部11bを備えている。係止部11b
は、例えば円弧状に一対で形成される。係止部11bは
外輪4の係止部4bの外周に外挿され、その両端にはセ
ンタリングバネ(12:図10参照)の係合部(12
a)が係止される。
実施形態では、保持器11を合成樹脂材料、例えばポリ
アミド66(PA66)にグラスファイバを30重量%
配合した合成樹脂材料の射出成形品としている。
いる。センタリングバネ12は、内径側に屈曲した一対
の係合部12aを備えている。一対の係合部12aは、
円周方向に所定間隔で対向する。センタリングバネ12
は例えば線材で形成され、この実施形態では、線材とし
てピアノ線材(SWPB)を使用している。
2a間の間隔を自然状態から円周方向に押し広げて(こ
の時、センタリングバネ12は若干縮径する。)、保持
器11の係止部11bおよび外輪4の係止部4bに係止
する。これにより、保持器11がセンタリングバネ12
を介して外輪4に回転方向に連結される。例えば、保持
器11が同図(c)で外輪4に対して時計方向に相対回
転すると、センタリングバネ12の時計方向(回転方向
前方)の係合部12aが保持器11の係止部11bに押
されて時計方向に弾性変位する{反時計方向(回転方向
後方)の係合部12aは外輪4の係止部4bに係止され
る。}。これにより、センタリングバネ12は一対の係
合部12a間の間隔が押し広げられる方向(縮径する方
向)に撓み、その撓み量に応じた弾性力が蓄積される。
尚、保持器11が同図(c)で反時計方向に相対回転し
た場合も、上記とは逆の動作によってセンタリングバネ
12に弾性力が蓄積される。
1クラッチ部5の作用について説明する。尚、図11〜
図13において、センタリングバネ12および外輪4は
模式化され、概念的に示されている。また、操作レバー
13も記載が省略されている。
示している(図8に示す状態)。中立位置において、ロ
ーラ10はカム面1dの中央部に位置し、カム面1dと
円周面3a2との間に形成される正逆両回転方向の楔隙
間からそれぞれ離脱する。ローラ10の直径は、カム面
1dの中央部と円周面3a2との間の半径方向距離より
も若干小さく設定されており、ローラ10とカム面1d
の中央部および円周面3a2との間には半径方向隙間が
ある。尚、後述するように、出力軸2から入力される逆
入力トルクは第2クラッチ部6で正逆両回転方向にロッ
クされる。従って、内輪3は、操作レバー13(外輪
1)から入力される入力トルクに対してのみ回動動作を
行い、出力軸2から逆入力トルクが入力されても回動せ
ず、その位置を保持する。
て、外輪1に入力トルクを入力した時の状態を示してい
る。例えば、同図において、外輪1に反時計方向の入力
トルクが入力されると、外輪1の回動に伴い、カム面1
dがローラ10に対して反時計方向に相対移動して、ロ
ーラ10がその方向の楔隙間に楔係合する。これによ
り、外輪1からの入力トルクがローラ10を介して内輪
3に伝達され、外輪1、ローラ10、保持器11、およ
び内輪3が一体となって反時計方向に回動する。そし
て、保持器11の回動に伴ってセンタリングバネ12が
撓み、その撓み量に応じた弾性力fが蓄積される。尚、
外輪1の回動量の最大範囲は、外輪1の突出部1a2と
外輪4のストッパ部4a1との係合によって規制され
る。
ー13(外輪1)を開放した時の状態を示している。セ
ンタリングバネ12に蓄積された弾性力fによって、保
持器11に時計方向の回動力が働き、ローラ10が保持
器11に押されてカム面1dを押圧する。そうすると、
外輪1が開放されているので、ローラ10、保持器1
1、および外輪1が内輪3に対して時計方向に空転し
て、図11に示す中立位置に復帰する。その際、内輪3
は、図12の回動操作によって与えられた回動位置をそ
のまま維持する。従って、図12の回動操作を繰り返し
行った場合では、内輪3に各回動操作ごとの回動量が重
畳的に蓄積される。尚、図11において、外輪1に時計
方向の入力トルクが入力された場合は、上記とは逆の動
作を行う。
ッチ部6を示している。第2クラッチ部6は、外輪4に
設けられた円周面4c1と、出力軸2に設けられた複数
(例えば8つ)のカム面2b1と、各カム面2b1と円
周面4c1との間に介在する係合子としての一対(例え
ば総数8対)のローラ20と、一対のローラ20間に介
在する弾性部材、例えば断面U字形の板バネ21と、内
輪3の柱部3cと、内輪3のピン3b1および出力軸2
のピン孔2b3とを主要な要素として構成される。カム
面2b1、円周面4c1、一対のローラ20、および板
ばね21によってロック手段が構成され、一対のローラ
20の円周方向両側に位置する内輪3の柱部3cによっ
てロック解除手段が構成され、内輪3のピン3b1およ
び出力軸2のピン孔2b3によってトルク伝達手段が構
成される。尚、この実施形態において、板バネ21はス
テンレス鋼(例えばSUS301CPS−H)で形成
し、熱処理としてテンパー処理を施している。また、外
輪4の内周と出力軸2(大径部2b)の外周との間の空
間部、特にカム面2b1と円周面4c1との間にグリー
スが封入されている。グリースの種類は特に問わない
が、真夏時の炎天下での駐車時等に自動車の乗員室内が
80°C程度の高温になることを考慮し、リチウム系、
ウレア系、ベントン系、ナトリウム系等の潤滑油、又
は、極圧添加剤を含まない潤滑油を基油とし、かつ、基
油の粘度が10〜1000cSt(at37.8°C)
である潤滑グリースを用いるのが好ましい。
おいて、一対のローラ20は板ばね21によって、それ
ぞれ、カム面2b1と円周面4c1との間に形成される
正逆両回転方向の楔隙間の方向に押圧される。この時、
内輪3の各柱部3cと各ローラ20との間にはそれぞれ
回転方向隙間δ1が存在する。また、内輪3のピン3b
1と出力軸2のピン孔2b3との間には正逆両回転方向
にそれぞれ回転方向隙間δ2が存在する。回転方向隙間
δ1と回転方向隙間δ2とは、δ1<δ2の関係を有す
る。回転方向隙間δ1の大きさは、例えば0〜0.4m
m(第2クラッチ部6の軸心を中心として0〜1.5
°)程度、回転方向隙間δ2の大きさは、例えば0.4
〜0.8mm(第2クラッチ部6の軸心を中心として
1.8〜3.7°)程度である。
計方向の逆入力トルクが入力されると、反時計方向(回
転方向後方)のローラ20がその方向の楔隙間と楔係合
して、出力軸2が外輪4に対して時計方向にロックされ
る。出力軸2に反時計方向の逆入力トルクが入力される
と、時計方向(回転方向後方)のローラ20がその方向
の楔隙間と楔係合して、出力軸2が外輪4に対して反時
計方向にロックされる。従って、出力軸2からの逆入力
トルクは、第2クラッチ部6によって正逆両回転方向に
ロックされる。
で時計方向)が第1クラッチ部5を介して内輪3に入力
され、内輪3が同図で時計方向に回動を始めた初期状態
を示している。回転方向隙間がδ1<δ2に設定されて
いるため、先ず、内輪3の反時計方向(回転方向後方)
の柱部3cがその方向(回転方向後方)のローラ20と
係合して、これを板ばね21の弾性力に抗して時計方向
(回転方向前方)に押圧する。これにより、反時計方向
(回転方向後方)のローラ20がその方向の楔隙間から
離脱して、出力軸2のロック状態が解除される{尚、時
計方向(回転方向前方)のローラ20は、その方向の楔
隙間とは楔係合しない。}。従って、出力軸2は時計方
向に回動可能となる。
17に示すように、内輪3のピン3b1が出力軸2のピ
ン孔2b3と時計方向に係合する。これにより、内輪3
からの時計方向の入力トルクがピン3b1およびピン孔
2b3を介して出力軸2に伝達され、出力軸2が時計方
向に回動する。外輪1に反時計方向の入力トルクが入力
された場合は、上記とは逆の動作で出力軸2が反時計方
向に回動する。従って、外輪1からの正逆両回転方向の
入力トルクは、第1クラッチ部5、内輪3、およびトル
ク伝達手段としてのピン3b1およびピン孔2b3を介
して出力軸2に伝達され、出力軸2が正逆両回転方向に
回動する。尚、内輪3からの入力トルクがなくなると、
板ばね21の弾性復元力によって図15に示す中立位置
に復帰する。
4、第1クラッチ部5、第2クラッチ部6、固定側板7
および摩擦部材9を図1に示す態様でアッセンブリする
と、クラッチユニットXが完成する。外輪1には例えば
樹脂製の操作レバー13が結合され、出力軸2は後述す
るピニオンギヤ(31g:図19参照)に連結される。
また、固定側板7は図示されていないケーシング等の固
定部材に加締部材8で加締固定される。尚、外輪1は、
鍔部1cの外側に装着されたワッシャ18と外輪4のフ
ランジ部4aとの間で軸方向の両側に抜け止め規制され
る。
バネ12は外輪1の突出部1a2の内周に収容され、外
輪1の一方の端面と外輪4のフランジ部4aとの間で軸
方向の両側に抜け止め規制される。また、保持器11お
よびローラ10は、外輪1の鍔部1cと外輪4のフラン
ジ部4aとの間で軸方向の両側に抜け止め規制される。
第1クラッチ部5の保持器11、ローラ10、およびセ
ンタリングバネ12が外輪1の内部に収容されており、
入力側部分に突出した部分がない。また、保持器11の
係止部11bが外輪4の係止部4bの外周に外挿され、
保持器11の回動が外輪4の係止部4bによって案内さ
れるので、回動時の保持器11の傾きがなく、円滑なク
ラッチ動作が可能である。
とで囲まれた空間部に径方向および軸方向にコンパクト
に収められている。また、ロック解除手段としての柱部
3cと、トルク伝達手段としてのピン3b1が内輪3に
一体に設けられているので、部品点数が少なく、構造も
簡単である。
3a1と固定側板7のラジアル軸受面7e2によって両
持ち的に支持する構造であるため、出力軸2の回動動作
が安定し、しかも第1クラッチ部5および第2クラッチ
部6に偏荷重が作用しにくく、円滑なクラッチ動作が可
能である。
の実施形態の座席シート30を示している。座席シート
30は着座シート30aと背もたれシート30bとで構
成され、着座シート30aの高さHを調整するシート高
さ調整装置31、背もたれシート30bの傾斜θを調整
するシート傾斜調整装置32、および着座シート30a
の前後位置Lを調整するシートスライド調整装置(図示
省略)を備えている。着座シート30aの高さHの調整
はシート高さ調整装置31の操作レバー31a(図8の
操作レバー13に対応する。)によって行い、背もたれ
シート30bの傾斜θの調整はシート傾斜調整装置32
の操作レバー32aによって行い、着座シート30aの
前後位置Lの調整はシートスライド調整装置の操作レバ
ー(図示省略)によって行う。上述したクラッチユニッ
トXは、シート高さ調整装置31に組込まれる。
の一構造例を概念的に示している。フロア側に設けられ
たシートスライドアジャスタ31bのスライド可動部材
31b1(図22のアッパレール113に対応する。)
にリンク部材31c、31dの一端がそれぞれ回動自在
に枢着され、リンク部材31c、31dの他端がそれぞ
れ着座シート30aに回動自在に枢着される(図22の
ロアアーム121に対応する部位に枢着される。)。こ
れにより、着座シート30aがスライド可動部材31b
1に対して四節リンク機構で昇降自在に支持される。セ
クタギヤ31fは、例えば着座シート30aに回動自在
に枢着され(図22のロアアーム121に対応する部位
に枢着される。)、支点(ピン)31f1回りに揺動可
能である。また、セクタギヤ31fは、リンク部材31
eを介してリンク部材31cの他端に回動自在に枢着さ
れる。この実施形態では、リンク部材31c及び31d
を有する四節リンク機構と、セクタギヤ31f及びこれ
に直接噛合するピニオンギヤ31gからなるギヤ機構
と、セクタギヤ31fを四節リンク機構のリンク部材3
1cに連結するリンク部材31eとによって、着座シー
ト30aの昇降移動機構が構成される。上述したクラッ
チユニットXは、固定側板7を介して着座シート30a
の適宜の部位(例えば、図22のロアアーム121に対
応する部位)に固定され、その外輪1に例えば樹脂製の
操作レバー31aが結合され、出力軸2に昇降移動機構
の回動部材、この実施形態ではピニオンギヤ31gが連
結される。
ー31aを反時計方向(上側)に揺動操作すると、その
方向の入力トルクがクラッチユニットXを介してピニオ
ンギヤ31gに伝達され、ピニオンギヤ31gが反時計
方向に回動する。そして、ピニオンギヤ31gと噛合す
るセクタギヤ31fが時計方向に揺動して、リンク部材
31cの他端をリンク部材31eを介して引っ張る。そ
の結果、リンク部材31cとリンク部材31dが共に起
立して、着座シート30aの座面が高くなる。すなわ
ち、クラッチユニットXの出力軸2の回動動作が、ピニ
オンギヤ31gを介してセクタギヤ31fの揺動動作に
変換され、このセクタギヤ31fの揺動動作がリンク部
材31eを介して四節リンク機構のリンク動作に変換さ
れる。このようにして、着座シート30aの高さHを調
整した後、操作レバー31aを開放すると、操作レバー
31aが第1クラッチ部5のセンタリングバネ12の弾
性力(弾性復元力)によって時計方向に回動して元の位
置(中立位置)に戻る。尚、操作レバー31aを時計方
向(下側)に揺動操作した場合は、上記とは逆の動作に
よって、着座シート31aの座面が低くなる。また、高
さ調整後に操作レバー31aを開放すると、操作レバー
31aが反時計方向に回動して元の位置(中立位置)に
戻る。
ば、操作レバー31aの揺動操作のみで着座シート30
aの高さHを調整することができるので操作性が良く、
しかも、高さ調整後の着座シート30aの高さ位置を自
動的に保持することができる。また、高さ調整後に操作
レバー31aを開放すると、操作レバー31aを中立位
置に自動復帰させることができ、その場合でも復帰時の
動作が円滑でラチェット機構のような騒音発生の問題も
生じない。また、第2クラッチ部6は、着座シート30
aからの逆入力トルクに対して、ローラ20とカム面2
b1及び円周面4c1との楔係合力によって回転拘束力
を与えるので、前述した従来のブレーキ機構に比べて、
大きな回転拘束力(ブレーキ力)を得ることができる。
そのため、従来構成における減速ギヤ機構を省略して、
セクタギヤ31fをピニオンギヤ31gに直接噛合させ
ることができる。これにより、操作性を向上させ、部品
点数および組立工数を削減し、設計自由度を高めること
が可能となる。さらに、摩擦部材9によって出力軸2に
回転方向の制動力を与えているので、操作レバー31a
の操作時における逆入力トルクの還流現象がなく(又は
少なく)、安定した調整操作が可能である。
セクタギヤ31fの揺動動作によるリンク動作力をリン
ク部材31cに入力する構成にしているが、セクタギヤ
31fを他のリンク部材を介してリンク部材31dに連
結し、セクタギヤ31fの揺動動作によるリンク動作力
をリンク部材31dに入力する構成としても良い。ま
た、上記構成のクラッチユニットXは、図22に示すよ
うなフロントチルト調整装置に用いることもできる。こ
の場合、クラッチユニットXは前部クッションフレーム
(221)に装着し、その出力軸側のピニオン(51
1)を、ロアアーム(121)の先端部に設けられた歯
(501)と噛合させる。上述したクラッチユニットX
に代えて、図20に示すクラッチユニットY、あるい
は、図21に示すクラッチユニットZを用いることもで
きる。
したクラッチユニットXと異なる点は、ゴムや合成樹脂
等の弾性材料からなる摩擦部材9に代えて、バネ弾性を
有する摩擦部材15を制動手段として用いている点にあ
る。摩擦部材15はバネ鋼等の金属材料で形成され、出
力軸2の環状凹部2b4の外周壁に装入される装着部1
5aと、装着部15aの一端に連続した鍔部15bと、
鍔部15bから外径側に突出した複数(例えば8つ)の
突出部15cとを備えている。装着部15aは出力軸2
の環状凹部2b4の外周壁に締り嵌めで装着され、摩擦
部材15の出力軸2に対する相対回転を防止する。突出
部15cは、半径方向に延びた半径方向部15c1と、
半径方向部15c1の先端から傾斜状に延びた舌片部1
5c2とを備え、舌片部15c2が外輪4の内周に締代
をもって圧接する。摩擦部材15の舌片部15c2が外
輪4の内周に締代をもって圧接することにより、出力軸
2に回転方向の制動力(摩擦制動力)が与えられる。
尚、摩擦部材15の装着部15aは、出力軸2の環状凹
部2b4の外周壁に相対回転を防止しうる態様で装着す
れば良く、上記の締り嵌めによる装着(圧入)の他、回
転方向に凹凸係合する態様で装着しても良い。その他の
事項は上述したクラッチユニットXと同様であるので、
説明を省略する。
したクラッチユニットXと異なる点は、ゴムや合成樹脂
等の弾性材料からなる摩擦部材9に代えて、バネ弾性を
有する摩擦部材16を制動手段として用いている点にあ
る。摩擦部材16はバネ鋼等の金属材料で形成され、固
定側板7のボス部7eに装着される装着部16aと、装
着部16aの一端に連続した鍔部16bと、鍔部16b
から外径側に突出した複数(例えば12個)の突出部1
6cとを備えている。装着部16aには複数(例えば1
2個)の切欠き部16a1が形成され、これら切欠き部
16a1は固定側板7のボス部7eに形成された凸部と
回転方向に係合して、摩擦部材16の固定側板7に対す
る相対回転を防止する。突出部16cは、円弧状に湾曲
した湾曲部16c1と、湾曲部16c1の先端から傾斜
状に延びた舌片部16c2とを備え、舌片部16c2が
出力軸2の環状凹部2b4の外周壁に締代をもって圧接
する。摩擦部材16の舌片部16c2が出力軸2の環状
凹部2b4の外周壁に締代をもって圧接することによ
り、出力軸2に回転方向の制動力(摩擦制動力)が与え
られる。尚、摩擦部材16の装着部16aは、固定側板
7のボス部7eに相対回転を防止しうる態様で装着すれ
ば良く、上記の回転方向に凹凸係合する態様の他、締り
嵌めによる装着(圧入)としても良い。その他の事項は
上述したクラッチユニットXと同様であるので、説明を
省略する。
時の操作性が良く、かつ、騒音発生がなく、しかも部品
点数が少ないため構造が簡単で、設計自由度の高い座席
シートを提供することができる。
示す縦断面図である。
縦断面図{図2(b)}、部分正面図{図2(c)}で
ある。
(a)}、縦断面図{図3(b)}である。
断面図{図4(b)}である。
縦断面図{図5(b)}である。
{図6(b)}である。
(a)}、正面図{図7(b)}である。
断面}である。
(a)}、縦断面図{図9(b)}、横断面図{図9
(c)}である。
面図{図10(a)}、正面図{図10(b)}、装着
図{図10(c)}である。
る(中立位置)。
る(トルク伝達時)。
る(復帰時)。
A断面}である。
断面図である(中立位置)。
断面図である(ロック解除時)。
断面図である(トルク伝達時)。
を示す概念図である。
{図19(a)}、クラッチユニット周辺部の拡大図
{図19(b)}である。
す縦断面図{図20(a)}、摩擦部材の正面図{図2
0(b)}、断面図{図20(c)}である。
す縦断面図{図21(a)}、摩擦部材の正面図{図2
1(b)}、断面図{図21(c)}である。
分解斜視図である。
側面図である。
Claims (12)
- 【請求項1】 操作部材からのトルク入力によってシー
トの位置調整を行うシート調整装置を有する座席シート
において、前記シート調整装置は、前記操作部材として
の操作レバーと、シートの所要部位を調整移動可能とす
る移動機構と、前記操作レバーと前記移動機構の回動部
材との間に介在するクラッチユニットとを備え、 前記クラッチユニットは、前記操作レバーに結合される
入力側部材と、前記移動機構の回動部材に連結される出
力側部材と、前記入力側部材と前記出力側部材との間の
トルク伝達経路に介在する制御部材と、回転が拘束され
る静止側部材と、前記入力側部材と前記制御部材との間
に設けられた第1クラッチ部と、前記静止側部材と前記
出力側部材との間に設けられた第2クラッチ部とを備え
たことを特徴とする座席シート。 - 【請求項2】 前記第1クラッチ部は、前記操作レバー
からの入力トルクに対して前記入力側部材と前記制御部
材とをロックするロック手段と、前記操作レバーが解放
されたときに前記操作レバーおよび前記入力側部材を入
力トルクが入力される前の中立位置に復帰させる復帰手
段とを備えている請求項1記載の座席シート。 - 【請求項3】 前記ロック手段は、前記制御部材に設け
られた円周面と、前記入力側部材に設けられ、前記円周
面との間に正逆両回転方向に楔隙間を形成するカム面
と、前記カム面と前記円周面との間に介在する係合子と
を備え、前記復帰手段は、前記係合子を保持する保持器
と、前記保持器を非回転部材に回転方向に連結する弾性
部材とを備えている請求項2記載の座席シート。 - 【請求項4】 前記第1クラッチ部の前記係合子、前記
保持器、および前記弾性部材が、前記入力側部材の内部
に収容されている請求項3記載の座席シート。 - 【請求項5】 前記第2クラッチ部は、前記移動機構か
らの逆入力トルクに対して前記出力側部材と前記静止側
部材とをロックするロック手段と、前記操作レバーから
の入力トルクに対して前記ロック手段によるロック状態
を解除するロック解除手段と、前記ロック手段によるロ
ック状態が解除された状態のときに前記制御部材と前記
出力側部材との間で入力トルクを伝達するトルク伝達手
段とを備えている請求項1記載の座席シート。 - 【請求項6】 前記ロック手段は、前記静止側部材に設
けられた円周面と、前記出力側部材に設けられ、前記円
周面との間に正逆両回転方向に楔隙間を形成するカム面
と、前記カム面と前記円周面との間に介在する一対の係
合子と、前記一対の係合子をそれぞれ前記楔隙間の向き
に押圧する弾性部材とを備え、前記ロック解除手段は、
前記一対の係合子のうち何れか一方と択一的に係合し
て、これを前記楔隙間の向きと反対方向に押圧する係合
要素を備え、前記トルク伝達手段は、前記制御部材およ
び前記出力側部材に設けられた回転方向の係合要素を備
えている請求項5記載の座席シート。 - 【請求項7】 前記ロック解除手段および前記トルク伝
達手段の中立位置における、前記ロック解除手段の係合
要素と前記係合子との間の回転方向隙間δ1と、前記ト
ルク伝達手段の係合要素間の回転方向隙間δ2が、δ1
<δ2の関係を有する請求項6記載の座席シート。 - 【請求項8】 前記クラッチユニットは、前記出力側部
材に対して回転方向の制動力を与える制動手段をさらに
備えている請求項1から7の何れかに記載の座席シー
ト。 - 【請求項9】 前記シート調整装置は、着座シートの高
さを調整するシート高さ調整装置である請求項1から8
の何れかに記載の座席シート。 - 【請求項10】 前記移動機構は、前記着座シートをフ
ロア側に設けられる部材に対して昇降自在に支持する四
節リンク機構と、前記クラッチユニットの出力側部材の
回動動作を前記四節リンク機構のリンク動作に変換する
ためのギヤ機構とを有する請求項9記載の座席シート。 - 【請求項11】 前記ギヤ機構は、前記クラッチユニッ
トの出力側部材に連結されたピニオンギヤと、前記ピニ
オンギヤと噛合し、前記ピニオンギヤの回動に伴う揺動
動作によって前記四節リンク機構にリンク動作力を与え
るセクタギヤとを有する請求項10記載の座席シート。 - 【請求項12】 前記シート調整装置は、着座シートの
前部を傾斜調整するフロントチルト調整装置である請求
項1から8の何れかに記載の座席シート。
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