JPH10165791A - シリカ質多孔質膜の製造方法 - Google Patents

シリカ質多孔質膜の製造方法

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JPH10165791A
JPH10165791A JP33430096A JP33430096A JPH10165791A JP H10165791 A JPH10165791 A JP H10165791A JP 33430096 A JP33430096 A JP 33430096A JP 33430096 A JP33430096 A JP 33430096A JP H10165791 A JPH10165791 A JP H10165791A
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porous
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siliceous
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Youji Seki
洋二 積
Hitohide Oshima
仁英 大嶋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】触媒や酵素等の各種機能性材料の担体や、液体
用濾過分離膜、各種混合気体等の混合流体から特定成分
を分離する気体用分離膜、あるいは電解隔壁、吸収吸着
剤等の用途に好適に用い得る径が1nm以下の細孔を有
し、大きな細孔容積と種々の細孔径分布を有するシリカ
質多孔質膜の製造方法を得る。 【解決手段】ポリシラザンを有機溶媒に溶解し、それに
前記有機溶媒に可溶な分子量が10000以下の低分子
量の有機化合物であるポリアクリル酸、ポリエーテル、
メチルセルロース、単糖類、多糖類の一種以上を、最終
的に得られるSiO2 量に対して1〜50重量%の割合
で添加混合して調製した混合液を無機多孔質支持体に塗
布し、乾燥した後、酸化性雰囲気中で500〜700℃
の温度範囲で焼成してシリカ質多孔質膜を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、触媒や酵素等の各
種機能性材料の担体や、液体用濾過分離膜、各種混合気
体等の混合流体から特定成分を分離する気体用分離膜、
あるいは電解隔壁、吸収吸着剤等、特に非常に微小な細
孔を有するシリカ質多孔質膜の製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来より、触媒や酵素等の各種機能性材
料の担体や、液体用濾過分離膜、各種気体用分離膜、更
に電解隔壁、吸収吸着剤等には、各種材料から成る多孔
質体が用いられてきた。
【0003】しかしながら、前記多孔質体に対する耐久
性の要求が更に高くなるにつれ、機械的及び熱的、化学
的安定性により優れた各種無機多孔質体が特に注目され
るようになり種々検討されている。
【0004】その結果、前記無機多孔質体を各種用途に
適用した場合、その性能は前記無機多孔質体を形成する
のに用いた材料自体が有する細孔径や細孔容積、細孔径
分布等の特性に大きく影響されることが明らかとなって
きた。
【0005】一般に、無機多孔質を形成する材料のひと
つとして、シリカ膜はゾルゲル法や、CVD法、水熱合
成法等の各種方法で製造することができ、その製造条件
によっては1nm以下の非常に微小な細孔を有する多孔
質膜が得られることが知られている。
【0006】なかでもシリコンアルコキシドを用いた前
記ゾルゲル法は、高価な製造装置を必要とせず、比較的
容易にシリカ質多孔質膜を製造できることから多くの研
究がなされている。
【0007】しかしながら前記シリコンアルコキシドに
より調製したゾルを、例えば多孔質セラミック支持体上
に塗布した後、熱処理すると体積の大幅な減少が起こる
ため、膜にクラックが発生したり、前記支持体から膜が
剥離したりするという問題があった。
【0008】そこで、前記問題に対して、熱処理による
体積の変化が小さい材料として一般式が
【0009】
【化1】
【0010】で表される高分子のポリシラザンが挙げら
れ、該ポリシラザンは酸化雰囲気中で熱処理することに
よりシリカ(SiO2 )に変化し、特にR1 、R2 、R
3 のいずれもが水素原子の場合、熱処理前後で前記Si
−N結合がSi−O結合に変わるだけで体積変化がほと
んどないことから、このポリシラザン膜から膜にクラッ
クを生ぜず、前述のような多孔質セラミック支持体から
も剥離したりしないシリカ膜を形成することが考えられ
る。
【0011】かかるポリシラザンを用いてシリカ膜を形
成する一連の技術は、被塗布面との密着性や機械的強
度、耐薬品性、及び耐クラック性に優れたシリカ系被膜
を形成するための塗布液として、あるいは前記ポリシラ
ザンの特性を利用した膜形成時の収縮ストレスによるク
ラックの発生がないシリカ系被膜を形成したガラス基板
等に提案されている(特開平6−73340号公報、特
開平5−105486号公報参照)。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記提
案の塗布液を用いたシリカ系被膜や、ガラス基板に形成
したシリカ系被膜は、なるほど被塗布面との密着性や機
械的強度、耐クラック性等に優れ、ボイドやピンホール
等がほとんどない表面が平滑であるものの、得られるシ
リカ系被膜は緻密質なものであり、そのままでは触媒等
の各種機能性材料の担体用や、気体や液体の濾過分離
用、吸収吸着剤や充填剤用等、1nm以下の細孔径を必
要とするシリカ系多孔質膜を形成することには適用でき
ないという課題があった。
【0013】
【発明の目的】本発明は前記課題に鑑み成されたもの
で、その目的は、触媒や酵素等の各種機能性材料の担体
や、液体用濾過分離膜、各種混合気体等の混合流体から
特定成分を分離する気体用分離膜、あるいは電解隔壁、
吸収吸着剤等の用途に好適に用い得る径が1nm以下の
細孔を有し、大きな細孔容積と種々の細孔径分布を有す
るシリカ質多孔質膜の製造方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記課題
に対して鋭意研究を重ねた結果、有機溶媒に溶かしたポ
リシラザンに、該有機溶媒に可溶な低分子量の有機化合
物を添加し、それを無機多孔質支持体に塗布した後、シ
リカ膜が緻密化しない温度範囲で加熱硬化することによ
り、また、前記有機化合物の種類やその添加量等を適宜
選択することにより、制御された微細な細孔径を有する
シリカ質多孔質膜が得られることを見いだした。
【0015】即ち、本発明のシリカ質多孔質膜の製造方
法は、ポリシラザンを有機溶媒に溶解し、それに前記有
機溶媒に可溶な分子量が10000以下の低分子量の有
機化合物であるポリアクリル酸、ポリエーテル、メチル
セルロース、単糖類、多糖類の一種以上を、前記ポリシ
ラザンを熱処理することにより最終的に得られるSiO
2 量に対して1〜50重量%の割合で添加混合して調製
した混合液を無機多孔質支持体に塗布し、乾燥した後、
酸化性雰囲気中で500〜700℃の温度範囲で焼成し
てシリカ質多孔質膜を得ることを特徴とするものであ
り、特に、前記無機多孔質支持体としては、細孔径が3
0nm以下の多孔質セラミックス又は多孔質ガラス、あ
るいは表面に30nm以下の細孔径を有する層を設けた
多孔質セラミックスであることがより望ましいものであ
る。
【0016】
【作用】本発明のシリカ質多孔質膜の製造方法によれ
ば、ポリシラザンという通常緻密なシリカ膜を製造する
のに用いられる前駆体と、熱処理により焼失する有機化
合物を混合して用いることから、焼成前のポリシラザン
膜中に構築されたシラザン骨格のネットワークの隙間に
有機化合物が分散され、熱処理の初期の段階で前記シラ
ザン骨格のネットワークは体積変化をほとんど起こすこ
となく、一般式として
【0017】
【化2】
【0018】で表されるシロキサン骨格のネットワーク
に変化し、昇温されるにつれて骨格の隙間に分散されて
いた有機化合物が酸化され揮散し始め、最終的に有機化
合物が酸化揮散して生じた細孔の周辺のシロキサン骨格
が焼結して径が1nm以下の非常に微細な細孔を有する
シリカ質多孔質膜を製造することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明のシリカ質多孔質膜
の製造方法について詳述する。本発明のポリシラザン
は、一般式として
【0020】
【化1】
【0021】で表される高分子であり、前記ポリシラザ
ンのR1 、R2 、R3 は、水素やメチル基、エチル基、
プロピル基等が好適であるが、酸化反応による体積変化
が最も少なく、クラックや剥離等の欠陥のない膜を形成
するという点からは、前記R1、R2 、R3 は全てが水
素であることが特に望ましい。
【0022】また、焼成時に揮発する低分子ポリシラザ
ンを少なくして平滑な塗布面を得やすくし、ポリシラザ
ン溶液の粘度を低くして無機多孔質支持体に塗布した
時、厚みのバラツキが生じ難く、クラックの発生を防止
するという点からは、ポリシラザンの重量平均分子量は
1000〜5000程度であることが好ましい。
【0023】また、前記ポリシラザンを溶解する有機溶
媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族
化合物、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジブチルエ
ーテル等のエーテル類が挙げられ、これらの溶媒は複数
混合して用いても良い。
【0024】一方、前記有機溶媒に溶解したポリシラザ
ンの溶液濃度は、後述する塗布工程の点からは5〜30
重量%程度が好適である。
【0025】次に、前記有機溶媒に溶解したポリシラザ
ンに混合する有機化合物としては、ポリアクリル酸、ま
たはポリエチレングリコールに代表されるポリエーテル
や、メチルセルロース、ブドウ糖、果糖、乳糖糖の単糖
類、あるいは蔗糖に代表される多糖類の一種以上から選
ぶことができるが、分子量が10000を越えると乾燥
処理によって得られるポリシロキサン膜内で前記有機化
合物が十分分散できず、最終的に得られるシリカ質膜内
にボイドやクラックを発生させる原因となることから、
いずれの分子量も10000以下、好ましくは5000
以下が最適である。
【0026】また、前記有機化合物の添加量は、最終的
に得られるSiO2 量に対して重量比で1重量%未満の
場合、微細孔構造の生成効果が見られなくなり、50重
量%を越えると膜にボイドやクラック等の欠陥が発生し
易くなるため、1〜50重量%、より好ましくは5〜2
0重量%となる。
【0027】一方、前記無機多孔質支持体としては、γ
−アルミナ(Al2 3 )やチタニア(TiO2 )、ジ
ルコニア(ZrO2 )等の多孔質セラミックス、又は硼
珪酸系の分相多孔質ガラスを用い得るが、ポリシラザン
溶液が多孔質支持体全体に浸透せず薄いシリカ質多孔質
膜を生成するという点からは、特に細孔径が30nm以
下が望ましい。
【0028】また、前記無機多孔質支持体としては、他
に0.1〜5μm程度の孔径を有する多孔質セラミック
スの表面に、30nm以下の細孔径を有する層を中間層
として設けたものも用いることができる。
【0029】その際、前記中間層としては、例えば、γ
−アルミナ(Al2 3 )の無機膜が挙げられる。
【0030】尚、前記無機多孔質支持体の形状は、キャ
ピラリー形状やチューブ形状、平板形状、モノリス(レ
ンコン状)形状、ハニカム形状等より任意に選ぶことが
できる。
【0031】また、前記ポリシラザンと有機溶媒と有機
化合物との混合液から成るポリシラザン溶液を、前記無
機多孔質支持体に塗布する方法としては、スピンコート
法やディプコート法、スプレー法、スクリーン印刷法
等、公知の各種方法が採用できる。
【0032】次に、乾燥焼成の一連の熱処理は、前記無
機多孔質支持体上にポリシラザン膜を塗布した後、得ら
れた塗膜を酸化性雰囲気中で加熱焼成することにより、
一般式として
【0033】
【化1】
【0034】で表されるシラザン骨格が、一般式として
【0035】
【化2】
【0036】で表されるシロキサン骨格に変化する。
【0037】前記熱処理工程で酸化反応が十分に行われ
ない場合は、得られたシリカ質膜内にシラザン骨格が残
存してしまうことがあるが、該膜の強度が十分高く、膜
表面に分離特性に影響を与える構造的欠陥がなく、使用
条件下での安定性に問題がなければ、特にシラザン骨格
の残存量は制限するものではない。
【0038】一方、前記熱処理工程ではシロキサン骨格
が生成すると同時に、混合した有機化合物の酸化分解及
び揮散が始まり、シリカ質膜内には混合した前記有機化
合物の分子量及び混合量に応じて微細孔構造が生成され
る。
【0039】先ず、前記熱処理では、酸化性雰囲気中、
150℃の温度で1〜3時間保持することで、シラザン
骨格のネットワークはほとんど体積変化を起こすことな
くシロキサン骨格のネットワークに変化するが、この変
化をより確実に進行させるためには、水蒸気雰囲気中で
酸化させるのが効果的であり、シロキサン化を進めるこ
とでその骨格が増強されることになる。
【0040】また、前記シラザン骨格のシロキサン化、
及び前記ポリシラザン溶液中の有機化合物の酸化のため
には、酸素またはオゾンを含む酸素雰囲気中、あるいは
水蒸気と酸素雰囲気中、150℃の温度で1〜3時間保
持した後、500〜700℃の温度で焼成するのが望ま
しい。
【0041】前記焼成では、500〜700℃の温度ま
で徐々に昇温させることにより、前記骨格の隙間に分散
されていた有機化合物が酸化されて揮散し始め、この段
階では同時にシロキサン結合が更に発達し、より強固な
シロキサン骨格が形成され、更に、前記温度範囲で一定
時間保持することにより、前記有機化合物が酸化揮散し
て生じた細孔の周辺のシロキサン骨格が焼結し、径が1
nm以下の微細孔構造を有するシリカ質多孔質膜が形成
される。
【0042】得られたシリカ質多孔質膜は、前記有機化
合物が完全に酸化揮散してしまった場合には無色となる
が、前記膜中に有機化合物が残存するとその程度により
黄色〜褐色を呈することがある。
【0043】しかしながら、分離特性に影響を与える構
造的欠陥が得られたシリカ質多孔質膜表面になければ、
着色は特に問題になるものではない。
【0044】また、前記焼成温度が500℃未満では、
前記骨格の隙間に分散されていた有機化合物の酸化揮散
が十分でなく、またシリカ骨格も弱く、700℃を越え
るとシリカ膜の緻密化が進むとともに、分離膜として前
述のような微細孔構造が形成されないため、不適当であ
る。
【0045】
【実施例】以下、本発明のシリカ質多孔質膜の製造方法
を以下のようにして評価した。
【0046】(実施例1)十分乾燥したグローブボック
ス内で、有機溶媒としてキシレンを用い、前記一般式の
1 、R2 、R3 のいずれもが水素である重量平均分子
量が3000のポリシラザンを20重量%濃度に溶解し
て調製した溶液22.5g(SiO2 換算で6g、即ち
0.1モルに相当)に対して、重量平均分子量が400
0のポリエチレングリコールを1.2g添加し、室温で
十分に撹袢して均一な溶液を調製した。
【0047】次に、前記溶液中に、無機多孔質支持体と
して4nmの細孔径を有する厚さ1μmのγ−アルミナ
膜を担持した長さ60mm、直径3mm、気孔率40%
のアルミナ質多孔質管を30秒間浸漬してから引き上
げ、グローブボックスから外へ出して室温で10時間乾
燥させた。
【0048】その後、熱処理炉に収容して加湿した酸素
を流しながら、室温から150℃まで昇温し、150℃
で3時間保持した後、再び600℃まで昇温し、600
℃で2時間保持してから室温まで冷却した。
【0049】かくして得られたシリカ質多孔質膜はわず
かに黄色を呈していたが、目視検査の結果、ボイドやク
ラック等のない平滑な表面の膜であった。
【0050】また、前記溶液の一部を用い、前述のシリ
カ質多孔質膜の製造方法と同様にしてバルク体粉末を作
製し、得られたシリカ質バルク体粉末の細孔径分布をA
r吸着法により測定し、その結果を図1に示す。図1か
ら明らかなように、このシリカ質バルク体粉末は0.8
nmに細孔径のピークを有することが分かる。
【0051】(実施例2)有機化合物として実施例1の
ポリエチレングリコールを重量平均分子量が3000の
ポリアクリル酸に変更した他は、実施例1と全く同一条
件でシリカ質多孔質膜及びバルク体粉末を作製した。
【0052】得られたシリカ質多孔質膜は、実施例1と
同様わずかに黄色を呈していたが、ボイドやクラック等
のない平滑な表面の膜であり、また、シリカ質バルク体
粉末の細孔径のピークは図1に示すように0.8nmで
あった。
【0053】(実施例3)ポリシラザン溶液の有機溶媒
をジオキサンとし、有機化合物として実施例1のポリエ
チレングリコールを重量平均分子量が5000のメチル
セルロースに変更し、実施例1と全く同一条件でシリカ
質多孔質膜及びバルク体粉末を作製した。
【0054】得られたシリカ質多孔質膜は、わずかに褐
色を呈していたが、ボイドやクラック等のない平滑な表
面の膜であり、また、シリカ質バルク体粉末の細孔径の
ピークは図1に示すように1.0nmであった。
【0055】(実施例4)有機化合物として実施例3の
メチルセルロースをブドウ糖に変更した他は、実施例3
と全く同一条件でシリカ質多孔質膜及びバルク体粉末を
作製した。
【0056】得られたシリカ質多孔質膜は、ほとんど無
色のボイドやクラック等のない平滑な表面の膜であり、
また、シリカ質バルク体粉末の細孔径のピークは図2に
示すように0.7nmであった。
【0057】(実施例5)有機化合物として実施例3の
メチルセルロースを蔗糖に変更した他は、実施例3と全
く同一条件でシリカ質多孔質膜及びバルク体粉末を作製
した。
【0058】得られたシリカ質多孔質膜は、実施例1と
同様にわずかに黄色を呈していたが、ボイドやクラック
等のない平滑な表面の膜であり、また、シリカ質バルク
体粉末の細孔径のピークは図2に示すように0.75n
mであった。
【0059】(実施例6)無機多孔質支持体として30
nmの細孔径を有する直径10mm、長さ100mm)
の分相ガラスチューブを用い、有機化合物として実施例
1のポリエチレングリコールと蔗糖をそれぞれ半量づつ
混合したものを用いた他は、実施例1と全く同一条件で
シリカ質多孔質膜及びバルク体粉末を作製した。
【0060】得られたシリカ質多孔質膜は、実施例1と
同様にわずかに黄色を呈していたが、ボイドやクラック
等のない平滑な表面の膜であり、また、シリカ質バルク
体粉末の細孔径のピークは図2に示すように0.8nm
であった。
【0061】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明のシリカ質多
孔質膜の製造方法によれば、シロキサン骨格を低温で形
成した後、含有する有機物を焼成して除去するため、該
有機物の分子量や含有量を制御することにより1nm以
下の細孔径を有し、種々の細孔径分布を有する微細孔構
造のシリカ質多孔質膜を容易に製造することができ、触
媒や酵素等の各種機能性材料の担体や、液体用濾過分離
膜、各種混合気体等の混合流体から特定成分を分離する
気体用分離膜、あるいは電解隔壁、吸収吸着剤等の各種
目的に応じて優れた特性を発揮する膜の形成が可能とな
り、広範な応用分野に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシリカ質多孔質膜の製造方法で得られ
たシリカ質多孔質膜の細孔径分布を示す図である。
【図2】本発明のシリカ質多孔質膜の製造方法で得られ
た他のシリカ質多孔質膜の細孔径分布を示す図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有機溶媒に溶解したポリシラザンに、前記
    有機溶媒に可溶な分子量が10000以下の有機化合物
    であるポリアクリル酸、ポリエーテル、メチルセルロー
    ス、単糖類、多糖類の一種以上を、前記ポリシラザンの
    熱処理により得られるシリカ(SiO2 )量に対して1
    〜50重量%添加して撹袢混合した後、該混合液を無機
    多孔質支持体に塗布し、乾燥後、酸化性雰囲気中、50
    0〜700℃の温度で焼成することを特徴とするシリカ
    質多孔質膜の製造方法。
  2. 【請求項2】前記無機多孔質支持体が、30nm以下の
    細孔径を有する多孔質セラミックス又は多孔質ガラス、
    あるいは表面に30nm以下の細孔径を有する層を設け
    た多孔質セラミックスから成ることを特徴とする請求項
    1記載のシリカ質多孔質膜の製造方法。
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