JP2010238370A - 直接酸化型燃料電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】優れた発電特性および耐久性を有する直接酸化型燃料電池を提供する。
【解決手段】本発明の直接酸化型燃料電池は、電解質膜とその両側にそれぞれ配置された触媒層と拡散層とを含むアノードおよびカソードとを備える膜−電極接合体、アノードに燃料を供給するための燃料流路を有するアノードセパレータ、ならびにカソードに酸化剤を供給するための酸化剤流路を有するカソードセパレータを具備した少なくとも1つの単位セルを有する。カソード触媒層は、少なくともカソード触媒と高分子電解質とを含んでおり、かつ高分子電解質の重量比率が大きい複数の第1領域と、高分子電解質の重量比率が第1領域よりも小さい複数の第2領域とを含む。前記複数の第2領域は、カソード触媒層の第1主面から第2主面まで、連続的に繋がるように配置されている。
【選択図】図2
【解決手段】本発明の直接酸化型燃料電池は、電解質膜とその両側にそれぞれ配置された触媒層と拡散層とを含むアノードおよびカソードとを備える膜−電極接合体、アノードに燃料を供給するための燃料流路を有するアノードセパレータ、ならびにカソードに酸化剤を供給するための酸化剤流路を有するカソードセパレータを具備した少なくとも1つの単位セルを有する。カソード触媒層は、少なくともカソード触媒と高分子電解質とを含んでおり、かつ高分子電解質の重量比率が大きい複数の第1領域と、高分子電解質の重量比率が第1領域よりも小さい複数の第2領域とを含む。前記複数の第2領域は、カソード触媒層の第1主面から第2主面まで、連続的に繋がるように配置されている。
【選択図】図2
Description
本発明は、燃料を水素に改質せずに直接用いる直接酸化型燃料電池に関し、具体的には、直接酸化型燃料電池の電極の改善に関する。
ユビキタスネットワーク社会の進展に伴い、携帯電話、ノートパソコン、ディジタルスチルカメラ等のモバイル機器の需要が大きく伸びている。モバイル機器の電源として、充電が不要であり、燃料を補給すれば機器を継続して利用することができる燃料電池の早期実用化が期待されている。
燃料電池の中でも、メタノール、ジメチルエーテル等の有機燃料を、水素に改質せずにアノードに直接供給して発電する直接酸化型燃料電池が注目され、活発な研究開発が行われている。有機燃料は、理論エネルギー密度が高く、貯蔵が容易であるとともに、有機燃料を用いることにより燃料電池システムを簡素化できるからである。
直接酸化型燃料電池は、膜−電極接合体(以下、MEAと称す)をセパレータで挟み込んだ単位セルを有している。直接酸化型燃料電池は、アノードに燃料と水を供給し、カソードに酸化剤(たとえば酸素)を供給することにより発電する。一般的に、MEAは、固体高分子電解質膜(電解質膜)と、その両面にそれぞれ配置されたアノードおよびカソードを含む。アノードおよびカソードは、それぞれ触媒層と拡散層とを含む。
例えば、燃料としてメタノールを用いる直接メタノール型燃料電池(以下、DMFCと称す)の電極反応は、以下の通りである。
アノード:CH3OH+H2O → CO2+6H++6e-
カソード:3/2O2+6H++6e- → 3H2O
すなわち、アノードでは、メタノールと水が反応して二酸化炭素、プロトンおよび電子が生成される。アノードで生成されたプロトンは電解質膜を通ってカソードに到達し、電子は外部回路を経由してカソードに到達する。カソードでは、酸素、プロトンおよび電子が結合して、水が生成される。
アノード:CH3OH+H2O → CO2+6H++6e-
カソード:3/2O2+6H++6e- → 3H2O
すなわち、アノードでは、メタノールと水が反応して二酸化炭素、プロトンおよび電子が生成される。アノードで生成されたプロトンは電解質膜を通ってカソードに到達し、電子は外部回路を経由してカソードに到達する。カソードでは、酸素、プロトンおよび電子が結合して、水が生成される。
しかしながら、このDMFCの実用化にはいくつかの問題点が存在している。
その一つは、MEAの耐久性に関する問題である。カソード触媒層内部および/またはカソード触媒層とカソード拡散層との境界部分には、発電時間の経過とともに、反応生成水および/またはアノードから移動してきた水が液体状態で蓄積する。この水により、カソードにおける酸化剤の拡散性が低下して、カソードの濃度過電圧が増加する。このことが主原因となって、DMFCの発電性能の初期劣化が生じると考えられる。
その一つは、MEAの耐久性に関する問題である。カソード触媒層内部および/またはカソード触媒層とカソード拡散層との境界部分には、発電時間の経過とともに、反応生成水および/またはアノードから移動してきた水が液体状態で蓄積する。この水により、カソードにおける酸化剤の拡散性が低下して、カソードの濃度過電圧が増加する。このことが主原因となって、DMFCの発電性能の初期劣化が生じると考えられる。
さらに、この初期劣化は、メタノールが未反応のまま電解質膜を通過しカソードに達する現象であるメタノールクロスオーバー(以下、MCOと称す)の影響を強く受ける。すなわち、カソード触媒層では、本来のカソード電極反応である酸素の還元反応以外に、クロスオーバーしたメタノールの酸化反応が同時に起こる。よって、特に、高濃度メタノールを燃料として用いる場合には、発電時間の経過とともにMCO量が増加するため、カソード活性化過電圧が著しく増大する。しかも、発生した二酸化炭素により、酸化剤の拡散性がさらに低下し、このため、発電性能が大幅に低下する。
そこで、上記問題を解決するために、カソード触媒層自体の構造を改良する数多くの提案がなされている。
例えば、特許文献1には、厚さ方向における高分子電解質の濃度勾配が、電解質膜側ほど大きいカソード触媒層を含む転写シートが開示されている。特許文献1では、触媒層と電解質膜との間の界面抵抗値が小さく、酸化剤がカソード触媒層に供給され得るMEAを提供することを意図している。
例えば、特許文献1には、厚さ方向における高分子電解質の濃度勾配が、電解質膜側ほど大きいカソード触媒層を含む転写シートが開示されている。特許文献1では、触媒層と電解質膜との間の界面抵抗値が小さく、酸化剤がカソード触媒層に供給され得るMEAを提供することを意図している。
DMFCに言及したものではないが、特許文献2には、カソード触媒層の厚さ方向において、空隙率を、カソード触媒層の電解質膜側ほど大きくすることが開示されている。特許文献2は、排水性とプロトン伝導性とを両立させて、発電性能および耐久性に優れたMEAを提供することを意図している。
これもDMFCに言及したものではないが、特許文献3には、触媒層から拡散層に向かって撥水性が低下したカソードが開示されている。特許文献3は、排水性を改善することにより発電安定性を向上させたMEAを提供することを意図している。
特許文献4には、DMFCの触媒層において、電解質膜の主面と平行な方向および/または前記主面に対して垂直な方向に、高分子電解質の濃度勾配を設けることが開示されている。特許文献4には、電子伝導性を犠牲にすることなく、メタノールの拡散性を向上させるとともに、触媒の十分な充填量を達成するための1つの手段として、触媒層において、各種成分の濃度勾配を設けることが記載されている。
特開2006−185800号公報
特開2008−186798号公報
特開2006−108031号公報
米国特許出願公開第2008/0206616号明細書
しかしながら、前記従来の構成では、プロトン伝導性を確保しながら、クロスオーバーしたメタノールおよび水により高分子電解質が膨潤して触媒層の空隙体積が著しく減少するという問題を改善させることは困難であり、カソード過電圧の小さい触媒層を得るためには未だ多くの問題が存在している。
特許文献1に開示される技術の場合には、カソード触媒層の高分子電解質濃度を単に厚み方向に勾配を持たせたものであるため、触媒層全体について、プロトン伝導性を確保しつつ高分子電解質の膨潤による空隙体積の減少を抑制することは困難である。特に、この高分子電解質の膨潤は発電時間とともに進行するため、高分子電解質濃度が高い電解質膜側の触媒層領域で酸化剤の拡散性が低下し、その結果、MEAの耐久性が悪化することが懸念される。
特許文献2および特許文献3に開示される技術の場合には、クロスオーバーしたメタノールにより高分子電解質が膨潤する影響を考慮していない。このため、発電初期段階では、酸化剤の拡散性や水の排出性が確保されて発電特性は比較的良好となるものの、発電時間とともに高分子電解質が徐々に膨潤することにより空隙体積が減少し、触媒層の深部にまで酸化剤を確実に供給することが困難となる。このため、発電特性が急激に低下することが想定される。
特許文献4に開示される技術の場合には、触媒層の表面に平行な方向および/または垂直な方向に、高分子電解質の濃度を単に変化させたものであるため、特許文献1の場合と同様に、触媒層全体について、プロトン伝導性を確保しつつ高分子電解質の膨潤による空隙体積の減少を抑制することは困難である。
さらに、カソード触媒層の厚さ方向とは垂直な方向において、カソード触媒層の燃料流路の上流部に対向する部分に含まれる高分子電解質の量を、カソード触媒層の燃料流路の下流部に対向する部分に含まれる高分子電解質の量よりも多くなるように、高分子電解質の量に勾配(濃度勾配)を設けた場合、カソード触媒層の燃料流路の上流部に対向する部分ではクロスオーバーしたメタノール量が多いために、高分子電解質がより一層膨潤しやすくなり、前記部分の空隙率が著しく低下する。その結果、発電特性が低下することが想定される。
さらに、カソード触媒層の厚さ方向とは垂直な方向において、カソード触媒層の燃料流路の上流部に対向する部分に含まれる高分子電解質の量を、カソード触媒層の燃料流路の下流部に対向する部分に含まれる高分子電解質の量よりも多くなるように、高分子電解質の量に勾配(濃度勾配)を設けた場合、カソード触媒層の燃料流路の上流部に対向する部分ではクロスオーバーしたメタノール量が多いために、高分子電解質がより一層膨潤しやすくなり、前記部分の空隙率が著しく低下する。その結果、発電特性が低下することが想定される。
本発明は、前記従来の課題を解決するものであり、優れた発電特性および耐久性を有する直接酸化型燃料電池を提供することを目的とする。
本発明の直接酸化型燃料電池は、電解質膜と前記電解質膜の両側にそれぞれ配置されたアノードおよびカソードとを備える膜−電極接合体、前記アノードに燃料を供給するための燃料流路を有するアノードセパレータ、ならびに前記カソードに酸化剤を供給するための酸化剤流路を有するカソードセパレータを具備する少なくとも1つの単位セルを有する。前記カソードは、電解質膜に接するカソード触媒層、およびカソードセパレータに接するカソード拡散層を含む。前記カソード触媒層は、少なくともカソード触媒と高分子電解質とを含んでおり、かつカソード触媒層は、高分子電解質の重量比率が大きい複数の第1領域と、高分子電解質の重量比率が第1領域よりも小さい複数の第2領域とを含む。前記複数の第2領域は、カソード触媒層の第1主面から第2主面まで、連続的に繋がるように配置されている。
本発明の好ましい実施形態において、前記複数の第2領域は、カソード触媒層の厚さ方向に対して、斜め方向に連続的に繋がっており、かつカソード触媒層の厚さ方向において、隣接する第1領域と第2領域とが部分的に接している。
本発明の別の好ましい実施形態において、前記複数の第2領域は、カソード触媒層の厚さ方向に対して、ジグザクに連続的に繋がっており、かつカソード触媒層の厚さ方向において、隣接する第1領域と第2領域とが部分的に接している。
前記第1領域と前記第2領域とは、カソード触媒層の厚さ方向または厚さ方向に垂直な方向に、規則的にまたは不規則に配置されていることが好ましい。
前記複数の第1領域は、前記カソード触媒層の第1主面から第2主面まで、連続的に繋がるように配置されていることがさらに好ましい。
前記カソード触媒層は、カソード触媒を担持する導電性炭素粒子をさらに含み、前記第1領域が、前記導電性炭素粒子に対する前記高分子電解質の重量比が大きい領域であり、前記第2領域が、前記導電性炭素粒子に対する前記高分子電解質の重量比が第1領域よりも小さい領域であることがさらに好ましい。
前記第1領域における導電性炭素粒子に対する高分子電解質の重量比Aは、0.5〜0.7であり、前記第2領域における導電性炭素粒子に対する高分子電解質の重量比Bは、0.3〜0.5であることが好ましい。前記重量比Aと、前記重量比Bとの差は、0.1以上であることがさらに好ましい。
本発明により、プロトン伝導性を確保しつつ、高分子電解質の膨潤による空隙体積の減少を抑制した過電圧の小さいカソード触媒層を形成することが可能となる。その結果、優れた発電特性および耐久性を有する直接酸化型燃料電池を提供することができる。
本発明の直接酸化型燃料電池は、電解質膜とその両側にそれぞれ配置されたアノードおよびカソードとを備える膜−電極接合体、アノードに燃料を供給するための燃料流路を有するアノードセパレータ、ならびにカソードに酸化剤を供給するための酸化剤流路を有するカソードセパレータを具備する少なくとも1つの単位セルを有する。前記カソードは、前記電解質膜に接するカソード触媒層、および前記カソードセパレータに接するカソード拡散層を含む。前記カソード触媒層は、少なくともカソード触媒と高分子電解質とを含んでおり、かつ前記高分子電解質の重量比率が大きい複数の第1領域と、前記高分子電解質の重量比率が前記第1領域よりも小さい複数の第2領域とを含む。前記複数の第2領域が、前記カソード触媒層の第1主面から第2主面まで、連続的に繋がるように配置されている。
ここで、第1主面および第2主面は、それぞれカソード触媒層の厚さ方向の一方の面および他方の面のことをいう。第1主面は、カソード触媒層の電解質膜に接している面のことをいい、第2主面は、カソード触媒層の、第1主面とは反対側にあり、カソード拡散層に接している面のことをいう。つまり、前記複数の第2領域は、カソード触媒層の厚さ方向における、カソード触媒層の電解質膜と接する第1主面からカソード触媒層の第1主面とは反対側の第2主面までの間で、連続的に繋がるように配置されている。
ここで、第1主面および第2主面は、それぞれカソード触媒層の厚さ方向の一方の面および他方の面のことをいう。第1主面は、カソード触媒層の電解質膜に接している面のことをいい、第2主面は、カソード触媒層の、第1主面とは反対側にあり、カソード拡散層に接している面のことをいう。つまり、前記複数の第2領域は、カソード触媒層の厚さ方向における、カソード触媒層の電解質膜と接する第1主面からカソード触媒層の第1主面とは反対側の第2主面までの間で、連続的に繋がるように配置されている。
図1に、本発明の一実施形態に係る直接酸化型燃料電池に含まれる単位セルの縦断面図を示す。
図1の単位セル1は、電解質膜10と、電解質膜10を挟むアノード11およびカソード12とからなる膜−電極接合体(MEA)13、並びにMEA13を挟むアノードセパレータ14およびカソードセパレータ15を備える。
図1の単位セル1は、電解質膜10と、電解質膜10を挟むアノード11およびカソード12とからなる膜−電極接合体(MEA)13、並びにMEA13を挟むアノードセパレータ14およびカソードセパレータ15を備える。
アノード11は、電解質膜10に接するアノード触媒層16とアノードセパレータ14に接するアノード拡散層17を含む。カソード12は、電解質膜10に接するカソード触媒層18とカソードセパレータ15に接するカソード拡散層19を含む。
アノードセパレータ14は、アノード11と対向する面に、燃料を供給し、未使用燃料および反応生成物を排出する燃料流路20を有する。カソードセパレータ15は、カソード12と対向する面に、酸化剤を供給し、未使用酸化剤および反応生成物を排出する酸化剤流路21を有する。
アノード11およびカソード12の周囲には、それぞれ、燃料、酸化剤、および反応生成物の外部への漏洩を防止するために、電解質膜10を挟んでガスケット22および23が配置されている。
さらに、図1の単位セル1は、セパレータ14および15の両側に、それぞれ、集電板24および25、シート状のヒータ26および27、絶縁板28および29、並びに端板30および31を有する。単位セル1は、締結手段(図示せず)により一体化されている。
カソード触媒層18は、カソード触媒粒子と、高分子電解質とを含むことができる。カソード触媒層18に含まれるカソード触媒粒子には、触媒金属微粒子、例えば、白金(Pt)微粒子を用いることができる。前記触媒金属微粒子は、導電性炭素粒子に担持されていてもよい。つまり、カソード触媒粒子は、導電性炭素粒子に担持されていてもよい。前記導電性炭素粒子としては、当該分野で公知の材料を用いることができる。このような材料としては、たとえば、カーボンブラックが挙げられる。
カソード触媒層18に含まれる高分子電解質としては、プロトン伝導性、耐熱性、化学的安定性等に優れていれば、特に限定されない。このような高分子電解質としては、たとえば、パーフルオロカーボンスルホン酸イオノマー(例えば、ナフィオン(商品名)、フェルミオン(商品名)等)などを用いることができる。なお、カソード触媒層18に含まれる高分子電解質は、電解質膜10を構成する高分子電解質と同じであってもよいし、異なってもよい。
なお、カソード触媒層18の厚さは、20〜200μmの範囲にあればよい。
カソード触媒層18に含まれる高分子電解質としては、プロトン伝導性、耐熱性、化学的安定性等に優れていれば、特に限定されない。このような高分子電解質としては、たとえば、パーフルオロカーボンスルホン酸イオノマー(例えば、ナフィオン(商品名)、フェルミオン(商品名)等)などを用いることができる。なお、カソード触媒層18に含まれる高分子電解質は、電解質膜10を構成する高分子電解質と同じであってもよいし、異なってもよい。
なお、カソード触媒層18の厚さは、20〜200μmの範囲にあればよい。
以下、カソード触媒層18について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図2に、本発明の一実施形態に係る直接酸化型燃料電池に含まれるカソード触媒層の一例の縦断面図を示す。なお、図2は、カソード触媒層18と、それが接する電解質層10を示している。
図2に、本発明の一実施形態に係る直接酸化型燃料電池に含まれるカソード触媒層の一例の縦断面図を示す。なお、図2は、カソード触媒層18と、それが接する電解質層10を示している。
カソード触媒層18は、高分子電解質の重量比率が大きい複数の第1領域42と、高分子電解質の重量比率が第1領域よりも小さい複数の第2領域43とを含む。図2のカソード触媒層18の場合、カソード触媒層18は、その厚さ方向に積層された複数の薄層46を含み、薄層46の各々が、少なくとも1つの第1領域42と、少なくとも1つの第2領域43とを含む。
本発明において、複数の第2領域43は、カソード触媒層18の第1主面40から第2主面41まで、連続的に繋がるように配置されている。なお、図2において、第2領域は43で表されており、異なる場所に配置された第2領域43は、便宜上、43a、43b、43c等で表している。このことは、第1領域42でも同様である。
図2のカソード触媒層18では、所定の薄層46に含まれる所定の第2領域43が、前記所定の薄層46の上に積層された別の薄層46に含まれる別の第2領域43と接触するように配置されることにより、複数の第2領域43が、カソード触媒層18の第1主面40から第2主面41まで、連続的に繋がるように配置されている。
第1領域42は、高分子電解質の重量比率が大きいため、メタノールクロスオーバーにより高分子電解質が膨張し、空隙体積が大きく減少するが、プロトン伝導性が良好となる。一方、第2領域43は、第1領域42と比べて高分子電解質の重量比率が小さいため、プロトン伝導性は低い。しかしながら、前記のように高分子電解質の重量比率が小さいため、メタノールクロスオーバーにより高分子電解質が膨潤したとしても、第2領域43の空隙率の低下が抑制される。このため、第2領域43では、酸化剤の拡散性および生成水の排出性が向上する。
特に、図2に示されるように、複数の第2領域43が、カソード触媒層18の第1主面40から第2主面41まで、連続的に繋がるように配置されることにより、カソード触媒層18の厚さ方向にわたって、カソード触媒層18内部に、酸化剤の拡散および水の排出に有効な流通経路を十分に確保することが可能となる。このため、電極反応場である三相界面が拡大し、カソード過電圧の低位安定化が図ることができる。さらには、カソード過電圧を低減することができるため、燃料電池の耐久性を向上させることもできる。
特に、図2に示されるように、複数の第2領域43が、カソード触媒層18の第1主面40から第2主面41まで、連続的に繋がるように配置されることにより、カソード触媒層18の厚さ方向にわたって、カソード触媒層18内部に、酸化剤の拡散および水の排出に有効な流通経路を十分に確保することが可能となる。このため、電極反応場である三相界面が拡大し、カソード過電圧の低位安定化が図ることができる。さらには、カソード過電圧を低減することができるため、燃料電池の耐久性を向上させることもできる。
さらに、カソード触媒層18において、図2に示されるように、少なくとも第2領域43が、カソード触媒層18の厚さ方向(矢印Aに平行な方向)に対して、斜め方向に連続的に繋がっていることが好ましい。このとき、カソード触媒層18の厚さ方向において、隣接して配置された第1領域42bと第2領域43aとが、接触部45において、部分的に接していることが好ましい。
厚さ方向に隣接して配置された第1領域42bと第2領域43aとの接触部45が設けられることにより、第1領域42と第2領域43との接触面積を増加させることができる。第1領域42と第2領域43との接触面積を増加させると、電解質膜10からカソード触媒層18に供給されるプロトンと、カソード拡散層(図示せず)からカソード触媒層18に供給される酸化剤とが接触する確率を高めることができる。つまり、カソード触媒/高分子電解質/酸化剤の三相が共存する三相界面が増加させることができる。その結果、過電圧の小さいカソード触媒層を得ることができる。
本実施形態において、複数の第1領域42も、カソード触媒層18の第1主面40から第2主面41まで、連続的に繋がるように配置されることが好ましい。これにより、カソード触媒層18の内部にプロトン伝導に有効な流通経路を十分に確保することが可能となる。その結果、カソード触媒層18において、電極反応場である、カソード触媒/高分子電解質/酸化剤の三相が共存する三相界面をより増加させることができ、よって、カソード触媒層18の過電圧を小さくすることができる。
複数の第1領域42が、カソード触媒層18の第1主面40から第2主面41まで、連続的に繋がるように配置される場合、前記複数の第1領域42は、カソード触媒層18の厚さ方向に対して、斜め方向に連続的に繋がっていてもよいし、そうでなくてもよい。
特に、第1領域42が、カソード触媒層18の厚さ方向(矢印Aに平行な方向)に対して、斜め方向に連続的に繋がって配置されることが好ましい。このように、第1領域42と第2領域43の両方が、カソード触媒層18の第1主面40から第2主面41まで、連続的に繋がるように配置され、かつカソード触媒層18の厚さ方向に対して、斜め方向に連続的に繋がって配置されることにより、第1領域42と第2領域43との接触部45をさらに増加させることができる。つまり、カソード触媒/高分子電解質/酸化剤の三相が共存する三相界面をさらに増加させることができる。よって、過電圧のさらに小さいカソード触媒層を得ることができる。
なお、図2において、複数の第1領域42および複数の第2領域43は、線分Cとほぼ平行な方向に、連続的に繋がるように配列されている。
なお、図2において、複数の第1領域42および複数の第2領域43は、線分Cとほぼ平行な方向に、連続的に繋がるように配列されている。
少なくとも複数の第2領域43がカソード触媒層18の第1主面40から第2主面41まで、連続的に繋がるように配置されている限り、第1領域42と第2領域43は、カソード触媒層18の厚さ方向および/または厚さ方向に垂直な方向に、規則的に配置されてもよいし、不規則に配置されてもよい。これにより、カソード触媒層18の全領域での電極反応の均一性を高めることができ、その結果、カソード触媒層18の劣化を顕著に抑制することができる。
以下、一例として、第1領域42と第2領域43が、カソード触媒層18の厚さ方向および厚さ方向に垂直な方向に規則的に配置されている場合について示す。
具体的には、カソード触媒層18は、第1領域42と第2領域43とを含むユニット44の集合体であってもよい。図2において、複数のユニット44が、カソード触媒層18の厚さ方向(矢印Aに平行な方向)または厚さ方向に垂直な方向(矢印Bに平行な方向)に規則的に配置されている。なお、図2において、前記ユニットは44で表されているが、異なる場所に配置されたユニット44は、便宜上、44a、44b、44c等で表している。
具体的には、カソード触媒層18は、第1領域42と第2領域43とを含むユニット44の集合体であってもよい。図2において、複数のユニット44が、カソード触媒層18の厚さ方向(矢印Aに平行な方向)または厚さ方向に垂直な方向(矢印Bに平行な方向)に規則的に配置されている。なお、図2において、前記ユニットは44で表されているが、異なる場所に配置されたユニット44は、便宜上、44a、44b、44c等で表している。
図2のカソード触媒層18の矢印Bに平行な方向において、たとえば、ユニット44aと、ユニット44cとは、ユニット44aの第2領域43aと、ユニット44cの第1領域42cとが接するように配置されている。つまり、矢印Bに平行な方向においては、第1領域42と第2領域43とが交互に配置されている。
図2のカソード触媒層18の矢印Aに平行な方向においては、ユニット44aとユニット44bとが、ユニット44aの第2領域43aと、ユニット44bの第1領域42bとが部分的に接するように、隣接して配置されている。このように、厚さ方向に隣接するユニット44を、矢印Bと平行な方向に、少しずつずらすことにより、第1領域42と第2領域43の両方を、カソード触媒層18の第1主面40から第2主面41まで、連続的に繋がるように配置し、かつカソード触媒層18の厚さ方向に対して、斜め方向に連続的に繋がって配置することができる。
図2のカソード触媒層18の矢印Aに平行な方向においては、ユニット44aとユニット44bとが、ユニット44aの第2領域43aと、ユニット44bの第1領域42bとが部分的に接するように、隣接して配置されている。このように、厚さ方向に隣接するユニット44を、矢印Bと平行な方向に、少しずつずらすことにより、第1領域42と第2領域43の両方を、カソード触媒層18の第1主面40から第2主面41まで、連続的に繋がるように配置し、かつカソード触媒層18の厚さ方向に対して、斜め方向に連続的に繋がって配置することができる。
(実施の形態2)
図3に、本発明の別の実施形態に係る直接酸化型燃料電池に含まれるカソード触媒層の縦断面図を示す。図3において、図2と同じ構成要素には同じ番号を付している。
図3のカソード触媒層48と、図2のカソード触媒層18とは、複数の第1領域42および複数の第2領域43の配置が異なる。
図3に、本発明の別の実施形態に係る直接酸化型燃料電池に含まれるカソード触媒層の縦断面図を示す。図3において、図2と同じ構成要素には同じ番号を付している。
図3のカソード触媒層48と、図2のカソード触媒層18とは、複数の第1領域42および複数の第2領域43の配置が異なる。
具体的には、カソード触媒層48において、複数の第2領域43は、カソード触媒層48の第1主面40から第2主面41まで連続的に、かつカソード触媒層48の厚さ方向に対してジグザグに繋がっている。図3のカソード触媒層48において、複数の第2領域43は、たとえば折れ線Dのように、ジグザグに配置されている。
カソード触媒層48において、第2領域43が図3のように配置された場合でも、複数の第2領域43は、カソード触媒層48の第1主面40から第2主面41まで連続的に繋がるため、カソード触媒層48の厚さ方向にわたって、カソード触媒層48内部に、酸化剤の拡散および水の排出に有効な流通経路を十分に確保することが可能となる。よって、電極反応場である三相界面が拡大し、カソード過電圧の低位安定化が図ることができる。その結果、燃料電池の耐久性を向上させることができる。
さらに、図3のカソード触媒層48においては、複数の第2領域43は、カソード触媒層48の厚さ方向に対して、ジグザグに配置されている。このとき、カソード触媒層48の厚さ方向において隣接する第1領域42と第2領域43とが部分的に接していることが好ましい。これにより、実施の形態1と同様に、カソード触媒層48の厚さ方向に隣接して配置された第1領域42と第2領域43との接触部49が設けられ、第1領域42と第2領域43との接触面積を増加させることができる。第1領域42と第2領域43との接触面積を増加させると、カソード触媒/高分子電解質/酸化剤の三相が共存する三相界面を増加させることができる。その結果、過電圧の小さいカソード触媒層48を得ることができる。
本実施形態においても、複数の第1領域42は、カソード触媒層48の第1主面40から第2主面41まで連続的に繋がっていることが好ましい。これにより、上記と同様に、カソード触媒層48の内部にプロトン伝導に有効な流通経路を十分に確保することが可能となる。その結果、カソード触媒層48において、電極反応場である、カソード触媒/高分子電解質/酸化剤の三相が共存する三相界面をさらに増加させることができ、よって、カソード触媒層48の過電圧をさらに小さくすることができる。
複数の第1領域42は、カソード触媒層48の第1主面40から第2主面41まで連続的に繋がっている場合、前記複数の第1領域42は、カソード触媒層48の厚さ方向に対し、ジグザグに繋がっていてもよいし、そうでなくでもよい。
本実施形態においても、少なくとも複数の第2領域43が、カソード触媒層48の第1主面40から第2主面41まで連続的に、かつカソード触媒層48の厚さ方向に対してジグザグに繋がっていれば、第1領域42および第2領域43は、カソード触媒層48の厚さ方向および/または厚さ方向に対して垂直な方向に、規則的に配置されていてもよいし、不規則に配置されていてもよい。なお、図3は、第1領域42および第2領域43が、カソード触媒層48の厚さ方向および厚さ方向に対して垂直な方向に不規則に配置されている場合を示している。
なお、図4に、複数の第2領域43のみが、カソード触媒層48の第1主面40から第2主面41まで連続的に、かつジグザグに繋がっているカソード触媒層の一例を示す。図4において、図3と同じ構成要素には同じ番号を付している。
図4のカソード触媒層50においても、複数の第2領域43が、カソード触媒層50の第1主面40から第2主面41まで連続的に、かつカソード触媒層50の厚さ方向に対してジグザグに繋がっている。このため、上記のように、電極反応場である三相界面が拡大し、カソード過電圧の低位安定化が図ることができ、その結果、燃料電池の耐久性を向上させることができる。
さらに、図4のカソード触媒層50の場合にも、カソード触媒層50の厚さ方向において隣接する第1領域42と第2領域43とが部分的に接していることが好ましい。これにより、上記と同様に、カソード触媒層50の厚さ方向に隣接して配置された第1領域42と第2領域43との接触部が設けられ、第1領域42と第2領域43との接触面積を増加させることができる。よって、上記と同様に、過電圧の小さいカソード触媒層50を得ることができる。
図4のカソード触媒層50においても、複数の第2領域43が、カソード触媒層50の第1主面40から第2主面41まで連続的に、かつカソード触媒層50の厚さ方向に対してジグザグに繋がっている。このため、上記のように、電極反応場である三相界面が拡大し、カソード過電圧の低位安定化が図ることができ、その結果、燃料電池の耐久性を向上させることができる。
さらに、図4のカソード触媒層50の場合にも、カソード触媒層50の厚さ方向において隣接する第1領域42と第2領域43とが部分的に接していることが好ましい。これにより、上記と同様に、カソード触媒層50の厚さ方向に隣接して配置された第1領域42と第2領域43との接触部が設けられ、第1領域42と第2領域43との接触面積を増加させることができる。よって、上記と同様に、過電圧の小さいカソード触媒層50を得ることができる。
次に、第1領域42および第2領域43について説明する。以下の説明は、実施の形態1および実施の形態2の両方に共通する。
第1領域42における高分子電解質の重量比率は20〜30重量%であることが好ましく、第2領域43における高分子電解質の重量比率は10〜20重量%であることが好ましい。これにより、プロトン伝導性を確保しつつ高分子電解質の膨潤による空隙体積の減少を抑制した過電圧の小さいカソード触媒層を形成することができる。
なお、第1領域42および第2領域に含まれる高分子電解質の種類は、同じであってもよいし、異なってもよい。コスト等の面から、第1領域42および第2領域43に含まれる高分子電解質の種類は、同じであることが好ましい。
本発明において、カソード触媒は、導電性炭素粒子に担持されていることが好ましい。この場合、第1領域42は、導電性炭素粒子に対する高分子電解質の重量比が大きい領域であり、第2領域43は、導電性炭素粒子に対する高分子電解質の重量比が第1領域よりも小さい領域であることが好ましい。このような構成とすることにより、カソード過電圧のより一層の低減化が図られ、よって、燃料電池の耐久性を大幅に向上させることができる。
第1領域42における導電性炭素粒子に対する高分子電解質の重量比Aは、0.5〜0.7であることが好ましく、第2領域43における導電性炭素粒子に対する高分子電解質の重量比Bは、0.3〜0.5であることが好ましい。高分子電解質の重量比Aと重量比Bを、それぞれ前記範囲とすることにより、カソード触媒層中に過剰な高分子電解質が存在することによるカソード触媒層の空隙率の低下および高分子電解質の量の不足によるプロトン伝導性の低下を回避することが可能となり、その結果、カソード過電圧を大幅に低減させることができる。
さらに、前記重量比Aと前記重量比Bとの差(A−B)は、0.1以上であることが好ましい。前記重量比Aと前記重量比Bとの差(A−B)を0.1以上とすることにより、基本的な特性である、酸化剤の拡散性、排水性、プロトン伝導性、および電子伝導性のバランスが最適なカソード触媒層を得ることができる。
カソード触媒層の厚さ方向における第1領域42の最大径は、1〜10μmであることが好ましい。カソード触媒層の厚さ方向に対して垂直な面方向における第1領域42の最大径は、5〜20mmであることが好ましい。
カソード触媒層の厚さ方向における第2領域43の最大径は、1〜10μmであることが好ましい。カソード触媒層の厚さ方向に対して垂直な面方向における第2領域43の最大径は、5〜20mmであることが好ましい。
カソード触媒層の厚さ方向における第2領域43の最大径は、1〜10μmであることが好ましい。カソード触媒層の厚さ方向に対して垂直な面方向における第2領域43の最大径は、5〜20mmであることが好ましい。
カソード触媒層の厚さ方向およびカソード触媒層の厚さ方向に対して垂直な面方向における第1領域42および第2領域43の最大径は、たとえば、EPMA(波長分散型X線マイクロアナライザー)による、F原子、S原子等のマッピング分析により評価することができる。
カソード触媒層において、第1領域42の体積比率は、第2領域43の体積比率よりも大きいことが好ましい。たとえば、第2領域43の体積に対する第1領域42の体積の割合は、1.2〜2倍であることが好ましい。これにより、プロトン伝導性を十分に確保すること、つまり、酸化剤によりカソード触媒層が乾燥することを十分に防止することができる。
前記カソード触媒層は、例えば、図5に示されるようなスプレー式塗布装置を用いて作製することができる。図5は、カソード触媒層を形成するためのスプレー式塗布装置の構成を示す概略図である。
上記のようなカソード触媒層は、例えば、
(a)高分子電解質の重量比率が大きい第1領域を形成するための第1触媒インクを調製する工程、
(b)高分子電解質の重量比率が第1領域よりも小さい第2領域を形成するための第2触媒インクを調製する工程、および
(c)第1触媒インクおよび第2触媒インクを、電解質膜上に、所定のパターンで塗布し、乾燥して、複数の第1領域と、複数の第2領域とを含み、複数の第2領域が、厚さ方向の第1主面から第2主面まで、連続的に繋がるように配置されている、カソード触媒層を得る工程、
を含む方法により作製することができる。
(a)高分子電解質の重量比率が大きい第1領域を形成するための第1触媒インクを調製する工程、
(b)高分子電解質の重量比率が第1領域よりも小さい第2領域を形成するための第2触媒インクを調製する工程、および
(c)第1触媒インクおよび第2触媒インクを、電解質膜上に、所定のパターンで塗布し、乾燥して、複数の第1領域と、複数の第2領域とを含み、複数の第2領域が、厚さ方向の第1主面から第2主面まで、連続的に繋がるように配置されている、カソード触媒層を得る工程、
を含む方法により作製することができる。
スプレー式塗布装置のタンク60には、高分子電解質の重量比率が大きい第1領域75を形成するための第1触媒インク61が充填されている。第1触媒インク61は、攪拌機62を用いて常時流動状態にあり、開閉バルブ63を介して、スプレーガン64に供給される。第1触媒インク61は、噴出ガスとともに、スプレーガン64から放出される。噴出ガスは、ガス圧力調整器65およびガス流量調整器66を介して、スプレーガン64に供給される。
一方、タンク67には、高分子電解質の重量比率が第1領域75よりも小さい第2領域76を形成するための第2触媒インク68が充填されている。第2触媒インク68は、攪拌機69を用いて常時流動状態にあり、開閉バルブ70を介して、スプレーガン71に供給される。第2触媒インク68は、噴出ガスとともに、スプレーガン71から放出される。噴出ガスは、ガス圧力調整器65およびガス流量調整器72を介して、スプレーガン71に供給される。
第1触媒インク61および第2触媒インク68を噴出させる噴出ガスとしては、例えば、窒素ガスを用いることができる。
図5の装置において、スプレーガン64および71は、アクチュエータ73により、矢印Xに平行なX軸およびX軸に垂直なY軸の2方向に任意の位置から任意の速度で移動することが可能である。このため、高分子電解質の重量比率が大きい第1領域75と高分子電解質の重量比率が第1領域75よりも小さい第2領域76との配置を任意に変更することができる。
スプレーガン64および71は、電解質膜74の上方に設置され、第1触媒インク61および第2触媒インク68を吐出しながら移動し、電解質膜74上に、第1領域75と第2領域76とを含むカソード触媒層を形成することができる。なお、電解質膜74における触媒インク61および68の塗布領域は、マスク77を用いて調節することができる。
カソード触媒層を形成する際には、電解質膜74の表面温度が制御されていることが好ましい。電解質膜74の表面温度は、電解質膜74と接するように配置されたヒータ78により制御することができる。
なお、図5には、スプレーガン71から第2触媒インク68を吐出させ、第2領域76を形成している途中段階が示されており、スプレーガン71は休止した状態となっている。
第1領域75および第2領域76に含まれる高分子電解質の重量比率は、第1触媒インク61および第2触媒インク68に含まれる高分子電解質の量を調節することにより、制御することができる。
スプレーガン64および71の移動を制御するアクチュエータ73をコンピュータ制御してもよい。つまり、第1触媒インク61および第2触媒インク68が塗布される位置を、コンピュータ制御してもよい。これにより、第1領域75および第2領域76が規則的または不規則に配置される場合でも、カソード触媒層の第1主面から第2主面まで、第2領域76を連続的に繋げることが容易にできる。
以下、図1を参照しながら、カソード触媒層以外の構成要素について説明する。
カソード拡散層19としては、酸化剤の拡散性、水の排出性および電子伝導性を併せ持つ導電性多孔基材を用いることができる。このような導電性多孔基材としては、例えば、カーボンペーパー、カーボンクロス等が挙げられる。また、公知技術に基づいて、この導電性多孔基材に撥水処理を施してもよい。さらには、導電性多孔基材のカソード触媒層18側の表面に撥水性のカーボン層(図示せず)を設けてもよい。
カソード拡散層19としては、酸化剤の拡散性、水の排出性および電子伝導性を併せ持つ導電性多孔基材を用いることができる。このような導電性多孔基材としては、例えば、カーボンペーパー、カーボンクロス等が挙げられる。また、公知技術に基づいて、この導電性多孔基材に撥水処理を施してもよい。さらには、導電性多孔基材のカソード触媒層18側の表面に撥水性のカーボン層(図示せず)を設けてもよい。
アノード触媒層16は、触媒金属微粒子または触媒金属微粒子を担持した導電性炭素粒子と、高分子電解質とを主成分とする。アノード触媒層16に含まれる触媒金属微粒子には、例えば、白金(Pt)−ルテニウム(Ru)合金微粒子を用いることができる。アノード触媒層16に含まれる高分子電解質は、プロトン伝導性、耐熱性、化学的安定性等に優れていることが好ましい。
アノード拡散層17としては、燃料の拡散性、発電により発生した二酸化炭素の排出性および電子伝導性を併せ持つ導電性多孔基材を用いることができる。このような導電性多孔基材としては、例えば、カーボンペーパー、カーボンクロス等が挙げられる。また、公知技術に基づいて、この導電性多孔基材に撥水処理を施してもよい。さらには、導電性多孔基材のアノード触媒層16側の表面に撥水性のカーボン層(図示せず)を設けてもよい。
電解質膜10は、プロトン伝導性、耐熱性、化学的安定性等に優れていることが好ましい。電解質膜10を構成する材料(高分子電解質)は、電解質膜10が前記特性を有すれば、特に限定されない。
セパレータ14および15は、気密性、電子伝導性および電気化学的安定性を有すればよく、その材質は、特に限定されない。また、燃料流路20および酸化剤流路21の形状についても特に限定されない。
集電板24および25、シート状のヒータ26および27、絶縁板28および29、並びに端板30および31の構成材料には、当該分野で公知の材料を用いることができる。
本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、これらの実施例は、本発明を何ら限定するものではない。
(実施例1)
<カソード触媒層の作製>
図2に示されるようなカソード触媒層18を作製した。
カソード触媒として、平均粒径3nmのPtを用いた。前記カソード触媒は、平均一次粒子径30nmの導電性炭素粒子に担持させておいた。導電性炭素粒子としては、カーボンブラック(三菱化学(株)製のケッチェンブラックEC)を使用した。導電性炭素粒子とPtとの合計重量に占めるPtの重量の割合は46重量%とした。
<カソード触媒層の作製>
図2に示されるようなカソード触媒層18を作製した。
カソード触媒として、平均粒径3nmのPtを用いた。前記カソード触媒は、平均一次粒子径30nmの導電性炭素粒子に担持させておいた。導電性炭素粒子としては、カーボンブラック(三菱化学(株)製のケッチェンブラックEC)を使用した。導電性炭素粒子とPtとの合計重量に占めるPtの重量の割合は46重量%とした。
前記カソード触媒を担持した導電性炭素粒子を、イソプロパノールの水溶液中に超音波分散させた。得られた分散液に、高分子電解質を5重量%含有した水溶液を所定量添加し、ディスパーで攪拌して、第1触媒インクおよび第2触媒インクをそれぞれ調製した。この際、第1触媒インク中の導電性炭素粒子の重量に対する高分子電解質の重量比は0.60とした。第2触媒インク中の導電性炭素粒子の重量に対する高分子電解質の重量比は0.35とした。なお、第1触媒インクにおける高分子電解質の重量比率は24.5重量%であり、第2触媒インクにおける高分子電解質の重量比率は、15.9重量%であった。
高分子電解質としては、パーフルオロカーボンスルホン酸イオノマー(旭硝子(株)製のFlemion(商品名))を用いた。
高分子電解質としては、パーフルオロカーボンスルホン酸イオノマー(旭硝子(株)製のFlemion(商品名))を用いた。
次に、図4に示すスプレー式塗布装置を用いて、図2に示されるようなカソード触媒層18を電解質膜10上に6cm×6cmのサイズで形成した。電解質膜10としては、12cm×12cmのサイズに切断した炭化水素系電解質膜(ポリフューエル社製、膜厚62μm)を用いた。
カソード触媒層18は、第1触媒インクおよび第2触媒インクを厚さ方向に40回塗り重ねて形成した。具体的には、電解質膜上に、矢印Bと平行な方向に、第1触媒インクおよび第2触媒インクを交互に塗布して、第1層を形成した。次に、第1層の上に、矢印Bと平行な方向に、第1触媒インクおよび第2触媒インクを交互に塗布した。このとき、第2層における各触媒インクの塗布開始位置を、第1層の各触媒インクの塗布開始位置から、矢印Bの方向に1mmずらした(オフセット量1mm)。このような操作を繰り返して、40層からなるカソード触媒層を形成した。
本実施例において、カソード触媒層の第1主面から第2主面まで、複数の第1領域および複数の第2領域を、カソード触媒層の厚さ方向に対して、それぞれ、斜め方向に連続的に繋げた。
本実施例において、カソード触媒層の第1主面から第2主面まで、複数の第1領域および複数の第2領域を、カソード触媒層の厚さ方向に対して、それぞれ、斜め方向に連続的に繋げた。
スプレー塗布時の2つのスプレーガンの移動速度はそれぞれ60mm/秒とした。噴出ガスとしては、窒素ガスを用い、その噴出圧力を0.15MPaに設定した。スプレー塗布時の電解質膜の表面温度は65℃とした。
<アノード触媒層の作製>
アノード触媒として、平均粒径3nmのPt−Ru合金微粒子(Pt:Ruの重量比=2:1)を用いた。
前記アノード触媒を、イソプロパノールの水溶液中に超音波分散させた。得られた分散液に、高分子電解質を5重量%含有した水溶液を添加し、ディスパーで攪拌して、アノード触媒インクを調製した。この際、アノード触媒インク中のPt−Ru合金微粒子と高分子電解質との重量比を2:1とした。高分子電解質としては、パーフルオロカーボンスルホン酸イオノマー(旭硝子(株)製のFlemion)を用いた。
アノード触媒として、平均粒径3nmのPt−Ru合金微粒子(Pt:Ruの重量比=2:1)を用いた。
前記アノード触媒を、イソプロパノールの水溶液中に超音波分散させた。得られた分散液に、高分子電解質を5重量%含有した水溶液を添加し、ディスパーで攪拌して、アノード触媒インクを調製した。この際、アノード触媒インク中のPt−Ru合金微粒子と高分子電解質との重量比を2:1とした。高分子電解質としては、パーフルオロカーボンスルホン酸イオノマー(旭硝子(株)製のFlemion)を用いた。
次に、電解質膜10のカソード触媒層18が形成されている面とは反対側の面上に、カソード触媒層18に対向するように、ドクターブレード法を用いてアノード触媒インクを塗布して、アノード触媒層16を形成した。アノード触媒層16のサイズは6cm×6cmとした。アノード触媒層に含まれるPt−Ru触媒の量は、6.5mg/cm2であった。なお、前記Pt−Ru触媒の量は、アノード触媒層の所定の領域に含まれるPt−Ruの量を、前記所定の領域の法線方向から見たときの輪郭の形状を用いて計算される面積(投影面積)で除した値である。
<膜−電極接合体(MEA)の作製>
得られた膜−触媒層接合体(CCM)のカソード触媒層18の上に、カソード拡散層19を積層し、アノード触媒層16の上に、アノード拡散層17を積層した。カソード拡散層19およびアノード拡散層17のサイズは、それぞれ6cm×6cmとした。カソード拡散層19としては、片面に撥水性のカーボン層が付与されたカーボンクロス(E−TEK(株)製のLT2500W)を用いた。アノード拡散層17としては、カーボンペーパー(東レ(株)製TGP−H090)を用いた。前記カーボンペーパーの片面には、撥水性のカーボン層(PTFE40%含有)を約30μmの厚さで設けた。カソード拡散層19およびアノード拡散層17は、それぞれカーボン層がカソード触媒層18およびアノード触媒層16に接するように配置した。
得られた膜−触媒層接合体(CCM)のカソード触媒層18の上に、カソード拡散層19を積層し、アノード触媒層16の上に、アノード拡散層17を積層した。カソード拡散層19およびアノード拡散層17のサイズは、それぞれ6cm×6cmとした。カソード拡散層19としては、片面に撥水性のカーボン層が付与されたカーボンクロス(E−TEK(株)製のLT2500W)を用いた。アノード拡散層17としては、カーボンペーパー(東レ(株)製TGP−H090)を用いた。前記カーボンペーパーの片面には、撥水性のカーボン層(PTFE40%含有)を約30μmの厚さで設けた。カソード拡散層19およびアノード拡散層17は、それぞれカーボン層がカソード触媒層18およびアノード触媒層16に接するように配置した。
得られた積層体を、ホットプレス法(130℃、4MPa、3分間)に供して、触媒層と拡散層とを接合して、アノード11およびカソード12を得た。
次いで、アノード11およびカソード12の周囲に、電解質膜10を挟んでガスケット22および23を熱溶着(130℃、4MPa、5分間)して、膜−電極接合体(MEA)13を作製した。ガスケットとしては、ポリエーテルイミド層を中間層として、その両側にシリコーンゴム層を設けた3層構造体を用いた。
<評価用セルの作製>
得られたMEA13を、それぞれ外寸が12cm×12cmの、セパレータ14および15、集電板24および25、シート状のヒータ26および27、絶縁板28および29、ならびに端板30および31で両側から挟み込み、締結ロッドで固定した。締結圧は、セパレータの面積あたりで1.2MPa(12kgf/cm2)とした。
得られたMEA13を、それぞれ外寸が12cm×12cmの、セパレータ14および15、集電板24および25、シート状のヒータ26および27、絶縁板28および29、ならびに端板30および31で両側から挟み込み、締結ロッドで固定した。締結圧は、セパレータの面積あたりで1.2MPa(12kgf/cm2)とした。
セパレータ14および15としては、厚さが4mmの樹脂含浸黒鉛材(東海カーボン(株)製のG347B)を用いた。セパレータ14および15には、それぞれ幅1.5mm、深さ1mmのサーペンタイン型流路20および21を形成しておいた。集電板24および25としては、金メッキ処理を施したステンレス鋼板を使用した。シート状のヒータ26および27には、サミコンヒータ(坂口電熱(株)製)を用いた。
以上のような方法で得られた直接酸化型燃料電池を、燃料電池Aとした。
(実施例2)
第1触媒インク中の導電性炭素粒子の重量に対する高分子電解質の重量の比を0.55とし、第2触媒インク中の導電性炭素粒子の重量に対する高分子電解質の重量の比を0.45としたこと以外、実施例1と同様にして、燃料電池Bを作製した。第1触媒インクにおける高分子電解質の重量比率は、22.9重量%とし、第2触媒インクにおける高分子電解質の重量比率は19.5重量%とした。
第1触媒インク中の導電性炭素粒子の重量に対する高分子電解質の重量の比を0.55とし、第2触媒インク中の導電性炭素粒子の重量に対する高分子電解質の重量の比を0.45としたこと以外、実施例1と同様にして、燃料電池Bを作製した。第1触媒インクにおける高分子電解質の重量比率は、22.9重量%とし、第2触媒インクにおける高分子電解質の重量比率は19.5重量%とした。
(実施例3)
図3に示されるようなカソード触媒層48を形成した。具体的には、各層における第1触媒インクおよび第2触媒インクのスプレー塗布開始位置を、矢印Bの方向に任意にずらしながら、第1触媒インクおよび第2触媒インクの吐出を順次繰り返した。前記以外は、実施例1と同様にして、燃料電池Cを作製した。なお、本実施例において、カソード触媒層の第1主面から第2主面まで、複数の第1領域および複数の第2領域を、それぞれジグザグ状に連続的に繋げた。
図3に示されるようなカソード触媒層48を形成した。具体的には、各層における第1触媒インクおよび第2触媒インクのスプレー塗布開始位置を、矢印Bの方向に任意にずらしながら、第1触媒インクおよび第2触媒インクの吐出を順次繰り返した。前記以外は、実施例1と同様にして、燃料電池Cを作製した。なお、本実施例において、カソード触媒層の第1主面から第2主面まで、複数の第1領域および複数の第2領域を、それぞれジグザグ状に連続的に繋げた。
(実施例4)
図4に示されるようなカソード触媒層50を形成した。具体的には、各層における第1触媒インクおよび第2触媒インクのスプレー塗布開始位置を、矢印Bの方向に任意にずらしながら、第1触媒インクおよび第2触媒インクの吐出を順次繰り返した。前記以外は、実施例1と同様にして、燃料電池Dを作製した。なお、本実施例において、カソード触媒層の第1主面から第2主面まで、複数の第2領域のみをジグザグ状に連続的に繋げた。
図4に示されるようなカソード触媒層50を形成した。具体的には、各層における第1触媒インクおよび第2触媒インクのスプレー塗布開始位置を、矢印Bの方向に任意にずらしながら、第1触媒インクおよび第2触媒インクの吐出を順次繰り返した。前記以外は、実施例1と同様にして、燃料電池Dを作製した。なお、本実施例において、カソード触媒層の第1主面から第2主面まで、複数の第2領域のみをジグザグ状に連続的に繋げた。
(比較例1)
カソード触媒層を、高分子電解質の重量比率が大きい第1領域からなる単一構造とした。すなわち、カソード触媒層を第1触媒インクのみを用いてスプレー塗布により形成した。前記以外、実施例1と同様にして、比較燃料電池1を作製した。
カソード触媒層を、高分子電解質の重量比率が大きい第1領域からなる単一構造とした。すなわち、カソード触媒層を第1触媒インクのみを用いてスプレー塗布により形成した。前記以外、実施例1と同様にして、比較燃料電池1を作製した。
(比較例2)
カソード触媒層を、高分子電解質の重量比率が第1領域よりも小さい第2領域からなる単一構造とした。すなわち、カソード触媒層を、第2触媒インクのみを用いてスプレー塗布法により形成した。前記以外、実施例1と同様にして、比較燃料電池2を作製した。
カソード触媒層を、高分子電解質の重量比率が第1領域よりも小さい第2領域からなる単一構造とした。すなわち、カソード触媒層を、第2触媒インクのみを用いてスプレー塗布法により形成した。前記以外、実施例1と同様にして、比較燃料電池2を作製した。
(比較例3)
カソード触媒層の厚さ方向の電解質膜側の半分を第1領域からなる単一層とし、カソード触媒層の厚さ方向のカソード拡散層側の半分を第2領域からなる単一層とした。すなわち、第1触媒インクを、電解質膜の全発電領域(6cm×6cm)に対して厚さ方向に20回塗り重ねて、第1領域からなる層を形成し、次いで、前記第1領域からなる層全体の上に、第2触媒インクを厚さ方向に20回塗り重ねて、第2領域からなる層を形成した。このようにして、厚さ方向に、高分子電解質の量の勾配が設けられたカソード触媒層を形成したこと以外は、実施例1と同様にして、比較燃料電池3を作製した。
カソード触媒層の厚さ方向の電解質膜側の半分を第1領域からなる単一層とし、カソード触媒層の厚さ方向のカソード拡散層側の半分を第2領域からなる単一層とした。すなわち、第1触媒インクを、電解質膜の全発電領域(6cm×6cm)に対して厚さ方向に20回塗り重ねて、第1領域からなる層を形成し、次いで、前記第1領域からなる層全体の上に、第2触媒インクを厚さ方向に20回塗り重ねて、第2領域からなる層を形成した。このようにして、厚さ方向に、高分子電解質の量の勾配が設けられたカソード触媒層を形成したこと以外は、実施例1と同様にして、比較燃料電池3を作製した。
(比較例4)
カソード触媒層の厚さ方向の電解質膜側の半分を第2領域からなる単一層とし、カソード触媒層の厚さ方向のカソード拡散層側の半分を第1領域からなる単一層とした。すなわち、第2触媒インクを、電解質膜の全発電領域(6cm×6cm)に20回塗り重ねて、第2領域からなる層を形成し、次いで、前記第2領域からなる層全体の上に、第1触媒インクを20回塗り重ねて、第1領域からなる層を形成した。このようにして、厚さ方向に、高分子電解質の量の勾配が設けられたカソード触媒層を形成した。前記以外は、実施例1と同様にして、比較燃料電池4を作製した。
カソード触媒層の厚さ方向の電解質膜側の半分を第2領域からなる単一層とし、カソード触媒層の厚さ方向のカソード拡散層側の半分を第1領域からなる単一層とした。すなわち、第2触媒インクを、電解質膜の全発電領域(6cm×6cm)に20回塗り重ねて、第2領域からなる層を形成し、次いで、前記第2領域からなる層全体の上に、第1触媒インクを20回塗り重ねて、第1領域からなる層を形成した。このようにして、厚さ方向に、高分子電解質の量の勾配が設けられたカソード触媒層を形成した。前記以外は、実施例1と同様にして、比較燃料電池4を作製した。
(比較例5)
カソード触媒層の主面に平行な方向において、カソード触媒層の燃料流路の上流部に対向する部分(6cm×1.5cm)を第1領域からなる単一層とし、燃料流路の中流部および下流部に対向する部分(6cm×4.5cm)を第2領域からなる単一層とした。すなわち、第1触媒インクを、電解質膜の燃料流路の上流部に対向する部分(6cm×1.5cm)に40回塗り重ねて、第1領域からなる層を形成した。次いで、第2触媒インクを、電解質膜の燃料流路の中流部および下流部に対向する部分(6cm×4.5cm)に40回塗り重ねて、第2領域からなる層を形成した。このようにして、カソード触媒層の主面に平行な方向に、高分子電解質の量の勾配が設けられたカソード触媒層を形成した。前記以外は、実施例1と同様にして、比較燃料電池5を作製した。
カソード触媒層の主面に平行な方向において、カソード触媒層の燃料流路の上流部に対向する部分(6cm×1.5cm)を第1領域からなる単一層とし、燃料流路の中流部および下流部に対向する部分(6cm×4.5cm)を第2領域からなる単一層とした。すなわち、第1触媒インクを、電解質膜の燃料流路の上流部に対向する部分(6cm×1.5cm)に40回塗り重ねて、第1領域からなる層を形成した。次いで、第2触媒インクを、電解質膜の燃料流路の中流部および下流部に対向する部分(6cm×4.5cm)に40回塗り重ねて、第2領域からなる層を形成した。このようにして、カソード触媒層の主面に平行な方向に、高分子電解質の量の勾配が設けられたカソード触媒層を形成した。前記以外は、実施例1と同様にして、比較燃料電池5を作製した。
[評価]
実施例1〜4で作製した燃料電池A〜Dおよび比較例1〜5で作製した比較燃料電池1〜5について、カソード触媒層の単位面積あたりの有効反応面積および耐久特性の評価を行った。評価方法を以下に示す。
実施例1〜4で作製した燃料電池A〜Dおよび比較例1〜5で作製した比較燃料電池1〜5について、カソード触媒層の単位面積あたりの有効反応面積および耐久特性の評価を行った。評価方法を以下に示す。
<カソード触媒層の単位面積あたりの有効反応面積>
カソード触媒層の単位面積あたりの有効反応面積は、以下の式:
(カソード触媒層の有効反応面積)/(カソード触媒層の面積)
により求めた。得られた結果を、表1に示す。
カソード触媒層の単位面積あたりの有効反応面積は、以下の式:
(カソード触媒層の有効反応面積)/(カソード触媒層の面積)
により求めた。得られた結果を、表1に示す。
カソード触媒層の有効反応面積は、以下の方法で求めた。
カソードに加湿された窒素ガスを流し、アノードに加湿された水素ガスを流した状態で、サイクリックボルタンメトリー(CV)を用い、0.07〜0.6V間を5mV/cmで電位走査して、電流−電位曲線を得た。得られた電流−電位曲線から水素ガスの吸脱着電気量を求めた。この値を触媒1cm2あたりの水素の吸脱着電気量で除することにより、カソード触媒層の有効反応面積を算出した。なお、前記触媒1cm2あたりの水素の吸脱着電気量は、触媒固有の値であり、例えば、白金(Pt)の場合には、1cm2あたりの水素の吸脱着電気量は、210μC/cm2である。
上記の式におけるカソード触媒層の面積とは、カソード触媒層の主面をその法線方向から見た場合に、触媒層の輪郭の形状を用いて計算される面積(投影面積)のことである。実施例および比較例で用いられるカソード触媒層の面積は、36cm2(6cm(縦の長さ)×6cm(横の長さ))である。
カソードに加湿された窒素ガスを流し、アノードに加湿された水素ガスを流した状態で、サイクリックボルタンメトリー(CV)を用い、0.07〜0.6V間を5mV/cmで電位走査して、電流−電位曲線を得た。得られた電流−電位曲線から水素ガスの吸脱着電気量を求めた。この値を触媒1cm2あたりの水素の吸脱着電気量で除することにより、カソード触媒層の有効反応面積を算出した。なお、前記触媒1cm2あたりの水素の吸脱着電気量は、触媒固有の値であり、例えば、白金(Pt)の場合には、1cm2あたりの水素の吸脱着電気量は、210μC/cm2である。
上記の式におけるカソード触媒層の面積とは、カソード触媒層の主面をその法線方向から見た場合に、触媒層の輪郭の形状を用いて計算される面積(投影面積)のことである。実施例および比較例で用いられるカソード触媒層の面積は、36cm2(6cm(縦の長さ)×6cm(横の長さ))である。
<耐久特性>
4Mメタノール水溶液を流量0.27cc/minでアノードに供給し、空気を流量0.26L/minでカソードに供給し、0.4Vの定電圧で、各燃料電池を連続発電させた。発電時の電池温度は60℃とした。
4Mメタノール水溶液を流量0.27cc/minでアノードに供給し、空気を流量0.26L/minでカソードに供給し、0.4Vの定電圧で、各燃料電池を連続発電させた。発電時の電池温度は60℃とした。
発電開始から4時間経過した時点の電流密度値から電力密度値を算出した。得られた値を初期電力密度とした。その後、発電開始から3000時間経過した時点の電流密度値から電力密度値を算出した。初期電力密度に対する3000時間経過したときの電力密度の比率を電力密度維持率とした。得られた結果を表1に示す。表1において、電力密度維持率は百分率値で表している。
表1には、第1領域および第2領域における高分子電解質の重量、導電性炭素粒子の重量に対する高分子電解質の重量の比(高分子電解質/導電性炭素粒子)、カソード触媒層の構造、ならびに各電池の初期電力密度も示す。
表1に示されるように、燃料電池A〜Dの電力密度維持率は、非常に高い値を示した。
本発明においては、カソード触媒層中における高分子電解質の量を均一に分布させたり、カソード触媒層の厚さ方向において、高分子電解質の量に勾配を持たせたりするのではなく、高分子電解質の重量比率が小さい第2領域を、カソード触媒層の第1主面から第2主面まで、連続的に繋がるように配置している。前記のような構成により、カソード触媒層の厚さ方向にわたって、カソード触媒層内部に、酸化剤の拡散および水の排出に有効な流通経路を十分に確保することが可能となる。よって、電極反応場である三相界面が拡大し、カソード過電圧の低位安定化が図ることができる。その結果、燃料電池の耐久性を向上させることができたものと考えられる。
本発明においては、カソード触媒層中における高分子電解質の量を均一に分布させたり、カソード触媒層の厚さ方向において、高分子電解質の量に勾配を持たせたりするのではなく、高分子電解質の重量比率が小さい第2領域を、カソード触媒層の第1主面から第2主面まで、連続的に繋がるように配置している。前記のような構成により、カソード触媒層の厚さ方向にわたって、カソード触媒層内部に、酸化剤の拡散および水の排出に有効な流通経路を十分に確保することが可能となる。よって、電極反応場である三相界面が拡大し、カソード過電圧の低位安定化が図ることができる。その結果、燃料電池の耐久性を向上させることができたものと考えられる。
燃料電池A〜Dの中でも、燃料電池AおよびBでは、耐久特性が顕著に向上している。燃料電池AおよびBの場合には、第1領域と第2領域とが、カソード触媒層の厚さ方向に対して、斜め方向に連続的に繋がるように規則的に配置されている。このため、カソード触媒層内部に、プロトン伝導に有効な流通経路(連続的に繋がった第1領域)、ならびに酸化剤の拡散および排水に有効な流通経路(連続的に繋がった第2領域)を、それぞれ十分に確保することが可能となる。その結果、カソード触媒層全領域での電極反応の均一性を高めることができる。
さらに、厚さ方向に隣接して配置された第1領域と第2領域との接触面積を増加させることができるため、カソード触媒/高分子電解質/酸化剤の三相が共存する三相界面が増加させることができる。その結果、過電圧の小さいカソード触媒層を得ることができる。
よって、燃料電池AおよびBの耐久特性が顕著に向上したと考えられる。
さらに、厚さ方向に隣接して配置された第1領域と第2領域との接触面積を増加させることができるため、カソード触媒/高分子電解質/酸化剤の三相が共存する三相界面が増加させることができる。その結果、過電圧の小さいカソード触媒層を得ることができる。
よって、燃料電池AおよびBの耐久特性が顕著に向上したと考えられる。
一方、比較燃料電池1〜5の電力密度維持率は、燃料電池A〜Dの電力密度維持率と比較して著しく低い値を示した。
比較燃料電池1の場合には、カソード触媒層が、第1領域の単一層から構成される。このため、発電時間の経過とともに、クロスオーバーしたメタノールや水による高分子電解質の膨潤が徐々に進行し、カソード触媒層の空隙体積が減少する。このため、酸化剤の拡散性および水の排出性が低下し、その結果、電力密度維持率が顕著に低下したものと推察される。
比較燃料電池1の場合には、カソード触媒層が、第1領域の単一層から構成される。このため、発電時間の経過とともに、クロスオーバーしたメタノールや水による高分子電解質の膨潤が徐々に進行し、カソード触媒層の空隙体積が減少する。このため、酸化剤の拡散性および水の排出性が低下し、その結果、電力密度維持率が顕著に低下したものと推察される。
比較燃料電池2の場合には、カソード触媒層が、第2領域の単一層から構成される。このため、カソード触媒層内部に、プロトン伝導に有効な流通経路を確保することが困難となる。その結果、電極反応場である、カソード触媒/高分子電解質/酸化剤の三相が共存する三相界面が減少し、カソード過電圧が増大して、電力密度維持率が顕著に低下したものと推察される。
比較燃料電池3および比較燃料電池4の場合には、カソード触媒層において、高分子電解質の量に勾配を持たせている。この場合、高分子電解質の重量比率が大きい領域では、高分子電解質の膨潤によりカソード触媒層の空隙体積が減少して、酸化剤の拡散性および水の排出性が低下する問題、高分子電解質の重量比率が小さい領域では、プロトン伝導に有効な流通経路を確保することが困難となる問題がそれぞれ生じる。その結果、耐久特性が大きく低下したと推察される。
比較燃料電池5の場合には、カソード触媒層の主面に平行な方向において、カソード触媒層の燃料流路の上流部に対向する部分に含まれる高分子電解質の量を、カソード触媒層の燃料流路の下流部に対向する部分に含まれる高分子電解質の量によりも多くなるように、高分子電解質の量に勾配を持たせている。そのため、メタノールクロスオーバーの多い燃料流路の上流部に対向するカソード触媒層の部分では、高分子電解質が膨潤することによる空隙体積が顕著に減少し、酸化剤の拡散性および水の排出性が低下する。その結果、比較燃料電池5では、電力密度維持率が顕著に低下したものと推察される。
本発明の直接酸化型燃料電池は、優れた発電特性および耐久性を有するため、例えば、携帯電話、ノートパソコン、ディジタルスチルカメラ等の携帯用小型電子機器用の電源として有用である。さらに、本発明の直接酸化型燃料電池は、例えば、電動スクータ、自動車等の電源としても用いることができる。
1 単位セル
10、74 電解質膜
11 アノード
12 カソード
13 膜−電極接合体(MEA)
14 アノードセパレータ
15 カソードセパレータ
16 アノード触媒層
17 アノード拡散層
18、48、50 カソード触媒層
19 カソード拡散層
20 燃料流路
21 酸化剤流路
22、23 ガスケット
24、25 集電板
26、27 シート状のヒータ
28、29 絶縁板
30、31 端板
10、74 電解質膜
11 アノード
12 カソード
13 膜−電極接合体(MEA)
14 アノードセパレータ
15 カソードセパレータ
16 アノード触媒層
17 アノード拡散層
18、48、50 カソード触媒層
19 カソード拡散層
20 燃料流路
21 酸化剤流路
22、23 ガスケット
24、25 集電板
26、27 シート状のヒータ
28、29 絶縁板
30、31 端板
40 第1主面
41 第2主面
42、75 高分子電解質の重量比率が大きい第1領域
43、76 高分子電解質の重量比率が第1領域よりも小さい第2領域
44、44a、44b、44c ユニット
45、49 接触部
46 薄層
41 第2主面
42、75 高分子電解質の重量比率が大きい第1領域
43、76 高分子電解質の重量比率が第1領域よりも小さい第2領域
44、44a、44b、44c ユニット
45、49 接触部
46 薄層
60、67 タンク
61 第1触媒インク
62、69 攪拌機
63、70 開閉バルブ
64、71 スプレーガン
65 ガス圧力調整器
66、72 ガス流量調整器
68 第2触媒インク
73 アクチュエータ
77 マスク
78 ヒータ
61 第1触媒インク
62、69 攪拌機
63、70 開閉バルブ
64、71 スプレーガン
65 ガス圧力調整器
66、72 ガス流量調整器
68 第2触媒インク
73 アクチュエータ
77 マスク
78 ヒータ
Claims (8)
- 電解質膜と前記電解質膜の両側にそれぞれ配置されたアノードおよびカソードとを備える膜−電極接合体、前記アノードに燃料を供給するための燃料流路を有するアノードセパレータ、ならびに前記カソードに酸化剤を供給するための酸化剤流路を有するカソードセパレータを具備する少なくとも1つの単位セルを有し、
前記カソードは、前記電解質膜に接するカソード触媒層、および前記カソードセパレータに接するカソード拡散層を含み、
前記カソード触媒層は、少なくともカソード触媒と高分子電解質とを含んでおり、かつ前記カソード触媒層は、前記高分子電解質の重量比率が大きい複数の第1領域と、前記高分子電解質の重量比率が前記第1領域よりも小さい複数の第2領域とを含んでおり、
前記複数の第2領域が、前記カソード触媒層の第1主面から第2主面まで、連続的に繋がるように配置されている、直接酸化型燃料電池。 - 前記複数の第2領域が、前記カソード触媒層の厚さ方向に対して、斜め方向に連続的に繋がっており、かつ前記カソード触媒層の厚さ方向において、隣接する前記第1領域と前記第2領域とが部分的に接している、請求項1記載の直接酸化型燃料電池。
- 前記複数の第2領域が、前記カソード触媒層の厚さ方向に対して、ジグザクに連続的に繋がっており、かつ前記カソード触媒層の厚さ方向において、隣接する前記第1領域と前記第2領域とが部分的に接している、請求項1記載の直接酸化型燃料電池。
- 前記第1領域と前記第2領域とが、前記カソード触媒層の厚さ方向または厚さ方向に垂直な方向に、規則的にまたは不規則に配置されている、請求項1記載の直接酸化型燃料電池。
- 前記複数の第1領域が、前記カソード触媒層の第1主面から第2主面まで、連続的に繋がるように配置されている、請求項1記載の直接酸化型燃料電池。
- 前記カソード触媒層が、前記カソード触媒を担持した導電性炭素粒子をさらに含み、
前記第1領域が、前記導電性炭素粒子に対する前記高分子電解質の重量比が大きい領域であり、
前記第2領域が、前記導電性炭素粒子に対する前記高分子電解質の重量比が前記第1領域よりも小さい領域である、請求項1〜5のいずれかに記載の直接酸化型燃料電池。 - 前記第1領域における前記導電性炭素粒子に対する前記高分子電解質の重量比Aが、0.5〜0.7であり、
前記第2領域における前記導電性炭素粒子に対する前記高分子電解質の重量比Bが、0.3〜0.5である、請求項6記載の直接酸化型燃料電池。 - 前記重量比Aと、前記重量比Bとの差が、0.1以上である、請求項7記載の直接酸化型燃料電池。
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Legal Events
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20111110 |
|
A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20121212 |