JP2008297622A - 軟磁性材料、圧粉磁心、軟磁性材料の製造方法および圧粉磁心の製造方法 - Google Patents

軟磁性材料、圧粉磁心、軟磁性材料の製造方法および圧粉磁心の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】鉄損を低減できる軟磁性材料、圧粉磁心、軟磁性材料の製造方法および圧粉磁心の製造方法を提供する。
【解決手段】軟磁性材料は、金属磁性粒子10と、金属磁性粒子10の表面を取り囲む絶縁被膜20とを有する複数の複合磁性粒子30を備えている。一の局面における金属磁性粒子10は、コバルトを0を越えて7質量%以下、シリコン、アルミニウム、クロムおよびリンからなる群より選ばれた少なくとも一種の金属元素を0を越えて10質量%以下含有し、残部が鉄および不可避的不純物からなる。他の局面における金属磁性粒子10は、コバルトを0を越えて7質量%以下含有し、残部が鉄および不可避的不純物からなる。
【選択図】図1

Description

本発明は軟磁性材料、圧粉磁心、軟磁性材料の製造方法および圧粉磁心の製造方法に関し、特に低い鉄損を実現できる軟磁性材料、圧粉磁心、軟磁性材料の製造方法および圧粉磁心の製造方法に関する。
従来、電磁弁、モータ、または電気回路などを有する電気機器には、軟磁性材料が使用されている。この軟磁性材料は複数の複合磁性粒子により構成されており、複数の複合磁性粒子の各々は、たとえば純鉄からなる金属磁性粒子と、その表面を被覆する絶縁被膜とを有している。軟磁性材料には、小さな磁場の印加で大きな磁束密度を得ることができる磁気特性と、外部からの磁界に対して敏感に反応できる磁気特性とが求められる。
この軟磁性材料を用いて作製した圧粉磁心を交流磁場で使用した場合、鉄損と呼ばれるエネルギ損失が生じる。この鉄損は、ヒステリシス損失と渦電流損失との和で表される。ヒステリシス損失は、軟磁性材料の磁束密度を変化させるために必要なエネルギによって生じるエネルギ損失であり、渦電流損失は、主として軟磁性材料を構成する金属磁性粒子間を流れる渦電流によって生じるエネルギ損失である。ヒステリシス損失は動作周波数に比例し、渦電流損失は動作周波数の2乗に比例する。そのため、ヒステリシス損失は主に低周波領域において支配的になり、渦電流損失は主に高周波領域において支配的になる。圧粉磁心にはこの鉄損の発生を小さくする磁気的特性、すなわち高い交流磁気特性が求められる。
圧粉磁心の鉄損のうちヒステリシス損失は、圧粉磁心の保磁力に比例し、さらには軟磁性材料の保磁力に比例する。保磁力は軟磁性材料内に残留する歪みの影響を受け、その歪みが大きいほど成形した圧粉磁心にも影響を及ぼす。圧粉磁心の保磁力を低減するためには、軟磁性材料を加圧成形して、得られた成形体を熱処理する。ここで、成形体の熱処理は、成形時に生じた成形歪みを除去するために行なわれている。歪みを十分に除去するためには、成形体を熱処理する温度を高くすることが望ましい。しかしながら、熱処理時の温度を絶縁被膜の耐熱温度を超える温度にすると、金属磁性粒子間の絶縁が取れなくなるため、渦電流損失が増大し、その結果、鉄損が増大してしまう。
このような鉄損の低減を目的として、たとえば特開2005−146315号公報(特許文献1)には、鉄とケイ素とを主成分とする金属磁性粒子と、金属磁性粒子の表面に形成された金属磁性粒子を外部酸化処理して得られる絶縁被膜とからなる複数の複合磁性粒子を備えた軟磁性材料が開示されている。
特開2005−146315号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示の軟磁性材料が有する絶縁被膜の耐熱温度は、内部に残留する歪みを十分に除去できる程度まで高くない。そのため、上記特許文献1に開示の軟磁性材料を加圧成形して、成形体を絶縁被膜の耐熱温度以下で熱処理をすると、絶縁被膜の耐熱温度が低いため、鉄損を十分には低減できないという問題があった。
したがって本発明の目的は、鉄損を低減できる軟磁性材料、圧粉磁心、軟磁性材料の製造方法および圧粉磁心の製造方法を提供することである。
本発明者は、保磁力を低減する軟磁性材料を鋭意研究した結果、金属磁性粒子が所定の割合のコバルトを含有することによって、軟磁性材料を加圧成形する際に生じる歪みが熱処理において回復し易くなり、その結果、低い温度での熱処理でも保磁力を低減させることができることを見出した。
本発明の一の局面における軟磁性材料は、金属磁性粒子と、金属磁性粒子の表面を取り囲む絶縁被膜とを有する複数の複合磁性粒子を備えた軟磁性材料である。金属磁性粒子は、コバルト(Co)を0を越えて7質量%以下、シリコン(Si)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)およびリン(P)からなる群より選ばれた少なくとも一種の金属元素を0を越えて10質量%以下含有し、残部が鉄(Fe)および不可避的不純物からなる。
本発明の軟磁性材料の一の局面における製造方法によれば、Coを0を越えて7質量%以下、Si、Al、CrおよびPからなる群より選ばれた少なくとも一種の金属元素を0を越えて10質量%以下含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる金属磁性粒子を準備する工程と、金属磁性粒子の表面を取り囲む絶縁被膜を形成する工程とを備えている。
本発明者は、Si、Al、CrおよびPの少なくとも一種の金属元素を含有することによる金属磁性粒子の材料自体の保磁力を低減できる効果と、Coを含有することによる熱処理時の温度の上昇に対して保磁力を大きく低減できる効果とを相乗的に示す材料を鋭意研究した結果、本発明の一の局面における軟磁性材料および軟磁性材料の製造方法を見出した。本発明の一の局面における軟磁性材料および軟磁性材料の製造方法によれば、Coの含有割合が0を越えているので、熱処理時の温度が低い温度であっても保磁力を低減できる。Coの含有割合が7質量%以下であると、軟磁性材料自体の保磁力が上昇することを抑制できる。Si、Al、CrおよびPの少なくとも一種の金属元素の含有割合が0を越えると、軟磁性材料自体の保磁力を低減できる。Si、Al、CrおよびPの合計の割合が10質量%以下であると、磁束密度の低下を防止できる。そのため、Coおよび少なくとも一種の金属元素を含有することにより保磁力を低減できる。よって、ヒステリシス損失を低減でき、その結果として鉄損を低減できる。
本発明の他の局面における軟磁性材料は、金属磁性粒子と、金属磁性粒子の表面を取り囲む絶縁被膜とを有する複数の複合磁性粒子を備えた軟磁性材料である。金属磁性粒子は、Coを0を越えて7質量%以下含有し、残部が鉄および不可避的不純物からなる。
本発明の他の局面における軟磁性材料の製造方法によれば、Coを0を越えて7質量%以下含有し、残部が鉄および不可避的不純物からなる金属磁性粒子を準備する工程と、金属磁性粒子の表面を取り囲む絶縁被膜を形成する工程とを備えている。
本発明者は、鉄を含有する金属磁性粒子が、Coを含有することによる熱処理時の温度の上昇に対して保磁力を大きく低減できる効果を最も示す材料を鋭意研究した結果、本発明の他の局面における軟磁性材料および軟磁性材料の製造方法を見出した。本発明の他の局面における軟磁性材料および軟磁性材料の製造方法によれば、Coの含有割合が0を越えているので、熱処理時の温度が低い温度であっても保磁力を低減できる。Coの含有割合が7質量%以下であると、軟磁性材料自体の保磁力が上昇することを抑制できる。
上記軟磁性材料において好ましくは、絶縁被膜は、リン化合物、ケイ素化合物、ジルコニウム化合物、ホウ素化合物、シリコーン樹脂、熱可塑性樹脂、非熱可塑性樹脂および高級脂肪酸からなる群より選ばれた少なくとも一種の物質よりなる。
上記軟磁性材料の製造方法において好ましくは、形成する工程では、リン化合物、ケイ素化合物、ジルコニウム化合物、ホウ素化合物、シリコーン樹脂、熱可塑性樹脂、非熱可塑性樹脂および高級脂肪酸からなる群より選ばれた少なくとも一種の物質よりなる前記絶縁被膜を形成する。
これにより、金属磁性粒子間を流れる渦電流を効果的に抑制できる。そのため、鉄損を低減できる。
本発明の圧粉磁心は、上記いずれかの軟磁性材料を用いて製造されている。また、本発明の圧粉磁心の製造方法は、上記いずれかに記載の軟磁性材料の製造方法により軟磁性材料を製造する工程と、軟磁性材料を加圧成形して、成形体を得る工程と、成形体を絶縁被膜の耐熱温度以下で熱処理する工程とを備えている。
本発明の圧粉磁心および圧粉磁心の製造方法によれば、成形体を絶縁被膜の耐熱温度以下で熱処理を行なっても、保磁力を低減できる。そのため、鉄損を低減した圧粉磁心が得られる。
なお、本明細書において「絶縁被膜の耐熱温度以下」とは、絶縁被膜が熱分解される温度以下の温度を意味する。
以上説明したように本発明の軟磁性材料、圧粉磁心、軟磁性材料の製造方法および圧粉磁心の製造方法によれば、鉄損を低減できる。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には、同一の参照符号を付し、その説明は繰り返さない。
図1は、本発明の一実施の形態における軟磁性材料を模式的に示す図である。図1に示すように、本実施の形態における軟磁性材料は、金属磁性粒子10と、金属磁性粒子10の表面を取り囲む絶縁被膜20とを有する複数の複合磁性粒子30とを備える。
図2は、本発明の一実施の形態における圧粉磁心の拡大断面図である。なお、図2の圧粉磁心は、図1の軟磁性材料に加圧成形および熱処理を施すことによって製造されたものである。図1および図2に示すように、本実施の形態における圧粉磁心において、複数の複合磁性粒子30の各々は、有機物(図示せず)によって接合されていたり、複合磁性粒子30が有する凹凸の噛み合わせなどによって接合されていたりする。
また、金属磁性粒子10がFe−M(Mはシリコン、アルミニウム、クロムおよびリンからなる群より選ばれた少なくとも一種の金属元素)−Co系合金である場合には、金属磁性粒子10は、コバルト(Co)を0を越えて7質量%以下、シリコン(Si)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)およびリン(P)からなる群より選ばれた少なくとも一種の金属元素を0を越えて10質量%以下含有し、残部が鉄(Fe)および不可避的不純物からなる。また、金属磁性粒子10は、Coを0を越えて1質量%以下、Si、Al、CrおよびPからなる群より選ばれた少なくとも一種の金属元素を0を越えて2質量%以下含有し、残部が鉄および不可避的不純物からなることが好ましい。また、金属磁性粒子10は、Coを0を越えて0.5質量%以下、Si、Al、CrおよびPからなる群より選ばれた少なくとも一種の金属元素を0を越えて2質量%以下含有し、残部が鉄および不可避的不純物からなることがより好ましい。
金属磁性粒子10がFe−M−Co系合金である場合には、Coの含有割合が0を越えていると、軟磁性材料を加圧成形してなる成形体を熱処理する温度が低くても、熱処理時の温度の上昇に対して保磁力の低減が大きいので、保磁力を低減できる。一方、Coの含有割合が7質量%以下であると、軟磁性材料自体の保磁力が上昇することを抑制でき、成形体密度の低下を抑制することによって絶縁被膜の耐熱温度以下で熱処理を行なった成形体の保磁力を低減できる。また、Coは、鉄に比べて高価であるため、原料コストの上昇を抑制できる。Coの含有割合が1質量%以下であると、成形体の保磁力をより低減できるとともに、コストを低減できる。Coの含有割合が0.5質量%以下であると、コストをより低減できる。
また、金属磁性粒子10がFe−M−Co系合金である場合には、少なくとも一種の金属元素(M)の含有割合が0を越えると、軟磁性材料自体の保磁力を低減できる。少なくとも一種の金属元素の含有割合が10質量%以下であると、成形体密度の低下および磁性元素の低下によるヒステリシス損失の増大と磁束密度の低下を抑制できる。少なくとも一種の金属元素の含有割合が2質量%以下であると、ヒステリシス損失を低減できるとともに、磁束密度の低下をより抑制できる。
本実施の形態の軟磁性材料および圧粉磁心において、金属磁性粒子10がFe−Co系合金である場合には、金属磁性粒子10は、コバルト(Co)を0を越えて7質量%以下含有し、残部が鉄(Fe)および不可避的不純物からなる。また、金属磁性粒子10は、コバルトを0を越えて1.0質量%以下含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなることが好ましい。また、金属磁性粒子10は、コバルトを0を越えて0.5質量%以下含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなることがより好ましい。
金属磁性粒子10がFe−Co系合金である場合におけるCoの含有割合については、Fe−M−Co系合金と同様の理由による。Feの含有割合が多いと、磁束密度を向上でき、成形体密度を向上でき、さらにコストを低減できる。
なお、金属磁性粒子10に含まれるFe、Co、Si、Al、CrおよびPなどの含有割合は、誘導結合プラズマ原子分光分析(ICP-AES)によって測定することができる。この際、適当な粉砕処理(圧粉磁心の場合)および化学処理により、軟磁性材料および圧粉磁心から絶縁被膜および樹脂を除去して測定を行なう。
金属磁性粒子10の平均粒径は、30μm以上500μm以下であることが好ましい。金属磁性粒子10の平均粒径を30μm以上とすることにより、保磁力をより低減することができる。平均粒径を500μm以下とすることにより、渦電流損を低減することができる。
なお、金属磁性粒子10の平均粒径とは、粒径のヒストグラム中、粒径の小さいほうからの質量の和が総質量の50%に達する粒子の粒径、つまり50%粒径をいう。
絶縁被膜20は、金属磁性粒子10間の絶縁層として機能する。金属磁性粒子10を絶縁被膜20で覆うことによって、この軟磁性材料を加圧成形して得られる圧粉磁心の電気抵抗率ρを大きくすることができる。これにより、金属磁性粒子10間に渦電流が流れるのを抑制して、圧粉磁心の渦電流損を低減させることができる。
絶縁被膜20の平均膜厚は、10nm以上1μm以下であることが好ましい。絶縁被膜20の平均膜厚を10nm以上とすることによって、渦電流損を効果的に抑制することができる。絶縁被膜20の平均膜厚を1μm以下とすることによって、加圧成形時に絶縁被膜20がせん断破壊することを防止できる。また、軟磁性材料に占める絶縁被膜20の割合が大きくなりすぎないので、軟磁性材料を加圧成形して得られる圧粉磁心の磁束密度が著しく低下することを防止できる。
なお、平均膜厚とは、組成分析(TEM−EDX:transmission electron microscope energy dispersive X-ray spectroscopy)によって得られる膜組成と、誘導結合プラズマ質量分析(ICP−MS:inductively coupled plasma-mass spectrometry)によって得られる元素量とを鑑みて相当厚さを導出し、さらに、TEM写真により直接、被膜を観察し、先に導出された相当厚さのオーダーが適正な値であることを確認して決定されるものをいう。
また、絶縁被膜20は、リン化合物、ケイ素化合物、ジルコニウム化合物、ホウ素化合物、シリコーン樹脂、熱可塑性樹脂、非熱可塑性樹脂および高級脂肪酸からなる群より選ばれた少なくとも一種の物質よりなることが好ましい。絶縁被膜20が、リン化合物、ケイ素化合物、ジルコニウム化合物、およびホウ素化合物からなる群より選ばれた少なくとも一種の物質よりなると、これらの物質は絶縁性に優れているため、金属磁性粒子10間を流れる渦電流を効果的に抑制できる。たとえば、リン化合物としてはリン酸鉄、リン酸マンガン、リン酸亜鉛およびリン酸カルシウム、ケイ素化合物としては酸化シリコン、ジルコニウム化合物としては酸化ジルコニウムなどが好適に用いられる。特に、絶縁被膜20にリン酸塩を含む金属酸化物を使用することにより、金属磁性粒子10の表面を覆う被覆層をより薄くすることができる。これにより、複合磁性粒子30の磁束密度を大きくすることができ、磁気特性を向上できる。
絶縁被膜20が、シリコーン樹脂、熱可塑性樹脂、非熱可塑性樹脂、または高級脂肪酸塩からなると、これらの物質は耐熱性に優れているため、金属磁性粒子10間を流れる渦電流損失を効果的に抑制できる。具体的には、熱可塑性樹脂としては、熱可塑性ポリイミド、熱可塑性ポリアミド、熱可塑性ポリアミドイミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミドまたはポリエーテルエーテルケトン、高分子量ポリエチレン、全芳香族ポリエステルなどが好適に用いられる。非可塑性樹脂としては、全芳香族ポリイミドや非熱可塑性ポリアミドイミドなどが好適に用いられる。高級脂肪酸としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸カルシウム、パルミチン酸リチウム、パルミチン酸カルシウム、オレイン酸リチウムまたはオレイン酸カルシウムなどのが好適に用いられる。また、これらの有機物を互いに混合して用いることもできる。なお、高分子量ポリエチレンとは、分子量が10万以上のポリエチレンをいう。
また、絶縁被膜20は、金属としてFe、Al、Ca(カルシウム)、Mn(マンガン)、Zn(亜鉛)、Mg(マグネシウム)、V(バナジウム)、Cr、Y(イットリウム)、Ba(バリウム)、Sr(ストロンチウム)、または希土類元素を用いた金属酸化物、金属窒化物、金属酸化物、リン酸金属塩化合物、ホウ酸金属塩化合物、またはケイ酸金属塩化合物などよりなっていてもよい。
また、絶縁被膜20は、Al、Si、Mg、Y、Ca、Zr(ジルコニウム)、およびFeからなる群より選ばれる少なくとも1種の物質のリン酸塩の非晶質化合物、および当該物質のホウ酸塩の非晶質化合物よりなっていてもよい。
さらに、絶縁被膜20は、Si、Mg、Y、Ca、およびZrからなる群より選ばれる少なくとも1種の物質の酸化物の非晶質化合物よりなっていてもよい。
上記においては軟磁性材料を構成する複合磁性粒子が1層の絶縁被膜により構成されている場合について示したが、軟磁性材料を構成する複合磁性粒子が複数層の絶縁被膜により構成されていてもよい。絶縁被膜20は、一の絶縁被膜と、一の絶縁被膜の表面を取り囲む他の絶縁被膜を有し、一の絶縁被膜はリン化合物、ケイ素化合物、ジルコニウム化合物、およびホウ素化合物からなる群より選ばれた少なくとも一種の物質よりなり、他の絶縁被膜は、シリコーン樹脂、熱可塑性樹脂、非熱可塑性樹脂、および高級脂肪酸塩からなる群より選ばれる少なくとも一種の物質よりなることが好ましい。これにより、一の絶縁被膜が他の絶縁被膜によって保護され、軟磁性材料の熱処理の際に一の絶縁被膜の温度上昇を他の絶縁被膜によって抑制することができる。このため、絶縁被膜20の耐熱性を向上することができる。また、上記物質は高い耐熱性を有するとともに、複合磁性粒子同士の接合強度を高める役割を果たす。
図1に示す軟磁性材料は添加剤(図示せず)をさらに備えていてもよく、図2に示す圧粉磁心は、添加剤が熱処理されてなる有機物(図示せず)をさらに備えていてもよい。添加剤は、たとえば金属石鹸および六方晶系の結晶構造を有する無機潤滑剤の少なくとも一方からなることが好ましい。これらの添加剤は、潤滑性が高いので、金属磁性粒子10の流動性を向上できる。
図3は、本発明の一実施の形態における圧粉磁心の製造方法を工程順に示す図である。図1〜図3を参照して、本実施の形態における軟磁性材料および圧粉磁心を製造する方法(S10、S20)について説明する。
図3を参照して、まず、所定の成分を含有する金属磁性粒子10を準備する工程(S11)を実施する。具体的には、Fe−M−Co系合金の金属磁性粒子10を用いる場合には、コバルト(Co)を0を越えて7質量%以下、シリコン(Si)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)およびリン(P)からなる群より選ばれた少なくとも一種の金属元素を0を越えて10質量%以下含有し、残部が鉄(Fe)および不可避的不純物からなる金属磁性粒子を準備する。この場合、コバルトを0を越えて1質量%以下、シリコン、アルミニウム、クロムおよびリンからなる群より選ばれた少なくとも一種の金属元素を0を越えて2質量%以下含有し、残部が鉄(Fe)および不可避的不純物からなる金属磁性粒子を準備することが好ましい。Fe−Co系合金の金属磁性粒子10を用いる場合には、コバルト(Co)を0を越えて7質量%以下含有し、残部が鉄(Fe)および不可避的不純物からなる金属磁性粒子を準備する。この場合、コバルトを0を越えて1.0質量%以下含有し、残部が鉄および不可避的不純物からなる金属磁性粒子を準備することが好ましい。これらの金属磁性粒子10は、所定の成分を含有するFeをアトマイズ法または水アトマイズ法などにより粉末化して準備される。
次に、金属磁性粒子10を熱処理する工程(S12)を実施する。熱処理の温度は、たとえば700℃以上1400℃未満であることが好ましく、1000℃以上1400℃未満であることがさらに好ましい。熱処理前の金属磁性粒子10の内部には、アトマイズ処理時の熱応力などに起因する歪みや結晶粒界などの多数の欠陥が存在している。そこで、金属磁性粒子10に熱処理を実施することによって、これらの欠陥を低減させることができる。なお、この熱処理する工程(S12)は省略されてもよい。
次に、金属磁性粒子10の表面を取り囲む絶縁被膜20を形成する工程(S13)を実施する。形成する工程(S13)では、リン化合物、ケイ素化合物、ジルコニウム化合物、ホウ素化合物、シリコーン樹脂、熱可塑性樹脂、非熱可塑性樹脂および高級脂肪酸からなる群より選ばれた少なくとも一種の物質よりなる絶縁被膜20を形成することが好ましい。
具体的には、絶縁被膜20は、たとえば金属磁性粒子10をリン酸塩化成処理することによって形成することができる。また、リン酸塩からなる絶縁被膜の形成方法としては、リン酸塩化成処理の他に溶剤吹きつけや前駆体を用いたゾルゲル処理を利用することもできる。また、シリコン系有機化合物よりなる絶縁被膜20を形成してもよい。この絶縁被膜の形成には、有機溶剤を用いた湿式被覆処理や、ミキサーによる直接被覆処理などを利用することができる。これにより、金属磁性粒子10の各々の表面に絶縁被膜20を形成でき、複数の複合磁性粒子30が得られる。
上記においては軟磁性材料を構成する複合磁性粒子30が1層の絶縁被膜20により構成されている場合について示したが、軟磁性材料を構成する複合磁性粒子30が上述したように複数層の絶縁被膜20により構成されていてもよい。
複数層の絶縁被膜20を備える軟磁性材料を製造する場合には、一の絶縁被膜と、一の絶縁被膜の表面を取り囲む他の絶縁被膜とを形成し、一の絶縁被膜はリン化合物、ケイ素化合物、ジルコニウム化合物、およびホウ素化合物からなる群より選ばれた少なくとも一種の物質よりなり、他の絶縁被膜は、シリコーン樹脂、熱可塑性樹脂、非熱可塑性樹脂、および高級脂肪酸塩からなる群より選ばれる少なくとも一種の物質よりなることが好ましい。
複数層の絶縁被膜を形成する場合には、たとえば、一の絶縁被膜の形成された金属磁性粒子10の各々と、後述する添加剤を混合する工程(S14)で添加される添加剤とを混合し、他の絶縁被膜を形成する。
他の絶縁被膜を形成する方法としては、上記方法の他、有機溶媒に溶かしたシリコーン樹脂を混合あるいは噴霧し、その後シリコーン樹脂を乾燥させて有機溶媒を除去するといった方法を用いてもよい。
次に、複数の複合磁性粒子30に添加剤を加える工程(S14)を実施する。加える工程(S14)では、金属磁性粒子10と添加剤とを混合する。混合方法については特に制限はなく、たとえばメカニカルアロイング法、振動ボールミル、遊星ボールミル、メカノフュージョン、共沈法、化学気相蒸着法(CVD法)、物理気相蒸着法(PVD法)、めっき法、スパッタリング法、蒸着法またはゾル−ゲル法などのいずれを使用することも可能である。必要に応じて複数の種類の添加剤を添加してもよい。なお、加える工程(S14)は、省略されてもよい。
以上の工程(S11〜S14)を実施することにより、本実施の形態の軟磁性材料が得られる。なお、本実施の形態における圧粉磁心を製造する場合には、さらに以下の工程が行なわれる。
次に、軟磁性材料を加圧成形して、成形体を得る工程(S21)を実施する。成形体を得る工程(S21)では、得られた軟磁性材料を金型に入れ、たとえば390(MPa)から1500(MPa)までの範囲の圧力で加圧成形する。これにより、軟磁性材料が圧粉成形された成形体が得られる。加圧成形する雰囲気は、不活性ガス雰囲気または減圧雰囲気とすることが好ましい。この場合、大気中の酸素によって軟磁性材料中の混合粉末が酸化されるのを抑制することができる。
次に、成形体を絶縁被膜20の耐熱温度以下で熱処理する工程(S22)を実施する。加圧成形を経た成形体の内部には欠陥が多数発生しているので、熱処理によりこれらの欠陥を取り除くことができる。
本発明者は、図4に示すように、金属磁性粒子10が所定の割合のコバルトを含有していると、熱処理する工程(S22)時の温度の上昇に対して、保磁力の低減の割合が大きいことを見出した。そのため、従来の成形体と本発明の成形体とが同じ絶縁被膜を備えていて、同じ温度で成形体を熱処理した場合であっても、熱処理により、従来よりも本発明の成形体の歪みが回復しやすく、保磁力を大きく低減できる。なお、図4は、成形体の熱処理の温度と成形体の保磁力との関係を示す図である。
また、金属磁性粒子10がFe−M−Co系合金である場合には、Fe−Co系合金と比較して、その材料自体の特性により、図4において保磁力が全体的に低い傾向にある。
上記工程(S10,S21,S22)を実施することにより、本実施の形態の圧粉磁心が完成する。
以上説明したように、本発明の実施の形態における軟磁性材料および圧粉磁心によれば、コバルト(Co)を0を越えて7質量%以下、シリコン(Si)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)およびリン(P)からなる群より選ばれた少なくとも一種の金属元素を0を越えて10質量%以下含有し、残部が鉄(Fe)および不可避的不純物からなる金属磁性粒子10を備えている。また、好ましくは、Coを0を越えて1質量%以下、Si、Al、CrおよびPからなる群より選ばれた少なくとも一種の金属元素を0を越えて2質量%以下含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる金属磁性粒子10を備えている。これにより、軟磁性材料を加圧成形してなる成形体は、Si、Al、CrおよびPの少なくとも一種の金属元素を含有することによる材料自体の保磁力を低減できる効果と、Coを含有することによる熱処理時の温度の上昇に対して保磁力を大きく低減できる効果とを相乗的に示すことができる。そのため、保磁力の低減によりヒステリシス損失を低減でき、鉄損を大きく低減できる。
また、本発明の実施の形態における別の軟磁性材料および圧粉磁心によれば、コバルト(Co)を0を越えて7質量%以下含有し、残部が鉄および不可避的不純物からなる金属磁性粒子10を備えている。また、好ましくは、Coを0を越えて1.0質量%以下含有し、残部が鉄および不可避的不純物からなる金属磁性粒子10を備えている。これにより、軟磁性材料を加圧成形してなる成形体は、Coを含有することによる熱処理する工程時(S22)の温度の上昇に対して保磁力を大きく低減できる効果を最も効果的に示すことができる。また、鉄を含有することによって、飽和磁束密度を向上できる。そのため、保磁力の低減によりヒステリシス損失を低減できるとともに、飽和磁束密度を向上できる。
本実施例では、Fe−Al−Co系合金の金属磁性粒子の各々を用いて圧粉磁心を製造し、保磁力を評価した。
(本発明例1)
本発明例1〜4の軟磁性材料は、本発明の実施の形態における圧粉磁心の製造方法(S10,S20)にしたがって製造した。
具体的には、金属磁性粒子を準備する工程(S11)では、下記の表1に記載の割合の1質量%のコバルトおよび2質量%のアルミニウムを含有し、残部が鉄および不可避的不純物からなる金属磁性粒子をそれぞれ準備した。
次に、絶縁被膜を形成する工程(S12)では、リン酸アルミニウム水溶液中に金属磁性粒子を浸漬し、金属磁性粒子の表面にリン酸アルミニウムよりなる絶縁被膜を形成した。そして、絶縁被膜で被覆された金属磁性粒子と、シリコーン樹脂とをキシレン中で混合し、大気中にて150℃の温度で1時間熱処理してシリコーン樹脂を熱硬化した。これにより、本発明例1の軟磁性材料を得た。
次に、成形体を得る工程(S21)では、キシレンを乾燥、揮発した後、1280MPaのプレス面圧で軟磁性材料を加圧成形し、成形体を作製した。
次に、熱処理する工程(S22)では、550℃の温度で、窒素気流雰囲気において1時間、成形体を熱処理した。これにより本発明例1の圧粉磁心を得た。なお、絶縁被膜の耐熱温度は、550℃である。
(比較例1)
比較例1における圧粉磁心は、基本的には本発明例1と同様に製造したが、準備する工程(S11)においてAlの含有割合(Alの含有割合が2質量%で、Coは含有せず)が下記の表1に記載の金属磁性粒子(Alを2質量%含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる)を準備した点においてのみ異なる。
(評価方法)
本発明例1および比較例1の各々の圧粉磁心について、保磁力および飽和磁束密度を測定した。保磁力の測定は以下のようにして測定した。まず、外径34mm、内径20mm、厚み5mmのリング状の圧粉磁心に関し、一次300巻き、二次20巻きの巻き線を施し、磁気特性測定用試料とした。これらの試料について、トロイダル型の直流BHカーブトレーサ(理研電子社製)を用いて最大100(Oe:エルステッド)の磁場を印加した。これにより、B(磁束密度)H(磁界)ループを測定し、圧粉磁心の保磁力を測定した。また、飽和磁束密度の測定は、電磁石型の直流BHカーブトレーサ(理研電子社製)を用い、印加磁界1Tにおける磁束密度の値を測定することにより行なった。その結果を表1に記載する。
Figure 2008297622
(評価結果)
表1に示すように、Coを0を越えて7質量%以下、Si、Al、CrおよびPからなる群より選ばれた少なくとも一種の金属元素を0を越えて10質量%以下含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる金属磁性粒子を備えていた本発明例1の圧粉磁心は、比較例1の圧粉磁心と比較して、保磁力を低減できた。また、本発明例1の圧粉磁心は、Coを含有することによって、飽和磁束密度も向上することができた。
一方、比較例1は、Coを含有していなかったので、保磁力が高かった。
以上より、本実施例によれば、Coを0を越えて7質量%以下、Alを0を越えて10質量%以下含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる金属磁性粒子を軟磁性材料が備えることによって、保磁力を低減できることが確認できた。また、好ましくは、Coを0を越えて1質量%以下、Alを0を越えて2質量%以下含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる金属磁性粒子を軟磁性材料が備えることによって、保磁力を低減できることが確認できた。
本実施例では、Si、Al、CrおよびPからなる群より選ばれた少なくとも一種の金属元素としてFe−Al−Co系合金を例に挙げて説明したが、Si、Cr、P、および、Si、Al、CrおよびPの組み合わせについてもAlと同様に、金属磁性粒子に含有されることにより結晶磁気異方性定数を下げ、金属磁性粒子の保磁力を低減する効果を有している。またSi,Al、CrおよびPは非磁性元素であるため、含有量が少なくなると、飽和磁束密度を向上する効果を有する。したがって、Al以外のSi、Cr、PおよびSi、Al、CrおよびPの組み合わせについてもFe−Al−Coと同様の効果が得られると考えられる。
本実施例では、実施例1で作製した本発明例1および比較例1の軟磁性材料の各々を用いて圧粉磁心を製造し、保磁力を評価した。
具体的には、本発明例1および比較例2の軟磁性材料を加圧成形して、成形体を得る工程(S21)を実施した。その後、成形体を熱処理せずに圧粉磁心とした。また、各々の成形体を450℃、550℃、650℃、675℃、700℃、750℃および850℃で熱処理する工程(S22)を実施して、各々の圧粉磁心を製造した。その他の条件は、本発明例1と同様とした。なお、550℃で熱処理して得られたそれぞれの圧粉磁心は、本発明例1および比較例1の圧粉磁心である。
(評価方法)
上記のようにして得られた各々の圧粉磁心について、保磁力を上述した実施例1と同様に測定した。その結果を図5に示す。
(評価結果)
図5に示すように、本発明例1の軟磁性材料を加圧成形して得られる成形体を絶縁被膜の耐熱温度以下の温度で熱処理すると、熱処理時の温度の上昇に対する保磁力の低減の割合(図5における熱処理温度と保磁力との傾き)を大きくできることがわかった。すなわち、熱処理により成形体の歪みを低温で除去できることがわかった。また、熱処理温度が450℃以上550℃以下(絶縁被膜の耐熱温度)以下の温度範囲で熱処理をした圧粉磁心は、熱処理をしなかった圧粉磁心と比較して保磁力を効果的に低減できた。また、本発明例1の軟磁性材料を加圧成形してなる成形体と、比較例1の軟磁性材料を加圧成形してなる成形体とを、熱処理として有効な450℃〜550℃の範囲内で同じ温度で熱処理を行なうと、本発明例5の軟磁性材料を加圧成形して得られる成形体の保磁力は比較例1よりも低減できることがわかった。
以上より、本実施例によれば、Coを0を越えて7質量%以下含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる金属磁性粒子を備えた軟磁性材料を加圧成形して得られる成形体を絶縁被膜の耐熱温度以下で熱処理を行なうことによって、得られる圧粉磁心の保磁力を低減できることが確認できた。また、好ましくは、Coを0を越えて1質量%以下、Alを0を越えて2質量%以下含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる金属磁性粒子を軟磁性材料が備えることによって、圧粉磁心の保磁力を低減できることが確認できた。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の軟磁性材料および圧粉磁心は、たとえばチョークコイル、磁気ヘッド、各種モータ部品、自動車用ソレノイド、各種磁気センサおよび各種電磁弁などに利用することができる。
本発明の一実施の形態における軟磁性材料を模式的に示す図である。 本発明の一実施の形態における圧粉磁心の拡大断面図である。 本発明の一実施の形態における圧粉磁心の製造方法を工程順に示す図である。 成形体の熱処理の温度と成形体の保磁力との関係を示す図である。 成形体の熱処理温度と保磁力との関係を示す図である。
符号の説明
10 金属磁性粒子、20 絶縁被膜、30 複合磁性粒子。

Claims (8)

  1. 金属磁性粒子と、前記金属磁性粒子の表面を取り囲む絶縁被膜とを有する複数の複合磁性粒子を備えた軟磁性材料であって、
    前記金属磁性粒子は、コバルトを0を越えて7質量%以下、シリコン、アルミニウム、クロムおよびリンからなる群より選ばれた少なくとも一種の金属元素を0を越えて10質量%以下含有し、残部が鉄および不可避的不純物からなる、軟磁性材料。
  2. 金属磁性粒子と、前記金属磁性粒子の表面を取り囲む絶縁被膜とを有する複数の複合磁性粒子を備えた軟磁性材料であって、
    前記金属磁性粒子は、コバルトを0を越えて7質量%以下含有し、残部が鉄および不可避的不純物からなる、軟磁性材料。
  3. 前記絶縁被膜は、リン化合物、ケイ素化合物、ジルコニウム化合物、ホウ素化合物、シリコーン樹脂、熱可塑性樹脂、非熱可塑性樹脂および高級脂肪酸からなる群より選ばれた少なくとも一種の物質よりなる、請求項1または2に記載の軟磁性材料。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の軟磁性材料を用いて製造された圧粉磁心。
  5. コバルトを0を越えて7質量%以下、シリコン、アルミニウム、クロムおよびリンからなる群より選ばれた少なくとも一種の金属元素を0を越えて10質量%以下含有し、残部が鉄および不可避的不純物からなる金属磁性粒子を準備する工程と、
    前記金属磁性粒子の表面を取り囲む絶縁被膜を形成する工程とを備える、軟磁性材料の製造方法。
  6. コバルトを0を越えて7質量%以下含有し、残部が鉄および不可避的不純物からなる金属磁性粒子を準備する工程と、
    前記金属磁性粒子の表面を取り囲む絶縁被膜を形成する工程とを備える、軟磁性材料の製造方法。
  7. 前記形成する工程では、リン化合物、ケイ素化合物、ジルコニウム化合物、ホウ素化合物、シリコーン樹脂、熱可塑性樹脂、非熱可塑性樹脂および高級脂肪酸からなる群より選ばれた少なくとも一種の物質よりなる前記絶縁被膜を形成する、請求項5または6に記載の軟磁性材料の製造方法。
  8. 請求項5〜7のいずれかに記載の軟磁性材料の製造方法により軟磁性材料を製造する工程と、
    前記軟磁性材料を加圧成形して、成形体を得る工程と、
    前記成形体を前記絶縁被膜の耐熱温度以下で熱処理する工程とを備える、圧粉磁心の製造方法。
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