JP2002256304A - 複合磁性材料およびその製造方法 - Google Patents

複合磁性材料およびその製造方法

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JP2002256304A
JP2002256304A JP2001053954A JP2001053954A JP2002256304A JP 2002256304 A JP2002256304 A JP 2002256304A JP 2001053954 A JP2001053954 A JP 2001053954A JP 2001053954 A JP2001053954 A JP 2001053954A JP 2002256304 A JP2002256304 A JP 2002256304A
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magnetic
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JP2001053954A
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Yoshiyuki Shimada
良幸 島田
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い磁束密度、電気抵抗率および透磁率を有
する複合磁性材料を提供する。 【解決手段】 複合磁性材料は、互いに焼結された複数
の扁平形状の複合磁性粉末を備える。複合磁性粉末は、
金属磁性粉末と、その金属磁性粉末の表面に直接接合す
る、金属酸化物磁性粉末を含む被覆層とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、複合磁性材料お
よびその製造方法に関し、特に、金属磁性粒子と、金属
酸化物磁性粒子を含む被覆層とを有する複合磁性粒子を
備えた複合磁性材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】近
年、世界的な環境規制の強化に伴い、各自動車メーカー
では、排気ガスの低公害化、および低燃費化に関する開
発が活発に進められている。そのため、従来のエンジン
の機械的制御機構が電子制御機構に移行しつつあり、こ
れに伴い、制御機構の中枢部品である磁性材料の高性能
化および小型化が要求されている。特に、より精密な制
御を小電力で行なうことができるように、中高周波数領
域での高い磁気特性を有する材料の開発が進められてい
る。
【0003】また、コンピュータのハードディスク用モ
ータ等においても、モータの回転数を増加させ記録速度
を向上させるために、中高周波数領域での高い磁気特性
を有する材料が開発されている。
【0004】中高周波数領域で高い磁気特性を有するた
めには、材料が、高い飽和磁束密度と、高い透磁率と、
高い電気抵抗率とを併せ持つ必要がある。一般に、金属
磁性材料は、高い飽和磁束密度と透磁率とを有するが、
電気抵抗率が低い(10-6〜10-4Ωcm)ため、中高
周波数領域で渦電流損失が大きい。そのため、磁気特性
が劣化し、単体では使用が困難である。
【0005】また、金属酸化物磁性材料は金属磁性材料
に比べて電気抵抗率が高い(1〜108Ωcm)ため、
中高周波数領域では渦電流損失が小さく、磁気特性の劣
化は少ない。しかしながら、飽和磁束密度が金属磁性材
料の1/3〜1/2であるため、用途に制限がある。
【0006】かかる実情に鑑み、金属磁性材料と金属酸
化物磁性材料とを複合化することにより、両者の欠点を
補うような、高い飽和磁束密度と、高い透磁率と、高い
電気抵抗率とを有する複合磁性材料が提案されている。
【0007】たとえば、特開平4−226003号公報
では、軟磁性金属粒子と、高抵抗軟磁性物質とをプラズ
マ活性化焼結した複合軟磁性材料が開示されている。
【0008】しかしながら、この公報に記載された複合
磁性材料では、必ずしも透磁率の高い磁性材料を得るこ
とができなかった。
【0009】また、この公報に記載された技術のプラズ
マ活性化焼結法ではタイムサイクルが1〜3分/個と長
く、生産性に問題があった。また、設備費用が高く、製
造コストが高くなり経済性の点でも問題があった。
【0010】これに対し、特開平6−267723号公
報では、表層に非磁性金属酸化物を持つ軟磁性金属粒子
間に高抵抗軟磁性物質の層が介在する複合軟磁性材料が
開示されている。軟磁性金属粒子は平均長軸長さを平均
厚さで除したアスペクト比が2以上の偏平状である。こ
のように軟磁性金属粒子の形状を偏平状とすることによ
り、印加される磁界により各軟磁性金属粒子に生じる反
磁界の影響を最小にすることができる。すなわち、軟磁
性金属粒子を異方性化することにより、透磁率を高める
ことができる。
【0011】しかしながら、この公報に記載された複合
磁性材料では、軟磁性金属粒子の表層に非磁性金属酸化
物の層が形成されているため、軟磁性金属粒子と高抵抗
軟磁性物質の層の界面に非磁性金属酸化物の層が介在す
る。そのため、複合磁性材料全体として磁性材料の量が
少なくなるため、飽和磁束密度を向上させることが困難
であるという問題があった。
【0012】また、非磁性物が介在するために磁壁のピ
ンニングが生じ、高い透磁率を得ることが困難であっ
た。
【0013】さらに、この公報に記載の技術では、偏平
状の粒子の作製が困難であり、通常のアトマイズ粒子や
還元粒子と比較して原料コストが高くなるという問題が
あった。
【0014】しかも、この方法では、粉末冶金法におい
て粉末が偏平状であるため、流動性が低く成形後の密度
が低いため、飽和磁束密度が低いという問題があった。
【0015】そこで、この発明は上述のような問題点を
解決するためになされたものであり、飽和磁束密度、透
磁率および電気抵抗率が高い複合磁性材料を提供するこ
とを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】この発明に従った複合磁
性材料は、互いに焼結された複数の偏平形状の複合磁性
粒子を備える。複合磁性粒子は、金属磁性粒子と、その
金属磁性粒子の表面に直接接合する、金属酸化物磁性粒
子を含む被覆層とを有する。
【0017】このように構成された複合磁性材料では、
金属磁性粒子が、酸化物磁性粒子を含む被覆層により被
覆されるため、電気抵抗率が高くなる。また、複合磁性
粒子が偏平形状であるため、印加される磁界により複合
磁性粒子に生じる反磁界の影響を少なくすることがで
き、透磁率を向上させることができる。さらに、金属酸
化物磁性粒子を含む被覆層は金属磁性粒子の表面に直接
接合するため、金属磁性粒子と被覆層との間に非磁性材
料を介在させる場合に比べて磁性材料の量が多くなる。
その結果、飽和磁束密度および透磁率をさらに向上させ
ることができる。
【0018】また好ましくは、複数の偏平形状の複合磁
性粒子の各々の断面形状は、長軸と短軸とを有し、長軸
の各々は所定の方向に沿って延びている。なお、複合磁
性粒子の断面形状の長軸とは、複合磁性粒子を楕円体で
近似したときに、楕円体の中心を通り面積が最大となる
楕円断面の長軸をいう。また、短軸とは、上述の楕円の
中心を通る最も短い軸をいう。この場合、長軸の各々は
所定の方向に沿って延びているため、この所定の方向に
沿って磁場を印加することにより、より高い透磁率を得
ることができる。
【0019】また好ましくは、長軸の長さを短軸の長さ
で除した値であるアスペクト比が1.5以上である。
【0020】また好ましくは、金属酸化物磁性粒子の平
均粒径が0.01μm以上5μm以下である。金属酸化
物磁性粒子の平均粒径が0.01μm未満では、金属酸
化物磁性粒子の作製が困難となる。また、金属酸化物磁
性粒子の平均粒径が5μmを超えると被覆層の膜厚を均
一にすることが困難である。また、金属酸化物磁性粒子
の平均粒径は特に0.5μm以上2μm以下であること
が好ましい。なお、本明細書中、「平均粒径」とは、ふ
るい法によって測定した粒径のヒストグラム中、粒径の
小さい方からの質量の和が総質量の50%に達する粒子
の粒径、すなわち50%粒径D50をいう。
【0021】また好ましくは、被覆層の厚みが0.01
μm以上20μm以下である。被覆層の厚みが0.01
μm未満であれば、被覆層により絶縁性を得ることが困
難となる。被覆層の厚みが20μmを超えると単位体積
中の金属酸化物磁性粒子の体積比率が大きくなり、所定
の飽和磁束密度を得ることが困難である。また、被覆層
の厚みは特に0.5μm以上5μm以下であることが好
ましい。
【0022】また好ましくは、金属酸化物磁性粒子は、
マグネタイト(Fe23)、マンガン(Mn)−亜鉛
(Zn)フェライト、ニッケル(Ni)−亜鉛(Zn)
フェライト、コバルト(Co)フェライト、マンガン
(Mn)フェライト、ニッケル(Ni)フェライト、銅
(Cu)フェライト、マグネシウム(Mg)フェライ
ト、リチウム(Li)フェライト、マンガン(Mn)−
マグネシウム(Mg)フェライト、銅(Cu)−亜鉛
(Zn)フェライトおよびマンガン(Mg)−亜鉛(Z
n)フェライトからなる群より選ばれた少なくとも1種
を含む。
【0023】金属酸化物磁性粒子は、軟磁性を有し、か
つ電気抵抗率が10-3Ωcm以上であれば特に制限はな
い。上述のように、各種の軟磁性フェライトまたは窒化
鉄を用いることができる。特に、飽和磁束密度の高いマ
ンガン−亜鉛フェライトまたはニッケル−亜鉛フェライ
トが好ましい。これらの1種または2種以上を用いても
よい。
【0024】好ましくは、金属磁性粒子の平均粒径は5
μm以上200μm以下である。金属磁性粒子の平均粒
径が5μm未満では、金属が酸化しやすいため磁気特性
が劣化しやすい。金属磁性粒子の平均粒径が200μm
を超えると、成形時の圧縮性が低下するため、成形体の
密度が低下し取扱いが困難となる。
【0025】好ましくは、金属磁性粒子は、鉄(F
e)、鉄(Fe)−シリコン(Si)系合金、鉄(F
e)−窒素(N)系合金、鉄(Fe)−ニッケル(N
i)系合金、鉄(Fe)−炭素(C)系合金、鉄(F
e)−ホウ素(B)系合金、鉄(Fe)−コバルト(C
o)系合金、鉄(Fe)−リン(P)系合金、鉄(F
e)−ニッケル(Ni)−コバルト(Co)系合金およ
び鉄(Fe)-アルミニウム(Al)-シリコン(Si)
系合金からなる群より選ばれた少なくとも1種を含む。
これらの1種または2種以上を用いてもよい。金属磁性
粒子の材料は軟磁性金属であれば、金属単体でも合金で
もよく特に制限はない。
【0026】また好ましくは、この発明に従った複合磁
性材料は、飽和磁束密度Bsが15kG以上であり、電
気抵抗率ρが10-3Ωcm以上102Ωcm以下であ
る。
【0027】この発明に従った複合磁性材料の製造方法
は、以下の工程を備える。 (1) 金属磁性粒子と、金属酸化物磁性粒子とを混合
することにより、金属磁性粒子と、その金属磁性粒子の
表面に直接接合する、金属酸化物磁性粒子を含む被覆層
とを有する複合磁性粒子を形成する工程。
【0028】(2) 複合磁性粒子を成形して成形体を
形成する工程。 (3) 成形体を温度600℃以上900℃以下で焼結
して焼結体を形成する工程。
【0029】(4) 焼結体を熱間加工することによ
り、複合磁性粒子を偏平形状とする工程。
【0030】このような工程を備えた複合磁性材料の製
造方法に従えば、まず金属磁性粒子は、金属酸化物磁性
粒子を含む高抵抗の被覆層により被覆される。その結
果、複合磁性粒子の電気抵抗率を向上させることができ
る。また、金属磁性粒子の表面に直接接合するように金
属酸化物磁性粒子を含む被覆層が形成されるため、被覆
層と金属磁性粒子との間に非磁性層が介在した場合に比
べて磁性体の量を多くすることができる。そのため、飽
和磁束密度を向上させることができる。さらに、焼結体
を形成した後、熱間加工により複合磁性粒子を偏平形状
とする。その結果、予め偏平形状とされた粒子を成形す
る場合に比べて、成形が容易となる。また、成形体の密
度を向上させることができるため、複合磁性材料の飽和
磁束密度を向上させることができる。
【0031】さらに、複合磁性粒子が偏平形状であるた
め、印加される磁界により複合磁性粒子に生じる反磁界
の影響を最小にすることができ、透磁率を向上させるこ
とができる。
【0032】焼結体の形成する温度を600℃以上90
0℃以下としたのは、温度が600℃未満では、焼結が
十分に進行しないからである。また、温度が900℃を
超えると金属磁性粒子と金属酸化物磁性粒子とが反応す
ることにより飽和磁束密度、透磁率および電気抵抗率を
高く保てないためである。
【0033】また好ましくは、熱間加工を行なう温度
は、焼結体を形成する温度以上である。この場合、熱間
加工が高温で行なわれるため、焼結体をより容易に加工
することができる。
【0034】また好ましくは、熱間加工は温度600℃
以上1200℃以下で行なわれる。さらに好ましくは、
熱間加工は熱間鍛造または熱間押出である。熱間鍛造の
場合、鍛造により力が加えられた方向と直交する方向に
複合磁性粒子が偏平するため、その偏平方向に磁束を印
加することが好ましい。熱間押出の場合、押出方向と平
行な方向に複合磁性粒子が偏平するため、その偏平方向
に磁束を印加することが好ましい。
【0035】金属磁性粒子への金属酸化物磁性粒子の配
合比率は、質量比で1%以上30%以下とすることが望
ましい。すなわち、金属酸化物磁性粒子の質量/金属磁
性粒子の質量が1%以上30%以下となることが望まし
い。配合比率が1%未満では、電気抵抗率が低下するた
め交流磁気特性の低下を招く。また、配合比率が30%
を超えると、金属酸化物磁性材料の割合が多くなり、飽
和磁束密度の低下が生じる。より好ましくは、金属磁性
粒子への金属酸化物磁性粒子の配合比率は質量比で3%
以上10%以下であることが望ましい。
【0036】焼結温度は、好ましくは750℃以上80
0℃以下である。また、金属磁性粒子と金属酸化物磁性
粒子とを混合する方法に特に制限はなく、たとえばメカ
ニカルアロイング法、ボールミル、振動ボールミル、遊
星ボールミル、メカノフュージョン、共沈法、化学気相
蒸着法(CVD法)、物理気相蒸着法(PVD法)、め
っき法、スパッタリング法、蒸着法、ゾル−ゲル法など
のいずれを使用することも可能である。
【0037】この発明に従った複合磁性材料は、高い飽
和磁束密度と、高い透磁率と、高い電気抵抗率とを併せ
持つため、チョークコイル、スイッチング電源素子およ
び磁気ヘッドなどの電子部品、各種モータ部品、自動車
用ソレノイド、各種磁気センサ、各種電磁弁等に用いら
れる。
【0038】また製造方法では、熱間加工された後に磁
気焼鈍されることがより好ましい。温度700℃以上で
磁気焼鈍されることがより好ましい。
【0039】さらに、原料として用いる金属磁性粒子の
平均粒径が200μm以上であれば好ましい。
【0040】
【実施例】(実施例1)金属磁性粉末として、鉄粉末を
用意した。鉄粉末の純度は99.99%以上であり、平
均粒径は150μm以下であった。金属酸化物磁性粉末
として、マンガン−亜鉛フェライトを用意した。マンガ
ン−亜鉛フェライト粉末中には、MnO、ZnOおよび
Fe23が含まれ、これらの質量比はMnO:ZnO:
Fe23が21.07:8.27:70.70である。
マンガン−亜鉛フェライト粉末の平均粒径は1.05μ
mであった。
【0041】質量比で鉄粉末が90%、マンガン−亜鉛
フェライトが10%となるようにこれらを配合して振動
ミルにより混合することにより混合粉末を形成した。混
合が完全に行なわれ状態では、鉄粉末の表面にマンガン
−亜鉛フェライト粉末の被覆層が直接接合した。これに
より複合磁性粒子を形成した。
【0042】次に、複合磁性粒子を直径φが35mm、
高さtが8mmとなるように円柱形状に成形した。なお
成形の際の圧力を7.84×102MPaとした。これ
により成形体を形成した。
【0043】成形体を温度800℃で窒素雰囲気に1時
間保つことにより成形体を焼結して焼結体を形成した。
【0044】次に、焼結体を温度1000℃で面圧7.
84×102MPaで熱間鍛造した。これにより複合磁
性粒子を偏平形状とした。最後に窒素雰囲気中、温度8
50℃で4時間磁気焼鈍を行ない、複合磁性材料を得
た。また、複合磁性材料を構成する偏平形状の複合磁性
粒子のアスペクト比を測定したところ、平均アスペクト
比は2.1であった。
【0045】複合磁性材料について飽和磁束密度Bs、
電気抵抗率ρ、Bスケールのロックウエル硬さHRB、
透磁率を測定したところ、飽和磁束密度Bsは16k
G、電気抵抗率ρは3000μΩcm、Bスケールのロ
ックウエル硬さHRBは70、透磁率は1800であっ
た。
【0046】比較品として、金属磁性粉末にリン酸(H
3PO3)皮膜が形成された複合磁性粒子を形成した。こ
の複合磁性粒子を成形して得た複合磁性材料について飽
和磁束密度Bs、電気抵抗率ρ、Bスケールのロックウ
エル硬さHRB、透磁率を測定したところ、飽和磁束密
度Bsは15kG、電気抵抗率ρは2000μΩcm、
Bスケールのロックウエル硬さHRBは10、透磁率は
600であった。
【0047】これより、本発明品では、従来品と比較し
て飽和磁束密度、電気抵抗率、Bスケールのロックウエ
ル硬さHRBおよび透磁率のいずれもが向上しているこ
とがわかる。
【0048】(実施例2)実施例2では、金属磁性粉末
として、質量比でコバルトを50%、炭素を0.005
%含み、残部が鉄である鉄−コバルト粉末を用意した。
この鉄−コバルト粉末の平均粒径は150μm以下であ
った。この鉄−コバルト粉末と、実施の形態1で用いた
マンガン−亜鉛フェライトとを質量比で90:10とな
るように配合して実施例1と同様の方法により混合し
た。その後実施例1と同様に成形、焼結、熱間鍛造およ
び磁気焼鈍を施して複合磁性材料を得た。また、複合磁
性材料を構成する偏平形状の複合磁性粒子のアスペクト
比を測定したところ、平均アスペクト比は1.7であっ
た。
【0049】この複合磁性材料について、飽和磁束密度
Bs、電気抵抗率ρ、Bスケールのロックウエル硬さH
RBを測定したところ、飽和磁束密度Bsは17kG、
電気抵抗率ρは2000μΩcm、Bスケールのロック
ウエル硬さHRBは105であった。また、複合磁性材
料を構成する偏平形状の複合磁性粒子のアスペクト比を
測定したところ、平均アスペクト比は1.7であった。
【0050】(実施例3)実施例3では、実施例1と同
様の金属磁性粉末および金属酸化物磁性粉末を混合して
複合磁性粒子を形成した後、実施例1と同様の工程に従
い成形および焼結を施すことにより焼結体を得た。この
焼結体を温度1000℃で押出比10の条件で熱間押出
して押出材を得た。最後にこの押出材を窒素中、温度8
50℃で4時間磁気焼鈍を施して複合磁性材料を得た。
【0051】得られた複合磁性材料について偏平形状の
複合磁性粒子のアスペクト比を測定したところ、平均ア
スペクト比は3.2であった。
【0052】得られた複合磁性材料について、飽和磁束
密度Bs、電気抵抗率ρ、Bスケールのロックウエル硬
さHRBを測定したところ、飽和磁束密度Bsは18k
G、電気抵抗率ρは1500μΩcm、Bスケールのロ
ックウエル硬さHRBは75であった。
【0053】(実施例4)実施例4では、実施例2と同
様の工程に従い金属磁性粉末と金属酸化物磁性粉末とを
混合して複合磁性粒子を形成した。この複合磁性粒子を
実施例2と同様の工程に従い成形および焼結して焼結体
を形成した後、温度1000℃、押出比10の条件で熱
間押出して押出材を得た。その後窒素中、温度850℃
で4時間磁気焼鈍を施すことにより複合磁性材料を得
た。
【0054】得られた複合磁性材料について偏平形状の
複合磁性粒子のアスペクト比を測定したところ、平均ア
スペクト比は2.4であった。
【0055】さらに複合磁性材料の飽和磁束密度Bs、
電気抵抗率ρ、Bスケールのロックウエル硬さHRBを
測定したところ、飽和磁束密度Bsは19kG、電気抵
抗率ρは2000μΩcm、Bスケールのロックウエル
硬さHRBは110であった。
【0056】(実施例5)実施例5では、実施例1にお
いて金属磁性粉末として用いる鉄粉末の平均粒径を20
0μm以上とした。それ以外の点については実施例1と
同様の工程に従い複合磁性材料を形成した。
【0057】得られた複合磁性材料について飽和磁束密
度Bs、電気抵抗率ρ、Bスケールのロックウエル硬さ
HRBを測定したところ、飽和磁束密度Bsは19k
G、電気抵抗率ρは1500μΩcm、Bスケールのロ
ックウエル硬さHRBは72であった。
【0058】また、得られた複合磁性材料において、偏
平形状の複合磁性粒子の平均アスペクト比は2.0であ
った。
【0059】(実施例6)実施例6では、実施例2で金
属磁性粉末として用いた鉄−コバルト粉末の平均粒径を
200μm以上とした。その他の点について実施例2と
同様の工程に従い複合磁性材料を得た。
【0060】得られた複合磁性材料について飽和磁束密
度Bs、電気抵抗率ρ、Bスケールのロックウエル硬さ
HRBを測定したところ、飽和磁束密度Bsは20k
G、電気抵抗率ρは1200μΩcm、Bスケールのロ
ックウエル硬さHRBは115であった。
【0061】また偏平形状の複合磁性粒子の平均アスペ
クト比は1.7であった。 (実施例7)実施例7では、実施例3において金属磁性
粉末として用いる鉄粉末の平均粒径を200μm以上と
した。その他の点については実施例3と同様の工程に従
い複合磁性材料を得た。
【0062】得られた複合磁性材料について、飽和磁束
密度Bs、電気抵抗率ρ、Bスケールのロックウエル硬
さHRBを測定したところ、飽和磁束密度Bsは19.
5kG、電気抵抗率ρは1500μΩcm、Bスケール
のロックウエル硬さHRBは72であった。また、偏平
形状の複合磁性粒子の平均アスペクト比は2.6であっ
た。
【0063】(実施例8)実施例8では、実施例4にお
いて金属磁性粉末として用いた鉄−コバルト粉末の平均
粒径を200μm以上とした。その他の点については、
実施例4の工程と同様の工程に従い複合磁性材料を得
た。
【0064】得られた複合磁性材料について、飽和磁束
密度Bs、電気抵抗率ρ、Bスケールのロックウエル硬
さHRBを測定したところ、飽和磁束密度Bsは20.
5kG、電気抵抗率ρは1200μΩcm、Bスケール
のロックウエル硬さHRBは115であった。また、偏
平形状の複合磁性粒子の平均アスペクト比は1.9であ
った。
【0065】今回開示された実施例はすべての点で例示
であって制限的なものではないと考えられるべきであ
る。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の
範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味およ
び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図され
る。
【0066】
【発明の効果】この発明に従えば、高い飽和磁束密度、
透磁率および電気抵抗率を有する複合磁性材料を得るこ
とができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G002 AA03 AA06 AB01 AE02 AE05 4G018 AA01 AA21 AA25 AB08 AC22 AC23 4K018 AA24 AA26 AA30 AA36 AB01 AC01 FA01 KA44 5E041 AC05 BC01 CA03 CA04 HB03 HB07 HB14 NN03 NN13 NN18

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに焼結された複数の偏平形状の複合
    磁性粒子を備え、 前記複合磁性粒子は、金属磁性粒子と、その金属磁性粒
    子の表面に直接接合する金属酸化物磁性粒子を含む被覆
    層とを有する、複合磁性材料。
  2. 【請求項2】 複数の前記偏平形状の複合磁性粒子の各
    々の断面形状は、長軸と短軸とを有し、前記長軸の各々
    は所定の方向に沿って延びている、請求項1に記載の複
    合磁性材料。
  3. 【請求項3】 前記長軸の長さを前記短軸の長さで除し
    た値であるアスペクト比の平均値が1.5以上である、
    請求項2に記載の複合磁性材料。
  4. 【請求項4】 前記金属酸化物磁性粒子の平均粒径が
    0.01μm以上5μm以下である、請求項1から3の
    いずれか1項に記載の複合磁性材料。
  5. 【請求項5】 前記被覆層の厚みが0.01μm以上2
    0μm以下である、請求項1から4のいずれか1項に記
    載の複合磁性材料。
  6. 【請求項6】 前記金属酸化物磁性粒子は、マグネタイ
    ト、マンガン−亜鉛フェライト、ニッケル−亜鉛フェラ
    イト、コバルトフェライト、マンガンフェライト、ニッ
    ケルフェライト、銅フェライト、マグネシウムフェライ
    ト、リチウムフェライト、マンガン−マグネシウムフェ
    ライト、銅−亜鉛フェライトおよびマンガン−亜鉛フェ
    ライトからなる群より選ばれた少なくとも1種を含む、
    請求項1から5のいずれか1項に記載の複合磁性材料。
  7. 【請求項7】 前記金属磁性粒子の平均粒径は5μm以
    上200μm以下である、請求項1から6のいずれか1
    項に記載の複合磁性材料。
  8. 【請求項8】 前記金属磁性粒子は、鉄、鉄−シリコン
    系合金、鉄−窒素系合金、鉄−ニッケル系合金、鉄−炭
    素系合金、鉄−ホウ素系合金、鉄−コバルト系合金、鉄
    −リン系合金、鉄−ニッケル−コバルト系合金および鉄
    −アルミニウム−シリコン系合金からなる群より選ばれ
    た少なくとも1種を含む、請求項1から7のいずれか1
    項に記載の複合磁性材料。
  9. 【請求項9】 飽和磁束密度Bsが15kG以上であ
    り、電気抵抗率ρが10-3Ωcm以上102Ωcm以下
    である、請求項1から8のいずれか1項に記載の複合磁
    性材料。
  10. 【請求項10】 金属磁性粒子と、金属酸化物磁性粒子
    とを混合することにより、金属磁性粒子と、その金属磁
    性粒子の表面に直接接合する、金属酸化物磁性粒子を含
    む被覆層とを有する複合磁性粒子を形成する工程と、 前記複合磁性粒子を成形して成形体を形成する工程と、 前記成形体を温度600℃以上900℃以下で焼結して
    焼結体を形成する工程と、 前記焼結体を熱間加工することにより、前記複合磁性粒
    子を偏平形状とする工程とを備えた、複合磁性材料の製
    造方法。
  11. 【請求項11】 前記熱間加工を行なう温度は、前記焼
    結体を形成する温度以上である、請求項10に記載の複
    合磁性材料の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記熱間加工は、温度600℃以上1
    200℃以下で行なわれる、請求項10または11に記
    載の複合磁性材料の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記熱間加工は熱間鍛造または熱間押
    出である、請求項10から12のいずれか1項に記載の
    複合磁性材料の製造方法。
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