JP2002110313A - 加熱装置および画像形成装置 - Google Patents

加熱装置および画像形成装置

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JP2002110313A
JP2002110313A JP2000303432A JP2000303432A JP2002110313A JP 2002110313 A JP2002110313 A JP 2002110313A JP 2000303432 A JP2000303432 A JP 2000303432A JP 2000303432 A JP2000303432 A JP 2000303432A JP 2002110313 A JP2002110313 A JP 2002110313A
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heating element
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賢一 小川
Kohei Maeda
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Abstract

(57)【要約】 【課題】加熱体1と、加熱体1を支持する加熱体支持部
材2と、加熱体1の異常昇温時に加熱体1の熱で作動し
給電を遮断する安全対策用温度検知素子10を有し、被
加熱材を加熱する加熱装置について、素子10が通常時
は作動せず、異常時には確実に作動する系を実現する。 【解決手段】加熱体1と素子10の間にあって、通常時
は素子を加熱体との間に所定の空隙Gを保って支持する
素子支持部材2dを有し、加熱体支持部材2と素子支持
部材2dは熱可塑性樹脂により一体で形成され、素子1
0を加熱体1の方向へ付勢する付勢部材34を有し、付
勢部材34は、加熱体1の異常昇温時の素子10を加熱
体1へ移動させ接触させるに足る付勢力を有すること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、通電により発熱す
る加熱体と、該加熱体を支持する加熱体支持部材と、該
加熱体の異常昇温時に加熱体の熱で作動し給電を遮断す
る安全対策用温度検知素子(温度プロテクト素子)を有
し、被加熱材を加熱する加熱装置、および該加熱装置を
加熱定着装置として備えた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、複写機、プリンタ、ファックス
等の画像形成装置における画像加熱定着装置、すなわ
ち、電子写真、静電記録、磁気記録等の適宜の画像形成
プロセス手段により加熱溶融性の樹脂等によりなるトナ
ーを用いて記録材に形成したトナー画像を永久固着画像
として加熱定着処理する画像加熱定着装置としては、従
来より、各種タイプの装置が知られており、また実用に
供されている。
【0003】代表的な装置としては、熱ローラタイプの
装置、フィルム加熱方式の装置等が挙げられる。
【0004】フィルム加熱方式の加熱定着装置は、特開
平2−157878,4−44075〜44083,4
−204980〜204984号公報等に記載されてお
り、熱伝達効率が高く、装置の立ち上がりも速い方式
(オンデマンド)の装置である。
【0005】図11はフィルム加熱方式の加熱定着装置
の要部の横断面模型図である。
【0006】1は加熱体としてのセラミックヒーターで
あり、図面に垂直方向を長手とする細長・薄板形状の低
熱容量ヒーターである。このヒーター1は絶縁性で熱伝
導率の良い細長・薄板形状のヒーター基板と、この基板
に具備させた発熱抵抗体部(通電発熱抵抗体)とを基本
構成体とするもので、発熱抵抗体部に対する通電により
急速に昇温し、通電遮断により迅速に降温する。
【0007】2は加熱体支持部材としてのヒーターホル
ダであり、剛性・断熱性を有し、該部材の下面に部材長
手に沿って形成されたヒーター嵌め込み溝2a内に上記
のヒーター1を嵌め込んで固定支持させてある。
【0008】上記のようにヒーターホルダ2に支持させ
たヒーター1の露呈面(ヒーター表面)に対して耐熱性
フィルム(定着フィルム)3を弾性加圧ローラ4で加圧
密着させて摺動搬送させ、該フィルム3を挟んでヒータ
ー1と加圧ローラ4とで形成される圧接ニップ部(定着
ニップ部)Nのフィルム3と加圧ローラ4との間に被加
熱材としての、未定着画像(トナー画像)tを形成担持
させた被記録材Pを導入してフィルム3と一緒に定着ニ
ップ部Nを挟持搬送させることによりヒーター1の熱を
フィルム3を介して被記録材Pに付与して被記録材P上
の未定着画像tを被記録材Pの面に加熱定着させるもの
である。定着ニップ部Nを通った被記録材Pはフィルム
3の面から分離して搬送される。
【0009】ヒーター1は、その温度が不図示の温度検
出素子で検出され、その温度情報が不図示の通電制御回
路へフィードバックされ、電源から発熱抵抗体部への通
電が制御されることで、定着実行時に温度検出素子で検
出される温度が所定の温度(定着温度)になるように温
調制御される。
【0010】また、ヒーター1の異常昇温時にヒーター
1の熱で作動してヒーター1への給電を緊急遮断させる
安全対策用温度検知素子10(以下、温度ヒューズと記
す)をヒーター1の定着フィルム密着面側とは反対の面
に対して接触させて配設してあり、発熱抵抗体部に対す
る通電に制御不能の事態を生じてヒーター1が異常昇温
(ヒーターの暴走、許容以上の過昇温)すると、そのヒ
ーター1の異常昇温温度で温度ヒューズ10が動作し
て、発熱抵抗体部への通電が緊急遮断される。
【0011】
【発明が解決しようとしている課題】近年は、上記のよ
うなフィルム加熱方式の加熱定着装置を有する画像形成
装置においても、プリント速度の大幅なスピードアップ
化が求められている。
【0012】それに伴い、加熱定着装置からの単位時間
あたりの熱量をふやすためにヒーター1の制御温度を上
げる必要が生じる。この場合、急激な熱変動にも耐えら
れるように従来より熱伝導率が高い基材(ヒーター基
板)を用いたヒーターが要求される。
【0013】この場合、制御温度が上昇することと、熱
伝導性が良い基材を使用するために、ヒーター1の温度
ヒューズ10と接する箇所も従来にくらべ温度が上昇し
てしまう。このため、ヒーター1と確実に密着している
温度ヒューズ10の温度も上昇し、従来使用していた温
度ヒューズ10が異常時ではなく通常使用時にも動作し
てしまい、安全対策用温度検知素子としての役目を果た
せないといった問題があった。
【0014】こうした場合、単純に信頼性や実績のある
動作温度の高い温度ヒューズ、安全対策用温度検知素子
があればよいのだが、無い場合には動作温度が変わると
いうことで、素子としても新規での開発が必要となり、
その手間や開発費、あるいは新規の材料や構成がコスト
アップにつながったり、素子自身の信頼性についても十
分であるかどうかといった問題点があった。
【0015】また、装置毎の制御温度に対応して動作温
度が異なる安全対策用温度検知素子を用意する場合は素
子の装置間での共通化ができないので、マスメリットを
生かしてのコストダウンが図れないといった問題があ
る。
【0016】また、同様の形状で異なる複数の素子が存
在することで、管理上も混入などの問題がおきやすくな
る。
【0017】また、温度ヒューズ10をヒーター1に常
時当接させる構成においては、その当接する部分におい
て、通常の通紙中にも温度ヒューズ10に熱が奪われて
しまうため、その部分の温度低下を補うためにヒーター
側の通電発熱抵抗体に絞り部を設ける構成となってい
る。この通電発熱抵抗体中の絞り部の形状は、朝一での
定着性低下が無いことを想定して決定されるため、連続
通紙などにより十分にヒーターおよび定着器が温まった
場合は、どうしても絞り部において熱量過多の状態にな
るため、ホットオフセットやその部分に温度過多による
加圧ローラ汚れや加圧ローラの破損が起きてしまうとい
った問題が生じることがある。
【0018】以上のような問題点を解決する手段とし
て、特開平08−305191号公報に示すような安全
用温度検知素子とヒーターとの間に別体の軟化部材でで
きたスペーサ部材を設けたものが提案されているが、こ
の場合は、別体であるために組立性やコストが高くなる
といった問題点があった。特に、低コストを実現するよ
うな加熱体と加熱体支持部材を接着レス構成とした場合
においては、組立順序からすると安全用温度検知素子を
加熱体支持部材に取り付けた後に加熱体を取り付けるた
めに、別体のスペーサを介在させる構成は極めて組立性
が困難になるといった問題があった。
【0019】本発明は、通電により発熱する加熱体と、
該加熱体を支持する加熱体支持部材と、該加熱体の異常
昇温時に加熱体の熱で作動し給電を遮断する安全対策用
温度検知素子を有し、被加熱材を加熱する加熱装置、お
よび該加熱装置を加熱定着装置として備えた画像形成装
置について、機器のスピードアップに伴って加熱体の温
度が機器内の安全装置である安全対策用温度検知素子の
動作温度付近になっても、通常時は作動せず、異常時に
は安全装置として確実に作動させる系を実現することを
目的とする。
【0020】同時に、従来における安全対策用温度検知
素子による熱の逃げによる画像の不具合を解消する系を
実現することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記の構成を
特徴とする加熱装置および画像形成装置である。
【0022】(1)通電により発熱する加熱体と、該加
熱体を支持する加熱体支持部材と、該加熱体の異常昇温
時に加熱体の熱で作動し給電を遮断する安全対策用温度
検知素子を有し、被加熱材を加熱する加熱装置におい
て、前記加熱体と前記安全対策用温度検知素子の間にあ
って、通常時は前記安全対策用温度検知素子を加熱体と
の間に所定の空隙を保って支持する素子支持部材を有
し、前記加熱体支持部材と前記素子支持部材は熱可塑性
樹脂により一体で形成され、前記安全対策用温度検知素
子を加熱体の方向へ付勢する付勢部材を有し、該付勢部
材は、加熱体の異常昇温時の加熱体からの熱による前記
素子支持部材の溶融に伴い、安全対策用温度検知素子を
加熱体へ移動させ接触させるに足る付勢力を有すること
を特徴とする加熱装置。
【0023】この構成により、通常使用時の安全対策用
温度素子の最高到達温度を所望の安全対策用温度素子の
動作温度以下に管理でき、加熱体異常昇温時には安全対
策用温度検知素子としての機能を果たすに十分な動作時
間にて動作させることができる。
【0024】安全対策用温度検知素子を支持している素
子支持部材は加熱体支持部材と一体で形成されているた
め、高さ方向の規定も厳しく管理でき、そのため、安全
対策用温度検知素子と加熱体の間のギャップも厳しく規
定できるため、安全対策用温度検知素子の動作時間にも
ばらつきの少ない安定したものが実現でき、安全対策用
として十分な機能を果たすものが得ることができる。
【0025】(2)前記加熱体は、絶縁性の平板状の基
板と、該基板に具備させた発熱抵抗体部からなることを
特徴とする(1)に記載の加熱装置。
【0026】(3)前記安全対策用温度検知素子は前記
加熱体の発熱抵抗体部の給電線に対して直列に接続され
ていることを特徴とする(1)、または(2)に記載の
加熱装置。
【0027】(4)前記安全対策用温度検知素子は前記
加熱体の裏面に対応していることを特徴とする(1)か
ら(3)の何れかに記載の加熱装置。
【0028】(5)前記素子支持部材は軟化点が前記安
全対策用温度検知素子の作動温度より大であることを特
徴とする(1)から(4)の何れかに記載の加熱装置。
【0029】(6)前記素子支持部材は、前記加熱体支
持部材と一体で形成された突起部であることを特徴とす
る(1)から(5)の何れかに記載の加熱装置。
【0030】(7)前記突起部の形状は片持ち梁形状
で、前記安全対策用温度検知素子の外形近傍を支持する
ような形状であり、該突起部は、個々の突起部の熱容量
が小さくなるように分割され、かつ、安全対策用温度検
知素子が安定して支持できるように複数個設けられてい
ることを特徴とした(5)に記載の加熱装置。
【0031】突起部形状を微細に分割した熱容量の小さ
な、片持ち梁状の形状で、安全対策用温度検知素子との
接触部の重なりも保持するに足る形状の中で最大限に小
さくした形状とすることで、より加熱体異常昇温時の安
全対策用温度検知素子の動作時間が短く安定したものと
することができる。
【0032】(8)前記安全対策用温度検知素子の形状
が加熱体長手方向に平行な円筒形状であり、該安全対策
用温度検知素子が対向する位置の加熱体面に凹み形状を
有することを特徴とする(1)から(7)の何れかに記
載の加熱装置。
【0033】安全対策用温度検知素子が円筒形状でそれ
と対向する加熱体面に凹形状を設けることにより、安全
対策用温度検知素子の最高到達温度の管理もよりマージ
ンが増え、加熱体異常昇温時の安全対策用温度検知素子
の動作時間も短くなり、さらに安定した信頼性のあるも
のが実現できる。
【0034】(9)前記被加熱材が未定着画像を担持し
た被記録材であり、装置が該未定着画像を被記録材に加
熱定着させる加熱定着装置であることを特徴とする
(1)から(8)の何れかに記載の加熱装置。
【0035】(10)前記加熱体にフィルムを接触摺動
させ、該フィルムの加熱体側とは反対側の面に被加熱材
を密着させて、該フィルムと共に加熱体位置を通過させ
て加熱体から該フィルムを介して被加熱材に熱エネルギ
ーを付与することを特徴とする(1)から(9)の何れ
かに記載の加熱装置。
【0036】(11)被記録材に未定着画像を形成担時
させる作像手段と、被記録材に形成担時された未定着画
像を加熱定着させる定着手段を有する画像形成装置にお
いて、前記定着手段が(1)から(10)の何れかに記
載の加熱装置であることを特徴とする画像形成装置。
【0037】以上のような構成により、たとえ制御温度
が高温に移行しても、所望の従来の安全対策用温度検知
素子をそのまま、使うことができる。
【0038】また、安全対策用温度検知素子を加熱体か
ら空隙を保って使用するので、従来のような加熱体の安
全対策用温度検知素子からの熱逃げの影響を受けなくで
きるので、画像的にも加熱体長手方向に均一で良好な画
像を得ることができる。
【0039】また、安全対策用温度検知素子を加熱体支
持部材と一体で形成された素子支持部材に支持するた
め、加熱体組み付け前に安全対策用温度検知素子の組み
付けが可能となり、低コストである加熱体接着レス構成
における組立性にも何ら問題なく対応できる。
【0040】こうしたことで、制御温度毎での安全対策
用温度検知素子の開発などの無駄な手間を要することな
く、開発の効率化も図られる。当然ながら新規材料など
によるコストアップなどもない。
【0041】また、従来の実績のある素子をそのまま使
うことができるので、信頼性にも十分なものを、さらに
共通化することでコストダウンすることが可能となり、
安く実現できる。
【0042】また、構成としても加熱体支持部材に素子
支持部材を追加するだけなので、もちろんコストも安
く、しかも構成が簡単なものとして、組立性にも問題な
い。特に、低コストタイプの加熱体接着レス構成の加熱
定着装置においては、安全対策用温度検知素子を加熱体
支持部材の素子支持部材に支持するため、加熱体組み付
け前に安全対策用温度検知素子の組み付けが可能とな
り、問題なく組み付けが可能となる。
【0043】さらに、従来あった長手方向の定着ムラに
起因する加圧ローラ汚れや加圧ローラの一部の熱による
破損といった問題もなくなるため、装置全体としても信
頼性のあるものが実現できる。
【0044】
【発明の実施の形態】(第1の実施例) (1)画像形成装置例 図1は本実施例の画像形成装置の概略構成図である。本
例の画像形成装置は電子写真プロセス利用のレーザービ
ームプリンタである。
【0045】51は筐体、52は像担持体としての電子
写真感光ドラムであり、該感光ドラム52は矢印の時計
方向に所定の周速度(プロセススピード)をもって回転
駆動される。
【0046】感光ドラム52は、その回転過程で帯電ロ
ーラ53により所定の極性、電位に一様に一次帯電さ
れ、その帯電面にレーザー走査露光装置(レーザービー
ムスキャナ)54により出力される、目的の画像情報の
時系列電気デジタル画素信号に対応して変調されたレー
ザー光Lによる走査露光を受け、ドラム周面に目的の画
像情報に対応した静電潜像が形成される。54aはレー
ザー光反射ミラーである。
【0047】その潜像が現像装置55によりトナー画像
として現像され、そのトナー画像が感光ドラム52と転
写ローラ56との間の転写ニップ部nへ至る。
【0048】一方、給紙ローラ57により給紙カセット
58内の被記録材Pが一枚づつ搬送され、シートパス5
9を通って所定のタイミングで転写ニップ部nへ導入さ
れ、転写ローラ56により被記録材Pの背面からトナー
と逆極性の電界が加えられて感光ドラム52側のトナー
画像が被記録材Pの面に転写されていく。
【0049】トナー画像の転写を受けて転写ニップ部n
を通過した被記録材Pは、感光ドラム52面から分離さ
れて搬送ガイド60に導かれて加熱定着装置200に入
り、定着ニップ部Nを通ることでトナー画像の加熱定着
を受け、シートパス62を通って装置外へと排出され
る。
【0050】被記録材Pに対するトナー画像転写後の感
光ドラム52面はクリーニング装置63により清掃され
て繰り返して作像に供される。
【0051】(2)加熱定着装置200 図2は本実施例の加熱定着装置200の横断面模型図で
ある。本例の加熱定着装置200は、特開平4−440
75〜44083,4−204980〜204984号
公報等に開示の円筒状の定着フィルムを用いたフィルム
加熱方式・加熱ローラ駆動方式・テンションレスタイプ
の加熱装置である。
【0052】加熱体としてのセラミックヒーター1は、
図2において図面に垂直方向を長手とする細長平板状で
絶縁性の低熱容量の部材である。このヒーター1の具体
的構造については後述する。
【0053】加熱体支持部材としてのヒーターホルダ2
は、液晶ポリマー・PPS等の熱可塑性樹脂製で、剛性
・耐熱性を有する部材である。本例では液晶ポリマーで
あり、形状は横断面略半円樋型の横長部材である。上記
ヒーター1はこのヒーターホルダ2の下面に長手に沿っ
て形成具備された嵌め込み溝2a内に嵌め込んで支持さ
せてある。
【0054】5は補強ステーであり、横断面下向きU字
型の横長の剛性部材である。上記のヒーターホルダ2の
内側に載置して配設してある。
【0055】3は円筒状の定着フィルムであり、上記の
ヒーター1、ヒーターホルダ2、補強ステー5の組み立
て体に対して周長に余裕を持たせてルーズに外嵌させて
ある。フィルム3は、熱容量を小さくしてクイックスタ
ート性を向上するために、通常ポリイミド等のフィルム
表面にPTFE,PFA,FEP等を離型層としてコー
ティングした膜厚100μm以下で、耐熱性、離型性、
耐久性を兼ね備えた複合層フィルムで構成されている。
【0056】4は加圧部材としての弾性ローラであり、
芯金4aと、その外側に設けたシリコンゴム等の耐熱ゴ
ム弾性層4b等からなる。加圧ローラ4は、その両端軸
部を回転自由に軸受け保持させて配設してあり、この加
圧ローラ4の上側に、上記のヒーター1、ヒーターホル
ダ2、フィルム3、補強ステー5等からなる組み立て体
をヒーター1側を下向きにして対向させ、補強ステー5
の両端部をそれぞれ加圧バネ部材(不図示)で下方に押
圧状態にすることで、ヒーター1の下向き面と加圧ロー
ラ4とをフィルム3を挟ませて加圧ローラ4の弾性に抗
して圧接させて、所定幅の定着ニップ部Nを形成させて
いる。
【0057】加圧ローラ4は駆動源Mから駆動力が伝達
されて、矢印の反時計方向Rに所定の周速度で回転駆動
される(加圧ローラ駆動型)。
【0058】この加圧ローラ4の回転駆動による該ロー
ラ4の外面とフィルム3の外面との、定着ニップ部Nに
おける圧接摩擦力でフィルム3に回転力が作用して、該
フィルム3はその内面が定着ニップNにおいてヒーター
1の下向き面に密着して摺動しながら時計方向に加圧ロ
ーラ4の回転周速度にほぼ対応した周速度をもってヒー
ターホルダ2の外回りを矢印の時計方向aに従動回転状
態になる。ヒーターホルダ2は円筒状フィルム3の回転
ガイド部材としての役目もしている。
【0059】この場合、ヒーターホルダ2の外回りを従
動回転する円筒状のフィルム3は、その周長の定着ニッ
プ部Nとその近傍のフィルム以外のフィルム部分はテン
ションフリー(テンションが加わらない状態)の状態に
ある。また、フィルム3の回転に伴って生じるヒーター
ホルダ2の長手に沿う寄り移動はヒーターホルダ2の端
部に設けたフランジ部材(不図示)の内側面にフィルム
3の端部が受け止められて規制される。
【0060】而して、加圧ローラ4が回転駆動され、そ
れに伴って円筒状のフィルム3がヒーターホルダ2の外
回りを従動回転状態になり、ヒーター1に通電がなされ
て該ヒーター1の発熱で定着ニップ部Nの温度が所定に
立ち上がって温調された状態において、定着ニップ部N
に、未定着顕画像(未定着トナー画像)tを形成担持さ
せた紙などの被記録材Pが導入され、定着ニップ部Nに
おいて、被記録材Pの未定着トナー画像担持面側がフィ
ルム3の外面に密着してフィルム3と一緒に定着ニップ
部Nを挟持搬送されていく。
【0061】この被記録材Pの挟持搬送過程において、
ヒーター1の熱がフィルム3を介して被記録材Pに付与
され、該被記録材P上の未定着トナー画像tが加熱加圧
され定着されていく。
【0062】被記録材Pは加熱ニップ部Nを通過すると
フィルム3の外面から曲率分離して排出搬送される。
【0063】10は安全対策用温度素子としての温度ヒ
ューズであり、ヒーターホルダ2の内側に配設してあ
る。この温度ヒューズ10については後述する。
【0064】(3)ヒーター1 図3の(a)はヒーター1の表面側の平面模式図、
(b)は裏面側の平面模式図である。
【0065】本実施例における加熱体としてのヒーター
1は、ヒーター基板1aとして、アルミナよりも熱伝導
率が約10倍程度良い窒化アルミニウム(AlN)を用
い、フィルム・被記録材加熱面側である基板表面側(ヒ
ーター表面側)に通電発熱抵抗体1bを設け、その逆面
側である基板裏面側(ヒーター裏面側)に基板検温素子
(サーミスタ)1d並びにその電極部1h・1jを設け
た、表面加熱型・片側裏面電極パターンヒーターであ
る。
【0066】このヒーター1はヒーター基板1aの表面
側に、(a)図のように第一の電極パターン1f→一方
の通電発熱抵抗体1b→導電路パターン1e→他方の通
電発熱抵抗体1b→第二の電極パターン1gの直列電路
からなる一次回路(ACライン)と、通電発熱体1b、
1bならびに導電路パターン1eを覆わせる保護層とし
ての耐熱ガラスコート層1cが設けられている。
【0067】そして、このヒーター基板1aの裏面側
に、(b)図のように第三の電極パターン1h→一方の
導電路パターン1k→サーミスタ1d→他方の導電路パ
ターン1m→第四の電極パターン1jの直列電路からな
る二次回路(DCライン)を形成具備してあり、ヒータ
ー基板1aにはスルーホールが存在しない。
【0068】安全対策用素子である温度ヒューズ10は
ACラインの給電路に直列に挿入されている。
【0069】図2のように、ヒーターホルダ2のヒータ
ー嵌め込み溝2aの底面の一部には温度ヒューズ嵌め込
み用の透孔部2eを設けてある。この透孔部2eからヒ
ーターホルダ2の内側にヒーター1の基板裏面の一部が
露呈している。温度ヒューズ10は上記の透孔部2eに
ヒーターホルダ2の内側から嵌め込み、後述するように
透孔部縁部の4個所に設けた素子支持部材としての片持
ち梁形状の突起部2dに受けさせ、温度ヒューズ加圧バ
ネ34(後述)にて押し当てて押さえ込み状態に保持さ
せている。
【0070】上記の素子支持部材としての突起部2d
は、加熱体保持部材である熱可塑性樹脂製のヒーターホ
ルダ2と同材で一体で形成されている。
【0071】温度ヒューズ10は突起部2dに受け止め
られて支持されている状態において、突起部2dにより
ヒーター1の裏面との間に所定の間隔の空隙(隙間、ギ
ャップ)Gが保たれている。
【0072】そして、温度ヒューズ10は、何らかの原
因でヒーター1が暴走してヒーターが所定の許容温度以
上に加熱した時にヒーターホルダ2の熱可塑性樹脂の突
起部2dが溶融して温度ヒューズ加圧バネ34の力にて
ヒーター基板1aの裏面に移動・接触する。これにより
温度ヒューズ10が作動して給電回路を緊急遮断する働
きをする。
【0073】本実施例では、温度ヒューズ10の動作温
度は226℃となっている。また、温度ヒューズ10は
空隙Gを確保してヒーター1の裏面に配設されるので、
ヒーター1には温度ヒューズ10による熱逃げ等が発生
しないため、ヒーター1の通電発熱抵抗体1bのパター
ン形状は従来設けていたような絞り形状は必要なく、他
の部分と均一な連続した発熱抵抗体パターンとなってい
る。
【0074】図3において、15は給電用ヒーターコネ
クタであり、ヒーター1のACラインの第一と第二の電
極パターン1f・1g側に装着してある。そしてこの給
電用ヒーターコネクタ15を介して、商用電源16、A
Cドライバ17等からなる給電回路からヒーター1の前
記ACラインの第一と第二の電極パターン1f,1g間
に給電されることでACラインの通電発熱抵抗体1b,
1bが発熱してヒーター1の所定の有効加熱長さ領域が
迅速に昇温する。
【0075】13は検温用ヒーターコネクタであり、ヒ
ーター1のDCラインの第三と第四の電極パターン1h
・1j側に装着してある。そしてこの検温用ヒーターコ
ネクタ6は、A/Dコンバータ19と連絡させてあり、
前記DCラインのサーミスタ1dの電圧がヒーター1の
温度情報として第三と第四の電極パターン1h,1jか
ら検温用ヒーターコネクタ13を介してA/Dコンバー
タ19に取り出され、デジタルデータとして制御回路
(CPU)18へ取り込まれる。
【0076】制御回路18はその入力デジタルデータを
基にヒーター1の温度を所定の一定温度に制御すべくA
Cドライバ17を制御する。即ちACラインへの給電を
制御してヒーター1を温度制御する。
【0077】(4)温度ヒューズ10 次に温度ヒューズ10、および温度ヒューズまわりの構
成について図2、図4〜図8で説明する。
【0078】a)温度ヒューズ10の構造 本実施例で用いた温度ヒューズ10の構造を図4に示
す。(A)は平常時の断面図、(B)は動作時の断面図
である。
【0079】101は温度ヒューズの外装金属ケース、
102は第1リード線であり、その先端部に絶縁セラミ
ック円筒部材103を取り付け、この円筒部材103を
ケース101内の一端側に嵌入してケースをかしめるこ
とによりケース101とは絶縁して抜け止めてある。
【0080】104は第2リード線であり、その先端部
をケース101内の他端側に挿入しケースをかしめて金
属ケース101に電気的に導通させて抜け止めてある。
【0081】105,106,107,108,10
9,110はそれぞれケース101内に第1リード線1
02側から第2リード線104側に順次に配列内蔵させ
た、第1スプリング、可動電極、円板、第2スプリン
グ、円板、感温部材である有機物からなる感温ペレット
である。
【0082】第1スプリング105は絶縁セラミック1
03と可動電極106との間に縮設してあり、第2スプ
リング108は円板107と円板109間に縮設してあ
る。
【0083】第2スプリング108のバネ力を第1スプ
リングよりも大きくしてあり、(A)の平常時はこの第
2スプリング108の円板107、109間での突っ張
り力により、第1スプリング105が可動電極106と
絶縁セラミック円筒部材103との間に押し縮められ、
可動電極106が第1リード線102の先端部に押圧さ
れて第1リード線102との電気的導通が保たれる。ま
た、感温ペレット110が第2リード線104の先端に
当接して受け止められ、円板109と第2リード線10
4の先端間にスペーサ部材として介在した状態に保たれ
る。
【0084】可動電極106はその外周縁が金属ケース
101の内面に接触していてケース101との電気的導
通を保ってケース内を軸線方向に移動自由である。
【0085】この平常時状態において、ヒーター1の通
電発熱抵抗体1bへの電流は第1リード線102、その
先端に押圧接触状態にある可動電極106、これと電気
的に導通している金属ケース101、第2リード線10
4の経路で流れる。
【0086】111はケース101内の気密性を保たせ
るために金属ケース101の第1リード線取り付け側の
端面と第1リード線基部にかけて塗着形成した封口(封
止)樹脂部である。
【0087】この温度ヒューズ10をヒーター1に接触
させて配設することにより、ヒーター1の熱が金属ケー
ス101等を介して内部の感温ペレット110に伝達さ
れる。この感温ペレット110の温度が所定の動作温度
以下である限りは該温度ヒューズ10は(A)の平常時
状態が保たれていて、この温度ヒューズ10を介してヒ
ーター1の通電発熱抵抗体1bへ給電がなされる。
【0088】一方、通電制御系の故障によるヒーター暴
走によりヒーター1が過昇温して感温ペレット110の
温度が所定の温度以上になると、感温ペレット110が
溶融または昇華して(B)のように液状または消滅し、
円板109と第2リード線104の先端間のスペーサ部
材としての感温ペレット110がなくなる。そのため、
第1スプリング105のバネ力で第2スプリング108
が第2リード線104側へ押し動かされて可動電極10
6が第1リード線102の先端から離れた状態になり、
ヒーター1の通電が遮断される。
【0089】b)温度ヒューズ10の配設構成 前述したように、ヒーターホルダ2のヒーター嵌め込み
溝2aの底面の一部には温度ヒューズ嵌め込み用の透孔
部2eを設けてあり、温度ヒューズ10はこの透孔部2
eにヒーターホルダ2の内側から嵌め込み、透孔部縁部
に設けた素子支持部材としての片持ち梁形状の突起部2
dに受けさせ、温度ヒューズ加圧バネ34にて押し当て
て押さえ込み状態に保持させている。そして温度ヒュー
ズ10は突起部2dに受け止められて支持されている状
態において、突起部2dによりヒーター1の裏面との間
に所定の間隔の空隙Gが保たれている。
【0090】図5はヒーター1、ヒーターホルダ2、温
度ヒューズ10との位置関係を示したヒーター長手方向
に沿った縦断面図である。図6は温度ヒューズ10とヒ
ーターホルダ2との接触状態をよく表す、ヒーター1を
取り除いた状態での下面図である。
【0091】ヒーターホルダ2の温度ヒューズ嵌め込み
用の透孔部2eには、温度ヒューズ10を支持させる素
子支持部材としての4箇所の突起部2dが設けられてい
る(図6)。この突起部2dは温度ヒューズ10の円筒
状の外装を両サイドから支えるように片持ち梁形状とな
っている。温度ヒューズ10との接触部はテーパー形状
となり、安定して支持できるようになっている。また、
この突起部2dは、熱容量を極力小さくするために、腕
の長さや幅などは支持するに足りる強度の中で極力小さ
な形状となっている。本実施例では幅1.5mm、長さ
1.2mmである。この突起部2dの厚みは、温度ヒュ
ーズ10とヒーター1との間に設ける空隙Gの量によっ
て決められる。
【0092】本実施例においては、温度ヒューズ10と
ヒーター1との空隙Gを1mmとするため、突起部2d
の厚みは1.6mmテーパー形状は0.3ほどのC面が
つけられている。また、ヒーターホルダ2の突起部2d
以外で温度ヒューズ10本体およびリード線に相当する
部分は温度ヒューズ10が異常昇温時にヒーター1へ移
動する際に妨げとならないように開口穴形状となってい
る。
【0093】また、ヒーターホルダ2の内側は、図5の
ように、温度ヒューズ10の配線方向に沿って前後に係
合突起2b,2cが設けられている。温度ヒューズ10
のリード線102と束線30とが圧着され電気的に接続
するジョイント部材である端子31には、両係合突起2
b,2cと遊嵌する係合孔部31aが形成されている。
温度ヒューズ10の金属管で外装されたヒューズ本体
は、ヒーターホルダ2の突起部2dに支持されて所定位
置にヒーター1の裏面に対向して配置される。
【0094】一方、ヒーターホルダ2に配置される温度
ヒューズ10の上部には、ヒューズ加圧板32が配置さ
れ、このヒューズ加圧板32には、温度ヒューズ10本
体と当接する当接部を有する加圧軸33が図の上下方向
移動可能に取り付けられると共に、加圧軸33に加圧バ
ネ34が弾装され、加圧軸33により温度ヒューズ10
本体を常時ヒーター1方向に押圧し、温度ヒューズ10
本体をヒーターホルダ2の突起部2dに接触させ、ヒー
ター1と温度ヒューズ10との間に所定の空隙Gを設け
るようにしている。本実施例では、空隙量は1mmとな
っている。
【0095】また、このときの加圧バネ34の加圧力
は、ヒーター1の異常昇温時に温度ヒューズ10を支持
している突起部2dが溶融する際に温度ヒューズ10を
ヒーター1方向へ移動させ、しっかりとヒーター1と接
触させるに足る加圧力を有している。
【0096】本実施例では、通常使用時の支持状態では
約5.9Nでヒーター1と接触した状態では4.9Nと
なるような加圧バネである。
【0097】また、ヒューズ加圧板32の前後両端部
は、ヒーターホルダ2の係合突起2b、2cに嵌合し、
端止め35により抜け防止が図られている。その際、端
子31は係合突起2b,2cに遊嵌状態で嵌合して係合
孔部31aの径方向へのある程度の移動の自由度が確保
されると共に係合突起の軸方向への移動が許容され、温
度ヒューズ10は、ヒューズ加圧板32とヒーターホル
ダ2の間でフローティング状態に保持されて、加圧軸3
3により所定の圧力を損なうことなくヒーター1の方向
へヒーターホルダ2の突起部2dに保持される。
【0098】温度ヒューズ10はこのような状態でヒー
ターホルダ2の突起部2dに支持される形となるため、
ヒーター1は温度ヒューズ10組み付け後にも取り付け
可能となる。そのため、ヒーター1をヒーターホルダ2
に接着しない、接着レスタイプの構成においても組立に
何ら支障がなく行える。
【0099】以上のような構成で、通常使用時には温度
ヒューズ10とヒータ1との間には1mmの空隙Gが設
けられるようになる。このような構成であれば、通常の
プリント動作の中で最も制御温度が高く通紙が連続した
としても温度ヒューズ10の温度は最高でも205℃程
度までしか上昇しなので、通常のプリント動作において
は、温度ヒューズ10が動作することはなく、故障など
のトラブルも発生しない。
【0100】一方、安全対策用温度検知素子である温度
ヒューズ10の本来の役割であるヒーター1の暴走によ
る異常昇温時には、異常発生から約3秒後にはヒーター
裏面の温度はヒーターホルダ2の材料の溶融温度である
350℃に達するため、同材の突起部2dも溶融が始ま
り、それに伴って、温度ヒューズ10を押圧している加
圧バネ34の力により温度ヒューズ10がヒーター1と
接触する。
【0101】その後、温度ヒューズ10の温度上昇が促
され、異常発生から約9秒程度で温度ヒューズ10が動
作し、通電を遮断して温度ヒューズ10の安全装置とし
ての役目を果たす。
【0102】図7と図8に、ヒーターホルダ2の突起部
2dが溶融して温度ヒューズ10とヒーター1とが接触
した状態の横断面図ならびに縦断面図を示す。
【0103】このときはもちろん十分に安全装置として
の機能を果たすことができる。仮に温度ヒューズがない
場合には最終的にはヒーター1は割れが発生するが、ヒ
ーターが割れに至るまでの時間が約15秒程度であり、
先ほどの温度ヒューズ10の動作時間と比べて十分にマ
ージンがあるため、必ず温度ヒューズが動作することが
保証されるため、この点でも安全装置としての役割を十
分に果たすことができる。
【0104】このあたりの温度ヒューズ10の到達温度
や、動作時間については、ヒーター1を支持する突起部
2dがヒーターホルダ2と一体で形成され、高さ方向に
厳しく寸法管理が可能となるため、ばらつきが少なく、
安定した信頼のおけるものとなっている。
【0105】そのため、ヒーター1の制御温度がスピー
ドアップに伴って高くなって温度ヒューズ10の動作温
度と接近したとしても、温度ヒューズ10の最高到達温
度は動作温度に比べ低く管理することが可能となるので
ばらつきを含めたとしても、通常使用時には温度ヒュー
ズ10は動作することなく、かつ、ヒーター異常昇温時
には適切に給電を遮断することができ、所望の従来のタ
イプの温度ヒューズを使いこなすことができる。
【0106】これにより、信頼性のある安全装置を低コ
ストで簡単な構成で実現できる。
【0107】また、組立性においても、温度ヒューズ1
0をヒーターホルダ2と一体の突起部2dで支持するた
め、温度ヒューズ10の組み付け後にヒーター1の組み
付けが可能なため、ヒーター接着レスタイプの低コスト
の加熱定着装置でも組立性に何ら問題なく実現できる。
【0108】また、温度ヒューズ10を空隙Gを設けて
配設することができ、ヒーター1の発熱パターン1bが
長手方向に均一となるため、従来温度ヒューズ部に出て
いたホットオフセットや加圧ローラ汚れといった問題が
なくなるため、加熱定着装置としての画像や機能として
も信頼性のあるものが実現できる。
【0109】また、本実施例においては、温度ヒューズ
10を支持する素子支持部材2dの、ヒーターホルダ一
体の形状を4箇所の突起部形状としたが、通常時にしっ
かり温度ヒューズ10を支持でき、異常昇温時に溶融す
る際に温度ヒューズ10のヒーター裏面との接触を阻害
するようなものでなければ、どんな形状であっても構わ
ない。
【0110】本実施例では、温度ヒューズ10の動作温
度、ヒーター温調温度、低熱伝導部材、高熱伝導部材を
具体的に示したが、本発明はこれに限ることなく、通常
使用時の給電の安定性、異常昇温時の的確な給電遮断動
作が実現できれば、どのような組み合わせでも構わな
い。
【0111】また、温度ヒューズ10は本実施例では感
温ペレットタイプとしたが、その他のタイプの、例えば
合金タイプの温度ヒューズなどでも同様の効果を得るこ
とができる。
【0112】また、今回の本実施例においては、安全対
策用温度検知素子に円筒状の温度ヒューズ10を用いた
が、ヒーター1との間に所定の空隙Gをヒーターホルダ
2と一体の突起部2dで保持し、異常昇温時には突起部
2dの溶融と、加圧バネ34の加圧力による素子10と
ヒーター1との接触による動作を実現できるのであれ
ば、内部にバイメタルを有したサーモスイッチタイプの
安全対策用温度検知素子であっても、同様の効果を得る
ことができる。
【0113】(第2の実施例)図9は本実施例の要部図
である。本実施例においては、温度ヒューズ10がヒー
ターホルダ2の突起部2dに支持され、対向する位置で
あり、暴走時温度ヒューズ10が接触する位置のヒータ
ー1の裏面に凹溝部1sが形成具備されている。この溝
形状は、本実施例では三角溝となっているが、円弧溝な
どであっても構わない。
【0114】このヒーター1に設けられた溝1sによ
り、温度ヒューズ10がヒーターホルダ2の突起部2d
に支持されて形成される空隙Gは第1の実施例の場合よ
り、その溝1sの凹み量分マージンが増えることとな
り、より有利な構成となる。
【0115】而して、前述の実施例1の場合と同様にヒ
ーター1の暴走による異常昇温が発生すると、温度ヒュ
ーズ10を支持しているヒーターホルダ2の突起部2d
が溶融して、加圧バネ34の加圧力により温度ヒューズ
10とヒーター1が接触して温度ヒューズ10の温度が
ヒーター1の熱により加熱されて動作し、通電を緊急遮
断する。この時の様子を図10に示す。
【0116】このとき、温度ヒューズ10とヒーター1
の接触状態は、凹溝1sの形状により、ヒーター1との
接触部分が増えるため、温度ヒューズ10が昇温する時
間も短くなり、動作までの時間も短くなり、安全対策用
温度検知素子としての信頼性のマージンも増すことにな
る。
【0117】以上、ヒーター1の裏面の温度ヒューズ1
0に対向する位置に凹み部1sを設けることにより、第
1の実施例に比べて、さらに信頼性の増した加熱定着装
置の実現が図れる。
【0118】もちろん、通常使用時は温度ヒューズ10
はヒーター1と接触せず、熱逃げなどの問題もなく、ヒ
ーター1の基材1aが熱伝導率の高い窒化アルミニウム
などを使用していれば、凹み形状1sが裏面にあっても
熱の不均一はないため、全体として、画像もヒーター長
手方向において、問題のない良好なものが得られる。
【0119】加熱体としてのヒーター1はセラミックヒ
ーターに限らず、その他、交番磁界発生手段の発生磁界
の作用で電磁誘導発熱する部材等であってもよい。
【0120】また本発明の加熱装置は実施例のようなフ
ィルム加熱方式に限られるものではないことは勿論であ
る。
【0121】また本発明の加熱装置は実施例のような加
熱定着装置としてばかりではなく、画像を担持した被記
録材を加熱してつや等の表面性を改質する像加熱装置、
仮定着する像加熱装置、その他、被加熱材の加熱乾燥装
置、加熱ラミネート装置など、広く被加熱材を加熱処理す
る手段・装置として使用できる。
【0122】
【発明の効果】以上説明したように本発明においては、
通電により発熱する加熱体と、該加熱体を支持する加熱
体支持部材と、該加熱体の異常昇温時に加熱体の熱で作
動し給電を遮断する安全対策用温度検知素子を有し、被
加熱材を加熱する加熱装置、および該加熱装置を加熱定
着装置として備えた画像形成装置について、機器のスピ
ードアップに伴って加熱体の温度が機器内の安全装置で
ある安全対策用温度検知素子の動作温度付近になって
も、通常時は作動せず、異常時には安全装置として確実
に作動させる系を実現できる。同時に、従来における安
全対策用温度検知素子による熱の逃げによる画像の不具
合を解消する系を実現することができ、所期の目的がよ
く達成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施例の画像形成装置の概略構成模型
図である。
【図2】 加熱定着装置の横断面模型図である。
【図3】 ヒーターの構成説明図である。
【図4】 温度ヒューズの構成説明図である。
【図5】 温度ヒューズ配設部分の縦断面模型図であ
る。
【図6】 温度ヒューズ配設部分の下面図である。
【図7】 熱暴走時に温度ヒューズがヒーター裏面に接
触した状態時の横断面模型図である。
【図8】 熱暴走時に温度ヒューズがヒーター裏面に接
触した状態時の縦断面模型図である。
【図9】 第2の実施例の加熱定着装置の要部の横断面
模型図である。
【図10】 熱暴走時に温度ヒューズがヒーター裏面に
接触した状態時の横断面模型図である。
【図11】 フィルム加熱方式の加熱定着装置の説明図
である。
【符号の説明】
1−−−ヒーター 1a−−ヒーター基板 1b−−通電発熱抵抗体 2−−−ヒーターホルダ 2d−−突起部(素子支持部材) 10−−−温度ヒューズ(安全対策用温度検知素子) 34−−−温度ヒューズ加圧バネ 1s−−ヒーター凹溝部
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G05F 1/45 G05F 1/45 Z (72)発明者 前田 耕平 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H033 AA20 AA30 BA25 BA31 BA32 BA38 BB12 BB18 BB21 BE03 CA06 CA07 CA44 3K058 AA12 AA34 AA86 BA18 CA78 CE04 CE13 CE19 CE28 DA05 GA06 5H420 BB14 CC04 DD03 EB26 FF14

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】通電により発熱する加熱体と、該加熱体を
    支持する加熱体支持部材と、該加熱体の異常昇温時に加
    熱体の熱で作動し給電を遮断する安全対策用温度検知素
    子を有し、被加熱材を加熱する加熱装置において、 前記加熱体と前記安全対策用温度検知素子の間にあっ
    て、通常時は前記安全対策用温度検知素子を加熱体との
    間に所定の空隙を保って支持する素子支持部材を有し、
    前記加熱体支持部材と前記素子支持部材は熱可塑性樹脂
    により一体で形成され、前記安全対策用温度検知素子を
    加熱体の方向へ付勢する付勢部材を有し、該付勢部材
    は、加熱体の異常昇温時の加熱体からの熱による前記素
    子支持部材の溶融に伴い、安全対策用温度検知素子を加
    熱体へ移動させ接触させるに足る付勢力を有することを
    特徴とする加熱装置。
  2. 【請求項2】前記加熱体は、絶縁性の平板状の基板と、
    該基板に具備させた発熱抵抗体部からなることを特徴と
    する請求項1に記載の加熱装置。
  3. 【請求項3】前記安全対策用温度検知素子は前記加熱体
    の発熱抵抗体部の給電線に対して直列に接続されている
    ことを特徴とする請求項1、または2に記載の加熱装
    置。
  4. 【請求項4】前記安全対策用温度検知素子は前記加熱体
    の裏面に対応していることを特徴とする請求項1から3
    の何れかに記載の加熱装置。
  5. 【請求項5】前記素子支持部材は軟化点が前記安全対策
    用温度検知素子の作動温度より大であることを特徴とす
    る請求項1から4の何れかに記載の加熱装置。
  6. 【請求項6】前記素子支持部材は、前記加熱体支持部材
    と一体で形成された突起部であることを特徴とする請求
    項1から5の何れかに記載の加熱装置。
  7. 【請求項7】前記突起部の形状は片持ち梁形状で、前記
    安全対策用温度検知素子の外形近傍を支持するような形
    状であり、該突起部は、個々の突起部の熱容量が小さく
    なるように分割され、かつ、安全対策用温度検知素子が
    安定して支持できるように複数個設けられていることを
    特徴とした請求項5に記載の加熱装置。
  8. 【請求項8】前記安全対策用温度検知素子の形状が加熱
    体長手方向に平行な円筒形状であり、該安全対策用温度
    検知素子が対向する位置の加熱体面に凹み形状を有する
    ことを特徴とする請求項1から7の何れかに記載の加熱
    装置。
  9. 【請求項9】前記被加熱材が未定着画像を担持した被記
    録材であり、装置が該未定着画像を被記録材に加熱定着
    させる加熱定着装置であることを特徴とする請求項1か
    ら8の何れかに記載の加熱装置。
  10. 【請求項10】前記加熱体にフィルムを接触摺動させ、
    該フィルムの加熱体側とは反対側の面に被加熱材を密着
    させて、該フィルムと共に加熱体位置を通過させて加熱
    体から該フィルムを介して被加熱材に熱エネルギーを付
    与することを特徴とする請求項1から9の何れかに記載
    の加熱装置。
  11. 【請求項11】被記録材に未定着画像を形成担時させる
    作像手段と、被記録材に形成担時された未定着画像を加
    熱定着させる定着手段を有する画像形成装置において、 前記定着手段が請求項1から10の何れかに記載の加熱
    装置であることを特徴とする画像形成装置。
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