JPH0619343A - 定着装置 - Google Patents

定着装置

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JPH0619343A
JPH0619343A JP4171125A JP17112592A JPH0619343A JP H0619343 A JPH0619343 A JP H0619343A JP 4171125 A JP4171125 A JP 4171125A JP 17112592 A JP17112592 A JP 17112592A JP H0619343 A JPH0619343 A JP H0619343A
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細井  敦
Osamu Watanabe
督 渡辺
Hidekazu Maruta
丸田秀和
Shigeo Kimura
木村茂雄
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 フィルム式定着装置において、定着フィルム
や記録材により、低熱容量の加熱体のエネルギーが奪わ
れて、該加熱体の温度が急激に変化し、定着条件が悪化
することを防止する。 【構成】 加熱体から該フィルムを介して記録材に熱エ
ネルギーを与える定着装置において、該加熱体の温度を
検知する温度検知手段を有し、かつ、温調温度Tに対し
て、定着可能下限温度T−a、上限温度T+d等の一定
温度以上の差を検知した際に、該加熱体への印加エネル
ギー設定を切り換える手段を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、記録材を加熱体に対し
てフィルムを介して圧接させて加熱体からフィルムを介
して記録材に熱エネルギーを与える方式(フィルム加熱
方式)の定着装置に関する。
【0002】この装置は、複写機・レーザービームプリ
ンター・ファクシミリ・マイクロフィルムリーダプリン
ター・画像表示(ディスプレイ)装置・記録機等の画像
形成装置において、電子写真・静電記録・磁気記録等の
適宜の画像形成プロセス手段により加熱溶融性の樹脂等
より成るトナーを用いて画像担持体としての記録材(エ
レクトロファックスシート・静電記録シート・転写材シ
ート・印刷紙など)の面に直接方式もしくは間接(転
写)方式で形成した目的の画像情報に対応した未定着の
トナー画像を該画像を担持している記録材面に永久固着
画像として加熱定着処理する画像定着装置として活用で
きる。
【0003】また、画像定着装置に限定されず、例えば
画像を担持した記録材を加熱して表面性を改質する装置
等、広く像担持体を加熱処理する手段・装置として使用
できる。
【0004】
【従来の技術】フィルム加熱方式の定着装置は、他に知
られている熱ローラ方式・熱板方式・ベルト定着方式・
フラッシュ定着方式・オーブン定着方式等の熱定着式装
置との対比において、第1に、低熱容量線状加熱体を用
いることができるため、省電力化・ウェイトタイム短縮
化(クイックスタート性)になり、第2に、定着点と分
離点が別に設定できるため、オフセットも防止される、
その他、他の方式装置の種々の欠点を解決できるなどの
利点を有し、効果的なものである。
【0005】本出願人の先の提案に係る例えば特開昭6
3−313182号公報に開示の方式・装置等がこれに
属し、薄肉の耐熱フィルム(シート)と、該フィルムの
移動駆動手段と、該フィルムを中にしてその一方面側に
固定支持して配置された加熱体と、他方面側に該加熱体
に対向して配置され該加熱体に対して該フィルムを介し
て画像定着すべき記録材の顕画像担持面を密着させる加
圧部材を有し、該フィルムは少なくとも画像定着実行時
は該フィルムと加圧部材との間に搬送導入される画像定
着すべき記録材と順方向に同一速度で走行移動させて該
走行移動フィルムを挟んで加熱体と加圧部材との圧接で
形成される定着ニップ部を通過させることにより該記録
材の顕画像担持面を該フィルムを介して該加熱体で加熱
して顕画像(未定着トナー像)に熱エネルギーを付与し
て軟化・溶融せしめ、次いでフィルムと記録材を離間さ
せる、或はトナーが冷却・固化した後にフィルムと記録
材を離間させることを基本とする加熱手段・装置であ
る。
【0006】上記のようなフィルム加熱方式の定着装置
において、加熱体の温度制御は、加熱体に設けられた温
度センサーと、画像形成装置本体のマイクロコンピュー
ター及び加熱体駆動(通電発熱)回路により行われてい
る。また加熱体は高温となっているが、フィルムが一定
速度で加熱体上を移動しているため、フィルムの局部的
な熱変形は起きずに、安定した画像定着が実行される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、該定着
装置における問題点の1つとして、加熱体として低熱容
量の固定加熱体を用いるために、定着フィルムや記録紙
に奪われていくエネルギーにより加熱体の温度が急激に
変化してしまう。このため、従来の熱ローラ定着で用い
られるような検温素子の出力に応じてある一定温度未満
なら加熱体に通電、ある一定温度以上なら非通電状態と
するいわゆるON−OFF制御では温度リップルが大き
くなり、定着不良や光沢むら(フィルムと記録紙の分離
点の温度がガラス転移点をはさんでリップルにより上下
するときに発生する)が発生する不都合が生じる。
【0008】そこで、本発明者等は温調温度領域をいく
つかの部分に分割し、その温度領域に従って印加エネル
ギーを変更していく印加電力制御を先に提案した。
【0009】これを図3で説明すると、温調目標温度T
(例えば200℃)に対して定着可能下限温度T−a
(例えば197℃)まで急速に温度を上げる領域での印
加エネルギーW0 が一例として470W、温度T−aか
らATの間でいかなる種類の記録材がきても加熱体の温
度を上昇させるエネルギーW1 が一例として400W1
温度TからT+b(204℃)の間では平均的な消費エ
ネルギーW2 が一例として330W、温度T+b(20
4℃)からT+c(208℃)の間では最小消費エネル
ギーW3 が一例として150W、温度T+c(208
℃)以上では加熱体の温度を低下させるためにそのエネ
ルギーW4 が0というように、検温素子の検知温度に応
じて印加エネルギーを変化させるものである。
【0010】これにより、定着動作中は常にエネルギー
が印加され、定着性不良を発生するような温度リップル
は防止できた。
【0011】しかし、光沢むらを防止するためには、さ
らに細かいエネルギーレベルを設定する必要があること
と、またエネルギーレベル数を増加した場合には、温調
温度領域が必然的に拡大し、温調の精度が低下するこ
と、朝一番などの定着器全体が冷えた状態では低い温度
領域におり、充分に定着器全体が温まった状態では高い
温度領域にいることになり、朝一番の加圧ローラ等から
の加熱が期待できない状態で本来は加熱体の温度を上昇
させて加熱体からのエネルギー付与を増加したい状況で
温度が低く、加圧ローラ等も充分に昇温し、加熱体から
のエネルギー付与を抑えてよい状況で温度が高いという
不合理が生じる。
【0012】このため、小サイズ紙を連続して通した場
合の非通紙部昇温T+x(xは昇温分)でなく、T+b
+xまたはT+c+xとなり、不利となるという第1番
の問題点が発生する。
【0013】また従来のフィルム式定着装置では、トナ
ー画像を有する記録材を加圧部材により定着フィルムを
介して加熱体に圧接しながら定着フィルムを駆動させる
ことで、定着画像を得るのであるが、このとき、該フィ
ルムが回転軸長手方向にも移動してしまう(フィルムが
寄る)という現像が発生する欠点があった。とくに、転
写紙がフィルム中央部からずれて通過する場合、ヒータ
面および駆動ローラ部の温度分布が不均一になり、高温
側へフィルムが移動する。この移動の量が拡大すると、
フィルムは定着器端部につき当り、薄膜フィルムでは、
フィルムに皺が生じたり、フィルムが破損する等の不都
合が生じる。
【0014】そこで、本発明者等は、先に、定着装置の
フィルムの相対的位置を検知することにより、フィルム
位置が適正領域をはずれた場合に、フィルムの駆動を停
止させ、フィルムにダメージを与えないような画像形成
装置を提案し、特願平1−88694号として出願をし
ている。
【0015】しかし、上記定着装置は、定着装置自体の
破損は防がれるが、市場においては、フィルムの位置を
容易には正常範囲にもどせずにユーザークレームとなっ
てしまうという第2番目の問題点があった。
【0016】また、従来、固定支持された加熱体を用い
る加熱定着装置の温度検知装置は図28等に記載されて
いるように耐熱弾性体Dの中央部に温度検知素子223
bを備え、リード線223aを該耐熱支持部材227の
貫通孔Kに通した温度検知素子配設部材により、加熱体
に温度検知素子を当接するように構成されていた。
【0017】しかしながら上記従来例では、固定支持さ
れた加熱体が、固定部材等の熱膨張や、定着装置が受け
る振動等により移動すると、温度検知素子223bと該
加熱体221が離れたり、当接圧が変化する為、温度検
知の応答性や精度がバラツクことがあり、また、温度検
知素子が加熱体から離れないように、該検知素子を加熱
体に接着剤等で固定した場合、加熱体が移動すると、該
素子のリード線にストレスがかかり、耐久性、信頼性を
低下させるという第3の問題点があった。
【0018】また、従来、低熱容量加熱体を用いたフィ
ルム定着装置は、加熱体通電回路中に、該加熱体と直列
に接続した安全素子(温度ヒューズやサーモスイッチ
等)を加熱体近傍に配置させることにより、加熱体が異
常昇温したときには該安全素子が通電回路を遮断するよ
うになっていた。
【0019】しかしながら、一般に、トナー像を定着さ
せる装置において、動作開始時には、少なくとも3A以
上の大電流を加熱体に供給する必要があり、従って、該
加熱体と直列に接続する安全素子は、耐電流値が大き
い。一般に大型の安全素子(熱容量の大きい)を用いな
ければならなかった。
【0020】しかしながら加熱体に比べて、安全素子の
熱容量が大きいと以下のような問題が生じる。
【0021】1.安全素子を加熱体に当接させた場合に
は、加熱体の安全素子当接部分だけが安全素子に熱を奪
われて、温度が低くなる。この対策として、加熱体の発
熱量を安全素子当接部分が他の部分に比べ大きくする等
の方法がとられるが、安全素子が低温のときと、高温の
ときで、加熱体から奪う熱量が異なるため、この発熱量
の設定は難しい。例えば該当接部分の発熱量が大きすぎ
ると、高温オフセットを生じたり、発熱量が足りときに
は、低温オフセットや定着不良等の問題が生じることが
ある。
【0022】2.上記1の問題を防ぐために、安全素子
を加熱体から、微少ギャップを介して配置させる方法が
あるが、該ギャップが大きすぎると、加熱体が急速に異
常昇温したときに、安全素子の温度検知が遅れてしまう
という第4の問題があった。
【0023】本発明は、上記第1乃至第4の問題点を解
決しようとするものである。
【0024】すなわち、本発明は、エネルギーレベルを
多段階用意できて、エネルギー段差を小さくすることが
可能であり、光沢むらを防止することができる定着装置
を提供することを第1番の目的とするものである。また
定着フィルムが異常な位置になって駆動が停止されたの
ちに、その異常な位置から容易に回復することができる
ようにした定着装置を提供することを第2番の目的とす
るものである。また温度検知素子が加熱体から離れたり
リード線部にストレスがかかるのを防止した定着装置を
提供することを第3の目的とし、また小形の感熱素子の
採用により、異常昇温時の通電遮断動作応答性が安定
し、組立工程が安定となる定着装置を提供することを第
4の目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明による課
題を解決するための手段は、特許請求項1乃至10に記
載のとおりであり、その作用について説明すると次のと
おりである。請求項1乃至3によれば、加熱体の温度を
検知する温度検知手段を有し、かつ、温調温度Tに対し
て、一定温度以上の差を検知した際に、該加熱体への印
加エネルギー設定を切り換える手段を有しているので、
エネルギーレベルを多段用意できて、エネルギー段差を
小さくすることが可能であり、光沢むらを防止すること
ができる。また請求項4によれば、定着フィルムの回転
軸方向の位置が所定の範囲外として検出された場合に
は、前記フィルムの駆動を停止し、前記温度を検出する
手段によって検出される該加熱体の温度が所定の値より
も低い場合に該フィルムが再び駆動されるようにする制
御手段を有するので、定着フィルムが異常な位置になっ
て駆動が停止されたのちに、その異常位置から容易に回
復することができる。また請求項5乃至9によれば、温
度検知素子のリード線を、加熱体と一体に形成され、外
部回路と接続されている電路に固定することで、加熱体
が移動しても温度検知素子が加熱体から離れたり、リー
ド線部にストレスがかかったりするのを防止し、これに
より温度検知の応答性や精度が変化するのを防止でき、
また耐久性、信頼性が向上する。また請求項10によれ
ば、加熱体通電回路中に、加熱体への通電を遮断する装
置を有し、該遮断装置は、加熱体に接触させた小型な熱
溶断性感熱素子が、加熱体の異常昇温により溶断したと
きに、加熱体への通電を遮断するような構成にすること
で、加熱体への通電電流値によらず、耐電流値の小さ
い、小型で低熱容量感熱素子を用いることが出来、小型
な該感温素子は、低熱容量加熱体に接触させても、加熱
体の温度にあまり影響を与えないため、加熱体に温度ム
ラができて定着不良やオフセットを生じるという問題は
なく、加熱体に感温素子を接触できるため、組み立て工
程が容易になり、また異常昇温時の通電遮断動作応答性
が安定し、装置の信頼性が向上できる。
【0026】
【実施例】図1は本発明に従うフィルム加熱方式の定着
装置11の一例の概略構成を示している。
【0027】25はエンドレスベルト状の定着フィルム
であり、左側の駆動ローラ26と、右側の従動ローラ2
7と、この両ローラ26・27間の下方に固定支持させ
て配設した加熱体としての低熱容量線状加熱体20と、
駆動ローラ26の下方に配設したガイドローラ26aと
の、互いに並行な該4部材26・27・20・26a間
に懸回張設してある。
【0028】従動ローラ27はエンドレスベルト状の定
着フィルム25のテンションローラを兼ねさせてあり、
定着フィルム25は駆動ローラ26の時計方向回転駆動
に伴ない時計方向に所定の周速度、即ち画像形成部
(9)側から搬送されてくる未定着トナー画像Taを上
面に担持した記録材としての転写材シートPの搬送速度
と同じ周速度をもってシワや蛇行、速度遅れなく回動駆
動される。
【0029】28は加圧部材としての、シリコンゴム等
の離型性の良いゴム弾性層を有する加圧ローラであり、
前記のエンドレスベルト状定着フィルム25の下行側フ
ィルム部分を挟ませて前記加熱体20の下面に対して付
勢手段により例えば総圧4〜7kgの当接圧をもって対
向圧接させてあり、転写材シートPの搬送方向に順方向
の反時計方向に回転する。
【0030】回動駆動されるエンドレスベルト状の定着
フィルム25は繰り返してトナー画像の加熱定着に供さ
れるから、耐熱性・離型性・耐久性に優れ、一般的には
総厚100μm以下、好ましくは40μm以下の薄肉の
ものを使用する。
【0031】例えばポリイミド・ポリエーテルイミド・
PES・PFA(4フッ化エチレン−パーフルオロアル
キルビニルエーテル共重合体樹脂)などの耐熱樹脂の単
層フィルム、或は複合層フィルム例えば20μm厚フィ
ルムの少なくとも画像当接面側にPTFE(4フッ化エ
チレン樹脂)・PAF等のフッ素樹脂に導電材を添加し
た離型性コート層を10μm厚に施こしたものなどであ
る。
【0032】加熱体としての低熱容量線状加熱体20は
本例のものは、定着フィルム横断方向(定着フィルム2
5の走行方向に直角な方向)を長手とする横長の剛性・
高耐熱性・断熱性を有するヒータ支持体21と、この支
持体の下面側に下面長手に沿って一体に取付け保持させ
た、発熱体23、加熱体20の温度を検知する手段とし
ての検温素子24等を具備させたヒータ基板22を有し
てなる。
【0033】ヒータ支持体21は加熱体20の全体の強
度を確保するもので、例えばPPS(ポリフェニレンサ
ルファイド)、PAI(ポリアミドイミド)、PI(ポ
リイミド)、PEEK(ポリエーテルエーテルケト
ン)、液晶ポリマー等の高耐熱性樹脂や、これらの樹脂
とセラミックス金属・ガラス等との複合材料などで構成
できる。
【0034】ヒータ基板22は一例として厚み1.0m
m・巾10mm・長さ240mmのアルミナ基板であ
る。
【0035】発熱体23は一例として基板22の下面の
略中央部分に長手に沿って例えばAg/Pd,RuO
2 ,Ta2 Nの等の電気抵抗材料を巾1.0mmに塗工
(スクリーン印刷等)して具備させた線状もしくは帯状
の低熱容量の通電発熱体である。
【0036】検温素子24は一例として基板22の上面
(発熱体23を設けた側とは反対側の面)の略中央部分
に長手に沿って塗工(スクリーン印刷等)して具備させ
たPt膜・サーミスタ等の低熱容量の測温抵抗体であ
る。本例では基板22の温度を加熱体20の温度として
該検温素子24で検知させている。
【0037】本例の場合は上記の線状もしくは帯状の発
熱体23に対してその長手両端部より通電して発熱体2
3を全長にわたって発熱させる。通電は検温素子24に
より、所望の温度、エネルギー放出量に応じた電力を与
える。
【0038】定着フィルム25はエンドレスベルト状に
限らず、図2の例のように送り出し軸41にロール巻き
に巻回した有端の定着フィルム25を加熱体20と加圧
ローラ28との間、ガイドローラ26aの下を経由させ
て巻取り軸42に係止させて、送り出し軸41側から巻
取り軸42側へ転写材シートPの搬送測度と同一速度を
もって走行させる構成であってもよい。
【0039】加熱体20は定着フィルム25との摺動面
である表面に例えばTa25 等の摺動保護層を形成し
て面保護することが好ましい。
【0040】上記構成における定着実行動作について述
べると、画像形成スタート信号により画像形成装置が像
形成動作して転写部(9)側から定着装置11へ搬送さ
れた転写材シートPはガイド29に案内されて温度制御
された加熱体20と加圧ローラ28との圧接部N(定着
ニップ部)の定着シート25と加圧ローラ28との間に
進入して、未定着トナー画像面がシートPの搬送測度と
同一速度で同方向に面移動状態の定着フィルム25の下
面に密着して面ズレやしわ寄りを生じることなく定着フ
ィルム24と一緒の重なり状態で加熱体20と加圧ロー
ラ28との定着ニップ部Nを挟圧力を受けつつ通過して
いく。
【0041】wは加熱体下面部に設けてある発熱体23
の巾寸法であり、発熱体23は加熱体20の下面と加圧
ローラ28の上面との相互圧接巾領域内、即ち定着ニッ
プ部Nの巾領域内に存在している。
【0042】シートPのトナー画像担持面は定着フィル
ム面に押圧密着状態で定着ニップ部Nを通過していく過
程で発熱体23の熱を定着フィルム25を介して受け、
トナー画像が高温溶融してシートP面に軟化接着化Tb
する。
【0043】本例装置の場合は記録材たるシートPと定
着フィルム25との分離はシートPが定着ニップ部Nを
通過して出た時点で行なわせている。
【0044】この分離時点においてトナーTbの温度は
未だトナーのガラス転移点より高温の状態にあり、従っ
てこの分離時点でのシートPと定着フィルム25との結
合力(接着力)は小さいのでシートPは定着フィルム2
5面へのトナーオフセットをほとんど発生することな
く、又分離不良で定着フィルム25面にシートPが接着
したまま巻き付いてジャムしてしまうことなく常にスム
ーズに分離していく。
【0045】そしてガラス転移点より高温の状態にある
トナーTbは適度なゴム特性を有するので分離時のトナ
ー画像面は定着フィルム表面にならうことなく適度な凹
凸表面性を有したものとなり、この表面性が保たれて冷
却固化するに至るので定着済みのトナー画像面には過度
の画像光沢が発生せず高品位な画質となる。
【0046】定着フィルム25と分離されたシートPは
ガイド43で案内されて排紙ローラ対(44)へ至る間
にガラス転移点より高温のトナーTbの温度が自然降温
(自然冷却)してガラス転移点以下の温度になって固化
Tcするに至り、画像定着済みのシートPがトレイ上へ
出力される。
【0047】次に、加熱体印加エネルギー制御例につい
て述べる。
【0048】本実施例の定着装置をプロセススピード7
5mm/secで、A4紙を12枚/分で通紙し、1枚
目の紙突入時間を6秒として、220℃に温調した時に
消費されるエネルギーは、5℃の環境で装置全体及び記
録材(厚紙)が充分に冷えている状態から、本体スイッ
チオンされて画像形成動作を連続して行なった場合を図
4の(a)に示す。又23℃環境で画像形成動作をおよ
そ1時間連続して行なった時に消費されるエネルギーを
図4の(b)で示す。
【0049】図4の(a)において横軸は、画像形成動
作を開始してからの時間(秒)縦軸は定着装置が消費す
るエネルギー(W)を印加される電力で表わしたもので
ある。画像形成動作が開始した途端に立上げ電力(本実
施例の場合600W)が印加され紙突入時刻までに加熱
体20を温調温度に引き上げる(図中a部)。
【0050】紙が定着装置に入っている場合は、1枚目
は500W、2枚目は490W……(図中b部)という
ようにエネルギーが必要である。
【0051】又紙間では図中c部で示されるエネルギー
が消費される。画像形成動作を続けることにより、定着
フィルム及び加圧ローラを温まるので消費エネルギーは
徐々に低下していく。
【0052】充分に定着器が温まった状態では図4の
(b)に示される様な消費エネルギーとなる。
【0053】すなわち、低温時での1枚目は、500W
のエネルギーが必要であり充分に温まった状態での空回
転中は100W程度のエネルギーで温調温度を維持する
ことが可能である。従って印加電力を100〜500W
まで段階を追って変更していく必要がある。
【0054】本実施例では図5に示す様な温調温度領
域、印加エネルギーレベルを設けている。本実施例では
各温度は、T+d=228℃,T+c=224℃,T=
220℃,T−b=216℃,T−a=210℃に設定
している。
【0055】T−a(210℃)以下の温度領域では、
常に立上り電力が印加される様になっている。又T+e
235℃以上では、常にWn =0Wでエネルギーを印加
せずに異常昇温を防止するようになっている。
【0056】さて本実施例の定着装置の印加エネルギー
制御を詳しく説明すると、画像形成動作が開始された時
i =W1 となっており、T−b216℃になるまでW
i-1=W0 =600Wの立上りエネルギーが印加され
る。図4の(a)に示されるようなエネルギーを消費す
るケースにおいては、一枚目の画像定着動作中はW1
500Wと消費エネルギーが釣り合うのでT−b(21
6℃)〜T(220℃)の間で推移する最初の紙間で
は、消費されるエネルギーが400Wなので加熱体20
は昇温し加熱体温度はTを越え印加されるエネルギーは
2 =450Wとなるのでなお昇温を続ける。この紙間
の最中でT+c(224℃)を越えた場合印加エネルギ
ー設定を次の様に変化させる。
【0057】
【表1】
【0058】即ち、各温度域でエネルギーをWj →W
j+1 とする。T+c〜T+dの温度領域では、印加電力
はW4 =350Wとなり降温を始め、T+c以下になる
と、印加エネルギーはW3 =400Wとなりほぼ釣り合
う。2枚目の記録材が定着装置のニップ内に突入する
と、消費電力は490W程度に増加するので加熱体20
は降温し、T(220℃)以下まで下り印加電力が45
0Wになるが降温速度は遅くなるが降温し続けT−b
(216℃)に到達する。T−b(216℃)に達する
と印加レベルは次の様に変化させる。
【0059】
【表2】
【0060】すなわち各温度領域での印加エネルギーを
j →Wj-1 とする。T−a210℃〜T−b216℃
の温度領域ではW0 =600Wが印加されるので直ちに
T−b(216℃)を越えてT−b(216℃)〜T
(220℃)の領域に入る。この温度領域ではW1 =5
00Wの電力が印加されるので、徐々に加熱体20の温
度が上昇していく。温度T以上になると印加エネルギー
はW2 =450Wなので降温し、温度Tを挟んで加熱体
の温度は上下する。
【0061】さらに画像形成動作を続けて定着装置が温
まるにつれて消費エネルギーは徐々に減小していく。し
かしながら、温調温度Tに対して、所定の温度差T+c
あるいはT−b以上になった場合にエネルギーレベルを
切り換えていくので、常に温度Tを中心にT−b〜T+
cの間で温調し続けることが可能である。
【0062】すなわち図4の(b)の様に充分に温まっ
た状態の通紙中は次の様なエネルギー設定になる。
【0063】
【表3】
【0064】すなわち消費エネルギーがWs =210W
程度なので、温調温度Tを挟んでいるエネルギーを下側
をWk 上側をWk+1 とするとWk s k+1 の関係
で安定する。
【0065】従って立上り直後であっても、充分に温ま
った状態であっても常に一定温度Tを中心に温調され、
精度の良い安定した温調が可能である。
【0066】またエネルギーレベルを多数準備すること
により、エネルギーの段差を小さくすることができるの
で温度リップルを小さく抑えることが可能であり、定着
ムラ、光沢ムラのない良好な画像が供給できる。
【0067】多数のエネルギーレベルを実現するために
はAC波数制御、AC位相制御、電圧変換等の公知の制
御手段が用いられる。
【0068】図7は前述した図1の定着装置11を組み
込んだ画像形成装置の一例の概略構成を示している。本
例の画像形成装置は原稿台往復動型・回転ドラム型・転
写式の電子写真複写装置である。
【0069】70は装置機筺、1はその装置機筺の上面
板71上に配設したガラス板等の透明板部材よりなる往
復動型の原稿載置台であり、機筺上面板71上を図面上
右方a、左方a’に夫々所定の速度で往復移動駆動され
る。
【0070】Gは原稿であり、複写すべき画像面側を下
向きにして原稿載置台1の上面に所定の載置基準に従っ
て載置し、その上に原稿圧着板1aをかぶせて押え込む
ことによりセットされる。
【0071】72は機筺上面板71面に原稿載置台1の
往復移動方向とは直角の方向(紙面に垂直の方向)を長
手として開口された原稿照明部としてのスリット開口部
である。
【0072】原稿載置台1上に載置セットした原稿Gの
下向き画像面は原稿載置台1の右方aへの往動移動過程
で右辺側から左辺側にかけて順次にスリット開口部72
bの位置を通過していき、その通過過程でランプ3の光
Lをスリット開口部72、透明な原稿載置台1を通して
受けて照明走査される。その照明走査光の原稿面反射光
が短焦点小径結像素子アレイ2によって感光ドラム4面
に結像露光される。
【0073】感光ドラム4は例えば酸化亜鉛感光層・有
機半導体感光層等の感光層が被覆処理され、中心支軸4
aを中心に所定の周速度で矢示bの時計方向に回転駆動
され、その回転過程で帯電器5により正極性又は負極性
の一様な帯電処理を受け、その一様帯電面に前記の原稿
画像の結像露光(スリット露光)を受けることにより感
光ドラム4面には結像露光した原稿画像に対応した静電
潜像が順次に形成されていく。
【0074】この静電潜像は現像器6により加熱で軟化
溶融する樹脂等より成るトナーにて順次に顕像化され、
該顕像たるトナー画像が転写部としての転写放電器9の
配設部位へ移行していく。
【0075】Sは記録材としての転写材シートPを積載
収納したカセットであり、該カセット内のシートが給送
ローラ7の回転により1枚宛繰出し給送され、次いでレ
ジストローラ8により、ドラム4上のトナー画像形成部
の先端が転写放電器9の部位に到達したとき転写材シー
トPの先端も転写放電器9と感光ドラム4との間位置に
丁度到達して両者一致するようにタイミングどりされて
同期給送される。そしてその給送シートの面に対して転
写放電器9により感光ドラム4側のトナー画像が順次に
転写されていく。
【0076】転写部でトナー画像転写を受けたシートは
不図示の分離手段で感光ドラム4面から順次に分離され
て搬送装置10によって前述した定着装置11に導かれ
て担持している未定着トナー画像Taの加熱定着処理を
受け、画像形成物(コピー)としてガイド43・排出ロ
ーラ44を通って機外の排紙トレイ12上に排出され
る。
【0077】画像転写後の感光ドラム4の面はクリーニ
ング装置13により転写残りトナー等の付着汚染物の除
去を受けて繰り返して画像形成に使用される。
【0078】前記実施例では、印加エネルギー設定の切
り換えを温調温度Tに対して上下に各1段設けていた
が、多段にしてもよい。そのような場合の温度設定とエ
ネルギーレベルの他の実施例として図6に示す様な例を
説明する。
【0079】図6において立上げエネルギーは1000
Wに設定されており、以下W1 〜W11のエネルギーレベ
ルを準備している。温調温度Tを200℃とすると各温
度は1例としてT−a=193℃,T−b=197℃,
T=220℃,T+c=203℃,T+d=205℃,
T+e=210℃,T+f=220℃のように設定され
ている。
【0080】T−a(193℃)以下の場合は常時立上
げエネルギーW0 =1000Wが印加されており、T+
e(210℃)〜T+f(220℃)の間は、充分に温
まった状態での空回転での消費エネルギー約90Wより
も小さいW11=50Wに固定されており、降温領域とな
っている。さらにT+f(220℃)以上では、印加エ
ネルギーをゼロとしており、異常事態が発生した際に通
電をストップし発煙・発火の事故を防止している。
【0081】本実施例の印加エネルギー設定の切り換え
動作の基本は、前記実施例と同様であり、温度検知手段
24がT−b(197℃)を検知した場合にはエネルギ
ーレベルをWk →Wk-1 に変更し、温度検知手段23が
T+c(203℃)を越えた場合にはWk →Wk+1 に変
更する。更にT+c(203℃)でエネルギー設定切り
換えを行なっても昇温を続け、T+d(205℃)を越
えた場合には、印加エネルギーレベルをWk →Wk+1
はWke→Wk+2 に切り換えるものである。更に昇温を続
けた場合には、T+e(210℃)で強制降温領域W11
=50Wが印加されるようになり降温させる。この時T
+c〜T+e(203℃〜206℃)の領域でもエネル
ギーレベルをW11=50Wにし、T〜T+c(200℃
〜203℃)の領域では、W10=100Wとし、1度加
熱体の温度をT+c=203℃以下に落すように設定す
る。
【0082】このように温調温度T=200℃に対して
上段側に多段にエネルギー設定切り換えポイントを保持
することにより次の様な効果がある。
【0083】例えば定着装置が連続動作を終了した後ま
だ充分に温まった状態で、定着動作が再開された場合等
に、温調温度T付近で消費されるエネルギーWA は、低
温時より立上げた時に温調温度T付近で消費されるエネ
ルギーWB と比較すると小さく、1例としてWB =50
0Wの時WA =290W程度となる。
【0084】充分に温まった定着装置が動作を再開した
場合、充分に温まった状態でも通常はT−a(193
℃)以下に降下しているのが普通であるのでT−b(1
97℃)までW0 =1000Wの立上げエネルギーが印
加され、T−b〜T(197℃〜200℃)の領域では
1 =550W、T〜T+c(200〜203℃)では
2 =500Wを印加されるが昇温を続け、T+cを越
えるので、エネルギー設定はWk →Wk+1 と1段づつシ
フトされる。T+c〜T+d(203°〜206℃)の
温度領域では印加される電力はW4 =400Wになるが
なお昇温を続けるのでT+d(206℃)を越える。T
+dを越えた場合には、エネルギー設定をWk →Wk+2
と2段づつシフトされる。するとT+d〜T+e(20
6〜210℃)の領域ではエネルギーレベルはW7 =2
50Wとなるので、加熱体20は降温をはじめT+c〜
T+dの領域に入りW6 =300W印加される。
【0085】300Wのエネルギーが印加されるので再
び温度が上昇しT+dを再度起え再びWk →Wk+2 のエ
ネルギー設定、変更が行なわれ、T+d〜T+eではW
9 =150W、T+c〜T+dではW8 =200WT〜
T+cではW7 =250W、T−b〜TではW6 =30
0Wになり、加熱体20は徐々に降温して、温調温度T
を挟んで温度が上下するように温度制御されるようにな
る。
【0086】本実施例のようにエネルギー設定切り換え
ポイントを多段設けることにより現在の印加エネルギー
と消費エネルギーが大きく異なった場合にも速やかに温
調温度T付近に加熱体20の温度を制御することが可能
であり好ましい。
【0087】前記実施例ではエネルギーレベル切り換え
ポイントを多段にして速やかに温調温度Tに加熱体20
温度を制御する方法を述べたが、更に他の実施例におい
ては、切り換えポイントを過ぎて所定の時間を経過して
も切り換えポイントを通らない場合に、さらにエネルギ
ーレベルを切り換えるようにする。そうすることによ
り、例えば図5の様なエネルギー切り換えレベルを設定
した場合、T+cの温度を越えて、T+c〜T+dの温
度領域で消費エネルギーと印加エネルギーが釣り合い、
温度が変動しなくなった場合にも所定の時間経過後(例
えば0.5秒)エネルギーレベルが切り換えられるので
消費エネルギーと印加エネルギーのバランスが崩れるの
で、加熱体20の温度が降下し、T+c以下の領域に温
度をもってくることが可能になり温度をT−b〜T+c
の範囲で制御できる。
【0088】なおエネルギーレベル切り換えポイントが
多段であっても本実施例の様な時間切り換えを併用する
ことが効果的であることは明白である。
【0089】今までの実施例では、定着動作開始時はエ
ネルギーレベルの設定がT−b〜Tの温度領域でWi
1 となる様に設定していたが、もちろん他の所望の値
を入れておくことも可能である。
【0090】また通電開始直後の加熱体20の昇温速度
を検知して、定着装置の温まり具合を判断し、所定のエ
ネルギーレベル設定にしても良い。そうすることにより
定着動作開始時においても適切なエネルギーが印加され
るので、オーバーシュート等のない良好な温度制御が実
現できて好ましい。
【0091】次に、図8乃至17に基づいて請求項4の
発明の実施例を説明する。
【0092】まず、本発明の実施例の定着装置を適用し
た画像形成装置の概略構造を図9に基づいて説明する。
図9において、101はガラス等の透明部材よりなる原
稿載置台で、矢印a方向に往復運動して原稿を操作す
る。原稿載置台の直下には短焦点小経結像素子アレイ1
02が配置されていて、原稿載置台上におかれた原稿は
照明ランプ103によって照射され、その反射光像は上
記アレイ102によって感光ドラム4上にスリット露光
される。なおこの感光ドラムは矢印b方向に回転する。
また105は帯電器であり、例えば酸化亜鉛感光層ある
いは有機半導体感光層等を被覆された感光ドラム104
上に一様に帯電を行う。この帯電器105により一様に
帯電されたドラム104は、素子アレイ102によって
画像露光が行われ静電潜像が形成される。この静電潜像
は、現像器106により加熱で軟化溶融する樹脂等より
なるトナーを用いて現像化される。一方、カセットS内
に収納されている転写材Pは、搬送ローラー107と感
光ドラム104上の画像と同期するようタイミングをと
って上下方向で圧接して回転される対の搬送ローラー1
08によってドラム104上に送り込まれる。そして、
転写帯電器109によって、感光ドラム104上に形成
されているトナー像は、転写材P上に転写される。その
後、公知の分離手段によってドラム104から分離され
た転写材Pは、搬送ガイド110によって定着装置11
1に導かれ加熱定着処理された後にトレイ112に排出
される。なお、トナー像を転写後、ドラム104上の残
留トナーはクリーナー113によって除去される。
【0093】次に、図10に本実施例の定着装置111
の拡大図を示す。図10において、114は装置に固定
支持された低熱容量線状加熱体であって、1例として厚
み1.0mm、幅6.0mm、長手長240mmのアル
ミナ基板115に発熱層である抵抗材料116を幅1m
mに塗工したもので、長手方向両端より通電される。こ
の加熱体のフィルム側表面には潤滑剤が塗布されてい
る。
【0094】加熱体に供給される電力は、検温素子11
7の出力によって制御されており、所定の温度に制御さ
れている。このように温度制御された加熱体114に当
接して図中矢印方向に定着フィルム118は移動する。
この定着フィルムの1例として厚み20μmの耐熱フィ
ルム、例えばポリイミド、ポリエーテルイミド、PE
S、PFAに少なくとも画像当接面側にPTFE、PA
F等のフッ素樹脂に導電材を添加した離型層を約10μ
mコートしたエンドレスフィルムである。一般には、層
厚100μm、より好ましくは40μm未満、フィルム
駆動は駆動ローラ119と従動ローラ120による駆動
とテンションにより矢印方向にシワなく移動する。
【0095】123はベルト非コート部に設けられた補
強部材であるリブであり、フィルム118とは別材質の
例えばゴムでできており、フィルム118に接着されて
いる。124はリブ123を規制するための規制部材で
あり、駆動ローラ119の外周に沿ってリブ123より
フィルム中央側に設置されている。駆動ローラ119が
回転し、フィルム118が搬送されると、寄り力が働く
が、リブ123が規制部材124とぶつかり規制されて
フィルムの寄りとともに規制部材が移動する。
【0096】121はシリコンゴム等の離型性の良いゴ
ム弾性層を有する加圧ローラーで総圧4〜7kgで、フ
ィルムを介して加熱体を加圧しフィルムと圧接回転する
転写材(P)上の未定着トナー(T)は、入り口ガイド
122により定着部に導かれ上述の加熱により定着像を
得るものである。
【0097】また、本発明の定着装置が用いられる画像
形成装置としては、電子写真装置、静電記録装置で加熱
溶融性のトナーを用いて画像を形成する装置すべてに適
応するものである。
【0098】次に図8および図11〜図12を用いて本
実施例について説明する。
【0099】図8は本実施例を用いた定着器の動作図で
ある。コピー動作中、フィルムの長手方向の移動が発生
し、異常な位置であることが検知されると、ヒーターへ
の給電が停止された後フィルムの回転が停止する。
【0100】次に定着器が自然冷却され、検温素子11
7で検知された加熱体の温度T℃が所定の温度以下にな
ると、再びTF℃温度制御を行いながら定着器の運転
(以後空回転)が開始される。その結果、フィルムは正
常な位置に復帰する。
【0101】図11は定着装置を180℃温度制御にて
稼動してフィルムが異常位置になり、異常検知され定着
器が停止し、T℃まで冷却した後の、空回転を行ったと
きのフィルムの位置を表わしている。冷却せずに空回転
を行った場合、フィルムはさらに大きく移動し、復帰す
るまでの時間が長くかかる。これに対し所定の温度まで
の冷却を行うことで、フィルムは速やかに正常域へ復帰
し、Tが低くなるにつれ、空回転に要する時間も少なく
てすむ。
【0102】フィルム位置の異常の検知の1例を図12
に示す。フィルム118が矢印Rの方向に移動すると、
規制部材124はリブ123を介して荷重を受け、やは
りRの方向に移動する。
【0103】移動前、光センサー125をさえぎってい
た規制部材124の旗部126が移動し、光スイッチが
ON−OFFとなる。
【0104】この信号が制御回路に送られる。本実施例
では旗部126の幅を8mmとしておりその中央を光セ
ンサー中央部にあわせて初期設定してあるため、片側4
mm移動すると信号が発生し、制御回路に送られる。こ
うして異常域(4mm)へのフィルムの移動が検知され
る。以上のように異常域を検知し、フィルムの駆動を停
止させ、所定の温度Tまで停止し続け、その後空回転を
行うことでフィルムを正常域に復帰させることができ
る。
【0105】しかしながらフィルムの位置の検知は本実
施例に限らず、図13のようにレバーで検知しても良い
し、図14のように端部を斜めにカットしたフィルムの
カット部分を光学的に検知してこのON−OFF時間の
比からフィルムの位置を検知する等、種々の方法を採用
することができる。またフィルム中央から異常までの距
離も本実施例では4mmとしたが、これも装置構成が許
されるならば、もっと大きくすることも可能であるし、
中央から左右の許容巾を変えてもよい。
【0106】また冷却後の温度T℃の設定も、定着動作
時の制御温度T0 ℃から室温TR までの範囲をとること
が可能であるが、本発明者らの検討では140≦T0
220の場合はTR +20≦T≦T0 −20望ましくは
R +20≦T≦T0 −40であった。
【0107】復帰時の制御温度TF ℃は、50≦TF
0 +20の範囲であれば差しつかえない。
【0108】図15は他の実施例の作動のフローチャー
ト図である。ステップS1で電源キーがONされると、
S2でフィルム位置の異常の有無を検知する。
【0109】異常である場合、加熱体の温度がT1 以下
であれば空回転状態に入る。その後、フィルムの位置が
正常な位置に復帰していれば通常のコピーシーケンス
に、異常な位置にある場合は回転を続行するが、S6で
その時間をカウントし、ある時間以上連続するとエラー
が表示される。
【0110】コピー動作中(S7,S8)は位置異常を
検出するとコピーシーケンスが中断されエラーが表示さ
れる。エラーが表示されるとメインスイッチのONをす
ることが必要となりS1に戻ることになる。
【0111】本実施例を用いることで空回転の時間が制
限され、エラー表示をする機能をもつことから、検知素
子等の異常により位置異常であると該検知がなされた場
合でも空回転を長時間行なわずにすみ、また操作者に異
常を知らせることができる。空回転の時間tは前記実施
例を説明した図11よりT0 =180、かつ100≦T
≦150の場合は30(S)から5分ぐらいまでが適当
であった。
【0112】次に本発明の更に他の実施例について説明
する。図16に示す本実施例では、加熱体の温度を検出
する手段として2つ以上のサーミスタを長手方向に配し
たものである。
【0113】例えば長手方向に2つのサーミスタを配
し、それぞれの検知温度をTA ,Tとする。これらの
温度差の絶対値|T −TB |が所定の値以下になる
か、またはTが、T1 以下になったときに空回転が行わ
れる。図16は本実施例のフローチャートである。ステ
ップS15において温度差の検知が行なわれる。通紙位
置が中央からずれたために温度分布のばらつきが生じ、
そのために寄りが生じた際には有効であり、前述の実施
例よりも早く空回転に入ることができる。実験では|T
A −TB |は10℃以下が望ましいという結果であっ
た。
【0114】次に本発明の更に他の実施例について説明
する。図17は当該実施例における画像形成装置の動作
のフローチャートである。
【0115】図17において、ステップS5の位置セン
サーでOKの判断がでるとS17に行く。これがt2
上ならば、S7に行きコピースタンバイ状態になる。S
17でNOのときは再びS5の位置センサーの判断とな
る。これにより一定時間(t2 )位置センサーがOKに
なっていないと、スタンバイ状態には入れない。このた
め、リブの振れなどにより光センサーがON−OFF状
態のくりかえしとなることを防ぎ、誤動作がなくなる。
【0116】S16もS7に対し、同様の働きをする。
【0117】次に図18乃至25に基づいて請求項5乃
至9の実施例について説明する。
【0118】図18において、295は装置機筺、20
1は該機筺の上面板296a上に配設したガラス板等の
透明板部材よりなる往復動型の原稿載置台であり、機筺
上面板296a上を図面上右方a、左方a’に夫々所定
の速度で往復移動駆動される。
【0119】Gは原稿であり、複写すべき画像面側を下
向きにして原稿載置台201の上面に所定の載置基準に
従って載置し、その上に原稿圧着板201aをかぶせて
押え込むことによりセットされる。
【0120】297bは機筺上面板296a面に原稿載
置台201の往復移動方向とは直角の方向(紙面に垂直
の方向)を長手として開口された原稿照明部としてのス
リット開口部である。原稿載置台201上に載置セット
した原稿Gの下向き画像面は原稿載置台201の右方a
への往復移動過程で右辺側から左辺側にかけて順次にス
リット開口部297bの位置を通過していき、その通過
過程でランプ207の光Lをスリット開口部297b、
透明な原稿載置台201を通して受けて照明走査され
る。その照明走査光の原稿面反射光が短焦点小径結像素
子アレイ202によって感光ドラム203面に結像露光
される。
【0121】感光ドラム203は例えば酸化亜鉛感光層
・有機半導体感光層等の感光層が被覆処理され、中心支
軸203aを中心に所定の周速度で矢示bの時計方向に
回転駆動され、その回転過程で帯電器204により正極
性又は負極性の一様な帯電処理を受け、その一様帯電面
に前記の原稿画像の結像露光(スリット露光)を受ける
ことにより感光ドラム203面には結像露光した原稿画
像に対応した静電潜像が順次に形成されていく。
【0122】この静電潜像は現像器205により加熱で
軟化溶融する樹脂等より成るトナーにて順次に顕像化さ
れ、該顕像たるトナー画像が転写部としての転写放電器
208の配設部位へ移行していく。
【0123】Sは記録材としての転写材シートPを積載
収納したカセットであり、該カセット内のシートが給送
ローラ206の回転により1枚宛繰出し給送され、次い
でレジストローラ208により、ドラム203上のトナ
ー画像形成部の先端が転写放電器208の部位に到達し
たとき転写材シートPの先端も転写放電器208と感光
ドラム203との間位置に丁度到達して両者一致するよ
うにタイミングどりされて同期給送される。そしてその
給送シートの面に対して転写放電器208により感光ド
ラム203側のトナー画像が順次に転写されていく。
【0124】転写部でトナー画像転写を受けたシートは
不図示の分離手段で感光ドラム203面から順次に分離
されて搬送ガイド210によって後述する定着装置21
1に導かれて担持している未定着トナー画像の加熱定着
処理を受け、画像形成物(コピー)として機外の排紙ト
レイ212上に排出される。
【0125】一方、トナー画像転写後の感光ドラム20
3の面はクリーニング装置213により転写残りトナー
等の付着汚染物の除去を受けて繰り返して画像形成に使
用される。
【0126】次に本発明の実施例の定着装置について詳
細に説明する。図19は定着装置の拡大図である。
【0127】224はエンドレスベルト状の定着フィル
ムであり、左側の駆動ローラ225と、右側の従動ロー
ラ226と、駆動ローラ225と従動ローラ226間の
下方に配置した加熱体としての低熱容量線状加熱体22
0の互いに並行な該4部材225・226・227・2
30間に顕回張設してある。
【0128】従動ローラ226はエンドレスベルト状の
定着フィルム224のテンションローラを兼ねさせてお
り、該定着フィルム224は駆動ローラ225の時計方
向回転駆動に伴ない時計方向に所定に周速度、即ち画像
形成部208側から搬送されてくる未定着トナー画像T
aを上面に担持した転写材シートPの搬送速度と同じ周
速度をもってシワや蛇行、速度送れなく回動駆動され
る。
【0129】228は加圧部材としての、シリコンゴム
等の離型性の良いゴム弾性層を有する加圧ローラであ
り、前記のエンドレスベルト状定着フィルム224の下
行側フィルム部分を挟ませて前記加熱体220の下面に
対して不図示の付勢手段により例えば総圧4〜7kgの
当圧接をもって対向圧接させてあり、転写材シートPの
搬送方向に順方向の反時計方向に回転する。
【0130】加熱体としての低熱容量線状加熱体220
は、定着フィルム横断方向(定着フィルム225の走行
方向に直角な方向)を長手とする横長の剛性を有するヒ
ータ支持体230に、取付けられた断熱ホルダー227
の下面側に下面長手に沿って一体に取付け保持されてお
り、ヒータ基板21、発熱体22、保護層31から成
る。
【0131】断熱ホルダー227は加熱体220を定着
装置211及び複写装置全体に対し断熱するもので、例
えばPPS(ポリフェニレンサルファイド)、PAI
(ポリアミドイミド)、PI(ポリイミド)、PEEK
(ポリエーテルエーテルケトン)、液晶ポリマー等の高
耐熱性樹脂や、これらの樹脂とセラミックス、金属、ガ
ラス等との複合材料などで構成できる。
【0132】ヒータ基板221は一例として厚み1.0
mm、巾10mm、長さ240mmのアルミナ基板であ
る。発熱体222は例えば基板221の下面の略中央部
に長手に沿って、例えばAg/Pd(銀、パラジウム)
等の電気抵抗材料を厚み約10μm、巾1〜3mmにス
クリーン印刷等により塗工してあり、その上には保護層
231として耐熱ガラスを約10μmコートしてある。
【0133】温度検知素子223としては低熱容量のサ
ーミスタが、基板221に当接配置しており、この配設
構成については、後で詳細に述べる。
【0134】本例の場合は、線状又は帯状をなす発熱体
222に対し、その長手方向両端部より通電し、発熱体
222を略全長にわたって発熱させる。通電はAC10
0Vであり、検温素子223の検知温度に応じてトライ
アックを含む不図示の通電制御回路により通電する位相
角を制御することにより、通電電力を制御している。
【0135】定着フィルム224はエンドレスベルト状
に限らず、図20のように送り出し軸230にロール巻
に巻回した有端の定着フィルム224を加熱体220と
加圧ローラ228との間、巻取り軸231に係止させ
て、送り出し軸230側から巻取り軸231側へ転写材
シートPの搬送速度と同一速度をもって走行させる構成
であってもよい。
【0136】次に、本実施例の定着装置の動作について
説明する。
【0137】画像形成スタート信号により装置が画像形
成動作して転写部208から定着装置211へ搬送され
た、未定着のトナー画像Taを上面に担持した転写材シ
ートPはガイド229に案内されて加熱体220と加圧
ローラ228との圧接部Nの定着フィルム224と加圧
ローラ228との間に進入して、未定着トナー画像面が
シートPの搬送速度と同一速度で同方向に回動状態の定
着フィルム224の下面に密着して面ズレやしわ寄りを
生じることなく定着フィルム224と一緒の重なり状態
で加熱体220と加圧ローラ228との相互圧接部N間
を挟圧力を受けつつ通過していく。
【0138】加熱体220は画像形成スタート信号によ
り所定のタイミングで通電加熱されるので、トナー画像
Taは圧接部Nにおいて加熱を受けて軟化・溶融像Tb
となる。
【0139】定着フィルム224は、支持体227の曲
率の大きい(曲率半径が約2mm)エッジ部Sにおい
て、急角度(屈曲角度θが略45°)で走行方向が転向
する。従って、定着フィルム224と重なった状態で圧
接部Nを通過して搬送されたシートPは、エッジ部Sに
おいて定着フィルム224から曲率分離し、排紙トレイ
212へ排紙されてゆく。排紙される時までにはトナー
は十分冷却固化し、シートPに完全に定着した状態(ト
ナー画像Tc)となっている。
【0140】本実施例で用いたトナーは加熱溶融時の粘
度が十分高いので、定着フィルム224と分離する際の
トナー温度がトナーの融点以上であっても、トナー同志
の固着力が定着フィルムに対するトナーの粘着力より極
めて大きい。従って、定着フィルム224とシートPの
離反に際し、定着フィルム224に対するトナーオフセ
ットは実質的に発生することはない。
【0141】またトナーの溶融中にフィルムを分離して
いるため、トナー像に光たくを生じることがない。この
トナーの溶融中というのはトナーの粘度がガラス転移点
より大である状態である。
【0142】また、本実施例において、加熱体220の
うち発熱体222及び基板221の熱容量が小さく、か
つこれらが断熱ホルダー227により断熱されているの
で、圧接部Nにおける加熱体220の表面温度は短時間
にトナーの融点(又はシートPへの定着可能温度)に対
して十分な高温に昇温するので、加熱体をあらかじめ昇
温させておく(いわゆるスタンバイ温調)必要がなく、
省エネルギーが実現でき、しかも機内昇温も防止でき
る。
【0143】なお、本実施例では加熱体への通電とし
て、ACを用いたが、DCのパルス状通電を用いてもよ
い。
【0144】ここで本発明の温度検知素子223の配設
について詳細に述べる。
【0145】図21に示すように、本実施例の加熱体基
板221の裏面(発熱体と対向する側)には、スクリー
ン印刷法やスパッタリング法により、AgまたはAu等
の導電材料から成る電路251が形成されており、加熱
体基板221の長手方向略中央部において、温度検知素
子223のリード線223aが半田付けしてあり、温度
検知素子のビード部223bは加熱体基板221に接触
している。
【0146】また、電路251の加熱体端部は外部電線
252と接続されており、外部回路により、温度検知素
子の抵抗値を測定することにより、加熱体220の温度
を検知している。
【0147】このような構成にすることで、加熱体22
0や、その周辺部材が熱膨張するために加熱体220が
断熱ホルダー227から離れても、温度検知素子223
は、加熱体基板221の裏面から、離れることはなく、
また定着装置が受ける振動により、加熱体220が長手
方向に移動しても温度検知素子223が加熱体から離れ
たり、リード線部223aが引っぱられたり、ストレス
を受けることはない。
【0148】従って上記実施例により、温度検知の応答
性や、精度が変化することや、リード線223aがスト
レスを受けるために耐久性、信頼性が低下するのを防止
できる。
【0149】なお、リード線を半田付け等により固定す
る作業時におけるリード線のストレスを防止する為に
は、図22に示すように、リード線を迂回又は予裕を持
たせるのが良い。
【0150】また、温度検知素子は本実施例のようなビ
ード型サーミスタに限らず、薄膜型サーミスタや他の抵
抗測温体でも良い。
【0151】またビード型の素子を用いる場合には、加
熱体との接触面積が小さくなるので、該素子と、加熱体
の間に、熱伝導性グリースを介在させた方が、応答性良
く、精度良く、温度が検知できるので好ましい。
【0152】本発明の他の実施例は、確実に温度検知素
子のビート部223bが加熱体基板221に接触するよ
うに熱伝導性の耐熱接着剤271により、図23に示す
ように加熱体基板上に固定させたものである。このよう
にすることで、振動等により加熱体と、温度検知素子の
間に微小な空間が生じ温度検知の応答性が低下するのを
防止できる。
【0153】なお、ここで温度検知素子223bに、熱
膨張差によりストレスがかかるのを防ぐためには、シリ
コーンゴム等から成る弾性を有する接着剤が好ましい。
【0154】また、ここでもリード線にストレスがかか
るのを防ぐためには、リード線を迂回又は余裕を持たせ
る構成にするのが好ましい。
【0155】また、より応答性良く加熱体の温度を検知
する為には図24に示すように、加熱体基板221の一
部に、くぼみ281を形成し、該くぼみに温度検知素子
223bを配置し、さらには、熱伝導性接着剤271
で、そのすき間を埋めるようにするのが良い。
【0156】本発明の更に他実施例の加熱体基板には、
金属から成るピン291が取付けられており、該ピン2
91には、温度検知素子223のリード線及び、外部回
路に接続されて十分な強度を用する導線292が、溶接
法により固定されている。すなわち本実施例は、加熱体
と一体に形成された電路としてインサートピンを用いた
ものであり、このような構成にすることで、加熱体基板
221の裏面に長い電路パターンを形成する必要がなく
なり、加熱体基板221裏面に、複数個の温度検知素子
を形成したり、安全素子を取り付けたりするのが容易に
なる。
【0157】次に図26,27に基づいて請求項10の
発明の実施例について説明する。本実施例も、前記実施
例同様に、図18乃至20の画像形成装置並びに定着装
置に好適に適用される。
【0158】そこで当該実施例について説明すると、図
26の(a)に示すように、定着装置の加熱体320の
裏面(発熱体322の逆側)には、小型の温度ヒューズ
341例えばNEC製SM145BO(定格電流1A)
が当接されている。また図26の(b)に回路図の概略
図を示すように、該温度ヒューズ341は、加熱体への
通電回路ON/OFF可能なリレーに接続されており、
CC=24Vが印加されている。
【0159】通常定着動作時には、加熱体は140℃に
温調されているので、該温度ヒューズ341は切れるこ
となく、リレーには、VCCが印加され加熱体への通電回
路はON状態であり加熱体への通電は続けられる。
【0160】一方、加熱体がマイコンの誤動作や、
トライアックの故障サーミスタの故障等の理由によ
り、異常高温(145℃以上)になると、該温度ヒュー
ズ341は切れ、リレーは、加熱体通電回路をOFF状
態とし、加熱体への通電が遮断される。
【0161】上記のような構成にすることで、従来方式
では、耐電流不足のために使用できなかった小型な安全
素子を使用することが出来るので、加熱体に当接して
も加熱体温度に大きな影響を与えない。安全素子の熱
容量が小さいため応答性が速い、装置が小型かつ組み
立てやすくなる、などのメリットがある。
【0162】特に、当接物により加熱体温度が影響を受
けやすく、加熱体の昇温速度が速い低熱容量加熱体を用
いるフィルム定着装置においては、効果が大きい。
【0163】なお、ここで通電回路遮断装置としてリレ
ーを用いたがトライアック等、他の遮断装置でもよい。
【0164】他の実施例として、小型温度ヒューズの代
りに、図27に示すように、加熱体裏面、略中央部にP
bやSn等の熱溶融性金属から成る、膜状の熱溶断素子
351を加熱体と一体に形成したものを用いることで、
より応答性よく動作する安全装置を可能としたものであ
る。
【0165】一般に、このような膜状素子は、抵抗値を
あまり小さく出来ず、大電流を通電すると、わずかなが
ら発熱し、自己昇温してしまう。また形成時に膜の厚み
にムラが生じると、この自己昇温が大きくなり、そのた
めに溶断してしまうことがある。
【0166】このように自己昇温による安全素子の動作
温度が不安定になること、また、通常時に溶断してしま
うことを防ぐためにも、安全素子に大電流を通さない本
発明は有効である。
【0167】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1乃至3の
発明は、フィルム加熱方式の定着装置において、加熱体
20の温度を検知する手段を有し、温調温度Tに対して
一定温度以上の差を検知した際に、加熱体への熱エネル
ギー設定を切り換えるようにしたことにより、常に目標
温調温度T付近に温度を制御することが可能になり、定
着動作開始時と充分に温まった状態でも同一温度に制御
され安定した定着動作が得られると共に、加熱体20へ
印加するエネルギーレベルを多段に準備できるので、エ
ネルギーレベル間の段差を小さくすることが可能にな
り、温度リップルを小さく抑えることができるので、温
度リップルによる定着画像の定着ムラ、光沢ムラが防止
される効果がある。
【0168】また請求項4の発明によれば、フィルムの
位置を検知し、異常な場合フィルムの駆動を停止し、加
熱体が所定の温度になったのち、温度制御を行いながら
空回転をすることで、フィルムが異常な位置から容易に
復帰させることができるこのため操作者はフィルムにダ
メージを与えることなく、短時間で簡易にコピーを続け
ることができる。
【0169】また請求項5乃至9の発明によれば、温度
検知素子のリード線を、加熱体と一体に形成され、外部
回路と接続されている電路に固定することで、加熱体が
移動しても温度検知素子が加熱体から離れたり、リ
ード線にストレスがかかるのを防止できる。従って、温
度検知の応答性の劣化、精度の低下、が防止でき、ま
た、耐久性、信頼性が向上する。
【0170】また請求項10の発明によれば、加熱体通
電回路中に加熱体への通電を遮断する装置を有し、該遮
断装置は加熱体に接触させた小型な感温素子、加熱体の
異常昇温により、溶断したときに、加熱体への通電を遮
断する構成にすることで、加熱体への通電電流値によら
ず小型な感熱素子を用いることが出来感温素子を当接
するために加熱体の温度が極端に低くなったり、異常
昇温時に、通電遮断動作が遅れたり、装置が大型にな
る、安全素子の自己昇温により、動作温度が不安定に
なる、等の問題が解決できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例定着装置の概略構成図
【図2】本発明の他の実施例の概略構成図
【図3】本発明の加熱制御を説明するための図
【図4】定着動作時間とエネルギー消費量の相関図
【図5】本発明の加熱制御の一例を表わす図
【図6】本発明の加熱制御の他の例を表わす図
【図7】本発明の定着装置を搭載した画像形成装置の概
略構成図
【図8】本発明を実施した定着装置の動作フローチャー
ト図
【図9】本発明の定着装置を搭載した画像形成装置の一
例を示す図
【図10】図9の定着装置の構造の一例を示す図
【図11】温度変化とフィルム位置の時間的推移の関係
を示す図
【図12】本発明を実施した定着装置の主要部の概略図
【図13】図12の定着装置の変形例を示す図
【図14】図12の定着装置の他の変形例を示す図
【図15】本発明の他の実施例を実施した定着装置の動
作フローチャート図
【図16】本発明の更に他の実施例を実施した定着装置
の動作フローチャート図
【図17】本発明の別の実施例を実施した定着装置の動
作フローチャート図
【図18】本発明の定着装置を搭載した画像形成装置の
一例を示す図
【図19】本発明の一実施例の定着装置を示す図
【図20】本発明の定着装置の他の例を示す図
【図21】本発明の一実施例による温度検知素子の配設
構成を示す図
【図22】図21の温度検知素子の配設構成の変形例を
示す図
【図23】本発明の他の実施例による温度検知素子の配
設構成を示す図
【図24】図23の温度検知素子の配設構成の変形例を
示す図
【図25】本発明の更に他の実施例による温度検知素子
の配設構成を示す図
【図26】(a)は本発明の一実施例の安全装置を有す
る定着装置の主要部を示す図 (b)は該安全装置の回路図
【図27】他の実施例の安全装置を有する定着装置の主
要部を示す図
【図28】従来の定着装置の温度検知素子の配設構成を
示す図
【符号の説明】
11…定着装置の総括符号 25…定着フィルム 20…加熱体 22…基板 23…通電発熱抵抗体 24…加熱体温度検
知素子 116…発熱層 117…サーミスタ 118…定着フィルム 123…リブ 124…規制部材 125…光センサー 126…旗 221…ヒータ基板 223…温度検知素子 223a…リード線 223b…ビード部 251…電路 271…耐熱性接着剤 320…加熱体 322…発熱体 341…温度ヒュー
ズ 351…熱溶断素子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木村茂雄 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録材を加熱体に対して定着フィルムを
    介して圧接させて前記加熱体から該フィルムを介して記
    録材に熱エネルギーを与える定着装置において、該加熱
    体の温度を検知する温度検知手段を有し、かつ、温調温
    度Tに対して、一定温度以上の差を検知した際に、該加
    熱体への印加エネルギー設定を切り換える手段を有して
    いることを特徴とする定着装置。
  2. 【請求項2】 印加エネルギーを切り換える温度ポイン
    トを複数個有する請求項1記載の定着装置。
  3. 【請求項3】 温調温度Tに対して、一定温度以上の差
    を所定の時間以上検知し続けた場合に、加熱体への印加
    エネルギーを切り換えるようにしている請求項1または
    2記載の定着装置。
  4. 【請求項4】 定着時に、固定状態で使用される低熱容
    量の加熱体と、この加熱体に接触摺動して回転する薄膜
    耐熱性の定着フィルムとを有し、この定着フィルムを介
    して前記加熱体からの熱でトナー像を加熱定着する定着
    装置において、前記フィルム回転軸方向の位置および前
    記加熱体の温度を検出する手段を有し、かつ、該フィル
    ムの回転軸方向の位置が所定の範囲外として検出された
    場合には、前記フィルムの駆動を停止し、前記温度を検
    出する手段によって検出される該加熱体の温度が所定の
    値よりも低い場合に該フィルムが再び駆動されるように
    する制御手段を有することを特徴とする定着装置。
  5. 【請求項5】 定着フィルムと、該定着フィルムの走行
    駆動手段と、該定着フィルムを中にして、その一方面側
    に固定支持されて配置された加熱体と、他方面側に配置
    され前記加熱体に対して定着フィルムを介して記録材を
    密着させる加圧部材を備えた定着装置において、前記加
    熱体は、該加熱体と一体に形成され、外部回路と接続さ
    れている電路を有し、該加熱体に、当接または近傍に配
    置された温度検知素子のリード線が、該電路に接続され
    ていることを特徴とする加熱定着装置。
  6. 【請求項6】 前記リード線が迂回部分を有する、こと
    を特徴とする請求項5記載の定着装置。
  7. 【請求項7】 該温度検知素子と該加熱体の間に、熱伝
    導性物質を介在することを特徴とする請求項5又は6記
    載の定着装置。
  8. 【請求項8】 前記熱伝導性物質が接着剤であることを
    特徴とする請求項7記載の定着装置。
  9. 【請求項9】 該加熱体は、温度検知素子が当接する部
    分にくぼみを有することを特徴とする、請求項5乃至8
    記載の定着装置。
  10. 【請求項10】 低熱容量加熱体及び耐熱フィルムを用
    いる定着装置において、加熱体への通電を遮断する遮断
    手段と、該加熱体に接触して配置された熱溶断性感熱素
    子を有し、該遮断手段は、該感熱素子の溶断により、該
    加熱体への通電を遮断する構成としたことを特徴とする
    定着装置。
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JP2001324892A (ja) * 2000-05-17 2001-11-22 Canon Inc 像加熱装置及びそれを有する画像形成装置
JP2003123941A (ja) * 2001-10-11 2003-04-25 Canon Inc ヒータ制御方法および画像形成装置
US6989425B2 (en) 2001-05-04 2006-01-24 Dsm Ip Assets B.V. Process for cross-linking a polymer
JP2019060967A (ja) * 2017-09-25 2019-04-18 東芝ライテック株式会社 ヒータ及び画像形成装置
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