JPWO2002080202A1 - 複合磁性材料 - Google Patents
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Abstract
Description
この発明は、複合磁性材料に関し、特に、金属磁性粒子と、金属酸化物または金属酸化物磁性物質を含む被覆層とを有する複合磁性粒子を備えた複合磁性材料に関するものである。
背景技術
近年、世界的な環境規制の強化に伴い、各自動車メーカーでは、排気ガスの低公害化、および低燃費化に関する開発が活発に進められている。そのため、従来のエンジンの機械的制御機構が電子制御機構に移行しつつあり、これに伴い、制御機構の中枢部品である磁性材料の高性能化および小型化が要求されている。特に、より精密な制御を小電力で行なうことができるように、中高周波数領域での高い磁気特性を有する材料の開発が進められている。
中高周波数領域で高い磁気特性を有するためには、材料が、高い飽和磁束密度と、高い透磁率と、高い電気抵抗率とを併せ持つ必要がある。一般に、金属磁性材料は、高い飽和磁束密度と透磁率とを有するが、電気抵抗率が低い(10−6〜10−4Ωcm)ため、中高周波数領域で渦電流損失が大きい。そのため、磁気特性が劣化し、単体では使用が困難である。
また、金属酸化物磁性材料は金属磁性材料に比べて電気抵抗率が高い(1〜108Ωcm)ため、中高周波数領域では渦電流損失が小さく、磁気特性の劣化は少ない。しかしながら、飽和磁束密度が金属磁性材料の1/3〜1/2であるため、用途に制限がある。
かかる実情に鑑み、金属磁性材料と金属酸化物磁性材料とを複合化することにより、両者の欠点を補うような、高い飽和磁束密度と、高い透磁率と、高い電気抵抗率とを有する複合磁性材料が提案されている。
たとえば、特表平10−503807号公報では、鉄粉の表面にリン酸鉄の被膜が形成された複数の複合磁性粒子を、ポリフェニレンエーテルまたはポリエーテルイミドおよびアミド型オリゴマー等の有機物で接合して複合磁性材料を形成する方法が開示されている。
自動車のエンジンの制御機構で複合磁性材料を用いる場合には、上述の磁気特性だけでなく、エンジンが高温となるため、複合磁性材料に耐熱性が要求される。しかしながら、上記公報に記載された複合磁性材料では、複合磁性粒子がポリフェニレンエーテルまたはポリエーテルイミドおよびアミド型オリゴマー等の耐熱性の低い有機物で接合されているため、高温下では、有機物が軟化する。その結果、隣り合う複合磁性粒子同士の接合力が小さくなり、複合磁性材料の強度が低下するという問題があった。
そこで、この発明は上述のような問題点を解決するためになされたものであり、耐熱性の高い複合磁性材料を提供することを目的とする。
発明の開示
本発明者らは、複合磁性材料の耐熱性を向上させる技術について、種々の検討をしたところ、複合磁性粒子を接合する有機物の長期耐熱温度を200℃以上とすることで、複合磁性材料の耐熱性を向上させることが可能となるという知見を得た。なお、本明細書中、「長期耐熱温度」とは、UL(Underwriters Laboratories)規格746Bで規定される耐熱温度であり、無重力で長時間熱処理をした際の力学特性が低下する耐熱限界を示す尺度である。具体的には、10万時間空気中で熱処理した後、常温での特性、例えば引張り強さおよび衝撃強さが半減する温度をいう。この長期耐熱温度の推定には、高温促進試験のアレニウスプロットを用いる。
このような知見によりなされた、この発明に従った複合磁性材料は、互いに有機物で接合された複数の複合磁性粒子を備える。複合磁性粒子は、金属磁性粒子と、その金属磁性粒子の表面に接合する、金属酸化物または金属酸化物磁性物質を含む被覆層とを有し、有機物は、温度200℃以上の長期耐熱温度を有する。
このように構成された複合磁性材料では、複数の複合磁性粒子は、温度200℃以上の長期耐熱温度を有する有機物により互いに接合される。そのため、高温下でも有機物が軟化することがない。その結果、隣り合う複合磁性粒子同士の接合力が保たれるため、複合磁性材料の耐熱性を向上させることができる。
好ましくは、有機物は、ケトン基を有する熱可塑性樹脂、熱可塑性ポリエーテルニトリル樹脂、熱可塑性ポリアミドイミド樹脂、熱硬化性ポリアミドイミド樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、熱硬化性ポリイミド樹脂、ポリアリレート樹脂およびフッ素を有する樹脂からなる群より選ばれた少なくとも一種を含む。
ケトン基を有する熱可塑性樹脂として、ポリエーテルエーテルケトン(長期耐熱温度260℃)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK、長期耐熱温度240℃)、ポリエーテルケトン(PEK、長期耐熱温度220℃)およびポリケトンサルファイド(PKS、長期耐熱温度210〜240℃)がある。
熱可塑性ポリアミドイミドとして、アモコ社製の商品名TORLON(長期耐熱温度230℃〜250℃)または東レ製の商品名TI5000(長期耐熱温度250℃以上)がある。
ポリアリレートとして、商品名エコノール(長期耐熱温度240℃〜260℃)がある。
熱硬化性ポリアミドイミドとして、東レ製の商品名TI1000(長期耐熱温度230℃)がある。
フッ素を有する樹脂として、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE、長期耐熱温度260℃)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA、長期耐熱温度260℃)およびテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP、長期耐熱温度200℃)がある。
また好ましくは、被覆層の厚みが0.005μm以上20μm以下である。被覆層の厚みが0.005μm未満であれば、被覆層により絶縁性を得ることが困難となる。被覆層の厚みが20μmを超えると単位体積中の金属酸化物または金属酸化物磁性物質の体積比率が大きくなり、所定の飽和磁束密度を得ることが困難である。また、被覆層の厚みは特に0.01μm以上5μm以下であることが好ましい。
さらに好ましくは、被覆層の厚みが0.05μm以上0.1μm以下である。
好ましくは、金属酸化物磁性物質は、マグネタイト(Fe2O3)、マンガン(Mn)−亜鉛(Zn)フェライト、ニッケル(Ni)−亜鉛(Zn)フェライト、コバルト(Co)フェライト、マンガン(Mn)フェライト、ニッケル(Ni)フェライト、銅(Cu)フェライト、マグネシウム(Mg)フェライト、リチウム(Li)フェライト、マンガン(Mn)−マグネシウム(Mg)フェライト、銅(Cu)−亜鉛(Zn)フェライトおよびマンガン(Mg)−亜鉛(Zn)フェライトからなる群より選ばれた少なくとも1種を含む。
好ましくは、金属酸化物磁性物質は、金属酸化物磁性粒子を含み、金属酸化物磁性粒子の平均粒径が0.005μm以上5μm以下である。金属酸化物磁性粒子の平均粒径が0.005μm未満では、金属酸化物磁性粒子の作製が困難となる。また、金属酸化物磁性粒子の平均粒径が5μmを超えると被覆層の膜厚を均一にすることが困難である。また、金属酸化物磁性粒子の平均粒径は特に0.5μm以上2μm以下であることが好ましい。なお、本明細書中、「平均粒径」とは、ふるい法によって測定した粒径のヒストグラム中、粒径の小さい方からの質量の和が総質量の50%に達する粒子の粒径、すなわち50%粒径D50をいう。
金属酸化物磁性粒子は、軟磁性を有し、かつ電気抵抗率が10−3Ωcm以上であれば特に制限はない。上述のように、各種の軟磁性フェライトまたは窒化鉄を用いることができる。特に、飽和磁束密度の高いマンガン−亜鉛フェライトまたはニッケル−亜鉛フェライトが好ましい。これらの1種または2種以上を用いてもよい。
好ましくは、金属酸化物は、リン(P)と鉄(Fe)とを含む酸化物からなる。このような金属酸化物を使用することで、金属磁性粒子の表面を覆う被覆層をより薄くすることができる。したがって、複合磁性材料の密度を大きくすることができ、磁気特性が向上する。
好ましくは、金属磁性粒子の平均粒径は5μm以上200μm以下である。金属磁性粒子の平均粒径が5μm未満では、金属が酸化しやすいため磁気特性が劣化しやすい。金属磁性粒子の平均粒径が200μmを超えると、成形時の圧縮性が低下するため、成形体の密度が低下し取扱いが困難となる。
好ましくは、金属磁性粒子は、鉄(Fe)、鉄(Fe)−シリコン(Si)系合金、鉄(Fe)−窒素(N)系合金、鉄(Fe)−ニッケル(Ni)系合金、鉄(Fe)−炭素(C)系合金、鉄(Fe)−ホウ素(B)系合金、鉄(Fe)−コバルト(Co)系合金、鉄(Fe)−リン(P)系合金、鉄(Fe)−ニッケル(Ni)−コバルト(Co)系合金および鉄(Fe)−アルミニウム(Al)−シリコン(Si)系合金からなる群より選ばれた少なくとも1種を含む。これらの1種または2種以上を用いてもよい。金属磁性粒子の材料は軟磁性金属であれば、金属単体でも合金でもよく特に制限はない。
好ましくは、複合磁性粒子に対する有機物の割合は、質量比で0.05%以上2%以下である。さらに好ましくは、複合磁性粒子に対する有機物の割合は、質量比で0.1%以上1%以下である。
好ましくは、12000A/m以上の磁場を印加したときの磁束密度Bが15kG以上であり、電気抵抗率ρが10−3Ωcm以上102Ωcm以下であり、温度200℃での抗折強度が100MPa以上である。
金属磁性粒子に対する金属酸化物または金属酸化物磁性物質の比率は、質量比で0.2%以上30%以下とすることが望ましい。すなわち、(金属酸化物または金属酸化物磁性物質の質量)/(金属磁性粒子の質量)が0.2%以上30%以下となることが望ましい。比率が0.2%未満では、電気抵抗率が低下するため交流磁気特性の低下を招く。また、比率が30%を超えると、金属酸化物または金属酸化物磁性材料の割合が多くなり、飽和磁束密度の低下が生じる。より好ましくは、金属磁性粒子に対する金属酸化物または金属酸化物磁性物質の比率は質量比で0.4%以上10%以下であることが望ましい。
この発明に従った複合磁性材料は、高い磁気特性と、高い耐熱性とを併せ持つため、チョークコイル、スイッチング電源素子および磁気ヘッドなどの電子部品、各種モータ部品、自動車用ソレノイド、各種磁気センサ、各種電磁弁等に用いられる。
発明を実施するための最良の形態
(実施例1)
複合磁性粒子として、ヘガネス社製の商品名ソマロイ500を用意した。この粉末では、金属磁性粒子としての鉄粉の表面に、リンと鉄とを含む金属酸化物からなる被覆層が形成されている。複合磁性粒子の平均粒径は150μm以下、被覆層の平均厚みは20nmである。
複合磁性粒子に対して、質量比が0.1%となるように、ポリエーテルエーテルケトン樹脂の粒子を用意した。この粒子の平均粒径は3μm以下である。
これらをボールミルで混合して混合粉末を形成した。なお、混合方法に特に制限はなく、たとえばメカニカルアロイング法、振動ボールミル、遊星ボールミル、メカノフュージョン、共沈法、化学気相蒸着法(CVD法)、物理気相蒸着法(PVD法)、めっき法、スパッタリング法、蒸着法、ゾル−ゲル法などのいずれを使用することも可能である。
混合粉末を金型に入れて、成形を行なった。成形方法として、金型に潤滑剤を塗布して成形する金型潤滑成形を用いた。金型の温度を130℃とし、混合粉末の温度を130℃とし、成形圧力を784MPaとして成形体を形成した。なお、金型の温度を70℃から150℃とし、混合粉末の温度を室温から200℃とし、成形圧力を392MPaから980MPaとすることができる。
成形体を窒素ガス雰囲気中、温度420℃で熱処理(焼きなまし)した。これにより、ポリエーテルエーテルケトンが軟化して複数の複合磁性粒子間の界面に入り込んで複合磁性粒子同士を接合することにより固化体を得た。なお、熱処理の温度は340℃以上450℃以下とすることが好ましい。温度が340℃以下ではポリエーテルエーテルケトンが完全に軟化しないので、均一に拡散しない。温度が450℃以上では、ポリエーテルエーテルケトンが分解して複合磁性材料の強度が向上しないからである。また、大気中で熱処理をすると、ポリエーテルエーテルケトンがゲル化して複合磁性材料の強度が劣化する。アルゴンまたはヘリウム中で熱処理をすると製造コストが上昇する。なお、熱処理としてHIP(Hot Isostatic Pressing)、またはSPS(Spark Plasma Sintering)等も用いることができる。
最後に固化体を加工して複合磁性材料を得た。図1は、この発明に従った複合磁性材料の断面図である。図1を参照して、複合磁性材料1は、互いに有機物40で接合された複数の複合磁性粒子30を備える。複合磁性粒子30は、金属磁性粒子10と、その金属磁性粒子10の表面に接合する、金属酸化物または金属酸化物磁性物質を含む被覆層20とを有する。有機物40は、温度200℃以上の長期耐熱温度を有する。この複合磁性材料1の密度は7.55g/cm3であった。また、12000A/mの磁場を印加したときの磁束密度は17kGであり、電気抵抗率ρは10−3Ωcmであった。
さらに、複合磁性材料1を縦×横×厚みが10mm×50mm×10mmの角柱形状に加工した。スパンを40mmとして室温での三点曲げ試験を行なったところ、抗折強度は150MPaであった。また、スパンを40mmとして温度200℃での三点曲げ試験を行なったところ、抗折強度は130MPaであった。
以上の本発明では、ポリエーテルエーテルケトンの長期耐熱温度が200℃以上であるため、高温での強度が高くなり、複合磁性材料1の耐熱性が向上していることがわかる。さらに、ポリエーテルエーテルケトンは、軟化した際の粘度(溶融粘度)が低いため、少量でも毛細管現象が生じ、均一に拡散する。また、少量で確実に複合磁性粒子1同士を接合できるため、有機物の量を少なくすることができる。その結果、金属磁性材料10の割合を多くすることができ、磁気的特性を高めることができる。
さらに、金型潤滑成形を用いるため、成形体内の潤滑剤を減少させることができる。その結果、複合磁性材料10の密度が向上し、磁気的特性を高めることができる。また、成形体内部に空孔が発生することを防止できるため、透磁率を向上させることができる。
(実施例2および3)
実施例2および3では、実施例1の被覆層の平均厚みを50nmおよび100nmとし、実施例1と同様の製造方法により、複合磁性材料を得た。得られた複合磁性材料の成形体について、密度、12000A/mの磁場を印加したときの磁束密度、および電気抵抗率を測定した。さらに、複合磁性材料を縦×横×厚みが10mm×50mm×10mmの角柱形状に加工した。スパンを40mmとして室温での三点曲げ試験を行なったときの抗折強度、スパンを40mmとして温度200℃での三点曲げ試験を行なったときの抗折強度を測定した。それらの結果を表1に示す。
表1より、電気抵抗率が実施例1よりも向上していることがわかる。そのため、電気抵抗率を向上させたい場合には、被覆層の平均厚みを50nm以上100nm以下とすることが好ましい。
(比較例)
複合磁性粒子として、ヘガネス社製の商品名ソマロイ500を用意した。この粉末では、金属磁性粒子としての鉄粉の表面に、リンと鉄とを含む金属酸化物からなる被覆層が形成されている。複合磁性粒子の平均粒径は150μm以下、被覆層の平均厚みは20nmである。
複合磁性粒子に対して、質量比が0.6%となるように、アミド型のオリゴマーの粒子を混合した。
混合粉末を金型に入れて、室温中、圧力600MPaで圧縮した後、大気中で温度300℃で60分熱処理した。これにより複合磁性材料を得た。
この複合磁性材料の密度は7.15g/cm3であった。また、12000A/mの磁場を印加したときの磁束密度は15kGであり、電気抵抗率ρは2Ωcmであった。さらに、複合磁性材料を縦×横×厚みが10mm×50mm×10mmの角柱形状に加工した。スパンを40mmとして室温での三点曲げ試験を行なったところ、抗折強度は120MPaであった。また、スパンを40mmとして温度200℃での三点曲げ試験を行なったところ、抗折強度は10MPaであった。
以上、この発明の実施例について説明したが、ここで示した実施例はさまざまに変形することが可能である。
まず、上記の実施例では、被覆層がリンと鉄とを含む酸化物で形成されていたが、被覆層が金属酸化物磁性粒子で形成されていても、上記実施例と同様の効果を得ることができる。この場合、金属磁性粒子と金属酸化物磁性粒子とを混合する必要がある。金属磁性粒子と金属酸化物磁性粒子とを混合する方法に特に制限はなく、たとえばメカニカルアロイング法、ボールミル、振動ボールミル、遊星ボールミル、メカノフュージョン、共沈法、化学気相蒸着法(CVD法)、物理気相蒸着法(PVD法)、めっき法、スパッタリング法、蒸着法、ゾル−ゲル法などのいずれを使用することも可能である。
今回開示された実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明に従えば、高い耐熱性を有する複合磁性材料を得ることができる。
産業上の利用可能性
この発明に従った複合磁性材料は、チョークコイル、スイッチング電源素子および磁気ヘッドなどの電子部品、各種モータ部品、自動車用ソレノイド、各種磁気センサ、各種電磁弁等に用いられる。
【図面の簡単な説明】
図1は、この発明に従った複合磁性材料の断面図である。
Claims (10)
- 互いに有機物(40)で接合された複数の複合磁性粒子(30)を備え、
前記複合磁性粒子(30)は、金属磁性粒子(10)と、その金属磁性粒子(10)の表面に接合する、金属酸化物または金属酸化物磁性物質を含む被覆層(20)とを有し、
前記有機物(40)は、温度200℃以上の長期耐熱温度を有する、複合磁性材料。 - 前記有機物(40)は、ケトン基を有する熱可塑性樹脂、熱可塑性ポリエーテルニトリル樹脂、熱可塑性ポリアミドイミド樹脂、熱硬化性ポリアミドイミド樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、熱硬化性ポリイミド樹脂、ポリアリレート樹脂およびフッ素を有する樹脂からなる群より選ばれた少なくとも一種を含む、請求項1に記載の複合磁性材料。
- 前記被覆層(20)の厚みが0.005μm以上20μm以下である、請求項1に記載の複合磁性材料。
- 前記被覆層(20)の厚みが0.05μm以上0.1μm以下である、請求項3に記載の複合磁性材料。
- 前記金属酸化物磁性物質は、マグネタイト、マンガン−亜鉛フェライト、ニッケル−亜鉛フェライト、コバルトフェライト、マンガンフェライト、ニッケルフェライト、銅フェライト、マグネシウムフェライト、リチウムフェライト、マンガン−マグネシウムフェライト、銅−亜鉛フェライトおよびマンガン−亜鉛フェライトからなる群より選ばれた少なくとも1種を含む、請求項1に記載の複合磁性材料。
- 前記金属酸化物は、鉄とリンとを含む酸化物からなる、請求項1に記載の複合磁性材料。
- 前記金属磁性粒子(10)の平均粒径は5μm以上200μm以下である、請求項1に記載の複合磁性材料。
- 前記金属磁性粒子(10)は、鉄、鉄−シリコン系合金、鉄−窒素系合金、鉄−ニッケル系合金、鉄−炭素系合金、鉄−ホウ素系合金、鉄−コバルト系合金、鉄−リン系合金、鉄−ニッケル−コバルト系合金および鉄−アルミニウム−シリコン系合金からなる群より選ばれた少なくとも1種を含む、請求項1に記載の複合磁性材料。
- 前記複合磁性粒子(30)に対する前記有機物(40)の割合は、質量比で0.05%以上2%以下である、請求項1に記載の複合磁性材料。
- 12000A/m以上の磁場を印加したときの磁束密度Bが15kG以上であり、電気抵抗率ρが10−3Ωcm以上102Ωcm以下であり、温度200℃での抗折強度が100MPa以上である、請求項1に記載の複合磁性材料。
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