JP2009142955A - 研磨装置及び導電性ローラの製造方法 - Google Patents

研磨装置及び導電性ローラの製造方法 Download PDF

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圭輔 成田
Sokuei Motoda
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Abstract

【課題】被研磨体に寸法公差があっても、被研磨体を均一に研磨することのできる研磨装置、及び、均一な表面特性を有する導電性ローラの製造方法を提供する。
【解決手段】被研磨体25を研磨する研磨フィルム8と、研磨フィルム8が外周面の一部に巻回される弾性バックアップローラ3とを備え、弾性バックアップローラ3は、研磨フィルム8を被研磨体25に一定圧力で押圧するように、被研磨体25に向かって前後進可能に、被研磨体25に対して対向配置される。
【選択図】図2

Description

この発明は、研磨装置及び導電性ローラの製造方法に関し、さらに詳しくは、例えば被研磨体に寸法公差があっても被研磨体を均一に研磨することのできる研磨装置、及び、均一な表面特性を有する導電性ローラの製造方法に関する。
レーザープリンター及びビデオプリンター等のプリンター、複写機、ファクシミリ、これらの複合機等には、電子写真方式を利用した各種の画像形成装置が採用されている。電子写真方式を利用した画像形成装置は、軸体とその外周面に形成された弾性層とを有する、例えば、クリーニングローラ、帯電ローラ、現像ローラ、転写ローラ、加圧ローラ、紙送り搬送ローラ、定着ローラ等の各種ローラを備えている。これらの画像形成装置に採用される各種ローラは、高精細な画像の形成等を目的として、均一な表面特性を有している必要がある。そして、この要求に応えるために、各種ローラは、通常、軸体の外周面に形成されたゴム硬化体を表面処理することによって、均一な表面特性及び寸法精度に調整されて、製造される。
例えば、特許文献1には、「弾性層の研磨方法は、特に制限されないが、一般には湿式法又は乾式法等があり、例えば、湿式法による研磨方法は、砥石と弾性層の間に水やオイル等の潤滑剤を吹きつけながらを研磨する方法が採用できるが、感光ドラムへの汚染の問題から潤滑剤としては水が好ましい。なお、乾式法による研磨方法を採用する場合には、研削速度や砥石の種類等を十分に考慮すれば良いが、作業性の点から湿式法が好ましく用いられる」と、記載されている(特許文献1の0024欄)。
この特許文献1によると、乾式研磨よりも湿式研磨の方が好ましいとされているのであるが、湿式研磨では水やオイル等の潤滑剤の使用により廃液等が生じるという問題点がある。なお、この特許文献1には乾式研磨による実施例が記載されていないので、乾式研磨によりどのような導電性ローラが得られるか不明である。
特許文献2には、亀裂形成治具として、「カットローラー10と、駆動ローラー11と、送りローラー12とからなっている。これら3つのローラー10,11,12は、互いに平行で間隔をあけ、A方向から見るとそれぞれが三角形の頂点に位置しているように配置されている」と記載され(特許文献2の0017欄)、そして、「ローラー本体10aの表面には、250本のカット歯13が突設されている。これらカット歯13はそれぞれ、図4に示すように、くさび型をしており、その突出高さは、0.1mmである。カット歯13の方向は、図2に示すように、軸方向に50mmづつの範囲でそれぞれ軸方向,斜め方向(軸方向と左回りに45°の角度をなす方向),周方向となっている。カット歯13間の距離は、軸方向に5〜10mmピッチ、周方向に15°ピッチとなっている」と記載されている(特許文献2の0018欄、図2及び図3参照。)。
この特許文献2における亀裂形成治具のローラー本体10aの表面には、方向が異なるカット歯13が突設されていることから、特許文献2に記載の亀裂形成治具は、亀裂を形成することに特に有効であっても、均一に研磨することには有効ではない。
特許文献3には、「上記導電層3の表面に微小なケバ立ち状の凹凸10を形成するが、この凹凸は導電層3の表面を研磨することにより容易に形成することができる、この場合一般には湿式法又は乾式法等の研磨方法があるが、本発明では特に、乾式法が好適に用いられる。具体的には、図3に示したように、現像ローラ1を100rpm程度で回転させると共に、この現像ローラ1の導電層3表面に砥石11を接触させ、該砥石11を逆方向に1500rpm程度の速度で回転させながら現像ローラ1の一端側から他端側へ移動させることより研磨を行ない、凹凸を形成することができる。この場合、より幅の広い砥石により移動することなく一括に現像ローラ1の全表面を研磨することも可能である。このように研磨することにより得られた凹凸は、砥石11の回転方向、即ち現像ローラ1の一周方向に傾いたケバ立ち状のものとなる。なお、砥石と導電層との間に水やオイル等の潤滑剤を吹き付けながら研磨する湿式法による研磨方法を用いることも可能であり、更に研磨以外の方法、例えばモールドの内面に予め微小な凹凸を形成しておき、ここに導電層形成材料を注入して現像ローラを形成する方法(射出成形法等)等を用いることもできる。この導電層3表面の凹凸は、特に制限されるものではないが、凹凸の高さが0.1〜30μmで、ローラの周方向に沿った凸部間の平均間隔が1〜200μmであることが好ましい。」と、記載されている(特許文献3の0020欄参照)。
特許文献3によれば、「ローラ表面の周方向に沿ったJIS10点平均粗さRzが5〜20μm、軸方向に沿ったJIS10点平均粗さRzが15μmで、かつ周方向に沿った平均粗さRzが軸方向に沿った平均粗さRzよりも大き」な弾性ローラが提案されている(特許文献3の請求項1参照)。
ところが、この特許文献3に記載の研磨方法によれば、表面をケバ立てることはできても、砥石11の移動速度又は接触状態等が少しでも変化すると、それに応じて研磨された表面特性は異なり、その結果、表面を均一に研磨することは容易ではない。特に、多数の被研磨体を研磨する場合には、被研磨体それぞれの研磨状態を均一にすることは容易ではない。
特許文献4には、「研磨機には、例えば通常研磨機としては宮本製作所製CG50型円筒研削盤があり、フィルム研磨機としては松田精機製SP100型のフィルム研磨機がある」と記載されている(特許文献4の段落番号0045)。この特許文献4によれば、「凹凸の表面粗さがRa/Rz<0.15且つ2μm<Rz<11μm」であるゴム状ローラ」が提案されている(特許文献4の請求項1参照。)。
ところが、特許文献4に記載の研磨機は、いずれも、バックアップローラが固定式であり、バックアップローラの被研磨体への押圧力を一定にすることができても、例えば、被研磨体及び/又はバックアップローラの寸法公差によって、さらには、被研磨体の形状等によって、被研磨体をその周方向及び軸線方向のいずれの方向にも均一に研磨することができないことがある。特に、バックアップローラが弾性を有していると、研磨フィルムの走行安定性、バックアップローラの劣化等により、被研磨体に研磨フィルムを押圧する押圧力が変化し、多数の被研磨体を研磨したときの表面特性を均一にすることは容易ではない。
特開平8−44149号公報 特許第3724180号公報 特許第2959445号公報 特開2006−85079号公報
この発明は、例えば被研磨体に寸法公差があっても、被研磨体を均一に研磨することのできる研磨装置を提供することを、目的とする。
また、この発明は、均一な表面特性を有する導電性ローラの製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段として、
請求項1は、被研磨体を研磨する研磨フィルムと、前記研磨フィルムが外周面の一部に巻回される弾性バックアップローラとを備え、前記弾性バックアップローラは、前記研磨フィルムを前記被研磨体に一定圧力で押圧するように、前記被研磨体に向かって前後進可能に、前記被研磨体に対して対向配置されて成ることを特徴とする研磨装置であり、
請求項2は、軸体の外周面で導電性ゴム組成物を硬化してゴム硬化体を形成し、請求項1に記載の研磨装置で前記ゴム硬化体を研磨して弾性層を形成し、前記弾性層の外周面にコート層を形成して成ることを特徴とする導電性ローラの製造方法である。
この発明に係る研磨装置は、研磨フィルムが巻回される弾性バックアップローラが、前記研磨フィルムを前記被研磨体に一定圧力で押圧するように、被研磨体に向かって前後進可能に配置されているから、被研磨体にたとえ寸法誤差等があっても、弾性バックアップローラが前後進することによって、被研磨体の寸法誤差が吸収されて研磨フィルムが被研磨体に追従し、その結果、研磨フィルムが被研磨体の周方向及び軸線方向に一定圧力で均一に押圧された状態に保持される。したがって、この発明によれば、例えば被研磨体に寸法公差があっても、被研磨体を均一に研磨することのできる研磨装置を提供することができる。また、この発明によれば、均一な表面特性を有する導電性ローラの製造方法を提供することができる。
この発明に係る研磨装置は、被研磨体を研磨する研磨フィルムを備えている。この発明に係る研磨装置に適用される研磨フィルムは、通常の場合、基材フィルムの表面に砥粒が接着剤を介して分散状態で付着してなる。砥粒の基材フィルムへの分散・塗布方法はラッピング法、電界法等が挙げられるが、切削性及び分散の均一性を考慮すると、電界法が好ましい。研磨フィルムの幅は、研磨装置に装着されて研磨しようとする被研磨体の軸線方向長さと同じでもよく、また、被研磨体の軸線方向長さよりも大きくてもよい。さらに、この発明に係る研磨装置は、後述するように、研磨フィルムが被研磨体の周方向及び軸線方向に一定圧力で均一に押圧された状態に保持されるから、研磨中に被研磨体をその軸線方向に前後進させることもでき、したがって、研磨フィルムの幅は被研磨体の軸線方向長さよりも小さくてもよい。
前記基材フィルムとしては、ポリエステル、ポリアミドイミド、ポリエチレン、ポリエーテルイミド、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、不織布、紙等を挙げることができる。特に引張強度、引裂強度、伸縮性に優れているポリエステルが好ましい。この基材フィルムは、通常の場合、その厚みが0.01〜1mmであり、好ましくは0.02〜0.6mmであり、より好ましくは、0.1〜0.15mmである。
前記砥粒の材質としては、炭化ケイ素、アルミナ、ダイヤモンド及びダイヤモンドライクカーボン等の高硬度セラミックを挙げることができる。これらのなかでも、ゴム等の軟質物の削り性に優れる点で、炭化ケイ素、アルミナが好適である。
前記砥粒の平均粒子径は、7〜100μm、好ましくは9〜80μm、より好ましくは20〜70μmである。砥粒の平均粒子径は、電子顕微鏡等を用いて、砥粒の形状における最大長さを測定し、各砥粒における測定された最大長さを算術平均して、決定される。砥粒の平均粒子径が7μm未満であると、弾性層の表面が平滑になりすぎることがある。例えば、現像ローラにおける弾性層の表面が平滑になりすぎると、弾性層の表面に現像剤を物理的に保持するのに十分な凹凸が形成されてなく、現像ローラによる現像剤の供給量が低下することがある。一方、砥粒の平均粒子径が100μmを超えると、弾性層の表面が粗くなりすぎることがある。例えば、現像ローラにおける弾性層の表面が粗くなりすぎると、弾性層の表面に形成される凹凸が大きくなり過ぎて、また、弾性層の表面に形成される凹凸によって印字画像に縦スジが発生し、その結果、この現像ローラが装着された画像形成装置は鮮明な画像を形成することができなくなることがある。
前記平均粒子径を有する砥粒を基材フィルムの表面に有する研磨フィルムとしては、例えば、三共理化学株式会社製の研磨用ミラーフィルム(商品名「MCFシリーズ」)、住友スリーエム株式会社製のマイクロフィニッシングフィルムシリーズ等を好適にかつ市販品として入手することができる。これら市販品の研磨フィルムは、その基材フィルムの表面に、高硬度セラミック粒子が、その長軸を前記基材フィルムの表面に対してほぼ垂直となるように、立設状態に付着されてなる。前記市販の研磨フィルムを採用すると、弾性層の表面を所望の表面特性に好適に形成することができる。
この発明に係る研磨装置は、前記研磨フィルムと、研磨フィルムが外周面の一部に巻回される弾性バックアップローラとを備え、この弾性バックアップローラは、研磨フィルムを被研磨体に一定圧力で押圧するように、被研磨体に向かって前後進可能に、被研磨体に対して対向配置されて成ることを特徴とする。
この発明に係る研磨装置の一実施例の研磨装置1を、図面を参照して、説明する。この研磨装置1は、図1及び図2に示されるように、研磨フィルム8と、研磨フィルム8が外周面の一部に巻回される弾性バックアップローラ3と、研磨フィルム8を被研磨体25に一定圧力で押圧するように被研磨体25に向かって前後進可能に、弾性バックアップローラ3を被研磨体25に対して対向配置してなる可動機構2とを備えている。
前記弾性バックアップローラ3は、図1に示されるように、軸体11と、その外周面に形成された弾性体12とを備えて成る。軸体11は、弾性体12を支持し、被研磨体25を研磨する際に、弾性バックアップローラ3を研磨フィルム8と共に被研磨体25に押圧しても、変形しない程度の強度を有していればよい。軸体11は、このような強度を有する材料で形成され、このような材料として、鉄、アルミニウム、ステンレス鋼、真鍮等が挙げられる。前記軸体11の直径は、通常、2〜20mmに調整される。
前記弾性体12は、軸体11の外周面に円筒状に形成され、その外周面の一部に研磨フィルム8を巻回して、研磨フィルム8の走行を案内する。そして、弾性体12は、後述する可動機構2によって、研磨フィルム8を巻回した状態で被研磨体25に押圧され、図2に示されるように、被研磨体25における弾性体12との当接部を凹陥させて、この凹陥部に研磨フィルム8を接触させる。したがって、この弾性体12の硬度は、例えば、20〜110の範囲のJIS A硬度に調整される。JIS A硬度は、JIS K6301に準拠して測定することができる。
弾性体12の軸線方向長さは、研磨フィルム8の幅方向全域にわたって接触することのできる長さを有していればよく、弾性体12の外径は、被研磨体25の寸法等に応じて、適宜選択される。特に、弾性体12が被研磨体の軸線方向長さよりも短く調整されていると、被研磨体をその軸線方向に前後進させつつ研磨することができるから、たとえ被研磨体が所謂クラウン形状、逆クラウン形状等に形成されていても、被研磨体よりも短い弾性体12すなわち研磨フィルムは被研磨体に均一に当接することができる。弾性体12は、被研磨体25との当接状態において、被研磨体25との均一な当接幅を確保することができる点で、その厚さは、1mm以上であるのが好ましく、3mm以上であるのがより好ましい。一方、弾性体12の厚さの上限は、特に制限されないが、一般に、弾性体12の厚さを厚くしすぎると、弾性体12の作製コストが上昇するから、実用的な作製コストを考慮すると、弾性体12の厚さは、50mm以下であるのが好ましく、30mm以下であるのがより好ましい。
弾性体12は、通常、ゴムと、所望により各種添加剤とを含有するゴム組成物によって形成される。前記ゴムは、特に限定されず、例えば、シリコーンゴム若しくはシリコーン変性ゴム、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム(エチレンプロピレンジエンゴムを含む。)、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、天然ゴム、アクリルゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、エピクロルヒドリンゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴム等のゴムが挙げられる。前記各種添加剤としては、例えば、鎖延長剤及び架橋剤等の助剤、触媒、分散剤、発泡剤、老化防止剤、酸化防止剤、充填材、顔料、着色剤、加工助剤、軟化剤、可塑剤、乳化剤、耐熱性向上剤、難燃性向上剤、受酸剤、熱伝導性向上剤、離型剤、溶剤等が挙げられる。これらの各種添加剤は、通常用いられる添加剤であってもよく、用途に応じて特別に用いられる添加剤であってもよい。
弾性バックアップローラ3は、後述する支持部材4に回転可能に支持されるのがよく、支持部材4に回転しないように固定されてもよい。
可動機構2は、図1及び図2に示されるように、弾性バックアップローラ3を回転可能に支持する支持部材4と、支持部材4を支持する基体5と、基体5及び支持部材4を連結し、支持部材4の前進を規制する規制部材6と、支持部材4を介して弾性バックアップローラ3を被研磨体25に向かって前方に押圧するアクチュエータ7とを備えて成る。
前記支持部材4は、図1に示されるように、平板状又は柱状の基部13と、基部13の表面から突出する、弾性バックアップローラ3の軸体11を回転可能に支持する第1の支持部14及び第2の支持部15とを備えて成る。第1の支持部14と第2の支持部15との間隔は、もちろん、弾性体12の軸線方向長さよりも長く、軸体11の軸線方向長さよりも短く調整されている。基部13には、後述する規制部材6が貫通装着される装着部16が適宜の位置に形成されている。第1の支持部14及び第2の支持部15の先端部は、弾性バックアップローラ3の軸体11を挿通して支持する支持部を有している。
前記基体5は、図1及び図2に示されるように、平板状又は柱状を成し、後述する規制部材6及びアクチュエータ7と協働して、支持部材4を前後進可能に支持する。この基体5は、アクチュエータ7が挿通される貫通孔17が適宜の位置に穿孔されている。
前記規制部材6は、図1及び図2に示されるように、基体5と支持部材4とを離間して連結すると共に、アクチュエータ7によって前方に押圧される支持部材4がある範囲を超えて前進することを規制する。研磨装置1においては、規制部材6として、シャフト18及びセットカラー19が採用されている。この規制部材6によれば、セットカラー19の締め付け量によって、基体5と支持部材4との離間距離、すなわち、支持部材4の前後進可能距離が、シャフト18の長さの範囲内で、調整される。この距離は、例えば、1〜15mm程度に調整される。このように、規制部材6によって、支持部材4の前後進可能距離が所定の範囲に容易に規制される。規制部材6によって規制される支持部材4の前後進可能距離は、被研磨体25の寸法、研磨量等に応じて、適宜調整される。
前記支持部材4、前記基体5及び前記規制部材6は、ある程度の強度を有する材料で形成さればよく、例えば、このような材料として、鉄、アルミニウム、ステンレス鋼、真鍮等が挙げられる。
前記アクチュエータ7は、図1及び図2に示されるように、基体5を貫通し、その先端部が支持部材4に当接するように、配置されている。後述するように、弾性バックアップローラ3は支持部材4を介してアクチュエータ7によって前後進可能に配置されているから、弾性バックアップローラ3のスムーズな前後進を可能にする点で、アクチュエータ7の先端部は支持部材4に固定されていないのがよい。このように、弾性バックアップローラ3は、前記研磨フィルム8を被研磨体25に一定圧力で押圧するように、被研磨体25に向かって前後進可能に、配置されている。可動機構2においては、図1に示されるように、一対のアクチュエータ7、7が、支持部材4の軸線方向における、第1の支持部14及び第2の支持部15が設けられた位置よりも端部側に、換言すると、第1の支持部14及び第2の支持部15の間隔よりも大きな間隔をおいて、配置されている。そして、後述するように、一対のアクチュエータ7、7はそれぞれ独立に機能するように構成されている。一対のアクチュエータ7、7がこのように配置され、構成されていると、支持部材4の軸線方向において、支持部材4の前後進可能距離を一定の押圧力を維持したまま独立に制御することができる。例えば、一定の押圧力を維持したまま、支持部材4における第1の支持部14側の前後進可能距離を小さく、一方、支持部材4における第2の支持部15側の前後進可能距離を大きくして、弾性バックアップローラ3すなわち研磨フィルム8を被研磨体25(及び基体5)の軸線方向に対して、傾斜させることができる。したがって、一対のアクチュエータ7、7がこのように配置され、構成されていると、被研磨体25がその軸線方向における寸法誤差を有していても、例えば、軸線方向の外径が異なるローラ原体、又は、被研磨体25における軸線方向の形状が異なっていても、例えば、クラウン形状のローラ原体等であっても、被研磨体25における軸線方向の寸法変化及び形状変化にかかわらず、弾性バックアップローラ3すなわち研磨フィルム8を被研磨体25の形状、寸法等に追従させることができ、弾性バックアップローラ3及び研磨フィルム8は被研磨体25の周方向及び軸線方向に一定圧力で均一に押圧された状態に保持される。その結果、被研磨体25の周方向及び軸線方向にかけて被研磨体25を均一に研磨することができる。
アクチュエータ7は、支持部材4を介して弾性バックアップローラ3を被研磨体25側すなわち前方方向に一定圧力で押圧することができるように構成されていればよく、例えば、往復直線運動を行う可動部を備えたシリンダ等が挙げられる。このようなシリンダであれば、シリンダそれぞれの押圧力及び押圧量(換言すると、支持部材4の前後進可能距離)それぞれを独立して正確に所定の値に制御することができるから、被研磨体25のわずかな寸法誤差又は形状変化にも適正に応答することができ、その結果、被研磨体25に対して一定圧力を維持した状態で、弾性バックアップローラ3を被研磨体25に所望のように追従させて、被研磨体25を均一に研磨することができる。このようなシリンダとしては、例えば、空気圧シリンダ、油圧シリンダ等が挙げられる。可動機構2において、一対のアクチュエータ7、7として空気圧シリンダが採用されている。なお、この発明において、研磨精度を向上させるために、精密レギュレータがアクチュエータ7に装着されていてもよい。
アクチュエータ7は、その前方方向に弾性バックアップローラ3を一定圧力で押圧することができればよく、その押圧力は0.1〜0.5MPaの範囲内に調整することができるのが好ましい。アクチュエータ7の押圧力を前記範囲内に調整することができると、弾性バックアップローラ3を介して研磨フィルム8を被研磨体25に適度に押圧して、被研磨体25の研磨量を調節しながら被研磨体25を研磨することができる。特に、被研磨体25が後述するローラ原体である場合には、所望の表面特性を有する弾性層52にゴム硬化体を研磨することができる。
このような可動機構2を備えた研磨装置1は、図2に示されるように、弾性バックアップローラ3が、被研磨体25に対向するように、配置されている。より具体的には、弾性バックアップローラ3は、アクチュエータ7の押圧力によって、被研磨体25における弾性バックアップローラ3との当接部がその深さ方向に凹陥するように、配置されている。被研磨体25がローラ原体である場合には、前記凹陥部の深さは約1〜10mmに調整されるのが好ましい。すなわち、被研磨体25の表面に対して、研磨フィルム8による切込み量が1〜10mmになるように、弾性バックアップローラ3が配置される。前記切込み量は、研磨フィルム8の砥粒の先端部と被研磨体25の表面とを接触させた時を「0mm」とし、続いて弾性バックアップローラ3により研磨フィルム8を被研磨体25の表面に押込んだ時の押込み量を示している。
この研磨装置1は、図2に示されるように、長尺の研磨フィルム8が採用されている。したがって、研磨装置1は、例えば、前記研磨フィルム8を弾性バックアップローラ3の外周面に供給する研磨フィルム供給部20と、研磨フィルム8を回収する研磨フィルム回収部21とを有している。研磨フィルム供給部20及び研磨フィルム回収部21の構成は特に限定されず、例えば、研磨装置1においては、研磨フィルム供給部20は未使用の研磨フィルム8が巻回されたローラとされ、研磨フィルム回収部21は使用済みの研磨フィルムを巻き取るローラとされている。この場合には、研磨装置1は、図2に示されるように、研磨フィルム8の走行を案内するガイドローラ22が研磨フィルム8の走行路中の適宜の位置に複数設けられている。
研磨装置1において、研磨フィルム8は、通常、所定の速度、例えば、1〜10cm/secで、走行する。研磨フィルム8は、図示しない走行制御部によって、その走行が制御される。この研磨フィルム8は、弾性バックアップローラ3の外周面に巻回されていればよく、研磨装置1における研磨フィルム8の張力等は特に限定されない。
前記研磨装置1によれば、前記したように、被研磨体25にたとえ寸法誤差等があっても、研磨フィルム8を被研磨体25に一定圧力で押圧するように、弾性バックアップローラ3が前後進することによって、被研磨体25の寸法誤差が吸収されて研磨フィルム8が被研磨体25に追従し(換言すると、被研磨体としてストレート形状のローラ原体を選択する場合等には弾性バックアップローラ3の軸線と被研磨体の軸線とが平行になり)、その結果、研磨フィルム8が被研磨体25の周方向及び軸線方向に均一に押圧された状態に保持されるから、被研磨体25をその周方向及び軸線方向に均一に研磨することができる。つまり、研磨装置1によれば、被研磨体25の形状、寸法誤差等にかかわらず、弾性バックアップローラ3及び研磨フィルム8によって、被研磨体25を定圧研磨加工することができる。
また、この研磨装置1は、アクチュエータ7によって、弾性バックアップローラ3の被研磨体25への押圧力を長期間にわたって所望のように調整することができるから、多数の被研磨体25を研磨しても、被研磨体25における研磨状態はほぼ均一で、良好な研磨再現性を発揮することができる。
さらに、この研磨装置1は、研磨フィルム8を被研磨体25に一定圧力で押圧するように、弾性バックアップローラ3が前後進するように、構成されているから、研磨中に被研磨体をその軸線方向に前後進させても、被研磨体25をその周方向及び軸線方向に均一に研磨することができる。
この研磨装置1は、前記特徴に加えて、バックアップローラ3による被研磨体25に対する押圧力を所望の範囲に設定できるという特徴を有している。この特徴を有していると、圧力の調整によって、被研磨体25の表面の粗さ状態を所望の状態に制御することができる。
この発明に係る研磨装置は、前記した実施例に限定されることはなく、本願発明の目的を達成することができる範囲において、種々の変更が可能である。例えば、研磨装置1の可動機構2は2本のアクチュエータ7を備えているが、この発明において、研磨装置の可動機構は、1本のアクチュエータを、支持部材及び基体における軸線方向の略中央に、備えていてもよく、3本以上のアクチュエータを、支持部材及び基体における軸線方向に等間隔で、備えていてもよい。このようにアクチュエータを備えていると、前記研磨装置1と同様に、支持部材における前後進可能距離を被研磨体に応じて調整することができ、弾性バックアップローラすなわち研磨フィルムを被研磨体の軸線方向に対して、傾斜させることができる。
また、可動機構2の支持部材4は、1枚の平板状又は1本の柱状とされているが、この発明においては、支持部材は、その軸線方向の略中央に設けられた可撓性部材を介して、第1の支持部を有する第1の支持端部と第2の支持部とを有する第2の支持端部とが連結されて構成されてもよい。この支持部材は、第1の支持端部と第2の支持端部とがアクチュエータによって独立に被研磨体に向かって押圧されるから、被研磨体の形状、寸法精度等にかかわらず、弾性バックアップローラを被研磨体に追従させて、被研磨体をより一層均一に研磨することに貢献することができる。
さらに、研磨装置1は、長尺の研磨フィルム8を採用しているが、この発明においては、無端の研磨フィルムを採用してもよく、この場合は、研磨フィルム供給部及び研磨フィルム回収部は不要である。
次に、この発明に係る導電性ローラの製造方法(詳細は後述する。)によって製造される導電性ローラを、図面を参照して、説明する。この発明に係る導電性ローラの一実施例である導電性ローラ50は、図3に示されるように、軸体51と、導電性弾性層(以下、単に、弾性層と称することがある。)52と、コート層53とを備え、例えば、図4に示される画像形成装置30等に配設される。
導電性ローラ50の表面、すなわち、コート層53の表面は、均一に研磨された弾性層52の表面状態が反映され、微細な凹凸形状になっている。この表面の凹凸形状は、周方向の表面粗さRzが2〜18μmであり、軸線方向の表面粗さRzが2〜20μmであるのが好ましい。周方向及び軸線方向の表面粗さRzが共に前記範囲内にあると、導電性ローラ50を現像ローラとして用いるときに、導電性ローラ50の表面に現像剤を物理的に保持するのに十分な凹凸が形成されて、現像剤を所望の供給量で供給することができると共に、縦スジの発生を防止して、鮮明な画像を形成することができる。この効果がより高水準で得られる点で、周方向の表面粗さRzは5〜13μmであるのが特に好ましく、軸線方向の表面粗さRzは5〜13μmであるのが特に好ましい。表面粗さRzは、JIS B 0601―1984(十点平均粗さ)に準じ、先端半径2μmの測定プローブを備えた表面粗さ計(商品名「590A」、株式会社東京精密製)に、コート層53を備えた導電性ローラ50をセットし、周方向又は軸線方向の測定長2.4mm、カットオフ波長0.8mm、カットオフ種別ガウシアンにより、少なくとも3点における表面粗さ測定し、これらの平均値を表面粗さRzとする。
また、導電性ローラ50の表面、すなわち、コート層53の表面は、周方向の表面粗さRzのばらつき度が30%以下の範囲内にあり、軸線方向の表面粗さRzのばらつき度が30%以下の範囲内にあるのがより好ましい。前記両表面粗さRzのばらつき度が共に前記範囲内にあると、導電性ローラ50における周方向及び軸線方向の表面特性が高度に均一になって、画像形成装置に装着されたときに、導電性ローラ50の全外周面で均一な現像剤の担持量及び供給量を達成することができ、その結果、高精細な画像を形成することに大きく貢献することができる。前記両表面粗さのばらつき度の下限値は理想的には0%である。より一層高い水準で前記効果を実現することができる点で、前記両表面粗さのばらつき度は、15〜25%であるのが特に好ましい。表面粗さRzのばらつき度は、表面粗さRzの前記測定方法に従って、導電性ローラ50の周方向及び/又は軸線方向の複数(例えば、20点)の測定点で、表面粗さRzを測定し、式[最大測定値−最小測定値]/測定値の算術平均値)×100%から算出する。
前記軸体51は、良好な導電特性を有していればよく、通常、鉄、アルミニウム、ステンレス鋼、真鍮等で構成された所謂「芯金」と称される軸体とされる。
弾性層52は、20〜70のJIS A硬度を有しているのが好ましく、30〜60のJIS A硬度を有しているのがより好ましく、35〜50のJIS A硬度を有しているのが特に好ましい。弾性層52が前記範囲のJIS A硬度を有していると、導電性ローラ50のJIS A硬度を前記範囲に調整することができる。
弾性層52は、被当接体との当接状態において、被当接体と弾性層52との均一なニップ幅を確保することができる点で、その厚さは、1mm以上であるのが好ましく、5mm以上であるのがより好ましい。一方、弾性層52の厚さの上限は、弾性層52の外径精度を損なわない限り特に制限されないが、一般に、弾性層52の厚さを厚くしすぎると、弾性層52の作製コストが上昇するから、実用的な作製コストを考慮すると、弾性層52の厚さは、30mm以下であるのが好ましく、20mm以下であるのがより好ましい。なお、弾性層52の厚さは、所望のニップ幅を達成するために、弾性層52の硬度、例えば、JIS A硬度等に応じて、適宜選択される。
前記コート層53は、前記弾性層52の外周面に後述する組成物を硬化して成る。コート層53は、通常、0.1〜50μmの層厚を有しているのが好ましく、10〜20μmの層厚を有しているのがより好ましい。
この導電性ローラ1は、好ましくは、周方向の表面粗さRzが2〜18μmであり、かつ、軸線方向の表面粗さRzが2〜20μmであり、さらに好ましくは、周方向の表面粗さRzのばらつき度及び軸線方向の表面粗さRzのばらつき度が共に30%以下の範囲内にあるから、十分な現像剤の担持力を得られるという効果が得られる。また、この導電性ローラ1を、例えば、画像形成装置の現像ローラとして装着したときに、現像剤を所望のように担持して、像担持体に所望のように供給することができる。
この発明に係る導電性ローラの製造方法によって製造される導電性ローラは、前記した実施例に限定されることはなく、本願発明の目的を達成することができる範囲において、種々の変更が可能である。例えば、この発明に係る導電性ローラは、軸体と弾性層との間に、及び/又は、弾性層とコート層との間に、他の層を有してもよい。他の層としては、例えば、軸体と弾性層とを接着又は密着させるプライマー層、弾性層とコート層とを接着又は密着させるプライマー層等が挙げられる。これらのプライマー層を形成する材料としては、例えば、アルキッド樹脂、フェノール変性・シリコーン変性等のアルキッド樹脂変性物、オイルフリーアルキッド樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド樹脂、ウレタン樹脂及びこれらの混合物等が挙げられる。また、これらの樹脂を硬化及び/又は架橋する架橋剤としては、例えば、イソシアネート化合物、メラミン化合物、エポキシ化合物、過酸化物、フェノール化合物、ハイドロジェンシロキサン化合物等が挙げられる。プライマー層は、例えば、0.1〜1μmの厚さに形成される。
この発明に係る導電性ローラの製造方法は、軸体51の外周面に導電性ゴム組成物を硬化してゴム硬化体を形成し、この発明に係る前記研磨装置で前記ゴム硬化体を研磨して、弾性層52を形成し、前記弾性層52の外周面にコート層53を形成して成ることを特徴とする。
この発明に係る導電性ローラの製造方法においては、まず、軸体51を準備する。軸体51は、例えば、鉄、アルミニウム、ステンレス鋼、真鍮若しくはこれらの合金等の金属、熱可塑性樹脂若しくは熱硬化性樹脂等の樹脂、及び前記樹脂等に導電性付与剤としてカーボンブラック又は金属粉体等を配合した導電性樹脂等の材料を用いて、公知の方法により所望の形状に調製される。軸体51に導電性が要求される場合には、前記金属及び前記導電性樹脂の他に、前記樹脂等で形成した絶縁性芯体の表面に定法によりメッキを施すことにより、軸体51を形成することができる。前記材料の中でも、容易に導電性を付与することができる点で、金属であるのが好ましく、アルミニウム又はステンレス鋼であるのが特に好ましい。
軸体51は、所望により、その外周面にプライマー層が塗布されてもよい。プライマー層を形成するプライマーは、所望により溶剤等に溶解され、定法、例えば、ディップ法、スプレー法等に従って、軸体51の外周面に塗布され、硬化される。プライマーとしては、特に制限はないが、例えば、前記材料が挙げられる。プライマー層は、必要により前記材料を溶剤等に溶解し、定法、例えば、ディップ法、スプレー法等に従って、軸体51の外周面に前記材料を塗布し、前記材料に応じた加熱条件によって、前記材料を加熱硬化させる。
この発明に係る導電性ローラの製造方法においては、次いで、このようにして形成された軸体51の外周面に、後述する導電性ゴム組成物を硬化して、ゴム硬化体を形成する。ゴム硬化体は前記研磨装置により弾性層52とされる成形体である。
ゴム硬化体は、軸体51の外周面に配置された後述する導電性ゴム組成物を加熱硬化して形成される。例えば、ゴム硬化体は、公知の成形方法によって、成形と加熱硬化とを同時に又は連続して行い、軸体51の外周面に形成される。導電性ゴム組成物の成形方法は、軸体51の外周面に導電性ゴム組成物を配置することができる方法であればよく、例えば、押出成形による連続加硫、プレス、インジェクションによる型成形等、特に制限されるものではない。例えば、導電性ゴム組成物が後述する付加硬化型ミラブル導電性シリコーンゴム組成物及び付加反応型発泡シリコーンゴム組成物である場合には、成形方法として押出成形等を選択することができ、導電性ゴム組成物が後述する付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物である場合には、成形方法として金型を用いる各種型成形法等を選択することができる。
導電性ゴム組成物の硬化条件は、軸体51の外周面に配置された導電性ゴム組成物の硬化に必要な熱を与え、導電性ゴム組成物が硬化する条件であればよく、導電性ゴム組成物の組成等に応じて適宜調整される。例えば、導電性ゴム組成物が後述する付加硬化型ミラブル導電性シリコーンゴム組成物である場合には、硬化条件は、100〜500℃、特に120〜300℃の加熱温度、及び、数分以上1時間以下、特に10秒以上35分以下の加熱時間であるのが好ましく、導電性ゴム組成物が後述する付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物である場合には、硬化条件は、100〜300℃、特に110〜200℃の加熱温度、及び、時間は30分以上5時間以下、特に1〜3時間の加熱時間であるのが好ましい。
このようにして硬化されたゴム硬化体は、必要に応じて、二次硬化されることもできる。二次硬化条件は、特に限定されないが、例えば、導電性ゴム組成物が後述する付加硬化型ミラブル導電性シリコーンゴム組成物である場合には、100〜200℃の加熱温度、及び、1〜20時間程度の加熱時間であるのがよく、導電性ゴム組成物が後述する付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物である場合には、120〜250℃の加熱温度、及び、1〜10時間程度の加熱時間であるのがよい。
このようにして軸体51の外周面にゴム硬化体を形成して、ローラ原体とされる。
この発明に係る導電性ローラの製造方法においては、このようにして形成されたローラ原体のゴム硬化体を、この発明に係る研磨装置を用いて、研磨する。この発明において、「研磨」には、研削、切削も含まれる。具体的には、図2に示されるように、前記研磨装置1における弾性バックアップローラ3にローラ原体(図2において破線で示されている。)25が対向するように、ローラ原体25を配置する。
このとき、ローラ原体25は、弾性バックアップローラ3によって、研磨フィルム8の砥石がゴム硬化体の深さ方向に約1〜10mm切り込むように、配置される。そうすると、弾性バックアップローラ3は、アクチュエータ7によって、研磨フィルム8をローラ原体25に一定圧力で押圧するように、ローラ原体25に向かって前後進可能に、押圧されている。その結果、前記切込み量を問わず、研磨フィルム8は弾性バックアップローラ3を介して設定された押圧力で均一に押圧される。そして、この押圧状態を維持したまま、研磨装置1の研磨フィルム8を例えば1〜10cm/secで走行させる。そうすると、研磨フィルム8の走行と共に弾性バックアップローラ3は研磨フィルム8の走行方向に回転する。このとき、ローラ原体25を弾性バックアップローラ3の回転方向と逆方向に回転させるのが好ましい。このようにローラ原体25を回転させると、ローラ原体25のゴム硬化体を効果的に研磨することができる。ローラ原体25の回転数は、特に限定されないが、例えば、300〜4000rpmに調整することができる。なお、ゴム硬化体の研磨に多少の時間を要してもよいのであれば、ローラ原体25を回転させなくてもよい。
このようにして、ローラ原体25のゴム硬化体は、例えば、室温で、所望の研磨量となるまでの時間、研磨される。このとき、ローラ原体25のゴム硬化体にたとえ寸法誤差等があっても、弾性バックアップローラ3が前後進することによって、ローラ原体25の寸法誤差等が吸収されて研磨フィルム8がローラ原体25の寸法誤差等に追従し、その結果、研磨フィルム8がゴム硬化体の周方向及び軸線方向に一定圧力で均一に押圧された状態で、ゴム硬化体が研磨される。
この発明に係る導電性ローラの製造方法においては、このようにして研磨されて成る弾性層52は、コート層53が形成される前に、前記プライマー層が形成されてもよい。プライマー層は、必要により前記材料を溶剤等に溶解し、定法、例えば、ディップ法、スプレー法等に従って、弾性層52の外周面に前記材料を塗布し、前記材料に応じた加熱条件によって、前記材料を加熱硬化させる。
この発明に係る導電性ローラの製造方法においては、次いで、コート層53が形成される。コート層53は、形成された弾性層52又は所望により弾性層52の外周面に形成されたプライマー層の外周面に、前記組成物を塗工し、次いで、塗工された組成物を加熱硬化させて、形成される。組成物の塗工は、例えば、組成物の塗工液を塗工する塗布法、前記塗工液に弾性層52等を浸漬するディッピング法、前記塗工液を弾性層52等に吹き付けるスプレーコーティング法等の公知の塗工方法によって、行われる。組成物は、そのまま塗工してもよいし、組成物に、例えば、メタノール及びエタノール等のアルコール、キシレン及びトルエン等の芳香族系溶媒、酢酸エチル及び酢酸ブチル等のエステル系溶媒等の揮発性溶媒を加えた塗工液を塗工してもよい。この塗工液は、組成物を溶解又は懸濁させた塗工液であり、例えば、揮発性溶媒を80質量%程度含有する。このようにして塗工された組成物を加熱硬化する方法は、組成物の硬化に必要な熱を加えられる方法であればよく、例えば、組成物が塗工された弾性層52等を加熱器で加熱する方法等が挙げられる。組成物を加熱硬化させる際の加熱温度は、例えば、100〜200℃、特に130〜160℃、加熱時間は10〜120分間、特に30〜60分間であるのが好ましい。なお、前記塗工に代えて、前記組成物を弾性層52又はプライマー層の外周面に、押出成形、プレス成形、インジェクション成形等の公知の成形方法によって、積層すると共に、又は、積層した後に、積層された組成物を加熱する方法等が採用されることができる。
このようにして、導電性ローラを製造することができる。そして、製造された導電性ローラは、前記したように、周方向及び軸線方向の表面粗さRzが前記範囲内にあるのが好ましい。また、前記のようにして例えば100本以上の導電性ローラを製造しても、周方向の表面粗さRzのばらつき度及び軸線方向の表面粗さRzのばらつき度が共に30%以下の範囲内にあるのがより好ましい。このように、この発明に係る導電性ローラの製造方法によれば、周方向の表面粗さRzのばらつき度及び軸線方向の表面粗さRzのばらつき度が小さく、均一な表面特性を有する導電性ローラを製造することができる。このような均一な表面特性を有する導電性ローラを画像形成装置の現像ローラとして用いると、過不足のない現像剤担持量を発揮し、高精細化された画像を形成することに大きく貢献することができる。
弾性層52を形成する導電性ゴム組成物は、ゴムと、導電性付与剤と、所望により各種添加剤とを含有する。前記ゴムは、特に限定されず、例えば、シリコーン若しくはシリコーン変性ゴム、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム(エチレンプロピレンジエンゴムを含む。)、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、天然ゴム、アクリルゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、エピクロルヒドリンゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴム等のゴムが挙げられるが、シリコーン若しくはシリコーン変性ゴムが、耐熱性及び帯電特性等に優れる点で、好ましい。これらのゴムは、液状タイプであっても、ミラブルタイプであってもよく、弾性層52の成形方法、弾性層52に要求される特性等に応じて、適宜選択することができる。
前記導電性付与剤は、導電性を有していれば特に限定されず、例えば、導電性粉末、イオン導電性物質等が挙げられる。導電性粉末としては、より具体的には、例えば、ケッチェンブラック、アセチレンブラック等の導電性カーボンの他に、SAF、ISAF、HAF、FEF、GPF、SRF、FT、MT等のゴム用カーボン類、また、酸化チタン、酸化亜鉛、ニッケル、銅、銀、ゲルマニウム等の金属、さらには、金属酸化物、ポリアニリン、ポリピロール、ポリアセチレン等の導電性ポリマー等が挙げられ、イオン導電性物質としては、より具体的には、例えば、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸リチウム、過塩素酸カルシウム、塩化リチウム等の無機イオン性導電物質等が挙げられる。導電性付与剤は、1種単独で、又は2種以上を組み合わせて、弾性層52としたときに所望の体積抵抗率となるように、適宜の含有量で添加される。例えば、導電性ゴム組成物における導電性付与剤の含有量は、前記ゴム100質量部に対して、2〜80質量部とすることができる。
前記導電性ゴム組成物は、前記ゴム、導電性付与剤に加えて、通常、各種組成物に含有される各種添加剤を含有してもよく、各種添加剤としては、例えば、鎖延長剤及び架橋剤等の助剤、触媒、分散剤、発泡剤、老化防止剤、酸化防止剤、充填材、顔料、着色剤、加工助剤、軟化剤、可塑剤、乳化剤、耐熱性向上剤、難燃性向上剤、受酸剤、熱伝導性向上剤、離型剤、溶剤等が挙げられる。これらの各種添加剤は、通常用いられる添加剤であってもよく、用途に応じて特別に用いられる添加剤であってもよい。
導電性ゴム組成物は、二本ローラ、三本ローラ、ロールミル、バンバリーミキサ、ドウミキサ(ニーダー)等のゴム混練り機等を用いて、前記ゴム、導電性付与剤及び所望により各種添加剤が均一に混合されるまで、例えば、数分から数時間、好ましくは5分〜1時間、常温又は加熱下で混練して、得られる。
導電性ゴム組成物は、成形金型に容易にかつ均質に注入することができる点で、例えば、25℃において、5〜500Pa・sの粘度を有しているのがよく、5〜200Pa・sの粘度を有しているのが特によい。導電性ゴム組成物の粘度は、通常、それらに含まれる各成分の種類及び/又は配合量によって、調整することができる。また、必要により、溶剤等により、粘度を調整することもできる。
好ましく使用される導電性ゴム組成物として、例えば、付加硬化型ミラブル導電性シリコーンゴム組成物及び付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物が挙げられる。
前記付加硬化型ミラブル導電性シリコーンゴム組成物は、(A)平均組成式:RSiO(4−n)/2(Rは、同一又は異なっていてもよい、置換又は非置換の一価炭化水素基、好ましくは炭素原子数1〜12、より好ましくは炭素原子数1〜8の一価炭化水素基であり、nは1.95〜2.05の正数である。)で示されるオルガノポリシロキサン、(B)充填材、及び、(C)上記(B)成分に属するもの以外の導電性材料を含有する。
前記付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物は、(D)一分子中にケイ素原子と結合するアルケニル基を少なくとも2個含有するオルガノポリシロキサンと、(E)一分子中にケイ素原子と結合する水素原子を少なくとも2個含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンと、(F)平均粒径が1〜30μmで、嵩密度が0.1〜0.5g/cmである無機質充填材と、(G)導電性付与剤と、(H)付加反応触媒とを含有する付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物が挙げられる。
コート層53を形成する組成物は、通常、樹脂と、各種添加剤とを含有する。前記樹脂は、永久変形しにくい材料であるのが好ましく、例えば、アルキッド樹脂、フェノール変性・シリコーン変性等のアルキッド樹脂変性物、オイルフリーアルキッド樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド樹脂、ウレタン樹脂、ポリアミドイミド系樹脂及びこれらの混合物等が挙げられる。前記各種添加剤としては、前記導電性ゴム組成物で説明した添加剤が挙げられる。
この発明における導電性ローラの製造方法は、前記した例に限定されることはなく、本願発明の目的を達成することができる範囲において、種々の変更が可能である。例えば、この発明に係る導電性ローラの製造方法においては、研磨装置による研磨処理を複数回行うことができる。
この発明に係る導電性ローラが好適に装着される画像形成装置の一実施例を、図4を参照して、説明する。
この発明に係る画像形成装置30は、図4に示されるように、静電潜像が形成される回転可能な像担持体31例えば感光体と、像担持体31に当接若しくは圧接して又は所定の間隔を置いて設けられ、像担持体31を帯電させる帯電手段32例えば帯電ローラと、像担持体31の上方に設けられ、像担持体31に静電潜像を形成する露光手段33と、像担持体31に当接若しくは圧接して又は所定の間隔を置いて設けられ、像担持体31に一定の層厚で現像剤42を供給し、静電潜像を現像する現像手段40と、像担持体31の下方に圧接するように設けられ、現像された静電潜像を像担持体31から記録紙36上に転写する転写手段34例えば転写ローラと、記録紙36の搬送方向の下流に設けられ、記録紙36に転写された現像剤42(静電潜像)を定着させる定着手段35例えば定着器と、記録紙36に転写されず像担持体31に残留した現像剤42及び/又は像担持体31に付着したゴミ等を除去するクリーニング手段37とを備えている。すなわち、像担持体31は、その回転方向において、上流側から順に、クリーニング手段37、帯電手段32、露光手段33、現像手段40及び転写手段34によって、各作用を受ける。この画像形成装置30は、像担持体31の表面に残留している静電潜像を除去する除電手段(図示しない。)を、クリーニング手段37と帯電手段32との間又は転写手段34とクリーニング手段37との間に、備えていてもよい。
画像形成装置30における前記現像手段40は、従来の画像形成装置に備えられた現像手段と基本的に同様に形成され、同様に配置されている。例えば、前記現像手段40は、図4に示されるように、像担持体31に対向する位置に開口部を有し、現像剤42を収納する現像剤収納部41と、現像剤収納部41内に設けられ、現像剤42を均一に攪拌する攪拌機43と、現像剤収納部41の開口部に、像担持体31に当接若しくは圧接して又は所定の間隔を置いて設けられ、像担持体31に現像剤42を一定の層厚で現像剤42を供給する回転可能な現像剤担持体44と、現像剤担持体44の上方に設けられ、現像剤担持体44に当接して現像剤42の層厚を規制すると共に摩擦帯電により現像剤42を帯電させる現像剤規制部材45とを備えている。具体的には、現像剤規制部材45は、ブレード46が所定の圧力で現像剤担持体44の表面に当接するように、ブレード46が湾曲されて、現像手段40の開口部に、配置されている。前記現像剤収納部41に収納される現像剤42、すなわち、この発明に係る画像形成装置30に使用される現像剤42としては、摩擦により帯電可能で、記録紙36に定着可能な一成分系の現像剤であれば、乾式現像剤であっても湿式現像剤であってもよく、また、非磁性現像剤であっても磁性現像剤であってもよい。
この発明に係る画像形成装置30は、帯電手段32の帯電ローラ、現像手段40の現像ローラ、転写手段34の転写ローラ、定着手段35の定着ローラ、クリーニング手段のクリーニングローラ(図示しない。)、加圧ローラ(図示しない。)、紙送り搬送ローラ(図示しない。)等の各種ローラを備え、これら各種ローラのうち少なくとも1つのローラとしてこの発明に係る導電性ローラの製造方法によって製造された導電性ローラ1が装着されている。好ましくは、帯電ローラ、現像ローラ、転写ローラ及び定着ローラのうち少なくとも1つのローラ、特に好ましくは現像ローラとして導電性ローラ1が装着されている。
この発明に係る画像形成装置30は、次にように作用する。まず、像担持体31が、図4の矢印に示されるように、時計方向に回転しつつ、クリーニング手段37により、その表面の現像剤42及び/又はゴミ等が除去された後、帯電手段32により、一様に帯電される。次いで、露光手段33により画像が露光され、像担持体31の表面に静電潜像が形成される。
一方、現像手段40において、攪拌機43により均一に混合された現像剤42が、現像剤担持体44に供給され、現像剤担持体44が図4に示される矢印方向に回転することにより、現像剤担持体44の表面に付着した現像剤42が、現像剤担持体44と現像剤担持体44に当接した現像剤規制部材45のブレード46との間を通過する。このとき、現像剤42は、所望の層厚に規制されると共に、現像剤42を所望のように帯電させることができる。つまり、現像剤42が、現像剤担持体44と現像剤規制部材45のブレード46との間を通過することによって、現像剤担持体44の表面上における現像剤42の層厚が規制されると共に、現像剤規制部材45のブレード46と現像剤担持体44及び/又は現像剤42との摩擦帯電等により、現像剤担持体44上の現像剤42が所望のように帯電される。
次いで、このようにして現像手段40から所望の層厚及び帯電量を有する現像剤42が像担持体31に供給され、像担持体31に形成された静電潜像が現像されて、この静電潜像が現像剤像として可視化される。このようにして、現像手段40は、像担持体31に所望の層厚及び帯電量を有する現像剤42を供給し、静電潜像を現像することができる。次いで、像担持体31上に現像された現像剤像は、図示しない搬送手段により、像担持体31と転写手段34との間に搬送される記録紙36上に、像担持体31及び/又は転写手段34によって転写される。次いで、現像剤像が転写された記録紙36は、図示しない搬送手段により定着手段35に搬送され、定着手段35により加熱及び/又は加圧されて、転写された現像剤像が永久画像として記録紙36に定着される。このようにして、記録紙36に画像を形成することができる。
この発明に係る画像形成装置30は、帯電ローラ、現像ローラ、転写ローラ、定着ローラ、クリーニングローラ(図示しない。)、加圧ローラ(図示しない。)、紙送り搬送ローラ(図示しない。)等の各種ローラのうち少なくとも1つのローラとしてこの発明に係る導電性ローラの製造方法によって製造された導電性ローラ1が装着されているので、導電性ローラ1が装着されたローラは、被当接体に対して均一に作用することができ、高品質の画像を形成することに十分に貢献することができる。特に、現像ローラとして導電性ローラ1が装着されていると、均一な表面特性を有するから、現像剤を均一に帯電させると共に担持することができ、像担持体31に現像剤を所望のように供給することができる。その結果、現像ローラとして装着された導電性ローラ1は、高品質の画像を形成することに十分に貢献することができる。
この発明に係る画像形成装置30において、像担持体31、帯電手段32、露光手段33、転写手段34、定着手段35及びクリーニング手段37は、図4に示される配置の他に、従来の画像形成装置に備えられる像担持体、帯電手段、露光手段、転写手段、定着手段及びクリーニング手段とそれぞれ同様に形成され、同様に配置されてもよい。
また、画像形成装置30は、電子写真方式の画像形成装置とされているが、この発明において、画像形成装置は、電子写真方式には限定されず、例えば、静電方式の画像形成装置であってもよい。また、画像形成装置30は、現像手段40に単色の現像剤42のみを収容するモノクロ画像形成装置とされているが、この発明において、画像形成装置は、モノクロ画像形成装置に限定されず、カラー画像形成装置であってもよい。カラー画像形成装置としては、例えば、像担持体上に担持された現像剤像を中間転写体に順次一次転写を繰り返す4サイクル型カラー画像形成装置、各色毎の現像手段を備えた複数の像担持体を中間転写体や転写搬送ベルト上に直列に配置したタンデム型カラー画像形成装置等が挙げられる。画像形成装置30は、例えば、複写機、ファクシミリ、プリンター等の画像形成装置とされる。
(実施例1)
無電解ニッケルメッキ処理が施された軸体(SUM22製、直径10mm、長さ275mm)をトルエンで洗浄し、その表面にシリコーン系プライマー(商品名「プライマーNo.16」、信越化学工業株式会社製)を塗布した。プライマー処理した軸体を、ギヤオーブンを用いて、150℃の温度にて10分焼成処理した後、常温にて30分以上冷却し、軸体の表面にプライマー層を形成した。
一方、メチルビニルシリコーン生ゴム(商品名「KE−78VBS」、信越化学工業株式会社製)100質量部と、ジメチルシリコーン生ゴム(商品名「KE−76VBS」、信越化学工業株式会社製)20質量部と、カーボンブラック(商品名「アサヒサーマル」、旭カーボン株式会社製)10質量部と、煙霧質シリカ系充填材(商品名「Zeothix 95」、平均一次粒径6.9μm、嵩密度0.09g/cm、J.M.HUBER株式会社製)15質量部と、白金触媒(商品名「C−19A」、信越化学工業株式会社製)0.5質量部と、ハイドロジェンポリシロキサン(商品名「C−19B」、信越化学工業株式会社製)2.0質量部とを混合し、加圧ニーダーで混練して、付加硬化型ミラブル導電性シリコーンゴム組成物を調製した。
また、図1及び図2に示される研磨装置1を準備した。軸体11の外周面にウレタンゴム製の弾性体12(厚さ13mm、軸線方向長さ105mm、JIS A硬度40)を備えた弾性バックアップローラ3に、研磨フィルム8(商品名「MCF40」、三共理化学株式会社製、幅100mm、砥石の材質SiO、平均粒子径40μm)を、巻回した。研磨装置1のアクチュエータ7として、空気圧シリンダ(商品名「エアシリンダ CJ2RA16−15S」、SMC株式会社製、使用可能圧力範囲0.15〜0.7MPa)を2本採用した。
次いで、プライマー層を形成した軸体51と付加硬化型ミラブル導電性シリコーンゴム組成物とを、クロスヘッド型押出成形機にて一体分出し、ギヤオーブンを用いて、250℃、30分間加熱した。その後、さらに、ギヤオーブンを用いて、200℃で4時間にわたって、二次加熱し、常温にて24時間放置した。さらに、円筒研磨機にて、仕上げ研磨を行い、軸線方向長さ230mmのゴム硬化体を備えたローラ原体Iを作製した。このゴム硬化体は、その軸線方向にほぼ均一な外径(16mm)を有し、その周方向の表面粗さRzは4μmであり、軸線方向の表面粗さRzは4μmであった。
次いで、準備した研磨装置1における弾性バックアップローラ3に対向してローラ原体Iを、(ローラ原体Iにおけるゴム硬化体の一方の端部と、弾性バックアップローラ3における弾性体に巻回された研磨フィルム8の一方の端部とが一致する位置に)、配置し、研磨フィルム8のゴム硬化体への押圧力が0.25MPaとなるように調整した。このローラ原体Iの配置を保持したまま、研磨装置1の走行制御部によって、研磨フィルム8を5cm/secで走行させ、一方、ローラ原体Iは研磨フィルム8の走行方向と逆方向に回転数3000rpmで回転させ、ローラ原体Iのゴム硬化体を、室温で、1分間にわたって、研磨した。このとき、ローラ原体Iをその軸線方向に前後進させ、ローラ原体Iにおけるゴム硬化体の軸線方向全体にわたって、研磨フィルム8に接触させた。このようにして研磨して得られた弾性層52は、その外径は16mmであり、その周方向の表面粗さRzが10μmであり、長手方向の表面粗さRzが11μmであった。なお、弾性バックアップローラ3は、研磨フィルム8の走行によって、この走行方向と同方向に回転していた。
このようにして、ゴム硬化体を研磨してなる弾性層52の外周面に、シリコーン系プライマー(商品名「プライマーNo.19」、信越化学工業株式会社製)を塗布した。プライマーが塗布された弾性層の表面に、ウレタン系塗料(商品名「ニッポラン5196」、日本ポリウレタン株式会社製)100質量部と、煙霧質シリカ系充填材(商品名「AEROSIL 200」、日本エアロジル株式会社製)25質量部と、カーボンブラック(商品名「アサヒサーマル」、旭カーボン株式会社製)15質量部と、イソシアネート系架橋剤14質量部とを含有する樹脂組成物の塗布液を、スプレーコーティング法によって、塗布し、150℃で30分間加熱し、プライマーとウレタン系塗料とを架橋及び/又は硬化させて、層厚1μmのコート層53を形成した。
このようにして、弾性層52とコート層53とを備えた導電性ローラIを製造した。
(実施例2)
研磨フィルム8のゴム硬化体への押圧力を0.35MPaに設定した以外は、実施例1と同様にして、導電性ローラIIを作製した。
(実施例3)
実施例1と同様にしてローラ原体IIを作製した。具体的には、円筒研磨機を用いて、ローラ原体IIのゴム硬化体を、両端部から中央部にかけて外径が次第に増大したクラウン形状にした(両端部の外径15.9mm、中央部の外径16.1mm)。このローラ原体IIを、実施例1と同様にして、研磨装置1で研磨した後、コート層を形成して、導電性ローラIIIを製造した。
(比較例1)
研磨装置1に代えて、2本のアクチュエータ7を取り外し、弾性バックアップローラ3を前後進しないように固定した研磨装置を用いて、切込み量を0.5mmにし、実施例1と同様にして、導電性ローラIVを作製した。
(比較例2)
切込み量を0.6mmにした以外は、比較例1と同様にして、導電性ローラVを作製した。
製造した導電性ローラI〜Vにおける周方向の表面粗さRz及び軸線方向の表面粗さRzを前記方法により測定した結果を下記表1に示す。
Figure 2009142955
また、実施例1〜3並びに比較例1及び2において、各導電性ローラI〜Vをそれぞれ100本ずつ製造した。100本の導電性ローラのうち、3本目、40本目、70本目、97本目の導電性ローラにおける、周方向の表面粗さRz及び軸線方向の表面粗さRzを前記方法により測定した(測定点は20点)。測定値から前記式により、周方向の表面粗さRzのばらつき度、及び、軸線方向の表面粗さRzのばらつき度を算出し、これら特性の均一性を評価した。その結果を下記表2に示す。
Figure 2009142955
製造した導電性ローラI〜Vそれぞれを4本準備し、タンデム型の電子写真式カラープリンター(商品名「Microline 5400」、株式会社沖データ製)において、4本の現像ローラとして、配設した。なお、現像剤及び現像剤規制部材は、電子写真式カラープリンターに付属の現像剤及び現像剤規制部材を用いた。
この電子写真式カラープリンターにおいて、印字濃度評価及び印字むら評価を行った。
(印字濃度評価)
前記電子写真式カラープリンターを、温度20℃、相対湿度50%の環境下で、稼動させて、黒ベタ−網点−5%デューティー−白地印字を2回繰り返し行った。次いで、電子写真式カラープリンターを、温度20℃、相対湿度50%の環境下で稼動させて、5%デューティー画像を5,000枚印字し、耐久試験を行った。この耐久試験後に、黒ベタ−網点−5%デューティー−白地印字を2回繰り返し行った。前記耐久試験の前後に印字した黒ベタ印字部のマクベス濃度をマクベス濃度計で測定し、測定されたマクベス濃度により、印字濃度を評価した。評価は、黒ベタ印字部のマクベス濃度が1.3以上であった場合を「○」とし、前記マクベス濃度が1.3未満であった場合を「×」とした。その結果を下記表3に示す。
(印字むら評価)
前記電子写真式カラープリンターを、温度20℃、相対湿度50%の環境下で、黒ベタ画像を2回繰り返し行った。印字した黒ベタ画像に縦スジ等のむらの発生状況を目視にて確認した。黒ベタ画像にむらが発生していなかった場合を「○」、黒ベタ画像にむらが多数発生していた場合を「×」とした。その結果を下記表3に示す。
Figure 2009142955
図1は、この発明に係る研磨装置の一実施例の研磨装置に装着される可動機構及び弾性バックアップローラを示す概略上面図である。 図2は、この発明に係る研磨装置の一実施例の研磨装置を示す概略側面図である。 図3は、この発明に係る導電性ローラの一実施例の導電性ローラを示す概略斜視図である。 図4は、この発明に係る導電性ローラが装着される画像形成装置の一実施例を示す概略図である。
符号の説明
1 研磨装置
2 可動機構
3 弾性バックアップローラ
4 支持部材
5 基体
6 規制部材
7 アクチュエータ
8 研磨フィルム
11 軸体
12 弾性体
13 基部
14 第1の支持部
15 第2の支持部
16 装着部
17 貫通孔
18 シャフト
19 セットカラー
20 研磨フィルム供給部
21 研磨フィルム回収部
22 ガイドローラ
25 被研磨体
30 画像形成装置
31 像担持体
32 帯電手段
33 露光手段
34 転写手段
35 定着手段
36 記録紙
37 クリーニング手段
40 現像手段
41 現像剤収納部
42 現像剤
43 攪拌機
44 現像剤担持体
45 現像剤規制部材
46 ブレード
50 導電性ローラ
51 軸体
52 弾性層
53 コート層

Claims (2)

  1. 被研磨体を研磨する研磨フィルムと、前記研磨フィルムが外周面の一部に巻回される弾性バックアップローラとを備え、
    前記弾性バックアップローラは、前記研磨フィルムを前記被研磨体に一定圧力で押圧するように、前記被研磨体に向かって前後進可能に、前記被研磨体に対して対向配置されて成ることを特徴とする研磨装置。
  2. 軸体の外周面で導電性ゴム組成物を硬化してゴム硬化体を形成し、
    請求項1に記載の研磨装置で前記ゴム硬化体を研磨して弾性層を形成し、
    前記弾性層の外周面にコート層を形成して成ることを特徴とする導電性ローラの製造方法。
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