JP2002113649A - 弾性ローラの研削方法及び装置 - Google Patents

弾性ローラの研削方法及び装置

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JP2002113649A
JP2002113649A JP2000310045A JP2000310045A JP2002113649A JP 2002113649 A JP2002113649 A JP 2002113649A JP 2000310045 A JP2000310045 A JP 2000310045A JP 2000310045 A JP2000310045 A JP 2000310045A JP 2002113649 A JP2002113649 A JP 2002113649A
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grinding
belt
elastic roller
roller
elastic
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JP2000310045A
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English (en)
Inventor
Norihide Satou
律秀 佐藤
Takashi Fujiwara
孝志 藤原
Yosuke Iino
洋輔 飯野
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Kinugawa Rubber Industrial Co Ltd
Original Assignee
Kinugawa Rubber Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 研削時間を短縮し、かつ、設定調整や管理を
容易にする。 【解決手段】 弾性ローラ5の弾性体被着幅よりも幅が
広く形成され外周面に研削面2aが設けられた研削ベル
ト2と、弾性体被着幅よりも幅が広く形成され研削ベル
ト2を裏面側から押圧支持する支持平板3とを設ける。
研削ベルト2を支持平板3で押圧することによって前方
に張り出させた状態で、同ベルト2を送り移動させると
共に、弾性ローラ5を回転させる。弾性ローラ5の外周
面を、研削ベルト2のうちの支持平板3によって張り出
した部位に当接させる。弾性ローラ5の全幅が一度に研
削される。このとき、研削ベルト2は支持平板3による
押圧によってばたつきや振動を押さえられると共に、安
定姿勢を維持される。研削部の交換は研削ベルト2のみ
で良くなる。支持平板3と弾性ローラ5は相対的な高さ
等を厳格に管理しなくても良くなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機や電子写真
プリンタ等において、相手部材に転接して相手部材への
材料の塗布や物理的特性の付与、送り等に用いられる弾
性ローラの研削方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】乾式の複写機や電子写真プリンタは、通
常、図12に示すように、潜像担持体である感光ドラム
50の周域に帯電ローラ51、潜像形成装置52、現像
装置53、転写ローラ54等が配置され、帯電ローラ5
1が感光ドラム50に転接することによって同ドラム5
0を均一に帯電させた後に、潜像形成装置52が画像信
号に応じたレーザー光を感光ドラム50の表面に照射
し、それによって同ドラム50の上に形成された静電潜
像に対して現像装置53でトナーを付着させ、その後に
そのトナーを転写ローラ54によって転写紙55に転写
するようになっている。尚、同図中56は給紙ローラ、
57は定着ローラ、58は排紙ローラであり、59と6
0は、現像装置53を構成する現像ローラとトナー供給
ローラである。
【0003】以上のように複写機や電子写真プリンタに
おいては、材料の塗布や物理的特性の付与、送り等の目
的で多くのローラが用いられているが、その主なものは
軸心部材の外周にゴム等の弾性体が被着された構造とな
っている(本明細書においては、この構造のローラを
「弾性ローラ」と呼ぶ)。
【0004】この弾性ローラのうちでも、とりわけ、現
像ローラや転写ローラ、定着ローラ等の弾性ローラは、
軸芯部材に被着する弾性体の材料特性とは別に、円筒度
や振れ等の寸法精度や、表面粗さが画像特性に直接影響
を与えるため、100分の1の単位の加工精度が要求さ
れる。このため、この種の弾性ローラにおいては、被着
した弾性体の外周面に対する最終的な研削精度を高める
ことが重要となっている。
【0005】この弾性ローラの研削には、通常、円筒砥
石を駆動回転させて研削を行う円筒研削盤が用いられる
が、この円筒研削盤には、軸長の短い円筒砥石を研削時
に軸方向に連続移動させるトラバース式と、軸長の長い
円筒砥石によって一度に研削を行う幅広式のものがあ
る。
【0006】また、特開昭59-59345号公報に
は、送り移動する研削ベルトによって弾性ローラを研削
する研削方法が記載されている。
【0007】この研削ベルトを用いる研削方法は、研削
ベルトを送り移動させる際に同ベルトに押圧ローラによ
って押圧力を付与し、その状態で弾性ローラを駆動回転
させながら研削ベルトに当接させると共に、研削ベルト
と押圧用ローラを弾性ローラの軸方向に沿って連続移動
させるものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、トラバース式
の円筒研削盤によって弾性ローラの研削を行う場合に
は、A3サイズのような軸長の長いローラを精度良く研
削するのに時間がかかり、また、幅広式の円筒研削盤に
よって弾性ローラの研削を行う場合には、研削時間は短
縮できるものの、砥石の設定調整や維持管理が難しいと
いう問題がある。
【0009】そして、研削ベルトを用いた前記の研削方
法においては、研削時に研削ベルトと押圧用ローラを軸
方向に連続移動させなければならないことから、トラバ
ース式の円筒研削盤の場合と同様に研削時間がかかり、
また、弾性ローラとゴムローラの軸心の高さや角度を正
確に合致させないと、精度の高い研削を行うことができ
ないため、設定調整が難しいという問題がある。
【0010】そこで本発明は、研削時間を短縮できると
共に、設定調整や管理を容易化することのできる弾性ロ
ーラの研削方法及び装置を提供しようとするものであ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ための手段として、請求項1に記載の発明は、軸芯部材
の外周に弾性体が被着された弾性ローラの外周面を研削
する研削方法において、弾性ローラの弾性体被着幅より
も幅が広く形成され外周面に研削面が設けられた研削ベ
ルトと、同様に前記弾性体被着幅よりも幅が広く形成さ
れ研削ベルトを裏面側から押圧支持する支持平板とを設
け、前記研削ベルトを支持平板で押圧することによって
前方に張り出させた状態で、同ベルトを所定方向に送り
移動させると共に、弾性ローラを研削ベルトの送りと異
なる向き、又は、異なる速度で回転させ、その状態で弾
性ローラと研削ベルトを相対的に近接移動させることに
より、弾性ローラの外周面を、研削ベルトのうちの前記
支持平板によって張り出した部位に当接させるようにし
た。
【0012】この発明の場合、弾性ローラを駆動回転さ
せ、研削ベルトを送り移動させた状態で弾性ローラが研
削ベルトの研削面に当接すると、研削ベルトが裏面側か
ら支持平板によって押圧された状態において弾性ローラ
の外周面を研削する。このとき、研削ベルトは支持平板
による押圧によってばたつきや振動を押えられると共
に、安定姿勢を維持されるため、研削ベルトの研削面は
弾性ローラの外周面に安定して当接することとなる。そ
して、支持平板と研削ベルトは弾性ローラの弾性体被着
幅よりも広く形成されているため、一度の研削によって
弾性ローラの外周面に対する研削を完了することができ
る。
【0013】請求項2に記載の発明は、さらに、支持平
板の幅を研削ベルトの幅よりも広く形成し、研削ベルト
で弾性ローラを研削する際に、研削ベルトを支持平板の
幅の範囲で幅方向に移動させるようにした。
【0014】この発明においては、研削ベルトで弾性ロ
ーラを研削する際に、研削ベルトを幅方向に移動させる
と、研削ベルトが支持平板によって安定姿勢を維持され
た状態において、弾性ローラとの当接部をずらしながら
研削が続けられることとなる。したがって、弾性ローラ
の軸方向の研削のばらつきが少くなる。
【0015】請求項3に記載の発明は、弾性ローラを研
削ベルトに当接させる際に、同ローラの外径寸法が所望
の外径寸法となる位置において、弾性ローラと研削ベル
トの相対移動を所定時間停止させるようにした。
【0016】この発明においては、弾性ローラと研削ベ
ルトの相対移動を停止させることにより、弾性ローラの
研削精度が向上する。
【0017】請求項4に記載の発明は、弾性ローラの研
削時に支持平板を冷却水によって冷却するようにした。
【0018】この発明の場合、支持平板と研削ベルトの
摺動によって発生する熱を冷却水によって冷却すること
ができる。したがって、弾性ローラに対する研削を連続
的に続けた場合であっても、支持平板の温度が異常に上
昇することがない。
【0019】請求項5に記載の発明は、軸芯部材の外周
に弾性体が被着された弾性ローラの外周面を研削する研
削装置において、研削面が弾性ローラの弾性体被着幅よ
りも幅広に形成された研削ベルトを送り移動させるベル
ト研削機と、前記研削ベルトの研削面の裏面側に配設さ
れて同ベルトを前方側に張り出させる支持平板と、弾性
ローラを取付け、同ローラを駆動回転させる回転駆動ユ
ニットと、この回転駆動ユニットを研削ベルトの研削面
に向かって進退動作させる進退駆動装置と、を備えた構
成とした。
【0020】この発明の研削装置の場合、支持平板によ
って研削ベルトを前方に張り出させた状態でベルト研削
機を駆動する一方で、弾性ローラを取り付けた回転駆動
ユニットを駆動し、その状態において進退駆動装置によ
って回転駆動ユニットを前進させると、弾性ローラの外
周面が研削ベルトに当接して研削が行われるようにな
る。このとき、弾性ローラの外周の弾性体被着部は、支
持平板によって前方に張り出した研削ベルトの研削面に
幅方向の全域で当接するため、弾性ローラの幅方向全域
の研削は一度に行われる。
【0021】請求項6に記載の発明は、さらに、前記研
削ベルトを環状に形成して同ベルトを複数の送りローラ
の間に張設し、このうちの一つの送りローラの一端を前
後又は上下に揺動させる揺動機構を設けるようにした。
【0022】この発明の場合、揺動機構によって送りロ
ーラの一端が前後又は上下に揺動すると、研削ベルトに
作用する張力が幅方向で変化し、それに伴って研削ベル
トが張力の減少する方向にスライド移動するようにな
る。したがって、研削時に揺動機構を作動させることに
より、研削ベルトを幅方向にスライド移動させることが
可能になる。
【0023】
【発明の実施の形態】次に、本発明の一実施形態を図1
〜図7に基づいて説明する。
【0024】図1〜図3は、本発明にかかる研削方法を
実施するための装置の概略構成を示すものであり、同図
中、1は、環状の研削ベルト2を送り移動させるベルト
研削機、3は、研削ベルト2の裏面側に配設されて同ベ
ルト2の一部を前方側に張り出させる支持平板、4は、
研削すべく弾性ローラ5をチャッキングして所定回転速
度で駆動回転させる回転駆動ユニット、6は、回転駆動
ユニット4を研削ベルト2の研削面2aに向かって進退
動作させる進退駆動装置である。
【0025】弾性ローラ5は、図12に示した複写機等
で用いられる現像ローラ59や転写ローラ54、定着ロ
ーラ57等のように、軸芯部材の外周にゴムや樹脂等の
弾性体が被着された構造となっている。
【0026】研削ベルト2は、布若しくは紙によって形
成されたベルト基材の表面に、炭化珪素(SiC)やアル
ミナ(Al2O3)等の砥粒が膠やフェノール樹脂等をバイ
ンダーとして接着されている。ここで用いる砥粒として
は熱膨張係数がより小さい炭化珪素の方が好ましく、バ
インダーについては、耐熱性や耐水性を考慮すればフェ
ノール樹脂の方が好ましい。この研削ベルト2の幅L1
は、弾性ローラ5の弾性体被着幅L0よりも広く設定さ
れている。
【0027】また、この研削ベルト2の研削面2a(外
周面)は、研削ベルト同士を擦り合わせる等して砥粒の
尖った部分が削り落とされており、これによって研削後
に弾性ローラ5の表面にスクラッチが残るのを防止して
いる。
【0028】ベルト研削機1は、上下二段にほぼ平行に
配置されて、前記研削ベルト2が張設される一対の送り
ローラ7,8と、この各送りローラ7,8を駆動回転さ
せる駆動モータ9と、上部側の送りローラ7を昇降させ
て研削ベルト2全体の張力を調整する図外の昇降調整機
構と、上部側の送りローラ7の一端を前後に揺動させて
研削ベルト2を幅方向にスライド移動させる揺動機構1
0とを備えている。この実施形態の場合、前記各送りロ
ーラ7,8は耐摩耗性に優れたウレタン樹脂によって形
成されている。
【0029】揺動機構10は、研削ベルト2を送りロー
ラ7,8の駆動回転によって送り移動させている最中
に、図5に示すように送りローラ7の一端を前後に揺動
させることによって研削ベルト2の幅方向の張力を変化
させ、この張力変化によって研削ベルト2をスライド移
動させるようになっている。つまり、今例えば、送りロ
ーラ7の一端を後方に移動させることよって研削ベルト
2の一端側の張力が増大したとすると、研削ベルト2は
その張力を小さくするように送りローラ7の他端側にス
ライド移動しようとするが、揺動機構10はこの原理に
より研削ベルト2を幅方向に移動させる。また、研削ベ
ルト2の幅方向のスライド移動の範囲は、支持平板3の
幅L2の範囲内で、かつ、研削ベルト2と弾性ローラ5
が常時同ローラ5の幅L0全域で当接する範囲に設定さ
れている。尚、揺動機構10は送りローラ7の一端を上
下方向に揺動させるようにしても良い。
【0030】支持平板3は、ステンレス等の金属によっ
て前記研削ベルト2の幅L1よりも幅広(幅L2)に形成
される共に、図6に示すように、内部に冷却水通路11
が形成されている。この支持平板3は、図外の調整機構
を介して固定ベース12に支持固定されており、図4に
示すように、送りローラ7,8の外周面の前方側の共通
接線pに対して設定距離dだけ前方に配置することによ
り、研削ベルト2の一部を前方に平板状に張り出させて
いる。また、弾性ローラ5の弾性体被着幅L 0、研削ベ
ルト2の幅L1、支持平板3の幅L2の関係は基本的には
0<L1<L2であるが、研削ベルト2は前述のように
揺動機構10によってスライド移動させる関係上、これ
らの各幅の関係は、L0×1.05≦L1≦L2×0.9
5であることが望ましい。
【0031】回転駆動ユニット4は、テーブル13上の
離間した位置に駆動モータ14と軸受15が対向配置さ
れて成り、この駆動モータ14と軸受15に夫々エア圧
によって作動する図外のチャック機構が設けられてい
る。駆動モータ14の回転方向は、弾性ローラ5の外表
面が研削ベルト2との当接面において同ベルト2の送り
方向と逆向きに移動するように設定されている。
【0032】進退駆動装置6は、回転駆動ユニット4を
支持する前記テーブル13に連係し、弾性ローラ5の研
削時に、テーブル13と共に回転駆動ユニット4を設定
速度で前進及び後退させると共に、所定位置において停
止させるようになっている。具体的には、回転駆動ユニ
ット4は、図7に示すように、弾性ローラ5が研削ベル
ト2に近接する所定位置Aに達するまでは高速度で前進
し、そこから低速度で前進して弾性ローラ5の外径寸法
が所望の外径寸法となる位置Bに達したところで所定時
間停止する。そして、所定時間の経過後に高速度で初期
位置まで後退する。
【0033】以上の構成において、弾性ローラ5の研削
を行う場合には、弾性ローラ5を回転駆動ユニット4に
チャッキングし、ベルト研削機1と回転駆動ユニット4
の駆動モータ9,14を作動させた状態において、進退
駆動装置6の作動によって回転駆動ユニット4を前進さ
せる。
【0034】このとき、回転駆動ユニット4は前述のよ
うに弾性ローラ5が研削ベルト2に近接する所定位置A
まで高速度で移動し、その位置から最終目的位置Bに達
するまで低速度で移動すると共に、最終目的位置Bにお
いて5〜20秒、望ましくは5〜10秒の間移動を停止
する。そして、A位置からB位置に移動するまでの間と
B位置で停止している間に弾性ローラ5の外周面の研削
が行われるが、このとき揺動機構10が作動して研削ベ
ルト2は支持平板3の幅L2の範囲で幅方向にスライド
移動する。
【0035】この研削の際、研削ベルト2は支持平板3
によって前方に張り出した状態で支持されているため、
研削に伴なう同ベルト2のばたつきや振動は確実に抑え
込まれ、しかも、平面状の安定姿勢でもって弾性ローラ
5の押し当てを受け止める。したがって、こうして研削
された弾性ローラ5は円筒度や振れ等の寸法精度が大幅
に向上する。さらに、B位置において弾性ローラ5の移
動が所定時間停止するため、弾性ローラ5の寸法精度が
より高まると共に表面粗さも小さくなる。
【0036】そして、この実施形態の場合、研削時に研
削ベルト2が幅方向に移動することから、弾性ローラ5
の軸方向の研削のばらつきが少なくなり、研削精度はよ
り向上する。
【0037】また、研削ベルト2は、揺動機構10の作
動によって幅方向にスライド移動するが、このスライド
移動は支持平板3の幅の範囲で行われ、しかも、弾性ロ
ーラ5が常時幅L0全域で研削ベルト2に当接するよう
にしているため、弾性ローラ5の研削を一度に完了する
ことができ、従来のトラバース式の円筒研削盤等に比較
して研削時間を大幅に短縮することができる。
【0038】さらに、この研削装置によれば、支持平板
3によって研削ベルト2を前方に張り出させるため、弾
性ローラ5と支持平板3の高さ等をさして厳格に管理し
なくても精度の高い研削を行うことができる。
【0039】また、この装置においては、支持平板3に
よって研削ベルト2を押圧するために、支持平板3と研
削ベルト2の摩擦接触によって発熱を生じることが心配
されるが、この実施形態においては、支持平板3に冷却
水通路11を設け、冷却水によって支持平板3を常時積
極的に冷却するようにしているため、支持平板3の過熱
による弾性ローラ5の変形や破損、研削精度の低下等の
不具合は未然に防止することができる。
【0040】
【実施例】具体的な実施例について、図8〜図10と、
以下の表1〜表4に示した実験結果を用いて説明する。
【0041】尚、各表に示した実施例と比較例は、いず
れも弾性ローラ5として外径29φ、弾性体被着幅35
0mmのものを用いているが、弾性ローラ5の弾性体は次
の3種のものを用いている。 (1)チューブ被覆ローラ 軸心部材の外周にアスカーC硬度20°のスポンジゴム
を被着した後に、さらにその外周にアスカーC硬度40
°のゴムチューブを接着剤によって固定したもの(表
1,表4に示した実施例1〜4及び実施例8、比較例1
〜6及び比較例13)。 (2)20°スポンジローラ 軸芯部材の外周にアスカーC硬度20°のスポンジゴム
を被着したもの(表2に示した実施例5,6と比較例7
〜10)。 (3)50°スポンジローラ 軸芯部材の外周にアスカーC硬度50°のスポンジゴム
を被着したもの(表3に示した実施例7と比較例11,
12)。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
【表3】
【0045】実施例1〜7は、前述のチューブ被覆ロー
ラ、20°スポンジローラ、50°スポンジローラに対
し、ベルト周速1200mm/min、主軸回転数(弾性ロ
ーラ5の回転数)300rpm(≒ローラ5の外周速2
7.3m/min)、研削ベルト2の研削面粗さ♯60又は
♯240の条件で、図7中の位置Bでの弾性ローラ5の
停止時間を5秒、10秒、20秒と適宜変えたものであ
る。
【0046】また、比較例1〜3と比較例7,8は、弾
性ローラ5の位置Bでの停止、支持平板3の張り出し、
研削ベルト2の砥粒の尖った部分の削り落とし、のうち
のいずれか一つの条件を欠いたものであり、比較例4〜
6と9〜12はトラバース式の円筒研削盤を主軸回転数
(弾性ローラ5の回転数)と軸方向の移動速度を適宜変
えて用いたものである。
【0047】ここで、各表に示してある寸法精度と表面
粗さについて説明すると、研削された弾性ローラ5の寸
法精度は円筒度と振れによって評価し、表面粗さは10
点平均粗さRz(JIS B0601−1982に準ず
る)を用いた。
【0048】そして、円筒度と振れは、図8に示すよう
なレーザー外径測定機20によって弾性ローラ5の外径
を複数個所で測定し、その測定結果を基にして演算によ
って求めた。尚、図8中、21は弾性ローラ5の軸部を
支持する軸受である。
【0049】具体的には、円筒度は、弾性ローラ5の角
度を変えずに軸方向にスライドさせて、20mmおきに1
5点の外径を測定し、この15点の測定値のうちの最大
値D MAXから最小値DMINを引くことによって求めたもの
である。また、振れは、図9に示すように、弾性ローラ
5の直交方向の外径差X−Yを20mmおきに15点で求
め、この15点の外径差の値をさらに平均することによ
って求めたものである。
【0050】表1中の実施例2と比較例2、及び、表2
中の実施例6と比較例8の結果からは、支持平板3によ
って研削ベルト2を前方に張り出すことにより円筒度が
飛躍的に向上することが分かる。これは支持平板3によ
る研削ベルト2の張り出しによって研削ベルト2のばた
つきや振動が抑えられることに起因するものと考えられ
る。
【0051】また、表1中の実施例1〜3と比較例1、
及び、表2中の実施例5,6と比較例7の結果からは、
研削時に弾性ローラ5を図7中の位置Bで5秒以上停止
させることで全体の研削精度が向上し、特に、停止時間
を長くするほど振れが小さくなることが分かる。実施例
1〜3のものと実施例5,6のものは寸法精度等の研削
精度の評価でいずれもOKとなっている。
【0052】ここで、トラバース式の円筒研削盤を用い
た表1中の比較例4〜6、表2中の比較例9,10、表
3中の比較例11,12の結果を検討してみると、これ
らのものは弾性ローラ5の軸方向の移動速度が速くなる
に従って弾性ローラ5の振れが大きくなる傾向にあり、
移動速度の速い比較例5,10,12のものは研削精度
の評価でNGとなっている。また、比較例4,6,9,
11のものは寸法精度の評価ではOKとなるものの、弾
性ローラの移動速度が遅いことがネックとなって研削時
間面でNGとなっている。
【0053】これに対し、実施例1〜3のものと実施例
5〜7のものは研削精度の評価がOKであるうえに、研
削時間面でもOKとなっている。しかし、トラバース式
の円筒研削盤を用いた比較例5のものと、弾性ローラ5
の停止時間を20秒とした実施例3のものとは研削時間
に大きな差がなく、時間的な優位性をより望む場合に
は、弾性ローラ5の停止時間は5〜10秒程度とするこ
とが望ましい。
【0054】また、表1中の実施例4と比較例3(同表
中、ベルト番手の後に符号Dを付してあるのは砥粒の尖
った部分を削り落とす加工を施したものである。)の結
果を検討すると、砥粒の尖った部分を削り落とさない♯
240の研削ベルト2を用いた比較例3のものが表面粗
さRzが25μmでNGとなる(ただし、実施例4と比
較例3は、実施例1と同条件で研削した弾性ローラを研
削ベルトを交換して再度研削したものであり、比較例3
の表面粗さは、スクラッチ部の表面粗さである。)のに
対し、砥粒の尖った部分を削り落とした♯240−Dの
研削ベルト2を用いた実施例4のものは表面粗さRzが
11μmでOKとなっている。これは比較例3のものは
砥粒の尖った部分が弾性ローラ5の外周面にスクラッチ
を作り、このスクラッチが表面粗さを低下させているも
のと考えられる。
【0055】
【表4】
【0056】この表4は、表1の実施例4と同条件にお
いて、支持平板3を冷却水で冷却したときと、冷却しな
かったときの弾性ローラ5(チューブ被覆ローラ)の研
削可能本数を調べた結果である。この表4の研削可能本
数は、次のような二つの実験によって得たものである。
【0057】即ち、一つ目の実験は、弾性ローラ5の連
続研削本数を徐々に増やしていったときの支持平板3の
温度変化を実施例8のものと比較例13のものについて
調べたもの(図10)であり、二つ目の実験は、弾性ロ
ーラ5の連続研削本数を徐々に増やしていったときの研
削後の弾性ローラ5の外径を実施例8のものと比較例1
3のものについて調べたもの(図11)である。
【0058】図10に示すように、支持平板3を冷却し
なかった場合には、弾性ローラ5を連続して30本研削
すると、支持平板3の温度が70℃まで上昇してその熱
が研削ベルト2にそのまま伝達されるため、危険回避の
ために装置を停止せざるを得なくなった。これに対し、
支持平板3を冷却した場合には、弾性ローラ5を連続し
て50本研削しても支持平板3の温度は30℃前後に維
持され、それ以上の連続研削も可能であった。
【0059】また、図11に示すように、支持平板3を
冷却しなかった場合には、弾性ローラ5を連続して23
本以上研削すると、弾性ローラ5の外径が基準外径2
8.60mmの±0.1mmの誤差範囲から外れてしまった。
これは、連続研削によって温度上昇した支持平板3の熱
が弾性ローラ5に伝達され、この熱によって弾性ローラ
5の弾性体部分が熱膨張することにより、弾性ローラ5
の研削外径が次第に減少したものと考えられる。尚、弾
性ローラ5を連続して30本以上研削した場合には、弾
性体のスポンジゴムと外皮のチューブを接着する接着剤
が軟化し、チューブ部分が剥がれ、或は、破れて研削が
できなくなった。
【0060】これに対し、支持平板3を冷却した場合に
は、弾性ローラ5を連続して50本まで研削しても弾性
ローラ5のチューブ部分の剥がれや破れは生じず、しか
も、弾性ローラ5の外径は基準外径28.60mmに対し
て±0.1mmの誤差の範囲内に収まった。
【0061】
【発明の効果】以上のように請求項1に記載の発明は、
弾性ローラの弾性体被着幅よりも幅広に形成された研削
ベルトを用いて一度に弾性ローラの研削を行うことがで
きることから、研削時間を短縮することができ、しか
も、弾性ローラよりも幅広の支持平板によって研削ベル
トを前方に張り出させることから、これによって研削ベ
ルトのばたつきや振動を抑えつつ安定姿勢で研削ベルト
による研削を行うことができ、弾性ローラに対する研削
精度を大幅に向上させることができる。そして、支持平
板で研削ベルトを前方に張り出させるため、支持平板と
弾性ローラの相対的な高さや角度をさして厳格に管理し
なくても高い精度での研削を行うことができるうえ、研
削部の交換も研削ベルトのみの交換で済むため、維持管
理も容易となる。
【0062】請求項2に記載の発明は、弾性ローラの研
削時に、研削ベルトを支持平板によって安定支持させた
状態のまま研削ベルトを幅方向にずらすことにより、弾
性ローラの軸方向の研削のばらつきをより少なくするこ
とができるため、研削精度をより高めることができる。
また、支持平板の幅が研削ベルトの幅よりも広く形成さ
れているため、研削ベルトの端部のばたつきを防止で
き、しかも、研削ベルトが支持平板の端部にかかること
がないことから、研削ベルトが支持平板にかかることに
よる同ベルトの局部的な摩耗を防止することができる。
【0063】請求項3に記載の発明は、弾性ローラと研
削ベルトの研削位置を、弾性ローラの外径寸法が所望の
外径寸法となる位置で停止させるため、弾性ローラの研
削精度をより確実に高めることができる。
【0064】請求項4に記載の発明は、研削ベルトと支
持平板の摺動に伴う発熱を積極的に冷却することによ
り、材料の熱膨張による研削精度の低下や弾性ローラの
変形等を抑制することができ、その結果、不具合なく弾
性ローラに対する連続研削を実現することができる。し
たがって、この発明によれば、生産効率を大幅に向上さ
せることができる。
【0065】請求項5に記載の発明は、比較的簡単な構
造でありながら、一度の研削によって弾性ローラの研削
を完了することができるうえに、弾性ローラに対する研
削精度を大幅に向上させることができ、しかも、設定調
整や維持管理も容易化することができる。
【0066】請求項6に記載の発明は、揺動機構によっ
て送りローラの一端を揺動させるだけで、研削時に研削
ベルトを幅方向にスライド移動させることができるた
め、構造の簡単な機構を付加するだけで、弾性ローラに
対する軸方向の研削のばらつきをより少なくし、研削精
度をより向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す装置全体の模式的な
斜視図。
【図2】同実施形態を示す側面図.
【図3】同実施形態を示す正面図。
【図4】同実施形態を示す模式側面図。
【図5】同実施形態を示すベルト研削機の斜視図。
【図6】同実施形態を示す支持平板の斜視図。
【図7】同実施形態の動作説明図。
【図8】実施例の測定で用いた装置の模式的な斜視図。
【図9】実施例の計測方法を説明する模式図。
【図10】弾性ローラの研削本数と支持平板の温度の関
係を示すグラフ。
【図11】弾性ローラの研削本数と弾性ローラの外径の
関係を示すグラフ。
【図12】複写機等の概略構成図。
【符号の説明】
1…ベルト研削機 2…研削ベルト 3…支持平板 4…回転駆動ユニット 5…弾性ローラ 6…進退駆動装置 7,8…送りローラ 10…揺動機構
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 飯野 洋輔 千葉県千葉市稲毛区長沼町330番地 鬼怒 川ゴム工業株式会社内 Fターム(参考) 3C058 AA05 AA09 AA12 AB01 AB06 BA08 CA01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸芯部材の外周に弾性体が被着された弾
    性ローラの外周面を研削する研削方法において、 弾性ローラの弾性体被着幅よりも幅が広く形成され外周
    面に研削面が設けられた研削ベルトと、同様に前記弾性
    体被着幅よりも幅が広く形成され研削ベルトを裏面側か
    ら押圧支持する支持平板とを設け、 前記研削ベルトを支持平板で押圧することによって前方
    に張り出させた状態で、同ベルトを所定方向に送り移動
    させると共に、弾性ローラを研削ベルトの送りと異なる
    向き、又は、異なる速度で回転させ、その状態で弾性ロ
    ーラと研削ベルトを相対的に近接移動させることによ
    り、弾性ローラの外周面を、研削ベルトのうちの前記支
    持平板によって張り出した部位に当接させることを特徴
    とする弾性ローラの研削方法。
  2. 【請求項2】 支持平板の幅を研削ベルトの幅よりも広
    く形成し、研削ベルトで弾性ローラを研削する際に、研
    削ベルトを支持平板の幅の範囲で幅方向に移動させるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の弾性ローラの研削方
    法。
  3. 【請求項3】 弾性ローラを研削ベルトに当接させる際
    に、同ローラの外径寸法が所望の外径寸法となる位置に
    おいて、弾性ローラと研削ベルトの相対移動を所定時間
    停止させることを特徴とする請求項1又は2に記載の弾
    性ローラの研削方法。
  4. 【請求項4】 弾性ローラの研削時に支持平板を冷却水
    によって冷却することを特徴とする請求項1〜3のいず
    れかに記載の弾性ローラの研削方法。
  5. 【請求項5】 軸芯部材の外周に弾性体が被着された弾
    性ローラの外周面を研削する研削装置において、 研削面が弾性ローラの弾性体被着幅よりも幅広に形成さ
    れた研削ベルトを送り移動させるベルト研削機と、 前記研削ベルトの研削面の裏面側に配設されて同ベルト
    を前方側に張り出させる支持平板と、 弾性ローラを取付け、同ローラを駆動回転させる回転駆
    動ユニットと、 この回転駆動ユニットを研削ベルトの研削面に向かって
    進退動作させる進退駆動装置と、を備えたことを特徴と
    する弾性ローラの研削装置。
  6. 【請求項6】 前記研削ベルトを環状に形成して同ベル
    トを複数の送りローラの間に張設し、このうちの一つの
    送りローラの一端を前後又は上下に揺動させる揺動機構
    を設けたことを特徴とする請求項5に記載の弾性ローラ
    の研削装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106826480A (zh) * 2016-12-25 2017-06-13 重庆市骞焰机械有限责任公司 轴用抛光机构
CN106926327A (zh) * 2017-03-10 2017-07-07 杨发明 一种毛竹筒去青机
CN111390711A (zh) * 2020-03-22 2020-07-10 桑浩 一种爆震传感器安装支架的打磨系统
CN113579945A (zh) * 2021-08-13 2021-11-02 江苏省连云港工贸高等职业技术学校(江苏省经贸技师学院) 一种机械加工打磨装置

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