JP2002112294A - 波長多重光通信システム - Google Patents

波長多重光通信システム

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JP2002112294A JP2000304315A JP2000304315A JP2002112294A JP 2002112294 A JP2002112294 A JP 2002112294A JP 2000304315 A JP2000304315 A JP 2000304315A JP 2000304315 A JP2000304315 A JP 2000304315A JP 2002112294 A JP2002112294 A JP 2002112294A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】波長間隔の異なる複数のビットレートの光信号
を効率的に配置することができるWDM光通信システム
を提供する。 【解決手段】本発明のWDM光通信システムに適用され
る、例えば、分波部の基本構成は、最小の波長間隔に応
じて設定された複数の波長領域に従ってWDM信号光を
2m個に分波する分波器10と、該分波器10からの光
が入力される1つの入力ポートおよび複数の出力ポート
を有し、該複数の出力ポートのうちのいずれか1つを選
択して入力ポートに接続する2m個の光スイッチ11−
1〜11−2mと、該光スイッチ11−1〜11−2m
の各出力光を合波するm個の合波器12−1〜12−m
とを備え、各光信号に対する帯域幅が各々のビットレー
トに対応した波長配置間隔に略一致するように、各光ス
イッチ11−1〜11−2mのスイッチ動作が設定され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、波長の異なる複数
の光信号を一括して伝送する波長多重(Wavelength-Div
ision Multiplexing:WDM)光通信システムに関し、
特に、波長配置間隔の異なる複数のビットレートの光信
号を効率的に収容する、光送信端局装置、光受信端局装
置および光分岐挿入装置、並びに、それらの装置を用い
て構成されるWDM光通信システムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、マルチメディアネットワークを目
指し、さらなる超長距離・大容量の光通信システムが求
められ、また、これを用いた光波ネットワークの構築も
要求されている。WDM方式は、大容量化を実現する方
式の1つであって研究開発が盛んに行われている。
【0003】さらに、WDM光通信システムにおいて
は、光送受信器の電子回路における高速化の進展応じて
1波長当たりの伝送速度(ビットレート)を高速化し、
伝送容量の拡大を図ることが求められる。このため、よ
り高速の伝送速度に対応できるアップグレーダビリティ
(upgradability)と、40Gb/s,10Gb/s,
2.5Gb/s等の複数のビットレートの光信号が混在
した状態での使用とが求められている。
【0004】現在開発が進められているWDM光通信シ
ステムとしては、例えば、最高伝送速度が10Gb/s
程度であって波長間隔(波長配置間隔)を50GHz等
としたシステムがある。このようなWDM光通信システ
ムを構成する、光送信端局装置、光受信端局装置および
光分岐挿入装置では、各波長(各チャンネル)の光信号
を合波したり、また、各波長ごとに分波したりする処理
が行われる。このような各波長間の合分波時には、一般
に光フィルタ等が用いられることになるため、各チャン
ネルにおけるフィルタ帯域内の平坦性が重要となる。す
なわち、平坦性が十分でないと、信号光成分の一部が削
られて波形歪みを発生するようになってしまうため、伝
送速度が高速になればなるほど、広い帯域に亘る平坦性
が求められる。また、光分岐挿入装置等が伝送路内に多
数挿入されれば、通過するフィルタ数が増加するため、
より厳しい平坦度が求められるようになる。
【0005】フィルタ帯域内の平坦性を満足するため、
例えば、10Gb/sの光信号を50GHz間隔で伝送
する場合には、インターリーバと呼ばれる光フィルタ
と、AWGや膜フィルタ等を利用して100GHz間隔
若しくは200GHz間隔で光信号を分波または合波す
る光フィルタとを組み合わせて用いる技術が知られてい
る。この従来技術では、例えばWDM信号光の分波を行
う場合、WDM信号光がインターリーバを用いて2つの
信号群に分波され、さらに、各信号群の光がAWGや膜
フィルタ等を利用した光フィルタによって各々の波長の
光信号に分波される。上記のインターリーバは、図17
に示すように、50GHz間隔の入力信号(図の上段)
を、100GHz間隔の信号群A(図の実線)と、該信
号群Aに対して50GHzだけ波長シフトした100G
Hz間隔の信号群B(図の点線)とに分波する機能を有
する公知の光フィルタである。なお、図17の中段およ
び下段には、信号群Aに対応したインターリーバの出力
信号および分波特性が示してある。
【0006】AWGや膜フィルタ等を利用した光フィル
タだけを用いて50GHz間隔の光信号光を分波しよう
とすると、フィルタ帯域内の平坦性の確保が困難になっ
てしまうが、上記のようにインターリーバを用いて10
0GHz間隔の信号に分離することでAWGや膜フィル
タ等のフィルタ帯域幅が広げられるため、帯域平坦性が
得られやすくなる。
【0007】なお、ここではWDM信号光を各波長に分
波する場合を示したが、各波長の光信号を50GHz間
隔で合波する場合についても、上記合波時における光信
号の入出力関係を逆にすることで同様にして各光信号を
合波することができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
な従来のWDM光通信システムでは、所定の波長帯域内
にできるだけ多くの光信号を収容するために、各光信号
の波長間隔を狭くしようとする傾向にある。しかしなが
ら、各波長の光信号に対しては伝送速度に応じた所要の
帯域幅が存在するため、波長間隔を狭くしようとしても
限界がある。すなわち、光信号の伝送速度が高速になる
と上記所要の帯域幅が広くなるため、各光信号の波長間
隔を狭くし過ぎるとそのような帯域幅を確保することが
不可能となり伝送できなくなってしまうという問題が発
生する。
【0009】例えば、伝送速度が40Gb/sの光信号
を50GHz間隔で伝送しようとすると、隣接波長から
のクロストークが予想され、そのような波長間隔での光
伝送は困難であると考えられている。このため、40G
b/sのWDM光通信システムでは、波長間隔を100
GHzとした検討が行われている。また、前述したよう
にWDM光通信システムに対しては、各種ビットレート
の光信号が混在した状態での使用や、高速ビットレート
へのアップグレーダビリティが求められている。従来の
WDM光通信システムにおいて各種ビットレートの光信
号を混在させて使用するには、システムがサポートする
最大ビットレートの光信号に合わせて最初(設計段階)
から波長間隔を選択する必要があるため、ビットレート
の低い光信号についての収容効率が悪くなってしまうと
いう問題がある。さらに、既存の1つのビットレートに
対応させて波長間隔を最適化したようなシステムでは、
ビットレートが高速化した場合、すべてのチャンネルに
ついてビットレートを高くするとともに、光合分波器等
を交換または削除する必要が生じる。このため、ビット
レートの高速化に対して柔軟に対応することが難しいと
いう問題もある。
【0010】本発明は上記の点に着目してなされたもの
で、波長配置間隔の異なる複数のビットレートの光信号
を効率的に波長配置することができ、また、高速ビット
レートへのアップグレードに柔軟に対応することが可能
なWDM光通信システムを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明によるWDM光通信システムは、波長配置間
隔の異なる複数のビットレートの光信号が所定の信号波
長帯域内に配置された波長多重信号光を伝送する波長多
重光通信システムであって、最小の波長配置間隔に応じ
て設定した波長幅単位を基準として信号波長帯域を区分
した複数の波長領域に従って、波長多重信号光を分波し
複数の光信号を生成する分波処理および複数の光信号を
合波し波長多重信号光を生成する合波処理のうちの少な
くとも一方を行うとき、各光信号についての帯域幅を波
長幅単位の整数倍に設定可能な信号処理部を有し、該信
号処理部では、ビットレートの異なる光信号に対する各
帯域幅が、各々のビットレートに対応した波長配置間隔
に略一致するように設定されるものである。
【0012】かかるWDM光通信システムでは、WDM
信号光の信号波長帯域を波長幅単位で区分した複数の波
長領域に従って行われる分波処理まはた合波処理が、各
光信号についての帯域幅を波長幅単位の整数倍とすると
ともに、各々のビットレートに対応した波長配置間隔に
略一致させた状態で行われるため、各々のビットレート
に対応した所要の帯域幅を確保した状態で各光信号を分
波または合波することができる。これにより、波長配置
間隔の異なる複数のビットレートの光信号を効率的に収
容したWDM光通信を実現することが可能になる。
【0013】上記のような本発明による技術は、具体的
には、光送信端局装置、光受信端局装置および光分岐挿
入装置にそれぞれ適用することが可能である。
【0014】
【発明の実施の形態】まず最初に、本発明の基本構成に
ついて図面を用いて説明する。図1は、WDM光通信シ
ステムに適用される本発明の第1の基本構成を示すブロ
ック図であって、(A)はWDM信号光を各波長に分波
する分波部の構成、(B)は各波長の光信号を合波する
合波部の構成である。また、図2は、図1の基本構成に
対応した波長領域の割り当て例を示す図である。なお、
以下の説明では、分波部の構成について述べることにし
て、合波部の構成については、分波部における入出力関
係を逆にすることで同様にして考えることができるた
め、対応する部分に同一の符号を付して説明を省略する
ことにする。
【0015】図1(A)において、分波部は、入力され
るWDM信号光を複数(図では2m個)の波長領域ごと
に分波して出力する分波器10と、分波器10の各出力
ポートP1〜P2mに対応させてそれぞれ設けられた2
m個の1入力m出力(1×m)光スイッチ11−1,1
1−2,…,11−2mと、各光スイッチ11−1〜1
1−2mからの出力信号を合波して出力するm個の合波
器12−1,12−2,…,12−mとを備えて構成さ
れる。
【0016】ここでは、分波部に入力されるWDM信号
光が、低速ビットレートの光信号および高速ビットレー
トの光信号を含むものとする。このWDM信号光は、例
えば図2の上段に示すように、ΔλTの信号波長帯域を
有し、その信号波長帯域ΔλT内に、低速ビットレート
の光信号が波長間隔Δλ1で配置され、高速ビットレー
トの光信号が波長間隔Δλ2で配置される。高速ビット
レートの波長間隔Δλ2は、一般に低速ビットレートの
波長間隔Δλ1の整数倍で与えられるので、Rを整数と
してΔλ2/Δλ1=Rの関係が成り立つものとする。
なお、低速ビットレートにおける波長間隔Δλ1につい
て、信号波長帯域ΔλT内に配置可能な最大の光信号数
をここではm(=ΔλT/Δλ1)とする。
【0017】分波器10は、信号波長帯域ΔλTを2m
個に区分した波長領域B1,B2,B3,…,B2m
(図2の下段を参照のこと)に従って入力信号光を分波
し、それらの各光を各波長領域B1〜B2mに対応した
各々の出力ポートP1〜P2mにそれぞれ出力する波長
選択素子である。この分波器10としては、例えば、回
折格子や分光器(プリズム)などを用いることが可能で
ある。また、回折格子の代わりとして、文献:M.Shira
saki, A.N.Akhter, C.Lin "Virtually Imaged Phase Ar
ray with Graded Reflectivity",IEEE Photon. techno
l. lett., vol.11,No.11, November 1999や文献:M.Sh
irasaki,"Large angular dispersion by virtually ima
ged phase array and its application to wavelength
demultipler",OPTICS LETTERS,Vol.21,No.5,March 1,19
96等に記載されたVIPA(Virtually-Imaged Phased-
Array)を使用することもできる。このVIPAを用い
れば、分散角を大きくとれ、分波部の小型化を図ること
ができる。
【0018】上記の各波長領域B1〜B2mは、低速ビ
ットレートの波長間隔Δλ1を1/2倍した波長幅(波
長幅単位)をそれぞれ有することになる。波長領域B1
〜B2mの具体的な設定例としては、ITUで標準化さ
れたグリッド波長(波長間隔100GHz)の間をさら
に整数倍(特に2倍または4倍)に分割した領域とする
ことが可能である。
【0019】1×m光スイッチ11−1〜11−2m
は、それぞれ、1つの入力ポートとm個の出力ポートと
を有し、入力ポートに入力された分波器10からの光を
m個の出力ポートのいずれか1つに切り替えて出力する
一般的な光スイッチである。このような各光スイッチ1
1−1〜11−2mの具体例としては、MEMS(Micr
o-ElectroMechanical System)スイッチなどが挙げられ
る。なお、MEMSスイッチは、例えばAT&T社によ
り発表された"Optical-Layer Networking: Opportuniti
es for and Progress in Lightwave Micromachines",OF
C 2000 Tutorials等に記載されている公知の光スイッチ
である。各1×m光スイッチ11−1〜11−2mは、
空間に連続的に配置され、分波器10で空間上に連続的
に分光された光を各々の光スイッチの入力ポートで受け
て、いずれか1つの出力ポートに出力する。
【0020】合波器12−1〜12−mは、それぞれ、
各光スイッチ11−1〜11−2mに対応した2m個の
入力ポートを有し、各入力ポートに入力される光信号を
合波して1つの出力ポートから外部に出力する一般的な
光合波デバイスである。各合波器12−1〜12−mの
具体例としては、回折格子や分光器(プリズム)などが
挙げられる。
【0021】次に、上記のような第1の基本構成を有す
る分波部の動作について説明する。ここでは、例えば図
2の中段に示すように、高速ビットレートの光信号Ch
1,Ch2および低速ビットレートの光信号Ch3,C
h4,…Chx(ただしx<m)が信号波長帯域ΔλT
の短波長側から順に所要の波長間隔で配置されたWDM
信号光が分波器10に入力されるものとする。このよう
なWDM信号光が入力された分波器10では、波長領域
B1〜B2mに従ってWDM信号光が分波され、波長領
域B1に対応する光成分が出力ポートP1を介して光ス
イッチ11−1に送られ、波長領域B2に対応する光成
分が出力ポートP2を介して光スイッチ11−2に送ら
れ、以降同様にして、各波長領域B3〜B2mに対応す
る各光成分が各々の光スイッチ11−3〜11−2mに
それぞれ送られる。
【0022】各光スイッチ11−1〜11−2mでは、
分光器10から入力ポートに送られてきた光が、光信号
の波長配置に応じて予め設定された1つの出力ポートか
ら出力される。ここでは、図2の中段に示した各チャネ
ルの光信号Ch1〜Chxの波長配置に応じて各光スイ
ッチ11−1〜11−2mの切り替え動作が設定され
る。具体的には、高速ビットレートの光信号Ch1に対
応して、光スイッチ11−1〜11−4のスイッチ動作
が、m個の出力ポートのうちの合波器12−1に接続さ
れる出力ポートを選択するように設定され、高速ビット
レートの光信号Ch2に対応して、光スイッチ11−5
〜11−8のスイッチ動作が、合波器12−2に接続さ
れる出力ポートを選択するように設定される。また、低
速ビットレートの光信号Ch3に対応して、光スイッチ
11−10,11−11のスイッチ動作が、合波器12
−3に接続される出力ポートを選択するように設定さ
れ、低速ビットレートの光信号Ch4に対応して、光ス
イッチ11−12,11−13のスイッチ動作が、合波
器12−4に接続される出力ポートを選択するように設
定され、以降同様に、低速ビットレートの光信号Ch5
〜Chxに対応して各光スイッチのスイッチ動作が順次
設定される。
【0023】したがって、WDM信号光に含まれる各チ
ャンネルの光信号Ch1〜Chxは、分波器10および
光スイッチ11−1〜11−2mを通過することで、各
々のチャンネル番号に対応した合波器12−1〜12−
xに送られることになる。そして、各合波器12−1〜
12−xでは、各光スイッチから送られてきた各光成分
が合波されて出力される。
【0024】ここで、図1(B)に示した第1の基本構
成を有する合波部の動作についても簡単に説明してお
く。第1の基本構成を有する合波部では、例えば図2の
中段に示したような高速ビットレートの光信号Ch1,
Ch2が分波器12−1,12−2にそれぞれ入力さ
れ、低速ビットレートの光信号Ch3〜Chxが分波器
12−3〜12−xにそれぞれ入力されることになる。
各分波器12−1〜12−xでは、入力された光信号を
2m個に分岐してm×1光スイッチ11−1〜11−2
mにそれぞれ出力する。各光スイッチ11−1〜11−
2mは、m個の入力ポートおよび1つの出力ポートを有
し、各光信号Ch1〜Chxの波長配置に応じて予め設
定された1つの入力ポートが選択されるようにスイッチ
動作する。具体的には、高速ビットレートの光信号Ch
1に対応して、光スイッチ11−1〜11−4では分波
器12−1からの光を受ける入力ポートが選択され、高
速ビットレートの光信号Ch2に対応して、光スイッチ
11−5〜11−8では分波器12−2からの光を受け
る入力ポートが選択される。また、低速ビットレートの
光信号Ch3に対応して、光スイッチ11−10,11
−11では分波器12−3からの光を受ける入力ポート
が選択され、低速ビットレートの光信号Ch4に対応し
て、光スイッチ11−12,11−13では分波器12
−4からの光を受ける入力ポートが選択され、以降同様
に、低速ビットレートの光信号Ch5〜Chxに対応し
て各光スイッチがスイッチ動作する。そして、合波器1
0では、各光スイッチ11−1〜11−2mからの光が
合波されてWDM信号光が出力される。
【0025】このように第1の基本構成を有する分波部
または合波部によれば、各チャンネルの光信号Ch1〜
Chxを、各々のビットレートに対応した所要の帯域幅
を確保した状態で分波または合波することができる。こ
のため、低速ビットレートの光信号および高速ビットレ
ートの光信号が混在した光通信を、信号収容効率を低下
させることなく実現することが可能になる。
【0026】なお、上記第1の基本構成では、低速ビッ
トレートについて配置可能な最大の光信号数mに対応さ
せて、m個の出力ポート(または入力ポート)を有する
光スイッチ11−1〜11−2mを用いるようにした
が、WDM信号光に含まれる各光信号の波長配置が規則
性(例えば、上述したようにチャンネル番号に従って短
波長側から順に配置されるような規則性など)を有して
いる場合には、各光スイッチの出力方路範囲(または入
力方路範囲)を固定することができるため、ポート数の
少ない光スイッチを使用することも可能である。
【0027】次に、本発明のWDM光通信システムに適
用される第2の基本構成について説明する。図3は、第
2の基本構成を示すブロック図であって、(A)は光信
号を各波長に分波する分波部の構成、(B)は各波長の
光信号を合波する合波部の構成である。また、図4は、
図3の基本構成に対応した波長領域の割り当て例を示す
図である。なお、ここでも第1の基本構成の場合と同様
に、分波部の構成についてのみ説明を行い、合波部の構
成については分波部に対応する部分に同一の符号を付し
て説明を省略することにする。
【0028】図3(A)に示す分波部の基本構成は、図
1(A)に示した第1の基本構成について、1×m光ス
イッチ11−1〜11−2mに代えて1×R光スイッチ
11−1’〜11−2m’を用い、R個の合波器12−
1〜12−R(前段合波器)を設けるとともに、各合波
器12−1〜12−Rからの出力光をそれぞれ分波する
R個の分波器13−1〜13−R(後段分波器)を設け
るようにしたものである。なお、前述したようにRは、
高速ビットレートの波長間隔Δλ2と低速ビットレート
の波長間隔Δλ1との比を表す整数である(R=Δλ2
/Δλ1)。
【0029】1×R光スイッチ11−1’〜11−2
m’は、それぞれ、1つの入力ポートとR個の出力ポー
トとを有し、入力ポートに入力された分波器10からの
光をR個の出力ポートのいずれか1つに切り替えて出力
する一般的な光スイッチである。具体的な1×R光スイ
ッチとしては、例えば、前述したMEMSスイッチなど
を用いることが可能である。また、R=2となる場合に
は、1×2光スイッチとして液晶シャッタスイッチを用
いることもできる。具体的には、例えば、文献:J.S.Pa
tel他,"Liquid crystal and grating-based multiple-
wavelength cross-connect switch", IEEE Photon. tec
hnol. lett., vol.7, No.5, May, 1995等に記載されて
いるような液晶シャッタスィッチを用いることが可能で
ある。
【0030】分波器13−1〜13−Rは、波長間隔Δ
λ2に対応して分波特性が周期的に変化し、高速ビット
レートの光信号を分波するのに十分な波長平坦性を有す
る公知の光フィルタである。また、各分波器13−1〜
13−Rは、各々のフィルタ中心波長が互いに波長間隔
Δλ1だけ異なるように予め設定されている。具体的な
各分波器13−1〜13−Rとしては、例えば、従来の
AWGや膜フィルタ等を利用した光フィルタを利用する
ことが可能であり、また、このような従来の光フィルタ
とインターリーバとを組み合わせて構成してもよい。
【0031】次に、上記のような第2の基本構成を有す
る分波部の動作について説明する。ここでも第1の基本
構成の場合と同様に、図4の上段に示すような高速ビッ
トレートの光信号Ch1,Ch2および低速ビットレー
トの光信号Ch3〜Chxを含んだWDM信号光が分波
器10に入力されるものとする。さらに、ここでは高速
ビットレートについての波長間隔Δλ2を100GHz
とし、低速ビットレートについての波長間隔Δλ1を5
0GHzとした場合を想定して説明を行うことにする。
この場合には、R=Δλ2/Δλ1=2となり、光スイ
ッチ11−1’〜11−2m’として規模の小さい(出
力ポート数の少ない)1×2光スイッチを用いることが
可能になる。
【0032】上記のようなWDM信号光が入力された分
波器10では、図4の中段に示す波長領域B1〜B2m
に従ってWDM信号光が分波され、波長領域B1〜B2
mに対応する各光成分が出力ポートP1〜P2mを介し
て光スイッチ11−1’〜11−2m’にそれぞれ送ら
れる。各光スイッチ11−1’〜11−2m’では、分
光器10から入力ポートに送られてきた光が、光信号の
波長配置に応じて予め設定された1つの出力ポートから
出力される。ここでは、図4の中段に示すように、光信
号Ch1,Ch2,Ch3,Ch5,…(光信号Ch1
に対して中心波長が100GHzの間隔でシフトしてい
る各光信号)に対応して、光スイッチ11−1’〜11
−8’,11−10’,11−11’,11−14’,
11−15’,…のスイッチ動作が、R=2個の出力ポ
ートのうちの合波器12−1に接続される出力ポートを
選択するように設定され、また、上記各光信号Ch1,
Ch2,Ch3,Ch5,…に対して中心波長が50G
Hzシフトしている光信号Ch4,…Chxに対応し
て、光スイッチ11−12’,11−13’,…のスイ
ッチ動作が、合波器12−2に接続される出力ポートを
選択するように設定される。
【0033】これにより、WDM信号光が分波器10お
よび各光スイッチを通過することで、光信号Ch1,C
h2,Ch3,Ch5,…は合波器12−1に送られる
ことになり、光信号Ch4,…Chxは合波器12−2
に送られることになる。そして、各合波器12−1,1
2−2では、各光スイッチから送られてきた各光成分が
合波されて、分波器13−1,13−2にそれぞれ出力
される。図4の中段下側には、各分波器13−1,13
−2に入力される光信号の様子が示してある。
【0034】各分波器13−1,13−2では、図4の
下段に示すような周期的な分波特性に従って、合波器1
2−1,12−2からの出力光が分波され、対応する出
力ポートp1,p2…から出力される。図4の設定例で
は、高速ビットレートの光信号Ch1,Ch2が分波器
13−1の出力ポートp1,p2からそれぞれ出力さ
れ、低速ビットレートの光信号Ch3,Ch5,…が分
波器13−1の出力ポートp3,p4,…からそれぞれ
出力される。また、低速ビットレートの光信号Ch4,
…,Chxが分波器13−1の出力ポートp3,…p
x’からそれぞれ出力される。
【0035】ここで、図4(B)に示した第2の基本構
成を有する合波部の動作についても簡単に説明してお
く。第2の基本構成を有する合波部では、高速ビットレ
ートの光信号Ch1,Ch2および低速ビットレートの
光信号Ch3,Ch5,…が合波器13−1に入力さ
れ、低速ビットレートの光信号Ch4,…,Chxが合
波器13−2に入力されることになる。各合波器13−
1,13−2では、入力された各光信号が合波されて分
波器12−1,12−2に送られる。各分波器12−
1,12−2では、合波器13−1,13−2からの各
光が2m個に分波されてR×1(図4の設定例では2×
1)光スイッチ11−1’〜11−2m’にそれぞれ出
力される。各光スイッチ11−1’〜11−2m’は、
R=2個の入力ポートおよび1つの出力ポートを有し、
各光信号Ch1〜Chxの波長配置に応じて予め設定し
た1つの入力ポートが選択されるようにスイッチ動作す
る。具体的には、各光信号Ch1,Ch2,Ch3,C
h5,…に対応して、光スイッチ11−1’〜11−
8’,11−10’,11−11’,11−14’,1
1−15’,…では分波器12−1からの光を受ける入
力ポートが選択され、光信号Ch4,…Chxに対応し
て、光スイッチ11−12’,11−13’,…では分
波器12−2からの光を受ける入力ポートが選択され
る。そして、合波器10では、各光スイッチ11−1’
〜11−2m’からの光が合波されてWDM信号光が出
力される。
【0036】このように第2の基本構成を有する分波部
または合波部によっても、第1の基本構成の場合と同様
の効果を得ることができるとともに、各ビットレートに
おける波長間隔の比Rに対応させて光スイッチの規模を
小さく(入力ポート数を少なく)することが可能にな
る。以下、上述したような本発明による基本構成をWD
M光通信システムに用いられる各種装置に適用した場合
の具体的な実施形態について説明することにする。
【0037】図5は、本発明が適用されるWDM光通信
システムの全体構成例を示すブロック図である。図5の
WDM光通信システムでは、光送信端局装置100と光
受信端局装置110の間が光伝送路120により接続さ
れ、該光伝送路120上には、光インラインアンプ13
0および光分岐挿入装置(OADM)140がそれぞれ
配置されている。光送信端局装置100には、上述した
本発明による合波部の基本構成が適用され、光受信端局
装置110には、上述した本発明による分波部の基本構
成が適用される。また、光分岐挿入装置140には、本
発明による分波部および合波部の各基本構成を組み合わ
せたものが適用される。
【0038】図6は、本発明による第1の基本構成を適
用した光送信端局装置の実施形態を示す構成図である。
ただし、上述した基本構成と同様の部分には同一の符号
を付して説明を省略し、以下同様とする。図6におい
て、光送信端局装置100は、上述の図1(B)に示し
た合波部の基本構成について、例えば、m個の光送信器
20−1,20−2,…,20−mと、制御回路(CO
NT)21と、光ポストアンプ22と、監視制御信号処
理部23とを設けたものである。
【0039】各光送信器20−1〜20−mは、波長が
互いに異なる所要のビットレートの光信号を発生し、該
光信号を対応する分波器12−1〜12−mにそれぞれ
送信する公知の光送信器である。また、各光送信器20
−1〜20−mは、送信する光信号のビットレートおよ
び波長配置等に関する送信情報を生成して制御回路21
に出力する機能をそれぞれ備えている。なお、光送信器
の設置台数mは、システムの信号波長帯域(ΔλT)
を、システムがサポートする最小ビットレート時の波長
間隔(Δλ1)で除算した値によって与えられる。
【0040】制御回路21は、各光送信器20−1〜2
0−mからの送信情報を基に各光信号についてのビット
レートおよび波長配置等を把握し、その結果に応じて、
各々のビットレートに対応した所要の帯域幅が確保され
るように各m×1光スイッチ11−1〜11−2mのス
イッチ動作を制御するものである。このスイッチ動作の
制御は、上述の第1の基本構成において説明した各光ス
イッチの動作設定と同様にして行われる。
【0041】光ポストアンプ22は、合波器10から出
力されるWDM信号光を所要のレベルまで増幅して光伝
送路120(図5)に出力する公知の光増幅器である。
なお、この光ポストアンプ22は必要に応じて設ければ
よく、合波器10から出力されるWDM信号光が十分な
レベルにある場合には省略することも可能である。監視
制御信号処理部23は、制御回路21からの出力情報に
応じて下流の装置へ伝える監視制御信号(OSC)を発
生するOSC用光送信器23Bと、該OSC用光送信器
23Bからの監視制御信号を、光ポストアンプ22から
出力されるWDM信号光に合波する合波器23Aとから
なる。ここでは、制御回路21がWDM信号光に含まれ
る各光信号についてのビットレートおよび波長配置等の
情報を監視制御信号を通じて下流装置へ伝送することに
なる。
【0042】上記のような構成の光送信端局装置100
では、各光送信器20−1〜20−mで発生した光信号
が対応する分波器12−1〜12−mに入力されると、
上述した第1の基本構成を有する合波部の場合と同様の
動作によって、各波長の光信号が、各々のビットレート
に対応した所要の帯域幅を確保した状態で合波されて合
波器10から出力される。そして、合波器10から出力
されたWDM信号光は光ポストアンプ22で一括増幅さ
れた後に光伝送路120に送信される。
【0043】このように本光送信端局装置100によれ
ば、ビットレートの異なる光信号を効率的に波長配置し
たWDM信号光を光伝送路に送信することが可能にな
る。図7は、本発明による第2の基本構成を適用した光
送信端局装置の実施形態を示す構成図である。図7にお
いて、光送信端局装置100’は、上述の図3(B)に
示した合波部の基本構成について、例えば、m個の光送
信器20−1〜20−mと、制御回路(CONT)21
と、光ポストアンプ22と、監視制御信号処理部23と
を設けたものである。を設けたものである。
【0044】各光送信器20−1〜20−m、制御回路
21、光ポストアンプ22および監視制御信号処理部2
3は、前述の図6に示した光送信端局装置100に用い
たものと同様の構成である。ただし、ここでは光送信器
20−1〜20−kで発生した各光信号が合波器13−
1にそれぞれ送信され、光送信器20−l〜20−mで
発生した各光信号が合波器13−Rにそれぞれ送信され
る(k<l<m)。また、制御回路21によるスイッチ
動作の制御は、上述の第2の基本構成において説明した
各光スイッチの動作設定と同様にして行われる。
【0045】上記のような構成の光送信端局装置10
0’では、各光送信器20−1〜20−mで発生した光
信号が対応する分波器12−1〜12−Rに入力される
と、上述した第2の基本構成を有する合波部の場合と同
様の動作によって、各波長の光信号が、各々のビットレ
ートに対応した所要の帯域幅を確保した状態で合波され
て合波器10から出力される。そして、合波器10から
出力されたWDM信号光は光ポストアンプ22で一括増
幅された後に光伝送路120に送信される。
【0046】ここで、光送信端局装置100’について
の具体例として、25GHzの波長間隔に配置する低速
ビットレート(例えば2.5Gb/s等)の光信号と、
100GHzの波長間隔に配置する高速ビットレート
(例えば40Gb/s等)の光信号とを混在させた場合
を説明する。この場合、高速ビットレートの波長間隔と
低速ビットレートの波長間隔との比を表す整数Rは、1
00GHz/25GHz=4となるため、4つの合波器
13−1〜13−4および4つの分波器12−1〜12
−4が設けられることになる。
【0047】図8は、上記の場合における各光信号の波
長配置パターンと各合波器13−1〜13−4の合波特
性とを示す図である。図8の最上段に示す配置パターン
1は、高速ビットレートの光信号が同一の合波器13−
1に入力し、低速ビットレートの光信号が連続するよう
に波長配置を考えたときの一例である。なお、配置パタ
ーンに対応させて下側に示した数字は、光信号が入力さ
れる合波器13−1〜13−4を表している。この配置
パターン1の場合には、高速ビットレートについて、短
波長側の光信号が合波器13−1の入力ポートp1に入
力され、長波長側の光信号が合波器13−1の入力ポー
トp4に入力される。また、低速ビットレートについて
は、波長が最も短い光信号が合波器13−4の入力ポー
トp1に入力され、波長が2番目に短い光信号が合波器
13−1の入力ポートp2に入力され、波長が3番目に
短い光信号が合波器13−2の入力ポートp2に入力さ
れ、波長が4番目に短い光信号が合波器13−3の入力
ポートp2に入力され、以降同様にして各波長の光信号
が各合波器13−1〜13−4に周回的に入力される。
【0048】また、配置パターン2は、低速ビットレー
トの光信号のみが連続するように波長配置を考えたとき
の一例である。この配置パターン2の場合には、波長の
最も短い光信号が合波器13−1の入力ポートp1に入
力され、波長が2番目に短い光信号が合波器13−2の
入力ポートp1に入力され、波長が3番目に短い光信号
が合波器13−3の入力ポートp1に入力され、波長が
4番目に短い光信号が合波器13−4の入力ポートp1
に入力され、以降同様にして各波長の光信号が各合波器
13−1〜13−4に周回的に入力される。
【0049】このように本光送信端局装置100’によ
っても、ビットレートの異なる光信号を効率的に波長配
置したWDM信号光を光伝送路に送信することが可能に
なる。また、入力ポート数の少ない光スイッチを用いる
ことができるため、装置の小型化を図ることができる。
なお、上述した光送信端局装置100,100’につい
ては、各光信号を合波する際のクロストークの影響を避
けるために、例えば、各光送信器20−1〜20−mと
各分波器12−1〜12−mまたは各合波器13−1〜
13−Rの入力ポートとの間に、中心波長が光送信器2
0−1〜20−mの各々の波長に一致し、各ビットレー
トに対応した帯域幅を持つ光バンドパスフィルタを挿入
してもよい。また、各光送信器20−1〜20−mの出
力側に可変光減衰器をそれぞれ設けて、各波長の送信光
レベルを調整するようにしても構わない。
【0050】ここで、上記第2の基本構成を適用した光
送信端局装置100’の変形例について説明する。図9
は、上記変形例の構成を示すブロック図である。図9に
おいて、光送信端局装置100”は、前述の図7に示し
た光送信端局装置100’について、光送信器20−1
〜20−mを高速ビットレート用と低速ビットレート用
とに区別し、高速ビットレート用光送信器から出力され
る各光信号を合波器13−1で合波して分波器12−1
に送るようにし、また、低速ビットレート用光送信器か
ら出力される各光信号を合波器13A,13Bおよびイ
ンターリーバ13Cで合波して分波器12−2に送るよ
うにしたものである。上記以外の構成は、図7に示した
光送信端局装置100’の構成と同様である。なお、こ
こでは、例えば、高速ビットレートを40Gb/s(波
長間隔100GHz)とし、低速ビットレートを10G
b/s(波長間隔50GHz)とするものとする。
【0051】高速ビットレート側の合波器13−1、並
びに、低速ビットレート側の合波器13A,13Bは、
それぞれ、波長間隔100GHzに対応して合波特性が
周期的に変化し、十分な波長平坦性を有する公知の光フ
ィルタが用いられる。また、合波器13A,13Bにつ
いては、各々のフィルタ中心波長が互いに50GHzだ
け異なるように予め設定されている。このような合波器
としては、例えば、AWGや膜フィルタ等を利用した一
般的な光フィルタを用いることが可能である。インター
リーバ13Cは、合波器13A,13Bからそれぞれ出
力される100GHz間隔の光信号を合波して50GH
z間隔の光信号を生成する公知の光フィルタである。
【0052】このような光送信端局装置100”では、
各波長の光信号がビットレートごとにまとめて合波さ
れ、また、波長間隔の狭い低速ビットレートの光信号に
ついては合波器13A,13Bおよびインターリーバ1
3Cの組み合わせによって合波が行われる。そして、前
述した光送信端局装置100’の場合と同様にして、高
速ビットレートおよび低速ビットレートの混在したWD
M信号光が生成され光伝送路に送信されるようになる。
したがって、本光送信端局装置100”のような構成と
しても、光送信端局装置100’の場合と同様の効果を
得ることができる。
【0053】次に、本発明による基本構成を適用した光
受信端局装置の実施形態について説明する。図10は、
本発明による第1の基本構成を適用した光受信端局装置
の実施形態を示す構成図である。図10において、光受
信端局装置110は、上述の図1(A)に示した分波部
の基本構成について、例えば、光プリアンプ30と、m
個の光受信器31−1,31−2,…,31−mと、監
視制御(OSC)信号処理部32と、制御回路(CON
T)33と、を設けたものである。
【0054】光プリアンプ30は、光伝送路120(図
5)から送られてくるWDM信号光を所要のレベルまで
増幅して分波器10に出力する公知の光増幅器である。
各光受信器31−1〜31−mは、接続する合波器12
−1〜12−mから出力される光信号を受信処理するこ
とが可能な公知の光受信器である。なお、光受信器の設
置台数(最大値)mは、システムの信号波長帯域(Δλ
T)を、システムがサポートする最小ビットレート時の
波長間隔(Δλ1)で除算した値によって与えられる。
【0055】OSC信号処理部32は、例えば、光伝送
路120から送られるWDM信号光に伴なって伝送され
る監視制御信号を分波する分波器32Aと、分波された
監視制御信号を受信し、監視制御信号によって示される
送信情報を識別するOSC用光受信器32Bとを有す
る。制御回路33は、OSC用光受信器32Bで識別さ
れた送信情報を基に、受信したWDM信号光に含まれる
各光信号についてのビットレートおよび波長配置等を把
握し、その結果に応じて、各々のビットレートに対応し
た所要の帯域幅が確保されるように各1×m光スイッチ
11−1〜11−2mのスイッチ動作を制御するもので
ある。このスイッチ動作の制御は、上述の第1の基本構
成において説明した各光スイッチの動作設定と同様にし
て行われる。
【0056】上記のような構成の光受信端局装置110
では、光伝送路120からのWDM信号光が分波器32
Aを通過して光プリアンプ30に入力されると、該WD
M信号光が所要のレベルまで増幅された後に分波器10
に送られる。また、これと同時に、WDM信号光に伴な
って送信端局側から伝送される監視制御信号が、分波器
32Aで分波されてOSC用光受信器32Bに送られ、
WDM信号光に含まれる各光信号についてのビットレー
トや波長配置等に関する送信情報が識別される。この送
信情報は制御回路33に伝えられ、制御回路33では、
送信情報に従って各光スイッチ11−1〜11−2mの
動作制御が行われる。
【0057】分波器10に入力されたWDM信号光は、
上述した第1の基本構成を有する分波部の場合と同様の
動作によって、各波長の光信号が、各々のビットレート
に対応した所要の帯域幅を確保した状態で分波されて、
各々に対応する合波器12−1〜12−mからそれぞれ
出力される。そして、各合波器12−1〜12−mから
出力された光信号は、対応する光受信器31−1〜31
−mに送られてそれぞれ受信処理される。
【0058】このように本光受信端局装置110によれ
ば、ビットレートの異なる光信号を含んだWDM信号光
を、各々のビットレートに対応した所要の帯域幅を確保
して確実に分波し受信処理することが可能になる。図1
1は、本発明による第2の基本構成を適用した光受信端
局装置の実施形態を示す構成図である。
【0059】図11において、光送信端局装置110’
は、上述の図3(A)に示した分波部の基本構成につい
て、例えば、光プリアンプ30と、m個の光受信器31
−1,31−2,…,31−mと、監視制御(OSC)
信号処理部32と、制御回路(CONT)33と、を設
けたものである。光プリアンプ30、各光受信器31−
1〜31−m、OSC信号処理部32および制御回路3
3は、前述の図10に示した光受信端局装置110に用
いたものと同様の構成である。ただし、ここでは分波器
13−1で分波された各光信号が光受信器31−1〜3
1−kにそれぞれ送られ、分波器13−Rで分波された
各光信号が光受信器31−l〜31−mにそれぞれ送ら
れる(k<l<m)。また、制御回路33によるスイッ
チ動作の制御は、上述の第2の基本構成において説明し
た各光スイッチの動作設定と同様にして行われる。
【0060】上記のような構成の光送信端局装置11
0’では、光伝送路120からのWDM信号光が分波器
32Aおよび光プリアンプ30を介して分波器10に送
られるとともに、WDM信号光に伴なって伝送される監
視制御信号が分波器32Aを介してOSC用光受信器3
2Bに送られて送信情報の識別が行われ、制御回路33
による各光スイッチ11−1’〜11−2m’の動作制
御が行われる。
【0061】分波器10に入力されたWDM信号光は、
上述した第2の基本構成を有する分波部の場合と同様の
動作によって、各波長の光信号が、各々のビットレート
に対応した所要の帯域幅を確保した状態で分波されて、
各分波器13−1〜13−Rからそれぞれ出力される。
そして、各分波器13−1〜13−Rから出力された光
信号は、対応する光受信器31−1〜31−mに送られ
てそれぞれ受信処理される。
【0062】このように本光受信端局装置110’によ
っても、ビットレートの異なる光信号を含んだWDM信
号光を、各々のビットレートに対応した所要の帯域幅を
確保して確実に分波し受信処理することが可能になる。
ここで、上記第2の基本構成を適用した光受信端局装置
110’の変形例について説明する。
【0063】図12は、上記変形例の構成を示すブロッ
ク図である。図12において、光受信端局装置110”
は、前述の図11に示した光受信端局装置110’につ
いて、光受信器31−1〜31−mを高速ビットレート
用と低速ビットレート用とに区別し、分波器13−1か
ら出力される各光信号を高速ビットレート用光受信器に
それぞれ送り、また、合波器12−2から出力される光
信号をインターリーバ13Cおよび分波器13A,13
Bで分波して低速ビットレート用光送信器にそれぞれ送
るようにしたものである。上記以外の構成は、図11に
示した光受信端局装置110’の構成と同様である。な
お、ここでは、例えば、高速ビットレートを40Gb/
s(波長間隔100GHz)とし、低速ビットレートを
10Gb/s(波長間隔50GHz)とするものとす
る。
【0064】高速ビットレート側の分波器13−1、並
びに、低速ビットレート側の分波器13A,13Bは、
それぞれ、波長間隔100GHzに対応して分波特性が
周期的に変化し、十分な波長平坦性を有する公知の光フ
ィルタが用いられる。また、分波器13A,13Bにつ
いては、各々のフィルタ中心波長が互いに50GHzだ
け異なるように予め設定されている。このような分波器
としては、例えば、AWGや膜フィルタ等を利用した一
般的な光フィルタを用いることが可能である。インター
リーバ13Cは、合波器12−2から出力される50G
Hz間隔の光信号を分波して100GHz間隔の信号群
を生成する公知の光フィルタである。
【0065】このような光受信端局装置110”では、
WDM信号光がビットレートごとにまとめて分波され、
また、波長間隔の狭い低速ビットレートの光信号につい
てはインターリーバ13Cおよび分波器13A,13B
の組み合わせによって分波が行われる。これにより、前
述した光受信端局装置110’の場合と同様にして、高
速ビットレートおよび低速ビットレートの混在したWD
M信号光に含まれる各波長の光信号の受信処理が確実に
行われるようになる。したがって、本光受信端局装置1
10”のような構成としても、光受信端局装置110’
の場合と同様の効果を得ることができる。
【0066】次に、本発明による基本構成を適用した光
分岐挿入装置の実施形態について説明する。図13は、
本発明の基本構成を適用した光分岐挿入装置の実施形態
を示す構成図である。図13において、光分岐挿入装置
140は、上述の図1(A)または図3(A)に示した
本発明の基本構成を有する分波部40Aと、上述の図1
(B)または図3(B)に示した本発明の基本構成を有
する合波部40Bとを組み合わせて構成される。分波部
40Aには、光伝送路120(図5)から送られてくる
WDM信号光が光プリアンプ43Aを介して入力され、
該分波部40Aで分波された各光信号は、対応する2×
2光スイッチ41−1〜41−mにそれぞれ送られる。
合波部40Bには、2×2光スイッチ41−1〜41−
mおよび可変光減衰器42−1〜42−mを通過した各
波長の光信号が入力され、該分波部40Aで合波された
WDM信号光は、光プリアンプ43Bを介して再び光伝
送路120に送られる。また、光プリアンプ43Aの前
段および光プリアンプ43Bの後段には監視制御信号処
理部44,46がそれぞれ設けられ、監視制御信号処理
部44で識別された送信情報に従って、分波部40A,
合波部40Bおよび可変光減衰器42−1〜42−mの
各動作設定を制御する制御回路(CONT)45が設け
られる。
【0067】2×2光スイッチ41−1〜41−mは、
それぞれ2つの入力ポートと2つの出力ポートを有し、
一方の入力ポートには分波部40Aから出力される光信
号が入力され、他方の入力ポートには本ノードで挿入す
る光信号が入力される。また、一方の出力ポートからは
対応する可変光減衰器42−1〜42−mに送る光信号
が出力され、他方の出力ポートからは本ノードで分岐す
る光信号が出力される。各々のスイッチ動作は、制御回
路45からの信号に従って制御される。なお、図13に
は、制御回路45からの信号が2×2光スイッチ41−
mにのみ入力されるように示してあるが、他の2×2光
スイッチにも同様にして制御回路45からの信号が入力
されているのもとする。
【0068】各可変光減衰器42−1〜42−mは、2
×2光スイッチ41−1〜41−mから出力される各光
信号のレベルを調整するためのものであり、各々の光減
衰量は、制御回路45からの信号に従って制御される。
なお、図13には、制御回路45からの信号が可変光減
衰器42−mにのみ入力されるように示してあるが、他
の可変光減衰器にも同様にして制御回路45からの信号
が入力されているのもとする。
【0069】監視制御信号処理部44は、光伝送路12
0からのWDM信号光に伴なって伝送される監視制御信
号を分波する分波器44Aと、分波された監視制御信号
を受信し、監視制御信号によって示される送信情報を識
別するOSC用光受信器44Bとを有し、OSC用光受
信器44Bで識別した送信情報を制御回路45に伝え
る。また、監視制御信号処理部46は、制御回路45か
ら送られる送信情報に応じて光受信端局側に伝える監視
制御信号を発生するOSC用光送信器46Bと、該OS
C用光送信器46Bからの監視制御信号を、光プリアン
プ43から出力されるWDM信号光に合波する合波器4
6Aとを有する。
【0070】制御回路45は、OSC用光受信器44B
からの送信情報を基に、受信したWDM信号光に含まれ
る各光信号についてのビットレートおよび波長配置等を
把握するとともに、本ノードで挿入または分岐される光
信号についてのビットレートおよび波長配置等を把握し
て、分波部40Aおよび合波部40Bの各光スイッチの
動作設定、並びに、各可変光減衰器42−1〜42−m
の光減衰量の設定をそれぞれ制御する制御信号を生成す
る。
【0071】ここで、上記のような光分岐挿入装置14
0の具体的な一例として、上述の図1に示した第1の基
本構成を分波部40Aおよび合波部40Bにそれぞれ適
用した場合の構成を図14に示しておく。図14の具体
的な構成では、分波部40A内の合波器12−1〜12
−mの各出力ポートと、2×2光スイッチ41−1〜4
1−mの各入力ポートとがそれぞれ接続され、また、可
変光減衰器42−1〜42−mの各出力端子と、合波部
40B内の分波器12−1〜12−mの各入力ポートと
がそれぞれ接続されることになる。
【0072】なお、ここでは分波部40Aおよび合波部
40Bの具体的な構成として第1の基本構成を適用した
場合を示したが、もちろん、上述の図3に示した第2の
基本構成を分波部40Aおよび合波部40Bに適用して
もよい。また、上述の図9および図12に示したような
第2の基本構成を変形させた構成を分波部40Aおよび
合波部40Bに適用することも可能である。
【0073】上記のような光分岐挿入装置140では、
光伝送路120からのWDM信号光が分波器44Aを通
過して光プリアンプ30に入力されると、該WDM信号
光が所要のレベルまで増幅された後に分波部40Aに送
られる。また、これと同時に、WDM信号光に伴なって
送信端局側から伝送される監視制御信号が、分波器44
Aで分波されてOSC用光受信器44Bに送られ、WD
M信号光に含まれる各光信号についての送信情報が識別
されて制御回路45に伝えられる。制御回路45では、
OSC用光受信器44Bからの送信情報に従って、分波
部40A内の各光スイッチの動作制御が行われるととも
に、本ノードで挿入または分岐される光信号についての
ビットレートや波長配置等をも加えた情報に従って、合
波部40B内の各光スイッチの動作制御が行われる。
【0074】分波部40Aに入力されたWDM信号光
は、各波長の光信号が各々のビットレートに対応した所
要の帯域幅を確保した状態で分波されて、各々に対応す
る合波器12−1〜12−mから2×2光スイッチ41
−1〜41−mにそれぞれ出力される。各2×2光スイ
ッチ41−1〜41−mでは、分岐部40Aからの光信
号を本ノードにおいて通過させる場合、分岐部40Aに
接続する入力ポートと可変光減衰器42−1〜42−m
に接続する出力ポートとの間が接続され、また、本ノー
ドで光信号を分岐する場合には、分岐部40Aに接続す
る入力ポートと可変光減衰器42−1〜42−mに接続
されていない出力ポートとの間が接続され、さらに、本
ノードで光信号を挿入する場合には、分岐部40Aに接
続されていない入力ポートと可変光減衰器42−1〜4
2−mに接続する出力ポートとの間が接続される。そし
て、各2×2光スイッチ41−1〜41−mを通って各
々の可変光減衰器42−1〜42−mに送られてきた光
信号は、所要のレベルに調整された後に合波部40Bに
送られる。
【0075】合波部40Bに入力された各光信号は、各
々のビットレートに対応した所要の帯域幅を確保した状
態で合波され、光プリアンプ43Bおよび合波器46A
を介してWDM信号光が光伝送路120に出力される。
また、このWDM信号光には、制御回路45からの送信
情報に従ってOSC用光送信器46Bで生成された監視
制御信号が合波される。
【0076】このように本光分岐挿入装置140によれ
ば、各波長の光信号を各々のビットレートに対応した所
要の帯域幅を確保した状態で確実に分波および合波する
ことが可能になる。なお、上述した光分岐挿入装置14
0の実施形態では、本ノードで挿入する光信号が各2×
2光スイッチ41−1〜41−mに直接入力される場合
を示したが、例えば図15に示すように、挿入する光信
号の信号波長帯域に応じたバンド幅を有する光バンドパ
スフィルタ47を各2×2光スイッチ41−1〜41−
mの前段に挿入するようにしてもよい。これにより、信
号スペクトルの広がりによって他の信号波長帯域へ漏れ
込む成分を削除できるため、クロストーク量の低減を図
ることが可能になる。このようにクロストーク量の低減
が図られた構成では、合波部40Bとして一般的な光カ
プラを用いることも可能である。
【0077】また、上述した光分岐挿入装置140の実
施形態では、分波部40Aから出力される各波長の光信
号について、それぞれ2×2光スイッチ41−1〜41
−mを設ける構成を示したが、本発明はこれに限られる
ものではない。例えば、該当するノードでは高速ビット
レートの光信号または低速ビットレートの光信号のいず
れかを挿入または分岐するとした場合には、図16に示
すように、分波部40Aから出力される光信号のうち
で、挿入または分岐を行わないビットレートの光信号に
対応した2×2光スイッチを省略することが可能であ
る。
【0078】さらに、上述した光送信端局装置、光受信
端局装置および光分岐挿入装置の各実施形態では、波長
配置間隔の異なる2種類のビットレートの光信号が混在
する場合を想定して説明を行ったが、本発明は2種類以
上のビットレートの光信号が混在する場合についても同
様にして応用することが可能である。
【0079】(付記1) 波長配置間隔の異なる複数の
ビットレートの光信号が所定の信号波長帯域内に配置さ
れた波長多重信号光を伝送する波長多重光通信システム
であって、最小の波長配置間隔に応じて設定した波長幅
単位を基準として前記信号波長帯域を区分した複数の波
長領域に従って、波長多重信号光を分波し複数の光信号
を生成する分波処理および複数の光信号を合波し波長多
重信号光を生成する合波処理のうちの少なくとも一方を
行うとき、各光信号についての帯域幅を前記波長幅単位
の整数倍に設定可能な信号処理部を有し、該信号処理部
では、ビットレートの異なる光信号に対する前記各帯域
幅が、各々のビットレートに対応した波長配置間隔に略
一致するように設定されることを特徴とする波長多重光
通信システム。
【0080】(付記2) 波長配置間隔の異なる複数の
ビットレートの光信号が所定の信号波長帯域内に配置さ
れた波長多重信号光を送信する光送信端局装置であっ
て、最小の波長配置間隔に応じて設定した波長幅単位を
基準として前記信号波長帯域を区分した複数の波長領域
に従って、複数の光信号を合波し波長多重信号光を生成
する合波処理を行うとき、各光信号についての帯域幅を
前記波長幅単位の整数倍に設定可能な合波部を有し、該
合波部では、ビットレートの異なる光信号に対する前記
各帯域幅が、各々のビットレートに対応した波長配置間
隔に略一致するように設定されることを特徴とする光送
信端局装置。
【0081】(付記3) 付記2に記載の光送信端局装
置であって、波長配置間隔の異なる複数のビットレート
の光信号をそれぞれ発生して前記合波部に送る複数の光
送信器を備え、前記合波部が、前記各光送信器からの光
信号を前記波長領域の数に対応させてそれぞれ分波する
複数の分波器と、該各分波器からの光が入力される複数
の入力ポートおよび1つの出力ポートを有し、前記複数
の入力ポートのうちのいずれか1つを選択して前記出力
ポートに接続する、前記波長領域の数に対応した個数の
光スイッチと、該各光スイッチからの光を前記複数の波
長領域に従って合波し波長多重信号光を生成する合波器
と、前記各光送信器で発生する光信号のビットレートお
よび波長配置に関する送信情報に応じて、前記各光信号
に対する帯域幅が各々のビットレートに対応した波長配
置間隔に略一致するように前記各光スイッチの動作設定
を制御する制御回路と、を有することを特徴とする光送
信端局装置。
【0082】(付記4) 付記3に記載の光送信端局装
置であって、前記複数の分波器に代えて、前記複数の光
送信器からの各光信号を、最大の波長配置間隔を最小の
波長配置間隔で割った値に対応したグループに区分して
合波する前段合波器と、グループごとに合波された各光
を前記波長領域の数に対応させてそれぞれ分波する後段
分波器とを設け、前記各光スイッチの入力ポート数を、
最大の波長配置間隔を最小の波長配置間隔で割った値に
対応する個数にしたことを特徴とする光送信端局装置。
【0083】(付記5) 付記4に記載の光送信端局装
置であって、前記前段合波器は、最大の波長配置間隔に
対応して合波特性が周期的に変化し、かつ、互いのフィ
ルタ中心波長が最小の波長配置間隔だけシフトするよう
に予め設定された1組の光フィルタと、該各光フィルタ
で合波された光を最小の波長配置間隔となるように合波
するインターリーバとを含んでいることを特徴とする光
送信端局装置。
【0084】(付記6) 波長配置間隔の異なる複数の
ビットレートの光信号が所定の信号波長帯域内に配置さ
れた波長多重信号光を受信する光受信端局装置であっ
て、最小の波長配置間隔に応じて設定した波長幅単位を
基準として前記信号波長帯域を区分した複数の波長領域
に従って、波長多重信号光を分波し複数の光信号を生成
する分波処理を行うとき、各光信号についての帯域幅を
前記波長幅単位の整数倍に設定可能な分波部を有し、該
分波部では、ビットレートの異なる光信号に対する前記
各帯域幅が、各々のビットレートに対応した波長配置間
隔に略一致するように設定されることを特徴とする光受
信端局装置。
【0085】(付記7) 付記6に記載の光受信端局装
置であって、前記分波部で分波された各光信号をそれぞ
れ受信処理する複数の光受信器を備え、前記分波部が、
波長多重信号光を前記複数の波長領域に従って分波する
分波器と、該分波器からの光が入力される1つの入力ポ
ートおよび複数の出力ポートを有し、該複数の出力ポー
トのうちのいずれか1つを選択して前記入力ポートに接
続する、前記波長領域の数に対応した個数の光スイッチ
と、前記各光スイッチの1つの出力ポートにそれぞれ接
続し、各々の光スイッチからの光を合波して生成した光
信号を前記光受信器に送る、前記光スイッチの出力ポー
ト数に対応した個数の合波器と、前記波長多重信号光に
含まれる各光信号のビットレートおよび波長配置に関す
る送信情報に応じて、前記各光信号に対する帯域幅が各
々のビットレートに対応した波長配置間隔に略一致する
ように前記各光スイッチの動作設定を制御する制御回路
と、を有することを特徴とする光受信端局装置。
【0086】(付記8) 付記7に記載の光受信端局装
置であって、前記光スイッチの出力ポート数に対応した
個数の合波器に代えて、前記各光スイッチからの光を、
最大の波長配置間隔を最小の波長配置間隔で割った値に
対応したグループに区分して合波する前段合波器と、前
記グループごとに合波された各光をそれぞれ分波して生
成した各光信号を前記光受信器に送る後段分波器とを設
け、前記各光スイッチの出力ポート数を、最大の波長配
置間隔を最小の波長配置間隔で割った値に対応する個数
にしたことを特徴とする光受信端局装置。
【0087】(付記9) 付記8に記載の光受信端局装
置であって、前記後段分波器は、前段合波器で合波され
た光を、最大の波長配置間隔に従って配置された第1信
号群および該第1信号群とは中心波長が最小の波長配置
間隔だけシフトした第2信号群に分波するインターリー
バと、最大の波長配置間隔に対応して分波特性が周期的
に変化し、かつ、互いのフィルタ中心波長が最小の波長
配置間隔だけシフトするように予め設定され、前記イン
ターリーバからの各信号群をそれぞれ分波する1組の光
フィルタと、を含んでいることを特徴とする光受信端局
装置。
【0088】(付記10) 波長配置間隔の異なる複数
のビットレートの光信号が所定の信号波長帯域内に配置
された波長多重信号光について、光信号の分岐挿入を行
う光分岐挿入装置であって、最小の波長配置間隔に応じ
て設定した波長幅単位を基準として前記信号波長帯域を
区分した複数の波長領域に従って、波長多重信号光を分
波し複数の光信号を生成する分波処理および複数の光信
号を合波し波長多重信号光を生成する合波処理をそれぞ
れ行うとき、各光信号についての帯域幅を前記波長幅単
位の整数倍に設定可能な分波部および合波部を有し、該
分波部および合波部では、ビットレートの異なる光信号
に対する前記各帯域幅が、各々のビットレートに対応し
た波長配置間隔に略一致するように設定されることを特
徴とする光分岐挿入装置。
【0089】(付記11) 付記10に記載の光分岐挿
入装置であって、前記分波部が、波長多重信号光を前記
複数の波長領域に従って分波する分波器と、該分波器か
らの光が入力される1つの入力ポートおよび複数の出力
ポートを有し、該複数の出力ポートのうちのいずれか1
つを選択して前記入力ポートに接続する、前記波長領域
の数に対応した個数の光スイッチと、前記各光スイッチ
の1つの出力ポートにそれぞれ接続し、各々の光スイッ
チからの光を合波して生成した光信号を前記合波部側に
送る、前記光スイッチの出力ポート数に対応した個数の
合波器と、前記波長多重信号光に含まれる各光信号のビ
ットレートおよび波長配置に関する送信情報に応じて、
前記各光信号に対する帯域幅が各々のビットレートに対
応した波長配置間隔に略一致するように前記各光スイッ
チの動作設定を制御する制御回路と、を有することを特
徴とする光分岐挿入装置。
【0090】(付記12) 付記11に記載の光分岐挿
入装置であって、前記分波部は、前記光スイッチの出力
ポート数に対応した個数の合波器に代えて、前記各光ス
イッチからの光を、最大の波長配置間隔を最小の波長配
置間隔で割った値に対応したグループに区分して合波す
る前段合波器と、前記グループごとに合波された各光を
それぞれ分波して生成した各光信号を前記合波部側に送
る後段分波器とを設け、前記各光スイッチの出力ポート
数を、最大の波長配置間隔を最小の波長配置間隔で割っ
た値に対応する個数にしたことを特徴とする光分岐挿入
装置。
【0091】(付記13) 付記10に記載の光分岐挿
入装置であって、前記合波部が、前記分波部側から送ら
れる各光信号を前記波長領域の数に対応させてそれぞれ
分波する複数の分波器と、該各分波器からの光が入力さ
れる複数の入力ポートおよび1つの出力ポートを有し、
前記複数の入力ポートのうちのいずれか1つを選択して
前記出力ポートに接続する、前記波長領域の数に対応し
た個数の光スイッチと、該各光スイッチからの光を前記
複数の波長領域に従って合波して波長多重信号光を生成
する合波器と、前記波長多重信号光に含まれる各光信号
のビットレートおよび波長配置に関する送信情報に応じ
て、前記各光信号に対する帯域幅が各々のビットレート
に対応した波長配置間隔に略一致するように、前記各光
スイッチの動作設定をそれぞれ制御する制御回路と、を
備えたことを特徴とする光分岐挿入装置。
【0092】(付記14) 付記13に記載の光分岐挿
入装置であって、前記合波部は、前記複数の分波器に代
えて、前記分波部側からの各光信号を、最大の波長配置
間隔を最小の波長配置間隔で割った値に対応したグルー
プに区分して合波する前段合波器と、グループごとに合
波された各光を前記波長領域の数に対応させてそれぞれ
分波する後段分波器とを設け、前記各光スイッチの入力
ポート数を、最大の波長配置間隔を最小の波長配置間隔
で割った値に対応する個数にしたことを特徴とする光分
岐挿入装置。
【0093】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、波
長配置間隔の異なる複数のビットレートの光信号を効率
的に波長配置することが可能であり、かつ、高速ビット
レートへのアップグレーダビリティを備えた光送信端局
装置、光受信端局装置および光分岐挿入装置を提供する
ことができ、これらの装置を用いてWDM光通信システ
ムを構成することで大容量の光通信が実現可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の基本構成を示すブロック図であ
って、(A)は分波部の構成、(B)は合波部の構成で
ある。
【図2】本発明の第1の基本構成に対応した波長領域の
割り当て等に関する一例を示す図である。
【図3】本発明の第2の基本構成を示すブロック図であ
って、(A)は分波部の構成、(B)は合波部の構成で
ある。
【図4】本発明の第2の基本構成に対応した波長領域の
割り当て等に関する一例を示す図である。
【図5】本発明が適用されるWDM光通信システムの全
体構成例を示すブロック図である。
【図6】本発明による第1の基本構成を適用した光送信
端局装置の実施形態を示す構成図である。
【図7】本発明による第2の基本構成を適用した光送信
端局装置の実施形態を示す構成図である。
【図8】図7の光送信端局装置の動作を説明する図であ
って、各光信号の波長配置パターンと各合波器の合波特
性とを示す図である。
【図9】本発明による第2の基本構成を適用した光送信
端局装置の変形例を示す構成図である。
【図10】本発明による第1の基本構成を適用した光受
信端局装置の実施形態を示す構成図である。
【図11】本発明による第2の基本構成を適用した光受
信端局装置の実施形態を示す構成図である。
【図12】本発明による第2の基本構成を適用した光受
信端局装置の変形例を示す構成図である。
【図13】本発明の基本構成を適用した光分岐挿入装置
の実施形態を示す構成図である。
【図14】図13の光分岐挿入装置について、図1の第
1の基本構成を適用した場合の具体的な構成図である。
【図15】本発明の基本構成を適用した光分岐挿入装置
に関連する応用例を示す構成図である。
【図16】本発明の基本構成を適用した光分岐挿入装置
に関連する他の応用例を示す構成図である。
【図17】一般的なインターリーバの特性を説明する図
である。
【符号の説明】
10 分波器(合波器) 11−1〜11−2m 1×m光スイッチ(m×1光
スイッチ) 11−1’〜11−2m’ 1×R光スイッチ(R×
1光スイッチ) 12−1〜12−m,12−R 合波器(分波器) 13−1〜13−R 分波器(合波器) 13A,13B 合波器(分波器) 13C インターリーバ 20−1〜20−m 光送信器 21,33,45 制御回路 22 光ポストアンプ 23,32,44,46 監視制御信号処理部 30,43A,43B 光プリアンプ 31−1〜31−m 光受信器 40A 分波部 40B 合波部 41−1〜41−m 2×2光スイッチ 42−1〜42−m 可変光減衰器 100,100’,100” 光送信端局装置 110,110’,110” 光受信端局装置 140 光分岐挿入装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04B 10/02 (72)発明者 近間 輝美 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 Fターム(参考) 2K002 AA02 AB04 DA14 GA07 5K002 AA01 AA03 AA05 BA05 BA06 DA02 DA05 FA01 5K069 BA09 CB10 DB33 EA24

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】波長配置間隔の異なる複数のビットレート
    の光信号が所定の信号波長帯域内に配置された波長多重
    信号光を伝送する波長多重光通信システムであって、 最小の波長配置間隔に応じて設定した波長幅単位を基準
    として前記信号波長帯域を区分した複数の波長領域に従
    って、波長多重信号光を分波し複数の光信号を生成する
    分波処理および複数の光信号を合波し波長多重信号光を
    生成する合波処理のうちの少なくとも一方を行うとき、
    各光信号についての帯域幅を前記波長幅単位の整数倍に
    設定可能な信号処理部を有し、該信号処理部では、ビッ
    トレートの異なる光信号に対する前記各帯域幅が、各々
    のビットレートに対応した波長配置間隔に略一致するよ
    うに設定されることを特徴とする波長多重光通信システ
    ム。
  2. 【請求項2】波長配置間隔の異なる複数のビットレート
    の光信号が所定の信号波長帯域内に配置された波長多重
    信号光を送信する光送信端局装置であって、 最小の波長配置間隔に応じて設定した波長幅単位を基準
    として前記信号波長帯域を区分した複数の波長領域に従
    って、複数の光信号を合波し波長多重信号光を生成する
    合波処理を行うとき、各光信号についての帯域幅を前記
    波長幅単位の整数倍に設定可能な合波部を有し、該合波
    部では、ビットレートの異なる光信号に対する前記各帯
    域幅が、各々のビットレートに対応した波長配置間隔に
    略一致するように設定されることを特徴とする光送信端
    局装置。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の光送信端局装置であっ
    て、 波長配置間隔の異なる複数のビットレートの光信号をそ
    れぞれ発生して前記合波部に送る複数の光送信器を備
    え、 前記合波部が、 前記各光送信器からの光信号を前記波長領域の数に対応
    させてそれぞれ分波する複数の分波器と、 該各分波器からの光が入力される複数の入力ポートおよ
    び1つの出力ポートを有し、前記複数の入力ポートのう
    ちのいずれか1つを選択して前記出力ポートに接続す
    る、前記波長領域の数に対応した個数の光スイッチと、 該各光スイッチからの光を前記複数の波長領域に従って
    合波し波長多重信号光を生成する合波器と、 前記各光送信器で発生する光信号のビットレートおよび
    波長配置に関する送信情報に応じて、前記各光信号に対
    する帯域幅が各々のビットレートに対応した波長配置間
    隔に略一致するように前記各光スイッチの動作設定を制
    御する制御回路と、を有することを特徴とする光送信端
    局装置。
  4. 【請求項4】請求項3に記載の光送信端局装置であっ
    て、 前記複数の分波器に代えて、前記複数の光送信器からの
    各光信号を、最大の波長配置間隔を最小の波長配置間隔
    で割った値に対応したグループに区分して合波する前段
    合波器と、グループごとに合波された各光を前記波長領
    域の数に対応させてそれぞれ分波する後段分波器とを設
    け、前記各光スイッチの入力ポート数を、最大の波長配
    置間隔を最小の波長配置間隔で割った値に対応する個数
    にしたことを特徴とする光送信端局装置。
  5. 【請求項5】波長配置間隔の異なる複数のビットレート
    の光信号が所定の信号波長帯域内に配置された波長多重
    信号光を受信する光受信端局装置であって、 最小の波長配置間隔に応じて設定した波長幅単位を基準
    として前記信号波長帯域を区分した複数の波長領域に従
    って、波長多重信号光を分波し複数の光信号を生成する
    分波処理を行うとき、各光信号についての帯域幅を前記
    波長幅単位の整数倍に設定可能な分波部を有し、該分波
    部では、ビットレートの異なる光信号に対する前記各帯
    域幅が、各々のビットレートに対応した波長配置間隔に
    略一致するように設定されることを特徴とする光受信端
    局装置。
  6. 【請求項6】請求項5に記載の光受信端局装置であっ
    て、 前記分波部で分波された各光信号をそれぞれ受信処理す
    る複数の光受信器を備え、 前記分波部が、 波長多重信号光を前記複数の波長領域に従って分波する
    分波器と、 該分波器からの光が入力される1つの入力ポートおよび
    複数の出力ポートを有し、該複数の出力ポートのうちの
    いずれか1つを選択して前記入力ポートに接続する、前
    記波長領域の数に対応した個数の光スイッチと、 前記各光スイッチの1つの出力ポートにそれぞれ接続
    し、各々の光スイッチからの光を合波して生成した光信
    号を前記光受信器に送る、前記光スイッチの出力ポート
    数に対応した個数の合波器と、 前記波長多重信号光に含まれる各光信号のビットレート
    および波長配置に関する送信情報に応じて、前記各光信
    号に対する帯域幅が各々のビットレートに対応した波長
    配置間隔に略一致するように前記各光スイッチの動作設
    定を制御する制御回路と、を有することを特徴とする光
    受信端局装置。
  7. 【請求項7】請求項6に記載の光受信端局装置であっ
    て、 前記光スイッチの出力ポート数に対応した個数の合波器
    に代えて、前記各光スイッチからの光を、最大の波長配
    置間隔を最小の波長配置間隔で割った値に対応したグル
    ープに区分して合波する前段合波器と、前記グループご
    とに合波された各光をそれぞれ分波して生成した各光信
    号を前記光受信器に送る後段分波器とを設け、前記各光
    スイッチの出力ポート数を、最大の波長配置間隔を最小
    の波長配置間隔で割った値に対応する個数にしたことを
    特徴とする光受信端局装置。
  8. 【請求項8】波長配置間隔の異なる複数のビットレート
    の光信号が所定の信号波長帯域内に配置された波長多重
    信号光について、光信号の分岐挿入を行う光分岐挿入装
    置であって、 最小の波長配置間隔に応じて設定した波長幅単位を基準
    として前記信号波長帯域を区分した複数の波長領域に従
    って、波長多重信号光を分波し複数の光信号を生成する
    分波処理および複数の光信号を合波し波長多重信号光を
    生成する合波処理をそれぞれ行うとき、各光信号につい
    ての帯域幅を前記波長幅単位の整数倍に設定可能な分波
    部および合波部を有し、該分波部および合波部では、ビ
    ットレートの異なる光信号に対する前記各帯域幅が、各
    々のビットレートに対応した波長配置間隔に略一致する
    ように設定されることを特徴とする光分岐挿入装置。
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