JP2002119822A - 水素透過材料およびその製造方法 - Google Patents

水素透過材料およびその製造方法

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JP2002119822A
JP2002119822A JP2001012054A JP2001012054A JP2002119822A JP 2002119822 A JP2002119822 A JP 2002119822A JP 2001012054 A JP2001012054 A JP 2001012054A JP 2001012054 A JP2001012054 A JP 2001012054A JP 2002119822 A JP2002119822 A JP 2002119822A
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Katsuhisa Konta
勝久 紺田
Shinichi Nakagawa
伸一 中川
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Yazaki Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水蒸気存在下高温での使用によっても経時変
化の少ない優れた水素透過材料を提供する。 【解決手段】 連続細孔を有する多孔質材料の表面に、
水素を選択透過する水素選択透過層が配された水素透過
材料であって、該水素選択透過層が、酸化アルミニウ
ム、二酸化ケイ素、および、ケイ素−ジルコニウム複合
酸化物から選ばれた1種以上からなり、かつ、少なくと
も該水素選択透過層の表面に、フッ素、チタン、塩素、
臭素、イットリウム、インジウム、ビスマスおよびセリ
ウムから選ばれた1種以上を含有する水素透過材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水素透過材料技術
に関する。
【0002】
【従来の技術】水素透過材料は水素ガスとその他のガス
との混合ガス中から水素ガスを効率よく取り出すことが
できる材料として、特に、燃料電池用途での使用を主な
用途として、開発が急速に進められている。
【0003】このような水素透過材料として、連続細孔
を有する無機多孔質材料を支持体として、その表面の細
孔の径より小さい細孔を有する薄膜分離層を形成させた
ものが検討されている。
【0004】このような薄膜分離層を形成する方法とし
ては、ゾルゲル法、CVD法、噴霧法などが提案されて
いる。これら方法の中で特にゾルゲル法またはCVD法
により形成されたシリカ薄膜では高い水素分離性能が得
られ、また、同じくゾルゲル法またはCVD法によるシ
リカ−ジルコニア複合酸化物の薄膜では高い耐熱性が得
られる。
【0005】水素透過材料に関する技術として特開平8
−38864号公報では、多孔質セラミックス膜の両側
に圧力差を設け、この高圧側(外表面側)からCVD法
などで気化させたシリカ(シリカ源としてテトラ低級ア
ルコキシシランを用いることが推奨)を多孔質セラミッ
クス膜の細孔内に吸引させながら、その細孔内に担持さ
せて細孔を閉塞させ、膜の外表面側にシリカ薄膜を形成
する技術により水素選択透過性を向上させることが提案
されている。
【0006】しかしながら、上記のような従来技術に係
る分離膜の内、シリカ、あるいは、シリカ−ジルコニア
などの分離膜は、水蒸気存在下の高温(500℃程度以
上)使用で水素透過係数が経時的に低下することが知ら
れている(中国電力株式会社・技研時報 第92号 1
999年2月25日発行)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した従
来の問題点を改善する、すなわち、水蒸気存在下での水
素分離用途に応用しても経時劣化の少ない水素透過材料
を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の水素透過材料は
上記課題を解決するため、請求項1に記載の通り、連続
細孔を有する多孔質材料の表面に、水素を選択透過する
水素選択透過層が配された水素透過材料であって、該水
素選択透過層が、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、お
よび、ケイ素−ジルコニウム複合酸化物から選ばれた1
種以上からなり、かつ、少なくとも該水素選択透過層の
表面に、フッ素、チタン、塩素、臭素、イットリウム、
インジウム、ビスマスおよびセリウムから選ばれた1種
以上を含有する水素透過材料である。このような水素透
過材料は、その特有の構成により水蒸気存在下での水素
分離用途に応用しても経時劣化の少ない水素透過材料で
ある。
【0009】上記のような水素透過材料は、例えば請求
項5に記載の通り、連続細孔を有する多孔質材料の表面
に、水素を選択透過する水素選択透過層が配された水素
透過材料の製造方法において、上記多孔質材料の表面に
ゾルゲル法によって微細孔を有する酸化物層を形成し、
次いで、この酸化物層にフッ素イオン、チタンイオン、
塩素イオン、臭素イオン、イットリウムイオン、インジ
ウムイオン、ビスマスイオンおよびセリウムイオンから
選ばれた1種以上のイオンをイオン注入することによっ
て水素選択透過層を形成することによって容易かつ安定
的に製造することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の水素透過材料では、その
水素選択透過層が、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、
および、ケイ素−ジルコニウム複合酸化物から選ばれた
1種以上からなることが必要である。これら以外の材料
では充分に高い水素選択透過性が得られにくく、また、
高温での長期耐久性に乏しい。
【0011】さらに、このような水素選択透過層の層厚
が10μm以上であると特に良好な水素透過性能が得ら
れ、かつ、水蒸気存在下での高温使用によっても経時変
化を殆ど生じない水素透過材料とすることができる。な
お、この水素選択透過層の層厚は走査型電子顕微鏡など
により計測することができる。
【0012】上記の水素選択透過膜のベースとなる連続
細孔を有する多孔質材料の形状としては中空管状(繊維
状素材から形成した織布、不織布などからなる中空管形
状のものを含む)、板状(繊維状素材から形成した織
布、不織布などからなる板形状のものを含む)が挙げら
れる。また、連続細孔を有する多孔質材料の材質として
はセラミックス、ステンレス、あるいはニッケルのいず
れかであると、充分な耐久性が得られる。
【0013】上記の水素選択透過膜のベースとなる連続
細孔を有する多孔質材料として、混合ガス側となる表面
における細孔の径と分離されて得られる水素ガス側とな
る表面の細孔の径が異なる、いわゆる非対称型多孔質材
料であると、水素選択透過層の形成が容易であり、か
つ、耐久性の高い水素透過材料とすることができ、ま
た、そのとき高い水素選択分離性能が得られる。
【0014】このとき混合ガス側となる表面における細
孔の径としては100Å以上5000Å以下、分離され
て得られる水素ガス側となる表面の細孔の径としては5
000Å以上10000Å以下であることが望ましい。
【0015】ここで、混合ガス側となる表面における細
孔の細孔径が5000Åを越えて大きいとこの多孔質材
料の表面に水素選択透過層を形成した際に、その厚さを
薄くすると充分な水素選択透過性が得られない場合があ
り、さらに、厚くすると水素選択透過層自体にクラック
等の瑕疵が生じやすくなり、また充分な透過速度が得ら
れない場合がある。
【0016】このような非対称型多孔質材料のうち、セ
ラミック製のものとして、例えば日本ガイシなどから中
空管形状の非対称型無機多孔質材料が入手可能であり、
好適に使用できる。
【0017】本発明の水素選択透過膜は、ゾルゲル法を
利用して形成することにより水素を選択透過する細孔の
平均細孔径を最適な範囲(10Å以上20Å以下)に制
御することが極めて容易であり、このような範囲の細孔
径を有する細孔により水素の選択透過性が高いものとす
ることができる。
【0018】ゾルゲル法とは、コーティングする目的成
分(目的元素)を有するゾル溶液を用いてコーティング
する材料表面にゾル液膜を形成し、これをゲル化する工
程を有する方法であり、その後適当な温度で熱処理し、
目的の化学的組成を有する薄膜を得る技術である。
【0019】なお、ゾル液膜形成の方法としては、ゾル
液に目的材料を浸漬した後、その材料を引き上げる方法
(引き上げ法)、材料を回転させておいてこれにゾル溶
液を振りかける方法(スピン法)、ゾル液を材料表面に
噴霧する方法(スプレー法)などの方法があり、ベース
とする多孔質材料の形状あるいは必要なコーティング厚
などによって選択する。なお、これら方法は所定の厚さ
になるまで繰り返して行うことができる。
【0020】一般にゾルゲル法で用いるゾル溶液は、目
的成分(目的元素)のアルコキシドとアルコール類、水
などの溶剤とから形成される。本発明の水素透過材料の
水素選択透過膜をゾルゲル法を利用して得るためには、
アルコキシ基を有するアルミニウム化合物、アルコキシ
基を有するケイ素化合物、あるいは、アルコキシ基を有
するケイ素化合物とアルコキシ基を有するジルコニウム
化合物との両者を有するゲル溶液を用いることで容易に
実施することができる。
【0021】ここでアルコキシ基を有するケイ素化合物
としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラ
ン、等、アルコキシ基を有するジルコニウム化合物とし
てはジルコニウムプロポキシド(Zr(0CH2CH2
34)、ジルコニウムブトキシド(Zr(0CH2
2CH2CH34)等、アルコキシ基を有するアルミニ
ウム化合物としてはアルミニウムイソプロポキシド(A
l(CH(CH32 3)、アルミニウムブトキシド
(Al(0CH2CH2CH2CH33)等が挙げられ
る。
【0022】上記のように、例えばゾルゲル法によっ
て、多孔質材料表面に、酸化アルミニウム、二酸化ケイ
素、或いはケイ素−ジルコニウム複合酸化物(ケイ素と
ジルコニウムとを有する酸化物)から選ばれた1種以上
からなる薄膜を形成した後、この薄膜にフッ素イオン、
チタンイオン、塩素イオン、臭素イオン、イットリウム
イオン、インジウムイオン、ビスマスイオンおよびセリ
ウムイオンから選ばれた1種以上のイオンをイオン注入
することによって水素選択透過層を形成することにより
本発明の水素透過材料を容易に得ることができる。
【0023】フッ素イオン、チタンイオン、塩素イオ
ン、臭素イオン、イットリウムイオン、インジウムイオ
ン、ビスマスイオンおよびセリウムイオンなどのイオン
注入は一般的に行われている方法で行うことができ、例
えば、イオン注入装置(コッククロフト型高電圧発生装
置)によって行うことができる。
【0024】
【実施例】以下に本発明の水素透過材料について具体的
に説明する。
【0025】<実施例1(フッ素イオンを注入した例
(1))及び比較例1> (本発明に係る水素透過材料Aの作製)基材である細孔
を有する非対称型多孔質材料として、外側表面の細孔の
平均細孔径が0.2μm、外径10μm、長さ200m
mのセラミックス中空管(日本ガイシ社製)を使用し、
この以下の処理をおこなった。
【0026】ガラス製容器内にアルミニウムプロポキサ
イド205gを75℃程度の温水1800ml中に撹拌
しながら注入し、次いで1N塩酸100mlを混合して
ベーマイトゾル溶液を得た。
【0027】このベーマイトゾル溶液に下端を封じた上
記の中空管を浸し、0.5mm/秒の速度で引き上げて
ディップコーティングし、次いで500℃の空気中雰囲
気で加熱焼成する、コーティング・焼成工程を繰り返し
て平均細孔径が4nm、厚さが約10μmの酸化アルミ
ニウムからなる積層膜を有する中間材Bを得た。この積
層膜の水との接触角を接触角計によって調べたところ4
0度であった。
【0028】このように酸化アルミニウム薄膜が形成さ
れた中間材Bに対し1.33×10 -4Paの減圧雰囲気
中でエネルギーを50〜400keVの範囲でフッ素イ
オンを注入し、本発明に係る水素選択透過層を有する水
素透過材料A(実施例1)を得た。このときの注入量は
1×1017〜5×1017イオン/cm2であった。
【0029】得られたサンプルの表面の水との接触角を
評価したところ、90度〜100度であり、フッ素イオ
ン注入前の中間材Bの40度に比して接触角が格段に増
加し、高い撥水性を有することが判った。
【0030】(水素透過材料Aの評価)上記で作製した
水素透過材料A(表面の水の接触角が95度のサンプ
ル)を図1にモデル的に示す装置を用いて評価した。
【0031】水素ガスおよび窒素ガス流入管、高温水蒸
気流入管、及び、排気管を有するステンレス製の容器に
被評価材料(上端は密封されている))が固定されてい
て、水素のみが被評価材料を通過し分離されるようにな
っている。
【0032】装置内に流入した水素ガス、窒素ガスおよ
び高温水蒸気は石英ビーズ層を通過する際に均一に混合
される。なお、この容器にはヒータが付属し、内部雰囲
気を200℃、300℃あるいは500℃に保つことが
できる。また、流量計によって、各箇所の流量は測定で
きるようになっている。
【0033】このような装置に水素透過材料Aまたは中
間材B(従来技術に係る水素透過材料、比較例1)をセ
ットし、水素及び窒素の混合ガスを圧力0.1〜0.2
MPaで送り込んで水素透過性試験を行った。なお、被
評価材料を透過したガスは水蒸気が除去された後、その
水素濃度がガスクロマトグラフにより定期的に測定され
る。
【0034】水蒸気濃度一定とし、温度を200℃、3
00℃、或いは500℃としてテスト開始後1000分
迄の水素透過係数(H2透過係数)の変化を調べた。水
素透過材料Aでの結果を表1に、中間材Bでの結果を表
2に示す。なお、表中の透過係数の単位はm3/m2・s
・kPaである。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】表1及び表2の結果より、本発明に係る水
素透過材料Aの水素透過係数は従来技術に係る水素透過
材料(中間材B)に比べて安定であり、1000分間の
使用によってもその水素透過係数は全く変化していない
ことが判る。
【0038】<実施例2(フッ素イオンを注入した例
(2))> (水素透過材料Bの作製及び評価)実施例1で用いたも
のと同様の中空管を用いて検討を行った。内容量1リッ
トルのガラス製容器内にテトラエトキシシラン[Si
(0C254)]200g、ジルコニウムテトラプト
キシド[Zr(0C494)]5.5g、エタノール
430g、水85g、0.1N塩酸100gを入れ、常
温で急速攪拌・混合し、次いで80℃に約60分間保っ
た後常温まで冷却してゾル濃度を0.4〜2.0wt%
となるように水を加え、コロイド粘度が1のシリカ−ジ
ルコニアポリマーゾル溶液、コロイド粘度が2のシリカ
−ジルコニアポリマーゾル溶液及びコロイド粘度が3の
シリカ−ジルコニアポリマーゾル溶液の計3種類のゲル
溶液を得た。
【0039】上記で作製したコロイド粘度が1のゾル溶
液中に、下方の端を密封したセラミック中空管を浸漬し
た後、0.5mm/秒の速度で引き上げ、中空表面にゾ
ル液膜を形成し、恒温装置内で充分に乾燥させた後、空
気中200℃で15分間熱処理して第1層を形成した。
なお、上記浸漬・乾燥・熱処理を繰り返して、第1層の
厚さを4μmとした。
【0040】次いで同様にして、ただしコロイド粘度が
1のゾル溶液の代わりにコロイド粘度が2のゾル溶液を
用い、200℃の熱処理の代わりに300℃の熱処理を
行ってて第1層の上に厚さ3μmの第2層を形成し、さ
らに、第2層の上に、第2層同様にして、ただし、コロ
イド粘度が3のゾル溶液を用いて厚さ3μmの第3層を
形成し、これら第1層〜第3層からなる最終的な二酸化
ケイ素層の厚さが10μmの二酸化ケイ素層を有する基
材Yを得た。
【0041】なお、このようにコロイド粘度の異なるゾ
ル溶液を、粘度の高いものから徐々に低いものに変えて
使用するのは、最終的な水素透過材料としたときに、そ
の表面に近い細孔ほど径が小さくなり、その結果、効率
的な水素選択透過が可能となるようにするためである。
【0042】このように作製した基材Yに対し実施例1
同様のフッ素イオンのイオン注入を行い、水素透過材料
C(実施例2)を得た。この水素透過材料Cの表面の水
の接触角を測定したところ90〜95度であり、高い撥
水性を有することが確認された。
【0043】次いでこの水素透過材料C(表面の水の接
触角が92度のサンプル)を図1に示す装置にセット
し、水蒸気濃度一定とし、温度を200℃、300℃、
或いは500℃としてテスト開始後1000分迄の水素
透過係数(H2透過係数)の変化を調べた。結果を表3
に示す。
【0044】
【表3】
【0045】表3により水素透過材料Cでの高温水蒸気
存在での水素透過係数の経時変化は殆どないことが判
る。
【0046】<実施例3(チタンイオンを注入した例
(1))及び比較例2> (本発明に係る水素透過材料Eの作製)基材である細孔
を有する非対称型多孔質材料として、外側表面の細孔の
平均細孔径が0.2μm、平均細孔率40〜60%、外
径10μm、長さ200mmのセラミックス中空管(日
本ガイシ社製)を使用し、この以下の処理をおこなっ
た。
【0047】実施例1と同様にして得たベーマイトゾル
溶液に下端を封じた上記の中空管を浸し、0.5mm/
秒の速度で引き上げてディップコーティングし、次いで
500℃の空気中雰囲気で加熱焼成する、コーティング
・焼成工程を繰り返して平均細孔径が4nm、厚さが約
10μmの酸化アルミニウムからなる積層膜を有する中
間材Dを得た。この積層膜の水との接触角を接触角計に
よって調べたところ40度であった。
【0048】このように酸化アルミニウム薄膜が形成さ
れた中間材Eに対し1.33×10 -4Paの減圧雰囲気
中でエネルギーを50〜400keVの範囲でチタンイ
オンを注入し、本発明に係る水素選択透過層を有する水
素透過材料Eを得た。このときの注入量は1×1017
5×1017イオン/cm2であった。
【0049】得られた水素透過材料Eの表面の水との接
触角を評価したところ、80度〜85度であり、フッ素
イオン注入前の中間材Dの40度に比して接触角が格段
に増加し、高い撥水性を有することが判った。
【0050】(水素透過材料Dの評価)上記で作製した
水素透過材料E(表面の水の接触角が80度のサンプ
ル、実施例3)および中間材Dと同様に作製した水素透
過材料D’(接触角:40度、比較例2)について、水
素透過材料Aと同様に図1にモデル的に示す装置を用い
て評価した。水素透過材料Eでの評価結果を図2に、水
素透過材料D’での結果を図3に示す。図2および図3
により本発明に係る水素透過材料Eの水素透過係数は従
来技術に係る水素透過材料D’に比べて安定であり、1
000分間の使用によってもその水素透過係数は殆ど変
化していないことが判る。
【0051】<実施例4(チタンイオンを注入した例
(2))> (水素透過材料Fの作製及び評価)実施例3で用いたも
のと同様の中空管を用い、上記、基材Yと同様にして、
最終的な二酸化ケイ素層の厚さが10μmの二酸化ケイ
素層を有する基材Zを得た。
【0052】基材Zに対し実施例3同様のチタンイオン
のイオン注入を行い、水素透過材料Fを得た。この水素
透過材料Fの表面の水の接触角を測定したところ80〜
85度であり、高い撥水性を有することが確認された。
【0053】次いでこの水素透過材料F(表面の水の接
触角が80度のサンプル)を図1に示す装置にセット
し、水蒸気濃度一定とし、温度を200℃、300℃、
或いは500℃としてテスト開始後1000分迄の水素
透過係数(H2透過係数)の変化を調べた。結果を図4
に示す。図4により水素透過材料Fでの高温水蒸気存在
での水素透過係数の経時変化は殆どなく、極めて安定し
ていることが判る。
【0054】
【発明の効果】本発明の水素透過材料は、連続細孔を有
する多孔質材料の表面に、水素を選択透過する水素選択
透過層が配された水素透過材料であって、該水素選択透
過層が、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、および、ケ
イ素−ジルコニウム複合酸化物から選ばれた1種以上か
らなり、かつ、少なくとも該水素選択透過層の表面に、
フッ素、チタン、塩素、臭素、イットリウム、インジウ
ム、ビスマスおよびセリウムから選ばれた1種以上を含
有する水素透過材料であり、その特有の構成により、特
別な後処理等を不要としながら、水蒸気存在下高温での
使用によっても経時変化の少ない優れた水素透過材料で
あり、燃料電池用途などに好適に応用できるものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の水素透過材料の評価のための装置を示
すモデル図である。
【図2】本発明に係る水素透過材料Eの水素透過係数の
経時安定性を評価した結果を示す図である。
【図3】従来技術に係る水素透過材料D’の水素透過係
数の経時安定性を評価した結果を示す図である。
【図4】本発明に係る水素透過材料Fの水素透過係数の
経時安定性を評価した結果を示す図である。
フロントページの続き Fターム(参考) 4D006 GA41 MA02 MA03 MA06 MA25 MA26 MA31 MB06 MB15 MB18 MB19 MC02 MC02X MC03 MC03X NA50 PA03 PB66

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続細孔を有する多孔質材料の表面に、
    水素を選択透過する水素選択透過層が配された水素透過
    材料であって、該水素選択透過層が、酸化アルミニウ
    ム、二酸化ケイ素、および、ケイ素−ジルコニウム複合
    酸化物から選ばれた1種以上からなり、かつ、少なくと
    も該水素選択透過層の表面に、フッ素、チタン、塩素、
    臭素、イットリウム、インジウム、ビスマスおよびセリ
    ウムから選ばれた1種以上を含有することを特徴とする
    水素透過材料。
  2. 【請求項2】 上記水素選択透過層の層厚が10μm以
    上であることを特徴とする請求項1に記載の水素透過材
    料。
  3. 【請求項3】 上記多孔質材料が非対称型無機多孔質材
    料であることを特徴とする請求項1または請求項2に記
    載の水素透過材料。
  4. 【請求項4】 上記多孔質材料がセラミックス、ステン
    レス、あるいはニッケルのいずれかから選ばれた材質か
    らなることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいず
    れかに記載の水素透過材料。
  5. 【請求項5】 連続細孔を有する多孔質材料の表面に、
    水素を選択透過する水素選択透過層が配された水素透過
    材料の製造方法において、上記多孔質材料の表面にゾル
    ゲル法によって微細孔を有する酸化物層を形成し、次い
    で、この酸化物層にフッ素イオン、チタンイオン、塩素
    イオン、臭素イオン、イットリウムイオン、インジウム
    イオン、ビスマスイオンおよびセリウムイオンから選ば
    れた1種以上のイオンをイオン注入することを特徴とす
    る水素透過材料の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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