JP2005142533A - 軟磁性材料および圧粉磁心 - Google Patents
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Abstract
【課題】 所望の磁気的特性が得られる軟磁性材料および圧粉磁心を提供する。
【解決手段】 軟磁性材料は、金属磁性粒子と、金属磁性粒子の表面を取り囲む絶縁被膜とを含む複数の複合磁性粒子と、粉末状の有機物とを備える。複合磁性粒子の平均粒径Dと、有機物の平均粒径dとは、d/D≦0.7の関係を満たす。有機物の割合は、0を超え0.3質量%以下である。さらに、複合磁性粒子の平均粒径Dと、有機物の平均粒径dとは、d/D≦0.45の関係を満たす。有機物の割合は、0を超え0.15質量%未満である。
【選択図】 図3
【解決手段】 軟磁性材料は、金属磁性粒子と、金属磁性粒子の表面を取り囲む絶縁被膜とを含む複数の複合磁性粒子と、粉末状の有機物とを備える。複合磁性粒子の平均粒径Dと、有機物の平均粒径dとは、d/D≦0.7の関係を満たす。有機物の割合は、0を超え0.3質量%以下である。さらに、複合磁性粒子の平均粒径Dと、有機物の平均粒径dとは、d/D≦0.45の関係を満たす。有機物の割合は、0を超え0.15質量%未満である。
【選択図】 図3
Description
この発明は、一般的には、軟磁性材料および圧粉磁心に関し、より特定的には、金属磁性粒子と、その金属磁性粒子を覆う絶縁被膜とによって構成された複合磁性粒子を備える軟磁性材料および圧粉磁心に関する。
従来、モーターコアやトランスコアなどの電気電子部品において高密度化および小型化が図られており、より精密な制御を小電力で行なえることが求められている。このため、これらの電気電子部品の作製に使用される軟磁性材料であって、特に中高周波領域において優れた磁気的特性を有する軟磁性材料の開発が進められている。
このような軟磁性材料に関して、たとえば、特開2002−246219号公報には、高い温度環境下の使用に際しても磁気特性が維持できることを目的とした圧粉磁心およびその製造方法が開示されている(特許文献1)。特許文献1に開示された圧粉磁心の製造方法によれば、まず、粒度が150μm以下であるリン酸被膜処理アトマイズ鉄粉に、粒度が150μm以下のポリフェニレンサルファイド(PPS樹脂)を所定量混合し、これを圧縮成形する。さらに、得られた成形体を所定の温度で加熱し、冷却することによって圧粉磁心を作製する。
特開2002−246219号公報
特許文献1に開示された圧粉磁心の製造方法において、リン酸被膜処理アトマイズ鉄粉に混合するPPS樹脂は、潤滑剤として機能し、圧縮成形時にアトマイズ鉄粉の周りに形成されたリン酸被膜が破壊されることを防止している。
しかし、上述のようにリン酸被膜処理アトマイズ鉄粉およびPPS樹脂の粒度をそれぞれ規定した時、PPS樹脂の粒度がリン酸被膜処理アトマイズ鉄粉の粒度に対して大きすぎる場合がある。このような場合、圧縮成形時に、PPS樹脂を隣り合うリン酸被膜処理アトマイズ鉄粉間に確実に介在させることができず、一部のリン酸被膜が破壊されるという問題が生じる。
リン酸被膜が破壊されると、特に高周波を印加した場合に、リン酸被膜処理アトマイズ鉄粉の粒子間渦電流損が増大し、圧粉磁心の実効透磁率が低下する。実際、上述の製造方法によって作製された圧粉磁心では、5000Hzの周波数を印加した場合の実効透磁率が、50Hzの周波数を印加した場合の実効透磁率と比較して、PPS樹脂の含有量が0.3質量%以下の範囲で激減している。
また、このような問題を回避するため、リン酸被膜処理アトマイズ鉄粉に混合するPPS樹脂の割合を大きくして、隣り合うリン酸被膜処理アトマイズ鉄粉間にPPS樹脂を介在させやすくする方法が考えられる。しかしこの場合、全体に占めるアトマイズ鉄粉の割合が減少するため、圧粉磁心の実効透磁率がさらに低下してしまう。
そこでこの発明の目的は、上記の課題を解決することであり、所望の磁気的特性が得られる軟磁性材料および圧粉磁心を提供することである。
この発明に従った軟磁性材料は、金属磁性粒子と、金属磁性粒子の表面を取り囲む絶縁被膜とを含む複数の複合磁性粒子と、粉末状の有機物とを備える。複合磁性粒子の平均粒径Dと、有機物の平均粒径dとは、d/D≦0.7の関係を満たす。有機物の割合は、0を超え0.3質量%以下である。
このように構成された軟磁性材料によれば、有機物と複合磁性粒子との平均粒径比d/Dを0.7以下とすることによって、有機物の平均粒径dを複合磁性粒子の平均粒径Dに対して比較的小さくしている。このため、有機物の割合が0.3質量%以下であるにもかかわらず、加圧成形時において、有機物が複数の複合磁性粒子の各々の間に介在しやすくなる。そして、この有機物の潤滑機能により、加圧成形時、絶縁被膜が破壊されることを防止でき、その絶縁被膜によって複合磁性粒子間に渦電流が発生することを抑制できる。また、複合磁性粒子間に一様に有機物が介在することで、軟磁性材料から得られる成形体の強度を向上させることができる。また、有機物の割合は、0.3質量%以下の低い値に抑えられているため、軟磁性材料に占める金属磁性粒子の割合を大きくすることができる。以上に説明した理由から、本発明の軟磁性材料によれば、粒子間渦電流に起因する鉄損を低減しつつ、高い磁束密度を得ることができる。また、複合磁性粒子同士の結合強度を向上させることができる。
また好ましくは、複合磁性粒子の平均粒径Dと、有機物の平均粒径dとは、d/D≦0.45の関係をさらに満たす。このように構成された軟磁性材料によれば、加圧成形時において、有機物が複数の複合磁性粒子の各々の間にさらに介在しやすくなる。
また好ましくは、有機物の割合は、0を超え0.15質量%未満である。このように構成された軟磁性材料によれば、軟磁性材料に占める金属磁性粒子の割合をさらに大きくすることができる。これにより、さらに高い磁束密度を得ることができる。
また好ましくは、有機物は、6−12ナイロン、ポリテトラフルオロエチレン、熱可塑性ポリイミド、熱可塑性ポリアミド、熱可塑性ポリアミドイミド、高分子量ポリエチレンおよび高級脂肪酸系からなる群より選ばれた少なくとも一種を含む。なお、高分子量ポリエチレンとは、分子量が10万以上のポリエチレンをいう。
このように構成された軟磁性材料によれば、これらの材料から形成された有機物は、加圧成形時に応力を受ければある程度たわむ状態になっている。このため、有機物を複合磁性粒子間の潤滑剤として適切に機能させることができる。
この発明に従った圧粉磁心は、上述のいずれかに記載の軟磁性材料を用いて作製されている。その圧粉磁心は、8.0×103(A/m)の磁場を印加した場合の磁束密度B100が1.4(T:テスラ)よりも大きい。このように構成された圧粉磁心によれば、粒子間渦電流に起因する鉄損を低減しつつ、高い磁束密度を得るという上述の効果を奏することができる。
以上説明したように、この発明に従えば、所望の磁気的特性が得られる軟磁性材料および圧粉磁心を提供することができる。
この発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
この発明の実施の形態における軟磁性材料は、金属磁性粒子およびその金属磁性粒子の表面を取り囲む絶縁被膜から構成された複数の複合磁性粒子と、複数の複合磁性粒子を互いに接合するための粉末状の有機物とを備える。
複合磁性粒子の平均粒径をDとし、有機物の平均粒径をdとする場合、有機物と複合磁性粒子との平均粒径比d/Dは、0.7以下である。さらに好ましくは、有機物と複合磁性粒子との平均粒径比d/Dは、0.45以下である。
なお、ここで言う平均粒径とは、レーザー式の粒径測定法によって測定した粒径のヒストグラム中、粒径の小さいほうからの質量の和が総質量の50%に達する粒子の粒径、つまり50%粒径Dをいう。
また、軟磁性材料に占める有機物の割合は、0を超え0.3質量%以下である。さらに好ましくは、軟磁性材料に占める有機物の割合は、0を超え0.15質量%未満である。
図1は、この発明における軟磁性材料を用いて作製された成形体を拡大して示した模式図である。図1を参照して、軟磁性材料を用いて作製された成形体は、金属磁性粒子10と、金属磁性粒子10の表面を取り囲む絶縁被膜20とからなる複数の複合磁性粒子30を備える。複数の複合磁性粒子30の間には、有機物40が介在している。複数の複合磁性粒子30の各々は、粉末状から形状が変化した有機物40によって接合されていたり、複合磁性粒子30が有する凹凸の噛み合わせによって接合されている。
金属磁性粒子10は、たとえば、鉄(Fe)、鉄(Fe)−シリコン(Si)系合金、鉄(Fe)−窒素(N)系合金、鉄(Fe)−ニッケル(Ni)系合金、鉄(Fe)−炭素(C)系合金、鉄(Fe)−ホウ素(B)系合金、鉄(Fe)−コバルト(Co)系合金、鉄(Fe)−リン(P)系合金、鉄(Fe)−ニッケル(Ni)−コバルト(Co)系合金および鉄(Fe)−アルミニウム(Al)−シリコン(Si)系合金などから形成されている。金属磁性粒子10は、金属単体でも合金でもよい。
絶縁被膜20は、金属磁性粒子10をリン酸処理することによって形成されている。また好ましくは、絶縁被膜20は、酸化物を含有する。この酸化物を含有する絶縁被膜20としては、リンと鉄とを含むリン酸鉄の他、リン酸マンガン、リン酸亜鉛、リン酸カルシウム、酸化シリコン、酸化チタン、酸化アルミニウムまたは酸化ジルコニウムなどの酸化物絶縁体を使用することができる。
絶縁被膜20は、金属磁性粒子10間の絶縁層として機能する。金属磁性粒子10を絶縁被膜20で覆うことによって、軟磁性材料の電気抵抗率ρを大きくすることができる。これにより、金属磁性粒子10間に渦電流が流れるのを抑制して、渦電流に起因する軟磁性材料の鉄損を低減させることができる。
絶縁被膜20の厚みは、0.005μm以上20μm以下であることが好ましい。絶縁被膜20の厚みを0.005μm以上とすることによって、渦電流によるエネルギー損失を効果的に抑制することができる。また、絶縁被膜20の厚みを20μm以下とすることによって、軟磁性材料に占める絶縁被膜20の割合が大きくなりすぎることがない。このため、軟磁性材料の磁束密度が著しく低下することを防止できる。
有機物40としては、6−12ナイロン、ポリテトラフルオロエチレン(テフロン(登録商標))、熱可塑性ポリイミド、熱可塑性ポリアミド、熱可塑性ポリアミドイミドおよび高分子量ポリエチレンを用いることができる。また他に、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミドまたはポリエーテルエーテルケトンなどの熱可塑性樹脂や、全芳香族ポリエステルまたは全芳香族ポリイミドなどの非熱可塑性樹脂を用いることができる。また、高級脂肪酸系であるステアリン酸亜鉛、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸カルシウム、パルミチン酸リチウム、パルミチン酸カルシウム、オレイン酸リチウムまたはオレイン酸カルシウムなどを用いることもできる。さらに、これらを互いに混合して用いることもできる。
続いて、軟磁性材料から図1中に示す成形体を製造する方法について説明する。まず、d/D≦0.7の関係を満たす平均粒径Dおよびdを有する複合磁性粒子30および有機物40を準備する。この際、複合磁性粒子30および有機物40の原料を分級することによって、所定の平均粒径を有する複合磁性粒子30および有機物40が得られる。また、比較的小さい平均粒径を得たい場合には、原料を低温粉砕してから分級すれば良い。
なお、次工程に移る前に、準備した有機物40を予備乾燥させても良い。この場合、たとえば30℃以上60℃以下の温度で10分間以上、有機物40を乾燥させる。このような工程を実施することによって、湿気により有機物40が固まることを防止でき、次工程において有機物40を混合粉末の全体に渡って分散させることができる。
次に、V型混合機を用いて、たとえば36rpm以上の回転速度で60分間以上、複合磁性粒子30と有機物40とを混合する。この際、全体に占める有機物40の割合が0.3質量%以下となるように、両者を混合する。なお、混合方法に特に制限はなく、たとえばメカニカルアロイング法、振動ボールミル、遊星ボールミル、メカノフュージョン、共沈法、化学気相蒸着法(CVD法)、物理気相蒸着法(PVD法)、めっき法、スパッタリング法、蒸着法またはゾル−ゲル法などのいずれを使用することも可能である。
次に、得られた混合粉末を金型に入れ、たとえば、700MPaから1500MPaまでの圧力で加圧成形する。これにより、混合粉末が圧縮されて成形体が得られる。加圧成形する雰囲気は、不活性ガス雰囲気または減圧雰囲気とすることが好ましい。この場合、大気中の酸素によって混合粉末が酸化されるのを抑制できる。
有機物40と複合磁性粒子30との平均粒径比d/Dを0.7以下とすることによって、隣り合う複合磁性粒子30間に有機物40を介在させやすくなる。つまり、たとえば0.3質量%という同一量の有機物40を複合磁性粒子30に混合した場合であっても、有機物40の平均粒径dが複合磁性粒子30の平均粒径Dに対して小さければ小さいほど、有機物40が隣り合う複合磁性粒子30間に存在する確率は大きくなる。また、存在させるだけでなく、数多くの有機物40を隣り合う複合磁性粒子30間に介在させやすくなる。
このため、いずれの複合磁性粒子30間においても、有機物40を加圧成形時の潤滑剤として機能させることができる。これによって、複合磁性粒子30同士が直接接触し、絶縁被膜20が破壊されることを防ぐことができる。
その後、加圧成形によって得られた成形体を、有機物40のガラス転移温度を超え、有機物40の熱分解温度以下の温度で熱処理する。これにより、有機物40が熱分解されるのを抑制しつつ、有機物40を複合磁性粒子30間に入り込ませることができる。このとき、有機物40が、複合磁性粒子30間に一様に介在するため、複合磁性粒子30同士の結合強度を向上させることができる。また別に、加圧成形時に成形体の内部に発生した歪および転位を取り除くことができる。以上に説明した工程により、図1中の成形体が完成する。
この発明の実施の形態における軟磁性材料の製造方法は、金属磁性粒子10および金属磁性粒子10の表面を取り囲む絶縁被膜20を含む複数の複合磁性粒子30と、粉末状の有機物40とを混合することによって混合体を形成する工程を備える。複合磁性粒子30の平均粒径Dと、有機物40の平均粒径dとは、d/D≦0.7の関係を満たし、かつ、全体に占める有機物40の割合は、0を超え0.3質量%以下である。圧粉磁心の製造方法は、混合体を加圧成形することによって成形体を形成する工程をさらに備える。
また好ましくは、軟磁性材料の製造方法は、混合体を形成する工程の前に、30℃以上60℃以下の温度で10分間以上、有機物40を乾燥させる工程をさらに備える。また好ましくは、混合体を形成する工程は、所定の混合機を用いて36rpm以上の回転速度で60分間以上、複合磁性粒子30と有機物40とを混合する工程を含む。
このように構成された軟磁性材料およびその製造方法によれば、有機物40と複合磁性粒子30との平均粒径比d/Dを所定の範囲に設定することによって、絶縁被膜20を破壊させることなく成形体を形成することができる。このため、加圧成形後においても、絶縁被膜20は、金属磁性粒子10間の絶縁層として確実に機能する。これにより、金属磁性粒子10間で発生する渦電流を抑制し、渦電流に起因する鉄損を低減させることができる。また、有機物40の割合は、0.3質量%以下の低い値に抑えられているため、全体に占める金属磁性粒子10の割合を一定以上確保することができる。これにより、高い磁束密度を得ることができる。
なお、本実施の形態における軟磁性材料を、チョークコイル、スイッチング電源素子および磁気ヘッドなどの電子部品、各種モータ部品、自動車用ソレノイド、各種磁気センサならびに各種電磁弁などに使用することができる。
以下に説明する実施例によって、本発明による軟磁性材料の評価を行なった。
実施の形態に記載の製造方法に従って、図1中の成形体を作製した。この際、複合磁性粒子30として、ヘガネス社製の商品名「ソマロイ500」を用いた。この粉末では、金属磁性粒子としての鉄粉の表面に、絶縁被膜としてのリン酸化合物被膜が形成されている。また、有機物40には、6−12ナイロンであるデュポン社製の商品名「ザイテル151L」を用いた。
本実施例では、これらの粉末を低温粉砕することによって微細化し、そのあと分級した。これにより、100μmの平均粒径Dを有する複合磁性粒子30と、5μmから154μmの範囲で平均粒径dを有する有機物40とを得た。
この複合磁性粒子30と有機物40とを混合し、両者の平均粒径比d/Dが異なる複数種類の混合粉末を作製した。全体に占める有機物40の割合は、0.1質量%とした。複合磁性粒子30と有機物40との混合には、V型混合機を用い、回転速度を36rpm、混合時間を120分とした。
加圧圧力を882MPaとして加圧工程を実施し、φ35mm(外径)×φ25mm(内径)×5mm(高さ)の大きさを有するリング状の試験片を作製した。次に、この試験片に温度300℃で1時間の熱処理を窒素雰囲気中で行なった。
得られた試験片に対して、50Hzから100000Hzの範囲で周波数を変えて交流磁場を常温で印加し、各周波数における透磁率μAを測定した。そして、50Hzの交流磁場を印加した場合の透磁率をμBとしてμA/μBを求め、周波数を上げることによってどの程度透磁率が減少するかを調べた。図2は、この実施例において、透磁率の減少率μA/μBと各周波数との関係を示すグラフである。
また、測定によって得られた透磁率μAが、50Hzの交流磁場を印加した場合の透磁率μBの5%減となる周波数を求め、有機物40と複合磁性粒子30との平均粒径比d/Dごとに表1および図3に示した。図3は、この実施例において、透磁率μAの5%減周波数と平均粒径比d/Dとの関係を示すグラフである。
図2および図3を参照して分かるように、有機物40と複合磁性粒子30との平均粒径比d/Dを0.7以下にすることによって、透磁率μAが透磁率μBから5%減となる周波数を高周波側に引き上げることができた。また、d/Dが0.45以下である場合には、6000Hzの周波数においても透磁率μAの減少が軽微であることを確認できた。
続いて、平均粒径比d/Dが0.7となる複合磁性粒子30と有機物40とを、全体に占める有機物40の割合が0.01質量%から0.60質量%までの範囲で変化するように混合した。先ほどと同様に、リング状の試験片を作製し、その試験片に100(エルステッド)の磁場を印加して、その時の磁束密度B100を測定した。測定した結果を、有機物40の割合ごとに表2および図4に示した。図4は、この実施例において、磁束密度B100と有機物の割合との関係を示すグラフである。
図4を参照して分かるように、有機物40の割合を0.3質量%以下とすることによって、1.4(テスラ)よりも大きい磁束密度を得ることができた。さらに、有機物40の割合を0.15質量%未満とすることによって、1.49(テスラ)を超える磁束密度を得ることができた。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 金属磁性粒子、20 絶縁被膜、30 複合磁性粒子、40 有機物。
Claims (5)
- 金属磁性粒子と、前記金属磁性粒子の表面を取り囲む絶縁被膜とを含む複数の複合磁性粒子と、
粉末状の有機物とを備え、
前記複合磁性粒子の平均粒径Dと、前記有機物の平均粒径dとは、d/D≦0.7の関係を満たし、
前記有機物の割合は、0を超え0.3質量%以下である、軟磁性材料。 - 前記複合磁性粒子の平均粒径Dと、前記有機物の平均粒径dとは、d/D≦0.45の関係をさらに満たす、請求項1に記載の軟磁性材料。
- 前記有機物の割合は、0を超え0.15質量%未満である、請求項1または2に記載の軟磁性材料。
- 前記有機物は、6−12ナイロン、ポリテトラフルオロエチレン、熱可塑性ポリイミド、熱可塑性ポリアミド、熱可塑性ポリアミドイミド、高分子量ポリエチレンおよび高級脂肪酸系からなる群より選ばれた少なくとも一種を含む、請求項1から3のいずれか1項に記載の軟磁性材料。
- 請求項1から4のいずれか1項に記載の軟磁性材料を用いて作製された圧粉磁心であって、
8.0×103(A/m)の磁場を印加した場合の磁束密度が、1.4(T:テスラ)よりも大きい、圧粉磁心。
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