JP2002110191A - 直接メタノール型燃料電池 - Google Patents

直接メタノール型燃料電池

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JP2002110191A
JP2002110191A JP2000294508A JP2000294508A JP2002110191A JP 2002110191 A JP2002110191 A JP 2002110191A JP 2000294508 A JP2000294508 A JP 2000294508A JP 2000294508 A JP2000294508 A JP 2000294508A JP 2002110191 A JP2002110191 A JP 2002110191A
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methanol
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Tatsuya Hatanaka
達也 畑中
Masahiko Asaoka
賢彦 朝岡
Kazuo Kawahara
和生 河原
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Toyota Central R&D Labs Inc
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 燃料流路前半でのメタノールのクロスオーバ
ー及び燃料流路後半でのメタノールの供給不足を抑制す
ることによって、燃料極への燃料供給を最適化し、出力
及び燃料利用率の高い直接メタノール型燃料電池を提供
すること。 【解決手段】 固体高分子電解質膜12の両面に燃料極
14及び空気極16を接合した膜電極接合体18を備え
た直接メタノール型燃料電池10において、燃料極14
側の拡散層14bのメタノール透過係数を、燃料の下流
側に行くほど、大きくする。具体的には、カーボンペー
パ等からなる基材の表面に、カーボンブラック+ポリテ
トラフルオロエチレン混合物を塗布して燃料極拡散層と
する場合において、混合物中に含まれるポリテトラフル
オロエチレンの重量比、及び/又は、混合物の塗布量を
燃料の流れに沿って変化させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電解質膜として固
体高分子電解質膜を用いた直接メタノール型燃料電池に
関し、さらに詳しくは、可搬型の小型電源、車載用動力
源等として好適な直接メタノール型燃料電池に関する。
【0002】
【従来の技術】直接メタノール型燃料電池(以下、これ
を「DMFC」という。)は、メタノール水又はメタノ
ール蒸気を燃料極に供給し、供給されたメタノールを燃
料極の触媒層上で直接、反応させて発電を行うタイプの
燃料電池である。DMFCは、純水素又は水素を含む改
質ガスを燃料極に供給するタイプの燃料電池に比して、
反応速度や出力密度は劣っているが、燃料の貯蔵が容易
であり、改質器も不要であるという利点がある。そのた
め、DMFCは、システム全体の簡素化、負荷応答性の
向上、低コスト化等の可能性を有しており、可搬型の小
型発電器、車載動力源等への応用が期待されているもの
である。
【0003】DMFCに用いられる電解質としては、酸
性又はアルカリ性の電解液や固体高分子電解質などが知
られているが、反応効率を高めるためには、高温作動が
可能な固体高分子電解質を用いるのが有利である。電解
質として固体高分子電解質を用いたDMFCは、基本的
には、水素供給型の固体高分子型燃料電池と同様の構造
を有している。
【0004】すなわち、固体高分子電解質を用いたDM
FCは、中央に固体高分子電解質からなる薄い膜があ
り、その両側に電極を接合して膜電極接合体とし、さら
にその両側をセパレータで挟んだ構造を取る。これらが
1つの燃料電池を形成し、これを多数重ね合わせたもの
が燃料電池スタックとなる。また、電極は、電極反応の
反応場となる触媒層と、触媒層への反応物質の供給、電
子の授受等を行うための拡散層の二層構造になってい
る。
【0005】固体高分子電解質を用いたDMFCは、燃
料としてメタノールを用いるために、水素供給型の燃料
電池にはない固有の問題がある。1つは、燃料として液
体燃料であるメタノール水を使用する場合、燃料極にお
けるメタノールの拡散速度が遅いために、触媒層へのメ
タノールの拡散が反応を律速することである。他の1つ
は、固体高分子電解質とメタノールとの親和性が高いた
めに、燃料極に供給されたメタノールがそのまま固体高
分子電解質膜を透過して空気極側に達する、いわゆる
「クロスオーバー」が発生し、燃料ロス及び出力低下を
招くことである。従って、メタノールの反応速度を高
め、DMFCの出力及び燃料利用率を向上させるために
は、電極構造、特に燃料極の構造を最適化することが重
要である。
【0006】DMFCの電極構造を検討した例として
は、例えば、DMFCをリードする米国ロスアラモス研
究所の文献(J. Power Source, vol.81, p111-116)が
ある。この文献によれば、電極構造と作動条件を最適化
することによって、メタノールのクロスオーバーが抑制
され、燃料利用率と出力が向上したと報告されている。
【0007】また、他の例としては、英国ニューキャッ
スル大の報告(J. Power Source, vol.69, p.113-124)
がある。この報告には、カーボンペーパの表面に、触媒
を担持したカーボンとポリテトラフルオロエチレンを含
むペーストを塗布してコールドプレス及び焼結を行い、
この上にナフィオン(デュポン社、登録商標)溶液を塗
布して電極とし、これとナフィオン膜とを接合する方法
が記載されている。
【0008】また、DMFCではないが、水素供給型の
固体高分子型燃料電池の特性を向上させるために、従来
から、種々の電極構造が提案されている。例えば、特開
平7−13992号公報には、撥水性部材と吸水性部材
をモザイク状に配置した拡散層を備えた電極が開示され
ている。また、特開平10−189004号公報には、
触媒を担持する担体として撥水性の異なるカーボン粒子
を用い、これを含む混合物を拡散層上に順次積層するこ
とによって、電解質膜に近い領域ほど撥水性を弱くした
触媒層を備えた電極が開示されている。さらに、特開平
11−3715号公報には、拡散層の表面に塗布する撥
水性結着剤として、ポリフォスファゼンを用いた電極が
開示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】DMFCの燃料極にメ
タノールを含む燃料を供給すると、燃料が燃料流路に沿
って上流から下流に流れる際にメタノールが順次消費さ
れるので、燃料流路の下流側に行くほど、燃料中のメタ
ノール濃度が低下する。特に、燃料としてメタノール水
を使用する場合、燃料中のメタノール濃度の低下は、燃
料極におけるメタノールの拡散速度をさらに遅くする原
因となる。そのため、燃料流路の下流側ではメタノール
の供給不足が生じ、出力が低下する。一方、これを避け
るために、燃料中のメタノール濃度を高くすると、燃料
流路の上流側ではメタノールのクロスオーバーが増加
し、出力及び燃料利用率が低下する。
【0010】また、仮に、平均的な収支が合うように設
計しても、流路に沿って燃料が消費されるために、燃料
流路前半では燃料供給過剰、流路後半では燃料供給不足
となることは避けられない。特に、燃料利用率が上がる
と、流路後半のメタノール濃度が極端に低下するため
に、メタノールの供給律速が生じ、電圧が低下すること
がしばしばあった。従って、このようなDMFC固有の
問題を解決するのに適した電極が求められていた。
【0011】しかしながら、上述した米国ロスアラモス
研究所の文献には、メタノールのクロスオーバーを抑制
するために、電極構造及び作動条件を最適化する点が記
載されているが、その詳細な手法は全く公開されていな
い。
【0012】一方、上述した英国ニューキャッスル大の
報告に記載された方法は、電極と電解質膜との密着性を
向上させることにより、両者の間の面積抵抗を低下させ
ることを目的としたものであり、DMFCで生じる燃料
供給の最適化の問題の解決策を何ら提供するものではな
い。
【0013】さらに、上述した特開平7−134992
号公報、特開平10−189004号公報及び特開平1
1−3715号公報に記載された技術は、いずれも、電
極内の三相界面を維持するため、あるいは電解質膜を適
正な含水状態に保つために、反応生成水を電極内に保
持、あるいは電極から除去することを目的としたもので
あり、水素供給型の燃料電池に固有の問題の解決策であ
る。
【0014】本発明が解決しようとする課題は、燃料流
路前半でのメタノールのクロスオーバー及び燃料流路後
半でのメタノールの供給不足を抑制することによって、
燃料極への燃料供給を最適化し、これによって高い出力
及び燃料利用率が得られる直接メタノール型燃料電池を
提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、固体高分子電解質膜の両面に、拡散層及び
触媒層からなる燃料極及び空気極を接合した膜電極接合
体を備えた直接メタノール型燃料電池において、前記燃
料極の拡散層は、燃料の下流側に行くほど、そのメタノ
ール透過係数が大きくなっていることを要旨とするもの
である。
【0016】本発明に係る直接メタノール型燃料電池
は、燃料の上流側では、拡散層のメタノール透過係数が
小さくなっているので、燃料中のメタノール濃度が過剰
であっても、メタノールのクロスオーバーが抑制され
る。一方、燃料の下流側では、拡散層のメタノール透過
係数が大きくなっているので、燃料中のメタノール濃度
が低下している場合であっても、触媒層へのメタノール
の拡散が促進され、メタノールの供給不足が抑制され
る。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しながら詳細に説明する。初めに、電解質
膜として固体高分子電解質膜を用いたDMFCの一般的
な構成について説明する。図1に、DMFCの断面図を
示す。図1において、DMFC10は、膜電極接合体1
8と、セパレータ20、24とを備えている。また、膜
電極接合体18は、固体高分子電解質膜(以下、これを
単に「電解質膜」という。)12と、電解質膜12の一
方の面に接合された燃料極14と、他方の面に接合され
た空気極16とを備えている。
【0018】電解質膜12は、プロトン伝導性を示すも
のであれば良く、その材質は、特に限定されるものでは
ない。例えば、主鎖又は側鎖にC−H結合のみを含む炭
化水素系の高分子電解質膜を用いても良く、あるいは、
主鎖又は側鎖のいずれかにC−F結合を含むフッ素系の
高分子電解質膜を用いても良い。また、電解質膜に備え
られる電解質基の種類についても特に限定されるもので
はない。
【0019】但し、作動温度を高くし、DMFCの効率
を向上させるためには、電解質膜12として、耐熱性及
び化学的安定性に優れたフッ素系電解質膜を用いるのが
好ましい。また、フッ素系電解質膜の中でも、高分子鎖
中にC−H結合を含まないパーフルオロ系の電解質膜
は、C−H結合を含むフッ素系電解質膜よりも、さらに
高い化学的安定性を有しているので、電解質膜12とし
て特に好適である。電解質膜12として、具体的には、
パーフルオロカーボンスルホン酸系の電解質膜が好適な
一例として挙げられる。
【0020】また、燃料極14及び空気極16は、それ
ぞれ、電解質膜12と接する面に設けられた触媒層14
a及び触媒層16aと、その外側に設けられた拡散層1
4b及び拡散層16bの二層構造になっている。
【0021】触媒層14a及び触媒層16bは、電極反
応の反応場となる部分であり、それぞれ、担体に担持さ
れた触媒微粒子と、電解質との混合物からなる。燃料極
14の触媒層14aの場合、一般に、担体にはカーボン
ブラックが、また、触媒にはPt−Ru合金微粒子がそ
れぞれ用いられる。また、空気極16の触媒層16aの
場合、一般に、担体にはカーボンブラックが、また、触
媒にはPt微粒子がそれぞれ用いられる。さらに、触媒
層14a及び16bに含まれる電解質には、一般に、電
解質膜12と同一材質のものが用いられる。
【0022】また、拡散層14b及び拡散層16bは、
それぞれ、触媒層14a及び触媒層16aへの、反応物
質の供給、電子の授受、反応生成物の排出等を行う部分
である。この内、燃料極14の拡散層(以下、これを
「燃料極拡散層」という。)14bは、一般に、多孔
性、電子伝導性及び電気化学的安定性を有する基材と、
触媒層14a側の表面に形成された電子伝導性多孔質材
料及び撥水性結着材料を含む混合層とを備えている。一
方、空気極16の拡散層16bは、一般に、多孔性、電
子伝導性及び電気化学的安定性を有する基材がそのまま
用いられる。
【0023】なお、燃料極拡散層14bを構成する基
材、電子伝導性多孔質材料及び撥水性結着材料は、それ
ぞれ、所定の機能(例えば、多孔性、電子伝導性等)を
有しているものであれば良く、その材質は、特に限定さ
れるものではない。基材としては、具体的には、カーボ
ンクロス、カーボン繊維、カーボンペーパー等が好適な
一例として挙げられる。また、電子伝導性多孔質材料と
しては、カーボンブラックが好適な一例として挙げられ
る。さらに、撥水性結着材料としては、ポリテトラフル
オロエチレンが好適な一例として挙げられる。
【0024】セパレータ20、24は、集電体であると
同時に、燃料極14及び空気極16に反応物質を供給す
るためのものである。燃料極14側のセパレータ20に
は、燃料極14に燃料を供給するための燃料流路22が
設けられ、空気極16側のセパレータ24には、空気極
16に空気を供給するための空気流路26が設けられて
いる。
【0025】なお、セパレータ20、24は、気密性、
電子伝導性及び電気化学的安定性を有するものであれば
良く、その材質は、特に限定されるものではない。セパ
レータ20、24の材質としては、具体的には、カーボ
ン、耐食性に優れた金属等が好適な一例として挙げられ
る。また、燃料流路22及び空気流路26の形状も、特
に限定されるものではない。燃料流路22及び空気流路
26の形状としては、具体的には、柱状の突起を縦横に
配置したチョコレートブロック型、細長い直線溝を一方
向に配置したリブ型、膜電極接合体18の一端から他端
に向かって反応物質をジグザグ状に流すジグザグ型、反
応物質を渦巻状に流す渦巻型等が好適な一例として挙げ
られる。
【0026】次に、燃料極拡散層14bについて、詳細
に説明する。本発明は、上述のような構造を備えたDM
FC10において、燃料極拡散層14bのメタノール透
過係数が、膜電極接合体18の面内位置によって異な
り、燃料の下流側に行くほど大きくなっていることを特
徴とするものである。
【0027】ここで、燃料極拡散層14bは、燃料の流
れの方向に沿って、メタノール透過係数が段階的に大き
くなっているものであっても良く、あるいは、メタノー
ル透過係数が連続的に大きくなっているものであっても
良い。
【0028】また、例えば、燃料流路22がジグザグ型
である場合のように、燃料の供給方法によっては、燃料
のミクロな流れの方向と、マクロな流れの方向とが必ず
しも一致しない場合がある。このような場合には、燃料
極拡散層14bは、燃料のミクロな流れの方向に沿っ
て、メタノール透過係数を段階的又は連続的に変化させ
たものでも良く、あるいは、燃料のマクロな方向に沿っ
て、メタノール透過係数を段階的又は連続的に変化させ
たものでも良い。
【0029】燃料極拡散層14bは、上述したように、
一般に、多孔性、電子伝導性及び電気化学的安定性を有
する基材の表面に、電子伝導性多孔質材料及び撥水性結
着材料を含む混合層を形成したものが用いられる。この
ような構造を有する燃料極拡散層14bのメタノール透
過係数を変化させる方法としては、具体的には、以下の
ような方法が好適な一例として挙げられる。
【0030】第1の方法は、混合層に含まれる撥水性結
着材料の重量比を変化させる方法である。特に、燃料と
して液体燃料であるメタノール水を使用する場合、燃料
極拡散層14bの撥水性が小さくなるほど、燃料極拡散
層14bとメタノール水との親和性が増し、触媒層14
aへのメタノールの拡散が促進される。従って、燃料の
流れの方向に沿って、混合層に含まれる撥水性結着材料
の重量比を段階的又は連続的に少なくすれば、燃料の下
流側に行くほど、燃料極拡散層14bのメタノール透過
係数を大きくすることができる。
【0031】第2の方法は、混合層の厚さを変化させる
方法である。混合層の厚さが薄くなるほど、メタノール
の拡散距離が短くなるので、触媒層14aへのメタノー
ルの拡散が促進される。従って、燃料の流れの方向に沿
って、混合層の厚さを段階的又は連続的に薄くすれば、
燃料の下流側に行くほど、燃料極拡散層14bのメタノ
ール透過係数を大きくすることができる。
【0032】第3の方法は、混合層に添加する電子伝導
性多孔質材料として、撥水性の異なるものを使用する方
法である。カーボンブラック等の電子伝導性多孔質材料
には、親水性を示すものと、撥水性を示すものがあり、
混合層に親水性の大きい電子伝導性多孔質材料が多量に
含まれるほど、燃料極拡散層14bの撥水性は小さくな
る。従って、燃料の流れの方向に沿って、混合層に含ま
れる電子伝導性多孔質材料の材質を段階的又は連続的に
親水性の大きなものに変えれば、燃料の下流側に行くほ
ど、燃料極拡散層14bのメタノール透過係数を大きく
することができる。
【0033】第4の方法は、混合層に添加する電子伝導
性多孔質材料として、気孔率及び/又は気孔径の異なる
ものを使用する方法である。電子伝導性多孔質材料に
は、気孔率及び/又は気孔径の異なるものがあり、混合
層に気孔率及び/又は気孔径の大きな電子伝導性多孔質
材料が多量に含まれるほど、燃料極拡散層14bのメタ
ノールの拡散抵抗が小さくなり、触媒層14aへのメタ
ノールの拡散が促進される。従って、燃料の流れの方向
に沿って、混合層に含まれる電子伝導性多孔質材料の気
孔率及び/又は気孔径を段階的又は連続的に大きくすれ
ば、燃料の下流側に行くほど、燃料拡散層14bのメタ
ノール透過係数を大きくすることができる。
【0034】第5の方法は、上述した第1〜第4の方法
のいずれか2以上を組み合わせて用いる方法である。上
述した方法は、それぞれ、単独で用いても良いが、これ
らを組み合わせることによっても、燃料極拡散層14b
のメタノール透過係数を、燃料の流れの方向に沿って、
段階的又は連続的に変化させることができる。
【0035】図2に、本発明の第1の実施の形態に係る
DMFCの燃料極側の分解斜視図を示す。図2におい
て、電解質膜12の一方の面には、触媒層14a及び燃
料極拡散層14bがこの順で接合され、その外側には、
セパレータ20が配置されている。また、図2に示す例
において、セパレータ20は、細長い直線溝状の燃料流
路22aが平行に設けられたものであり、燃料は、下か
ら上に向かって一方向に流れるようになっている。さら
に、燃料極拡散層14bは、基材15と、その表面に形
成された混合層17aからなる。混合層17aは、燃料
の流れの方向に沿って3分割されており、燃料の下流側
に行くほどメタノール透過係数が大きくなるように、そ
の組成、厚さ等を段階的に変化させたものである。
【0036】また、図3に、本発明の第2の実施の形態
に係るDMFCの燃料極側の分解斜視図を示す。図3に
示す例において、セパレータ20は、細長い直線溝状の
燃料流路22bが平行に設けられたものであり、燃料
は、下から上及び上から下に向かって交互に流れるよう
になっている。また、燃料極拡散層14bは、基材15
と、その表面に形成された混合層17bからなる。混合
層17bは、燃料のマクロな流れの方向(図3の奥から
手前)に沿って3分割されており、燃料の下流側に行く
ほどメタノール透過係数が大きくなるように、その組
成、厚さ等を段階的に変化させたものである。
【0037】次に、本実施の形態に係るDMFCの作用
について説明する。DMFCの燃料として液体燃料であ
るメタノール水を使用する場合、ガス状の燃料を供給す
る場合に比して、触媒層14aへの燃料の拡散速度は遅
い。この場合、拡散の駆動力は、燃料流路22内のメタ
ノール濃度と触媒層14aにおけるメタノール濃度の差
のみである。
【0038】従って、燃料流路22に沿ってメタノール
が消費され、メタノール濃度が低下すると、触媒層14
aへの燃料の拡散速度がさらに遅くなる。その結果、燃
料流路22の下流側においては、メタノールの供給不足
が発生する。特に、燃料利用率が上がると、燃料流路2
2の下流側におけるメタノール濃度が極端に低下し、電
圧低下の原因となる。
【0039】一方、これを避けるためにメタノール濃度
を高くすると、燃料流路22の上流側においては、触媒
層14aに達するメタノールが過剰となる。固体高分子
電解質とメタノールとは、親和性が高いので、過剰のメ
タノールが触媒層14aに供給されると、メタノールの
一部が触媒層14aにおいて分解されることなく、その
まま電解質膜12を素通りし、空気極16に達する。そ
のため、燃料ロスが多くなり、DMFCの出力も低下す
る。
【0040】これに対し、本発明に係るDMFCは、燃
料極拡散層14bのメタノール透過係数が、燃料の流れ
に沿って変化しており、燃料流路22の下流側に行くほ
ど、メタノール透過係数が大きくなっている。そのた
め、燃料流路22の下流側において、メタノール水中の
メタノール濃度が低下している場合であっても、触媒層
14aに達するメタノール量を増加させることができ
る。
【0041】また、燃料流路22の上流側では、メタノ
ール透過係数が小さくなっているので、燃料極14に供
給されるメタノール水中のメタノール濃度が高い場合で
あっても、燃料流路22の上流側におけるメタノールの
クロスオーバーを抑制することができる。また、燃料中
のメタノール濃度を高くすると、燃料流路22の下流側
には、相対的にメタノール濃度の高いメタノール水が供
給されることになるので、燃料流路22の下流側におけ
るメタノール不足がさらに抑制される。そのため、燃料
利用率が向上し、DMFCの出力も向上する。
【0042】また、DMFCの燃料としてメタノール蒸
気を使用する場合、燃料がガス状であるので、燃料とし
てメタノール水を使用する場合に比して、触媒層14a
への燃料の拡散は比較的容易である。しかしながら、電
池反応の進行に伴い、燃料流路22の下流側に行くほ
ど、燃料中のメタノール濃度が低下する点は、メタノー
ル水を用いる場合と同様である。また、燃料流路22の
下流側におけるメタノールの供給不足を解消するため
に、メタノール蒸気中のメタノール濃度を増加させる
と、燃料流路22の上流側において、メタノールのクロ
スオーバーが増加する点も、同様である。
【0043】これに対し、本発明に係るDMFCによれ
ば、燃料としてメタノール蒸気を使用する場合であって
も、燃料流路22の上流側におけるメタノールのクロス
オーバーと、燃料流路22の下流側におけるメタノール
の供給不足とを同時に抑制することができ、触媒層に達
するメタノール量が均等化される。
【0044】次に、本実施の形態に係るDMFCの製造
方法について説明する。まず、導電性多孔質材料及び撥
水性結着材料を所定量含む混合物を作製する。この場
合、混合物は、1種類でも良いが、必要に応じて、撥水
性結着材料の重量比、及び/又は、導電性多孔質材料の
材質(気孔率、気孔径、及び/又は撥水性)の異なる2
種以上の混合物を調製しても良い。
【0045】次に、カーボンペーパ等からなる基材表面
に、上述した混合物を塗布し、基材表面に混合層を形成
して燃料極拡散層14bとする。この時、燃料の流れに
沿って燃料極拡散層14bのメタノール透過係数が大き
くなるように、基材表面に塗布する混合物の塗布量及び
/又は組成を、段階的又は連続的に変化させる。なお、
塗布の方法としては、具体的には、ドクターブレード
法、噴霧、ハケ塗り等が好適な一例として挙げられる
が、本発明では、いずれの方法を用いても良い。
【0046】次に、得られた燃料極拡散層14b、並び
に、これとは別に用意した触媒層14a、空気極16の
拡散層16b、触媒層16a、及び電解質膜12を用い
て、膜電極接合体18を作製する。接合方法には、一般
には、ホットプレス法が用いられる。このようにして得
られた膜電極接合体18の両面をセパレータ20、24
で狭持すれば、図1に示すようなDMFC10が得られ
る。また、このようなDMFC10を多数積層すれば、
DMFCの燃料電池スタックが得られる。
【0047】
【実施例】(実施例1)基材上に塗布する混合物の塗布
量及び混合物の組成と、得られる燃料極拡散層のメタノ
ール透過係数との関係について調べた。
【0048】(1) 初めに、燃料極拡散層の作製方法
について説明する。所定量のカーボンブラック(Vulcan
XC-72R)と、ポリテトラフルオロエチレンディスパー
ジョン(ダイキン工業(株)製)とを非イオン系界面活
性剤を加えた水に超音波分散させた。次いで、液体から
固形分を濾別、水洗し、110℃で乾燥、粉砕した後、
これを不活性ガス中で280℃で焼成し、再粉砕して、
均一な混合物を得た。
【0049】得られたカーボンブラック(CB)とポリ
テトラフルオロエチレン(PTFE)の混合物(以下、
これを「CB+PTFE混合物」という。)をエタノー
ルで混練してペーストとし、ドクターブレード法を用い
て、所定量のペーストを市販のカーボンクロス(厚さ
0.4mm)の全面に均一に塗布し、乾燥させた。な
お、本実施例においては、CB+PTFE混合物中のP
TFEの重量比及びCB+PTFE混合物の塗布量の異
なる複数の燃料極拡散層を作製した。
【0050】(2) 次に、評価セルの作製方法につい
て説明する。電解質膜には、所定の前処理工程を経たナ
フィオン117(デュポン社製)を使用した。また、燃
料極の触媒層には、60wt%のPt−Ru触媒(P
t:Ru=1:1、原子比)を担持したカーボン65m
gと、5wt%のナフィオン溶液(アルドリッチ社製)
650mgとを十分に混合した後、これを36mm角に
切断したPTFEシートに塗布し、室温にて乾燥させた
もの(以下、これを「燃料極シート」という。)を用い
た。また、空気極の触媒層には、60wt%のPt触媒
を担持したカーボン43.3mgと、5wt%のナフィ
オン溶液(アルドリッチ社製)433mgとを十分に混
合した後、これを36mm角に切断したPTFEシート
に塗布し、室温にて乾燥させたもの(以下、これを「空
気極シート」という。)を用いた。
【0051】次に、電解質膜の両側に燃料極シート及び
空気極シートを重ねて、120℃でホットプレスを行
い、触媒層を接合した。次いで、電解質膜からPTFE
シートを剥がした後、燃料極側には、上述のようにして
作製した燃料極拡散層を、また、空気極側には、カーボ
ンクロス製拡散層(E−TEK製、商品名ELAT;触
媒なし)を配置し、再度120℃でホットプレスを行っ
た。得られた膜電極接合体を評価セルに組み込んで、メ
タノール透過係数の測定を行った。
【0052】(3) 次に、メタノール透過係数の測定
方法について説明する。図4に、その概念図を示す。D
MFC10を発電させる場合、通常、燃料極14には、
メタノールを含む燃料が供給され、空気極16には、空
気が供給される。しかしながら、メタノール透過係数の
測定に際しては、図4に示すように、空気極16には、
空気の代わりに窒素が供給される。
【0053】このDMFC10の燃料極14及び空気極
16に電圧を印加すると、燃料流路22から供給された
メタノールは、燃料極14の触媒層14aにおいて電気
化学的に分解し、二酸化炭素と電子とプロトンを生成す
る。また、空気極16の触媒層16aにおいては、電解
質膜12を移動してきたプロトンと、セパレータ24及
び拡散層16bを介して供給される電子とが再結合し、
水素が発生する。
【0054】通常、触媒の活性が十分であれば、印加電
圧0.4V程度から反応が進行して電流が流れ、0.9
Vでは十分飽和する。電流が飽和するのは、燃料極拡散
層14bを通したメタノールの供給が律速となるためで
ある。この時の電流密度は、限界電流密度Jlimと呼ば
れている。この限界電流密度Jlimと燃料極拡散層14
bのメタノール透過係数PMeOHとの間には、次の数
1の式に示す関係がある。
【0055】
【数1】PMeOH=Jlimt/6FC (但し、C:メタノール濃度、F:ファラデー定数、
t:燃料極拡散層14bの厚さ。)
【0056】従って、数1の式より、メタノール濃度C
及び燃料極拡散層14bの厚さtが既知である場合にお
いて、限界電流密度Jlimを測定すれば、メタノール透
過係数PMeOHが求められることがわかる。
【0057】(4) 図5に、数1の式を用いて算出し
た各種の燃料極拡散層のメタノール透過係数と、CB+
PTFE混合物中のPTFE量及びCB+PTFE混合
物の塗布量との関係を示す。なお、測定は、セル温度8
0℃の条件で行い、燃料には、メタノール水を用いた。
【0058】図5より、CB+PTFE混合物の塗布量
が多くなるほど、メタノール透過係数が小さくなってい
ることがわかる。これは、CB+PTFE混合物の塗布
量が多くなることによって、基材上に形成される混合層
の厚さが厚くなるためである。また、CB+PTFE混
合物中のPTFE量が多くなるほど、メタノール透過係
数が小さくなっていることがわかる。これは、CB+P
TFE混合物中のPTFE量が多くなることによって、
燃料極拡散層の撥水性が大きくなるためである。
【0059】以上の結果から、燃料極拡散層14bのメ
タノール透過係数PMeOHは、CB+PTFE混合物
の塗布量、及びCB+PTFE混合物中のPTFE量を
変化させることによって、実質的に0〜60(mol/
s/cm)の範囲で制御可能であることがわかった。
【0060】(実施例2)燃料流路に沿って燃料極拡散
層のメタノール透過係数を変化させたセルの、各所での
限界電流密度を計算により求めた。計算に用いたセル
は、図2に示すように、平行に並んだ直線溝状の燃料流
路22aに沿って、一方向に燃料を流すものと仮定し
た。
【0061】また、基材15上に形成された混合層17
aは、燃料の流れの方向に沿って、PTFE量が3段階
に変化しているものと仮定した。すなわち、燃料流路2
2aの長さを1とし、燃料流路22aの入り口をゼロ
(原点)に取ったときに、流路位置0〜0.3までの区
間は、混合層17a中のPTFE量を60wt%とし
た。また、流路位置0.4〜0.7までの区間は、PT
FE量を20wt%とし、流路位置0.8〜1.0まで
の区間は、PTFE量を10wt%とした。さらに、各
区間の境界部分は、直線的にPTFE量が減少するもの
と仮定した。なお、本実施例においては、混合層17a
の厚さ(すなわち、CB+PTFE混合物の塗布量)
は、一定と仮定した。
【0062】(比較例1)燃料極拡散層のメタノール透
過係数が均一であるセルの、各所での限界電流密度を計
算により求めた。なお、計算に用いたセルは、混合層中
のPTFE量が場所によらず40wt%一定である仮定
した以外は、実施例2と同一とした。
【0063】図6に、実施例2及び比較例1で得られた
計算結果を示す。なお、計算は、セル温度80℃、燃料
(メタノール水)中のメタノール濃度1M、燃料利用率
80%と仮定して行った。図6より、混合層中のPTF
E量を一定と仮定した比較例1は、燃料の流れの方向に
沿って、限界電流密度が低下していることがわかる。こ
れは、反応によってメタノールが順次消費されるため
に、燃料流路の後半部では、燃料中のメタノール濃度が
低下し、触媒層へのメタノールの供給不足が生じている
ためである。
【0064】一方、混合層中のPTFE量を、燃料の流
れの方向に沿って3段階に減少させた実施例2は、比較
例1よりも、燃料流路前半部での限界電流密度が減少
し、かつ、燃料流路の後半部での限界電流密度が増加し
ていることがわかる。すなわち、実施例2は、比較例1
に比して、限界電流密度が均一化していることがわか
る。これは、混合層中のPTFE量を流路位置に応じて
変えることにより、燃料極拡散層の撥水性が変化し、触
媒層へのメタノール供給量が均一化されたためである。
【0065】(実施例3)実施例2で得られた結果に基
づき、直線溝状の燃料流路22aに沿って、メタノール
透過係数が3段階で異なる燃料極拡散層を備えたセルを
実際に作製し、電池評価を行った。なお、燃料極拡散層
は、PTFE量の異なる3種類のペーストを用意し、マ
スキングによってカーボンクロスの表面に3種類のペー
ストを塗り分け、乾燥させることにより作製した。
【0066】また、燃料流路前半部(流路位置0〜0.
35)に塗布したペーストの組成は、CB:PTFE=
4:6とし、塗布量は5mg/cmとした。また、燃
料流路中盤部(流路位置0.35〜0.75)に塗布し
たペーストの組成は、CB:PTFE=8:2とし、塗
布量は4mg/cmとした。さらに、燃料流路後半部
(流路位置0.75〜1.0)に塗布したペーストの組
成は、CB:PTFE=9:1とし、塗布量は2mg/
cmとした。
【0067】(比較例2)燃料流路の位置によらず、メ
タノール透過係数が均一であるセルを実際に作製し、電
池評価を行った。なお、燃料極拡散層は、カーボンクロ
スの表面にCB:PTFE=6:4であるペーストを均
一に塗布し、乾燥させることにより作製した。また、塗
布量は、4mg/cmとした。
【0068】実施例3及び比較例2で得られた各セルに
ついて、それぞれ、0.25A/cmで放電させ、そ
の時の電圧値、及び、限界流量ストイキ比を求めた。結
果を表1に示す。
【0069】
【表1】
【0070】なお、「限界流量ストイキ比」とは、実験
で得られた限界燃料流量(0.25A/cmで放電し
た時の電圧値を保持できる最低の燃料流量)をストイキ
燃料流量で割った値をいう。また、「ストイキ燃料流
量」とは、次の数2の式で表される値であり、所定の出
力を得るのに必要な燃料流量の理論値を意味する。
【0071】
【数2】ストイキ燃料流量(cc/min)=(600
00×J×A)/6CF (但し、J:電流密度、A:電極面積、C:燃料濃度、
F:ファラデー定数)
【0072】燃料極拡散層のメタノール透過係数が均一
である比較例2のセルの場合、0.25A/cm放電
時の電圧は、0.37Vであった。これに対し、燃料の
流れに沿って、燃料極拡散層のメタノール透過係数を変
化させた実施例3のセルでは、0.39Vであり、比較
例2よりも出力が増加した。また、比較例2の場合、限
界流量ストイキ比は5であるのに対し、実施例3では限
界流量ストイキ比は2.5であり、燃料利用率の向上が
確認された。
【0073】以上、本発明の実施の形態について詳細に
説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定される
ものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々
の改変が可能である。
【0074】例えば、上記実施例では、燃料極拡散層の
メタノール透過係数を3段階に変化させているが、4段
階以上に変化させても良く、あるいは、連続的に変化さ
せても良い。また、段階的にメタノール透過係数を変化
させる場合、各段階の幅は、同一であっても良く、ある
いは、場所によって異なっていても良い。さらに、メタ
ノール透過係数を連続的に変化させる場合、燃料の流れ
に沿って直線的に変化させても良く、あるいは、曲線的
に変化させても良い。
【0075】
【発明の効果】本発明は、固体高分子電解質膜の両面
に、拡散層及び触媒層からなる燃料極及び空気極を接合
した膜電極接合体を備えた直接メタノール型燃料電池に
おいて、燃料極側の拡散層のメタノール透過係数が、燃
料の下流側に行くほど、大きくなっているので、燃料流
路前半でのメタノールのクロスオーバー及び燃料流路後
半でのメタノールの供給不足が抑制されるという効果が
ある。また、これによってDMFCの出力及び燃料利用
率が向上するという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 直接メタノール型燃料電池の断面図である。
【図2】 本発明の第1の実施の形態に係る直接メタノ
ール型燃料電池の燃料極側の分解斜視図である。
【図3】 本発明の第2の実施の形態に係る直接メタノ
ール型燃料電池の燃料極側の分解斜視図である。
【図4】 メタノール透過係数の測定方法を説明する概
念図である。
【図5】 基材に塗布するCB+PTFE混合物中のP
TFE量及びCB+PTFE混合物の塗布量と、メタノ
ール透過係数との関係を示す図である。
【図6】 セル各部の限界電流密度の計算結果を示す図
である。
【符号の説明】
10 直接メタノール型燃料電池(DMFC) 12 固体高分子電解質膜(電解質膜) 14 燃料極 14a 触媒層 14b 拡散層(燃料極拡散層) 16 空気極 16a 触媒層 16 拡散層 18 膜電極接合体
フロントページの続き (72)発明者 河原 和生 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 Fターム(参考) 5H018 AA07 AS07 EE19 5H026 AA08 CC03 HH04 HH05

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固体高分子電解質膜の両面に、拡散層及
    び触媒層からなる燃料極及び空気極を接合した膜電極接
    合体を備えた直接メタノール型燃料電池において、 前記燃料極の拡散層は、燃料の下流側に行くほど、その
    メタノール透過係数が大きくなっていることを特徴とす
    る直接メタノール型燃料電池。
  2. 【請求項2】 前記燃料極の拡散層は、多孔性、電子伝
    導性及び電気化学的安定性を有する基材と、前記触媒層
    側の基材表面に形成された電子伝導性多孔質材料及び撥
    水性結着材料を含む混合層とを備え、 該混合層に含まれる前記撥水性結着材料の重量比、及び
    /又は、前記混合層の厚さを変化させることによって、
    前記メタノール透過係数を変化させるものである請求項
    1に記載の直接メタノール型燃料電池。
  3. 【請求項3】 前記燃料極の拡散層は、多孔性、電子伝
    導性及び電気化学的安定性を有する基材と、前記触媒層
    側の基材表面に形成された電子伝導性多孔質材料及び撥
    水性結着材料を含む混合層とを備え、 該混合層に含まれる前記電子伝導性多孔質材料の気孔
    率、気孔径、及び/又は、撥水性を変化させることによ
    って、前記メタノール透過係数を変化させるものである
    請求項1又は2に記載の直接メタノール型燃料電池。
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