JP2002110413A - 磁性混合物 - Google Patents
磁性混合物Info
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- H01—ELECTRIC ELEMENTS
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- H01F1/00—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties
- H01F1/01—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials
- H01F1/03—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity
- H01F1/12—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of soft-magnetic materials
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】 複数の軟磁性粉末を混合するだけで要求され
る磁気特性を発揮する磁性混合物を提供する。 【解決手段】 それぞれは構成元素のある組成比で磁気
特性に特異点が生ずる少なくとも2種類の軟磁性材料の
粉末を均一に混合して成る混合物であって、個々の粉末
の磁気特性を確保したまま、かつ全体として軟磁性であ
る磁性混合物。軟磁性合金粉末はFe−Si合金、Fe
−Si−Al合金を含む。
る磁気特性を発揮する磁性混合物を提供する。 【解決手段】 それぞれは構成元素のある組成比で磁気
特性に特異点が生ずる少なくとも2種類の軟磁性材料の
粉末を均一に混合して成る混合物であって、個々の粉末
の磁気特性を確保したまま、かつ全体として軟磁性であ
る磁性混合物。軟磁性合金粉末はFe−Si合金、Fe
−Si−Al合金を含む。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁性混合物に関し、
更に詳しくは、2種類以上の軟磁性材料の粉末を均一混
合して成る混合物であって、目的とする磁気特性の製品
を製造するときの原料素材として有用な磁性混合物に関
する。
更に詳しくは、2種類以上の軟磁性材料の粉末を均一混
合して成る混合物であって、目的とする磁気特性の製品
を製造するときの原料素材として有用な磁性混合物に関
する。
【0002】
【従来の技術】例えば、スイッチング電流の直流出力側
の平滑用チョークコイルや、インバータ制御機器におけ
るアクティブフィルタのリアクトルなどには圧粉磁心が
多用されている。この圧粉磁心は、通常、所定の磁気特
性を有する軟磁性合金の粉末に水ガラスのような絶縁性
の結着剤の所定量を配合し、この混合物を例えばプレス
成形して製造されている。
の平滑用チョークコイルや、インバータ制御機器におけ
るアクティブフィルタのリアクトルなどには圧粉磁心が
多用されている。この圧粉磁心は、通常、所定の磁気特
性を有する軟磁性合金の粉末に水ガラスのような絶縁性
の結着剤の所定量を配合し、この混合物を例えばプレス
成形して製造されている。
【0003】ところで、圧粉磁心の原料である軟磁性合
金としては、Fe−Si系合金,Fe−Si−Al系合
金,Fe−Ni系合金が使用され、また合金ではない
が、飽和磁化の高い材料として純鉄も使用されている。
これらの合金は、Feをベースとし、これに上記したよ
うな他の構成元素が所定の組成比となるように配合して
調製されている。
金としては、Fe−Si系合金,Fe−Si−Al系合
金,Fe−Ni系合金が使用され、また合金ではない
が、飽和磁化の高い材料として純鉄も使用されている。
これらの合金は、Feをベースとし、これに上記したよ
うな他の構成元素が所定の組成比となるように配合して
調製されている。
【0004】その場合、調製する合金における構成元素
の組成比が変動すると当該合金の磁気特性も変動し、あ
る組成比のところで、合金の磁気特性、例えば飽和磁
化,透磁率,磁歪,磁気異方性定数などの特性が極大ま
たは極小、もしくは実質的にゼロになり、合金の磁気特
性に特異点が発現する。例えば、Fe−Si−Al系合
金の場合、SiやAlの組成比を変化させると、磁気特
性における磁歪が実質的にゼロである特異点と透磁率が
極大である特異点も変化するが、Si:9.0〜10.0
重量%,Al:5.0〜6.0重量%の組成比にした時点
で磁気特性において上記した2つの特異点が合致して、
磁歪が実質的にゼロでかつ透磁率が極大値を示す合金を
得ることができる。その代表例が、Fe−9.5%Si
−5.5%Alの組成合金であり、通常、センダストと
呼ばれる軟磁性合金であり、これを用いることによりコ
アロスの少ない磁心を製造することができる。
の組成比が変動すると当該合金の磁気特性も変動し、あ
る組成比のところで、合金の磁気特性、例えば飽和磁
化,透磁率,磁歪,磁気異方性定数などの特性が極大ま
たは極小、もしくは実質的にゼロになり、合金の磁気特
性に特異点が発現する。例えば、Fe−Si−Al系合
金の場合、SiやAlの組成比を変化させると、磁気特
性における磁歪が実質的にゼロである特異点と透磁率が
極大である特異点も変化するが、Si:9.0〜10.0
重量%,Al:5.0〜6.0重量%の組成比にした時点
で磁気特性において上記した2つの特異点が合致して、
磁歪が実質的にゼロでかつ透磁率が極大値を示す合金を
得ることができる。その代表例が、Fe−9.5%Si
−5.5%Alの組成合金であり、通常、センダストと
呼ばれる軟磁性合金であり、これを用いることによりコ
アロスの少ない磁心を製造することができる。
【0005】このように、圧粉磁心の原料である軟磁性
合金としては、圧粉磁心に要求される目的特性との関係
で構成元素の組成比を決定することにより、その磁気特
性における特異点を発現するように設計されたものが使
用されている。例えば、Fe−Si系合金としては、磁
歪が実質的にゼロである特異点を示すFe−6.5%S
i合金,Fe−Si−Al系合金としては前記した組成
のセンダスト,Fe−Ni系合金としては磁歪が実質的
にゼロである特異点と透磁率が極大になる特異点とを同
時に示し、通常、PCパーマロイと呼ばれているFe−
80%Ni−2Mo合金、そしてFe−Co系合金とし
ては、飽和磁化が極大になる特異点を示し、通常、パー
メンジェールと呼ばれているFe−49%Co−2%V
合金やFe−50%Co合金をあげることができる。
合金としては、圧粉磁心に要求される目的特性との関係
で構成元素の組成比を決定することにより、その磁気特
性における特異点を発現するように設計されたものが使
用されている。例えば、Fe−Si系合金としては、磁
歪が実質的にゼロである特異点を示すFe−6.5%S
i合金,Fe−Si−Al系合金としては前記した組成
のセンダスト,Fe−Ni系合金としては磁歪が実質的
にゼロである特異点と透磁率が極大になる特異点とを同
時に示し、通常、PCパーマロイと呼ばれているFe−
80%Ni−2Mo合金、そしてFe−Co系合金とし
ては、飽和磁化が極大になる特異点を示し、通常、パー
メンジェールと呼ばれているFe−49%Co−2%V
合金やFe−50%Co合金をあげることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記したセ
ンダストの粉末を用いて圧粉磁心を製造すると、その圧
粉磁心は、低保磁力であるためコアロスが低減すると同
時に高透磁率であるという特性を備えたものになる。し
かしながら、センダストでは飽和磁化が低いので、大電
流印加時における透磁率が低くなってしまう。用途分野
によっては、センダストのみで製造した上記圧粉磁心
は、実用上、性能が不充分になってしまうことがある。
ンダストの粉末を用いて圧粉磁心を製造すると、その圧
粉磁心は、低保磁力であるためコアロスが低減すると同
時に高透磁率であるという特性を備えたものになる。し
かしながら、センダストでは飽和磁化が低いので、大電
流印加時における透磁率が低くなってしまう。用途分野
によっては、センダストのみで製造した上記圧粉磁心
は、実用上、性能が不充分になってしまうことがある。
【0007】また、最近の圧粉磁心に対しては、必須と
する磁気特性が原料の磁気特性における特異点を確保し
つつも、必須としない他の磁気特性は細分化されたグレ
ード水準で保持されているという磁気特性が要求される
こともある。しかしながら、磁気特性が特異点として特
化している従来の原料では、製造した圧粉磁心の磁気特
性も1点に特化することになるため、上記した要求に応
えることはできない。例えば、コアロスと飽和磁化,コ
アロスと透磁率などの複数の特性を両立させるという要
求に応えることはできない。
する磁気特性が原料の磁気特性における特異点を確保し
つつも、必須としない他の磁気特性は細分化されたグレ
ード水準で保持されているという磁気特性が要求される
こともある。しかしながら、磁気特性が特異点として特
化している従来の原料では、製造した圧粉磁心の磁気特
性も1点に特化することになるため、上記した要求に応
えることはできない。例えば、コアロスと飽和磁化,コ
アロスと透磁率などの複数の特性を両立させるという要
求に応えることはできない。
【0008】本発明は、従来の原料粉末を用いた場合の
上記した問題を解決し、製造目的の圧粉磁心に要求され
ている磁気特性との関係では、原料(軟磁性合金)の磁
気特性における不必要な特異点は劣化するとしても必要
とされる特異点は消失せず、しかも従来に比べて安価で
あり、大きな設計自由度で圧粉磁心を製造するための原
料素材として有用な磁性混合物の提供を目的とする。
上記した問題を解決し、製造目的の圧粉磁心に要求され
ている磁気特性との関係では、原料(軟磁性合金)の磁
気特性における不必要な特異点は劣化するとしても必要
とされる特異点は消失せず、しかも従来に比べて安価で
あり、大きな設計自由度で圧粉磁心を製造するための原
料素材として有用な磁性混合物の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明においては、それぞれは構成元素のある
組成比で磁気特性に特異点が生ずる少なくとも2種類の
軟磁性材料の粉末を均一に混合して成る混合物であっ
て、個々の粉末の磁気特性を確保したまま、かつ全体と
して軟磁性であることを特徴とする磁性混合物(以下、
磁性混合物1という)と、それぞれは構成元素のある組
成比で磁気特性に特異点が生ずる少なくとも1種類の軟
磁性材料の粉末と、少なくとも1種類の他の軟磁性材料
の粉末とを均一に混合して成り、個々の粉末の磁気特性
を確保したまま、かつ全体として軟磁性であることを特
徴とする磁性混合物(以下、磁性混合物2という)が提
供される。
ために、本発明においては、それぞれは構成元素のある
組成比で磁気特性に特異点が生ずる少なくとも2種類の
軟磁性材料の粉末を均一に混合して成る混合物であっ
て、個々の粉末の磁気特性を確保したまま、かつ全体と
して軟磁性であることを特徴とする磁性混合物(以下、
磁性混合物1という)と、それぞれは構成元素のある組
成比で磁気特性に特異点が生ずる少なくとも1種類の軟
磁性材料の粉末と、少なくとも1種類の他の軟磁性材料
の粉末とを均一に混合して成り、個々の粉末の磁気特性
を確保したまま、かつ全体として軟磁性であることを特
徴とする磁性混合物(以下、磁性混合物2という)が提
供される。
【0010】そして、絶縁材料が1種類以上更に均一混
合されている、磁性混合物1と磁性混合物2が提供され
る。また、本発明においては、Fe−(3.0±0.5)
%Si合金の粉末,Fe−(6.5±0.5)%Si合金
の粉末、および、Fe−(9.5±0.5)%Si−
(5.5±0.5)%Al合金の粉末の群から選ばれる2
種または3種を混合して成ることを特徴とする磁性混合
物、ならびに、その磁性混合物70重量%以上と、純鉄
の粉末30重量%以下とを混合して成ることを特徴とす
る磁性混合物が提供される。
合されている、磁性混合物1と磁性混合物2が提供され
る。また、本発明においては、Fe−(3.0±0.5)
%Si合金の粉末,Fe−(6.5±0.5)%Si合金
の粉末、および、Fe−(9.5±0.5)%Si−
(5.5±0.5)%Al合金の粉末の群から選ばれる2
種または3種を混合して成ることを特徴とする磁性混合
物、ならびに、その磁性混合物70重量%以上と、純鉄
の粉末30重量%以下とを混合して成ることを特徴とす
る磁性混合物が提供される。
【0011】
【発明の実施の形態】まず、磁性混合物1について説明
する。この磁性混合物1は、2種類以上の軟磁性材料の
粉末を均一に混合した混合物である。軟磁性材料として
は、具体的には軟磁性合金が用いられ、そしてその軟磁
性合金としては、ただ単に軟磁性を示す合金ではなく、
構成元素の組成比がある組成比になると磁気特性に特異
点が発生するような合金でなければならない。例えば、
ある組成比で磁歪もしくは磁気異方性定数が実質的にゼ
ロとなる特異点を示すもの、ある組成比で透磁率が極大
値になる、もしくは保磁力が極小値になるという特異点
を示すもの、更にはある組成比で飽和磁化が極大値にな
るという特異点を示すような軟磁性合金である。
する。この磁性混合物1は、2種類以上の軟磁性材料の
粉末を均一に混合した混合物である。軟磁性材料として
は、具体的には軟磁性合金が用いられ、そしてその軟磁
性合金としては、ただ単に軟磁性を示す合金ではなく、
構成元素の組成比がある組成比になると磁気特性に特異
点が発生するような合金でなければならない。例えば、
ある組成比で磁歪もしくは磁気異方性定数が実質的にゼ
ロとなる特異点を示すもの、ある組成比で透磁率が極大
値になる、もしくは保磁力が極小値になるという特異点
を示すもの、更にはある組成比で飽和磁化が極大値にな
るという特異点を示すような軟磁性合金である。
【0012】更に厳密にいえば、元素a1,a2,……a
nから成る軟磁性材料のある元素の構成比をc1,c2,
……cnとしたとき、磁気特性fがこれらの構成比の関
数f(c1,c2,……cn)で表される場合、
nから成る軟磁性材料のある元素の構成比をc1,c2,
……cnとしたとき、磁気特性fがこれらの構成比の関
数f(c1,c2,……cn)で表される場合、
【0013】
【数1】
【0014】(だたし、i=1,2,……n) となる構成比を有する軟磁性材料のことをいう。ただ
し、工業的に認められる範囲の変動は許容される。この
ような軟磁性合金としては、例えば次のようなものをあ
げることができる。
し、工業的に認められる範囲の変動は許容される。この
ような軟磁性合金としては、例えば次のようなものをあ
げることができる。
【0015】Fe−Si系合金としては、磁歪が実質的
にゼロという特異点を示すFe−6.5%Si合金をあ
げることができる。Fe−Si−Al系合金としては、
磁歪が実質的にゼロという特異点と、磁気異方性定数が
実質的にゼロという特異点と透磁率が極大になるという
特異点と、保磁力が極小になるという特異点を同時に示
すFe−9.5%Si−5.5%Al(センダスト)あげ
ることができる。
にゼロという特異点を示すFe−6.5%Si合金をあ
げることができる。Fe−Si−Al系合金としては、
磁歪が実質的にゼロという特異点と、磁気異方性定数が
実質的にゼロという特異点と透磁率が極大になるという
特異点と、保磁力が極小になるという特異点を同時に示
すFe−9.5%Si−5.5%Al(センダスト)あげ
ることができる。
【0016】Fe−Ni系合金としては、磁歪が実質的
にゼロという特異点と、透磁率が極大になるという特異
点と、保磁力が極小になるという特異点を同時に示すF
e−80%Ni−2%Mo(PCパーマロイ),透磁率
が極大値を示すFe−46%Niをあげることができ
る。Fe−Co系合金としては、飽和磁化が純鉄よりも
高い極大値になり、かつ透磁率が極大値になるという特
異点を示すパーメンジュール(Fe−49%Co−2%
V,Fe−50%Co),飽和磁化が極大になるFe−
35%Coなどである。
にゼロという特異点と、透磁率が極大になるという特異
点と、保磁力が極小になるという特異点を同時に示すF
e−80%Ni−2%Mo(PCパーマロイ),透磁率
が極大値を示すFe−46%Niをあげることができ
る。Fe−Co系合金としては、飽和磁化が純鉄よりも
高い極大値になり、かつ透磁率が極大値になるという特
異点を示すパーメンジュール(Fe−49%Co−2%
V,Fe−50%Co),飽和磁化が極大になるFe−
35%Coなどである。
【0017】また、純鉄は飽和磁化が極大を示す。そし
て、純鉄に他の元素を添加していくとその飽和磁化は低
下していく。なお、ここで、磁歪が実質的にゼロ値であ
るということは、絶対値としてゼロであることを最適と
するが、磁歪が工業的に許容される範囲内にある場合の
ことも含むものとする。
て、純鉄に他の元素を添加していくとその飽和磁化は低
下していく。なお、ここで、磁歪が実質的にゼロ値であ
るということは、絶対値としてゼロであることを最適と
するが、磁歪が工業的に許容される範囲内にある場合の
ことも含むものとする。
【0018】磁性混合物1は、上記したような各種の軟
磁性合金の粉末を2種類以上均一に混合して製造され
る。その場合、どのような合金の粉末を混合するのかと
いう判断は、製造目的の圧粉磁心に要求されている磁気
特性を基準にして行われる。例えば、製造目的の圧粉磁
心に要求される必須特性が磁歪ゼロであり、透磁率や飽
和磁化は適当な値でよいという場合には、いずれも磁歪
がゼロであるという特異点を示す軟磁性合金の粉末を2
種類以上選定し、それらを均一混合すればよい。
磁性合金の粉末を2種類以上均一に混合して製造され
る。その場合、どのような合金の粉末を混合するのかと
いう判断は、製造目的の圧粉磁心に要求されている磁気
特性を基準にして行われる。例えば、製造目的の圧粉磁
心に要求される必須特性が磁歪ゼロであり、透磁率や飽
和磁化は適当な値でよいという場合には、いずれも磁歪
がゼロであるという特異点を示す軟磁性合金の粉末を2
種類以上選定し、それらを均一混合すればよい。
【0019】例えば、Fe−6.5%Si合金の粉末と
Fe−9.5%Si−5.5%Al(センダスト)の粉末
を均一に混合すると、その混合割合とは無関係に、得ら
れた混合物を用いて製造した圧粉磁心は、磁歪が実質的
にゼロになる。そのとき、センダスト粉末におけるもう
1つの特異点である透磁率は、Fe−6.5%Si粉末
による希釈作用で低下する。
Fe−9.5%Si−5.5%Al(センダスト)の粉末
を均一に混合すると、その混合割合とは無関係に、得ら
れた混合物を用いて製造した圧粉磁心は、磁歪が実質的
にゼロになる。そのとき、センダスト粉末におけるもう
1つの特異点である透磁率は、Fe−6.5%Si粉末
による希釈作用で低下する。
【0020】なお、上記した2種類の粉末を混合する
と、得られた混合物は、その構成元素がFe,Si,A
lであり、これらがある混合割合の量比関係になってい
るものであるが、これと同等成分であるようなFe−S
i−Al系合金の粉末を用いても、得られた圧粉磁心の
磁気特性は磁歪ゼロという特異点を示さない。また、飽
和磁化に関する特異点が共通している純鉄の粉末とパー
メンジュールの粉末を均一混合すると、この混合物を用
いて製造した圧粉磁心では、上記した特異点が確保され
ている。更に、安価で飽和磁化の高い軟磁性材料が提供
できる。
と、得られた混合物は、その構成元素がFe,Si,A
lであり、これらがある混合割合の量比関係になってい
るものであるが、これと同等成分であるようなFe−S
i−Al系合金の粉末を用いても、得られた圧粉磁心の
磁気特性は磁歪ゼロという特異点を示さない。また、飽
和磁化に関する特異点が共通している純鉄の粉末とパー
メンジュールの粉末を均一混合すると、この混合物を用
いて製造した圧粉磁心では、上記した特異点が確保され
ている。更に、安価で飽和磁化の高い軟磁性材料が提供
できる。
【0021】このように、本発明の磁性混合物1は、あ
る特異点を示す合金粉末の2種類以上を均一混合して得
られるものであり、混合前の各合金粉末間の磁気特性が
そのまま確保されており、しかも全体として軟磁性にな
っている磁性体であることを特徴とする。したがって、
磁気混合物1を高い温度で拡散焼結したり、脱浸炭等を
して、各軟磁性合金粉末の個々の元素構成比を変えては
ならない。
る特異点を示す合金粉末の2種類以上を均一混合して得
られるものであり、混合前の各合金粉末間の磁気特性が
そのまま確保されており、しかも全体として軟磁性にな
っている磁性体であることを特徴とする。したがって、
磁気混合物1を高い温度で拡散焼結したり、脱浸炭等を
して、各軟磁性合金粉末の個々の元素構成比を変えては
ならない。
【0022】磁性混合物1には、更に、絶縁材料を少な
くとも1種類均一混合することにより、電気抵抗率を高
め、渦電流損失の発生を抑制することが好ましい。絶縁
材料として例えば結着能を有する絶縁材料を混合するの
は、プレス成形時に磁性混合物1の粉末を相互に結着し
て所望形状を賦形するためであり、また粉末相互間を絶
縁して圧粉磁心としての実使用時における渦電流の発生
を抑制するためである。
くとも1種類均一混合することにより、電気抵抗率を高
め、渦電流損失の発生を抑制することが好ましい。絶縁
材料として例えば結着能を有する絶縁材料を混合するの
は、プレス成形時に磁性混合物1の粉末を相互に結着し
て所望形状を賦形するためであり、また粉末相互間を絶
縁して圧粉磁心としての実使用時における渦電流の発生
を抑制するためである。
【0023】このような絶縁材料としては、例えば水ガ
ラス,結着能を有する絶縁材料として、フェノール樹
脂,ナイロン樹脂,エポキシ樹脂,シリコーン樹脂な
ど、その他の絶縁材料としてシリカ,アルミナ,ジルコ
ニア,マグネシアのような酸化物およびそれらの混合物
などをあげることができる。なお、これらの絶縁材料な
どが更に混合されている磁性混合物を例えばプレスなど
で軽く圧縮成形し、空孔や気孔、また上記絶縁材料など
を除外して、磁性混合物の主成分である軟磁性材料の粉
末のその成形物内で占有する体積割合(体積占有率)が
80体積%以上であるような磁性混合物は、前記絶縁材
料の混合による磁気特性の低下傾向を最小限に抑制する
と同時に、高い絶縁性を確保できるので好適である。
ラス,結着能を有する絶縁材料として、フェノール樹
脂,ナイロン樹脂,エポキシ樹脂,シリコーン樹脂な
ど、その他の絶縁材料としてシリカ,アルミナ,ジルコ
ニア,マグネシアのような酸化物およびそれらの混合物
などをあげることができる。なお、これらの絶縁材料な
どが更に混合されている磁性混合物を例えばプレスなど
で軽く圧縮成形し、空孔や気孔、また上記絶縁材料など
を除外して、磁性混合物の主成分である軟磁性材料の粉
末のその成形物内で占有する体積割合(体積占有率)が
80体積%以上であるような磁性混合物は、前記絶縁材
料の混合による磁気特性の低下傾向を最小限に抑制する
と同時に、高い絶縁性を確保できるので好適である。
【0024】次に、本発明の磁性混合物2について説明
する。この混合物2は、ある組成比で磁気特性に特異点
を示す少なくとも1種類、好ましくは2種類以上の軟磁
性材料の粉末に、別の軟磁性材料、具体的には軟磁性合
金の粉末を1種類以上均一に混合したものである。上記
した別の粉末は、混合物1の場合のように磁性特性に特
異点を示す粉末であってもよいが、特異点を示さない粉
末であってもよく、要は軟磁性特性を有する合金材料の
粉末であればよい。
する。この混合物2は、ある組成比で磁気特性に特異点
を示す少なくとも1種類、好ましくは2種類以上の軟磁
性材料の粉末に、別の軟磁性材料、具体的には軟磁性合
金の粉末を1種類以上均一に混合したものである。上記
した別の粉末は、混合物1の場合のように磁性特性に特
異点を示す粉末であってもよいが、特異点を示さない粉
末であってもよく、要は軟磁性特性を有する合金材料の
粉末であればよい。
【0025】このような粉末としては、例えば、Fe−
Si系合金ではFe−4%Si合金粉末,Fe−Si−
Al系合金ではFe−3%Si−2%Al,Fe−Ni
系合金ではFe−65%Ni合金粉末などをあげること
ができるが、これらのうち、Fe−4%Si合金粉末
は、相対的に安価であるという点で好適である。この混
合物2は、磁気特性の面では特異点を示す材料粉末がベ
ースとなっていてその特異点が確保されている。そして
例えば安価な別の軟磁性粉末が混合されていることによ
り全体として廉価になっている。
Si系合金ではFe−4%Si合金粉末,Fe−Si−
Al系合金ではFe−3%Si−2%Al,Fe−Ni
系合金ではFe−65%Ni合金粉末などをあげること
ができるが、これらのうち、Fe−4%Si合金粉末
は、相対的に安価であるという点で好適である。この混
合物2は、磁気特性の面では特異点を示す材料粉末がベ
ースとなっていてその特異点が確保されている。そして
例えば安価な別の軟磁性粉末が混合されていることによ
り全体として廉価になっている。
【0026】この混合物2の場合も、混合物1の場合と
同じ理由で更に絶縁材料を均一混合することが好まし
い。
同じ理由で更に絶縁材料を均一混合することが好まし
い。
【0027】
【実施例】実施例1〜3,比較例1〜3 磁歪が実質的にゼロという特異点と、磁気異方性定数が
実質的にゼロという特異点と、透磁率が極大になるとい
う特異点と、保磁力が極小になるという特異点を示す
A:Fe−9.5%Si−5.5%Al合金(センダス
ト)の粉末と、磁歪が実質的にゼロという特異点のみを
示すB:Fe−6.5%Si合金の粉末を用意した。
実質的にゼロという特異点と、透磁率が極大になるとい
う特異点と、保磁力が極小になるという特異点を示す
A:Fe−9.5%Si−5.5%Al合金(センダス
ト)の粉末と、磁歪が実質的にゼロという特異点のみを
示すB:Fe−6.5%Si合金の粉末を用意した。
【0028】これらの粉末は、いずれも水アトマイズ法
で製造され、その粒度は100メッシュ(タイラー篩)
下である。これらの粉末を表1で示した混合割合(重量
%)で混合して混合物とし、更にその混合物に水ガラス
2重量%,ステアリン酸亜鉛(潤滑剤)0.5%重量%
を配合して全体を混練し、その混練物を圧力13ton/c
m2でプレス成形して、磁気特性測定用の試料を製造し
た。なお、表1には磁性混合物の混練物内における体積
占有率も併記した。
で製造され、その粒度は100メッシュ(タイラー篩)
下である。これらの粉末を表1で示した混合割合(重量
%)で混合して混合物とし、更にその混合物に水ガラス
2重量%,ステアリン酸亜鉛(潤滑剤)0.5%重量%
を配合して全体を混練し、その混練物を圧力13ton/c
m2でプレス成形して、磁気特性測定用の試料を製造し
た。なお、表1には磁性混合物の混練物内における体積
占有率も併記した。
【0029】透磁率とコアロス測定用の試料の形状は、
外径25mm,内径20mm,厚み5mmの形状とし、飽和磁
化と磁歪測定用の試料形状は、縦2mm,横2mm,長さ3
0mmの形状にした。なお、表1中の比較例3は、構成元
素の組成比が実施例2における構成元素の存在割合と同
等の組成になっているFe−8.1%Si−2.8%Al
合金を溶製し、それを水アトマイズ法で100メッシュ
以下の粒度にした粉末を用いて、実施例と同様にして製
造した試料の場合である。
外径25mm,内径20mm,厚み5mmの形状とし、飽和磁
化と磁歪測定用の試料形状は、縦2mm,横2mm,長さ3
0mmの形状にした。なお、表1中の比較例3は、構成元
素の組成比が実施例2における構成元素の存在割合と同
等の組成になっているFe−8.1%Si−2.8%Al
合金を溶製し、それを水アトマイズ法で100メッシュ
以下の粒度にした粉末を用いて、実施例と同様にして製
造した試料の場合である。
【0030】次に、これら試料に、真空中において温度
700℃で1時間の熱処理を行ったのち、上記した各磁
気特性を測定した。飽和磁化は、VSM法(印加磁界8
00kA/m)で測定し、透磁率はLCRメータ(25kH
z)で測定し、磁歪は歪ゲージ貼り付け法で測定し、そ
してコアロスは25kHz,0.1Tの条件付与下で測定し
た。
700℃で1時間の熱処理を行ったのち、上記した各磁
気特性を測定した。飽和磁化は、VSM法(印加磁界8
00kA/m)で測定し、透磁率はLCRメータ(25kH
z)で測定し、磁歪は歪ゲージ貼り付け法で測定し、そ
してコアロスは25kHz,0.1Tの条件付与下で測定し
た。
【0031】以上の結果を表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】表1から次のことが明らかである。 (1)実施例1〜3から明らかなように、磁歪が実質的
にゼロという共通した特異点を示すA粉末とB粉末を混
合すると、得られた混合物もその共通する特異点をその
まま示している。 (2)しかし、実施例2と同等組成の合金粉末(比較例
3)の場合は、A粉末とB粉末の共通特異点が消失して
磁歪は大きくなっており、また透磁率は小さく、コアロ
スも大きい。
にゼロという共通した特異点を示すA粉末とB粉末を混
合すると、得られた混合物もその共通する特異点をその
まま示している。 (2)しかし、実施例2と同等組成の合金粉末(比較例
3)の場合は、A粉末とB粉末の共通特異点が消失して
磁歪は大きくなっており、また透磁率は小さく、コアロ
スも大きい。
【0034】(3)結局、実施例の混合物1を用いる
と、同等組成の合金粉末を用いた場合よりも磁歪が小さ
く、透磁率が大きく、そしてコアロスが小さい製品を製
造することができる。 次に、上記した各試料の実機試験を行った。まず、上記
したコアロス測定用の試料に、トロイダル状に直径1mm
のコイルを22ターン巻回して昇圧用のチョークコイル
にした。
と、同等組成の合金粉末を用いた場合よりも磁歪が小さ
く、透磁率が大きく、そしてコアロスが小さい製品を製
造することができる。 次に、上記した各試料の実機試験を行った。まず、上記
したコアロス測定用の試料に、トロイダル状に直径1mm
のコイルを22ターン巻回して昇圧用のチョークコイル
にした。
【0035】そして、このチョークコイルをDC−DC
コンバータに搭載して電力損失を測定した。DC−DC
コンバータは、入力14V,出力60Vで60Wのコン
バータ,スイッチング周波数25kHzの条件で運転し、
このときの入力電力を測定し、それと出力(=60W)
との差を回路全体の損失とした。結果を表2に示した。
コンバータに搭載して電力損失を測定した。DC−DC
コンバータは、入力14V,出力60Vで60Wのコン
バータ,スイッチング周波数25kHzの条件で運転し、
このときの入力電力を測定し、それと出力(=60W)
との差を回路全体の損失とした。結果を表2に示した。
【0036】
【表2】
【0037】表1と表2を参照して明らかなように、比
較例1の磁性混合物を用いた磁心は、そのコアロスは小
さいものの、飽和磁化も小さいので、当該磁心は飽和し
て電流が多く流れることにより損失は大きくなってい
る。また、比較例2の磁性混合物を用いた磁心は、飽和
磁化は大きいもののコアロスが大きいので、電力損失が
大きくなっている。
較例1の磁性混合物を用いた磁心は、そのコアロスは小
さいものの、飽和磁化も小さいので、当該磁心は飽和し
て電流が多く流れることにより損失は大きくなってい
る。また、比較例2の磁性混合物を用いた磁心は、飽和
磁化は大きいもののコアロスが大きいので、電力損失が
大きくなっている。
【0038】これに反し、実施例1〜3の磁性混合物を
用いた磁心の場合は、飽和磁化とコアロスのバランスが
よいので、電力損失は小さくなっている。 実施例4〜6,比較例4〜6 まず、透磁率が極大になるという特異点を示すA:Fe
−46%Niの粉末と、磁歪が実質的にゼロという特異
点と、透磁率が極大になるという特異点と、保磁力が極
小になるという特異点を示すB:Fe−80%Ni−2
%Mo合金の粉末を用意した。これらの粉末は、いずれ
もガスアトマイズ法で製造され、その粒度は100メッ
シュ下である。
用いた磁心の場合は、飽和磁化とコアロスのバランスが
よいので、電力損失は小さくなっている。 実施例4〜6,比較例4〜6 まず、透磁率が極大になるという特異点を示すA:Fe
−46%Niの粉末と、磁歪が実質的にゼロという特異
点と、透磁率が極大になるという特異点と、保磁力が極
小になるという特異点を示すB:Fe−80%Ni−2
%Mo合金の粉末を用意した。これらの粉末は、いずれ
もガスアトマイズ法で製造され、その粒度は100メッ
シュ下である。
【0039】これらの粉末を表3で示した混合割合(重
量%)で混合したのち、その混合物を用いて実施例1〜
3の場合と同様にして磁気特性測定用の試料を製造し
た。なお、表3中の比較例6は、実施例5と同等成分の
Fe−64%Ni−1.1%Mo合金粉末を用いた場合
を示す。これら粉末を用いた試料の磁気特性を実施例1
〜3と同様にして測定し、その結果を表3に示した。
量%)で混合したのち、その混合物を用いて実施例1〜
3の場合と同様にして磁気特性測定用の試料を製造し
た。なお、表3中の比較例6は、実施例5と同等成分の
Fe−64%Ni−1.1%Mo合金粉末を用いた場合
を示す。これら粉末を用いた試料の磁気特性を実施例1
〜3と同様にして測定し、その結果を表3に示した。
【0040】
【表3】
【0041】この場合、実施例4〜6の混合物粉末は、
B粉末の特異点が希釈されているとはいえ、同等成分の
合金粉末(比較例6)に比べて高い透磁率を示してい
る。次に、上記した各試料の実機試験を行った。まず、
上記したコアロス測定用の試料に、トロイダル状に直径
1mmのコイルを22ターン巻回して昇圧用のチョークコ
イルにした。
B粉末の特異点が希釈されているとはいえ、同等成分の
合金粉末(比較例6)に比べて高い透磁率を示してい
る。次に、上記した各試料の実機試験を行った。まず、
上記したコアロス測定用の試料に、トロイダル状に直径
1mmのコイルを22ターン巻回して昇圧用のチョークコ
イルにした。
【0042】そして、このチョークコイルをDC−DC
コンバータに搭載して電力損失を測定した。DC−DC
コンバータは、入力14V,出力60Vで60Wのコン
バータ,スイッチング周波数25kHzの条件で運転し、
このときの入力電力を測定し、それと出力(=60W)
との差を回路全体の損失とした。結果を表4に示した。
コンバータに搭載して電力損失を測定した。DC−DC
コンバータは、入力14V,出力60Vで60Wのコン
バータ,スイッチング周波数25kHzの条件で運転し、
このときの入力電力を測定し、それと出力(=60W)
との差を回路全体の損失とした。結果を表4に示した。
【0043】
【表4】
【0044】表3と表4を参照して明らかなように、比
較例4の磁性混合物を用いた磁心は、そのコアロスは小
さいものの、飽和磁化も小さいので、当該磁心は飽和し
て電流は多く流れることにより損失は大きくなってい
る。また、比較例6の磁性混合物を用いた磁心は、飽和
磁化は大きいもののコアロスが大きいので、電力損失が
大きくなっている。
較例4の磁性混合物を用いた磁心は、そのコアロスは小
さいものの、飽和磁化も小さいので、当該磁心は飽和し
て電流は多く流れることにより損失は大きくなってい
る。また、比較例6の磁性混合物を用いた磁心は、飽和
磁化は大きいもののコアロスが大きいので、電力損失が
大きくなっている。
【0045】これに反し、実施例4〜6の磁性混合物を
用いた磁心の場合は、飽和磁化とコアロスのバランスが
よいので、電力損失は小さくなっている。 実施例7〜9,比較例7〜9 水アトマイズ法で製造され、粒度145メッシュ下の
A:Fe−46%Ni合金の粉末と、水とガスを用いた
アトマイズ法で製造され、粒度200メッシュ下のB:
Fe−9.5%Si−5.5%Al合金の粉末を用意し
た。
用いた磁心の場合は、飽和磁化とコアロスのバランスが
よいので、電力損失は小さくなっている。 実施例7〜9,比較例7〜9 水アトマイズ法で製造され、粒度145メッシュ下の
A:Fe−46%Ni合金の粉末と、水とガスを用いた
アトマイズ法で製造され、粒度200メッシュ下のB:
Fe−9.5%Si−5.5%Al合金の粉末を用意し
た。
【0046】これらの粉末を表5で示した混合割合(重
量%)で混合したのち、その混合物を用いて実施例1〜
3の場合と同様にして磁気特性測定用の試料を製造し
た。なお、表5中の比較例9は、実施例8と同等成分の
Fe−22%Ni−4.7%Si−2.6%Al合金粉末
(145メッシュ下)を用いた場合を示す。これら粉末
を用いた試料の磁気特性を実施例1〜3と同様にして測
定し、その結果を表5に示した。
量%)で混合したのち、その混合物を用いて実施例1〜
3の場合と同様にして磁気特性測定用の試料を製造し
た。なお、表5中の比較例9は、実施例8と同等成分の
Fe−22%Ni−4.7%Si−2.6%Al合金粉末
(145メッシュ下)を用いた場合を示す。これら粉末
を用いた試料の磁気特性を実施例1〜3と同様にして測
定し、その結果を表5に示した。
【0047】
【表5】
【0048】この場合、実施例7〜9の混合物粉末は、
B粉末の2つの特異点が希釈されているとはいえ、同等
成分の合金粉末(比較例9)の場合に比べて磁歪が小さ
く、透磁率は大きくなっている。 実施例10〜12,比較例10〜12 水アトマイズ法で製造され、粒度200メッシュ下の
A:純鉄の粉末と、ガスアトマイズ法で製造され、粒度
100メッシュ下のB:Fe−80%Ni−2%Mo合
金の粉末を用意した。
B粉末の2つの特異点が希釈されているとはいえ、同等
成分の合金粉末(比較例9)の場合に比べて磁歪が小さ
く、透磁率は大きくなっている。 実施例10〜12,比較例10〜12 水アトマイズ法で製造され、粒度200メッシュ下の
A:純鉄の粉末と、ガスアトマイズ法で製造され、粒度
100メッシュ下のB:Fe−80%Ni−2%Mo合
金の粉末を用意した。
【0049】これらの粉末を表6で示した混合割合(重
量%)で混合したのち、その混合物を用いて実施例1〜
3の場合と同様にして磁気特性測定用の試料を製造し
た。なお、表6中の比較例12は、実施例11と同等成
分のFe−40%Ni−1%Mo合金粉末(200メッ
シュ下)を用いた場合を示す。これら粉末を用いた試料
の磁気特性を実施例1〜3と同様にして測定し、その結
果を表6に示した。
量%)で混合したのち、その混合物を用いて実施例1〜
3の場合と同様にして磁気特性測定用の試料を製造し
た。なお、表6中の比較例12は、実施例11と同等成
分のFe−40%Ni−1%Mo合金粉末(200メッ
シュ下)を用いた場合を示す。これら粉末を用いた試料
の磁気特性を実施例1〜3と同様にして測定し、その結
果を表6に示した。
【0050】
【表6】
【0051】この場合、実施例10〜12の混合物粉末
は、B粉末の2つの特異点が希釈されているとはいえ、
同等成分の合金粉末(比較例12)の場合に比べて磁歪
は小さく、透磁率は大きい。そして、これら実施例の粉
末は、廉価な純鉄を用いているので低コスト化を実現し
ている。 実施例13〜15,比較例13〜15 水とガスを用いたアトマイズ法で製造され、粒度145
メッシュ下のA:Fe−4%Si合金の粉末と、水アト
マイズ法で製造され、粒度145メッシュ下のB:Fe
−49%Co−2%V合金の粉末を用意した。
は、B粉末の2つの特異点が希釈されているとはいえ、
同等成分の合金粉末(比較例12)の場合に比べて磁歪
は小さく、透磁率は大きい。そして、これら実施例の粉
末は、廉価な純鉄を用いているので低コスト化を実現し
ている。 実施例13〜15,比較例13〜15 水とガスを用いたアトマイズ法で製造され、粒度145
メッシュ下のA:Fe−4%Si合金の粉末と、水アト
マイズ法で製造され、粒度145メッシュ下のB:Fe
−49%Co−2%V合金の粉末を用意した。
【0052】これらの粉末を表7で示した混合割合(重
量%)で混合したのち、その混合物を用いて実施例1〜
3の場合と同様にして磁気特性測定用の試料を製造し
た。なお、表7中の比較例15は、実施例14と同等成
分のFe−25%Co−1.1%V−2.0%Si合金粉
末(145メッシュ下)を用いた場合を示す。これら粉
末を用いた試料の磁気特性を実施例1〜3と同様にして
測定した。なお、コアロスの測定に関しては、25kH
z,0.1Tの条件下と1kHz,1Tの条件下の2通りの
条件下で測定した。
量%)で混合したのち、その混合物を用いて実施例1〜
3の場合と同様にして磁気特性測定用の試料を製造し
た。なお、表7中の比較例15は、実施例14と同等成
分のFe−25%Co−1.1%V−2.0%Si合金粉
末(145メッシュ下)を用いた場合を示す。これら粉
末を用いた試料の磁気特性を実施例1〜3と同様にして
測定した。なお、コアロスの測定に関しては、25kH
z,0.1Tの条件下と1kHz,1Tの条件下の2通りの
条件下で測定した。
【0053】その結果を表7に示した。
【0054】
【表7】
【0055】この場合、実施例13〜15の混合物粉末
は、B粉末の2つの特異点が希釈されているとはいえ、
同等成分の合金粉末(比較例15)の場合に比れば、磁
歪を小さく、透磁率を大きくすることができる。そし
て、これら実施例の粉末は、廉価なFe−4%Si合金
粉末を用いているので低コスト化を実現している。次
に、上記した各磁心試料を直流ブラシレスモータのステ
ータに組み込み、回転数15000rpmでモータ回転さ
せたときの発生トルクを測定した。
は、B粉末の2つの特異点が希釈されているとはいえ、
同等成分の合金粉末(比較例15)の場合に比れば、磁
歪を小さく、透磁率を大きくすることができる。そし
て、これら実施例の粉末は、廉価なFe−4%Si合金
粉末を用いているので低コスト化を実現している。次
に、上記した各磁心試料を直流ブラシレスモータのステ
ータに組み込み、回転数15000rpmでモータ回転さ
せたときの発生トルクを測定した。
【0056】なお、直流ブラシレスモータの仕様は下記
の通りである。 ステータ:最外径30mm,厚み5mm,9スロット。 ロータ:Nd−Fe−B系ボンド磁石,8極着磁。 その結果を、比較例13の磁性混合物を用いた磁心の場
合を1.0とする相対値として表8に示した。
の通りである。 ステータ:最外径30mm,厚み5mm,9スロット。 ロータ:Nd−Fe−B系ボンド磁石,8極着磁。 その結果を、比較例13の磁性混合物を用いた磁心の場
合を1.0とする相対値として表8に示した。
【0057】
【表8】
【0058】表7と表8を参照して明らかなように、比
較例13の磁性混合物を用いた磁心は、そのコアロスは
小さいものの、飽和磁化も小さいので、当該磁心が飽和
して発生トルクは小さい。また、比較例14の磁性混合
物を用いた磁心は、飽和磁化は大きいもののコアロスが
大きいので、電力損失が大きくなり、同じく発生トルク
は小さくなっている。
較例13の磁性混合物を用いた磁心は、そのコアロスは
小さいものの、飽和磁化も小さいので、当該磁心が飽和
して発生トルクは小さい。また、比較例14の磁性混合
物を用いた磁心は、飽和磁化は大きいもののコアロスが
大きいので、電力損失が大きくなり、同じく発生トルク
は小さくなっている。
【0059】これに反し、実施例13〜16の磁性混合
物を用いた磁心の場合は、飽和磁化とコアロスのバラン
スがよいので、電力損失が小さく、結果として発生トル
クが大きくなっている。 実施例16〜18,比較例16〜18 水とガスを用いたアトマイズ法で製造され、粒度145
メッシュ下のA:Fe−6.5%Si合金の粉末と、水
アトマイズ法で製造され、粒度145メッシュ下のB:
Fe−80%Ni−2%Mo合金の粉末を用意した。
物を用いた磁心の場合は、飽和磁化とコアロスのバラン
スがよいので、電力損失が小さく、結果として発生トル
クが大きくなっている。 実施例16〜18,比較例16〜18 水とガスを用いたアトマイズ法で製造され、粒度145
メッシュ下のA:Fe−6.5%Si合金の粉末と、水
アトマイズ法で製造され、粒度145メッシュ下のB:
Fe−80%Ni−2%Mo合金の粉末を用意した。
【0060】これらの粉末を表9で示した混合割合(重
量%)で混合したのち、その混合物を用いて実施例1〜
3の場合と同様にして磁気特性測定用の試料を製造し
た。なお、表9中の比較例18は、実施例17と同等成
分のFe−40%Ni−1%Mo−3.3%Si合金粉
末(145メッシュ下)を用いた場合を示す。これら粉
末を用いた試料の磁気特性を実施例1〜3と同様にして
測定し、その結果を表9に示した。
量%)で混合したのち、その混合物を用いて実施例1〜
3の場合と同様にして磁気特性測定用の試料を製造し
た。なお、表9中の比較例18は、実施例17と同等成
分のFe−40%Ni−1%Mo−3.3%Si合金粉
末(145メッシュ下)を用いた場合を示す。これら粉
末を用いた試料の磁気特性を実施例1〜3と同様にして
測定し、その結果を表9に示した。
【0061】
【表9】
【0062】この場合、A粉末とB粉末は磁歪が実質的
にゼロであるという特異点を共通にしているが、これら
の粉末を混合すると、この特異点が確保され、しかも同
等成分の合金粉末(比較例18)の場合よりも磁歪が小
さい粉末混合物になることが明瞭に示されている。そし
て、A粉末は廉価であるため、これら実施例の粉末は低
コスト化を実現している。
にゼロであるという特異点を共通にしているが、これら
の粉末を混合すると、この特異点が確保され、しかも同
等成分の合金粉末(比較例18)の場合よりも磁歪が小
さい粉末混合物になることが明瞭に示されている。そし
て、A粉末は廉価であるため、これら実施例の粉末は低
コスト化を実現している。
【0063】実施例19〜22,比較例19〜22 それぞれ水とガスを用いたアトマイズ法で製造され、粒
度145メッシュ下の、A:Fe−6.5%Si合金の
粉末,B:Fe−9.5%Si−5.5%Al合金の粉
末,C:Fe−80%Ni−2%Mo合金の粉末を用意
した。これらの粉末を表10で示した混合割合(重量
%)で混合したのち、その混合物を用いて実施例1〜3
の場合と同様にして磁気特性測定用の試料を製造した。
度145メッシュ下の、A:Fe−6.5%Si合金の
粉末,B:Fe−9.5%Si−5.5%Al合金の粉
末,C:Fe−80%Ni−2%Mo合金の粉末を用意
した。これらの粉末を表10で示した混合割合(重量
%)で混合したのち、その混合物を用いて実施例1〜3
の場合と同様にして磁気特性測定用の試料を製造した。
【0064】なお、表10中の比較例22は、実施例2
1と同等成分のFe−24%Ni−0.6%Mo−5.8
%Si−2.2%Al合金の粉末(水とガスを用いたア
トマイズ法で製造され、粒度145メッシュ下)を用い
た場合を示す。これら粉末を用いた試料の磁気特性を実
施例1〜3と同様にして測定し、その結果を表10に示
した。
1と同等成分のFe−24%Ni−0.6%Mo−5.8
%Si−2.2%Al合金の粉末(水とガスを用いたア
トマイズ法で製造され、粒度145メッシュ下)を用い
た場合を示す。これら粉末を用いた試料の磁気特性を実
施例1〜3と同様にして測定し、その結果を表10に示
した。
【0065】
【表10】
【0066】この場合、A粉末とB粉末とC粉末は、い
ずれも磁歪が実質的にゼロであるという特異点を共通に
しており、またB粉末とC粉末は、透磁率が極大値とい
う特異点と、保磁力が極小値という特異点を示すという
特異点を共通にしており、これら3粉末を混合すると得
られた粉末混合物は3者共通の特異点が確保され、しか
も2者共通の特異点も若干希釈されるとはいえ概ね確保
されており、しかも同等成分の合金粉末(比較例22)
の場合よりも磁歪が小さく、透磁率が大きい磁性粉末に
なることが明瞭に示されている。
ずれも磁歪が実質的にゼロであるという特異点を共通に
しており、またB粉末とC粉末は、透磁率が極大値とい
う特異点と、保磁力が極小値という特異点を示すという
特異点を共通にしており、これら3粉末を混合すると得
られた粉末混合物は3者共通の特異点が確保され、しか
も2者共通の特異点も若干希釈されるとはいえ概ね確保
されており、しかも同等成分の合金粉末(比較例22)
の場合よりも磁歪が小さく、透磁率が大きい磁性粉末に
なることが明瞭に示されている。
【0067】実施例23〜26,比較例23〜26 水アトマイズ法で製造され、粒度100メッシュ下の
A:Fe−46%Ni合金の粉末,水アトマイズ法で製
造され、粒度が145メッシュ下のB:Fe−80%N
i−2%Mo合金の粉末,C:ガスアトマイズ法で製造
され、粒度が200メッシュ下のFe−9.5%Si−
5.5%Al合金の粉末を用意した。
A:Fe−46%Ni合金の粉末,水アトマイズ法で製
造され、粒度が145メッシュ下のB:Fe−80%N
i−2%Mo合金の粉末,C:ガスアトマイズ法で製造
され、粒度が200メッシュ下のFe−9.5%Si−
5.5%Al合金の粉末を用意した。
【0068】これらの粉末を表11で示した混合割合
(重量%)で混合したのち、その混合物を用いて実施例
1〜3の場合と同様にして磁気特性測定用の試料を製造
した。なお、表11中の比較例25は、実施例26と同
等成分のFe−42%Ni−0.6%Mo−2.9%Si
−1.6%Al合金の粉末(水アトマイズ法で製造さ
れ、粒度100メッシュ下)を用いた場合を示す。
(重量%)で混合したのち、その混合物を用いて実施例
1〜3の場合と同様にして磁気特性測定用の試料を製造
した。なお、表11中の比較例25は、実施例26と同
等成分のFe−42%Ni−0.6%Mo−2.9%Si
−1.6%Al合金の粉末(水アトマイズ法で製造さ
れ、粒度100メッシュ下)を用いた場合を示す。
【0069】これら粉末を用いた試料の磁気特性を実施
例1〜3と同様にして測定し、その結果を表11に示し
た。
例1〜3と同様にして測定し、その結果を表11に示し
た。
【0070】
【表11】
【0071】この場合、A粉末とB粉末とC粉末は、い
ずれも透磁率が極大値を有するという特異点を共通にし
ており、またB粉末とC粉末は磁歪が実質的にゼロであ
るという特異点を共通にしており、これら3粉末を混合
すると得られた粉末混合物は3者共通の特異点(高透磁
率)が確保され、しかも2者共通の特異点も若干希釈さ
れるが概ね確保されており、しかも同等成分の合金粉末
(比較例26)の場合よりも磁歪が小さく、透磁率が大
きい磁性粉末になることが明瞭に示されている。
ずれも透磁率が極大値を有するという特異点を共通にし
ており、またB粉末とC粉末は磁歪が実質的にゼロであ
るという特異点を共通にしており、これら3粉末を混合
すると得られた粉末混合物は3者共通の特異点(高透磁
率)が確保され、しかも2者共通の特異点も若干希釈さ
れるが概ね確保されており、しかも同等成分の合金粉末
(比較例26)の場合よりも磁歪が小さく、透磁率が大
きい磁性粉末になることが明瞭に示されている。
【0072】実施例27〜42,比較例27〜30 水とガスを用いたアトマイズ法で製造され、粒度100
メッシュ下のA:Fe−3.12%Si合金の粉末と、
水とガスを用いたアトマイズ法で製造され、粒度100
メッシュ下のB:Fe−6.61%Si合金の粉末,水
とガスを用いたアトマイズ法で製造され、粒度100メ
ッシュ下のC:Fe−9.48%Si−5.65%Al合
金の粉末、および100メッシュ下のD:純鉄の粉末を
用意した。
メッシュ下のA:Fe−3.12%Si合金の粉末と、
水とガスを用いたアトマイズ法で製造され、粒度100
メッシュ下のB:Fe−6.61%Si合金の粉末,水
とガスを用いたアトマイズ法で製造され、粒度100メ
ッシュ下のC:Fe−9.48%Si−5.65%Al合
金の粉末、および100メッシュ下のD:純鉄の粉末を
用意した。
【0073】これらの粉末を表12で示した混合割合
(重量%)で混合し、更に、その混合物100重量部に
対し、水ガラス2重量部,ステアリン酸亜鉛0.5重量
部を配合して全体を混練し、その混練物を室温下におい
て13ton/cm2でプレス成形して、外径25mm,内径1
5mm,高さ5mmのトロイダル形圧粉磁心にした。そし
て、この圧粉磁心に対し、真空中において、温度700
℃で1時間の熱処理を行った。なお、比較例30の場合
は、実施例27と同じ混練物を用い、プレス成形時の圧
力は5ton/cm2とした。
(重量%)で混合し、更に、その混合物100重量部に
対し、水ガラス2重量部,ステアリン酸亜鉛0.5重量
部を配合して全体を混練し、その混練物を室温下におい
て13ton/cm2でプレス成形して、外径25mm,内径1
5mm,高さ5mmのトロイダル形圧粉磁心にした。そし
て、この圧粉磁心に対し、真空中において、温度700
℃で1時間の熱処理を行った。なお、比較例30の場合
は、実施例27と同じ混練物を用い、プレス成形時の圧
力は5ton/cm2とした。
【0074】そして、得られた磁心の磁気特性を測定し
た。 透磁率:LCRメータを用い、周波数25kHzで測定。 直流重畳特性:直流バイアス電流を流しながらLCRメ
ータで透磁率を測定していき、測定される透磁率が最初
の透磁率の半分に低下する磁界の値を測定。 コアロス:周波数25kHz,磁束密度1kGにおける損失
を測定。
た。 透磁率:LCRメータを用い、周波数25kHzで測定。 直流重畳特性:直流バイアス電流を流しながらLCRメ
ータで透磁率を測定していき、測定される透磁率が最初
の透磁率の半分に低下する磁界の値を測定。 コアロス:周波数25kHz,磁束密度1kGにおける損失
を測定。
【0075】以上の結果を表12,表13に示した。ま
た、実施例27,28,34,39,比較例27,2
8,29の磁心については、線径1mmのコイルを23タ
ーン巻回して昇圧チョッパ用のチョークコイルとし、こ
れを、入力14V,出力60VのDC−DCコンバータ
に組み込み、そしてスイッチング周波数を25kHz,出
力電流を0.9Aとしたときの磁心の温度上昇を測定し
た。その結果も表12,表13に示した。
た、実施例27,28,34,39,比較例27,2
8,29の磁心については、線径1mmのコイルを23タ
ーン巻回して昇圧チョッパ用のチョークコイルとし、こ
れを、入力14V,出力60VのDC−DCコンバータ
に組み込み、そしてスイッチング周波数を25kHz,出
力電流を0.9Aとしたときの磁心の温度上昇を測定し
た。その結果も表12,表13に示した。
【0076】
【表12】
【0077】
【表13】
【0078】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
磁性混合物は、構成元素のある組成比で磁気特性に特異
点が生ずる軟磁性合金の粉末を均一混合するだけのもの
であるが、その特異点が消失することなく確保され、し
かも同等成分の合金粉末の場合よりも各種の磁気特性が
優れている。
磁性混合物は、構成元素のある組成比で磁気特性に特異
点が生ずる軟磁性合金の粉末を均一混合するだけのもの
であるが、その特異点が消失することなく確保され、し
かも同等成分の合金粉末の場合よりも各種の磁気特性が
優れている。
【0079】したがって、本発明の磁性混合物は、製造
目的の圧粉磁心に要求されている磁気特性に対応して複
数の粉末を混合するだけでその圧粉磁心の原料素材とし
て使用することができる。
目的の圧粉磁心に要求されている磁気特性に対応して複
数の粉末を混合するだけでその圧粉磁心の原料素材とし
て使用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小山 治雄 愛知県東海市加木屋町南鹿持18 (72)発明者 矢萩 慎一郎 愛知県大府市江端町二丁目72 Fターム(参考) 4K018 AA26 BA19 BC12 BD01 KA43 5E041 AA01 AA02 AA04 AC05 BB01 BB04 BB05 CA01 NN01 NN15
Claims (8)
- 【請求項1】 それぞれは構成元素のある組成比で磁気
特性に特異点が生ずる少なくとも2種類の軟磁性材料の
粉末を均一に混合して成る混合物であって、 個々の粉末の磁気特性を確保したまま、かつ全体として
軟磁性であることを特徴とする磁性混合物。 - 【請求項2】 それぞれは構成元素のある組成比で磁気
特性に特異点が生ずる少なくとも1種類の軟磁性材料の
粉末と、少なくとも1種類の他の軟磁性材料の粉末とを
均一に混合して成り、個々の粉末の磁気特性を確保した
まま、かつ全体として軟磁性であることを特徴とする磁
性混合物。 - 【請求項3】 更に、絶縁材料が1種類以上均一に混合
されている請求項1または2の磁性混合物。 - 【請求項4】前記軟磁性材料の粉末の体積占有率が80
体積%以上となるように圧縮成形されている、請求項1
〜3のいずれかの磁性混合物。 - 【請求項5】 前記特異点が、実質的に磁歪がゼロであ
る、もしくは磁気異方性定数が実質的にゼロである請求
項1〜4のいずれかの磁性混合物。 - 【請求項6】 前記特異点が、透磁率の極大値、もしく
は保磁力の極小値または飽和磁化の極大値である請求項
1〜5のいずれかの磁性混合物。 - 【請求項7】 Fe−(3.0±0.5)%Si合金の粉
末,Fe−(6.5±0.5)%Si合金の粉末、およ
び、Fe−(9.5±0.5)%Si−(5.5±0.5)
%Al合金の粉末の群から選ばれる2種または3種を混
合して成ることを特徴とする磁性混合物。 - 【請求項8】請求項7の磁性混合物70重量%以上と、
純鉄の粉末30重量%以下とを混合して成ることを特徴
とする磁性混合物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000303484A JP2002110413A (ja) | 1999-10-04 | 2000-10-03 | 磁性混合物 |
Applications Claiming Priority (7)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28310299 | 1999-10-04 | ||
JP37445099 | 1999-12-28 | ||
JP11-283102 | 2000-07-25 | ||
JP11-374450 | 2000-07-25 | ||
JP2000224239 | 2000-07-25 | ||
JP2000-224239 | 2000-07-25 | ||
JP2000303484A JP2002110413A (ja) | 1999-10-04 | 2000-10-03 | 磁性混合物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002110413A true JP2002110413A (ja) | 2002-04-12 |
Family
ID=27479296
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000303484A Pending JP2002110413A (ja) | 1999-10-04 | 2000-10-03 | 磁性混合物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002110413A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004057627A1 (ja) * | 2002-12-20 | 2004-07-08 | The Circle For The Promotion Of Science And Engineering | 電源用トランス又はリアクトル及びそれを用いたスイッチング電源、並びに複合磁性粒子粉末成形体とその製造方法 |
JP2006332328A (ja) * | 2005-05-26 | 2006-12-07 | Toyota Central Res & Dev Lab Inc | 低磁歪体及びこれを用いた圧粉磁芯 |
JP2013021228A (ja) * | 2011-07-13 | 2013-01-31 | Denso Corp | 軟磁性焼結材料 |
JP2014075528A (ja) * | 2012-10-05 | 2014-04-24 | Nec Tokin Corp | 軟磁性合金粉末、それを用いた圧粉磁芯及びその製造方法 |
-
2000
- 2000-10-03 JP JP2000303484A patent/JP2002110413A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004057627A1 (ja) * | 2002-12-20 | 2004-07-08 | The Circle For The Promotion Of Science And Engineering | 電源用トランス又はリアクトル及びそれを用いたスイッチング電源、並びに複合磁性粒子粉末成形体とその製造方法 |
JP2006332328A (ja) * | 2005-05-26 | 2006-12-07 | Toyota Central Res & Dev Lab Inc | 低磁歪体及びこれを用いた圧粉磁芯 |
JP2013021228A (ja) * | 2011-07-13 | 2013-01-31 | Denso Corp | 軟磁性焼結材料 |
JP2014075528A (ja) * | 2012-10-05 | 2014-04-24 | Nec Tokin Corp | 軟磁性合金粉末、それを用いた圧粉磁芯及びその製造方法 |
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