JP2010067389A - 直接酸化型燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた発電特性および耐久性を有する直接酸化型燃料電池を提供する。
【解決手段】本発明の直接酸化型燃料電池は、アノードと、カソードと、それらの間に配置された電解質膜とを含む膜−電極接合体、アノードに接するアノード側セパレータ、および前記カソードに接するカソード側セパレータを備える少なくとも1つの単位セルを有する。アノード側セパレータは、アノードに燃料を供給するための燃料流路を有し、カソード側セパレータは、カソードに酸化剤を供給するための酸化剤流路を有する。前記カソードは、電解質膜に接するカソード触媒層、およびカソード側セパレータに接するカソード拡散層を含む。カソード触媒層は、カソード触媒と高分子電解質を含んでおり、カソード触媒層の燃料流路の上流部に対向する部分に含まれる記高分子電解質の量が、カソード触媒層の燃料流路の下流部に対向する部分に含まれる高分子電解質の量よりも少ない。
【選択図】図3

Description

本発明は、燃料を水素に改質せずに直接用いる直接酸化型燃料電池に関し、具体的には、直接酸化型燃料電池の電極の改善に関する。
ユビキタスネットワーク社会の進展に伴い、携帯電話、ノートパソコン、ディジタルスチルカメラ等のモバイル機器の需要が大きく伸びている。モバイル機器の電源として、充電が不要であり、燃料を補給すれば機器を継続して利用することができる燃料電池の早期実用化が期待されている。
燃料電池の中でも、メタノール、ジメチルエーテル等の有機燃料を、水素に改質せずにアノードに直接供給して酸化し発電するタイプの直接酸化型燃料電池が注目され、活発な研究開発が行われている。有機燃料は、理論エネルギー密度が高く、貯蔵が容易であるとともに、有機燃料を用いることにより燃料電池システムを簡素化できるからである。
直接酸化型燃料電池は、膜−電極接合体(以下、MEAと称す)をセパレータで挟み込んだ単位セルを有している。直接酸化型燃料電池は、アノードに燃料と水を供給し、カソードに酸化剤(例えば酸素)を供給することで発電する。一般的に、MEAは、固体高分子電解質膜と、その両面にそれぞれ配置されたアノードおよびカソードを含む。アノードおよびカソードは、それぞれ触媒層と拡散層を含む。
例えば、燃料としてメタノールを用いる直接メタノール型燃料電池(以下、DMFCと称す)の電極反応は、以下の通りである。
アノード:CH3OH+H2O → CO2+6H++6e-
カソード:3/2O2+6H++6e- → 3H2
すなわち、アノードでは、メタノールと水が反応して、二酸化炭素、プロトンおよび電子が生成される。アノードで生成されたプロトンは電解質膜を通ってカソードに到達し、電子は外部回路を経由してカソードに到達する。カソードでは、酸素、プロトンおよび外部回路を経由した電子が結合して、水が生成される。
しかしながら、このDMFCの実用化にはいくつかの問題点が存在している。
その一つは、耐久性に関する問題である。カソード触媒層内部および/またはカソード触媒層とカソード拡散層との境界部分には、発電時間の経過とともに、反応生成水および/またはアノードから移動してきた水が液体状態で蓄積する。この水により、カソード内における酸化剤の拡散性が低下して、カソードの濃度過電圧が増加する。このことが主原因となって、DMFCの発電性能の初期劣化が生じると考えられている。
さらに、この初期劣化は、メタノールが未反応のまま電解質膜を通過しカソードに達する現象であるメタノールクロスオーバー(以下、MCOと称す)の影響を強く受ける。すなわち、カソード触媒層では、本来のカソード電極反応である酸素の還元反応以外に、クロスオーバーしたメタノールの酸化反応が同時に起こる。よって、特に、高濃度メタノールを燃料として用いる場合には、発電時間の経過とともにMCO量が増加するため、カソード活性化過電圧が著しく増大することになる。しかも、発生した二酸化炭素により、酸化剤の拡散性がさらに低下し、発電性能が大幅に低下する。
上記した初期劣化は、MCO量の多い燃料流路の上流部に対向しているカソード側の発電領域で生じやすい。特に、この初期劣化は、前記発電領域において、電極反応場である触媒/電解質/酸素の三相が共存する三相界面が少ない場合に顕著となる。
これらの問題に対処するために、DMFCにおいては、固体高分子型燃料電池(PEFC)に比べて多量の触媒を使用して、触媒層の単位面積あたりの触媒表面積(触媒反応サイト)を増加させる方法が提案されている。しかしながら、触媒量の増加は、触媒層自体の厚みの増大を招き、酸化剤を触媒層内部の反応場まで到達させることが困難となる。よって、却って発電特性を低下させる結果となる。
そこで、上記問題を解決するために、カソード触媒層自体の構造を改良する数多くの提案がなされている。
例えば、特許文献1および特許文献2には、カソード触媒層に複数個の貫通孔または竪穴を設けることが開示されている。特許文献1および2は、複数個の貫通孔または竪穴を設けることにより、カソード触媒層の厚さを厚くした場合でも、触媒層深部までの酸化剤の供給および触媒層深部からの水の排出を円滑に行わせることを意図している。
また、特許文献3には、カソード触媒層に含まれる高分子電解質の濃度を電解質膜側ほど多くなるように、カソード触媒層の厚み方向に勾配を持たせた転写シートおよびその製造方法が開示されている。特許文献3は、触媒層と電解質膜との間の界面抵抗値が小さく、酸化剤を十分に供給し得る電極―電解質膜接合体を提供することを意図している。
特開2005−353541号公報 特開2006−107877号公報 特開2006−185800号公報
しかしながら、上記のような従来技術の構成を用いたとしても、MCO量の多い燃料流路の上流部に対向しているカソード側の発電領域において、電極反応場である三相界面の量を適切に確保することはできない。さらに、MCO量が少なくなる燃料流路の中流部および下流部に対向しているカソード側の発電領域において、触媒層内部への酸化剤の供給および触媒層深部からの水の排出を円滑に保つことができない。このため、上記のような従来技術を用いて、カソード過電圧の小さい触媒層を得ることは困難である。
具体的には、特許文献1および特許文献2に代表される技術の場合には、MCO量の多い燃料流路の上流部に対向しているカソード側の発電領域に、複数個の貫通孔または竪穴が設けられている、つまり大型の欠陥が存在している。このため、電極反応場である三相界面の量が不足し、この領域でのカソード過電圧が増加する。MCO量が少なくなる燃料流路の中流部および下流部に対向しているカソード側の発電領域においては、カソード凝縮水が少ない発電初期段階では、触媒層内部に存在している複数個の貫通孔または竪孔を介して酸化剤が電極反応場である三相界面に到達しやすくなっている。このため、発電特性は比較的良好となる。しかし、発電時間の経過とともに、貫通孔または竪孔の内部に凝縮水が多量に蓄積され、触媒層の深部にまで酸化剤を確実に供給することが困難となる。このため、発電特性が急激に低下することが想定される。
特許文献3に代表される技術の場合には、燃料の流れ方向におけるMCO量分布の影響を考慮したカソード電極の構造設計を行っていない。このため、燃料流路の上流部に対向しているカソード側の発電領域において、クロスオーバーメタノールにより高分子電解質が膨潤し、触媒層の空隙体積が減少する。高分子電解質の膨潤は、発電時間の経過とともに進行するために、触媒層の空隙体積も、発電時間の経過とともに減少する。この場合、MEAの耐久性の低下が懸念される。
本発明は、前記従来の課題を解決するものであり、優れた発電特性および耐久性を有する直接酸化型燃料電池を提供することを目的とする。
本発明の直接酸化型燃料電池は、アノードと、カソードと、それらの間に配置された電解質膜とを含む膜−電極接合体、前記アノードに接するアノード側セパレータ、および前記カソードに接するカソード側セパレータを備える少なくとも1つの単位セルを有する。アノード側セパレータは、アノードに燃料を供給するための燃料流路を有し、カソード側セパレータは、カソードに酸化剤を供給するための酸化剤流路を有する。前記カソードは、電解質膜に接するカソード触媒層、およびカソード側セパレータに接するカソード拡散層を含む。カソード触媒層は、カソード触媒と高分子電解質を含んでおり、カソード触媒層の燃料流路の上流部に対向する部分に含まれる高分子電解質の量が、カソード触媒層の燃料流路の下流部に対向する部分に含まれる前記高分子電解質の量よりも少ない。前記カソード触媒層に含まれる高分子電解質の量は、燃料流路の上流部から下流部に向かって徐々に増加していることが好ましい。
カソード触媒層が、カソード触媒を担持するための担体として導電性炭素粒子をさらに含む場合、カソード触媒層の燃料流路の上流部に対向する部分における、導電性炭素粒子に対する高分子電解質の重量比が、カソード触媒層の燃料流路の下流部に対向する部分における、導電性炭素粒子に対する高分子電解質の重量比よりも小さいことが好ましい。前記導電性炭素粒子に対する高分子電解質の重量比は、燃料流路の上流部から下流部に向かって徐々に増加していることがさらに好ましい。
カソード触媒層の燃料流路の上流部に対向する部分における、導電性炭素粒子に対する高分子電解質の重量比は、0.3〜0.6であることが好ましい。
本発明においては、カソード触媒層中に存在する高分子電解質の投影単位面積あたりの重量を、燃料の流れ方向(MCO量の分布)を考慮して最適化している。このため、高分子電解質の膨潤によるカソード触媒層の空隙体積の減少が抑制されるとともに、プロトン伝導性を確保することができ、その結果、カソード過電圧の小さい触媒層を提供することができる。よって、本発明により、優れた発電特性および耐久性を有する直接酸化型燃料電池を提供することができる。
本発明の直接酸化型燃料電池は、アノードと、カソードと、アノードとカソードとの間に配置された電解質膜とを含む膜−電極接合体、前記アノードに接するアノード側セパレータ、および前記カソードに接するカソード側セパレータを含む少なくとも1つの単位セルを有する。アノード側セパレータは、アノードに燃料を供給するための燃料流路を有し、カソード側セパレータは、カソードに酸化剤を供給するための酸化剤流路を有する。カソードは、電解質膜に接するカソード触媒層およびカソード側セパレータに接するカソード拡散層を含む。カソード触媒層は、カソード触媒と高分子電解質を含んでおり、カソード触媒層の燃料流路の上流部に対向する部分に含まれる高分子電解質の量が、カソード触媒層の燃料流路の下流部に対向する部分に含まれる高分子電解質の量よりも少ない。
図1に、本発明の一実施形態に係る燃料電池に含まれる単位セルの縦断面図を示す。
図1の単位セル1は、電解質膜10と、電解質膜10を挟むアノード11およびカソード12とからなる膜−電極接合体(MEA)13、並びにMEA13を挟むアノード側セパレータ14およびカソード側セパレータ15を備える。
アノード11は、電解質膜10に接するアノード触媒層16とアノード側セパレータ14に接するアノード拡散層17を含む。カソード12は、電解質膜10に接するカソード触媒層18とカソード側セパレータ15に接するカソード拡散層19を含む。
アノード側セパレータ14は、アノード11と対向する面に、燃料を供給し、未使用燃料および反応生成物を排出する燃料流路20を有する。カソード側セパレータ15は、カソードと対向する面に、酸化剤を供給し、未使用酸化剤および反応生成物を排出する酸化剤流路21を有する。
アノード11およびカソード12の周囲には、それぞれ、燃料、酸化剤、および反応生成物の外部への漏洩を防止するために、電解質膜10を挟んでガスケット22および23が配置されている。さらに、図1の単位セル1は、セパレータ14および15の両側に、それぞれ、集電板24および25、シート状のヒータ26および27、絶縁板28および29、並びに端板30および31を有する。単位セル1は、締結手段(図示せず)により一体化されている。
カソード触媒層18は、カソード触媒と高分子電解質とを含む。例えば、カソード触媒層18は、触媒金属微粒子を担持した導電性炭素粒子または触媒金属微粒子と、高分子電解質とを主成分とする。カソード触媒である触媒金属微粒子には、例えば、白金(Pt)微粒子を用いることができる。カソード触媒層18に含まれる高分子電解質は、電解質膜10を構成する材料と同一であることが好ましい。カソード触媒層に含まれる高分子電解質としては、パーフルオロカーボンスルホン酸イオノマー(例えば、ナフィオン(商品名)、フェルミオン(商品名)等)などを用いることができる。
以下、本発明で用いられるカソード触媒層について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図2に、本発明の一実施形態に係る直接酸化型燃料電池に含まれるカソード触媒層を概略的に示す正面図を示し、図3に、図2のIII−III線における断面図を示す。図2および3においては、カソード触媒層18と、それを保持する高分子電解質膜10を図示している。なお、図2には、カソード触媒層が対向するサーペンダイン型の燃料流路20も点線で示す。
本発明において、カソード触媒層18の燃料流路の上流部に対向している部分40(全発電領域の約1/4の面積を占める燃料流路の上流部に対向する領域)に含まれる高分子電解質の量が、少なくとも燃料流路の下流部に対向している部分42(全発電領域の約1/4の面積を占める燃料流路の下流部に対向する領域)に含まれる高分子電解質の量よりも少ない。前記高分子電解質の量とは、カソード触媒層の投影単位面積あたりの部分に含まれる高分子電解質の量のことをいう。
ここで、図2に示されるように、燃料流路の上流側から下流側に向かう燃料の全体的な流れ方向Aに平行なカソード触媒層18の辺の長さをLとした場合、カソード触媒層18の燃料流路の上流部に対向している部分(上流部分)40とは、燃料流路の上流部に対向するように位置し、かつ方向Aにおける長さが約L/4のカソード触媒層の領域(カソード触媒層の約1/4の面積を占める領域)のことをいう。カソード触媒層18の燃料流路の下流部に対向している部分(下流部分)42とは、燃料流路の下流部に対向するように位置し、かつ方向Aにおける長さが約L/4のカソード触媒層の領域(カソード触媒層の1/4の面積を占める領域)のことをいう。
カソード触媒層の投影単位面積とは、カソード触媒層の主面をその法線方向から見た場合の輪郭形状を用いて計算される面積のことである。例えば、前記法線方向から見た場合の触媒層の輪郭形状が矩形の場合には、投影単位面積は、(縦の長さ)×(横の長さ)により計算することができる。
本発明においては、カソード触媒層全領域で高分子電解質の量を均一に分布させるのではなく、上記のように、MCO量の多い燃料流路の上流部に対向しているカソード側の発電領域(カソード触媒層の上流部分40)に含まれる高分子電解質の量を、燃料流路の下流部に対向しているカソード側の発電領域(カソード触媒層の下流部分42)に含まれる高分子電解質の量よりも少なくしている。これにより、クロスオーバーメタノールにより高分子電解質が膨潤して触媒層の空隙体積が著しく減少することを抑制することができる。さらに、MCO量が少なくなる燃料流路の下流部に対向しているカソード側の発電領域においては、高分子電解質の量が適正化されるために、空気拡散性とプロトン伝導性とを両立させることができる。その結果、カソード過電圧の低減化が図られ、燃料電池の耐久性を向上させることができる。
本実施形態において、例えば、図3に示されるように、カソード触媒層18の上流部分40の厚さを下流部分42の厚さよりも薄くすることにより、上流部40に含まれる高分子電解質の量を、下流部分42に含まれる高分子電解質の量よりも少なくすることができる。なお、図3のカソード触媒層において、カソード触媒層18の燃料流路の中流部に対向している部分(中流部分)41の厚さは、上流部分40の厚さと同じにしている。
カソード触媒層18の上流部分40に含まれる高分子電解質の量が、カソード触媒層の下流部分42に含まれる高分子電解質の量よりも少なければ、図3に示されるような構成に限定されない。
例えば、カソード触媒層は、図4に示されるような構成であってもよい。なお、図4において、図2〜3と同じ構成要素には、同じ番号を付している。
図4のカソード触媒層50においては、燃料流路の中流部に対向している部分(中流部分)51の厚さを、下流部分42の厚さと同じにしている。つまり、中流部分51の厚さを、上流部分40の厚さより厚くしている。
あるいは、カソード触媒層中に含まれる高分子電解質の量を、燃料流路の上流部から下流部に向かって徐々に増加させてもよい。図5に一例を示す。図5においても、図2〜3と同じ構成要素には、同じ番号を付している。
図5のカソード触媒層60は、その厚さが、燃料流路の上流部から下流部に向かって段階的に増加している。具体的に、カソード触媒層60の中流部分を、第1中流部分61と第2中流部分62の2つに分割し、矢印Aの方向に向かって、上流部分40、第1中流部分61、第2中流部分62、下流部分42の順番に、その厚さを厚くしている。つまり、燃料流路の上流部から下流部に向かって、カソード触媒層中に含まれる高分子電解質の量を段階的に増加させている。なお、第1中流部分61および第2中流部分62の矢印Aに平行な長さは、同じであってもよいし、異なってもよい。
また、カソード触媒層の厚さを、燃料流路の上流部から下流部に向かって連続的に増加させることにより、カソード触媒層中に含まれる高分子電解質の量を、燃料流路の上流部から下流部に向かって連続的に増加させてもよい。
特に、カソード触媒層中に含まれる高分子電解質の量を、燃料流路の上流部から下流部に向かって、徐々に(段階的あるいは連続的に)増加させることが好ましい。このような構成とすることにより、燃料流路の上流側と下流側とで異なるMCO量に対応して、カソード触媒層中に含まれる高分子電解質の量が適切となる。その結果、燃料流路の中流部に対向しているカソード側の発電領域において、高分子電解質の膨潤による触媒層の空隙体積の減少を抑制しつつ、プロトン伝導性を確保することが可能となる。このため、カソード過電圧の低位安定化を図ることができる。
カソード触媒層において、燃料流路の上流部から下流部に向かって、高分子電解質の量が徐々に増加している場合、高分子電解質の重量の増加率は、0.05〜0.10mg/cmであることが好ましい。
(実施の形態2)
本実施形態において、カソード触媒層の燃料流路の上流部に対向する部分(上流部分)における、導電性炭素粒子に対する高分子電解質の重量比は、カソード触媒層の燃料流路の下流に対向する部分(下流部分)における、導電性炭素粒子に対する高分子電解質の重量比よりも小さい。本実施形態においても、実施形態1と同様に、カソード触媒層の上流部分に含まれる高分子電解質の量は、カソード触媒層の下流部分に含まれる高分子電解質の量よりも少ない。なお、本実施形態においても、カソード触媒層の燃料流路の上流部に対向する部分(上流部分)、カソード触媒層の燃料流路の下流部に対向する部分(下流部分)、および高分子電解質の量の定義は、実施形態1と同じである。導電性炭素粒子の重量は、カソード触媒層の投影単位面積あたりの部分に含まれる導電性炭素粒子の重量のことをいう。
本実施形態に係る直接酸化型燃料電池に含まれるカソード触媒層の一例を、図6に示す。図6において、図1と同じ構成要素には、同じ番号を付している。
図6のカソード触媒層70は、カソード触媒を担持した導電性炭素粒子と高分子電解質とを主成分とする。カソード触媒層70に含まれるカソード触媒には、例えば、白金(Pt)微粒子を用いることができる。カソード触媒層70に含まれる高分子電解質は、電解質膜10を構成する材料と同一であることが好ましい。
上記のように、本実施形態においては、カソード触媒層70の燃料流路の上流部に対向している部分(上流部分)71における、導電性炭素粒子の重量に対する高分子電解質の重量の比率Wuが、少なくともカソード触媒層70の燃料流路の下流部に対向している部分(下流部分)73における、導電性炭素粒子の重量に対する高分子電解質の重量の比率Wdよりも小さい。
比率Wuを、比率Wdより小さくする方法は、特に限定されない。例えば、図6のカソード触媒層では、上流部分71と下流部分73とにおいて、導電性炭素粒子の重量は同じとし、上流部分71に含まれる高分子電解質の量を、下流部分73に含まれる高分子電解質の量よりも少なくすることにより、比率Wuを、比率Wdより小さくしている。なお、図6において、カソード触媒層70の中流部分72における、導電性炭素粒子の重量に対する高分子電解質の重量の比率は、比率Wuと同じにしている。
カソード触媒層の上流部分に含まれるカソード触媒の量を減少させることなく(つまり、カソード触媒層全体にわたってカソード触媒の量を一定とし)、カソード触媒層の上流部分に含まれる高分子電解質の量をカソード触媒層の下流部分に含まれる高分子電解質の量よりも少なくする。すなわち、比率Wuを比率Wdより小さくする。これにより、クロスオーバーメタノールにより高分子電解質が膨潤して触媒層の空隙体積が著しく減少することを抑制できる。また、酸素還元反応とクロスオーバーしたメタノールの酸化反応を同時に行うために必要とされる三相界面を確保することができる。さらには、MCO量が少なくなる燃料流路の下流部に対向しているカソード側の発電領域において、酸化剤拡散性とプロトン伝導性とのバランスをさらに最適化することができる。その結果、カソード過電圧が顕著に低減され、よって燃料電池の耐久性をさらに向上させることができる。
比率Wuは、0.3〜0.6であることが好ましい。比率Wuを前記範囲とすることにより、カソード触媒層中に過剰量の高分子電解質が含まれることを防止できる。よって、カソード触媒層の空隙体積の減少、高分子電解質の量が不足することによるプロトン伝導性の低下等に関する問題を回避することが可能となる。この結果、カソード過電圧を大幅に低減させることができる。
本実施形態において、比率Wuが比率Wdよりも小さければ、カソード触媒層の構造は、図6に示されるような構造に限定されない。
例えば、カソード触媒層は、図7の断面図に示されるような構造を有していてもよい。なお、図7において、図6と同じ構成要素には、同じ番号を付している。
図7のカソード触媒層80においては、燃料流路の中流部に対向している部分(中流部分)82における、導電性炭素粒子の重量に対する高分子電解質の重量の比率Wmを、比率Wdと同じにしている。つまり、比率Wmを、比率Wuよりも大きくしている。
あるいは、導電性炭素粒子の重量に対する高分子電解質の重量の比率Wを、燃料流路の上流部から下流部に向かって徐々に増加させてもよい。図8に一例を示す。図8においても、図6と同じ構成要素には、同じ番号を付している。
図10のカソード触媒層90においては、燃料流路の上流部から下流部に向かって、比率Wが段階的に増加している。具体的には、カソード触媒層90の中流部分を、第1中流部分91と第2中流部分92の2つに分割し、矢印Aの方向に向かって、上流部分71、第1中流部分91、第2中流部分92、下流部分73の順番に、比率Wを大きくしている。なお、第1中流部分91および第2中流部分92の矢印Aに平行な長さは、同じであってもよいし、異なってもよい。
または、カソード触媒層において、比率Wを、燃料流路の上流部から下流部に向かって連続的に増加させてもよい。
特に、比率Wは、カソード触媒層において、燃料流路の上流部から下流部に向かって、徐々に(段階的あるいは連続的に)増加させることが好ましい。このような構成とすることにより、燃料流路の上流側と下流側とで異なるMCO量に対応して、カソード触媒層に含まれる高分子電解質の含有比率が適切となり、燃料流路の中流部に対向しているカソード側の発電領域において、高分子電解質の膨潤による触媒層の空隙体積の減少を抑制しつつ、プロトン伝導性を確保することが可能となる。このため、カソード過電圧の低位安定化を図ることができる。
カソード触媒層において、燃料流路の上流部から下流部に向かって、比率Wが徐々に増加している場合、比率Wの増加率は、0.05〜0.10/cmであることが好ましい。
実施形態1および実施形態2に示されるカソード触媒層は、例えば、図9に示されるようなスプレー式塗布装置100を用いて作製することができる。図9は、カソード触媒層を形成するためのスプレー式塗布装置の構成を示す概略図である。
スプレー式塗布装置100は、カソード触媒インク102を収容したタンク101およびスプレーガン103を備える。
タンク101内において、カソード触媒インク102は、攪拌機104により撹拌されて、常時流動状態にある。カソード触媒インク102は、開閉バルブ105を介して、スプレーガン103に供給され、噴出ガスとともに、スプレーガン103から吐出される。噴出ガスは、ガス圧力調整器106およびガス流量調整器107を介して、スプレーガン103に供給される。噴出ガスとしては、例えば、窒素ガスを用いることができる。
スプレー式塗布装置100において、スプレーガン103は、アクチュエータ108により、紙面に垂直な面内において、矢印Xに平行なX軸およびX軸に垂直なY軸の2方向に任意の位置から任意の速度で移動することが可能である。
スプレーガン103の下方には、電解質膜10が配置されており、スプレーガン103を、カソード触媒インク102を吐出させながら移動させることにより、電解質膜10上に、カソード触媒層を形成させることができる。電解質膜10におけるカソード触媒インク102の塗布領域は、マスク109を用いて調節することができる。
カソード触媒層を形成する際、電解質膜10の表面温度を制御することが好ましい。スプレー式塗布装置100では、電解質膜10と接するように配置されたヒータ110により、電解質膜10の表面温度が制御されている。
上記のように、スプレー式塗布装置100においては、スプレーガン103を、任意の位置に移動させながらカソード触媒インク102を吐出させることができる。つまり、カソード触媒層の任意の位置において、その厚さを変化させることができる。よって、スプレー式塗布装置100を用いることにより、実施形態1に示されるようなカソード触媒層を容易に作製することができる。
また、タンク101内に投入するカソード触媒インク102の組成(導電性炭素粒子と高分子電解質との重量比率)を順次変更し、前記組成の異なるカソード触媒インクを、所定の位置に塗布することにより、実施形態2に示されるようなカソード触媒層を容易に作製することができる。
なお、図9では、スプレーガン103からカソード触媒インク102を吐出させて、カソード触媒層の燃料流路の下流部に対向する部分を形成している段階を示している。
以下、カソード触媒層以外の構成要素について説明する。
カソード拡散層19としては、酸化剤の拡散性、発電により発生した水の排出性および電子伝導性を併せ持つ導電性多孔基材を用いることができる。このような導電性多孔基材としては、例えば、カーボンペーパー、カーボンクロス等が挙げられる。また、公知技術に基づいて、この導電性多孔基材に撥水処理を施してもよい。さらには、導電性多孔基材のカソード触媒層側の表面に撥水性のカーボン層(図示せず)を設けてもよい。
アノード触媒層16は、触媒金属微粒子を担持した導電性炭素粒子または触媒金属微粒子と、高分子電解質とを主成分とする。アノード触媒層16に含まれる触媒金属微粒子には、例えば、白金(Pt)−ルテニウム(Ru)合金微粒子を用いることができる。各触媒層に含まれる高分子電解質は、電解質膜10を構成する材料と同一であることが好ましい。
アノード拡散層17としては、燃料の拡散性、発電により発生した二酸化炭素の排出性および電子伝導性を併せ持つ導電性多孔基材を用いることができる。このような導電性多孔基材としては、例えば、カーボンペーパー、カーボンクロス等が挙げられる。また、公知技術に基づいて、この導電性多孔基材に撥水処理を施してもよい。さらには、導電性多孔基材のアノード触媒層16側の表面に撥水性のカーボン層(図示せず)を設けてもよい。
電解質膜10は、プロトン伝導性、耐熱性、化学的安定性等に優れていることが好ましい。電解質膜10を構成する材料(高分子電解質)は、電解質膜10が前記特性を有すれば、特に限定されない。
セパレータ14および15は、気密性、電子伝導性および電気化学的安定性を有すればよく、その材質は、特に限定されない。また、燃料流路20および酸化剤流路21の形状についても特に限定されない。
集電板24および25、シート状のヒータ26および27、絶縁板28および29、並びに端板30および31の構成材料には、当該分野で公知の材料を用いることができる。
カソード触媒層に含まれる高分子電解質の量は、例えば、以下のようにして測定することができる。電解質膜上に形成された、所定の高分子電解質(例えば、パーフルオロカーボンスルホン酸イオノマー)、カソード触媒および前記カソード触媒を担持する導電性炭素粒子を含むカソード触媒層の所定の部分(例えば、上流部分)を削り取る。次いで、削り取った試料の重量をマイクロ天秤にて測定する。次に、前記試料を、自動燃焼装置(例えば、三菱化学(株)製のAQF−100)を用いて燃焼させる。発生したガスを、吸収液に吸収させる。この吸収液に含まれるFイオンの量を、イオンクロマトグラフ(例えば、Dionex製のICS−1500)を用いて測定する。Fイオンの量から、カソード触媒層の所定の部分に含まれる高分子電解質の量を求めることができる。得られた値を用いて、カソード触媒層の所定の部分の1cm2あたりに含まれる高分子電解質の量を得ることができる。
カソード触媒層に含まれるカソード触媒の量は、例えば、以下のようにして、測定することができる。上記と同様に、電解質膜上に形成された、所定の高分子電解質(例えば、パーフルオロカーボンスルホン酸イオノマー)、カソード触媒および前記カソード触媒を担持する導電性炭素粒子を含むカソード触媒層の所定の部分(例えば、上流部分)を削り取る。次いで、削り取った試料の重量をマイクロ天秤にて測定する。次いで、得られた試料を王水に溶解させ、不溶物を濾過する。得られた濾液に水を加えて、所定の量(例えば、100ml)にする。得られた定量溶液に含まれるカソード触媒の量を、誘導プラズマ原子発光分光分析装置(ICP−AES;例えば、Thermo Fisher Scientific製のiCAP 6300)により測定する。得られた値を用いて、カソード触媒層の所定の部分の1cm2あたりに含まれるカソード触媒の量を得ることができる。
カソード触媒層の所定の部分の1cm2あたりに含まれる導電性炭素粒子の量は、例えば、カソード触媒層の所定の部分の1cm2あたりの重量から、前記所定の部分の1cm2あたりの高分子電解質量およびカソード触媒量を差し引くことにより求めることができる。
本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、これらの実施例は、本発明を何ら限定するものではない。
(実施例1)
図1に示されるような燃料電池を作製した。
カソード触媒層18を、以下のようにして作製した。カソード触媒として、平均粒径3nmのPtを用いた。前記カソード触媒は、平均一次粒子径30nmの導電性炭素粒子に担持させた。導電性炭素粒子としては、カーボンブラック(三菱化学(株)製のケッチェンブラックEC)を用い、導電性炭素粒子とPtとの合計重量に占めるPtの割合を46重量%とした。
前記カソード触媒を担持した導電性炭素粒子をイソプロパノールの水溶液中に超音波分散させた。次に、得られた分散液に、高分子電解質を5重量%含有した水溶液を添加し、ディスパーで攪拌して、カソード触媒インクAを調製した。この際、カソード触媒インクA中の導電性炭素粒子の重量に対する高分子電解質の重量の比率を0.40とした。高分子電解質としては、パーフルオロカーボンスルホン酸イオノマー(旭硝子(株)製のFlemion(商品名))を用いた。
次に、図9に示すスプレー式塗布装置を用いて、図2および3に示されるようなカソード触媒層18を電解質膜10上に6cm×6cmのサイズで形成した。電解質膜10としては、12cm×12cmのパーフルオロアルキルスルホン酸イオン交換膜(DuPont(株)製のNafion112(商品名))を用いた。
まず、カソード触媒インクAを発電領域(6cm×6cm)に対応する部分に30回塗り重ねた。この後、カソード触媒インクAを燃料流路の下流部に対向させる部分(6cm×1.5cm)のみに、さらに9回塗り重ねることで、カソード触媒層18を形成した。
スプレー塗布条件としては、スプレーガンから放出されるカソード触媒インクAの塗布幅の中央部分と隣接するインクの塗布幅の中央部分との間隔を10mmとし、1回塗り重ねるごとに、スプレー塗布開始位置をX軸方向に1mmずらす(オフセット量1mm)方法を用いた。この際、スプレーガン44の移動速度は60mm/秒とした。噴出ガスとしては、窒素ガスを用い、その噴出圧力を0.15MPaに設定した。また、スプレー塗布時の電解質膜10の表面温度を65℃とした。
カソード触媒層18の上流部分40および中流部分41に含まれるPt触媒量は1.05mg/cm2であり、カソード触媒層18の下流部分42に含まれるPt触媒量は1.37mg/cm2であった。なお、Pt触媒量は、カソード触媒層の投影単位面積(触媒層の主面を法線方向から見た場合の触媒層の単位面積)あたりに含まれるPt触媒の重量である。
カソード触媒層18の上流部分40および中流部分41に含まれる導電性炭素粒子の量は1.23mg/cm2であり、カソード触媒層18の下流部分42に含まれる導電性炭素粒子の量は1.60mg/cm2であった。導電性炭素粒子の量は、カソード触媒層の投影単位面積(触媒層の主面を法線方向から見た場合の触媒層の単位面積)あたりに含まれる導電性炭素粒子の量である。
カソード触媒層18の上流部分40および中流部分41に含まれる高分子電解質の量は0.49mg/cm2であり、カソード触媒層18の下流部分42に含まれる高分子電解質の量は0.64mg/cm2であった。
アノード触媒層を、以下のようにして作製した。
アノード触媒として、平均粒径3nmのPt−Ru合金微粒子(Pt:Ruの重量比=2:1)を用いた。
前記アノード触媒を、イソプロパノールの水溶液中に超音波分散させた。次いで、得られた分散液に、高分子電解質を5重量%含有した水溶液を添加し、ディスパーで攪拌して、アノード触媒インクを調製した。この際、アノード触媒インク中のPt−Ru合金微粒子と高分子電解質の重量比を2:1とした。高分子電解質としては、パーフルオロカーボンスルホン酸イオノマー(旭硝子(株)製のFlemion(商品名))を用いた。
次に、カソード触媒層18が形成されている側とは反対側の電解質膜10上に、カソード触媒層18に対向するように、ドクターブレード法を用いて、アノード触媒インクを塗布して、アノード触媒層16を形成した。アノード触媒層16のサイズは6cm×6cmであり、アノード触媒層に含まれるPt−Ru触媒量は、6.5mg/cm2であった。
このようにして、膜−触媒層接合体(CCM)を得た。
次に、カソード触媒層18の上に、カソード拡散層19を積層し、アノード触媒層16の上に、アノード拡散層17を積層した。カソード拡散層19およびアノード拡散層17のサイズは、それぞれ6cm×6cmとした。カソード拡散層19としては、片面に撥水性のカーボン層が付与されたカーボンクロス(E−TEK(株)製のLT2500W)を用いた。アノード拡散層17としては、カーボンペーパー(東レ(株)製TGP−H090)を用いた。前記カーボンペーパーの片面には、撥水性のカーボン層(PTFE40%含有)を約30μmの厚さで設けておいた。カソード拡散層19およびアノード拡散層17は、それぞれカーボン層が触媒層に接するように配置した。
得られた積層体を、ホットプレス法(130℃、4MPa、3分間)に供して、触媒層と拡散層とを接合して、アノード11およびカソード12を得た。
次いで、アノード11およびカソード12の周囲に、電解質膜10を挟んでガスケット22および23を熱溶着(130℃、4MPa、5分間)して、膜−電極接合体(MEA)13を作製した。ガスケットとしては、ポリエーテルイミド層を中間層として、その両側にシリコーンゴム層を設けた3層構造体を用いた。
得られたMEA13を、それぞれ外寸が12cm×12cmの、セパレータ14および15、集電板24および25、シート状のヒータ26および27、絶縁板28および29、ならびに端板30および31で両側から挟み込み、締結ロッドで固定した。締結圧は、セパレータの面積あたりで12kgf/cm2とした。
セパレータ14および15は、厚さが4mmの樹脂含浸黒鉛材(東海カーボン(株)製のG347B)を用い、それぞれ幅1.5mm、深さ1mmのサーペンタイン型流路20および21が形成されている。集電板24および25としては、金メッキ処理を施したステンレス鋼板を使用した。シート状のヒータ26および27には、サミコンヒータ(坂口電熱(株)製)を用いた。
以上のような方法で得られた直接酸化型燃料電池を、燃料電池Aとした。
(実施例2)
図9のスプレー式塗布装置を用いて、カソード触媒インクAを、全発電領域(6cm×6cm)に、厚さ方向に30回塗り重ねた。この後、燃料流路の中流部および下流部に対向させる部分(6cm×4.5cm)に、カソード触媒インクAを9回塗り重ねることにより、図4に示されるようなカソード触媒層を形成した。前記以外は、実施例1と同様にして、燃料電池Bを作製した。
カソード触媒層の上流部分に含まれるPt触媒量は1.05mg/cm2であり、中流部分および下流部分に含まれるPt触媒量は1.37mg/cm2であった。
カソード触媒層の上流部分に含まれる導電性炭素粒子の量は1.23mg/cm2であり、中流部分および下流部分に含まれる導電性炭素粒子の量は1.60mg/cm2であった。
カソード触媒層の上流部分に含まれる高分子電解質の量は0.49mg/cm2であり、中流部分および下流部分に含まれる高分子電解質の量は0.64mg/cm2であった。
(実施例3)
図9のスプレー式塗布装置を用いて、カソード触媒インクAを、全発電領域(6cm×6cm)に、厚さ方向に30回塗り重ねた。この後、カソード触媒インクAを、燃料流路の中流部および下流部に対向する部分(6cm×4.5cm)に3回塗り重ねた。次に、カソード触媒インクAを、燃料流路の中流部の下流側半分に対向する部分(第2中流部分)および下流部に対向する部分(6cm×3cm)に3回塗り重ねた。最後に、カソード触媒インクAを、燃料流路の下流部に対向する部分(6cm×1.5cm)のみに3回塗り重ねた。こうして、図5に示されるようなカソード触媒層を形成した。前記以外は、実施例1と同様にして、燃料電池Cを作製した。
カソード触媒層の上流部分に含まれるPt触媒量は1.05mg/cm2であり、第1中流部分に含まれるPt触媒量は1.16mg/cm2であり、第2中流部分に含まれるPt触媒量は1.26mg/cm2であり、下流部分に含まれるPt触媒量は1.37mg/cm2であった。
カソード触媒層の上流部分に含まれる導電性炭素粒子の量は1.23mg/cm2であり、第1中流部分に含まれる導電性炭素粒子の量は1.36mg/cm2であり、第2中流部分に含まれる導電性炭素粒子の量は1.48mg/cm2であり、下流部分に含まれる導電性炭素粒子の量は1.60mg/cm2であった。
カソード触媒層の上流部分に含まれる高分子電解質の量は0.49mg/cm2であり、第1中流部分に含まれる高分子電解質の量は0.54mg/cm2であり、第2中流部分に含まれる高分子電解質の量は0.59mg/cm2であり、下流部分に含まれる高分子電解質の量は0.64mg/cm2であった。
(実施例4)
カソード触媒層の下流部分に含まれる導電性炭素粒子の重量に対する高分子電解質の重量の比率を0.60としたこと以外、実施例1と同様にして、カソード触媒インクBを調製した。同様に、導電性炭素粒子の重量に対する高分子電解質の重量の比率を0.35としたこと以外、実施例1と同様にして、カソード触媒インクCを調製した。
前記カソード触媒インクBおよびCに含まれる高分子電解質としては、パーフルオロカーボンスルホン酸イオノマー(旭硝子(株)製のFlemion)を用いた。
図9のスプレー式塗布装置を用いて、カソード触媒インクCを、燃料流路の上流部および中流部に対向する部分(6cm×4.5cm)に35回塗り重ねた。次に、カソード触媒インクBを、燃料流路の下流部に対向させる部分(6cm×1.5cm)のみに35回塗り重ねた。こうして、図6に示されるようなカソード触媒層を形成した。前記以外は、実施例1と同様にして、燃料電池Dを作製した。
カソード触媒層の上流部分、中流部分および下流部分に含まれるPt触媒量は、いずれも1.23mg/cm2であった。
カソード触媒層の上流部分、中流部分および下流部分に含まれる導電性炭素材料の量は、いずれも1.44mg/cm2であった。
カソード触媒層の上流部分および中流部分に含まれる高分子電解質の量は0.50mg/cm2であり、下流部分に含まれる高分子電解質の量は0.86mg/cm2であった。
(実施例5)
図9のスプレー式塗布装置を用いて、カソード触媒インクCを、燃料流路の上流部に対向する部分(6cm×1.5cm)のみに35回塗り重ねた。次に、カソード触媒インクBを、燃料流路の中流部および下流部に対向する部分(6cm×4.5cm)のみに35回塗り重ねた。こうして、図7に示されるようなカソード触媒層を形成した。前記以外は、実施例4と同様にして、燃料電池Eを作製した。
カソード触媒層の上流部分、中流部分および下流部分に含まれるPt触媒量は、いずれも1.23mg/cm2であった。
カソード触媒層の上流部分、中流部分および下流部分に含まれる導電性炭素粒子の量は、いずれも1.44mg/cm2であった。
カソード触媒層の上流部分に含まれる高分子電解質の量は0.50mg/cm2であり、中流部分および下流部分に含まれる高分子電解質の量は0.86mg/cm2であった。
(実施例6)
導電性炭素粒子の重量に対する高分子電解質の重量の比率を0.50としたこと以外、実施例4と同様にして、カソード触媒インクDを調製した。同様に、導電性炭素粒子の重量に対する高分子電解質の重量の比率を0.40としたこと以外、実施例4と同様にして、カソード触媒インクEを調製した。
図9のスプレー式塗布装置を用いて、前記カソード触媒インクCを、燃料流路の上流部に対向する部分(6cm×1.5cm)のみに35回塗り重ねた。この後、カソード触媒インクEを、燃料流路の第1中流部に対向する部分(6cm×1.5cm)のみに35回塗り重ねた。次に、カソード触媒インクDを燃料流路の第2中流部に対向する部分(6cm×1.5cm)のみに35回塗り重ねた。次いで、カソード触媒インクBを、燃料流路の下流部に対向する部分(6cm×1.5cm)のみに35回塗り重ねた。こうして、図8に示されるようなカソード触媒層を形成した。前記以外は、実施例4と同様にして、燃料電池Fを作製した。
カソード触媒層の上流部分、第1中流部分、第2中流部分および下流部分に含まれるPt触媒量はいずれも1.23mg/cm2であった。
カソード触媒層の上流部分、中流部分および下流部分に含まれる導電性炭素粒子の量は、いずれも1.44mg/cm2であった。
カソード触媒層の上流部分に含まれる高分子電解質の量は0.50mg/cm2であり、第1中流部分に含まれる高分子電解質の量は0.58mg/cm2であり、第2中流部分に含まれる高分子電解質の量は0.72mg/cm2であり、下流部分に含まれる高分子電解質の量は0.86mg/cm2であった。
(比較例1)
図9のスプレー式塗布装置を用いて、カソード触媒インクAを、全発電領域(6cm×6cm)に、厚さ方向に39回塗り重ねて、カソード触媒層を形成した。前記以外は、実施例1と同様にして、比較燃料電池1を作製した。
カソード触媒層に含まれるPt触媒量は1.37mg/cm2であり、導電性炭素粒子の量は1.60mg/cm2であり、高分子電解質の量は0.64mg/cm2であった。
(比較例2)
図9のスプレー式塗布装置を用いて、カソード触媒インクAを、発電領域(6cm×6cm)に、30回塗り重ねた。この後、カソード触媒インクAを、燃料流路の上流部に対向する部分(6cm×1.5cm)のみに、さらに9回塗り重ねた。こうして、カソード触媒層を形成した。前記以外は、実施例1と同様にして、比較燃料電池2を作製した。
カソード触媒層の上流部分に含まれるPt触媒量は1.37mg/cm2であり、カソード触媒層の中流部分および下流部分に含まれるPt触媒量は1.05mg/cm2であった。
カソード触媒層の上流部分に含まれる導電性炭素粒子の量は1.60mg/cm2であり、カソード触媒層の中流部分および下流部分に含まれる導電性炭素粒子の量は1.23mg/cm2であった。
カソード触媒層の上流部分に含まれる高分子電解質の量は0.64mg/cm2であり、カソード触媒層の中流部分および下流部分に含まれる高分子電解質の量は0.49mg/cm2であった。
(比較例3)
導電性炭素粒子の重量に対する高分子電解質の重量の比率を0.80としたこと以外、実施例1と同様にして、カソード触媒インクFを調製した。
図9のスプレー式塗布装置を用いて、カソード触媒インクFを、全発電領域(6cm×6cm)に、厚さ方向に35回塗り重ねて、カソード触媒層を形成した。前記以外は、実施例1と同様にして、比較燃料電池3を作製した。
カソード触媒層に含まれるPt触媒量は1.23mg/cm2であり、導電性炭素粒子の量は1.44mg/cm2であり、高分子電解質の量は1.15mg/cm2であった。
(比較例4)
導電性炭素粒子の重量に対する高分子電解質の重量の比率を0.25としたこと以外、実施例1と同様にして、カソード触媒インクGを調製した。
図9のスプレー式塗布装置を用いて、前記カソード触媒インクFを、燃料流路の上流部に対向する部分(6cm×1.5cm)のみに35回塗り重ねた。次に、カソード触媒インクGを、燃料流路の中流部および下流部に対向する部分(6cm×4.5cm)に35回塗り重ねた。こうして、カソード触媒層を形成した。前記以外は、実施例1と同様にして、比較燃料電池4を作製した。
カソード触媒層の上流部分、中流部分および下流部分に含まれるPt触媒量は、いずれも1.23mg/cm2であった。
カソード触媒層の上流部分、中流部分および下流部分に含まれる導電性炭素粒子の量は、いずれも1.44mg/cm2であった。
カソード触媒層の上流部分に含まれる高分子電解質の量は1.15mg/cm2であり、中流部分および下流部分に含まれる高分子電解質の量は0.36mg/cm2であった。
[評価]
実施例1〜6で作製した燃料電池A〜Fおよび比較例1〜4で作製した比較燃料電池1〜4の耐久特性を、以下のようにして評価した。
(耐久特性)
4Mメタノール水溶液を流量0.27ml/minでアノードに供給し、空気を流量0.26L/minでカソードに供給して、0.4Vの定電圧で、各燃料電池を連続発電させた。発電時の電池温度は60℃とした。
発電開始から4時間経過した時点での電流密度値から電力密度値を算出した。得られた値を初期電力密度とした。
その後、2000時間経過した時点での電流密度値から電力密度値を算出した。初期電力密度に対する2000時間経過したときの電力密度の比率を電力密度維持率とした。
得られた初期電力密度および電力密度維持率を、表1に示す。表1において、電力密度維持率は百分率値で表現している。
なお、表1には、カソード触媒層の各部分における、Pt触媒量、高分子電解質の量、および導電性炭素粒子の重量に対する高分子電解質の重量の比率(比率W)も示す。
Figure 2010067389
表1に示されるように、燃料電池A〜Fの電力密度維持率は、非常に高い値を示した。
本発明においては、上記のように、カソード触媒層の上流部分に含まれる高分子電解質の量を、カソード触媒層の下流部分に含まれる高分子電解質の量よりも少なくしている。このため、MCO量の多い燃料流路の上流部に対向しているカソード側の発電領域において、クロスオーバーメタノールにより高分子電解質が膨潤して、カソード触媒層の空隙体積が著しく減少することが抑制される。また、酸素還元反応とクロスオーバーしたメタノールの酸化反応を同時に行うために必要とされる三相界面を確保することができる。さらに、MCO量が少なくなる燃料流路の下流部に対向しているカソード側の発電領域においては、空気拡散性とプロトン伝導性とを両立できるような触媒層構造が形成されている。よって、カソード過電圧の低減化が図られ、燃料電池の耐久性を向上させることができたものと考えられる。
また、カソード触媒層の上流部分に含まれる高分子電解質の量を、カソード触媒層の下流部分に含まれる高分子電解質の量によりも少なくし、かつカソード触媒層の上流部分における、導電性炭素粒子の重量に対する高分子電解質の重量の比率を、下流部分における導電性炭素粒子の重量に対する高分子電解質の重量の比率よりも小さくした場合、カソード触媒層において高分子電解質の量を変化させた場合と比較して、同等または同等以上の効果が得られる。
燃料電池A〜Fの中でも、燃料電池CおよびFでは、耐久特性が顕著に向上している。燃料電池CおよびFの場合には、カソード触媒層に含まれる高分子電解質の量または比率Wが、燃料流路の上流部から下流部に向かって、徐々に(段階的に)変化している。このため、カソード触媒層において、高分子電解質の量または比率Wが、MCO量に応じて最適化されているため、特に、カソード触媒層の中流部分において、高分子電解質の膨潤による触媒層の空隙体積の減少を抑制しつつ、プロトン伝導性を確保することが可能となると考えられる。その結果、カソード過電圧の低位安定化が図ることができたと考えられる。
一方、比較燃料電池1〜4の電力密度維持率は、燃料電池A〜Fの電力密度維持率と比較して著しく低い値を示した。比較燃料電池の場合には、MCO量の多いカソード触媒層の上流部分における高分子電解質の量または比率Wが大きい。つまり、カソード触媒層の上流部分に高分子電解質が過剰に存在する。このため、クロスオーバーメタノールにより高分子電解質が膨潤して、カソード触媒層の上流部分の空隙体積が著しく減少する。このため、カソード触媒層の上流部分に、発電時間の経過とともに凝縮水が蓄積され、カソード触媒層の深部にまで、酸化剤を確実に供給することが困難となる。その結果、耐久特性が低下したと推察される。
さらに、比較燃料電池2および4は、初期電力密度についても低い値を示した。
比較燃料電池2および4の場合には、MCO量が少ないカソード触媒層の下流部分における、高分子電解質の量または比率Wが小さい。このため、カソード触媒層の下流部分におけるプロトン伝導性を確保することが困難となり、初期電力密度が顕著に低下したと推察される。
本発明の直接酸化型燃料電池は、優れた発電特性および耐久性を有するため、例えば、携帯電話、ノートパソコン、ディジタルスチルカメラ等の携帯用小型電子機器用の電源として有用である。さらに、本発明の直接酸化型燃料電池は、例えば、電動スクータ、自動車等の電源としても好適に用いることができる。
本発明の一実施形態に係る直接酸化型燃料電池に含まれる単位セルの構造を模式的に示す縦断面略図である。 実施形態1に係る直接酸化型燃料電池に含まれるカソード触媒層を模式的に示す正面図である。 図2に示されるカソード触媒層のIII−III線における断面図である。 実施形態1に係る直接酸化型燃料電池に含まれるカソード触媒層の別の例を模式的に示す縦断面図である。 実施形態1に係る直接酸化型燃料電池に含まれるカソード触媒層のさらに別の例を模式的に示す縦断面図である。 実施形態2に係る直接酸化型燃料電池に含まれるカソード触媒層の一例を模式的に示す断面図である。 実施形態2に係る直接酸化型燃料電池に含まれるカソード触媒層の別の例を模式的に示す縦断面図である。 実施形態2に係る直接酸化型燃料電池に含まれるカソード触媒層のさら別の例を模式的に示す縦断面図である。 カソード触媒層を形成するために用いられるスプレー式塗布装置の構成の一例を示す概略図である。
符号の説明
1 単位セル
10 電解質膜
11 アノード
12 カソード
13 膜−電極接合体(MEA)
14 アノード側セパレータ
15 カソード側セパレータ
16 アノード触媒層
17 アノード拡散層
18、50、60、70、80、90 カソード触媒層
19 カソード拡散層
20 燃料流路
21 酸化剤流路
22、23 ガスケット
24、25 集電板
26、27 シート状のヒータ
28、29 絶縁板
30、31 端板
40、71 カソード触媒層の燃料流路の上流部に対向している部分(上流部分)
41、51、72、82 カソード触媒層の燃料流路の中流部に対向している部分(中流部分)
42、73 カソード触媒層の燃料流路の下流部に対向している部分(下流部分)
61、91 中流部分のうちの、燃料流路の上流側の領域(第1中流部分)
62、92 中流部分のうちの、燃料流路の下流側の領域(第2中流部分)
100 スプレー式塗布装置
101 タンク
102 カソード触媒インク
103 スプレーガン
104 撹拌機
105 開閉バルブ
106 ガス圧力調整器
107 ガス流量調整器
108 アクチュエータ
109 マスク
110 ヒータ

Claims (5)

  1. アノードと、カソードと、前記アノードと前記カソードとの間に配置された電解質膜とを含む膜−電極接合体、前記アノードに接するアノード側セパレータ、および前記カソードに接するカソード側セパレータを備える少なくとも1つの単位セルを有し、
    前記アノード側セパレータは、前記アノードに燃料を供給するための燃料流路を有し、
    前記カソード側セパレータは、前記カソードに酸化剤を供給するための酸化剤流路を有し、
    前記カソードは、前記電解質膜に接するカソード触媒層、および前記カソード側セパレータに接するカソード拡散層を含み、
    前記カソード触媒層は、カソード触媒と高分子電解質を含んでおり、
    前記カソード触媒層の前記燃料流路の上流部に対向する部分に含まれる前記高分子電解質の量が、前記カソード触媒層の前記燃料流路の下流部に対向する部分に含まれる前記高分子電解質の量よりも少ない、直接酸化型燃料電池。
  2. 前記カソード触媒層に含まれる前記高分子電解質の量が、前記燃料流路の上流部から下流部に向かって徐々に増加している、請求項1記載の直接酸化型燃料電池。
  3. 前記カソード触媒層が、前記カソード触媒を担持した導電性炭素粒子をさらに含み、
    前記カソード触媒層の前記燃料流路の上流部に対向する部分における、前記導電性炭素粒子に対する前記高分子電解質の重量比が、前記カソード触媒層の前記燃料流路の下流部に対向する部分における、前記導電性炭素粒子に対する前記高分子電解質の重量比よりも小さい、請求項1または2記載の直接酸化型燃料電池。
  4. 前記カソード触媒層において、前記導電性炭素粒子に対する前記高分子電解質の重量比が、前記燃料流路の上流部から下流部に向かって徐々に増加している、請求項3記載の直接酸化型燃料電池。
  5. 前記カソード触媒層の前記燃料流路の上流部に対向する部分における、前記導電性炭素粒子に対する前記高分子電解質の重量比が、0.3〜0.6である、請求項3または4記載の直接酸化型燃料電池。
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