JP2007013069A - MgおよびSi含有酸化物被覆軟磁性粉末の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】酸化物被覆軟磁性粉末に一酸化ケイ素粉末を添加し混合して真空雰囲気中、温度:400〜800℃保持の条件で加熱しさらにMg粉末を添加し混合して真空雰囲気中、温度:600〜1200℃保持の条件で加熱するか、または酸化物被覆軟磁性粉末に一酸化ケイ素粉末およびMgO粉末を同時に添加し混合した後または混合しながら真空雰囲気中、温度:400〜1200℃保持の条件で加熱するか、または酸化物被覆軟磁性粉末にMg粉末を添加し混合した後または混合しながら真空雰囲気中、温度:400〜800℃保持の条件で加熱しさらに一酸化ケイ素粉末を添加し混合した後または混合しながら真空雰囲気中、温度:600〜1200℃保持の条件で加熱する。
【選択図】 なし
Description
(イ)軟磁性粉末を酸化雰囲気中で室温〜500℃に保持することにより軟磁性粉末の表面に酸化膜を形成した酸化膜被覆軟磁性粉末に一酸化ケイ素粉末を添加し混合した後または混合しながら真空雰囲気中、温度:600〜1200℃保持の条件で加熱し、さらにMg粉末を添加し混合した後または混合しながら真空雰囲気中、温度:400〜800℃保持の条件で加熱すると、軟磁性粉末の表面にMgおよびSiを含有する酸化物が形成されたMgおよびSi含有酸化物被覆軟磁性粉末が得られ、この方法で作製したMgおよびSi含有酸化物被覆軟磁性粉末を用いて作製した複合軟磁性焼結材は、従来のSiO2を生成する化合物とMgCO3またはMgOの粉末からなる混合物を圧縮成形し焼結して得られた複合軟磁性焼結材よりも密度、抗折強度、比抵抗および磁束密度が優れている、
(ロ)軟磁性粉末を酸化雰囲気中で室温〜500℃に保持することにより軟磁性粉末の表面に酸化膜を形成した酸化膜被覆軟磁性粉末に一酸化ケイ素粉末およびMg粉末を同時に添加し混合した後または混合しながら真空雰囲気中、温度:400〜1200℃保持の条件で加熱すると、軟磁性粉末の表面にMgおよびSiを含有する酸化物が形成されたMgおよびSi含有酸化物被覆軟磁性粉末が得られ、この方法で作製したMgおよびSi含有酸化物被覆軟磁性粉末を用いて作製した複合軟磁性焼結材は、従来のSiO2を生成する化合物とMgCO3またはMgOの粉末からなる混合物を圧縮成形し焼結して得られた複合軟磁性焼結材よりも密度、抗折強度、比抵抗および磁束密度が優れている、
(ハ)軟磁性粉末を酸化雰囲気中で室温〜500℃に保持することにより軟磁性粉末の表面に酸化膜を形成した酸化膜被覆軟磁性粉末にMg粉末を添加し混合した後または混合しながら真空雰囲気中、温度:400〜800℃保持の条件で加熱すると軟磁性粉末の表面にMg含有酸化物が形成されたMg含有酸化物被覆軟磁性粉末が得られ、このMg含有酸化物被覆軟磁性粉末にさらに一酸化ケイ素粉末を添加し混合した後または混合しながら真空雰囲気中、温度:600〜1200℃保持の条件で加熱するすると、軟磁性粉末の表面にMgおよびSiを含有する酸化物が形成されたMgおよびSi含有酸化物被覆軟磁性粉末が得られ、この方法で作製したMgおよびSi含有酸化物被覆軟磁性粉末を用いて作製した複合軟磁性焼結材は、従来のSiO2を生成する化合物とMgCO3またはMgOの粉末からなる混合物を圧縮成形し焼結して得られた複合軟磁性焼結材よりも密度、抗折強度、比抵抗および磁束密度が優れている、
(ニ)前記一酸化ケイ素粉末の添加量は0.01〜1質量%の範囲内にあることが好ましく、前記Mg粉末の添加量は0.05〜1質量%の範囲内にあることが好ましい、
(ホ)前記真空雰囲気は、圧力:1×10−12〜1×10−1MPaの真空雰囲気であることが好ましい、などの研究結果が得られたのである。
この発明は、かかる研究結果に基づいてなされたものであって、
(1)軟磁性粉末の表面に酸化膜を形成した酸化膜被覆軟磁性粉末に一酸化ケイ素粉末を添加し混合した後または混合しながら真空雰囲気中、温度:600〜1200℃保持の条件で加熱し、さらにMg粉末を添加し混合した後または混合しながら真空雰囲気中、温度:400〜800℃保持の条件で加熱するMgおよびSi含有酸化物被覆軟磁性粉末の製造方法、
(2)軟磁性粉末の表面に酸化膜を形成した酸化膜被覆軟磁性粉末に一酸化ケイ素粉末およびMgO粉末を添加し混合した後または混合しながら真空雰囲気中、温度:400〜1200℃保持の条件で加熱するMgおよびSi含有酸化物被覆軟磁性粉末の製造方法、
(3)軟磁性粉末の表面に酸化膜を形成した酸化膜被覆軟磁性粉末にMg粉末を添加し混合した後または混合しながら真空雰囲気中、温度:400〜800℃保持の条件で加熱し、さらに一酸化ケイ素粉末を添加し混合した後または混合しながら真空雰囲気中、温度:600〜1200℃保持の条件で加熱するMgおよびSi含有酸化物被覆軟磁性粉末の製造方法、
(4)前記軟磁性粉末の表面に酸化膜を形成した酸化膜被覆軟磁性粉末は、軟磁性粉末を酸化雰囲気中で室温〜500℃に加熱保持することにより作製する前記(1)、(2)または(3)記載のMgおよびSi含有酸化物被覆軟磁性粉末の製造方法、
(5)前記一酸化ケイ素粉末の添加量は0.01〜1質量%の範囲内であり、前記Mg粉末の添加量は0.05〜1質量%の範囲内である前記(1)、(2)、(3)または(4)記載のMgおよびSi含有酸化物被覆軟磁性粉末の製造方法、
(6)前記真空雰囲気は、圧力:1×10−12〜1×10−1MPaの真空雰囲気である前記(1)、(2)、(3)、(4)または(5)記載のMgおよびSi含有酸化物被覆軟磁性粉末の製造方法、に特徴を有するものである。
(7)前記軟磁性金属粉末は、鉄粉末、Fe−Al系鉄基軟磁性合金粉末、Fe−Ni系鉄基軟磁性粉末、Fe−Cr系鉄基軟磁性合金粉末、Fe−Si系鉄基軟磁性粉末、Fe−Si−Al系鉄基軟磁性合金粉末、Fe−Co−V系鉄基軟磁性合金粉末、Fe−Co系鉄基軟磁性合金粉末またはFe−P系鉄基軟磁性合金粉末である前記(1)、(2)、(3)、(4)、(5)または(6)記載のMgおよびSi含有酸化物被覆軟磁性粉末の製造方法、に特徴を有するものである。
前記Fe−Al系鉄基軟磁性合金粉末はAl:0.1〜20を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなるFe−Al系鉄基軟磁性合金粉末(例えば、Fe−15%Alからなる組成を有するアルパーム粉末)であり、
前記Fe−Ni系鉄基軟磁性合金粉末はNi:35〜85%を含有し、必要に応じてMo:5%以下、Cu:5%以下、Cr:2%以下、Mn:0.5%以下の内の1種または2種以上を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなるニッケル基軟磁性合金粉末(例えば、Fe−49%Ni粉末)であり、
前記Fe−Cr系鉄基軟磁性合金粉末はCr:1〜20%を含有し、必要に応じてAl:5%以下、Ni:5%以下の内の1種または2種を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなるFe−Cr系鉄基軟磁性合金粉末であり、
前記Fe−Si系鉄基軟磁性合金粉末は、Si:0.1〜10%を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなるFe−Si系鉄基軟磁性合金粉末であり、
前記Fe−Si−Al系鉄基軟磁性合金粉末は、Si:0.1〜10%、Al:0.1〜20%を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなるFe−Si−Al系鉄基軟磁性合金粉末でり、
前記Fe−Co−V系鉄基軟磁性合金粉末は、Co:0.1〜52%、V:0.1〜3%を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなるFe−Co−V系鉄基軟磁性合金粉末であり、
前記Fe−Co系鉄基軟磁性合金粉末は、Co:0.1〜52%を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなるFe−Co系鉄基軟磁性合金粉末であり、
前記Fe−P系鉄基軟磁性合金粉末は、P:0.5〜1%を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなるFe−P系鉄基軟磁性合金粉末(以上、%は質量%を示す)であることが好ましい。
(7)軟磁性粉末の表面に酸化膜を形成した酸化膜被覆軟磁性粉末からなるMgおよびSi含有酸化物被覆軟磁性粉末製造用原料粉末、に特徴を有するものである。
また、この発明の方法により作製したMgおよびSi含有酸化物被覆軟磁性粉末に、酸化硼素、酸化バナジウム、酸化ビスマス、酸化アンチモンおよび酸化モリブデンの内の1種または2種以上をB2O3、V2O5、Bi2O3、Sb2O3、MoO3換算で0.05〜1質量%を配合し混合したのち圧粉成形し、得られた圧粉成形体を温度:500〜1000℃で燒結することにより複合軟磁性材を作製することができる。このようにして作製した複合軟磁性材は、酸化硼素、酸化バナジウム、酸化ビスマス、酸化アンチモンおよび酸化モリブデンの内の1種または2種以上をB2O3、V2O5、Bi2O3、Sb2O3、MoO3換算で0.05〜1質量%を含有し、残部がこの発明の方法により作製したMgおよびSi含有酸化物被覆軟磁性粉末からなる組成を有する。この場合、この発明の方法により作製したMgおよびSi含有酸化物被覆軟磁性粉末の表面に形成されているMgおよびSi含有酸化膜と、酸化硼素、酸化バナジウム、酸化ビスマス、酸化アンチモンおよび酸化モリブデンの内の1種または2種以上とが反応した皮膜が形成される。
また、この複合軟磁性材は、酸化硼素のゾル溶液または粉末、酸化バナジウムのゾル溶液または粉末、酸化ビスマスのゾル溶液または粉末、酸化アンチモンのゾル溶液または粉末および酸化モリブデンのゾル溶液または粉末の内の1種または2種以上をB2O3、V2O5、Bi2O3、Sb2O3、MoO3換算で0.05〜1質量%、残部が前記この発明のMgおよびSi含有酸化物被覆軟磁性粉末からなる組成となるように配合し、混合し、得られた混合酸化物を圧粉し、成形したのち、温度:500〜1000℃で燒結することにより得ることができる。
また、この発明のMgおよびSi含有酸化物被覆軟磁性粉末にシリカのゾルゲル(シリケート)溶液やアルミナのゾルゲル溶液などの湿式溶液を添加し混合したのち乾燥し、この乾燥した混合物を圧縮成形後、不活性ガス雰囲気または酸化性ガス雰囲気中、温度:500〜1000℃で焼成することにより複合軟磁性材を製造することができる。
この発明のMgおよびSi含有酸化物被覆軟磁性粉末を用いて作製した複合軟磁性材は高密度、高強度、高比抵抗および高磁束密度を有し、この複合軟磁性材は,高磁束密度で高周波低鉄損の特徴を有する事からこの特徴を生かした各種電磁気回路部品の材料として使用できる。
アトマイズ純鉄粉末、
Al:10質量%、残部:FeからなるアトマイズFe−Al系鉄基軟磁性合金粉末、
Ni:49質量%、残部:FeからなるアトマイズFe−Ni系鉄基軟磁性合金粉末、
Cr:10質量%、残部:FeからなるアトマイズFe−Cr系鉄基軟磁性合金粉末、
Si:3質量%、残部:FeからなるアトマイズFe−Si系鉄基軟磁性合金粉末、
Si:3質量%、Al:3質量を含有し、残部:FeからなるアトマイズFe−Si−Al系鉄基軟磁性合金粉末、
Co:30%、V:2%を含有し、残部がFeからなるアトマイズFe−Co−V系鉄基軟磁性合金粉末、
Co:30%を含有し、残部がFeからなるアトマイズFe−Co系鉄基軟磁性合金粉末、
P:0.6%を含有し、残部がFeからなるアトマイズFe−P系鉄基軟磁性合金粉末をそれぞれ用意した。
実施例1−1
先に用意した原料粉末である酸化膜被覆鉄粉末にSiO粉末を、酸化膜被覆鉄粉末:SiO粉末=99.9質量%:0.1質量%となるように添加し混合して混合粉末を作製し、得られた混合粉末を温度:650℃、圧力:2.7×10−4MPa、3時間保持することにより表面に酸化ケイ素膜を有する酸化ケイ素被覆鉄粉末を作製した。この酸化ケイ素被覆鉄粉末の表面に形成されている酸化ケイ素膜はSiOx(x=1〜2)を含む膜であることを確認した。次に、この酸化ケイ素被覆鉄粉末にMg粉末を酸化ケイ素被覆鉄粉末:Mg粉末=99.8質量%:0.2質量%となるように添加し混合して混合粉末を作製し、得られた混合粉末を温度:650℃、圧力:2.7×10−4MPa、1時間保持することにより鉄粉末の表面にMgおよびSiを含有する酸化鉄膜を形成したMgおよびSi含有酸化物被覆鉄粉末を作製した。
実施例1−2
先に用意した原料粉末である酸化膜被覆鉄粉末にSiO粉末およびMg粉末を酸化鉄被覆鉄粉末:SiO粉末:Mg粉末=99.7質量%:0.1質量%:0.2質量%の割合で同時に添加し混合して混合粉末を作製し、得られた混合粉末を温度:650℃、圧力:2.7×10−4MPa、3時間保持することにより鉄粉末の表面にMgおよびSiを含有する酸化鉄膜を形成したMgおよびSi含有酸化物被覆鉄粉末を作製した。
実施例1−3
先に用意した原料粉末である酸化膜被覆鉄粉末にMg粉末を、酸化膜被覆鉄粉末:Mg粉末=99.8質量%:0.2質量%となるように添加し混合して混合粉末を作製し、得られた混合粉末を温度:650℃、圧力:2.7×10−4MPa、2時間保持することにより表面にMgO膜を有する酸化マグネシウム被覆鉄粉末を作製した。この酸化マグネシウム被覆鉄粉末にさらにSiO粉末を酸化マグネシウム被覆鉄粉末:SiO粉末=99.9質量%:0.1質量%となるように添加し混合して混合粉末を作製し、得られた混合粉末を温度:650℃、圧力:2.7×10−4MPa、3時間保持することにより鉄粉末の表面にMgおよびSiを含有する酸化鉄膜を形成したMgおよびSi含有酸化物被覆鉄粉末を作製した。
従来例1
先に用意した水アトマイズ純鉄粉末に対してシリコーン樹脂およびMgO粉末を
水アトマイズ純鉄粉末:シリコーン樹脂:MgO粉末=99.8:0.14:0.06の割合となるように混合して従来混合粉末を作製し、得られた従来混合粉末を金型に入れ、プレス成形して縦:55mm、横:10mm、厚さ:5mmの寸法を有する板状圧粉体および外径:35mm、内径:25mm、高さ:5mmの寸法を有するリング形状圧粉体を成形し、得られた圧粉体を窒素雰囲気中、温度:600℃、30分保持の条件で焼結することにより板状およびリング状焼結体からなる複合軟磁性焼結材を作製し、板状焼結体からなる複合軟磁性材の比抵抗を測定してその結果を表1に示し、さらにリング状焼結体からなる複合軟磁性材に巻き線を施し、磁束密度、保磁力、並びに磁束密度1.5T、周波数50Hzの時の鉄損および磁束密度1.0T、周波数400Hzの時の鉄損などの磁気特性を測定し、それらの結果を表1に示した。
実施例2−1
先に用意した原料粉末である酸化膜被覆Fe−Al系鉄基軟磁性合金粉末にSiO粉末を、酸化膜被覆Fe−Al系鉄基軟磁性合金粉末:SiO粉末=99.9質量%:0.1質量%となるように添加し混合して混合粉末を作製し、得られた混合粉末を温度:650℃、圧力:2.7×10−4MPa、3時間保持することにより表面に酸化ケイ素膜を有する酸化ケイ素被覆Fe−Al系鉄基軟磁性合金粉末を作製した。この酸化ケイ素被覆Fe−Al系鉄基軟磁性合金粉末の表面に形成されている酸化ケイ素膜はSiOx(x=1〜2)を含む膜であることを確認した。次に、この酸化ケイ素被覆Fe−Al系鉄基軟磁性合金粉末にMg粉末を酸化ケイ素被覆Fe−Al系鉄基軟磁性合金粉末:Mg粉末=99.8質量%:0.2質量%となるように添加し混合して混合粉末を作製し、得られた混合粉末を温度:650℃、圧力:2.7×10−4MPa、1時間保持することによりFe−Al系鉄基軟磁性合金粉末の表面にMgおよびSiを含有する酸化鉄膜を形成したMgおよびSi含有酸化物被覆Fe−Al系鉄基軟磁性合金粉末を作製した。
実施例2−2
先に用意した原料粉末である酸化膜被覆Fe−Al系鉄基軟磁性合金粉末にSiO粉末およびMg粉末を酸化鉄被覆Fe−Al系鉄基軟磁性合金粉末:SiO粉末:Mg粉末=99.7質量%:0.1質量%:0.2質量%の割合で同時に添加し混合して混合粉末を作製し、得られた混合粉末を温度:650℃、圧力:2.7×10−4MPa、3時間保持することによりFe−Al系鉄基軟磁性合金粉末の表面にMgおよびSiを含有する酸化鉄膜を形成したMgおよびSi含有酸化物被覆Fe−Al系鉄基軟磁性合金粉末を作製した。
実施例2−3
先に用意した原料粉末である酸化膜被覆Fe−Al系鉄基軟磁性合金粉末にMg粉末を、酸化膜被覆Fe−Al系鉄基軟磁性合金粉末:Mg粉末=99.8質量%:0.2質量%となるように添加し混合して混合粉末を作製し、得られた混合粉末を温度:650℃、圧力:2.7×10−4MPa、2時間保持することにより表面にMgO膜を有する酸化マグネシウム被覆Fe−Al系鉄基軟磁性合金粉末を作製した。この酸化マグネシウム被覆Fe−Al系鉄基軟磁性合金粉末にさらにSiO粉末を酸化マグネシウム被覆Fe−Al系鉄基軟磁性合金粉末:SiO粉末=99.9質量%:0.1質量%となるように添加し混合して混合粉末を作製し、得られた混合粉末を温度:650℃、圧力:2.7×10−4MPa、3時間保持することによりFe−Al系鉄基軟磁性合金粉末の表面にMgおよびSiを含有する酸化鉄膜を形成したMgおよびSi含有酸化物被覆Fe−Al系鉄基軟磁性合金粉末を作製した。
従来例2
先に用意した水アトマイズFe−Al系鉄基軟磁性合金粉末に対してシリコーン樹脂およびMgO粉末を水アトマイズFe−Al系鉄基軟磁性合金粉末:シリコーン樹脂:MgO粉末=99.8:0.14:0.06の割合となるように混合して従来混合粉末を作製し、得られた従来混合粉末を金型に入れ、プレス成形して縦:55mm、横:10mm、厚さ:5mmの寸法を有する板状圧粉体および外径:35mm、内径:25mm、高さ:5mmの寸法を有するリング形状圧粉体を成形し、得られた圧粉体を窒素雰囲気中、温度:600℃、30分保持の条件で焼結することにより板状およびリング状焼結体からなる複合軟磁性焼結材を作製し、板状焼結体からなる複合軟磁性材の比抵抗を測定してその結果を表2に示し、さらにリング状焼結体からなる複合軟磁性材に巻き線を施し、磁束密度、保磁力、並びに磁束密度1.5T、周波数50Hzの時の鉄損および磁束密度1.0T、周波数400Hzの時の鉄損などの磁気特性を測定し、それらの結果を表2に示した。
実施例3−1
先に用意した原料粉末である酸化膜被覆Fe−Ni系鉄基軟磁性合金粉末にSiO粉末を、酸化膜被覆Fe−Ni系鉄基軟磁性合金粉末:SiO粉末=99.9質量%:0.1質量%となるように添加し混合して混合粉末を作製し、得られた混合粉末を温度:650℃、圧力:2.7×10−4MPa、3時間保持することにより表面に酸化ケイ素膜を有する酸化ケイ素被覆Fe−Ni系鉄基軟磁性合金粉末を作製した。この酸化ケイ素被覆Fe−Ni系鉄基軟磁性合金粉末の表面に形成されている酸化ケイ素膜はSiOx(x=1〜2)を含む膜であることを確認した。次に、この酸化ケイ素被覆Fe−Ni系鉄基軟磁性合金粉末にMg粉末を酸化ケイ素被覆Fe−Ni系鉄基軟磁性合金粉末:Mg粉末=99.8質量%:0.2質量%となるように添加し混合して混合粉末を作製し、得られた混合粉末を温度:650℃、圧力:2.7×10−4MPa、1時間保持することによりFe−Ni系鉄基軟磁性合金粉末の表面にMgおよびSiを含有する酸化鉄膜を形成したMgおよびSi含有酸化物被覆Fe−Ni系鉄基軟磁性合金粉末を作製した。
実施例3−2
先に用意した原料粉末である酸化膜被覆Fe−Ni系鉄基軟磁性合金粉末にSiO粉末およびMg粉末を酸化鉄被覆Fe−Ni系鉄基軟磁性合金粉末:SiO粉末:Mg粉末=99.7質量%:0.1質量%:0.2質量%の割合で同時に添加し混合して混合粉末を作製し、得られた混合粉末を温度:650℃、圧力:2.7×10−4MPa、3時間保持することによりFe−Ni系鉄基軟磁性合金粉末の表面にMgおよびSiを含有する酸化鉄膜を形成したMgおよびSi含有酸化物被覆Fe−Ni系鉄基軟磁性合金粉末を作製した。
実施例3−3
先に用意した原料粉末である酸化膜被覆Fe−Ni系鉄基軟磁性合金粉末にMg粉末を、酸化膜被覆Fe−Ni系鉄基軟磁性合金粉末:Mg粉末=99.8質量%:0.2質量%となるように添加し混合して混合粉末を作製し、得られた混合粉末を温度:650℃、圧力:2.7×10−4MPa、2時間保持することにより表面にMgO膜を有する酸化マグネシウム被覆Fe−Ni系鉄基軟磁性合金粉末を作製した。この酸化マグネシウム被覆Fe−Ni系鉄基軟磁性合金粉末にさらにSiO粉末を酸化マグネシウム被覆Fe−Ni系鉄基軟磁性合金粉末:SiO粉末=99.9質量%:0.1質量%となるように添加し混合して混合粉末を作製し、得られた混合粉末を温度:650℃、圧力:2.7×10−4MPa、3時間保持することによりFe−Ni系鉄基軟磁性合金粉末の表面にMgおよびSiを含有する酸化鉄膜を形成したMgおよびSi含有酸化物被覆Fe−Ni系鉄基軟磁性合金粉末を作製した。
従来例3
先に用意した水アトマイズFe−Ni系鉄基軟磁性合金粉末に対してシリコーン樹脂およびMgO粉末を水アトマイズFe−Ni系鉄基軟磁性合金粉末:シリコーン樹脂:MgO粉末=99.8:0.14:0.06の割合となるように混合して従来混合粉末を作製し、得られた従来混合粉末を金型に入れ、プレス成形して縦:55mm、横:10mm、厚さ:5mmの寸法を有する板状圧粉体および外径:35mm、内径:25mm、高さ:5mmの寸法を有するリング形状圧粉体を成形し、得られた圧粉体を窒素雰囲気中、温度:600℃、30分保持の条件で焼結することにより板状およびリング状焼結体からなる複合軟磁性焼結材を作製し、板状焼結体からなる複合軟磁性材の比抵抗を測定してその結果を表3に示し、さらにリング状焼結体からなる複合軟磁性材に巻き線を施し、磁束密度、保磁力、並びに磁束密度1.5T、周波数50Hzの時の鉄損および磁束密度1.0T、周波数400Hzの時の鉄損などの磁気特性を測定し、それらの結果を表3に示した。
実施例4−1
先に用意した原料粉末である酸化膜被覆Fe−Cr系鉄基軟磁性合金粉末にSiO粉末を、酸化膜被覆Fe−Cr系鉄基軟磁性合金粉末:SiO粉末=99.9質量%:0.1質量%となるように添加し混合して混合粉末を作製し、得られた混合粉末を温度:650℃、圧力:2.7×10−4MPa、3時間保持することにより表面に酸化ケイ素膜を有する酸化ケイ素被覆Fe−Cr系鉄基軟磁性合金粉末を作製した。この酸化ケイ素被覆Fe−Cr系鉄基軟磁性合金粉末の表面に形成されている酸化ケイ素膜はSiOx(x=1〜2)を含む膜であることを確認した。次に、この酸化ケイ素被覆Fe−Cr系鉄基軟磁性合金粉末にMg粉末を酸化ケイ素被覆Fe−Cr系鉄基軟磁性合金粉末:Mg粉末=99.8質量%:0.2質量%となるように添加し混合して混合粉末を作製し、得られた混合粉末を温度:650℃、圧力:2.7×10−4MPa、1時間保持することによりFe−Cr系鉄基軟磁性合金粉末の表面にMgおよびSiを含有する酸化鉄膜を形成したMgおよびSi含有酸化物被覆Fe−Cr系鉄基軟磁性合金粉末を作製した。
実施例4−2
先に用意した原料粉末である酸化膜被覆Fe−Cr系鉄基軟磁性合金粉末にSiO粉末およびMg粉末を酸化鉄被覆Fe−Cr系鉄基軟磁性合金粉末:SiO粉末:Mg粉末=99.7質量%:0.1質量%:0.2質量%の割合で同時に添加し混合して混合粉末を作製し、得られた混合粉末を温度:650℃、圧力:2.7×10−4MPa、3時間保持することによりFe−Cr系鉄基軟磁性合金粉末の表面にMgおよびSiを含有する酸化鉄膜を形成したMgおよびSi含有酸化物被覆Fe−Cr系鉄基軟磁性合金粉末を作製した。
実施例4−3
先に用意した原料粉末である酸化膜被覆Fe−Cr系鉄基軟磁性合金粉末にMg粉末を、酸化膜被覆Fe−Cr系鉄基軟磁性合金粉末:Mg粉末=99.8質量%:0.2質量%となるように添加し混合して混合粉末を作製し、得られた混合粉末を温度:650℃、圧力:2.7×10−4MPa、2時間保持することにより表面にMgO膜を有する酸化マグネシウム被覆Fe−Cr系鉄基軟磁性合金粉末を作製した。この酸化マグネシウム被覆Fe−Cr系鉄基軟磁性合金粉末にさらにSiO粉末を酸化マグネシウム被覆Fe−Cr系鉄基軟磁性合金粉末:SiO粉末=99.9質量%:0.1質量%となるように添加し混合して混合粉末を作製し、得られた混合粉末を温度:650℃、圧力:2.7×10−4MPa、3時間保持することによりFe−Cr系鉄基軟磁性合金粉末の表面にMgおよびSiを含有する酸化鉄膜を形成したMgおよびSi含有酸化物被覆Fe−Cr系鉄基軟磁性合金粉末を作製した。
従来例4
先に用意した水アトマイズFe−Cr系鉄基軟磁性合金粉末に対してシリコーン樹脂およびMgO粉末を水アトマイズFe−Cr系鉄基軟磁性合金粉末:シリコーン樹脂:MgO粉末=99.8:0.14:0.06の割合となるように混合して従来混合粉末を作製し、得られた従来混合粉末を金型に入れ、プレス成形して縦:55mm、横:10mm、厚さ:5mmの寸法を有する板状圧粉体および外径:35mm、内径:25mm、高さ:5mmの寸法を有するリング形状圧粉体を成形し、得られた圧粉体を窒素雰囲気中、温度:600℃、30分保持の条件で焼結することにより板状およびリング状焼結体からなる複合軟磁性焼結材を作製し、板状焼結体からなる複合軟磁性材の比抵抗を測定してその結果を表4に示し、さらにリング状焼結体からなる複合軟磁性材に巻き線を施し、磁束密度、保磁力、並びに磁束密度1.5T、周波数50Hzの時の鉄損および磁束密度1.0T、周波数400Hzの時の鉄損などの磁気特性を測定し、それらの結果を表4に示した。
実施例6−1
先に用意した原料粉末である酸化膜被覆Fe−Si系鉄基軟磁性合金粉末にSiO粉末を、酸化膜被覆Fe−Si系鉄基軟磁性合金粉末:SiO粉末=99.9質量%:0.1質量%となるように添加し混合して混合粉末を作製し、得られた混合粉末を温度:650℃、圧力:2.7×10−4MPa、3時間保持することにより表面に酸化ケイ素膜を有する酸化ケイ素被覆Fe−Si系鉄基軟磁性合金粉末を作製した。この酸化ケイ素被覆Fe−Si系鉄基軟磁性合金粉末の表面に形成されている酸化ケイ素膜はSiOx(x=1〜2)を含む膜であることを確認した。次に、この酸化ケイ素被覆Fe−Si系鉄基軟磁性合金粉末にMg粉末を酸化ケイ素被覆Fe−Si系鉄基軟磁性合金粉末:Mg粉末=99.8質量%:0.2質量%となるように添加し混合して混合粉末を作製し、得られた混合粉末を温度:650℃、圧力:2.7×10−4MPa、1時間保持することによりFe−Si系鉄基軟磁性合金粉末の表面にMgおよびSiを含有する酸化鉄膜を形成したMgおよびSi含有酸化物被覆Fe−Si系鉄基軟磁性合金粉末を作製した。
実施例5−2
先に用意した原料粉末である酸化膜被覆Fe−Si系鉄基軟磁性合金粉末にSiO粉末およびMg粉末を酸化鉄被覆Fe−Si系鉄基軟磁性合金粉末:SiO粉末:Mg粉末=99.7質量%:0.1質量%:0.2質量%の割合で同時に添加し混合して混合粉末を作製し、得られた混合粉末を温度:650℃、圧力:2.7×10−4MPa、3時間保持することによりFe−Si系鉄基軟磁性合金粉末の表面にMgおよびSiを含有する酸化鉄膜を形成したMgおよびSi含有酸化物被覆Fe−Si系鉄基軟磁性合金粉末を作製した。
実施例5−3
先に用意した原料粉末である酸化膜被覆Fe−Si系鉄基軟磁性合金粉末にMg粉末を、酸化膜被覆Fe−Si系鉄基軟磁性合金粉末:Mg粉末=99.8質量%:0.2質量%となるように添加し混合して混合粉末を作製し、得られた混合粉末を温度:650℃、圧力:2.7×10−4MPa、2時間保持することにより表面にMgO膜を有する酸化マグネシウム被覆Fe−Si系鉄基軟磁性合金粉末を作製した。この酸化マグネシウム被覆Fe−Si系鉄基軟磁性合金粉末にさらにSiO粉末を酸化マグネシウム被覆Fe−Si系鉄基軟磁性合金粉末:SiO粉末=99.9質量%:0.1質量%となるように添加し混合して混合粉末を作製し、得られた混合粉末を温度:650℃、圧力:2.7×10−4MPa、3時間保持することによりFe−Si系鉄基軟磁性合金粉末の表面にMgおよびSiを含有する酸化鉄膜を形成したMgおよびSi含有酸化物被覆Fe−Si系鉄基軟磁性合金粉末を作製した。
従来例5
先に用意した水アトマイズFe−Si系鉄基軟磁性合金粉末に対してシリコーン樹脂およびMgO粉末を水アトマイズFe−Si系鉄基軟磁性合金粉末:シリコーン樹脂:MgO粉末=99.8:0.14:0.06の割合となるように混合して従来混合粉末を作製し、得られた従来混合粉末を金型に入れ、プレス成形して縦:55mm、横:10mm、厚さ:5mmの寸法を有する板状圧粉体および外径:35mm、内径:25mm、高さ:5mmの寸法を有するリング形状圧粉体を成形し、得られた圧粉体を窒素雰囲気中、温度:600℃、30分保持の条件で焼結することにより板状およびリング状焼結体からなる複合軟磁性焼結材を作製し、板状焼結体からなる複合軟磁性材の比抵抗を測定してその結果を表5に示し、さらにリング状焼結体からなる複合軟磁性材に巻き線を施し、磁束密度、保磁力、並びに磁束密度1.5T、周波数50Hzの時の鉄損および磁束密度1.0T、周波数400Hzの時の鉄損などの磁気特性を測定し、それらの結果を表5に示した。
実施例6−1
先に用意した原料粉末である酸化膜被覆Fe−Si−Al系鉄基軟磁性合金粉末にSiO粉末を、酸化膜被覆Fe−Si−Al系鉄基軟磁性合金粉末:SiO粉末=99.9質量%:0.1質量%となるように添加し混合して混合粉末を作製し、得られた混合粉末を温度:650℃、圧力:2.7×10−4MPa、3時間保持することにより表面に酸化ケイ素膜を有する酸化ケイ素被覆Fe−Si−Al系鉄基軟磁性合金粉末を作製した。この酸化ケイ素被覆Fe−Si−Al系鉄基軟磁性合金粉末の表面に形成されている酸化ケイ素膜はSiOx(x=1〜2)を含む膜であることを確認した。次に、この酸化ケイ素被覆Fe−Si系鉄基軟磁性合金粉末にMg粉末を酸化ケイ素被覆Fe−Si−Al系鉄基軟磁性合金粉末:Mg粉末=99.8質量%:0.2質量%となるように添加し混合して混合粉末を作製し、得られた混合粉末を温度:650℃、圧力:2.7×10−4MPa、1時間保持することによりFe−Si−Al系鉄基軟磁性合金粉末の表面にMgおよびSiを含有する酸化鉄膜を形成したMgおよびSi含有酸化物被覆Fe−Si−Al系鉄基軟磁性合金粉末を作製した。
実施例6−2
先に用意した原料粉末である酸化膜被覆Fe−Si−Al系鉄基軟磁性合金粉末にSiO粉末およびMg粉末を酸化鉄被覆Fe−Si−Al系鉄基軟磁性合金粉末:SiO粉末:Mg粉末=99.7質量%:0.1質量%:0.2質量%の割合で同時に添加し混合して混合粉末を作製し、得られた混合粉末を温度:650℃、圧力:2.7×10−4MPa、3時間保持することによりFe−Si−Al系鉄基軟磁性合金粉末の表面にMgおよびSiを含有する酸化鉄膜を形成したMgおよびSi含有酸化物被覆Fe−Si−Al系鉄基軟磁性合金粉末を作製した。
実施例6−3
先に用意した原料粉末である酸化膜被覆Fe−Si−Al系鉄基軟磁性合金粉末にMg粉末を、酸化膜被覆Fe−Si−Al系鉄基軟磁性合金粉末:Mg粉末=99.8質量%:0.2質量%となるように添加し混合して混合粉末を作製し、得られた混合粉末を温度:650℃、圧力:2.7×10−4MPa、2時間保持することにより表面にMgO膜を有する酸化マグネシウム被覆Fe−Si−Al系鉄基軟磁性合金粉末を作製した。この酸化マグネシウム被覆Fe−Si−Al系鉄基軟磁性合金粉末にさらにSiO粉末を酸化マグネシウム被覆Fe−Si−Al系鉄基軟磁性合金粉末:SiO粉末=99.9質量%:0.1質量%となるように添加し混合して混合粉末を作製し、得られた混合粉末を温度:650℃、圧力:2.7×10−4MPa、3時間保持することによりFe−Si−Al系鉄基軟磁性合金粉末の表面にMgおよびSiを含有する酸化鉄膜を形成したMgおよびSi含有酸化物被覆Fe−Si−Al系鉄基軟磁性合金粉末を作製した。
従来例6
先に用意した水アトマイズFe−Si−Al系鉄基軟磁性合金粉末に対してシリコーン樹脂およびMgO粉末を水アトマイズFe−Si−Al系鉄基軟磁性合金粉末:シリコーン樹脂:MgO粉末=99.8:0.14:0.06の割合となるように混合して従来混合粉末を作製し、得られた従来混合粉末を金型に入れ、プレス成形して縦:55mm、横:10mm、厚さ:5mmの寸法を有する板状圧粉体および外径:35mm、内径:25mm、高さ:5mmの寸法を有するリング形状圧粉体を成形し、得られた圧粉体を窒素雰囲気中、温度:600℃、30分保持の条件で焼結することにより板状およびリング状焼結体からなる複合軟磁性焼結材を作製し、板状焼結体からなる複合軟磁性材の比抵抗を測定してその結果を表6に示し、さらにリング状焼結体からなる複合軟磁性材に巻き線を施し、磁束密度、保磁力、並びに磁束密度1.5T、周波数50Hzの時の鉄損および磁束密度1.0T、周波数400Hzの時の鉄損などの磁気特性を測定し、それらの結果を表6に示した。
実施例7−1
先に用意した原料粉末である酸化膜被覆Fe−Co−V系鉄基軟磁性合金粉末にSiO粉末を、酸化膜被覆Fe−Co−V系鉄基軟磁性合金粉末:SiO粉末=99.9質量%:0.1質量%となるように添加し混合して混合粉末を作製し、得られた混合粉末を温度:650℃、圧力:2.7×10−4MPa、3時間保持することにより表面に酸化ケイ素膜を有する酸化ケイ素被覆Fe−Co−V系鉄基軟磁性合金粉末を作製した。この酸化ケイ素被覆Fe−Co−V系鉄基軟磁性合金粉末の表面に形成されている酸化ケイ素膜はSiOx(x=1〜2)を含む膜であることを確認した。次に、この酸化ケイ素被覆Fe−Si系鉄基軟磁性合金粉末にMg粉末を酸化ケイ素被覆Fe−Co−V系鉄基軟磁性合金粉末:Mg粉末=99.8質量%:0.2質量%となるように添加し混合して混合粉末を作製し、得られた混合粉末を温度:650℃、圧力:2.7×10−4MPa、1時間保持することによりFe−Co−V系鉄基軟磁性合金粉末の表面にMgおよびSiを含有する酸化鉄膜を形成したMgおよびSi含有酸化物被覆Fe−Co−V系鉄基軟磁性合金粉末を作製した。
実施例7−2
先に用意した原料粉末である酸化膜被覆Fe−Co−V系鉄基軟磁性合金粉末にSiO粉末およびMg粉末を酸化鉄被覆Fe−Co−V系鉄基軟磁性合金粉末:SiO粉末:Mg粉末=99.7質量%:0.1質量%:0.2質量%の割合で同時に添加し混合して混合粉末を作製し、得られた混合粉末を温度:650℃、圧力:2.7×10−4MPa、3時間保持することによりFe−Co−V系鉄基軟磁性合金粉末の表面にMgおよびSiを含有する酸化鉄膜を形成したMgおよびSi含有酸化物被覆Fe−Co−V系鉄基軟磁性合金粉末を作製した。
実施例7−3
先に用意した原料粉末である酸化膜被覆Fe−Co−V系鉄基軟磁性合金粉末にMg粉末を、酸化膜被覆Fe−Co−V系鉄基軟磁性合金粉末:Mg粉末=99.8質量%:0.2質量%となるように添加し混合して混合粉末を作製し、得られた混合粉末を温度:650℃、圧力:2.7×10−4MPa、2時間保持することにより表面にMgO膜を有する酸化マグネシウム被覆Fe−Co−V系鉄基軟磁性合金粉末を作製した。この酸化マグネシウム被覆Fe−Co−V系鉄基軟磁性合金粉末にさらにSiO粉末を酸化マグネシウム被覆Fe−Co−V系鉄基軟磁性合金粉末:SiO粉末=99.9質量%:0.1質量%となるように添加し混合して混合粉末を作製し、得られた混合粉末を温度:650℃、圧力:2.7×10−4MPa、3時間保持することによりFe−Co−V系鉄基軟磁性合金粉末の表面にMgおよびSiを含有する酸化鉄膜を形成したMgおよびSi含有酸化物被覆Fe−Co−V系鉄基軟磁性合金粉末を作製した。
従来例7
先に用意した水アトマイズFe−Co−V系鉄基軟磁性合金粉末に対してシリコーン樹脂およびMgO粉末を水アトマイズFe−Co−V系鉄基軟磁性合金粉末:シリコーン樹脂:MgO粉末=99.8:0.14:0.06の割合となるように混合して従来混合粉末を作製し、得られた従来混合粉末を金型に入れ、プレス成形して縦:55mm、横:10mm、厚さ:5mmの寸法を有する板状圧粉体および外径:35mm、内径:25mm、高さ:5mmの寸法を有するリング形状圧粉体を成形し、得られた圧粉体を窒素雰囲気中、温度:600℃、30分保持の条件で焼結することにより板状およびリング状焼結体からなる複合軟磁性焼結材を作製し、板状焼結体からなる複合軟磁性材の比抵抗を測定してその結果を表7に示し、さらにリング状焼結体からなる複合軟磁性材に巻き線を施し、磁束密度、保磁力、並びに磁束密度1.5T、周波数50Hzの時の鉄損および磁束密度1.0T、周波数400Hzの時の鉄損などの磁気特性を測定し、それらの結果を表7に示した。
実施例8−1
先に用意した原料粉末である酸化膜被覆Fe−Co系鉄基軟磁性合金粉末にSiO粉末を、酸化膜被覆Fe−Co系鉄基軟磁性合金粉末:SiO粉末=99.9質量%:0.1質量%となるように添加し混合して混合粉末を作製し、得られた混合粉末を温度:650℃、圧力:2.7×10−4MPa、3時間保持することにより表面に酸化ケイ素膜を有する酸化ケイ素被覆Fe−Co系鉄基軟磁性合金粉末を作製した。この酸化ケイ素被覆Fe−Co系鉄基軟磁性合金粉末の表面に形成されている酸化ケイ素膜はSiOx(x=1〜2)を含む膜であることを確認した。次に、この酸化ケイ素被覆Fe−Si系鉄基軟磁性合金粉末にMg粉末を酸化ケイ素被覆Fe−Co系鉄基軟磁性合金粉末:Mg粉末=99.8質量%:0.2質量%となるように添加し混合して混合粉末を作製し、得られた混合粉末を温度:650℃、圧力:2.7×10−4MPa、1時間保持することによりFe−Co系鉄基軟磁性合金粉末の表面にMgおよびSiを含有する酸化鉄膜を形成したMgおよびSi含有酸化物被覆Fe−Co系鉄基軟磁性合金粉末を作製した。
実施例8−2
先に用意した原料粉末である酸化膜被覆Fe−Co系鉄基軟磁性合金粉末にSiO粉末およびMg粉末を酸化鉄被覆Fe−Co系鉄基軟磁性合金粉末:SiO粉末:Mg粉末=99.7質量%:0.1質量%:0.2質量%の割合で同時に添加し混合して混合粉末を作製し、得られた混合粉末を温度:650℃、圧力:2.7×10−4MPa、3時間保持することによりFe−Co系鉄基軟磁性合金粉末の表面にMgおよびSiを含有する酸化鉄膜を形成したMgおよびSi含有酸化物被覆Fe−Co系鉄基軟磁性合金粉末を作製した。
実施例8−3
先に用意した原料粉末である酸化膜被覆Fe−Co系鉄基軟磁性合金粉末にMg粉末を、酸化膜被覆Fe−Co系鉄基軟磁性合金粉末:Mg粉末=99.8質量%:0.2質量%となるように添加し混合して混合粉末を作製し、得られた混合粉末を温度:650℃、圧力:2.7×10−4MPa、2時間保持することにより表面にMgO膜を有する酸化マグネシウム被覆Fe−Co系鉄基軟磁性合金粉末を作製した。この酸化マグネシウム被覆Fe−Co系鉄基軟磁性合金粉末にさらにSiO粉末を酸化マグネシウム被覆Fe−Co系鉄基軟磁性合金粉末:SiO粉末=99.9質量%:0.1質量%となるように添加し混合して混合粉末を作製し、得られた混合粉末を温度:650℃、圧力:2.7×10−4MPa、3時間保持することによりFe−Co系鉄基軟磁性合金粉末の表面にMgおよびSiを含有する酸化鉄膜を形成したMgおよびSi含有酸化物被覆Fe−Co系鉄基軟磁性合金粉末を作製した。
従来例8
先に用意した水アトマイズFe−Co系鉄基軟磁性合金粉末に対してシリコーン樹脂およびMgO粉末を水アトマイズFe−Co系鉄基軟磁性合金粉末:シリコーン樹脂:MgO粉末=99.8:0.14:0.06の割合となるように混合して従来混合粉末を作製し、得られた従来混合粉末を金型に入れ、プレス成形して縦:55mm、横:10mm、厚さ:5mmの寸法を有する板状圧粉体および外径:35mm、内径:25mm、高さ:5mmの寸法を有するリング形状圧粉体を成形し、得られた圧粉体を窒素雰囲気中、温度:600℃、30分保持の条件で焼結することにより板状およびリング状焼結体からなる複合軟磁性焼結材を作製し、板状焼結体からなる複合軟磁性材の比抵抗を測定してその結果を表8に示し、さらにリング状焼結体からなる複合軟磁性材に巻き線を施し、磁束密度、保磁力、並びに磁束密度1.5T、周波数50Hzの時の鉄損および磁束密度1.0T、周波数400Hzの時の鉄損などの磁気特性を測定し、それらの結果を表8に示した。
実施例9−1
先に用意した原料粉末である酸化膜被覆Fe−P系鉄基軟磁性合金粉末にSiO粉末を、酸化膜被覆Fe−P系鉄基軟磁性合金粉末:SiO粉末=99.9質量%:0.1質量%となるように添加し混合して混合粉末を作製し、得られた混合粉末を温度:650℃、圧力:2.7×10−4MPa、3時間保持することにより表面に酸化ケイ素膜を有する酸化ケイ素被覆Fe−P系鉄基軟磁性合金粉末を作製した。この酸化ケイ素被覆Fe−P系鉄基軟磁性合金粉末の表面に形成されている酸化ケイ素膜はSiOx(x=1〜2)を含む膜であることを確認した。次に、この酸化ケイ素被覆Fe−Si系鉄基軟磁性合金粉末にMg粉末を酸化ケイ素被覆Fe−P系鉄基軟磁性合金粉末:Mg粉末=99.8質量%:0.2質量%となるように添加し混合して混合粉末を作製し、得られた混合粉末を温度:650℃、圧力:2.7×10−4MPa、1時間保持することによりFe−P系鉄基軟磁性合金粉末の表面にMgおよびSiを含有する酸化鉄膜を形成したMgおよびSi含有酸化物被覆Fe−P系鉄基軟磁性合金粉末を作製した。
実施例9−2
先に用意した原料粉末である酸化膜被覆Fe−P系鉄基軟磁性合金粉末にSiO粉末およびMg粉末を酸化鉄被覆Fe−P系鉄基軟磁性合金粉末:SiO粉末:Mg粉末=99.7質量%:0.1質量%:0.2質量%の割合で同時に添加し混合して混合粉末を作製し、得られた混合粉末を温度:650℃、圧力:2.7×10−4MPa、3時間保持することによりFe−P系鉄基軟磁性合金粉末の表面にMgおよびSiを含有する酸化鉄膜を形成したMgおよびSi含有酸化物被覆Fe−P系鉄基軟磁性合金粉末を作製した。
実施例9−3
先に用意した原料粉末である酸化膜被覆Fe−P系鉄基軟磁性合金粉末にMg粉末を、酸化膜被覆Fe−P系鉄基軟磁性合金粉末:Mg粉末=99.8質量%:0.2質量%となるように添加し混合して混合粉末を作製し、得られた混合粉末を温度:650℃、圧力:2.7×10−4MPa、2時間保持することにより表面にMgO膜を有する酸化マグネシウム被覆Fe−P系鉄基軟磁性合金粉末を作製した。この酸化マグネシウム被覆Fe−P系鉄基軟磁性合金粉末にさらにSiO粉末を酸化マグネシウム被覆Fe−P系鉄基軟磁性合金粉末:SiO粉末=99.9質量%:0.1質量%となるように添加し混合して混合粉末を作製し、得られた混合粉末を温度:650℃、圧力:2.7×10−4MPa、3時間保持することによりFe−P系鉄基軟磁性合金粉末の表面にMgおよびSiを含有する酸化鉄膜を形成したMgおよびSi含有酸化物被覆Fe−P系鉄基軟磁性合金粉末を作製した。
従来例9
先に用意した水アトマイズFe−P系鉄基軟磁性合金粉末に対してシリコーン樹脂およびMgO粉末を水アトマイズFe−P系鉄基軟磁性合金粉末:シリコーン樹脂:MgO粉末=99.8:0.14:0.06の割合となるように混合して従来混合粉末を作製し、得られた従来混合粉末を金型に入れ、プレス成形して縦:55mm、横:10mm、厚さ:5mmの寸法を有する板状圧粉体および外径:35mm、内径:25mm、高さ:5mmの寸法を有するリング形状圧粉体を成形し、得られた圧粉体を窒素雰囲気中、温度:600℃、30分保持の条件で焼結することにより板状およびリング状焼結体からなる複合軟磁性焼結材を作製し、板状焼結体からなる複合軟磁性材の比抵抗を測定してその結果を表9に示し、さらにリング状焼結体からなる複合軟磁性材に巻き線を施し、磁束密度、保磁力、並びに磁束密度1.5T、周波数50Hzの時の鉄損および磁束密度1.0T、周波数400Hzの時の鉄損などの磁気特性を測定し、それらの結果を表9に示した。
Claims (13)
- 軟磁性粉末の表面に酸化膜を形成した酸化膜被覆軟磁性粉末に一酸化ケイ素粉末を添加し混合した後または混合しながら真空雰囲気中、温度:600〜1200℃保持の条件で加熱し、さらにMg粉末を添加し混合した後または混合しながら真空雰囲気中、温度:400〜800℃保持の条件で加熱することを特徴とするMgおよびSi含有酸化物被覆軟磁性粉末の製造方法。
- 軟磁性粉末の表面に酸化膜を形成した酸化膜被覆軟磁性粉末に一酸化ケイ素粉末およびMgO粉末を添加し混合した後または混合しながら真空雰囲気中、温度:400〜1200℃保持の条件で加熱することを特徴とするMgおよびSi含有酸化物被覆軟磁性粉末の製造方法。
- 軟磁性粉末の表面に酸化膜を形成した酸化膜被覆軟磁性粉末にMg粉末を添加し混合した後または混合しながら真空雰囲気中、温度:400〜800℃保持の条件で加熱し、さらに一酸化ケイ素粉末を添加し混合した後または混合しながら真空雰囲気中、温度:600〜1200℃保持の条件で加熱することを特徴とするMgおよびSi含有酸化物被覆軟磁性粉末の製造方法。
- 前記軟磁性粉末の表面に酸化膜を形成した酸化膜被覆軟磁性粉末は、軟磁性粉末を酸化雰囲気中で室温〜500℃に加熱保持することにより作製することを特徴とする請求項1、2または3記載のMgおよびSi含有酸化物被覆軟磁性粉末の製造方法。
- 前記一酸化ケイ素粉末の添加量は0.01〜1質量%の範囲内であり、前記Mg粉末の添加量は0.05〜1質量%の範囲内であることを特徴とする請求項1、2、3または4記載のMgおよびSi含有酸化物被覆軟磁性粉末の製造方法。
- 前記真空雰囲気は、圧力:1×10−12〜1×10−1MPaの真空雰囲気であることを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載のMgおよびSi含有酸化物被覆軟磁性粉末の製造方法。
- 前記軟磁性金属粉末は、鉄粉末、Fe−Al系鉄基軟磁性合金粉末、Fe−Ni系鉄基軟磁性粉末、Fe−Cr系鉄基軟磁性合金粉末、Fe−Si系鉄基軟磁性粉末、Fe−Si−Al系鉄基軟磁性合金粉末、Fe−Co−V系鉄基軟磁性合金粉末、Fe−Co系鉄基軟磁性合金粉末またはFe−P系鉄基軟磁性合金粉末であることを特徴とする請求項1乃至請求項6記載のMgおよびSi含有酸化物被覆軟磁性粉末の製造方法。
- 軟磁性粉末の表面に酸化膜を形成した酸化膜被覆軟磁性粉末からなることを特徴とするMgおよびSi含有酸化物被覆軟磁性粉末製造用原料粉末。
- 請求項1、2、3、4、5または7記載の方法で製造したMgおよびSi含有酸化物被覆軟磁性粉末をプレス成形後、温度:400〜1300℃で焼成することを特徴とする比抵抗および機械的強度に優れた複合軟磁性材の製造方法。
- 請求項1、2、3、4、5または7記載の方法で製造したMgおよびSi含有酸化物被覆軟磁性粉末に、有機絶縁材料、無機絶縁材料、または有機絶縁材料と無機絶縁材料の混合材料を混合したのち圧粉成形し、500〜1000℃で焼成することを特徴とする比抵抗および機械的強度に優れた複合軟磁性材の製造方法。
- 請求項9または10記載の方法で製造した比抵抗および機械的強度に優れた複合軟磁性材。
- 請求項11記載の複合軟磁性材からなる電磁気回路部品。
- 前記電磁気回路部品は、磁心、電動機コア、発電機コア、ソレノイドコア、イグニッションコア、リアクトルコア、トランスコア、チョークコイルコアまたは磁気センサーコアであることを特徴とする請求項12記載の電磁気回路部品。
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