JP5427749B2 - 弾性ローラの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、プリンタ、複写機等の電子写真プロセスカートリッジ及び画像形成装置に用いられる弾性ローラの製造方法に関する。
一般に、電子写真方式の画像形成装置の本体内部には画像形成部が設置され、クリーニング、帯電、潜像、現像、転写、定着のプロセスを経て画像がシート状の記録材に形成される。画像形成部は像担持体である感光ドラムを備えており、クリーニング部、帯電部、潜像形成部、現像部および転写部を備えている。
この画像形成部で形成された感光ドラム上の画像は転写部材により記録材に転写される。画像が転写された記録材は、定着部に搬送されて加熱及び加圧され、画像が定着されて排出される。
電子写真方式の画像形成装置において、感光ドラムは帯電ローラにより均一に帯電され、レーザー等により静電潜像が形成される。次に、現像容器内の現像剤が現像剤塗布ローラおよび現像剤規制部材により適正電荷で均一に現像ローラ上に塗布され、感光ドラムと現像ローラとの接触部で現像剤の転写(現像)が行われる。その後、感光ドラム上の現像剤は、転写ローラにより記録材に転写され、熱と圧力(加圧ローラと定着ローラ)により定着され、感光ドラム上に残留した現像剤はクリーニングブレードによって除かれ、一連のプロセスが完了する。
画像形成装置において、例えば現像ローラの場合、常時感光ドラム及び現像剤規制部材に圧接された状態にあり、現像を行なう際には現像ローラと感光ドラム、現像ローラと現像剤規制部材の間に現像剤が介在して圧接している。感光ドラムに転写されない現像剤は、現像剤塗布ローラによって剥ぎ取られ再度現像容器内に戻り、容器内で攪拌され再び現像剤塗布ローラによって現像ローラ上に搬送される。これらの工程を繰り返すうちに現像剤は大きなストレスを受けるという結果になる。
そこで、現像剤へのストレスを軽減するという目的から現像ローラは適度な弾性を有する材料で形成されている。つまり、接触現像方式に用いられる現像ローラは、軸芯体の外周に弾性層を設けた構成の弾性ローラとなっている。さらに必要に応じて、弾性層の外周に表面性を付与するために各種の樹脂溶液を塗布し、表面層を設けた構成の弾性ローラもある。
従来、軸芯体の外周に弾性層を成形する方法として、環状の塗工ヘッドを用いた塗工法が提案されている(特許文献1参照)。この塗工方法においては、数ミリ程度の厚みの弾性層を達成するために、まず、高粘度の弾性層材料を溶媒により希釈し、塗工に必要な粘度にまで下げた液状の弾性層材料を用意しておく。そして、軸芯体の両端部を一対の軸芯体保持具でクランプ保持し、塗工ヘッドに対して軸芯体を移動させ、塗工ヘッドから弾性層材料を吐出することで、軸芯体への弾性層材料の塗工が行われる。その後、弾性層材料の希釈に使用した溶媒を例えば蒸発等により除去して、弾性層を形成する。
特開2003−190870号公報
しかしながら、弾性ローラは、常に他部材と接触した状態で回転しているので、接触状態を安定に保つ必要があるために弾性ローラとして高い寸法精度が必要とされる。例えば弾性ローラが現像ローラである場合、現像ローラと現像剤塗布ローラ及び現像剤規制部材との接触状態を安定に保つことができないと、現像剤の供給量がばらついたり、感光ドラムに対する圧力分布がばらついたりする。これによって記録材に形成される画像に濃度ムラ等が発生する。
また近年、電子写真のカラー化及び高画質化のニーズが高まり、電子写真方式の画像形成装置用の弾性ローラには、外形寸法や振れ(厚み精度)の高精度化が厳しく要求されている。例えば、接触式現像方式において、現像ローラは上述したように、感光ドラム表面に対し接触しているため、外形寸法や振れ(厚み精度)が正確でないと、感光ドラムとローラ間のニップ幅やニップ力に変動が生じ濃度ムラ等の画像不良が発生する。
弾性ローラとして好ましく使用できる弾性層の振れ(厚みムラ)は、装置のグレードや耐久性にもよるが、例えば、90μm以下が好ましく、特には60μm以下、さらには30μm以下が好ましい。したがって、弾性ローラの弾性層の振れ(厚みムラ)を低減するには、一対の軸芯体保持具で軸芯体を保持する際の軸芯体の軸方向と直交する方向の位置決めが重要である。
そこで本発明は、寸法精度、特には弾性層の厚み精度の良い、弾性ローラを得ることができる製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明である弾性ローラの製造方法は、軸芯体と、前記軸芯体の外周に設けられた弾性層とを有する弾性ローラの製造方法において、開放端に向かって漸次内径が拡大する位置決め凹部を有する一対の軸芯体保持具の間に前記軸芯体を配置し、前記各軸芯体保持具の位置決め凹部の内壁面を前記軸芯体の両端部に当接させた状態で前記一対の軸芯体保持具で前記軸芯体を30.0N以上、200.0N以下の荷重で挟持することにより、前記軸芯体の軸方向と直行する方向の位置決めを行う位置決め工程と、前記位置決め工程にて前記一対の軸芯体保持具により前記軸芯体を位置決めした後、前記一対の軸芯体保持具による挟持荷重を、0.5N以上、前記位置決め工程の荷重未満で、前記軸芯体の撓みが解消するまで低下させる荷重切替工程と、前記荷重切替工程により前記挟持荷重を低下させた状態で、塗工ヘッドを前記軸芯体に対して軸方向に相対的に移動させ、前記軸芯体の外周に、前記弾性層となる硬化性の液状弾性層材料を前記塗工ヘッドから吐出する塗工工程と、を備えたことを要旨とする。
本発明によれば、位置決め工程により軸芯体の軸方向と直交する方向の位置決めがなされ、更に荷重切替工程にて軸芯体の撓みも解消されるので、塗工工程にて液状弾性層材料が吐出されて形成される弾性層の厚みムラが低減し、弾性ローラの振れ精度が向上する。
本発明の実施の形態に係る弾性ローラの製造方法を実施するリングコート機の概略構成を示す説明図である。 各軸芯体保持具と軸芯体の端部の断面図であり、(a)は上側の軸芯体保持具の断面図、(b)は下側の軸芯体保持具の断面図である。 弾性ローラの製造方法を説明するための図であり、(a)は軸芯体を軸芯体保持具に配置する工程を説明するための図、(b)は軸芯体を保持し、軸芯体の位置決めを行う位置決め工程と荷重切替工程を説明するための図である。(c)は塗工工程前の準備工程を説明するための図、(d)は塗工工程を説明するための図である。 各軸芯体保持具と軸芯体の端部の断面図であり、(a)は上側の軸芯体保持具の断面図、(b)は下側の軸芯体保持具の断面図である。 電子写真プロセスカートリッジを有する画像形成装置の一例を示す模式図である。
以下、本発明を実施するための形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る弾性ローラの製造方法を実施するリングコート機の概略構成を示す説明図である。
図1に示すリングコート機100は、架台31の上に略垂直にコラム32が取り付けられ、架台31とコラム32の上部に精密ボールネジ33が略垂直に取り付けられている。リニアガイド44は、精密ボールネジ33と平行にコラム32に2本取り付けられている。LMガイド(登録商標)34はリニアガイド44と精密ボールネジ33とを連結し、サーボモータ35よりプーリ36を介して回転運動が伝達され昇降できるようになっている。
コラム32には塗工ヘッド固定テーブル45が取り付けられている。塗工ヘッド固定テーブル45には、塗工ヘッド位置補正XYステージ46が取り付けられており、塗工ヘッド位置補正XYステージ46上に環状の塗工ヘッド38が取り付けられている。また、塗工ヘッド固定テーブル45には、軸芯体101の位置および塗工ヘッド38の位置を検出するレーザー測長器48がXY方向にそれぞれ一つずつ取り付けられている。
LMガイド34には1対のブラケット37,37が取り付けられる。LMガイド34の下部に設けたブラケット37には、軸芯体位置補正XYステージ47が取り付けられており、軸芯体位置補正XYステージ47上には、一方の軸芯体保持具39が略垂直に取り付けられている。LMガイド34の上部に設けたブラケット37には、他方の軸芯体保持具40が、一方の軸芯体保持具39の軸心と同軸となるように配置されている。これら一対の軸芯体保持具39,40により軸芯体101を垂直な状態で挟持することができる。本実施の形態では、軸芯体保持具39が下側に配置され、軸芯体保持具40が上側に配置される。
塗工ヘッド38は、円環形状に形成されており、その内壁には、液体吐出口である環状スリット(ノズル)が形成されている。そして、塗工ヘッド38の軸心が軸芯体保持具39,40の移動方向と平行となるように、塗工ヘッド38が塗工ヘッド位置補正XYステージ46に支持されている。
塗工ヘッド位置補正XYステージ46は、塗工ヘッド38の軸心(環状スリットの軸心)が軸芯体保持具39,40の軸心と同軸となるように、塗工ヘッド38の位置を調整する。
塗工ヘッド38に設けられた液状弾性層材料の供給口41は、配管42を介して供給弁43に接続されている。材料供給弁43は、その手前に混合ミキサー、材料供給ポンプ、材料定量吐出装置、材料タンク等を備え、定量(単位時間当たりの量が一定)の液状の弾性層材料を吐出可能としている。弾性層材料は材料タンクから、材料定量吐出装置により一定量計量され、混合ミキサーで混合される。その後、材料供給ポンプにより混合された弾性層材料は、材料供給弁43から配管42を経由して、供給口41に送られる。供給口41より送り込まれた弾性層材料は、塗工ヘッド38内の流路を通り、塗工ヘッド38のノズルから吐出される。
弾性層材料の層厚を一定にさせるために、塗工ヘッド38のノズルからの吐出量と材料供給ポンプからの供給量を一定にして、保持されている軸芯体101を垂直方向であるZ方向(軸芯体101の軸方向)に上方へ移動させる。これにより、軸芯体101は塗工ヘッド38に対して相対的に軸方向に移動し、軸芯体101の外周上に弾性層材料が塗布され、円筒形状(ロール形状)の弾性層102が形成される。このリングコート機100により軸芯体101と弾性層102とからなる弾性ローラ103が製造される。
なお、本実施の形態で使用される軸芯体101は、電極および支持部材として機能するものである。軸芯体101は、例えばアルミニウム、銅合金、ステンレス鋼等の金属又は合金、クロム又はニッケル等で鍍金処理を施した鉄、合成樹脂等の材質で構成される。軸芯体101の形状は、円柱形や中心部を空洞化した円筒形が好ましい。軸芯体101の外径は適宜決めることができるが、通常4〜20mmの範囲にする。
本実施の形態では、リングコート機100は、クランプ荷重変更機構50を備えている。クランプ荷重変更機構50は、例えばエアーシリンダーや油圧シリンダー等であり、軸芯体保持具40の上部に設置されている。
クランプ荷重変更機構50にエアーシリンダーを用いた場合、精密減圧弁により制御された圧縮空気圧を切り替えることで、一対の軸芯体保持具39,40にかかる軸方向の荷重が切り替えられる。すなわち、軸芯体101をクランプする時には、エアーシリンダーに高空気圧をかけることで、一対の軸芯体保持具39,40にかかる軸方向の荷重を高荷重とする。その後、吐出塗工時には、エアーシリンダーの空気圧を低圧化することで、軸芯体保持具39,40にかかる軸方向の荷重を低荷重に切り替えている。
ここで、各軸芯体保持具39,40の構造について説明する。各軸芯体保持具39,40は、円柱状となる外壁面を有している。図2は、各軸芯体保持具と軸芯体の端部の断面図である。図2(a)及び図2(b)に示すように、各軸芯体保持具39,40には、円柱状の本体の一端面側に、位置決め凹部39a,40aが形成されている。各位置決め凹部39a,40aは、底部から開放端に向かって漸次内径が拡大するように形成されている。そして、一対の軸芯体保持具39,40の位置決め凹部39a,40aが向かい合うように、一対の軸芯体保持具39,40が配置されている。
ここで、軸芯体101の各端部101a,101bは、C面取りされて、円錐台の先細り形状に形成されている。したがって、本実施の形態では、各軸芯体保持具39,40の位置決め凹部39a,40aの内壁面39b,40bが、R形状に形成されている。
次に、図3を参照しながら、弾性ローラ103の製造方法について説明する。まず、図3(a)に示すように、軸芯体保持具40を上方に退避させておき、この状態で、一対の軸芯体保持具39,40の間に軸芯体101を配置する。なお、軸芯体保持具39の上端は、環状の塗工ヘッド38の中を貫通して、塗工ヘッド38より上位に位置している。
次に、軸芯体保持具40を軸芯体101の軸方向と平行な方向であって、軸芯体保持具40が軸芯体101を挟持する方向に移動させる。そして、図2に示すように、各軸芯体保持具39,40の位置決め凹部39a,40aの内壁面39b,40bを軸芯体101の両端部101a,101bに当接させる。この状態で図3(b)に示すように、一対の軸芯体保持具39,40で軸芯体101が挟持される。これにより、軸芯体101の軸方向と直交する方向の位置ずれが矯正され、軸芯体101の軸方向と直交する方向の位置決めが行われる(位置決め工程)。
このとき、一対の軸芯体保持具39,40による軸芯体101の挟持荷重を第1の荷重とすると、第1の荷重は、30.0N以上、200.0N以下の高荷重に設定されるのが好ましい。この時の軸方向にかかる荷重が30.0N以上であると、その荷重により軸芯体保持具39,40に対する軸芯体101の位置ずれが矯正され、クランプ位置が高精度になる。軸芯体保持具39,40の軸方向にかかる荷重が200.0N以下であると、軸芯体101が塑性変形することなく、軸芯体保持具39,40に対する軸芯体101の位置ずれが矯正され、クランプ位置が高精度になる。なお、軸芯体保持具39,40の軸方向にかかる荷重は、実際に荷重をかけた状態で、プッシュプルゲージで測定する。
ここで、軸芯体101の端部101a,101bがC面取りされ、軸芯体保持具39,40の受け部である位置決め凹部39a,40aの内壁面39b,40bがR形状であるので、軸芯体101の両端部101a,101bが内壁面39b,40bに当接する。これにより、軸芯体101の軸心が軸芯体保持具39,40の軸心と一致する方向に軸芯体101が内壁面39b,40bに円滑に案内され、上下の軸芯体保持具39,40と軸芯体101との同心度が向上する。したがって、クランプ位置が高精度になり、振れ精度のよい弾性ローラ103を製造することが可能となる。
次に、図3(b)に示す位置決め工程にて一対の軸芯体保持具39,40により軸芯体101を位置決めした後、一対の軸芯体保持具39,40による挟持荷重を、第1の荷重から軸芯体101の撓みが解消する第2の荷重まで低下させる(荷重切替工程)。
ここで、第2の荷重は、0.5N以上、20.0N以下の低荷重に設定されるが好ましい。軸芯体保持具39,40の軸方向にかかる荷重が0.5N以上であると、弾性層材料の吐出圧により、クランプした軸芯体101の位置ずれが起こらず、クランプ位置が高精度に保たれる。また、軸芯体保持具39,40の軸方向にかかる荷重が20.0N以下であると、軸芯体101の弾性変形による、撓みの解放での振れ精度が回避できるからである。すなわち、吐出塗工時には、軸芯体101を上下方向に保持する軸芯体保持具39,40の軸方向にかかる荷重が0.5N以上、20.0N以下の低荷重に切り替えていると、振れ精度が向上した弾性ローラ103を製造することが可能となる。
次に、上下軸方向に軸芯体101を保持した状態で、LMガイド34(図1)を下降させると、図3(c)に示すように、塗工ヘッド38が軸芯体101に対して相対的に上昇する。
その後、荷重切替工程により挟持荷重を第2の荷重に低下させた状態で、図3(d)に示すように、保持されている軸芯体101を垂直方向(軸芯体101の軸方向)に上方へ移動させながら、塗工ヘッド38から硬化性の液状弾性層材料を吐出させる(塗工工程)。そして、軸芯体101の外周に塗布した液状弾性層材料に含まれる溶媒を蒸発させて、弾性層材料を硬化させ、円筒形状(ロール形状)の弾性層102が形成される。
そして、軸芯体保持具40を上昇させることで、製造された弾性ローラ103をリングコート機100から取り外すことができる。このようにして、軸芯体101をクランプする時は高荷重とし、吐出塗工時には、高荷重から低荷重に切り替えていることで、弾性層102の厚みムラが低減し、寸法精度、特に振れ精度のよい弾性ローラ103を製造することが可能である。また、このようにして製造された弾性ローラ103を使用することにより、弾性ローラ103に接触する他部材に与える応力の偏りが低減し、ストレスがかかる部分の磨耗や劣化を抑制することができる。
ここで、軸芯体101の端部101a,101bが、図4(a)及び図4(b)に示すように、R面取りされている場合についても適用可能である。その場合は、各軸芯体保持具39,40の位置決め凹部39a,40aの内壁面39b,40bが、テーパ形状に形成されているのが好ましい。また、この場合も、軸芯体101の軸心が上下の軸芯体保持具39,40の軸心に一致するように、軸芯体101の両端部101a,101bが内壁面39b,40bに案内されるので、上下の軸芯体保持具39,40と軸芯体101との同心度が向上する。したがって、クランプ位置が高精度になり、振れ精度のよい弾性ローラ103を製造することが可能となる。
次に、軸芯体保持具39,40の位置決め凹部39a,40aの内壁面39b,40bの表面粗度は、算術平均粗さRaが3.2μm以下であることが好ましい。算術平均粗さRaを3.2μm以下とすることで、軸芯体保持具39,40と軸芯体101との間で、物理的摩擦が少なくなり、軸芯体保持具39,40に対する軸芯体101の位置ずれがより矯正され易くなるからである。これにより、クランプ位置が高精度となり、振れ精度のよい弾性ローラ103を製造することが可能である。なお、算術平均粗さRaの下限値は、物理的摩擦を少なくすることから、現在可能な手段による最小の粗さである。
次に、弾性層102は、層厚が2.0mm以上、6.0mm以下の範囲とすることが好ましい。リングコート機100としては、塗工ヘッドが横方向に移動させるもの(横型)があり、弾性層102の均一性が十分に得られるからである。
弾性層の厚みが2.0mm以下である場合、横型のリングコート機でも有用である。しかしながら、本実施の形態の電子写真方式の画像形成装置に用いられる弾性ローラでは弾性層102の厚みが一般的に2.0mm以上である。弾性ローラは、常に他部材と接触した状態で回転しており、接触状態を安定に保つ必要があるからである。液状材料の層厚を2.0mm以上となるように横型のリングコート機を用いて塗布すると、液状材料の自重により重力方向に垂れが生じ、弾性層の厚みのばらつきが大きくなり、振れが大きくなることが考慮される。したがって、本実施の形態では、上記するような縦型のリングコート機が好ましい。0.5mm以下であると、例えば現像ローラの場合、弾性層の弾性が得られず、現像剤へのストレスを低減させることができない。また、弾性層の厚みが10.0mm以上であると、縦型リングコート機においても、液状材料の自重により重力方向に垂れが生じ、外径寸法や振れを低化させることがある。弾性ローラとして好ましく使用できる振れ(弾性層の厚みムラ)は、装置のグレードや耐久性にもよるが、90μm以下が好ましく、特には60μm以下、さらには30μm以下である。30μm以下とすることにより、他部材に与える応力に偏りが生じ、ストレスが大きな部分の磨耗や劣化を早める原因となることを防止でき、電荷や現像剤の供給バランスがくずれることによる画像弊害、特には濃度ムラなどが生じる原因となることを防止できる。すなわち、弾性層材料の層厚が2.0mm以上6.0mm以下とすることで、電子写真方式の画像形成装置に適正な弾性ローラとなる。
軸芯体101の外周に塗工ヘッド38で塗布する液状弾性層材料の粘度は、10〜5000Pa・sが好ましい。粘度は25℃における、せん断速1s−1での値である(以下同じ)。液状弾性層材料の粘度を10Pa・s以上とすることにより、液状弾性層材料の自重により重力方向に垂れが生じず、外径寸法や振れの精度を良くできる。また、液状弾性層材料の粘度を5000Pa・s以下とすることにより、材料供給における配管内のせん断速度において、弾性層材料粘度が高いために装置に高負荷がかかり安定した材料供給に困難が生じることを防止することができる。
液状弾性層材料は、室温で流動性を持つポリマーで、加熱により硬化が進行するものが好ましい。具体的には、液状ジエンゴム(ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ニトリルゴム、クロロプレンゴム、エチレン−プロピレンゴム等)、液状シリコーンゴム、液状ウレタンゴム等が挙げられる。このようなゴムは、単独で用いてよく、又は二種以上を混合して用いてもよい。中でも、弾性層102には、十分な変形回復力を持たせることが重要であるため、弾性層材料としては液状シリコーンゴム、液状ウレタンゴムを用いることが好ましい。特に加工性が良好で寸法精度の安定性が高く、硬化反応時に反応副生成物が発生しないなどの生産性に優れる理由から、付加反応架橋型液状シリコーンゴムを用いることが、より好ましい。
液状シリコーンゴムは、例えばオルガノポリシロキサン(A液)およびオルガノハイドロジェンポリシロキサン(B液)を含み、さらに触媒や他の添加物を適宜含む組成物である。オルガノポリシロキサンはシリコーンゴム原料のベースポリマーであり、その分子量は特に限定されないが平均分子量1万以上100万以下が好ましく、平均分子量5万以上70万以下がより好ましい。
上記オルガノポリシロキサンのアルケニル基は、オルガノハイドロジェンポリシロキサンの活性水素と反応して架橋点を形成する部位であり、その種類は特に限定されない。しかし、アルケニル基は、活性水素との反応が高い等の理由から、ビニル基、アリル基の少なくとも一方であることが好ましく、ビニル基がより好ましい。オルガノハイドロジェンポリシロキサンは、硬化工程における付加反応の架橋剤の働きをするもので、一分子中のケイ素原子結合水素原子の数は2個以上であり、硬化反応を最適に行わせるために、3個以上のポリマーが好ましい。
オルガノハイドロジェンポリシロキサンの平均分子量は特に制限がなく、好ましい平均分子量は1000から10000程度である。硬化反応を適切に行わせるためには、比較的低分子量である平均分子量1000以上5000以下のポリマーが好ましい。
液状シリコーンゴムは、オルガノハイドロジェンポリシロキサンの架橋触媒として、例えば、塩化白金酸六水和物を含むことができる。また、架橋触媒として、ヒドロシリル化反応において触媒作用を示す遷移金属化合物も使用できる。
弾性層102には、所望の性能が得られる範囲内になるように、非導電性充填材、可塑剤などの各種添加剤が適宜配合されていてもよい。非導電性充填剤としては、例えば、珪藻土、石英粉末、乾式シリカ、湿式シリカ、アルミノケイ酸、炭酸カルシウムなどが挙げられる。可塑剤としては、例えば、ポリジメチルシロキサンオイル、ジフェニルシランジオール、トリメチルシラノール、フタル酸誘導体、アジピン酸誘導体などが挙げられる。これら液状シリコーンゴム中にカーボンブラック、グラファイト及び導電性金属酸化物等の電子伝導機構を有する導電剤及びアルカリ金属塩や四級アンモニウム塩等のイオン伝導機構を有する導電剤を適宣添加し所望の抵抗に調整するのが一般的である。
軸芯体101の外周に塗布された弾性層材料の層を加熱硬化し、弾性ローラとする。弾性層材料の層の表面は、未硬化の状態では、粘着性を有している。このため、加熱硬化する方法としては非接触で、装置が簡易で、軸芯体外周上の弾性層材料の層を長手方向に均一に熱処理できる赤外線加熱が好ましい。この時、赤外線加熱装置を固定し、弾性層材料からなる円筒形状(ロール形状)の未硬化物層を設けた軸芯体101を周方向に回転させることにより、周方向に均一に加熱硬化が行われる。弾性層材料表面の加熱硬化温度としては、使用する弾性層材料にもよるが、例えば付加反応架橋型液状シリコーンゴムの場合、シリコーンゴム硬化反応が開始する100℃以上250℃以下が好ましい。
ここで、弾性層102の硬化後の物性安定化、弾性層102中の反応残渣及び未反応低分子分を除去する等を目的として、赤外線加熱後の弾性層102に更に熱処理等の二次硬化を行ってもよい。その後、弾性層102の両端を突き切って弾性層102を必要な長さにすると共に、弾性層形成に際して異常が発生しやすい、弾性層材料を軸芯体101上に形成する際の始端及び終端を予め除去することも好ましい。
以上のようにして形成された弾性層102の外周側に耐磨耗性やトナー帯電性、離形性の観点から、さらに表面層を設けることもできる。表面層を形成する材料としては、各種のポリアミド、フッ素樹脂、水素添加スチレン−ブチレン樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、イミド樹脂、オレフィン樹脂等が挙げられる。これらの材料は、単独で用いてよく、又は二種以上を混合して用いてもよい。これらの材料には必要に応じて各種添加剤が添加される。
これらの表面層を構成する材料は、サンドミル、ペイントシェーカー、ダイノミル、ボールミル等のビーズを利用した従来公知の分散装置を使用して、分散させる。得られた表層形成用の分散体は、スプレー塗工法、ディッピング法等により弾性層102の表面に塗布される。表面層の厚みとしては、5〜50μmが好ましい。低分子量成分がしみ出してきて感光ドラムを汚染することを防止する観点から5μm以上が好ましく、ローラが硬くなり、融着が発生することを防止する観点から50μm以下が好ましい。より好ましくは10〜30μmである。
本実施の形態の製造方法により製造された弾性ローラ103は、寸法精度、特には振れ(弾性層の厚み精度)の良い、ローコストなものである。本実施の形態の製造方法により製造された弾性ローラ103は、電子写真プロセスカートリッジ及び画像形成装置の現像ローラとして使用することができる。以下、現像ローラがリングコート機100で製造された弾性ローラ103である場合について説明する。
図5は、電子写真プロセスカートリッジを有する画像形成装置の一例を示す模式図である。現像ローラ1は、潜像を担持する潜像担持体としての感光ドラム11に対向して、当接または圧接した状態で現像剤(トナー)を担持する。そして、現像ローラ1は、感光ドラム11に現像剤としてのトナーを付与することにより潜像をトナー像として可視化する機能を持つ。
なお、本画像形成装置は、それぞれイエロー、シアン、マゼンタ及びブラックの画像を形成する画像形成ユニット10a〜10dが4個あり、タンデム方式で設けられている。そして、感光ドラム11、帯電装置(図5では帯電ローラ)12、画像露光装置13、現像装置14、クリーニング装置15、画像転写装置(図5では転写ローラ)16等で画像形成ユニット10a〜10dが構成されている。これら4個の画像形成ユニット10a〜10dの仕様は各色トナー特性に応じて少し調整に差異があるものの、基本的構成は同じである。また、感光ドラム11、帯電装置12、現像装置14及びクリーニング装置15が一体となり、電子写真プロセスカートリッジを形成している。
現像装置14には、一成分トナー5を収容した現像容器6と、現像容器6内の長手方向に延在する開口部に位置し、感光ドラム11と対向設置された現像ローラ1とを備え、感光ドラム11上の静電潜像を現像して可視化するようになっている。
さらに、現像ローラ1に一成分トナー5を供給すると共に現像に使用されずに現像ローラ1に担持されている一成分トナー5を現像ローラ1から掻き取るトナー供給ローラ7が現像ローラ1に当接して設けられている。また、現像ローラ1上の一成分トナー5の担持量を規制すると共に摩擦帯電する現像ブレード8が現像ローラ1に当接して設けられている。
感光ドラム11の表面が帯電装置12により所定の極性・電位に一様に帯電され、画像情報が画像露光装置13からビームとして、帯電された感光ドラム11の表面に照射され、静電潜像が形成される。次いで、現像装置14にて現像ローラ1の表面に現像剤である一成分トナー5の層が形成され、現像ローラ1を感光ドラム11の表面に接触させて、感光ドラム11の表面に一成分トナー5が供給される。これにより、感光ドラム11の表面にトナー像(可視画像)が形成される。このトナー像は感光ドラム11の回転に伴って、画像転写装置16と対向する場所に来たときにその回転と同期して供給されてきた紙等の転写材25に転写される。
なお、本実施の形態では、4つの画像形成ユニット10a〜10dが一連に連動して所定の色画像を1つの転写材25上に重ねて形成されている。したがって、転写材25をそれぞれの画像形成ユニットの画像形成と同期させる、つまり、画像形成が転写材25の挿入と同期している。
そのために、転写材25を輸送するための転写搬送ベルト17が、感光ドラム11と画像転写装置16との間に挟まれるように、転写搬送ベルト17の駆動ローラ18、テンションローラ19及び従動ローラ20に架け回されている。転写材25は転写搬送ベルト17に吸着ローラ21の働きにより静電的に吸着された形で搬送されている。なお、供給ローラ22は転写材25を供給するためのものである。
画像が形成された転写材25は、転写搬送ベルト17から剥離装置23の働きにより剥がされ、定着装置24に送られ、トナー像は転写材25に定着されて、印画が完了する。一方、トナー像の転写材25への転写が終わった感光ドラム11はさらに回転して、クリーニング装置15により表面がクリーニングされ、必要により除電装置(不図示)によって除電される。その後感光ドラム11は次の画像形成に供される。なお、図5において、電源26及び電源27は、それぞれ画像転写装置16、吸着ローラ21へのバイアス電源である。
以上、図1に示すリングコート機100にて製造された弾性ローラを電子写真プロセスカートリッジや画像形成装置の現像ローラ1に適用することにより、電荷や現像剤の供給バランスがくずれるのを抑制することができる。したがって、転写材25(シート)に形成される画像の濃度ムラを抑制することができる。
なお、本実施の形態では、タンデム型の転写材上へ直接各色のトナー像を転写する装置で説明したが、現像ローラとして本発明の実施の形態の製造方法により製造された弾性ローラを使用できる装置であればいずれでもよい。例えば、白黒の単色画像形成装置、転写ローラや転写ベルトに一旦各色のトナー像を重ねてカラー画像を形成し、それを転写部材へ一括して転写する画像形成装置が挙げられる。また、各色の現像ユニットがロータ上に配置されたり、感光ドラムに並列して配置されたりした画像形成装置等が挙げられる。また、電子写真プロセスカートリッジではなく、感光ドラム、帯電装置、現像装置等が直接、画像形成装置に組み込まれていても構わない。
本実施の形態の製造方法により製造された弾性ローラは、上記した現像ローラとしてばかりでなく、その弾性層の均一性が良好であることから、帯電ローラ、転写ローラ等の導電性が必要な用途にも使用可能である。
また、弾性層102の厚さを30μm以下とすることにより、他部材に与える応力に偏りが生じるのを防止でき、弾性層102の磨耗や劣化を防止できる。また、電荷や現像剤の供給バランスがくずれることによる画像弊害、特には濃度ムラなどが生じるのを防止できる。
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、これらは本発明を何ら制限するものではない。
(振れ:弾性層の厚みムラ測定)
振れは、軸芯体101を回転軸として弾性ローラを回転させ、回転軸と垂直に配置した非接触レーザー測長器(キーエンス製 LS−5000)で測定した弾性層102の半径の最大値と最小値の差を値として求める。弾性層102の軸方向に1cmピッチで前記半径の最大値と最小値の差を求め、その差の値の中で最大の値を弾性層の振れの値とする。
(画像評価)
以下の実施例・比較例で作成した弾性ローラを現像ローラ1として、ヒューレット・パッカード社製の電子写真方式の画像形成装置「HP Color LaserJet 3700」(商品名)の電子写真プロセスカートリッジに組み込んだ。公称寿命は、6000枚(A4サイズ、5%印字率)、電子写真プロセスカートリッジは、黒・シアン・マゼンタ・イエローの4色であった。
次いで、この電子写真プロセスカートリッジを上記画像成形装置に組み込んで、画像(ベタ画像、ハーフトーン画像、文字画像)を出力し、濃度ムラ(ローラピッチ)を目視にて観察し、下記基準で評価した。
A:全画像において良好。
B:全画像にて濃度ムラが若干確認される。
C:全画像において濃度ムラが確認される。
(液状材料の粘度測定)
粘度測定には、Haake社製RheoStress600(商品名)を用いた。弾性層材料は、シリコーンゴム材料とし、A液およびB液を質量基準1:1で混合した未硬化の状態とした。この弾性層材料約1gを採取し試料台の上に乗せ、コーンプレートを徐々に近づけて、試料台から約50μmの位置で測定ギャップを設定した(コーンプレートは直径35mm、傾斜角度1°を用いた)。
そのとき、まわりに押し出された弾性層材料を奇麗に除去し、測定に影響の出ないようにした。試料温度が25℃になるようにプレート台の温度は設定され、試料をセットしてから10分間放置後、測定を開始した。試料にかけるせん断速度を0.1s−1からスタートし10s−1までの範囲を、0.2s−1ずつ変化させ、せん断速度1s−1のせん断応力をせん断速1s−1で割った値を粘度とした。
(軸芯体にかかる軸方向の荷重測定)
荷重測定には、プッシュプルゲージ(大場計器製作所製 丸型バネ式)を用いた。軸芯体101をクランプしない状態で軸芯体保持具40を下降させ、高荷重時及び低荷重時について、それぞれプッシュプルゲージで軸芯体保持具40を押上げに必要な力を軸芯体101のかかる軸方向の荷重とした。
[実施例1]
(シリコーンゴム材料の調製)
付加反応架橋型液状シリコーンゴム(商品名:DY35−1265、東レダウコーニング社製)のA液およびB液の各液100質量部に、それぞれカーボンブラック(MA11、三菱化学社製)10質量部を加え、プラネタリーミキサーで、30分間混合脱泡した。その後、カーボンブラックを配合したA液およびB液を、それぞれ塗工装置付随の原料タンクにセットし、圧送ポンプを使用して、スタテックミキサーに送り出し、A液およびB液を質量基準1:1で混合した。このシリコーンゴム混合液を弾性層材料とした。その粘度は550Pa・sであった。
(弾性ローラの作成)
図1に示した形態の塗工ヘッド38を有する縦型リングコート機を用いた。軸芯体保持具39の上端を、塗工ヘッド38の中を通って塗工ヘッド38より上位に位置させた。この状態で、軸芯体保持具39にセットされた長さ280mm、外径φ6mm、両端部がC1面取りされた鉄製の軸芯体101を、軸芯体保持具40を下降させることで、略垂直方向に保持した。この時、クランプするタイミングで軸芯体101にかかる軸方向の荷重は50.0Nである。なお、軸芯体保持具39及び軸芯体保持具40の軸芯体101を受ける部分である凹部の内壁面の形状はR1面であり、この部分の算術平均粗さRaは0.3μmである。その後、エアーシリンダーによるクランプ荷重変更機構50によって、軸芯体101にかかる軸方向の荷重を10.0Nに切り替えた。LMガイド34で保持した軸芯体101を下降させ、軸芯体保持具40の下端位置で、LMガイド34を停止させた。
その後、軸芯体保持具39,40を垂直に上昇(30mm/sec)させて軸芯体101を移動させた。それに合わせて、塗工ヘッド38の内側に開口した環状スリット(ノズル)から、上記シリコーンゴム材料を2.52ml/secで吐出し、軸芯体101の外周にシリコーンゴム材料からなる円筒形状(ロール形状)にシリコーンゴム材料の層を形成した。リングコート機100から軸芯体101を取り外し、未硬化の成形物層を有するローラ(以下、未硬化のローラ)を作成した。
この未硬化のローラを、軸芯体101を中心として60rpmで回転させ、その未硬化の成形物層表面に、株式会社ハイベック製の赤外線加熱ランプ「HYL25」(商品名)で赤外線(出力1000W)を4分間照射し、硬化させた。なお、赤外線照射時の成形物層表面とランプの距離は60mmであり、成形物層表面の温度は200℃であった。その後、硬化したシリコーンゴムの弾性層102の物性を安定させ、シリコーンゴムの弾性層102中の反応残渣および未反応低分子分を除去する等を目的として、電気炉で200℃、4時間の二次硬化を行った。これにより、軸芯体101の外周上に層厚3.0mmのシリコーン弾性層102を有する弾性ローラを得た。
このようにして弾性ローラを1000本同様に作製した。この弾性ローラ1000本の振れの分布を表1に示す。軸芯体101を上下端部で保持固定する軸芯体保持具39,40にかかる軸方向の荷重を、軸芯体101をクランプするタイミングで高荷重とし、吐出塗工時には、高荷重から低荷重に切り替えている。これにより、弾性ローラの振れ30μm以下が100%で、安定して弾性ローラを製造できた。
(現像ローラの作製)
ポリウレタンポリオールプレポリマー100質量部、イソシアネート77質量部、カーボンブラック24質量部にMEKを加え、サンドミルで1時間分散した。ポリウレタンポリオールプレポリマーは、「タケラックTE5060」(商品名、三井武田ケミカル株式会社製)を用いた。イソシアネートは、「コロネート2521」(商品名、日本ポリウレタン株式会社製)を用いた。カーボンブラックは、「MA100」(商品名、三菱化学株式会社製)を用いた。分散後さらにMEKを加えて固形分20質量%から30質量%の範囲で塗布乾燥後の膜厚が20μmとなるように調整して、表面層用塗料を得た。
この塗料中に、1000本作製した弾性ローラのうち、一番振れが大きい弾性ローラ(振れ25μm)を浸漬して、表面層に塗布した後、自然乾燥させた。次いで、140℃にて60分間加熱処理して、塗料膜を硬化し、表面層が形成された現像ローラ1を得た。
(画像評価)
作成した現像ローラ1(振れ25μm)を電子写真プロセスカートリッジに組み込み、画像出力して、評価した。結果を表2に示す。
[実施例2]
付加反応架橋型液状シリコーンゴムのA液およびB液として次のものを用いた。シリコーンベースポリマー(重量平均分子量Mw=100000、東レダウコーニング社製)100質量部、カーボンブラック(商品名:MA77、三菱化学社製)4質量部、をプラネタリーミキサーで、30分間混合脱泡し、シリコーンゴムベース材料を得た。このベース材料100質量部に対して、塩化白金酸のイソプロピルアルコール溶液(白金含有量3質量%)0.02質量部を加え、混合したものをA液とした。また、上記シリコーンベース材料100質量部に対して、オルガノハイドロジェンポリシロキサン(粘度10mPa・s、SiH含有量1質量%、東レダウコーニング社製)1.5質量部を加え、混合したものをB液とした。弾性層形成材料であるシリコーンゴム混合液粘度は、13Pa・sであった。
この弾性層形成材料を用い、軸芯体101をクランプする時の荷重を30.0Nとし、吐出塗工時には、0.5Nに切り替えている以外、実施例1と同様に弾性ローラを製造した。なお、軸芯体101として、鉄製の長さ280mm、外径φ6mm、両端部がR1面取りされたものを用いた。また、軸芯体保持具39及び軸芯体保持具40の凹部の内壁面の形状はC1面であり、この部分の算術平均粗さRaは1.5μmとした。このようにして、弾性ローラを1000本同様に作製した。この弾性ローラ1000本の振れの分布を表1に示す。
軸芯体101を上下端部で保持固定する軸芯体保持具39,40にかかる軸方向の荷重を、軸芯体101をクランプするタイミングで高荷重とし、吐出塗工時には、高荷重から低荷重に切り替えている。これにより、弾性ローラの振れ30μm以下が100%で、安定して弾性ローラを製造できた。
また、実施例1と同様にして現像ローラ1(振れ28μm)を得た。作成した現像ローラ1を電子写真プロセスカートリッジに組み込み、画像出力して、評価した。結果を表2に示す。
[実施例3]
カーボンブラック(商品名:MA11、三菱化学社製)を20質量部にした以外、実施例1と同様にシリコーンゴム材料を調整した。弾性層形成用材料であるシリコーンゴム混合液粘度は、4990Pa・sであった。
この弾性層形成材料を用い、軸芯体101をクランプする時の荷重を200.0Nとし、吐出塗工時には、20.0Nに切り替えている以外、実施例1と同様に弾性ローラを製造した。なお、軸芯体101として、鉄製の長さ280mm、外径φ6mm、両端部がR1面取りされたものを用いた。また、軸芯体保持具39および軸芯体保持具40の凹部の内壁面の形状は60°のテーパであり、この部分の算術平均粗さRaを2.8μmとした。
このようにして弾性ローラを1000本同様に作製した。この弾性ローラ1000本の振れの分布を表1に示す。
軸芯体101を上下端部で保持固定する軸芯体保持具39,40にかかる軸方向の荷重を、軸芯体101をクランプするタイミングで高荷重とし、吐出塗工時には、高荷重から低荷重に切り替えている。これにより、弾性ローラの振れ30μm以下が100%で、安定して弾性ローラを製造できた。
また、実施例1と同様にして現像ローラ1(振れ27μm)を得た。作成した現像ローラ1を電子写真プロセスカートリッジに組み込み、画像出力して、評価した。結果を表2に示す。
[実施例4]
塗工ヘッド38の内側に開口した環状スリットから、シリコーンゴム材料を1.49ml/secで吐出し、軸芯体101の外周上に層厚2.0mmのシリコーン層を有する弾性ローラを得た以外、実施例1と同様に弾性ローラを製造した。このようにして、弾性ローラを1000本同様に作製した。この弾性ローラ1000本の振れの分布を表1に示す。
軸芯体101を上下端部で保持固定する軸芯体保持具39,40にかかる軸方向の荷重を、軸芯体101をクランプするタイミングで高荷重とし、吐出塗工時には、高荷重から低荷重に切り替えている。これにより、弾性ローラの振れ30μm以下が100%で、安定して弾性ローラを製造できた。
また、実施例1と同様にして現像ローラ1(振れ27μm)を得た。作成した現像ローラ1を電子写真プロセスカートリッジに組み込み、画像出力して、評価した。結果を表2に示す。
[実施例5]
塗工ヘッド38の内側に開口した環状スリットから、シリコーンゴム材料を6.72ml/secで吐出し、軸芯体101の外周上に層厚6.0mmのシリコーン層を有する弾性ローラを得た以外、実施例1と同様に弾性ローラを製造した。このようにして、弾性ローラを1000本同様に作製した。この弾性ローラ1000本の振れの分布を表1に示す。
軸芯体101を上下端部で保持固定する軸芯体保持具39,40にかかる軸方向の荷重を、軸芯体101をクランプするタイミングで高荷重とし、吐出塗工時には、高荷重から低荷重に切り替えている。これにより、弾性ローラの振れ30μm以下が100%で、安定して弾性ローラを製造できた。
また、実施例1と同様にして現像ローラ1(振れ26μm)を得た。作成した現像ローラ1を電子写真プロセスカートリッジに組み込み、画像出力して、評価した。結果を表2に示す。
[比較例1]
軸芯体101にかかる軸方向の荷重を切り替えず、50.0Nで固定した以外、実施例1と同様に弾性ローラを製造した。このようにして、弾性ローラを1000本同様に作製した。この弾性ローラ1000本の振れの分布を表1に示す。弾性ローラの振れ30μm以下が84%、振れ60μm以下が100%であった。振れが小さい弾性ローラを安定して製造できなかった。また、実施例1と同様にして現像ローラ1(振れ52μm)を得た。作成した現像ローラ1を電子写真プロセスカートリッジに組み込み、画像出力して、評価した。結果を表2に示す。
[比較例2]
軸芯体101にかかる軸方向の荷重を切り替えず、0.5Nで固定した以外、実施例1と同様に弾性ローラを製造した。このようにして、弾性ローラを1000本同様に作製した。この弾性ローラ1000本の振れの分布を表1に示す。弾性ローラの振れ30μm以下が71%、振れ60μm以下が97%、振れ90μm以下が100%であった。振れが小さい弾性ローラを安定して製造できなかった。また、実施例1と同様にして現像ローラ1(振れ85μm)を得た。作成した現像ローラ1を電子写真プロセスカートリッジに組み込み、画像出力して、評価した。結果を表2に示す。
[比較例3]
軸芯体101にかかる軸方向の荷重を切り替えず、200.0Nで固定した以外、実施例1と同様に弾性ローラを製造した。このようにして、弾性ローラを1000本同様に作製した。この弾性ローラ1000本の振れの分布を表1に示す。弾性ローラの振れ30μm以下が70%、振れ60μm以下が95%、振れ90μm以下が100%であった。振れが小さい弾性ローラを安定して製造できなかった。また、実施例1と同様にして現像ローラ1(振れ88μm)を得た。作成した現像ローラ1を電子写真プロセスカートリッジに組み込み、画像出力して、評価した。結果を表2に示す。
Figure 0005427749
Figure 0005427749
1 現像ローラ
39,40 軸芯体保持具
39a,40a 位置決め凹部
39b,40b 内壁面
101 軸芯体
101a,101b 端部
102 弾性層
103 弾性ローラ

Claims (6)

  1. 軸芯体と、前記軸芯体の外周に設けられた弾性層とを有する弾性ローラの製造方法において、
    開放端に向かって漸次内径が拡大する位置決め凹部を有する一対の軸芯体保持具の間に前記軸芯体を配置し、前記各軸芯体保持具の位置決め凹部の内壁面を前記軸芯体の両端部に当接させた状態で前記一対の軸芯体保持具で前記軸芯体を30.0N以上、200.0N以下の荷重で挟持することにより、前記軸芯体の軸方向と直行する方向の位置決めを行う位置決め工程と、
    前記位置決め工程にて前記一対の軸芯体保持具により前記軸芯体を位置決めした後、前記一対の軸芯体保持具による挟持荷重を、0.5N以上、前記位置決め工程の荷重未満で、前記軸芯体の撓みが解消するまで低下させる荷重切替工程と、
    前記荷重切替工程により前記挟持荷重を低下させた状態で、塗工ヘッドを前記軸芯体に対して軸方向に相対的に移動させ、前記軸芯体の外周に、前記弾性層となる硬化性の液状弾性層材料を前記塗工ヘッドから吐出する塗工工程と、
    を備えたことを特徴とする弾性ローラの製造方法。
  2. 前記荷重切替工程の荷重は、0.5N以上20.0N以下であることを特徴とする、請求項1に記載の弾性ローラの製造方法。
  3. 前記軸芯体の各端部が、C面取りされて先細り形状に形成されており、
    前記各軸芯体保持具の位置決め凹部の内壁面が、R形状に形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の弾性ローラの製造方法。
  4. 前記軸芯体の各端部が、R面取りされて先細り形状に形成されており、
    前記各軸芯体保持具の位置決め凹部の内壁面が、テーパ形状に形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の弾性ローラの製造方法。
  5. 前記各軸芯体保持具の位置決め凹部の内壁面の表面粗度は、算術平均粗さRaが3.2μm以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の弾性ローラの製造方法。
  6. 前記弾性層の層膜が、2.0mm以上、6.0mm以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の弾性ローラの製造方法。
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