JP4305580B2 - ローラ用シャフト、該シャフトを用いた弾性ローラ、及び該弾性ローラの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、レーザービームプリンタ、ファクシミリ等の電子写真装置や静電記録装置、インクジェットプリンタなどにおいて、帯電、転写、現像、クリーニング、給紙、定着などの工程に用いられる各種ローラ用のシャフト、該シャフトを用いた弾性ローラ、及び該弾性ローラの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
複写機、レーザービームプリンタ、ファクシミリ等の電子写真装置や静電記録装置、インクジェットプリンタなどには、帯電、転写、現像、クリーニング、給紙、定着等の工程に各種のローラが使用されており、通常これらの用途に用いられるローラは、弾性が求められるため図3に示したように、金属や樹脂製のシャフト1の外周に1又は2層以上(図3では1層)の弾性層2を形成した構造となっており、図3では示していないが、必要に応じて更に弾性層2上に1又は2以上の樹脂層を形成することも行われている。
【0003】
上記ローラ3は、金型のキャビティーに上記シャフト1を配置して上記弾性層2を成形することによりローラ3を得、又は予めローラ状に形成した上記弾性層2に中心軸に沿って上記シャフト1を圧入してローラ3を得、必要に応じて得られたローラ3の上記弾性層2上に上記樹脂層を形成することにより製造される。
【0004】
この場合、上記ローラ3は、通常その用途等に応じて所定の表面精度が要求され、上記シャフト1の外周に上記弾性層2を形成してローラ3を得た後、その弾性層2を研磨・研削してローラ3表面を所定の精度に調整することが行われ、その後必要に応じて上記樹脂層が形成する方法がとられる。
【0005】
従来、上記ローラ3の表面を所定の表面精度にするための研磨・研削は、図4に示した研削装置を用いて行われている。
【0006】
即ち、基台a上に固定され、図示しない駆動源により回転するコレットチャック(回転固定具)bと、該コレットチャックbに対して進退可能に取り付けられたセンターと呼ばれるシャフト支持具cとの間に上記ローラ3を取り付けて該ローラ3を所定速度で回転させ、該ローラ3の軸方向に沿って移動可能に配設された砥石dを回転させながらローラ3の表面に接触させると共に、該砥石dをローラ3の一端から他端へと移動させてローラ3の表面全面を研削・研磨することが行われている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記研削装置により上記ローラ3の表面を研削・研磨する際、上記ローラ3は、そのシャフト1の一端部を上記コレットチャックbに固定すると共に、他端部を上記シャフト支持具cに回転可能に支持することにより、コレットチャックbとシャフト支持具cとの間に取り付けられ、コレットチャックbに回転駆動されて回転されるようになっているが、この場合、上記シャフト支持具cに支持されたシャフトcの他端部は、図5に示したように、シャフト支持具cの先端に形成されたロート状の凹部eに挿入されて回転可能に支持される。また、シャフト支持具cは図5中の矢印方向に所定の圧力で押し付けられ、これにより回転するシャフト1はロート状凹部eの中心に確実に保持され、ローラ3が偏芯することなく安定的に回転するようになっている。
【0008】
しかしながら、このようにローラ3を回転させながらその表面を研削・研磨する際、シャフト1の端部とシャフト支持具cのロート状凹部e内面との摩擦により、上記シャフト支持具cに支持されたシャフトの端部が削られ、シャフト1の端部が変形したり、シャフト1の表面に形成した金属皮膜が剥がれてしまうなどの不都合を生じることがある。
【0009】
上記ローラ3は、電子写真装置などにおいて通常上記シャフト1の両端部を所定のシャフト嵌合部に嵌合させて回転可能に取り付けられるものである。この場合、シャフト1の端部に変形が生じていると、電子写真装置等の本体などに設けられたシャフト嵌合部の形状とシャフト1の形状が一致せずに、回転時に偏芯を生じるなどの不都合を生じることとなり、またシャフト1表面に形成した金属皮膜が剥がれてしまうと、皮膜形成の目的である導電性やすべり性などの機能が損なわれるという問題を生じることとなる。
【0010】
更には、ローラの研削・研磨中にシャフト1の端部に変形が生じると、ローラの回転中心が不安定になり、弾性層2表面を均一に研削・研磨することができずに、所定の表面精度を有するローラを得ることさえできなくなる場合もある。
【0011】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、シャフトの端部をシャフト支持具のロート状凹部内に支持して、回転させながらローラの表面を研磨する場合でも、シャフト端部の磨耗や表面皮膜の剥離等による不都合の発生を可及的に防止して、良好な性能を有するローラを安定的に得ることができるローラ用シャフト、該シャフトを用いた弾性ローラ、及び該弾性ローラの製造方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明は、上記目的を達成するため、
(1)各種ローラの少なくとも片端から外方へと突出し、該ローラを回転可能に支持するための断面円形のシャフトであって、その両端又は片端に第1面取り部と該第1面取り部よりも先端側に設けられたより面取り角度の大きい第2面取り部とを有する2段階の面取り処理が施されており、この2段階の面取り処理が施された端部を、ローラを回転可能に支持するシャフト支持具のロート状凹部に挿入して支持する際に、上記第2面取り部乃至該第2面取り部と第1面取り部との境界部分が上記ロート状凹部の内面に接触するように構成したことを特徴とするローラ用シャフト、
(2)シャフトの外周に1又は2層以上の弾性層が形成された弾性ローラにおいて、上記シャフトとして上記(1)のシャフトを用いたことを特徴とする弾性ローラ、及び、
(3)シャフトの外周に1又は2層以上の弾性層を設けてローラを形成した後、該ローラの一端から突出した上記シャフトの一端部を回転駆動源に接続された回転固定具に固定すると共に、該ローラの他端から突出した上記シャフトの他端部をシャフト支持具のロート状凹部に挿入支持し、該ローラを回転させると共に、回転するローラの上記弾性層表面に研磨具を接触させて弾性層表面を研削・研磨することにより、ローラの表面精度を調整する弾性ローラの製造方法において、上記シャフトとして上記(1)のシャフトを用いると共に、上記2段階の面取り処理が施されたシャフト端部を上記シャフト支持具のロート状凹部に挿入して支持させ、該シャフト端部の上記第2面取り部乃至該第2面取り部と第1面取り部との境界部分を上記ロート状凹部の内面に接触させて上記研削・研磨を行うことを特徴とする弾性ローラの製造方法、を提供する。
【0013】
即ち、上記(1)のシャフトによれば、その外周に弾性層等を形成してローラを得、このローラの表面を研削装置を用いて研削・研磨するために、シャフトの一端部を回転固定具に固定すると共に、他端部をシャフト支持具のロート状凹部に挿入支持して、該ローラを回転させる際、上記第1面取り部と第2面取り部とを有する2段階の面取り処理が施されたシャフト端部を上記シャフト支持具のロート状凹部に挿入支持させてローラを回転させることにより、シャフト支持具のロート状凹部の内面に接触するのは面取り角度の大きな上記第2面取り部乃至該第2面取り部と第1面取り部との境界部分となる。このため、シャフトの本体部分はシャフト支持具のロート状凹部内面に接触することがなく、このシャフト本体部分に磨耗による変形や金属皮膜の剥離を生じることがない。
【0014】
従って、この(1)のシャフトを用いた上記(2)の弾性ローラは、シャフト端部の本体部分に変形や皮膜の剥離といった不都合を生じることなく、所望の表面精度を確実に達成したローラとすることができ、電子写真装置等のシャフト嵌合部に確実かつ正確に取り付けられ、設計通りの性能を確実に発揮し得るものである。
【0015】
また、この(1)のシャフトを用い、該シャフトの外周に弾性層を形成してローラを得、これを研削・研磨処理して表面精度を調整することにより、弾性ローラを製造する上記(3)の製造方法は、電子写真装置等のシャフト嵌合部と嵌合するシャフト本体部に変形や皮膜剥離等の不都合を生じさせることなく、所望の表面精度を有する弾性ローラを確実かつ安定的に製造することができるものである。
【0016】
以下、本発明につき、更に詳しく説明する。
本発明のローラ用シャフトは、各種ローラの少なくとも片端から外方へと突出し、該ローラを回転可能に支持するための断面円形のシャフトであり、両端又は片端に、例えば図1に示したように、第1面取り部41と該第1面取り部41よりも先端側に設けられた第2面取り部42とを有する2段階の面取り処理4を施したものである。
【0017】
ここで、上記2段階の面取り部4は、シャフトの先端側に形成された第2面取り部42の面取り角度θ2が第1面取り部41の面取り角度θ1よりも大きく形成されたものである。この場合、本発明でいう面取り角度θ1及びθ2は、図1に示されているように、各面取り部41,42の表面とシャフト1の中心線CLとの角度を指す。
【0018】
また、上記第1面取り部41の面取り角度θ1及び第2面取り部42の面取り角度θ2は、θ2>θ1であればよく、特に制限されるものではないが、第2面取り部42の面取り角度θ2は、ローラに研削・研磨処理を施す際に用いられるシャフト支持具(センター)cのロート状凹部e内面の角度とほぼ同一の角度とすることが好ましく、これによりシャフトを軸にしてローラを回転させる際、図2に示したように、この第2面取り部42とシャフト支持具cのロート状凹部eの内面とが面接触した状態となり、回転中に偏芯等を生じることなくより安定的に回転させることができる。なお、上記シャフト支持具cのロート状凹部eの内面角度θ3は、通常60〜80°程度であるので、上記第2面取り部42の面取り角度θ2は、20〜60°程度、特に30〜40°とすることが好ましく、上記第1面取り部41の面取り角度θ1はそれよりも小さな10〜50°程度、25〜40°とすることが好ましい。
【0019】
本発明のシャフトは、このシャフトを用いて製造するローラの種類等に応じて公知の材料により形成することができ、具体的には、鉄、ステンレス,鋼、銀、真鍮等の導電性非鉄金属などの金属、ナイロン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS)、ポリカーボネート樹脂(PC)、ポリアミド樹脂(PA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチレン(PS)、ポリプロピレンオキサイド(PPO)、アクリル樹脂、その他熱硬化性樹脂等の樹脂が一般的に用いられる。また、導電性、耐腐食性、耐磨耗性、滑り性等を付与するため、各種めっき処理などによりシャフト表面に金属皮膜を形成してもよい。
【0020】
本発明のシャフトは、各種ローラの回転軸として用いられるものであり、その端部がローラの少なくとも片端から外方へと突出した状態で、ローラの中心軸に沿って配設されるものであり、上記2段階の面取り部4が形成されたシャフト端部がローラから突出するように配設するものである。
【0021】
本発明のシャフトは、その外周に1又は2層以上の弾性層を形成した弾性ローラのシャフトとして好適に用いられるものであるが、これに限定されるものではなく、その外周に弾性を有さない層を設けた硬質のローラのシャフトとすることもできる。
【0022】
この本発明のシャフトによれば、その外周に弾性層等を形成してローラを得、該ローラの表面を研削装置を用いて研削・研磨するために、図4のように、シャフトの一端部をコレットチャック等の回転固定具bに固定すると共に、他端部をシャフト支持具cのロート状凹部eに挿入支持して、該ローラを回転させる際、図2に示されているように、上記第1面取り部41と第2面取り部42とを有する2段階の面取り処理4が施されたシャフト1の端部を上記シャフト支持具cのロート状凹部eに挿入支持させてローラを回転させることにより、シャフト支持具cのロート状凹部eの内面に接触するのは面取り角度の大きな上記第2面取り部42乃至該第2面取り部42と第1面取り部43との境界部分となる。このため、シャフト1の本体部分1aはシャフト支持具cのロート状凹部e内面に接触することがなく、このシャフト本体1a部分に磨耗による変形や金属皮膜の剥離を生じることがない。
【0023】
次に、本発明の弾性ローラは、図3に示されたローラと同様に、シャフト1の外周に弾性層2を形成したものであり、本発明では、シャフト1として少なくとも一端部に2段階の面取り処理4を施した上記本発明のシャフトを用いたものである。
【0024】
上記弾性層2は、ローラの用途等に応じて適宜選定され、特に制限されるものではないが、通常は天然ゴム(NR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴム(IR)、エチレンプロピレンゴム(EPM,EPDM)、ニトリルゴム(NBR)等のゴム材料やウレタン樹脂などの高分子エラストマーや高分子フォーム材料が用いられる。
【0025】
この弾性層2には、用途等に応じて適宜な添加剤を配合することができ、例えば、各種導電性カーボン,金属粉末,金属酸化物粉末,導電性フィラー,各種イオン性物質等の導電剤、軟化剤、架橋剤、増量剤、補強剤等、目的とするローラに要求される特性などに応じて公知の添加剤を添加することができる。
【0026】
この弾性層2は、1層でも2層以上としてもよく、異なる材質からなる複数層又は添加剤等の配合を変更した異なる特性を有する複数層の弾性層としてもよい。
【0027】
また、上記弾性層2上には、必要に応じて1又は2層以上の樹脂層を形成することができる。この樹脂層もローラの用途や要求される特性に応じて公知の材料を用いて形成することができ、例えば、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、フェノール変性・シリコーン変性等の変性アルキッド樹脂、オイルフリーアルキッド樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、マレイン酸樹脂、ウレタン樹脂等からなる樹脂層を形成することができる。また、この樹脂層にも、目的とするローラの用途及び要求特性などに応じて、導電剤、低摩擦化剤等の公知の添加剤を適宜添加することができる。
【0028】
この本発明の弾性ローラは、上記2段階の面取り処理4を施した本発明シャフト1の外周に上記弾性層2を形成してローラを形成した後、該ローラの表面、即ち上記弾性層2表面を研削・研磨して該弾性層の表面精度を調整し、必要に応じて弾性層2上に上記樹脂層を形成することにより、製造することができる。
【0029】
この場合、上記弾性層2は、金型のキャビティーに上記本発明シャフト1を配置した状態で射出成形することにより、金型の外周に直接形成してもよく、また射出成形法や押出成形法により予め成形した弾性層2の中心に、必要に応じて接着剤を塗布した上記本発明シャフト1を圧入して、本発明シャフト1の外周に固定してもよい。
【0030】
次に、本発明シャフト1の外周に上記弾性層2を形成したローラの表面を研削・研磨してローラの真円度や弾性層2表面の表面粗さ等を調整し、用途等に応じた所望の表面精度にローラ表面を調整する。この場合、研削装置としては、図4に示した装置が用いられ、シャフトの一端部を回転駆動源に接続されたコレットチャック(回転固定具)bに固定すると共に、上記2段階の面取り処理4が施されたシャフト端部を上記シャフト支持具cのロート状凹部e内に挿入して支持させ(図2参照)、この状態でローラを回転させると共に、その表面(弾性層2表面)に砥石等の研磨具dを接触させて表面全面を研削・研磨する。
【0031】
この場合、図2に示されているように、本発明のシャフトを用いているので、研削・研磨時にシャフト本体1aがシャフト支持具cのロート状凹部eの内面に接触することがなく、研削・研磨時にこのシャフト本体1a部分に磨耗による変形や金属皮膜の剥離等を生じることがない。
【0032】
このように、弾性層2の表面を研削・研磨した後、必要に応じて、上記樹脂層を形成するが、この樹脂層は樹脂材料を適宜な溶媒に溶解した塗料液を調製し、該塗料液をディップ法、スプレー法、ロールコーター法などの公知の方法により塗布し、乾燥させることにより形成することができる。
【0033】
【実施例】
以下、実施例,比較例を示し、本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。
【0034】
[実施例]
長さ250mm,直径6mmの鉄(SUM22L)製丸棒の片端に図1に示した如き2段階の面取り処理4を施した後、無電解ニッケルめっきを施して、表面に金属皮膜を形成してローラ用シャフトを作成した。この場合、第1面取り部41の面取り角度θ1を30°、第2面取り部42の面取り角度θ2を40°とした。
【0035】
このシャフトを金型のキャビティー内にセットしてウレタンを注型して射出成形することにより、シャフトの外周にウレタンフォームからなる弾性層を形成したローラを得た。
【0036】
得られたローラを図4に示した研削装置にセットして弾性層表面を研削・研磨し、表面精度の調整を行った。このとき、シャフトの一端部をコレットチャック(回転固定具)bに固定すると共に、図2に示したように、上記2段階面取り処理4を施した他端部をセンター(シャフト支持具)cのロート状凹部eに挿入支持してローラを水平に支持し、該ローラを250rpmで回転させながら、1570rpmで回転する砥石dを弾性層表面に接触させ、この状態で砥石dをローラの一端部から他端部へと移動させてローラの表面全面を研削・研磨した。なお、センター(シャフト支持具)cのロート状凹部e内面の角度は、80°であった。
【0037】
研削・研磨後のシャフト端部を観察したところ、第2面取り部42の表面に若干の皮膜剥離が見られたものの、シャフト本体部1a(図2参照)には皮膜剥離等はまったく見られなかった。
【0038】
[比較例]
鉄(SUM22)製丸棒の端部に面取り処理を施さずに、無電解ニッケルめっきを施して表面に金属皮膜のみを形成したシャフトを用いたこと以外は、実施例と同様にしてローラを作成し、その表面を実施例と同様に研削・研磨した。
【0039】
研削・研磨後のシャフト端部を観察したところ、シャフト端部の周縁部に皮膜剥離が生じており、その剥離は、ローラを各種装置に装着した際にローラを支持するためのシャフト嵌合部と接触する箇所にまで及んでいた。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のローラ用シャフトは、シャフトの端部をシャフト支持具のロート状凹部内に支持して、回転させながらローラの表面を研磨する場合でも、シャフト端部の磨耗や表面皮膜の剥離等による不都合の発生を可及的に防止して、良好な性能を有するローラを安定的に得ることができるものである。
【0041】
従って、このシャフトを用いた本発明の弾性ローラは、シャフト端部の本体部分に変形や皮膜の剥離といった不都合を生じることなく、所望の表面精度を確実に達成したローラとすることができ、電子写真装置等のシャフト嵌合部に確実かつ正確に取り付けられ、設計通りの性能を確実に発揮し得るものである。また、このシャフトを用い、該シャフトの外周に弾性層を形成してローラを得、これを研削・研磨処理して表面精度を調整することにより、弾性ローラを製造する本発明の製造方法は、電子写真装置等のシャフト嵌合部と嵌合するシャフト本体部に変形や皮膜剥離等の不都合を生じさせることなく、所望の表面精度を有する弾性ローラを確実かつ安定的に製造することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例にかかるローラー用シャフトの端部を示す部分拡大平面図である。
【図2】同シャフトの端部をシャフト支持具のロート状凹部内に挿入支持した状態を示す部分拡大断面図である。
【図3】従来のローラの一例を示す断面図である。
【図4】ローラの表面を研削・研磨する研削装置を示す概略図である。
【図5】従来のローラ用シャフトの端部をシャフト支持具のロート状凹部内に挿入支持した状態を示す部分拡大断面図である。
【符号の説明】
1 ローラ用シャフト
2 弾性層
3 弾性ローラ
4 2段階の面取り部
41 第1面取り部
42 第2面取り部
θ1 第1面取り部の面取り角度
θ2 第2面取り部の面取り角度
CL シャフトの中心線
b コレットチャック(回転固定具)
c センター(シャフト支持具)
d 砥石(研磨具)
Claims (6)
- 各種ローラの少なくとも片端から外方へと突出し、該ローラを回転可能に支持するための断面円形のシャフトであって、その両端又は片端に第1面取り部と該第1面取り部よりも先端側に設けられたより面取り角度の大きい第2面取り部とを有する2段階の面取り処理が施されており、この2段階の面取り処理が施された端部を、ローラを回転可能に支持するシャフト支持具のロート状凹部に挿入して支持する際に、上記第2面取り部乃至該第2面取り部と第1面取り部との境界部分が上記ロート状凹部の内面に接触するように構成したことを特徴とするローラ用シャフト。
- 第1面取り部の面取り角度が10〜50°であり、第2面取り部の面取り角度が20〜60°である請求項1記載のローラ用シャフト。
- シャフトの外周に1又は2層以上の弾性層が形成された弾性ローラにおいて、上記シャフトとして請求項1又は2記載のシャフトを用いたことを特徴とする弾性ローラ。
- シャフトの外周に1又は2層以上の弾性層を設けてローラを形成した後、該ローラの一端から突出した上記シャフトの一端部を回転駆動源に接続された回転固定具に固定すると共に、該ローラの他端から突出した上記シャフトの他端部をシャフト支持具のロート状凹部に挿入支持し、該ローラを回転させると共に、回転するローラの上記弾性層表面に研磨具を接触させて弾性層表面を研削・研磨することにより、ローラの表面精度を調整する弾性ローラの製造方法において、上記シャフトとして請求項1記載のシャフトを用いると共に、上記2段階の面取り処理が施されたシャフト端部を上記シャフト支持具のロート状凹部に挿入して支持させ、該シャフト端部の上記第2面取り部乃至該第2面取り部と第1面取り部との境界部分を上記ロート状凹部の内面に接触させて上記研削・研磨を行うことを特徴とする弾性ローラの製造方法。
- キャビティー内にシャフトをセットした金型を用いて、上記弾性層を射出成形することによりシャフトの外周に弾性層を形成したローラを得、このローラの弾性層表面に研削・研磨処理を施す請求項4記載の弾性ローラの製造方法。
- 予め成形したローラ状弾性体の中心にシャフトを圧入してシャフトの外周に弾性層を形成したローラを得、このローラの弾性層表面に研削・研磨処理を施す請求項4記載の弾性ローラの製造方法。
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